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ジョニデ×ディカプリオの名作ドラマ。映画『ギルバート・グレイプ』ネタバレ&感想

あなたに会えてよかった。

ちびぞうが高校時代にジョニデに狂っていた頃、ニュージーランドでDVDで観た作品。

日本語吹き替えと字幕が入っていない現地のDVDを購入したので、何回か鑑賞したものの実際どんな話だったのか確信が持てないままここまで来てしまった…。いつかはちゃんと字幕付きを見返そう!と思っていたんですが、なかなか出来ずにいたんですよねー。

今回、近場のTOHOさんで”午前十時の映画祭”に『ギルバート・グレイプ』が選ばれ、こ、これは観るしかない!!!!と観に行ってまいりました(*’ω’*)

ジョニデの演技もなかなか良いんですけども、今作は何よりも!知的障がい者を演じるディカプリオの天才的な演技が素晴らしいです。ここでアカデミーも狙えたのに惜しかったなぁ、という感じ。若い頃から十分な演技力があったということが良くわかります。ほんとに。

ちなみに午前十時の映画祭ではパンフは販売しないようですねー。欲しかったなぁ。

【映画情報】

【原題】 What’s Eating Gilbert Grape
【制作国】アメリカ
【監督】ラッセ・ハルストレム
【脚本/原作】ピーター・ヘッジズ
【製作】マイアー・テパー、ベアティル・オールソン、デビッド・マタロン
【製作総指揮】ラッセ・ハルストレム、アラン・C・ブロンクィスト
【撮影】スベン・ニクビスト
【音楽】アラン・パーカー、ビョルン・イシュファルト
【出演([]内は役名)】

  • ジョニー・デップ[ギルバート・グレイプ]
  • ジュリエット・ルイス[ベッキー]
  • メアリー・スティーンバージェン[ベティ・カーヴァ―]
  • レオナルド・ディカプリオ[アーニー・グレイプ]
  • ダーレン・ケイツ[ボニー・グレイプ]
  • ケビン・タイ[ケン・カーヴァー]
  • ジョン・C・ライリー[タッカー]
  • ローラ・ハリントン[エイミー・グレイプ]
  • メアリー・ケイト・シェルハート[エレン・グレイプ]
  • クリスピン・グローバー[ボビー・マクバーニー]

【公開日(日本)】1994年8月20日
【上映時間】117分
【配給】シネセゾン
【IMDB】7.8/10.0  (およそ186,701人の評価)

【あらすじ】

身動きが取れないほど太った過食症の母と知的障害者の弟を持つ青年ギルバート。家族の世話に追われる毎日を送っていた彼が、トレーラーで旅をする少女との出会いをきっかけに自分の人生を見つめ直す姿を描く。【引用元:映画.com】

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆3.6/5.0

いやぁ、感動しました。クスッと笑えるコメディ要素と、うるると泣けるドラマの要素が良い具合に混ざりあっている名作ですねー…。

こういう話だったのか・・・!と分かったのはラストの家を燃やすシーン。なるほど、母を笑い者にしないためだったんですね。

おおまかなストーリー

年に一度、トレーラー群が町を通り過ぎていくのを二人で見送るのが弟のアーニーの毎年の楽しみ。二人でトレーラーを待つシーンから始まります。

 

アイオワ州の小さな田舎町を一度も出たことがないギルバート。

知的障がいを抱えた弟アーニー、父の自殺をきっかけに肥満症になってしまい七年も家を出ていない母、姉と、妹とギルバートの五人暮らし。

働いている食料品店のお客さんの人妻と時々火遊びをして、それ以外の時間はほとんど弟の世話をしているだけ、という暮らし。

そこに、トレーラーの故障で町に滞在することになったベッキーが現れて、ギルバートと恋をする…。

今まで、全ての時間をアーニーに割いてきたのを「彼女と過ごす時間が欲しい」という欲求が生まれ風呂中のアーニーを放置してしまったり、(それがきっかけでアーニーは水を怖がり風呂に入らなくなってしまう)給水塔に上るのを止められなかったりと、どんどんアーニーとの関係にも綻びが出てきてしまう。

給水塔へ上るなと再三注意を受けていたアーニー、ついに警察に連れて行かれてしまう。そこで、七年間家から出なかった母親が「息子を取り戻す」と警察署に出向き直談判。アーニーを無事連れて帰る。

アーニーの18歳の誕生日会の準備でゴタゴタとするグレイプ家。姉が作っていたケーキをアーニーが突き飛ばして駄目にしてしまい、仕方なくと町のスーパーで新しいケーキを買うも、それすらもアーニーは食べて駄目にしてしまう。ぶちぎれて「風呂に入れ!」と無理やりお風呂に入れようとするギルバート。勢いあまってアーニーを殴ってしまう。

弟を殴ってしまったショックで家を飛び出すギルバート。アーニーも家を出てしまう。

ベッキーのところに行ったアーニー、そこで彼女に促され川に入るところを同じくベッキーのところに向かったギルバートも目撃する。

無事にアーニーを家族の所に帰し、ギルバートもベッキーのところで一晩過ごしてから帰宅。無事に誕生日会で兄弟は仲直り。母親をベッキーに見せるのが恥ずかしいと言っていたギルバートもベッキーなら笑わない、と母に彼女を紹介する。

誕生日会が終わり、自らベッドへと上がった母はそのまま息を引き取る。

家族は母を笑い者にはしたくない、と家具を全て家の外に出し、母親の遺体ごと家を焼く。

ラストシーン。毎年トレーラーを待つあの大きな木の下で、19歳のアーニーとベッキーがやってくるのを待つギルバート。というシーンで終わり。

とても繊細な脚本で無駄がない

  • 火遊び相手の人妻が、なぜギルバートを選んだのかという質問に対して「あなたならずっとここにいるだろうと思ったから」と答える場面
  • ギルバートが働いている食料品店の店長が町に出来た新しいスーパーの存在を気にしていて、アーニーがケーキを台無しにした時に新しいケーキを買うため仕方なくスーパーへ行ったギルバートと店長が鉢合わせしてしまう気まずい場面

コメディタッチで笑わせてこようというシーンも確かにあるんですが、その全てがギルバートがどういう人間なのか、という表現に繋がっていて、上手!

家族のためが一番で「自分は何がしたいのか?」という疑問に答えられなかったギルバートが、ベッキーと出会い自分や家族のことを顧みて変化していくというところがとても繊細に描かれています。

最終的に、ギルバートの価値観は大きく変わったと思うんですが、特にその生活に大きな変化がない(あの町で弟と生きていこうとするのは変わらない)という終わり方もとても好印象。

都会に出て夢を追わない、そんな日々でも。家族がいて、愛する人がいて、満足と思ったのかもしれませんね。

まとめ

ギルバートを演じるジョニデもですが、アーニー役のディカプリオさんの演技が本当に尋常でないくらい上手い。天才です。

障がいを持った人の演技では『レナードの朝』のロバート・デニーロに次いで上手だと思っています。

母親役のダーレン・ケイツさんは実際にあれだけ太っているようで…CGとか特殊メイクではないんです。色んな意味でガチンコ。すごい。

ぜひとも一度は観て頂きたいヒューマンドラマです。

製作されてから25年近く経っているにも関わらず全く古さを感じさせないところもすごい。

色褪せない名作です。

 

 


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画像引用元:IMDB

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我々は、みな病気なのだ。映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』ネタバレ&感想

彼女は夢の中で踊っているんだ。でも、夢の中にいることを気付いていない。

『クロニクル』『アメイジング・スパイダーマン2』『キル・ユア・ダーリン』などのデイン・デハーンの主演作!!

彼はちびぞうが追いかけている俳優さんの1人であります!!
彼はもうとにかく、薬中のようなゲッソリとした病的な役が多い!!ので、今回もどんな病み顔を見せてくれるのかー!と楽しみでした(笑)

なんだか微妙に地雷臭のするB級ホラー的なパッケージとタイトルのわりに、ゲオでものすごい勢いで面陳されていたので何事なのか!?と思ったら、ゲオの先行レンタル一本目!という作品のようですねー。

しかも監督はパイレーツシリーズなどのゴア・ヴァービンスキーさんではないですか。B級とか言ってすいません(だって長年培った野生の勘には抗えない)

ちなみに、劇場公開はされていません!

