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ジョニデ×ディカプリオの名作ドラマ。映画『ギルバート・グレイプ』ネタバレ&感想

あなたに会えてよかった。

ちびぞうが高校時代にジョニデに狂っていた頃、ニュージーランドでDVDで観た作品。

日本語吹き替えと字幕が入っていない現地のDVDを購入したので、何回か鑑賞したものの実際どんな話だったのか確信が持てないままここまで来てしまった…。いつかはちゃんと字幕付きを見返そう!と思っていたんですが、なかなか出来ずにいたんですよねー。

今回、近場のTOHOさんで”午前十時の映画祭”に『ギルバート・グレイプ』が選ばれ、こ、これは観るしかない!!!!と観に行ってまいりました(*’ω’*)

ジョニデの演技もなかなか良いんですけども、今作は何よりも!知的障がい者を演じるディカプリオの天才的な演技が素晴らしいです。ここでアカデミーも狙えたのに惜しかったなぁ、という感じ。若い頃から十分な演技力があったということが良くわかります。ほんとに。

ちなみに午前十時の映画祭ではパンフは販売しないようですねー。欲しかったなぁ。

【映画情報】

【原題】 What’s Eating Gilbert Grape
【制作国】アメリカ
【監督】ラッセ・ハルストレム
【脚本/原作】ピーター・ヘッジズ
【製作】マイアー・テパー、ベアティル・オールソン、デビッド・マタロン
【製作総指揮】ラッセ・ハルストレム、アラン・C・ブロンクィスト
【撮影】スベン・ニクビスト
【音楽】アラン・パーカー、ビョルン・イシュファルト
【出演([]内は役名)】

  • ジョニー・デップ[ギルバート・グレイプ]
  • ジュリエット・ルイス[ベッキー]
  • メアリー・スティーンバージェン[ベティ・カーヴァ―]
  • レオナルド・ディカプリオ[アーニー・グレイプ]
  • ダーレン・ケイツ[ボニー・グレイプ]
  • ケビン・タイ[ケン・カーヴァー]
  • ジョン・C・ライリー[タッカー]
  • ローラ・ハリントン[エイミー・グレイプ]
  • メアリー・ケイト・シェルハート[エレン・グレイプ]
  • クリスピン・グローバー[ボビー・マクバーニー]

【公開日(日本)】1994年8月20日
【上映時間】117分
【配給】シネセゾン
【IMDB】7.8/10.0  (およそ186,701人の評価)

【あらすじ】

身動きが取れないほど太った過食症の母と知的障害者の弟を持つ青年ギルバート。家族の世話に追われる毎日を送っていた彼が、トレーラーで旅をする少女との出会いをきっかけに自分の人生を見つめ直す姿を描く。【引用元:映画.com】

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆3.6/5.0

いやぁ、感動しました。クスッと笑えるコメディ要素と、うるると泣けるドラマの要素が良い具合に混ざりあっている名作ですねー…。

こういう話だったのか・・・!と分かったのはラストの家を燃やすシーン。なるほど、母を笑い者にしないためだったんですね。

おおまかなストーリー

年に一度、トレーラー群が町を通り過ぎていくのを二人で見送るのが弟のアーニーの毎年の楽しみ。二人でトレーラーを待つシーンから始まります。

 

アイオワ州の小さな田舎町を一度も出たことがないギルバート。

知的障がいを抱えた弟アーニー、父の自殺をきっかけに肥満症になってしまい七年も家を出ていない母、姉と、妹とギルバートの五人暮らし。

働いている食料品店のお客さんの人妻と時々火遊びをして、それ以外の時間はほとんど弟の世話をしているだけ、という暮らし。

そこに、トレーラーの故障で町に滞在することになったベッキーが現れて、ギルバートと恋をする…。

今まで、全ての時間をアーニーに割いてきたのを「彼女と過ごす時間が欲しい」という欲求が生まれ風呂中のアーニーを放置してしまったり、(それがきっかけでアーニーは水を怖がり風呂に入らなくなってしまう)給水塔に上るのを止められなかったりと、どんどんアーニーとの関係にも綻びが出てきてしまう。

給水塔へ上るなと再三注意を受けていたアーニー、ついに警察に連れて行かれてしまう。そこで、七年間家から出なかった母親が「息子を取り戻す」と警察署に出向き直談判。アーニーを無事連れて帰る。

アーニーの18歳の誕生日会の準備でゴタゴタとするグレイプ家。姉が作っていたケーキをアーニーが突き飛ばして駄目にしてしまい、仕方なくと町のスーパーで新しいケーキを買うも、それすらもアーニーは食べて駄目にしてしまう。ぶちぎれて「風呂に入れ!」と無理やりお風呂に入れようとするギルバート。勢いあまってアーニーを殴ってしまう。

弟を殴ってしまったショックで家を飛び出すギルバート。アーニーも家を出てしまう。

ベッキーのところに行ったアーニー、そこで彼女に促され川に入るところを同じくベッキーのところに向かったギルバートも目撃する。

無事にアーニーを家族の所に帰し、ギルバートもベッキーのところで一晩過ごしてから帰宅。無事に誕生日会で兄弟は仲直り。母親をベッキーに見せるのが恥ずかしいと言っていたギルバートもベッキーなら笑わない、と母に彼女を紹介する。

誕生日会が終わり、自らベッドへと上がった母はそのまま息を引き取る。

家族は母を笑い者にはしたくない、と家具を全て家の外に出し、母親の遺体ごと家を焼く。

ラストシーン。毎年トレーラーを待つあの大きな木の下で、19歳のアーニーとベッキーがやってくるのを待つギルバート。というシーンで終わり。

とても繊細な脚本で無駄がない

  • 火遊び相手の人妻が、なぜギルバートを選んだのかという質問に対して「あなたならずっとここにいるだろうと思ったから」と答える場面
  • ギルバートが働いている食料品店の店長が町に出来た新しいスーパーの存在を気にしていて、アーニーがケーキを台無しにした時に新しいケーキを買うため仕方なくスーパーへ行ったギルバートと店長が鉢合わせしてしまう気まずい場面

コメディタッチで笑わせてこようというシーンも確かにあるんですが、その全てがギルバートがどういう人間なのか、という表現に繋がっていて、上手!

家族のためが一番で「自分は何がしたいのか?」という疑問に答えられなかったギルバートが、ベッキーと出会い自分や家族のことを顧みて変化していくというところがとても繊細に描かれています。

最終的に、ギルバートの価値観は大きく変わったと思うんですが、特にその生活に大きな変化がない(あの町で弟と生きていこうとするのは変わらない)という終わり方もとても好印象。

都会に出て夢を追わない、そんな日々でも。家族がいて、愛する人がいて、満足と思ったのかもしれませんね。

まとめ

ギルバートを演じるジョニデもですが、アーニー役のディカプリオさんの演技が本当に尋常でないくらい上手い。天才です。

障がいを持った人の演技では『レナードの朝』のロバート・デニーロに次いで上手だと思っています。

母親役のダーレン・ケイツさんは実際にあれだけ太っているようで…CGとか特殊メイクではないんです。色んな意味でガチンコ。すごい。

ぜひとも一度は観て頂きたいヒューマンドラマです。

製作されてから25年近く経っているにも関わらず全く古さを感じさせないところもすごい。

色褪せない名作です。

 

 


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画像引用元:IMDB

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