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岸井ゆきののこじらせ片思い。映画『愛がなんだ』ネタバレ&感想

全部が好き。でもなんでだろう、私は彼の恋人じゃない

こちら、最近ですと『スマホを落としただけなのに』で怪演されていた成田凌と、ちびぞうも観ていました朝ドラ「まんぷく」で主人公福子の姪っ子役をやっていた岸井ゆきのがダブル主演の恋愛映画!!!

成田凌はもはや殺人鬼のイメージしかないしあまり興味はなかったんですが…、ポスターの感じがね、以前観た『寝ても覚めても』に雰囲気が似てる気がして惹かれてしまいました。

それから母上の情報で「口コミで人気が高まっているらしい、主人公が平凡っぽいからそこに共感する女子が多いとかテレビでやってた」と聞きましてなるほど、それは一度観ておいても良いかもしれないと劇場へ。

パンフはこんな感じ。

A4サイズ、26Pで税込み800円。裏面は成田凌。主演陣のインタビューの他に、映画ライターの細谷美香さんのコラムが載っていました。

映画情報

【制作国】日本
【監督】今泉力哉
【脚本】澤井香織、今泉力哉
【原作】角田光代「愛がなんだ」
【撮影】岩永洋
【照明】加藤大輝
【録音】根本飛鳥
【美術】禪洲幸久
【装飾】うてなまさたか
【スタイリスト】馬場恭子
【ヘアメイク】寺沢ルミ
【編集】佐藤崇
【音楽】ゲイリー芦屋
【主題歌】Homecomings - Cakes
【助監督】八神隆治
【制作担当】柴野淳
【出演([]内は役名)】

  • 岸井ゆきの[テルコ]
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  • 成田凌[マモル]
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  • 深川麻衣[葉子]
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  • 若葉竜也[ナカハラ]
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  • 片岡礼子[テルコの上司]
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  • 筒井真理子[葉子の母]
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  • 江口のりこ[すみれ]
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  • 穂志もえか
  • 中島歩

【公開日(日本)】2019年4月19日
【上映時間】123分
【配給】 エレファントハウス
【映倫区分】G
【IMDB】6.1/10.0 (およそ25人の評価)

あらすじ

28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。【引用元:映画.com

感想

☆2.9/5.0

いわゆる恋愛群像劇。誰かが誰かに片想いしていて、恋人のような関係だけど恋人ではない〜みたいな、こういう関係よくあるよね!的なお話。

面白かったかと聞かれると微妙な反応を返してしまうかも!!!

一方通行…恋愛…?恋愛映画…?ほ、ホラー?サイコ…?ストーカー…?とイメージが変化していきます。ちなみに主人公は最後まで報われることはない。

ホラー映画的な演出がある辺り、やっぱり『寝ても覚めても』と印象が共通する部分はありましたね!

劇中で「ストーカー同盟の反省会」的なセリフが出るけどこの映画はまさにそれ。「ストーカーに至る人達の思考回路」に近しいものが描かれていると思う。

20後半の恋愛はめんどくさい。と言いつつも、自分のことや相手のことを考えているうちにごちゃごちゃしていく周りに反して主人公は「それがなんなの?うるさいよ」とストレートに一蹴していく。彼女はもうただただ好きな人のそばに居たいという欲求に素直に動いている。そしてそのためならば本人に「もう好きなわけないじゃん」と自分の気持ちをはっきり否定できるほど。

控えめに観れば自分の気持ちを押し殺して好きな人のそばにいたいというささやかな望みを叶えている切ない恋愛に見えなくもないんだけど、いかんせんこの岸井ゆきのちゃんのキャラクターが怖い。

ヒーローに撃退されて「このままでは終わらせないぞ」と吐き捨てるアニメの悪役みたいな余韻がある。いつかは仕留めてやる、的な貪欲な欲求が彼女の中でくすぶっているような。

本人も最後に言っている通り「愛とか恋とかを超えている」し、「この執着の正体がなんなのか」分からないのが恐ろしい。

どこぞの感想で「依存」という言葉も見かけたけども、それとも少し違う気がするんですよね。

常人の概念では少し理解しがたい「執着」であり、そこには「人をダメにする残酷さ」も間違いなく入っている。

結局のところは自己愛なのかな…分からない…うまくまとめられない…

一般的にクズ男とされる成田凌の役柄は思ったよりクズではなく、心地よい愛情に甘えてしまっただけの男に思える。悪意なんかは勿論ないし、自分の行動に気がつけばそれを改善させようと思える至って普通の人間だ。

この映画は、群像劇の側面もあり、様々な登場人物がそれぞれの恋愛をしていて、それが微妙に噛み合わなくなったりした時にその影響を他者に及ぼすって辺りがちびぞうの好きな演出だった。