【映画情報】

【原題】 A Cure for Wellness
【制作国】ドイツ/アメリカ
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本/製作総指揮】ジャスティン・ヘイス
【原案】ゴア・ヴァービンスキー、ジャスティン・ヘイス
【製作】アーノン・ミルチャン、ゴア・ヴァービンスキー、デビッド・クロケット
【撮影】ボジャン・バゼリ
【美術】イブ・スチュワート
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】ランス・ペレイラ、ピート・ボドロー
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【出演([]内は役名)】

  • デイン・デハーン[ロックハート]
  • ジェイソン・アイザックス[ヴォルマー]
  • ミア・ゴス[ハンナ]

【レンタル開始日】2018年1月17日
【上映時間】147分
【IMDB】6.4/10.0  (およそ55,700人の評価)

【あらすじ】

NYでエリート金融マンとして働くロックハート。彼は自社のピンチに、スイスの療養地へ行って帰ってこなくなってしまった社長を連れ戻すという任につく。山奥にそびえる城のような療養所に向かう途中、タクシーの運転手から”来たはいいものの帰る者はいない”という話を耳にする。さらに、200年前の城の城主である男爵が、純血にこだわる男であったため妹と結婚しようとし、それを知られた村人に焼き殺されたという血塗られた歴史も知らされる事となる。療養所で社長を見つけたはいいが帰る気はない様子なので一旦村へ降りようとした時、タクシーの前に飛び出してきた鹿を引いて事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは療養所のベッド。足を骨折し三日眠っていたというロックハートは、しばらくそこでの入院を強いられるのだった。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

で、でた~ジャンル分けしたらネタバレになってしまう系のやつ~!

ホラーサスペンスだったり、エロティックサスペンスだったりと書かれているサイトもありますが、ちびぞう的にこの作品は最終的には

ゴシックホラー

に落ち着きます。オカルトホラー寄りでもあります。

序盤が「NYのビジネスマン、何やら会社内での立場が危うい、逃げ切るためには社長を連れ戻せ!」といういかにも現代って感じの入りで、そこからの「田舎に行ったらサイコパスな人々に閉じ込められたよー」系のホラーだったというのはもはや王道の展開。

しかし実はこの映画、最初は何か巨大な悪がバックにいるのでは?とサスペンスタッチに描かれていて、そこから後半にかけてのネタバレでジャンルスイッチしようと試みているんですよねー。一種のどんでん返しを狙っているというか。

しかしまーーー無駄な伏線も(ミスリードのためとはいえ多すぎ)たくさんあるし脚本は雑だしで全くそれが上手く行ってない!残念!なので観ている人は「これってどういう系の映画なの??」という疑問符を浮かべつつ観ていたらぶっとんだラストに興ざめ。みたいな感じになってしまうことうけあい。

しかし意外に楽しめる

ちびぞうが気に入ったのは全体に漂う暗澹とした雰囲気、ファンタジックなスイスの景色、デハーンさんの美しい青い目から放たれる鋭い眼光。

そして、ミア・ゴスが歌う美しい鼻歌。

中盤、療養所の中で一人だけ若い”特別な患者”ハンナとロックハートが交流して、今まで一度も城から出たことがないという彼女を村に連れ出す場面が特に好き。
初めて飲むビールのまずさにびっくりしたり、初めて使うジュークボックスから流れてくるメタルロック寄りの曲に合わせてゆったりと踊るシーンすごくいい。

もーーーーとにかくすごく雰囲気がいいし、147分もあるのを感じさせない程度にはハラハラドキドキで、この療養所にはどんな謎があるのか??というミステリアスなところに引き込まれてしまうんですよね。

裏を探りまくりなデハーンさんが所長に早めに処分(SATSUGAI)されないのは不自然かなと思ってたんですが、そこのモヤりは所長の狙いを知ったらなんとなく「あぁ、一応使えるからとっておいたのね」という感じ。

真相はどうだったのか?

「社会で成功したものはみな、病んでいる。しかし、その事を認めない。すると体が心を裏切り叫び出す私たちは”病気である”と」

という療養所へ旅立った社長からの手紙を読む冒頭の入りから、なんだか現代社会に根付く闇のようなものを掘り下げるのか?という風に思わされます。

表向きの展開としては

お金持ちばかりを受け入れている「水が良い」という水を使った治療を主にしている療養所で、そこは患者が退院していかないという、うさんくささ100%の場所なんだけども、もしかしたら主人公も病気なのでは?という幻覚や過去についての伏線が出たりするので、「本当におかしいのは療養所なのか主人公なのか分からない」というサスペンスタッチなお話。

しかし真相は

元々、その地の水は人間の体に悪影響を及ぼすものだった。
200年前に村人に焼き殺されたと思われていた男爵は実は生きていて、自分の妹に身籠らせた子どもを連れて城に戻っていた。そして地下深くで水を研究し「人間の体を通してろ過」する事で不老不死の薬を作る事に成功。その薬を自分と娘、スタッフに飲ませることで200年の時を生きてきた。彼は自分の娘と契りを結ぶため、ハンナが大人になる(初潮を迎える)のを長年待ちながら療養所に集まる人間をろ過装置として使ってきた。

水は人間の体を通す必要があるので、患者に飲ませていた。しかし元来人間には毒なため、飲んでいる患者はどんどん体調が悪化、幻覚を見て自分が病気だと思い込むようになり衰えてミイラのように(エキス出してるから)死んでしまう。

そこに登場したロックハートさんが怪しい療養所内を社長を求めて探索しているうちにその闇に気付き、脱出と謎の解明に奮闘。

エンディングは

すべての謎を解き明かし、劇中で初潮を迎えたハンナが男爵に襲われそうになっているところを助けて、二人で城から脱出!
NYから帰りが遅いと痺れを切らせた重役たちが迎えに来ているけども、「もう帰らない」とばかりに笑顔で去っていく。というエンディングでした。

まとめ

いやー。ぶっとんでいるというかなんというか。

まさか200年前の人が今も生きてましたよー!不老不死の薬作ってました!なんてオカルトでファンタジーなオチを迎えるとは、オープニングを観た誰が想像できようか。いやできまい。

けっこーーーな伏線を放置していたりするのも気になるし、お話はけっこうめちゃくちゃ。
(個人的にドイツ語で何言ったかわかんないって場面、あとで明らかにして欲しかった。多分死体を運んでいたあの男は、「患者ではなく死体」と言っていたんだと思うけど…)

まぁ色々粗も目立つけど、だけどキライになれない。そんな作品。

デハーン効果もあるかもしれませんね。ちなみに今作の彼の病み度は85%くらい。

今回は結構な拷問も受けているので、ファンはつらい、というシーンもあるかもしれません。頑張って観よう!

 

あ、スイスの景色は本当に素晴らしかったですよ。美しい絶景ばかりでした。

なんだか美味しいお水が飲みたくなる映画でした・・・(笑)
調べたら水のプロが選ぶ一番美味しい水ランキングの第一位は鹿児島県の「財宝」だそうで。

 

 

 


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ロンドン貴族の群像ミステリー。映画『ゴスフォード・パーク』ネタバレ&感想

「完璧な使用人は、先を読むものよ」

友人にオススメだよーと勧められ手に取ってみた今作!

ロンドンのオシャレな雨模様から始まります…。

主演には、なんと、ハリポタのダンブルドア校長を演じていたマイケル・ガンボンとマクゴナガル先生でおなじみのマギー・スミスが夫婦役で出ていると言うハリポタファンにはちょっぴり面白いキャスティング。
その他には、ちびぞうが個人的に気に入っている『クルーエル・インテンションズ』のライアン・フィリップくん、『シン・シティ』のクライヴ・オーウェンなんかも出ています!!

