あの時から、生きることは歓びとなった―――。
こちらも、ちびぞうが過去に観た作品を記録しておこうのコーナー。
最近レンタルで『アンダー・ハー・マウス』を観たので、その記事に合わせてこちらも書いておくことにしました。
主演は『美しい人』や『イングロリアス・バスターズ』のレア・セドゥ。とっても美しいフランスの女優さんが、今回主人公を翻弄するビアンの女性を演じます。
監督は非常に名前が呼びづらいアブデラティフ・ケシシュ監督。チュニジアの人らしいです。
非常にオシャレで美しさのある本作。果たして内容は?
公式サイトはこちら。
【映画情報】
【原題】 La vie d’Adele
【制作国】フランス
【監督】アブデラティフ・ケシシュ
【脚本】アブデラティフ・ケシシュ、ガーリア・ラクロワ
【原作】ジュリー・マロ「ブルーは熱い色」
【撮影】ソフィアン・エル・ファニ
【編集】ガーリア・ラクロワ、アルベルティーヌ・ラステラ、カミーユ・トゥブキ
ジャン=マリー・ランジェレ
【出演([]内は役名)】
- アデル・エグザルコプロス[アデル]
- レア・セドゥー[エマ]
- サリム・ケシュシュ[サミール]
- モナ・ベルラバン[リーズ]
- ジェレミー・ラユルト[トマ]
- アルマ・ホドロフスキー[ベアトリス]
- バンジャマン・シクス―[アントワーヌ]
【公開日(日本)】2014年4月5日
【上映時間】179分
【配給】コムストック・グループ
【映倫区分】R18+
【IMDB】7.8/10.0 (およそ111,780人の評価)
【あらすじ】
文学を愛する高校生アデルは、青い髪をした美大生エマと運命的な出会いを果たし、2人は激しく愛し合うようになる。しかし、時の流れとともに2人の気持ちは次第にすれ違っていき……。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.9/5.0
ながい!!!
まさか、3時間近くもあるなんて…。と思ったらこれドラマ映画だったんですねぇ、納得。
正直この内容でこの長さは苦痛でした。
雰囲気は良かった。
ホモセクシャルに比べレズビアンの社会進出は遅れていて、けれどもこの映画を観ていると少しずつ世界は変わってきているんだと感じました。
『ボーイズ・ドント・クライ』の世界ならば、間違いなくエマはその外見だけでダイク(当時レズビアンの蔑称として使われていた)と罵られ撃たれて死んでいたでしょうし。
さてさて、問題の内容についてですが、ちびぞうが良かったなー!と思えた点。
個人的に注目したのは冒頭で教師が生徒に読ませていた“視線による一目惚れは運命がさせるもの”というフレーズの『視線』の部分。この映画は全体的に顔のクローズアップが多く、序盤はその『視線』のやり取りで2人の女性の距離感の図り方や探り合い、戸惑いなどが非常に上手く描かれていると感じました。
レア・セドゥ扮するエマは自分がビアンであることに自信を持っており、家族にもカミングアウトし受け入れられていて夢もある。かたやアデルはまだ高校生で自分の性嗜好に悩む思春期真っ盛り、まだやりたいこともハッキリ決まっておらず親にも友達にもビアンであるとは打ち明けられない。
この2人の微妙な関係性の違いは先の展開に暗雲を漂わせていて良い感じ。
私はこの先をどう料理してくれるか楽しみにしていたけれど、思っていたよりビアンならではの葛藤の部分には触れられず不満もありました。浮気はもちろんアウトだけど、それは別としてLGBTの中でもゲイとバイには大きな壁があり、万が一アデルがバイであれば2人の間の溝はより一層深まっただろうなーと思うんです。そういう事(アデルがビアンなのかバイなのか)に神経を使っていただろうエマ側の葛藤も見たかったな。
後半の展開はもー普通のカップルでも成り立つような内容で説明の必要は無し。前半だけで終わってくれてたら…もしくは…あぁ凄くもどかしい!
ラストシーンも、画廊には彼女モデルの作品はなくても良かった。そして彼女に、『ここに私の居場所はない』と突き付ける感じでも十分だったな…。残念。
この監督がゲイかどうかは知らないけども“世の男性達がイメージする女性同士のセックス”って感じの美しすぎる濡れ場はほんとに必要なのか謎。
しまった!いいところを書いていたはずが結局、最終的には不満点でまとまってしまいました!!(笑)
まとめ
ちなみに調べてみるとやたらと性描写が過激!と書かれてましたが、そんなに過激だった記憶はないんですよね・・・劇場公開の時にだいぶ省かれたんですかね。
こういう作品に縁がない方は是非『Lの世界』をどうぞ。もう少しリアルでエグくてめんどくさいドロドロしたレズビアン達の日常を垣間見れます。
しかしアレだね!タチのイケてるビアンは何故か美容師だ芸術家だDJだなんだとアート系の職種設定が多いね!イメージなのか実際そうなのかは知らないけども!
オリジナリティ欲しいですね!!
画像引用元:映画.com