「かわいくて、かわいくて、どうしよう」
生田斗真がトランスジェンダーを演じる!?ですって・・・!?
これは観るしかない・・・っ!!
しかし劇場公開には間に合わず、DVDでの鑑賞となりました・・・。
公式サイトはこちら。
もちろん原作は未読、特に事前情報などもなく観ました。
【映画情報】
【制作国】日本
【監督/脚本】荻上直子
【企画/プロデュース】木幡久美、天野真弓
【プロデューサー】高木徳昭、五十嵐真志、石黒研三
【撮影】柴崎幸三
【照明】上田なりゆき
【美術】富田麻由美
【録音】瀬川徹夫
【編集】普嶋信一
【音楽】江藤直子
【出演([]内は役名)】
- 生田斗真[リンコ]
- 桐谷健太[マキオ]
- 柿原りんか[トモ]
- ミムラ[ヒロミ]
- 小池栄子[ナオミ]
- 門脇麦[佑香]
- りりィ[サユリ]
- 田中美佐子[フミコ]
- 柏原収史[ヨシオ]
- 高橋楓翔[リンコ]
- 品川徹[斉藤]
- 江口のりこ[金井]
- 込江海翔[カイ]
【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】127分
【映倫区分】G
【配給】スールキートス
【IMDB】6.2/10.0 (およそ410人の評価)
【あらすじ】
11歳の女の子トモは、母親のヒロミと2人暮らし。ところがある日、ヒロミが育児放棄して家を出てしまう。ひとりぼっちになったトモが叔父マキオの家を訪ねると、マキオは美しい恋人リンコと暮らしていた。元男性であるリンコは、老人ホームで介護士として働いている。母親よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いを隠しきれないトモだったが……。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.4/5.0
うーん。やっぱり思うのは
「ただし美形に限る」感。
リンコさんという可愛らしい人のキャラクターを生田斗真というガチの美形が演じてしまうと、「そりゃ美人だもんなぁ」という気持ちになってしまって集中できない。
その人の内面の美しさとかの描写を役者の造形に頼るのではなく、俳優さんの仕草や脚本で魅せて欲しかったなぁ、というのが一番惜しかった部分。
じゃないと、「気持ち悪い」と思う小池栄子視点に共感する人だって必ずしもいるだろうに、そこに説得力(リアリティ)があんまりなくなってしまうというか。
トランスジェンダーの方々の存在があまり世の中に浸透していないからこそ、そういう人たちを「気味悪がる」という視点は「彼らの表面的なところしか見ていない」という、実は非常に重要なファクターだと思うんですよね。でもその表面上を”おキレイ”に小綺麗に飾ってしまうと、、、嘘くさくなってしまう気がする。
もし、リンコさんがもっと醜男だったら。あんなに早く、姪っ子は懐いただろうか、とか。すごく余計なんですけど、物語に集中出来なかったなぁ。
リンコのトモへの想い
ここも、残念なところ。
預かってすぐにトモを可愛がるリンコさんは、彼女が「子どもである」という1点しか見ていないのではないか?と思えてしまった。
つまりは、トモを一人の人間として気に入るというシーンが少なすぎて「子どもであれば誰でもよいのでは」と思ってしまうんですよね。マキオの子どもを産むことは出来ない。だからマキオの血縁であり、子どもであり、しかもネグレクトされている「可哀そうな子ども」である「トモ」の価値は、それだけに過ぎなかったのでは。と。
そう思ってしまうと、この物語のキモである、血縁ではない人と紡ぐ家族愛だとか、トランスジェンダーという特殊な境遇にいる人が「普通の人となんら変わらない」と交流していく部分が全く映えてこないんですよね。
ミスキャストもあるし、脚本も少し弱かったのかなぁ。
母子の問題、性同一性障害に悩んでいるであろう同級生との絡みなど、もっと深掘りして欲しいポイントも、さらっと見せただけでしたねー・・・。
まとめ
唯一気に入ったのは、性転換した体を供養しようと編み物をするシーン。
静かで、優しい良い映画だとは思うんですが、いかんせんメッセージ性が薄く、言いたいことの半分も伝わってこない・・・そんな印象を受ける映画でした。
題材は良いのに惜しいなぁ。
もしかしたら、この作品も原作は素晴らしいのかもしれませんね。
この映画をきっかけにして、原作を読んでみよう、と思える人が少しでもいるのなら、それは良いことだと思います。