監督のロバート・アルトマンは、マーティン・スコセッシ、ウディ・アレンと並んでアメリカの俳優から最も尊敬される監督の一人である。とwikiさんに書かれていたんですが…すいません全く知りませんでした…あと一本も作品観てません…。

ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』はこの監督に捧げられた作品らしい…という話を聞くところからも、彼の偉大さが垣間見えますね~。

【映画情報】

  • 【原題】Gosford Park
    【制作国】イギリス
    【監督】ロバート・アルトマン
    【脚本】ジュリアン・フェロウズ
    【原案】ロバート・アルトマン、ボブ・バラバン
    【製作】ロバート・アルトマン、ボブ・バラバン、デビッド・レビ
    【製作総指揮】ジェーン・バークレイ、シャロン・ハレル、ロバート・ジョーンズ、ハンナ・リーダー
    【撮影】アンドリュー・ダン
    【音楽】パトリック・ドイル
    【出演([]内は役名)】
    「階上」の人々
  • マギー・スミス[コンスタンス・トレンサム伯爵夫人]
  • マイケル・ガンボン[ウィリアム・マッコードル]
  • クリスティン・スコット・トーマス[シルヴィア・マッコードル]
  • カミーラ・ラザフォード[イゾベル・マッコードル]
  • ジェラルディン・ソマーヴィル[ルイ―ザ・ストックブリッジ]
  • チャールズ・ダンス[レイモンド・ストックブリッジ]
  • ナターシャ・ワイトマン[ラヴィニア・メレディス]
  • トム・ホランダー[アンソニー・メレディス]
  • ジェームズ・ウィルビー[フレディ・ネスビット]
  • クローディー・ブレイクリー[メイベル・ネスビット]
  • ローレンス・フォックス[ルパート・スタンデッシュ]
  • トレント・フォード[ジェレミー・ブロンド]
  • ジェレミー・ノーサム[アイヴぁ―・ノヴェロ]
  • ボブ・バラバン[モリス・ワイズマン]
    「階下」の人々(使用人)
  • アラン・ベイツ[ジェニングス]
  • ヘレン・ミレン[ミセス・ウィルソン]
  • デレク・ジャコビ[プロバート]
  • メグ・ウィン・オーウェン[ルイス]
  • エミリー・ワトソン[エルシー]
  • リチャード・E・グラント[ジョージ]
  • ジェレミー・スウィフト[アーサー]
    キッチンの使用人
  • アイリーン・アトキンス[ミセス・クロフト]
  • ソフィー・トンプソン[ドロシー]
  • テレサ・チャーチャー[バーサ]
    賓客の付き人
  • ケリー・マクドナルド[メアリー・マキーシュラン]
  • クライヴ・オーウェン[ロバート・パークス]
  • ジョアンナ・モード[レネー]
  • エイドリアン・スカーボロ[バーンズ]
  • フランセス・ロー[サラ]
  • ライアン・フィリップ[ヘンリー・デントン]
    警察
  • スティーヴン・フライ[トンプソン警部]
  • ロン・ウェブスター[デクスター巡査]

【公開日(日本)】2002年10月26日
【上映時間】137分
【配給】UIP映画
【IMDB】7.3/10.0  (およそ67,000人の評価)

【あらすじ】

32年の英国、郊外にある貴族のカントリー・ハウス、ゴスフォード・パークに貴族、召使い、ハリウッドから来た映画プロディーサーらが集う。やがて、館の主人が変死する事件が起きたことから、秘められていた人間関係が顕わになっていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもしているよ!)】

☆2.3/5.0

う、うぅーーーーーーん。

雰囲気はとても良い!!!!!

ただ登場人物はめっちゃくちゃ多い!!そしてみんな同じ人に見える!!!(笑)

そして結構、長い…後半の物語が大きく動くまでが結構長い…群像劇がメインなので、そこまでにキャラクターを描く時間が必要なのは分かりますけどね…。

ぶっちゃけちびぞうはそんなに好き…というほどでもなかったですね…。

貴族と召使の群像劇

おおよそのストーリーは、カントリーハウスに集まった貴族たちと召使たちのごちゃごちゃと入り組んだ群像劇が進んでいき、後半館の主人が何者かによって刺殺(本当は毒殺)される。

そしてその犯人は捕まったかどうかは語られず、(おそらく主人公であろう)メイドだけが真実を知り、物語は終わる…という感じ。

殺人事件の真相はこうでした。

招かれた貴族の従者の中に施設暮らしだったというロバート(クライヴ・オーウェン)という男がいて、彼は実は屋敷の主人が自分の工場に勤める女に手を出して出来た子どもであった。父親に捨てられ母親はロバートを生んですぐ死んだと思っており、復讐のために主人を殺す。しかし、本当はロバートが刺殺しようとしたときに主人はすでに死んでいて、毒殺したのは召使のミセス・ウィルソン(ヘレン・ミレン)だった。
彼女は死んだと思われていたロバートの実の母親で、息子が罪に手を染める前に、彼の人生を守るため主人を殺したのだという…

実際、殺人事件は起きるのでミステリーだと思うのですが、ぶっちゃけこの展開はあまりにも簡単に予測できてしまう。ので、ミステリーとして楽しむよりかは貴族と召使の間の複雑な群像劇を楽しむ方が良いと思われます。

雰囲気も楽しもう

オープニングが雨から始まって、エンディングは晴れやかな天気で終わっているように、なぜか不思議と後味がスッキリする映画なんです。

物語だけを観れば息子を守るために殺人を犯し、さらに母親が生きているという事実も明かすことなくサヨナラになってしまうとっても切ない話なんですが…。不思議と後味スッキリ。

従者としての強さのようなものにも惹かれますし、イギリス貴族独特のエレガントさ、オシャレさ、人間模様、空気感もぜひ、楽しんでもらいたいです。

 

あと、ライアン・フィリップくんが美しいよ!!!!!!

 

 


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粉ミルクで赤ちゃんが…映画『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』ネタバレ&感想

子どもたちを守るため、男は世界最大企業を敵にまわした――

インド映画好きのちびぞうの食指が伸びました!!!

何の前知識もなく、DVDにて鑑賞。ぶっちゃけ手に取るまではこの邦題エロくない…?と思っていました、汚れていたのはちびぞうの心でした。

しかし安心してレジへ持って行ってください、本作には「あるセールスマンの告発」という非常に真面目な副題がついていますからね。

何の話かよく分からなくなってきたところで本題へ。

この監督さん、『鉄くず拾いの物語』『ノーマンズランド』の人でした!!!実話ものが得意なんでしょうかね~『ノーマンズランド』は好きな作品なので、期待が高まります(*’ω’*)

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Tigers
【制作国】インド/フランス/イギリス
【監督】ダニス・タノビッチ
【脚本】ダニス・タノビッチ、アンディ・パターソン
【製作】プラシタ・チョーダリー、クシティジ・チョーダリー、グニート・モンガ、アヌラグ・カシャップ、アンディ・パターソン、キャット・ビラーズ、チェドミール・コラール、マルク・バシュット
【製作総指揮】アチン・ジャイン、カレン・テンコフ、ミヒャエル・ベバー、プラビーン・ハシュミ
【撮影】エロル・ズブツェビッチ
【衣装】ニハリカ・カーン
【編集】ブレールナー・サイガル
【音楽】プリータム
【出演([]内は役名)】

  • イムラン・ハシュミ[アヤン]
  • ギータンジャリ[ザイナブ]
  • ダニー・ヒューストン[アレックス]
  • カーリド・アブダッラー[ナディーム]
  • アディル・フセイン[ビラル]
  • サティーヤディーブ・ミシュラ[ファイズ]
  • マリアム・ダボ[マギー]
  • ハイノ・フェルヒ[ミヒャエル]
  • サム・リード[フランク]
  • ビノード・ナグパル[ムスタファ]
  • スプリヤ・パタク[アヤンの母]

【公開日(日本)】2017年3月4日
【上映時間】90分
【配給】ビターズ・エンド
【IMDB】7.2/10.0  (およそ300人の評価)

【あらすじ】

あるグローバル企業がパキスタンで粉ミルクを強引に販売したため、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。自分の販売した粉ミルクが子どもたちの命を脅かしていることを知ったセールスマンのアヤンは、企業を訴えようとするが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.8/5.0

いやー、面白かった!