アッシーやメッシーだった仲原くんが35歳のおばさんの言葉により目を覚まさせられ、その言葉が巡り巡って主人公にも影響を及ぼす。うまい。

主人公の小学校の頃の姿が出てきて自問自答したりする演出もわりと好きでしたね。面白い!!!と人に勧めるような映画ではないけども、でもなーんかキライになれない。そんな一本でした。

ほんとどうでも良い希望だけど、あの35歳のおばさんが安藤サクラだったら最高なのになぁ。と思いながら観ていた。今もそうだったら良かったのにと思っている。

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死なせたくない一心で。ドキュメンタリー映画『いのちの深呼吸 上映&トークショー』感想

この願いは”いまを生きる”わたしたちの希望―――

どうもどうも、ちびぞうです。

こちらの映画は去年の10月21日に、地元のCINEXさんで岐阜新聞映画部の方と行っているコラボ企画イベント的な上映会&トークショーで鑑賞してきましたぁあ!

トークショーに登壇したのは本作品の主人公でもあります根本一徹さん!!

映画のあとにはサイン会(握手付き)も行っていて、ちびぞうもちゃっかり握手させてもらってきました!!!(笑)

…こんなテンションで幕開けしてしまいましたが、とっても重たく真摯で熱い内容の映画となっておりますのでご注意ください。

パンフレットはこのような感じ。

表紙にサイン頂いています。合掌。

著名人のコメント、自殺大国ニッポンの現状を調べた統計や、脳科学者の茂木健一郎さん、精神科医の斎藤環先生などの寄稿があり、映画のパンフレットというよりは「日本人の自殺」に知ることのできる参考資料といった感じ。14Pと頼りないページ数ですが、内容はとても充実しているなと感じました。(お値段書いてない&忘れてしまったので未記載ですいません)

【映画情報】

【原題】 The Departure
【制作国】アメリカ
【監督/製作】ラナ・ウィルソン
【製作総指揮】サリー・ジョー・ファイファー、リリー・ハートレイ、マイク・ラーナー、ダイアン・L・マックス、レジーナ・K・スカリー、ジェフリー・タラント
【共同プロデューサー】エリ・ヨコヤマ
【共同エグゼクティブ・プロデューサー】クレア・シルバーマン
【撮影】エミリー・トッパー
【編集】デビッド・ティーグ
【オリジナル音楽】ネイサン・ミシェル
【挿入曲】クリスチャン・フェネス、坂本龍一
【製作】Drifting Cloud Productions,Roast Beef Productions
【共同製作】ITVS
【製作協力】Artemis Rising Foundation
【出演([]内は役名)】

  • 根本一徹

【公開日(日本)】2018年9月8日
【上映時間】87分
【配給】パンドラ
【IMDB】7.1/10.0  (およそ120人の評価)

【あらすじ】

岐阜県大禅寺で住職を務める根本一徹のもとには、全国の自殺志願者からのメールや電話が昼夜を問わず届く。追いつめられ、誰にも頼ることができないSOSの声を受け、根本は彼らのもとを駆けつけるが、何か特別なことをするわけでもない。ただ話に耳を傾け、彼らとともに食事を摂り、さりげなく寄り添う。そんな根本の存在に安堵した自殺志願者は、少しずつ生きる気力を取り戻していく。実は根本自身にも、身近な人を自殺で亡くした過去があった。そして心臓に病を抱える根本にとって、大量のメールや電話に対応するには心身ともに限界にきていたが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.2/5.0

邦画なのかな?と思ったら監督は外国人!

監督のラナ・ウィルソンは2013年にニューヨークで根本一徹さんの記事を読み、彼の活動に興味を持ったそうです。そして根本さんの行っている自殺志願者向けのワークショップに参加するなど、外側からだけでなく内側からも体験してみるアプローチをしています。

この映画では「人と人のつながり」を描いており、つながりこそが人生に生きる価値を与えるものだとコメントしています。

第三者・傍観者としてではなく当事者の目線で作ろうとしている監督の真摯さも、根本さんに共通する部分だなと思ったりしました。

 

この作品をドキュメンタリー映画として面白いかどうかで考えるのは難しいですね。重いテーマを扱ったドキュメンタリー映画はほかにもありますが、テーマやその主人公として描かれる人物の魅力や強さに圧倒されるものばかりで、もはや”映画”として観れているのかどうかも怪しい。例えば演出方法がーとか構成がーとか色々と言えることもあるのかもしれませんは、ちびぞうは情けないことにそういう面での映画の知識などに乏しく…結局は今回もこのテーマについてどう思うのか、という部分に触れるのみになってしまいそうです。

