惹かれ合う孤独な魂たち
この世の果ての恋物語
こちらもちびぞうの過去鑑賞作をまとめようのシリーズ。
岩井俊二監督が外国の俳優さんたちを起用しカナダで撮影したという本作!!
異質なヴァンパイア映画ということで…ヴァンパイア映画が大好きなちびぞうにとってどのように映るのか!?
あまり国内外の評価は高くなさそうなので期待はしない方がよさそうです…。
ちなみに岩井俊二監督の映画はそんなに多く観ていませんがちびぞうは『リップヴァンウィンクルの花嫁』が好きですね!!
今作の公式サイトはこちら。
【映画情報】
【原題】Vampire
【制作国】アメリカ/カナダ/日本
【監督/プロデュース/脚本/編集/音楽】岩井俊二
【出演([]内は役名)】
- ケヴィン・ゼガーズ[サイモン]
- ケイシャ・キャッスル=ヒューズ[ゼリーフィッシュ]
- 蒼井優[ミナ]
- アデレイド・クレメンス[レディバード]
- トレヴァー・モーガン[レンフィールド]
- アマンダ・プラマー[ヘルガ]
- クリスティン・クルック[マリア・ルーカス]
- レイチェル・リー・クック[ローラ・キング]
【公開日(日本)】2012年9月15日
【上映時間】119分
【配給】ポニーキャニオン
【映倫区分】PG12
【IMDB】5.4/10.0 (およそ1,300人の評価)
【あらすじ】
高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマーの母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていて……。【引用元:シネマトゥデイ】
【感想】
☆3.9/5.0
好き。愛しい。ちびぞうはこの映画が好きです!!!
数多くのヴァンパイア映画を愛でてきたちびぞうですが(言うほど観てないけど)、この作品に新しい吸血鬼映画の可能性を感じた!!
(吸血鬼映画としての異質さは『モールス』なんかと近い部分があるかも)
主人公は高校の教師(理系)。休みの日には自殺志願者の集うサイトで自殺志願者(女性ばかり)を物色。自殺オフに見せかけて相手の血を注射器でスマートに抜いて殺し、その血を飲む。その行為が吸血鬼ゆえなのか、ただの血が飲みたいだけの人間だから(血液嗜好症とか)しているのか…それとも殺すこと自体に意味があるのか。明確にはされません。そのふわっと感がまた良い。
主人公と出会う様々な女達はみな一様に美しく、そして死を渇望している。散る間際の命ってどうしてこうも綺麗に見えるのか…!薄幸美人ってことなのでしょうか!?
死が全体を覆っている物語なんですが、その中にいくつかの愛の物語が散りばめられていて、どれも切ないです…!!
主人公の行動は倫理に反するけど本当に彼女たちを思いやっていて、愛があると感じられたし、ある一人の少女と出会ってその愛の形に変化が訪れる瞬間は鳥肌モノです。
あのシーンだけでいいから観て欲しい!(前後も大事だけどさ…そうね、とりあえず全部観ましょう!)
生徒役で出ていた蒼井優も脇役ですが、良い演技してました!!(ただ役どころに見合わない存在感で、最後までこの子何かあるわね!?感が拭えなかった)
一言で言えば異端な男子の愛の物語。そこに吸血鬼と言うエッセンスが加わって新たな世界観が生まれています。(退屈だと思う人には退屈かもしれない…血を飲むシーンとかグロいと感じる人にはグロいし、結局人を選ぶ作品化もしれません)
岩井俊二監督の映画はあまり観ていないのでこの人らしいかどうかはわかりませんが、私は凄く好きでした。ネット上で色々と感想を見ていると、確かに他の方が言ってるみたいに外国人キャストでやる意味はあまりないのかも?しれないんですが、いかにも洋画な画面なのに音楽や脚本が邦画っぽくて不思議な世界観なんですよね。そこが非日常感を煽ってて良い感じです。
正統派な吸血鬼映画とは少し違うんだけど、巷でよくあるパターンの作品に辟易し始めた人に、ちょっぴり「こんなのはどう?」とオススしたい一本です!!(*’ω’*)