1977年から実際に起きた「ネスレ・ボイコット」を基にした作品ですね。

主人公のアヤンを演じたイムラン・ハシュミさんが既視感ある顔をしていて…ブラピのような…エリック・バナのような…誰かに似てるんだよなぁ…

大体のあらすじ

元々、国産の製薬会社の営業をしていた主人公(アヤン)だったが、国産の薬はもう置いてもらえないところがほとんど。多国籍企業である大手のラスタ社が募集していた「大卒者のみ」という求人に応募、大卒ではなかったが奇跡的に受かり、ラスタ社の粉ミルクをセールスすることになる。

まず上司に大金を渡され、「医者にこれを配って、うちの粉ミルクを出してもらえるように頼め」としょっぱなからアウト―!なやり方で自社製品を売るように指示されるアヤン。

医者の好みや家族構成などを調べつくし、彼らの欲しがっているものを渡しては営業成績を伸ばす毎日だったが、ある日医者のファイズに「ラスタの粉ミルクを飲んでいる赤ちゃんが下痢を繰り返し脱水症状で死んでいる」という現実を知らされる。

その凄惨な状況にショックを受けたアヤンは退社を決め、粉ミルクの販売を中止するように企業を相手に闘い始める―――という感じ。

もうね。大企業の後ろには政府あり。こわいこわい。

構成が面白い!

この企業の悪事を暴くために、アヤンを主人公にしたドキュメンタリーを撮ろう、という体で行われる撮影風景とドラマ部分を交互に描くというモキュメンタリー風の構成になっています。

序盤に思いっきり”ネスレ社”という文字を出しておきながら「さすがに企業名はふせておこうか」という意見が出て劇中の社名は全て”ラスタ社”に統一される(笑)

いやいや、後から伏せる意味(笑)

この、過去と現在、そして撮影風景とドラマ部分を交互に挿入するやり方は映画としても飽きることなく観れて面白いやり方だと思いました。

悲惨な写真や動画も出るので注意

劇中に登場する、弱った乳児の写真や動画はおそらく当時の実際の映像を使用していると思われます。脱水症状でやせ細ってしまい、骨と皮だけのようになってしまった赤ちゃん。私たちの知っている乳幼児の姿(ぷくぷくもちもちとしたコロコロのまんまる赤ちゃんのイメージ)とはかけ離れています。観ていて非常に胸が痛みますので、耐性がない方はやめておいた方がいいかもしれません。

この粉ミルク問題、粉ミルク自体に危険性があるということではなく、

貧困層の家庭に対し医師が安全性をしっかりと配慮したうえで処方した粉ミルクではなかった、ということ。金の力で買収され、ラスタ社の言うがままに粉ミルクを処方していた。ここに問題があったわけです。

医師が粉ミルクをすすめ、母乳が出るのにも関わらず母乳を飲ませることをやめてしまう母親が出たり、貧困層の家庭では汚染された水で粉ミルクを薄めに薄め飲ませることで栄養が欠乏してしまう、そして汚染された水による病気を併発する…そして乳幼児が死んでいく…という事なんです。

何が一番恐ろしいかと言うと

物語のオチというオチはなかったですね。

ラスタ側がアヤンの訴えは脅迫目的であると言ってきて、撮影していた番組を流すかどうかという部分で悩まさせられる。

どうなるの、これ!?というところで物語は終わります。

そして、主人公のモデルとなった人は故郷で暮らすことは出来ず、外国に家族を移住させ暮らすようになった…というテロップが流れます。

企業の力があまりにも大きく、本国パキスタンでは平和に暮らすことも出来なくなってしまったんですね。結局、撮影していた映像が流されたのかどうかは明かされません。

なぜなのか?

ちびぞうは、映画にして訴えても何も変わらない、という事が言いたかったのかな、と思いました。ネスレボイコットを調べてみると、終息宣言されていない、とwikiには書かれていました。つまり、1977年から始まったこの問題も、いまだに解決されていない、ということなんです。

その事実が、何よりも恐ろしい。大企業、おそるべしです。

まとめ

エンディングは『ノーマンズランド』と似ていて、ただ真実を突きつけて終わる、という感じでした。

きっとこの監督はこの作品で少しでも問題を周知してもらおうと思ったのかな。映画としての面白さで楽しませてくれるだけでなく、こんな問題が世界にはあるよ!と教えてくれている。

私たちには映画を観て、伝聞して、とにかく「知る人」を増やすこと。それしか出来ないですが…

少しでも興味のある方には一度観てもらいたい一本です。
まとまってないけど終わり(笑)

 

 


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ストップモーションアニメの最高峰、映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』ネタバレなし感想

If you must bilnk, do it now.

まばたきすら、してはならぬ。

ちびぞうノーチェックの本作。

ツイッターで話題が流れてきたことと、ストップモーションアニメだという事で劇場へ足を運びました。

製作はスタジオライカ、『コララインとボタンの魔女』を観たことがあるんですが、その時の印象は「ストップモーションアニメが素晴らしい!!」ということ。
物語はどうだったかと言えばあまり記憶にないんですが…KUBOはどうなのでしょうか。

パンフはこちら。

横長、センスあるデザインですね。30Pで税込み760円。まぁまぁ普通なお値段。
私が観に行った回が県内唯一のKUBO上映館の最後の上映だったということもあって、パンフは売り切れていたんですが、慌ててネットで購入。

他の方も書かれていますが、製作秘話がものすごい!!!

一週間で3秒分の映像しか作れなかったとか…クボの表情だけでも4800万通り作られていたとか…一つのカットで使われた顔の最大個数が400個超えだとか…狂気の沙汰ですよ。

【映画情報】

【原題】Kubo and the Two Strings
【制作国】アメリカ
【監督】トラヴィス・ナイト
【脚本】マーク・ハイムズ、クリス・バトラー
【ストーリー】シャノン・ティンドル、マーク・ハイムズ
【プロデューサー】アリアンヌ・サトナー、トラヴィス・ナイト
【アニメータ―】ジェイソン・ストールマン、マルコム・レイモント
【撮影】フランク・パッシンガム
【美術】ネルソン・ロウリー
【編集】クリストファー・マーリー
【視覚効果】スティーブ・エマーソン
【衣装デザイン】デボラ・クック
【索具スーパーバイザー】オリヴァー・ジョーンズ
【ラピットプロトタイピングチーフ】ブライアン・マクリーン
【人形制作スーパーバイザー】ジョージナ・ヘインズ
【キャラクターデザイン】シャノン・ティンドル
【キャラクター彫刻】ケント・メルトン
【アニメーション・スーパーバイザー】ブラッド・シフ
【筋書き】クリス・バトラー
【コンセプト・アート】トレヴァー・ダーマ―、オーガストホール、イアン・マクナマラ
【音楽】ダリオ・マリアネッリ「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
作詞作曲…ジョージ・ハリスン
歌…レジーナ・スペクター
【声の出演([]内は役名)】

  • アート・パーキンソン(矢島晶子)[クボ]

  • シャーリーズ・セロン(田中敦子)[サル]

  • マシュー・マコノヒー(ピエール瀧)[クワガタ]

  • ルーニー・マーラ(川栄李奈)[闇の姉妹]

  • レイフ・ファインズ(羽佐間道夫)[月の帝]

  • ブレンダ・ヴァッカロ(小林幸子)[カメヨ]

【公開日(日本)】2017年11月18日
【上映時間】103分
【配給】ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】7.8/10.0  (およそ88,000人の評価)

【あらすじ】

魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年クボは、体の弱い母と2人で静かに暮らしていた。不吉な子どもとして一族から命をねらわれていたクボは、ある時、邪悪な伯母たちに見つかってしまうが、母親が最後の力を振り絞って放った魔法によって助けられる。たった1人残されたクボは、母の力によって命を吹き込まれたサルとともに、母が最後に言い残した「3つの武具」を探し、自身の出自の秘密に迫る旅に出る。旅の途中で記憶を失ったクワガタの侍も仲間に加わり、一行は数々の困難を乗り越えて武具を見つけていくが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