根本一徹という人物

音楽が好きで、バンド経験もあり、僧侶になった今でも時折クラブに赴いて体を揺らしている。悩める人が助けを乞えばバイクに乗って深夜でも駆けつける。そんなファンキーな一面を持つ根本さんは、岐阜県関市の大善寺の住職。

彼は「旅立ち」というワークショップを自殺志願者のために開いており、その内容は自分にとって大切なものを書き出させ、それを少しずつ取捨選択して捨てさせる。そしてそれが全てなくなった時「これが死です」と告げ、「死んでしまうとはどういうことか」を想像させる・疑似体験させるというもの。実際に横になり、顔に白い布をかぶせて死体のように過ごす場面も劇中でありました。

そのワークショップ以外の活動は、自分の連絡先を公開し日夜問わず連絡してくる自殺志願者の電話やメールに応え、必要であれば直接会いに行く…というもの。

そしてひたすら彼らの話を聞き、受容して、励ます。根気よく、何度も何度も。

彼のこの熱意は、叔父と、高校時代の友人が自殺で亡くなっているところからきているらしい。「なぜ死を選んだのか」と悩み続け、「もう誰も死なせたくない」と強く願う。この願いそのものが、住職の活動に直結しているのだと感じました。

まとめ

ネガティブな感情を常に抱いている人や、人生に対して後ろ向きだったり、大きなトラウマを抱えて苦しんでいる人たちに寄り添って、励まし、彼らの人生を上向かせてあげようと思うことは、わりと多くの人が思う事なのかもしれません。

だけどそれを行動に起こすこと、実際にやってみること、最後まで寄り添い続けることは、とても難しいんです。なぜかと言うと、よほど強い精神力を持った人でなければ自分も疲弊してしまうし、削れてしまうし、共倒れてしまうから。誰だって自分の人生を一番に考えなければいけないし、そうやってマイナス方向に引っ張られてしまうような相手とは関わりたくないと思ってしまうものです。それが非人道的だとか優しくないとかそういうことではなく、生き物はすべて、自己防衛本能というものがあるからある意味それが当たり前というか。

実際、根本さんも無茶をしすぎて体調を崩してしまわれていますし…、自己防衛すべきなのは根本さんだよ!!(でもここまで献身的になれるからこそ偉大になれるのか…)

しかしこの映画を観ていて時々感じたのは、彼自体もどこか病んでいて、「人を死から救う事に囚われすぎているのでは」ということ。自らを犠牲にして人の為に行うのは素晴らしいけれど、その目的が素晴らしいから霞んでいるだけで「己の体や人生を大切にできない」という部分において自殺志願者と共通するものを感じてしまう。

そうやって根本さんが体を病むほどに負担を背負うのは、同じように自殺志願者の心に寄り添おうとする人が他にいないからなのかもしれませんけども。

ちびぞうが最初に言ったように、心を病んだ人に付き添うのは大変なこと。でももしかしたら、根本さんのように活動する人が増えて、みんなが少しずつ誰かの心を分け合うように背負えたら、引きずられて共倒れしてしまう、なんてこともなくなっていくのかもしれませんね。

 

映画を観たあとで、根本さんのお話を聞きましたがとても努力を積んできた人なんだなぁ、と思いましたね。真似できない。映画を観てるだけでは分からないようなお話(自殺志願者が立ち直って元気に生活している話とかとても嬉しい報告的なもの)も聞けて、根本さん自身のことも知れて、その人のことをよく知らないままに(映画の中だけの情報で)色々思うのは早計だなーと。

最後は、人の為に生きられる人にちびぞうもなりたいなぁ。と思いつつ、握手させて頂きました。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

 


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画像引用元:映画.com

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最凶ファムファタールが誕生。映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』ネタバレ&感想

最狂の恋が僕にやってきたッ!!

元々観る気はそんなになかったんですけども、ちびぞうが最近ハマっている安藤サクラさんが出演なさっているということでね、気楽に観れるラブコメっぽいしレンタルしてみました!

監督は『モテキ』『バクマン。』などの少年・青年漫画の実写化で知られる大根仁。
今作も 渋谷直角の漫画を原作としています。

主演の民生ボーイに妻夫木聡狂わせガールに水原希子、その他リリーフランキー、安藤サクラ、新井浩文などなど、邦画でよく見る実力派俳優さん揃い!キャストにはものすごく安定感ありますね!!

