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黒人と白人の芸人コンビの一生。映画『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』ネタバレ&感想

「俺たちはコインと同じ、表裏一体だ。二人で一つ」

こちらもちびぞう母チョイスの作品でレンタルで観たもの。

1800年代から1900年初頭にかけて人気だった「黒人と白人コンビのピエロ」を元にした実話系ドラマです。

『最強のふたり』で一躍名をはせたオマール・シーが黒人芸人ショコラ役で出演しています!

そして観終わってから知ったんですが相方のフティット役のジェームズ・ティエレは「喜劇王チャーリー・チャップリン」の実孫だそうで!はや~なるほど!流石の演技でございました。

こちら、史実のショコラについて書かれた本と映画の違いについて書かれている三角絞めさんのブログ記事がありましたのでご紹介しておきますね~(*’ω’*)

【映画情報】

【原題】Chocolat
【制作国】フランス
【監督】ロシュディ・ゼム
【原案】ジェラール・ノワリエル
【脚本】シリル・ジェリー、オリビエ・ゴルス、ロシュディ・ゼム
【製作】エリック・アルトメイヤー、ニコラ・アルトメイヤー
【撮影】トマ・レテリエ
【美術】ジェレミー・ディシュ・リノル
【衣装】パスカリーヌ・シャバンヌ
【編集】モニカ・コールマン
【音楽】ガブリエル・ヤーレ
【出演([]内は役名)】

  • オマール・シー[ショコラ(ラファエル・パディーヤ)]
  • ジェームズ・ティエレ[ジョルジュ・フティット]
  • クロチルド・エム[マリー・グリマルディ]
  • オリビエ・グルメ[ジョゼフ・オレール]
  • フレデリック・ピエロ[デルヴォー]
  • ノエミ・ルボフスキー[デルヴォーの妻]
  • アリス・ド・ランクザン[カミーユ]
  • オリビエ・ラブルダン[ジュミエ]

【公開日(日本)】2017年1月21日
【上映時間】119分
【配給】東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.1/10.0  (およそ4700人の評価)

【あらすじ】

1897年、フランス北部の小さなサーカスで出会い、コンビを組み人気を博した白人芸人フティットと黒人芸人ショコラ。パリの名門サーカスの専属となった2人は名声を手にするが、人種差別の世間の偏見がショコラの前に立ちはだかる。その現実から逃れるかのように、ショコラはギャンブルに溺れていく。彼の才能を信じる相方のフティットは、ショコラを支え続けていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆3.0/5.0

三角絞めさんのブログでは結構史実と違う!ということが書かれていたので、ここでは実話ベースのフィクションという形で映画としてどうだったのか?という感想をば。

お話はすごく単純!

フランス北部の小さなサーカス団「デルヴォー座」で「くろんぼの王、カナンガ」という人食い族の役を演じていたラファエル。

そして同じサーカスで落ち目のピエロ、フティットも座長に「時代は20世紀なんだ、もっとモダンな芸を見せろ」と言われ過去に例のない”初の黒人と白人コンビ芸”を思いつく。

フティットに誘われ、「フティット&ショコラ」としてコンビをスタートするラファエル。

二人は一躍人気者になり、パリの大きなサーカス団に引き抜かれる。

そこでも大成功し、人気と富を得る二人。

しかし黒人が成り上がるのは白人への侮辱、と取る当時の差別の風潮もあり、ショコラの酒や女やギャンブルに溺れる性格もあり、慢心が空回りして「尻を蹴られる黒人ではなく、白人に尊敬される黒人になりたい」と挑戦したシェイクスピアの劇で失敗したりと、色々あるうちにコンビ仲も悪くなり、

最後はフティットに殴られる場面で避け、フティットを殴り返して笑いを取る。そして「これでも客は笑うんだ」とショコラが言い捨てる。そして二人は解散。

晩年のラファエルは小さなサーカスの裏方をしていたが、重篤な結核になってしまっていて瀕死の状態。そこへ現れたフティットと死の間際に友情を確認して…終了。

どん底→挑戦→成功→慢心→空回り→すれ違い→転落→和解

こんな感じですね!伝記映画だとよくあるっちゃよくある構成です。

キャストの演技がイイ!

主演二人の演技がすごーく良いです!

フティットの本物のピエロかこの人は!と思うような動き…すごい。

それから、「フティット&ショコラ」として初めてお客さんの前に出た時、奇異な目を向けられ唖然として棒立ちになってしまうショコラ。戸惑い、差別の目に恐れ、自分はここに立てる人間じゃないのか?と迷うような、そんな悲しい場面でした…が。そこでフティットがショコラの尻を蹴り上げると、会場から少しずつ笑いが。

この場面、黒人を蹴ることで笑いが起きたんだなぁという複雑な目でみてしまうシーンではあるんですが、劇中のショコラの瞳は輝いて、本当に嬉しそうに笑っていたんです。

その瞬間、ちびぞうも彼が芸人としてしていることを笑って認めてあげないとという気持ちになりましたね。芸の内容に笑ったというよりかは、楽しそうに演技する二人の芸に微笑んでしまう…そんな感じで完璧に物語に入り込んでしまったというか。入り込まされてしまう演技でしたね!