ちびぞう的にちょっぴり厳しめ判定です。

  • 作品に散りばめられた日本への愛
  • とにかくストップモーションアニメの技術がすごすぎる
  • 物語に込められた思い、深さ

色んな所で絶賛されている理由は分かります。素晴らしい作品だからこそ沢山の人の心を掻き立てるんでしょうし。

個人的に素晴らしいと思ったレビューがあったのでご紹介しておきます。

@eigarunnerさんのこちらの記事です。

”物語る”ことは、「子孫を残すという事」以外で、他の動物には出来ない、人間だけの「存在の証明」であり「己の生き様」を残す手段である。染み入る言葉です。モノづくりをするすべての人に響く言葉でしょう。

ストップモーションアニメについて

凄すぎてもはやストップモーションアニメに見えない点。これは大きな問題ですよ皆さん。

凄いんです、すごいんですよ。でも、みんな言ってる「これ本当にストップモーションアニメなの?と疑うレベルの出来」これってもちろん誉め言葉だと思うんですけど。ちびぞう的には「そこまでいってしまうともはやストップモーションアニメと言えるのか」という。

いや、手法がそうなんだから間違いなくストップモーションなのには違いないんですけども(笑)

最終的に出来上がった映像が、CGとなんら見分けがつかない…となってくると、それはストップモーションでやる意味が果たしてあるのかどうかという事ですね。

『コララインとボタンの魔女』でもストップモーションが素晴らしくて感動したんですけど、正直もうクボはそんなレベルを通り過ぎています。

唯一、サルの髪が激しくたなびくシーンはストップモーションらしさがあって感動しました。

ちびぞうの求めているものは、滑らかさではないんですよ!!!!!コマ落ち、もっとしてていいんですよ!!表情の切り替えも、滑らかすぎます!!!ツギハギ部分や雑味、人形ぽさもっと出して!!!

ヤン・シュヴァンクマイエル監督の『アリス』みたいな感じが良いんですよ!!!ザ・ストップモーション!!!!
あと同監督の『ルナシー』で文字通り肉が踊るシーンもオススメですよ!!!!

…脱線しましたね。

まぁ、ちびぞうの求めていたストップモーションアニメとは、方向性が違ってきている…ということで、ここはひとつ。

画面で見たかった雑味が物語に出ている点

ストーリーが…雑な印象が…どうしても拭えないんですよね…。

これはもうコララインの時から思っていたことなので仕方ないのかなぁ。考察を沢山読んでいると「おぉ、そんな受け取り方が出来るのか…素晴らしい」とは思うんですけども、ちびぞうがそれを劇場で受け取れていたかといえばそうではなく。

よく分からない展開、よく分からない理由、よく分からない結末。ラストはもういっそ全てがクボの物語っていたお話であり、妄想だったんだよ…というオチにしてくれた方が良かったんじゃないかなと思いました。

子供向けファンタジーなら、こんなもんかぁ。と、コララインの時も思ったなぁ。

多分、映像へ向ける情熱と脚本に向ける情熱の比率が大きく偏ってるのかもしれませんね。

なんとなく、昨年ベスト1の『スイス・アーミー・マン』を思い出したので過去記事を貼っておきます(笑)

ぶっ飛んでるだけじゃない!『スイス・アーミー・マン』感想

 

 


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待望の新作は成功か失敗か。映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』ネタバレ&感想

”これは終わりではない
始まりの終わりでもない
だが これは始まりの終わりかもしれない”

前作からおよそ二年!!!待ちに待った続編がやってきましたー!!!

もちろん劇場で鑑賞しましたともー!

先に観た友人が「前作は復習してから観た方が良いかも」というありがたいお言葉を下さったので、持ってるブルーレイを見返して準備万端!!で挑みました!

これぞ紳士!映画『キングスマン』感想。新感覚スパイムービー

パンフはこんな感じ!!

見てくださいこの高級感溢れる”黒”・・・!ただの黒じゃありません、マットでベルベットな肌触り、すっごく指紋がつきやすい!!!!

(私が行った劇場ではスタッフさんが紙ナプキンで掴んで袋に入れてくれるという非常に丁寧な接客をして頂けてキレ――――な状態でゲット出来ました・・・素晴らしい気づかいだ・・・)

表面の金の箔押しもオシャレなんですけど、裏面の黒の箔押しもめちゃオシャレ・・・

黒×黒、良いですよね・・・。サイズ感も前作と同じままで、心を引き継いだままパワーアップしてる感じがよい!

しかも40ページもあって税抜き667円は贅沢!!豪華!

【映画情報】

【原題】 Kingsman: The Golden Circle
【制作国】イギリス
【監督】マシュー・ヴォーン
【脚本】マシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン
【原作】マーク・ミラー、デイブ・ギボンズ
【製作】マシュー・ヴォーン、デヴィッド・リード、アダム・ボーリング
【共同製作】ジェーン・ゴールドマン
【製作総指揮】マーク・ミラー、デイブ・ギボンズ、
【撮影監督】ジョージ・リッチモンド
【プロダクション・デザイナー】ダーレン・ギルフォード
【編集】エディ・ハミルトン
【衣装デザイナー】アリアン・フィリップス
【音楽】ヘンリー・ジャックマン&マシュー・マージェソン
【出演([]内は役名)】

  • コリン・ファース[ハリー・ハート(ガラハッド)]

  • ジュリアン・ムーア[ポピー・アダムズ]

  • タロン・エガートン[ゲイリー・”エグジー”・アンウィン(ガラハッド)]

  • マーク・ストロング[マーリン]

  • ハル・ベリー[ジンジャーエール]

  • ペドロ・パスカル[ウィスキー]

  • エドワード・ホルクロフト[チャーリー・ヘスケス]

  • ソフィー・クックソン[ロキシー・モートン(ランスロット)]

  • エルトン・ジョン[本人役]

  • チャニング・テイタム[テキーラ]

  • ジェフ・ブリッジス[シャンパン]

  • ハンナ・アルストロム[ティルデ王女]

【公開日(日本)】2018年1月5日
【上映時間】140分
【配給】20世紀フォックス
【映倫区分】PG12
【前作】これぞ紳士!映画『キングスマン』感想。新感覚スパイムービー
【IMDB】6.9/10.0  (およそ131,000人の評価)

【あらすじ】

イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも大いにある!)】

若干、巻き込み事故っぽい感じで『ヘイトフルエイト』のネタバレにも触れています(笑)

☆3.8/5.0

前作の評価が4.6だったことを考えると・・・やっぱり1は超えられない!!という結論ですかね!

大好きな映画の続編という事で非常に複雑な心境になりつつ、いまいち感想がまとまらないので、思い出せる限り、ストーリーの流れに沿って順にツッコミを入れて行こうと思います!

まず最初に、今回の悪役ポピーさんの手によって一瞬でキングスマン組織が壊滅!!!
え、えぇ~・・・

というか、新アーサーの位置にいた俳優さんがハリポタのダンブルドアだったので、めちゃくちゃ興奮していたんです・・・そしたら「こりゃヤバ」と言い残して即死。

なーんてこったい。出番そんだけかい。

組織を壊滅させたきっかけを作ったのは、1でキングスマン候補生だったというチャーリー。

いつの間に裏切ってたの?というかキングスマン本部の力ってわりとショボくない?

丁寧にこいつが誰かという説明をしてくれるので安心して観れますが、完全に1からの地続きです。

そしてエグジーさん!!!なんと前作のオチ担当だったティルデ王女と付き合っちゃってる!!!

え、王女は完全にあのシーンだけの人だと思ってたよ・・・

この人が誰かということは1を観ていないと完全に分からないでしょう。地続きです。1を観てからの鑑賞をオススメします。

そして、たった二人になってしまったキングスマン。マーリンに「この最後の作戦が終わった時には泣いていい」とカッコいいこと言われて泣くのを我慢したエグジーでしたが、その直後のシーンでマーリンが酔いつぶれて号泣しているのは可愛かった(笑)

めちゃくちゃ泣いちゃってるじゃん!!

ここらへんで、かなりコメディ要素も強くなってる感じがしましたね~。

前作ではサミュエル・L・ジャクソン扮するヴァレンタインが「地球はこのままでは滅びてしまう、害悪になっている人間どもを駆逐しよう!」と全世界の人間を暴走させ殺し合わせるという計画をやっていました。
今作の敵はジュリアン・ムーア!!!扮するポピーさん!!ポピーさんは世界で一番の麻薬組織「ゴールデン・サークル」のボスで、彼女は自分が誰よりも成功しているのに誰にも認めてもらえないことを不満に思い自分が世界に流した麻薬に毒を混入し「麻薬中毒者を人質にとったわ!彼らの命が惜しかったら、麻薬を合法化しなさい!」とアメリカ大統領に交渉を持ち掛けます。

この、悪役の言ってることに地味に理屈が通ってる感があるところがキングスマンの面白さであるというか・・・麻薬は悪なのか?麻薬使用者は悪なのか?と考えさせてくる内容がお見事。監督も「悪役に魅力がある映画は面白い」と言っていて、悪役の行動原理に若干の共感を覚える仕組みになっているのが上手い。

そして、ジュリアン・ムーアの無邪気なまでの残酷さ、サイコパス感が設定に上乗せされて非常に魅力的な悪役になっていると思います!本当に美しい!ひれ伏すしかない!でも人肉ハンバーガーは食べたくない!!

悪役の紹介も済むと次は、新メンバーの登場と旧メンバーの復活です。

キングスマンにはアメリカのケンタッキー州に同盟組織があって、それが「ステイツマン」という酒蔵の下に基地を持ったカウボーイ集団(笑)

なんというか、ここらへんのダサさ加減がなんとも言えない・・・メンバーのコードネームがお酒の名前なんですけど、ジンジャーエールだとかテキーラ、シャンパンって・・・ランスロットやアーサー、ガラハッドなど円卓の騎士から取ってるイギリス側とはノリとテンションが明らかに違うような・・・(笑)

しかも彼らが持ってる戦闘ガジェットもいまいちよくわからない(笑)

地雷探査機がバット、手りゅう弾がボールって。

傘やボールペン、靴など、日常生活に紛れ込みやすいアイテムが武器になっているキングスマンのガジェットとは違って

あまり実用性が感じられないものばかり(笑)

投げ縄に電気を通すと人体も切断できるような殺りく兵器になっちゃうし・・・ギャグに振り切ってるよなぁ・・・。

ケンタッキーと言えば、ハリーが前作で教会の戦闘シーンをやったあと殺されてしまった場所。ステイツマンに合流してみると・・・そこには前作の直後、ステイツマンによって助けられ保護されたハリーの姿があった・・・!しかし、彼はケガの後遺症で記憶を失くしている!!!

いや、待ってよヘッドショットで死んだのに生き返っちゃうとかマジ?

正直、ここはちょっと受け付けられない事実ですね・・・。ハリーの復活は本当に嬉しいし、記憶が戻る場面なんかは涙がウルッと来てしまいましたが・・・。

もう何でもアリじゃん!!というかそんなこと言ったら序盤で死んだキングスマンの仲間もロキシーも、また平気な顔で復活するかもしれないし、さらに言えば後半でどう考えても不要な特攻を見せてくれたマーリンも平気な顔で復活するかもしれないですよね!!(あの場面、別に地雷踏み続けて大人しくしてたら二人がなんとかしてくれたでしょと思うのは私だけですか)

ということは、いくら感動的な最期を彩られたところで心から感動するなんて難しいんですよ!!!

ということにね~・・・なるよね~・・・

それと、ハリー復活に関しては複雑なモヤモヤがありまして。

それは、前作を見ていた時に思ったんですけども、ハリーが教会で殺した人たちって、一般人だったんですよ。ヴァレンタインの配ったSIMカードの影響によって、制御できない状態になっていたとはいえ、彼は正義の元で戦うヒーローなわけですから・・・一般人を殺すのはちびぞう的に悲しい場面でもありました。いや、長回しのアクションは最高にカッコよかったんですけどね。

そのモヤモヤも、ハリーが死を以て償ったというストーリー(私はそう感じた)があったからこそ、落ち着いたというか。だから、復活は嬉しいけど、例えば後遺症で戦えなくなってしまう部分は今後も残るとか、そういう設定が欲しかったな。本当に複雑な気持ち。しかも復活した理由が「銃で撃たれた脳の損傷すらも直してしまえる謎のテープと液体」だからなぁ・・・。ぶっちゃけ片目だって治せたっしょ?キャラデザの為に脚本書きすぎ!

どなたかも書いてらっしゃいましたが、ヴァレンタインがハリーを撃つ時に「古いスパイ映画ならあり得ない方法で助かったりするが、これは映画ではない」って言ってるんですよ。くっそカッコいい台詞じゃないすか。

そんなセリフもなかったことにしてる続編ですけどね!!!!
これは映画だからなんでもありなんすよ!!!って言ってるもんだこりゃ

ストーリーの流れから脱線しました。

えー・・・ポピーに全世界の麻薬使用者を人質に取られた大統領ですが、彼は「ポピーに従うフリして放置すれば、麻薬使用のクズも麻薬組織も一緒に潰せるZE★」とクズ仕様の大統領でした。ここでもまた、「麻薬使用者にも善人はいます!子どもや、興味本位で手を出してしまった人はどうなるんですか!?」という言葉が考えさせられるポイントですね。

ポピーのウイルスに感染した人たちが政府の手によって球場なんかに集められるんですけど、一人一人が檻に入れられて積み上げられている状況を俯瞰で見ると「まるでアメリカの大都市」そのものなんですよ。ここも風刺が効いているというかなんというか・・・お上手な演出。

でもぶっちゃけそんだけの量の檻とか用意するための費用が無駄そう・・・

まぁ、なんだかんだで全部エグジーといつの間にか蝶々の呪いから解放されたハリーが敵を倒して解決してくれるわけなんですけどね!

個人的にエグジーが彼女のことで頭いっぱいで、彼女がピンチだと知って本気で仕事に取り組む姿勢になったのが「私情に走りすぎ感」があって微妙だったなぁ。
敵も彼女の存在で基地がバレちゃったりとか、裏切り者ウイスキーの裏切り理由も元カノの死が原因だったりと・・・みなさん恋愛に振り回されまくっています(笑)

 

かと言えばハリーは童貞独り身で死ぬのは寂しいんだよ・・・と捨て身の暴露で脚本のフォローしてる!!!ほんとうたいへんだ!

 

エグジーの対チャーリー戦については、ボーリング場の壁をぶち抜けるほどの力を持ったスーパーアームを手加減して使っているようにしか見えなかったですね・・・(笑)
いくら防弾仕様のスーツでも、死んじゃう死んじゃう!!

あと、アームで掴まれて地面に何度も叩きつけられているエグジーの姿を見ていたら

2017年の年越しに見た”ガキ使”で天井に叩きつけられる劇団ひとりの姿が浮かんだのは私だけですか?
やっぱりアレはやりすぎだよなぁ・・・背骨折れちゃうよ。

こういうアクション映画では、人間の体は衝撃耐性に優れているのが常識っぽいので、何も言えませんけどね。

エルトン・ジョンは大御所ミュージシャンとは思えないくらいの出番の多さと活躍で最高だったし(特に犬とハリーの間に挟まるあたり)、チャニング・テイタムは『ヘイトフルエイト』を思い出させるくらい「いるのにいない」状態だったしで

全編通してツッコミどころ満載のギャグアクションムービーになっていました(笑)

ウイスキーさんのアクションは投げ縄よりもファニングショットとかのガンプレイをもっともっと観たかったです!!!!!

まったくまとまりのない感想ですし他にももっと色々思ったことがありましたが忘れてしまったので終わり!

続編やスピンオフの予定もあるみたいですが若干不安になっています。

やっぱりキングスマンは一作目が最高!!!!!

 

 


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ハリウッド黄金期を舞台にしたロマコメ!映画『カフェ・ソサエティ』ネタバレ&感想

「人生は喜劇だ。残酷な筋書きだけど」

ウディ・アレン監督作、主演はジェシー・アイゼンバーグ×クリステン・スチュアート。

この二人は別な映画でも恋人役やってましたね~。

ウディ・アレン監督の映画は『ブルージャスミン』がお気に入り。昔はこの人の映画はあんまり好きではなかったんですが、最近の作品はだいぶとっつきやすい!