ショコラの才能を殺した黒人差別

この映画、黒人だからショコラがだめになってしまったのか、というとそうではない。

序盤からショコラの女好きなところは描かれているし、それが原因となって捨てた女の母親に不法滞在を密告され、捕まって拷問を受けることになってしまうんですよね。ある意味そこの根元の部分に黒人かどうかは関係なかったというか。自業自得というか。

シェイクスピアの「オセロ」だって評価していた人もいたはずで、確かにブーイングは受けていましたが・・・ボロボロになって更に追い込まれることになったのは、彼が酒とギャンブルにのめり込むタイプの人だったから…借金もかさんでいましたし。ギャンブル好きなのに弱い、というのも最初のデルヴォー座にいた時から描かれていましたね。

なので、転落の根元の部分と言うのはラファエル(ショコラ)という才能に溢れつつも怠惰で欲に正直な人物である、というところが一番大きいんだと思います。

しかし、彼の心に闇を落としたのは間違いなく差別もあった。父親も白人に使える奴隷だったし、実際に見世物のようになっている黒人たちも目にするし、拷問も受けるし。

彼の芸は立派な芸であったのに「白人に蹴られる黒人だからこそ受けた」という部分だけを本人が深く信じ込んでしまった、というのが悲劇の始まり何ですよね。

なんというか、人柄と世相が合わさって不幸が起きたというか、そんな感じ。ある意味では差別が彼を殺した、とも言えるでしょう。

ラストシーンに感動する理由

さんざん、劇中でショコラは「尻を蹴られる黒人として笑われるのは嫌だ」と”ショコラ”である自分を嫌っていましたが、晩年のショコラの部屋を訪れたフティットの目に映るのは、壁一面に貼られた「フティット&ショコラ」のチラシやポスター、写真の数々。

きっとあの頃には、ショコラは自分が笑われていたのではなく、芸人として人々を笑わせていたんだという事に気付けていた。そして、当時の人気や自分の才能にもやっと素直に向き合えるようになっていたのかな、と。最後にフティットが、ショコラがメ描いたメモに描かれたパラパラ漫画を見るんですが、その内容も黒人芸人ショコラが椅子を投げられずっこけるという内容のものでしたしね。

ちびぞう的に一番ジーンと来たのは、そのパラパラ漫画を見て思わずフティットが吹き出して笑いだしてしまうところ。

覚えている限りでは、フティットはショコラの芸で笑う、という事をあんまりしていなかったんですよねー。というか、フティット自体もショコラに対して裏方として日陰の存在を演じていた部分もあって(多分お互いにお互いの引き立て役だと思っていた部分があったんではないかな)彼もずっと影を抱えていたんですよね。そんなフティットが、心の底から可笑しくて笑ってしまう。それは劇中で初めてのことのように思えました。

そして、ショコラが自分の才能(パラパラ漫画)で最後に笑わせたのが相方のフティットであった…というのも本当にずるい!演出です。誰よりも認めて欲しかった相方に、笑いの才能を認めてもらった瞬間が最後の瞬間になるという…。二人が和解するのに最高に憎い演出でした…。

まとめ

散文過ぎて申し訳ない!まとめられない!

お笑い芸人が好きな人であれば、コンビの芸人で目立つ方の芸人とそうでない方の芸人がいて、大体は目立たない方がネタを考えていたりとか、あるもんですよね。

例えばちびぞうの好きなバナナマンだったら設楽さんがネタ考えてるし(設楽さんの方が好きだけど)、おぎやはぎだったら…あの二人はどっちが目立つとかないか…。三四郎だったら…ヒェー小宮がネタ考えてる…。うーん。東京03で一番地味な豊本はネタ作りに参加してないって言ってたな…。あ!サンドウィッチマンはトミー(黒い方)がネタ考えてますね!

ちょっとあてはまる芸人さんがちびぞうの好きな人たちにはいないんでアレですけども(笑)

カリスマ性があり、努力がなくても人気者になれるタイプの人と、才能はあるけども地味で縁の下の力持ち的なタイプの人のコンビだと、お互いがこんな劣等感を感じながら過ごしていた李するのかな…というのが垣間見えて、面白いです。

黒人差別がテーマではありますが、そんなに重く歴史を考えなくても観れる、と思うのでお笑い芸人の一生を覗き見るような感覚でレンタルしてみてはどうでしょうかね!(という雑な終わり)

最後に、映画のラストでも流れた本物の「フティット&ショコラ」の映像を貼っておきたいと思います。彼らの芸を100年経っても観られる、本当にすごい時代です(何)

 

 


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