しかし『それでも恋するバルセロナ』なんかはそんなに得意でないので、やっぱり映画館で観る勇気は起きず・・・DVDにて鑑賞。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Café Society
【制作国】アメリカ
【監督/脚本/ナレーション】ウディ・アレン
【製作】レッティ・アロンソン、スティーブン・テネンバウム、エドワード・ワルソン
【製作総指揮】アダム・B・スターン、マーク・I・スターン、ロナルド・L・シェ
【撮影】ビットリオ・ストラーロ
【美術】サント・ロカスト
【衣装】スージー・ベンジンガー
【編集】アリサ・レプセルター
【出演([]内は役名)】

  • ジェシー・アイゼンバーグ[ボビー]
  • クリステン・スチュアート[ヴォニー]
  • ブレイク・ライブリー[ヴェロニカ]
  • スティーブ・カレル[フィル]
  • コリー・ストール[ベン]
  • パーカー・ポージー[ラッド]
  • ケン・ストット[マーティ]
  • ジーニー・バーリン[ローズ]
  • サリ・レニック[エヴリン]
  • スティーブン・クンケン[レナード]
  • アンナ・キャンプ[キャンディー]
  • キャット・エドモンソン[レ・トロピックのシンガー]

【公開日(日本)】2017年5月5日
【上映時間】96分
【配給】ロングライド
【映倫区分】G
【IMDB】6.6/10.0  (およそ53,200人の評価)

【あらすじ】

映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.6/5.0

点数で言えば「普通に面白い!!」よりちょびっと上な感じ。

ハリウッドに職を求めてやってきた甥っ子に仕事を与えてやる敏腕映画プロデューサー。しかし彼は既婚者でありつつ秘書(ヴォニー)と不倫関係にあった。そして、甥っ子もヴォニーに一目惚れ。血縁の三角関係のドロドロが見られるかと言えばそうでもなく、とってもサラッとしたロマンチックコメディ!

トワイライトでは「うっすらと開いた口」が気になって仕方なかったクリステンさんですが、だいぶ半開きしないようになったようです(笑)

ジェシー・アイゼンバーグは最近本当に人気ですよね。自然な演技も狂った演技もお手の物な器用な俳優さんです。

1930年代のハリウッド黄金期のファッションなんかも煌びやかでオシャレ!

ウディ・アレン監督にしては見やすい!

結構毒があったり、独特な価値観で観客を惑わしてくることの多いこの監督。

今までの作品を追いかけていた人からしてみると「だいぶアッサリ」と感じるはず。その代わり、初めての一本として選ぶならとっても入りやすくて良いかもしれませんね。

『ミッドナイト・イン・パリ』と並んで観やすい作品だと思います。

「あれ?甥っ子の話してる恋人ってヴェロニカのことじゃね?」

「あれ?おじさんの不倫相手ってヴェロニカじゃね?」

とお互いにうっすら気付くシーンがすごく滑稽で笑えます。ジワジワ系。

まとめ

しかしケラケラ笑える映画だけという感じではない。そこがウディ・アレン節というか・・・。

二人の男に愛されたヴェロニカは、ハリウッドに来たばかりの垢ぬけない若者(ボビー)と、リッチな叔父とで悩んだ結果、結局叔父を選んでしまう。しかし、ボビーはいつまでもヴェロニカを忘れられず・・・叔父と結婚し何年かたって再会した二人は、ふたたび距離を縮めていく。

という、なんというか、どういう人生を選んでも愛する人は一人なのだなぁ。と思わせつつ、しかしその愛する人と一緒に生きていくほど人生は簡単ではないんだよ。と言いたげな大人な雰囲気漂うラスト。

さきほど、だいぶアッサリしているとは書きましたが、それは監督の普段の感じからすると・・・というだけで、普通に観たら若干のモヤモヤが残るというか、「えー、それでいいの?」と思う部分も人によっては出てくるかもしれません。

やっぱり一筋縄ではいかない。そんなウディ・アレンさんのロマンティック・コメディでした。

 

 


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天才児の育て方?映画『ギフテッド』ネタバレ&感想

「メアリーがこんなに素敵で賢く優しい子なら――育て方は正しかった」

映画仲間たちとの忘年会にて、鑑賞。

何の前知識もなく予告も観ずに行ってきました!

監督は『500日のサマー』のマーク・ウェブ氏!そして主演にはキャプテン・アメリカで有名なクリス・エヴァンス!

子役のマッケナちゃんがとにかく可愛いです・・・。

タイトルにもある『ギフテッド』というのは、”特別な才能を持つ子ども”という言葉。この映画で初めて知りました。

パンフはこんな感じ。

来ました!フォックスサーチライトマガジン!Vol.9!お洒落!
50Pで税込み820円。

ギフテッド教育についての座談会のページが非常に興味深かったです。

【映画情報】

【原題】 Gifted
【制作国】アメリカ
【監督】マーク・ウェブ
【脚本】トム・フリン
【プロデューサー】カレン・ライダー、アンディ・コーエン
【エグゼクティブ・プロデューサー】グレン・バスナー、ベン・ブロウニング、モリ―・アレン
【撮影監督】スチュアート・ドライバーグ、ASC
【プロダクションデザイナー】ローラ・フォックス
【編集】ビル・バンコウ、ACE
【コスチュームデザイナー】アビー・オサリヴァン
【音楽】ロブ・シモンセン
【音楽スーパーバイザー】ランドール・ポスター&メーガン・カリアー
【出演([]内は役名)】

  • クリス・エヴァンス[フランク]

  • マッケナ・グレイス[メアリー]

  • リンゼイ・ダンカン[イブリン]

  • ジェニー・スレイト[ボニー]

  • オクタヴィア・スペンサー[ロバータ]

【公開日(日本)】2017年11月23日
【上映時間】101分
【配給】 20世紀フォックス映画
【映倫区分】G
【IMDB】7.6/10.0  (およそ人53,400の評価)

【あらすじ】

生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクとフロリダの小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていた。しかし、メアリーに天才的な特別な才能が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始める。メアリーの特別扱いを頑なに拒むフランクのもとに、フランクの母エブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうと画策する。母の画策に抵抗を続けるフランクには、亡き姉から託されたある秘密があった。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆3.8/5.0

2017年ベスト1を狙えたかも!

と、思うほど面白いな・・・と感じました。

が、しかし映画仲間7人で観たんですが、意見は半々、全くダメな映画だと言う人もいれば相当良かったと褒める人もいる結果でした。

行間を読ませる演出が多い

意見が大きく割れる原因についてはおそらく、「物語の穴」の部分が多く、不明瞭な情報をとっちらかせてる印象があるからでしょうかね。

ツッコミどころが多い。とか、説明不足。とか。

ちびぞうは、この不明瞭な点に関しては曖昧なままでも十分想像で補完出来うるなと思いました。

脚本が好き

例えば、序盤でメアリ―が持つ数学に突出した才能を大人が見出す辺り。彼女が大人顔負けの頭脳を持っていることが発覚しますが、フランクの話す”入念に”という言葉の意味をメアリーは知りません。
「入念って?」
「知らないなら学校に行かなきゃね」
というやり取りがあるんですが、これはメアリーが突出しているのはある1点の才能の部分のみで、それ以外は普通の7歳の子どもと何ら変わらない、という事を示すシーンでもあります。

そして”普通な子どもとして普通の学校に通わせたい”というフランクの想いもここで見えてきます。たったこれだけのやり取りで分からせる!そういう会話のテクニックが多くみられる映画だと思いました。

群像劇でもある

パッと見は、姪っ子と叔父の家族の愛の物語であり、特別な才能を持っているがゆえに大好きな人と引き離されてしまう、という切なさが描かれているお涙頂戴な作品・・・なのですが。

実はこの作品、群像劇でもあると思うんです。

  • メアリ―の自殺した母親ダイアンの悲しい人生と、母親への想い
  • 数学に人生を捧げられなかった自分の選択を呪い、その全てを子ども、そして孫に託そうとする祖母イブリン
  • ギフテッド教育を受けたが”数10人”が辿り着ける天才の高みには辿り着けなかったフランクの想い
  • 数学の才能を持ち、普通の学校では生きにくさを感じているメアリー

主にこの家族の、それぞれの想いが交錯した群像劇なんですよね。
どの人にも人生があって、考え方があって、己のためであったり、誰かのためであったり、選択し、後悔し、何かを委ねたり、取り戻そうとしたりする。
そんな人間としてのあがく姿というのが彼らの関わりを通して見えてくる。

そこが面白かった・・・!!!

泣けたシーン

ちびぞう的に泣けたシーンは

  1. 祖父イブリンが裁判で「ダイアンの愛していた男性と無理やり引き離したこと」を理由に自殺の原因は貴方にあるのでは?と言うニュアンスで暗に責められ、己の主義主張(ダイアンが数学を愛していたこと、彼女が数学に徹することにどれだけの歴史的価値があるかなど)を熱弁する場面
  2. フランクに「離れたくない置いて行かないで約束したじゃない」と縋りつくメアリーの場面
  3. 実は難題の証明を達成していたダイアンがそれをフランクに託し、「母親の死後」に公表して欲しいと頼んだと気付かせる場面

この3つですかね。

1は、とにかく母親の狂信的なまでの数学への固執が悲しくて悲しくて。とても可哀そうな人にも見えるけど、でも言っている事が100%間違っているかといえばそうでもない・・・。自分でも自分のおかしさは理解していて、それでも認められない。そんな彼女の熱弁になんとも言えない気持ちになり、涙腺がやられましたね。

2はメアリーの名演技が涙を誘います。ほんとずるい。

3は、個人的に息を飲んだ名シーン!
「死後に公表してくれと頼まれた」
「ダイアンが死んだのは6年も前よ」
「彼女の死後じゃない」
この3つのセリフのやりとりだけで・・・見えてきます。ダイアンの真意、母親への想い、自殺の理由・・・ギフテッド教育の闇。そしてこのイブリンに対する復讐とも言える遺言は、母親の異常なまでの数学へのこだわりが前半で強く描かれれば描かれるほど、効いてくる演出になってるんです。
それが本当に上手だなぁと思いましたね。

まとめ

パンフレットで初めて知りましたが、特別な子ども達に受けさせる「ギフテッド教育」というものがあるんですね。

学校に適応できない子供は「普通ではない」ように見えて実は才能を持っている・・・。というのは親にとってとても大きな希望になりますよね。

だからと言って、本当に一般的な子どもたちの過ごす時間から切り離し、特別な教育を与えることだけが彼らのためになるのか?という疑問。本作はそこにスポットを当てた映画です。

そして、ただ単純に「子どものあるべき場所」というものを示しているだけでなく、「ギフテッド教育」で目覚ましい結果を残せなかった人もまた親になる、という教育が残した傷の連鎖のようなものも合わせて見せてくれるところがとっても興味深い作品。

普通に生きる、その人らしく生きる、そして何よりも「自分が楽しめる人生を歩む」事の大切さを教えてくれる。素晴らしいです。

クスッと笑える場面もあるし、笑って泣けてほっこりできる、

2017年では、上位3本に入る名作!

最後にこれだけ

猫を救う人に悪い奴はいないよ!!!!!(笑)

 

 


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ケビン・コスナー×ガル・ガドット主演!映画『クリミナル 二人の記憶を持つ男』ネタバレ&感想

世界を救うタイムリミットは記憶が消えるまでの48時間。

【画像引用元:映画.com】

映画をレンタルする時は5本で千円のセット借りをするのがビデオ時代からの我が家のお決まり。最新作は3泊4日になってしまうので、準新作に落ちたものを5点、選んでいます。

めぼしい映画があまり目に付かず「あーあと一本で五本なのになー」という時に見つけたのが今作。

非常に地雷臭の漂う今作ですが、地味に俳優が豪華!!

ケヴィン・コスナーや、トミー・リー・ジョーンズゲイリー・オールドマンまで!

おそらく『ワンダーウーマン』ガル・ガドットの人気の波に乗って上陸したんでしょう。(私のお目当てはトミー・リー・ジョーンズ)

【映画情報】

【原題】Criminal
【制作国】イギリス、アメリカ
【監督】アリエル・ブロメン
【脚本】ダグラス・クック、デビッド・ワイズバーグ
【製作】マット・オトゥール、マーク・ギル、クリスタ・キャンベル、J・C・スピンク、ジェイク・ワイナー
【製作総指揮】ボアズ・デビッドソン、ジョン・トンプソン、クリスティーン・オタール、アビ・ラーナー、トレバー・ショート、ラティ・グロブマン、ダグラス・アーバンスキー、ジェイソン・ブルーム、ケビン・キング・テンプルトン
【共同製作総指揮】サミュエル・ハディダ、ビクター・ハディダ
【共同製作】ポール・リッチー
【撮影】デイナ・ゴンザレス
【美術】ジョン・ヘンソン
【衣装】ジル・テイラー
【編集】ダニー・ラフィク
【音楽】ブライアン・タイラー、キース・パワー
【声の出演([]内は役名)】

  • ケヴィン・コスナー[ジェリコ・スチュワート]
  • ゲイリー・オールドマン[クウェイカー・ウェルズ]
  • トミー・リー・ジョーンズ[フランクス医師]
  • ガル・ガドット[ジル・ポープ]
  • ライアン・レイノルズ[ビル・ポープ]
  • アリス・イブ[マルタ・リンチ]
  • マイケル・ピット[ヤン・ストローク/ダッチマン]
  • アマウリー・ノラスコ[エステバン・ルイザ]
  • ジョルディ・モリャ[ハビエル・ハイムダール]
  • アンチュ・トラウェ[エルサ]

【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】113分
【配給】KADOKAWA
【IMDB】6.3/10.0  (およそ43,000人の評価)

【あらすじ】

米軍の核ミサイルをも遠隔操作可能なプログラムを開発した謎のハッカー「ダッチマン」の居場所を知る唯一の人物で、CIAのエージェントのビリーが任務中に死亡した。「ダッチマン」の脅威から世界の危機を救う最後の手段として、ビリーの記憶を他人の脳内への移植する手術が検討され、その移植相手として死刑囚ジェリコ・スチュアートが選ばれた。ジェリコは凶悪犯である自分自身と、脳内に移植されたCIAエージェントのビリーというまったく逆の2つの人格に引き裂かれながら、テロリストとの壮絶な闘いに巻き込まれていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.3/5.0

思った通りだったんです!!(笑)

何が思った通りだったかと言うと、「これは面白くないかもしれない」という不安が的中したということですね・・・。

特筆すること浮かびません

俳優陣は豪華すぎるくらい豪華なのに(上で言った以外にライアン・レイノルズも出ているし)、脚本が・・・なんというか。ありきたりと言うか。陳腐というか。

CIAエージェントの記憶を埋め込まれた囚人が、そのエージェントの自宅に行って奥さんと子どもに会う。そしてエージェントの記憶を語り出して、「俺だよ、お前の夫だよ」みたいな展開はありがちすぎますよね・・・。

別人なんだけど、夫の記憶を持っているこの人は何なの・・・!?という奥さんの葛藤も特になく、彼はそのまま子どもとの信頼関係を築いていきます。

そこまで来たらもう、囚人の方の気持ち的にも「この子は俺の子だ」と思うようになって絆を深めていく流れもお約束じゃないですか!

まとめ

素材は良いのに上手く調理できなかった作品。そんな感じがします。

こんな言い方をするとアレですが、お約束の流れの感じとかがどうも、セガール映画を観ているかのようで・・・。

個人的にはもう少し、トミー・リー・ジョーンズの活躍が観たかったなぁ。

あ、ガル・ガドットは相変わらず美しくてグッド!でしたよ(*´∀`*)

 

 


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続編に期待高まる!映画『キングコング:髑髏島の巨神』ネタバレ&感想

人類よ、立ち向かうな

私一人ではスルーしていたかもしれない今作。映画仲間が「エンディングロールの後がすごいよ!」と笑いながら強く推していたので、レンタルで鑑賞。

主演は『マイティ・ソー』でソーの情緒不安定な弟役ロキを演じているトム・ヒドルストン。日本からは、ギタリストのMIYAVIが冒頭シーンで米兵と対峙する日本兵を演じています。

どうでもいいですが、「YOUは何しに日本へ」という番組でこの映画の監督がインタビューを受けていました(笑)ひげもじゃで結構若そうな監督でしたね~