全編通して奥田民生の楽曲が使われているというのも注目ポイント。
元々ミュージックビデオを撮られていた監督さんなので、BGMのチョイスもセンス良いんですよね・・・というのはモテキでも十分分かっているところではありますが!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】大根仁
【原作】渋谷直角(同タイトル‐ 扶桑社)
【製作】市川南、中山道彦
【エグゼクティブプロデューサー】山内章弘、金吉唯彦、津嶋敬介
【企画】鈴木俊明、福冨薫
【プロデューサー】平部隆明、市山竜次
【協力プロデューサー】馬場千晃
【撮影】宮本亘
【照明】冨川英伸
【録音】渡辺真司
【美術】都築雄二
【スタイリスト】伊賀大介
【ヘアメイク】細川昌子、吉田佳奈子
【編集】大関泰幸
【音楽】岩崎太整
【音楽プロデューサー】北原京子
【助監督】二宮孝平
【キャスティング】新江佳子
【制作担当】田辺正樹
【出演([]内は役名)】

  • 妻夫木聡[コーロキ・ユウジ]
  • 水原希子[天海あかり]
  • 新井浩文[吉住]
  • 安藤サクラ[美上ゆう]
  • 天海祐希[江藤美希子]
  • リリー・フランキー[倖田シュウ]
  • 松尾スズキ[編集長・木下]
  • 江口のりこ
  • 松本まりか

【公開日(日本)】2017年9月16日
【上映時間】100分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】5.3/10.0  (およそ75人の評価)

【あらすじ】

奥田民生を崇拝する雑誌編集者を主人公に、全編にわたって奥田民生の楽曲が使用されるラブコメディ。「力まないカッコいい大人」奥田民生に憧れる編集者コーロキが、おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動となった。仕事で出会ったファッションプレスの美女、天海あかりに一目ぼれしたコーロキは、あかりに見合う男になるべく、仕事に精を出し、デートにも必死になる。しかし、やることなすことすべてが空回り。あかりの自由すぎる言動に常に振り回され、コーロキは身も心もボロボロになってしまう。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆4.0/5.0

もうね・・・大根仁監督は天才ですかね・・・。

『モテキ』『バクマン。』もすっっっごく好きなんですよちびぞうは!!!そして今作も良かった・・・すごく良かった・・・。

3作好きな作品が来たら、もうこの監督の作品は好きなんだなぁって思ってもいいですよね!!!!?

おおまかなストーリー

狂わせガールのあかりと付き合い出したコーロキ君。

しかし、理想的な彼女だとべた惚れしたあかりは、実は裏で元カレである吉住(コーロキ君の同僚)、更に編集長とも三股状態だった・・・。

それぞれが自分があかりの「本命」だと主張し、ラストで編集長が呼び出した吉住と三人で対面しそこにあかりも加わって修羅場を迎えるわけなんですが・・・そこであかりが言う言葉が本当に痛快というか。

「私は誰の彼女でもないわよ」って(笑)えーーーー!!!

”みんながして欲しそうだなーと思うことを、私はしていただけよ”って。全く悪びれないあかりちゃんの恐ろしさ極まれり。

しかもコーロキ君が「本当のあかりを見せてくれよ!」って言うんですけども

「見せてるよ?コーロキくんの思う私が、本当の私だよ」って・・・。

ガックリしてしまう男性三名。すると編集長が発狂、吉住の顔をザックリX字に切りつけてあかりにも襲い掛かる!危ないところでコーロキ君が後ろから編集長を殴ってあかりを救う。

その後、マレは廃刊、あかりとは連絡がつかなくなったどころか、「天海あかり」という名前の人物すら存在していなかったという。
ラストシーンは三年後。敏腕編集者として成功したコーロキ君は、コラムニストの三上さんとお付き合いしている様子。

タクシーに乗る直前で、フランス人の男と歩くあかりの姿を目撃。

気取らず、憧れの奥田民生のように立ち食いそばを食べながら、かつての自分の幻を見て涙するコーロキ君。

必至に海を泳ぐコーロキくんのバックで奥田民生の「custom」が流れてエンドロール。

めっちゃ泣きました

ラストシーンが最高すぎませんか。

「ラストシーンが最高に泣けてくる映画ベスト10」があったら上位に食い込みますよ!!

立ち食いそばを食べながら、「人がどうしたら喜ぶのか、そういう方法を学んだ。かつて憧れた奥田民生のような生き方を、自分は別の方法で出来るようになったのだ」的なモノローグが流れます。

憧れの生き方をしているはずなのに、なぜか涙してしまう。どうしてなのか?
きっとここに来るまでに大切な何かを失くしてしまったという自覚があったからかもしれません。

 

この映画は、天海あかりというファムファタール(男にとっての運命の女、または男を破滅させる魔性の女)に振り回されながらも生き方を学んで成長していく男の”青春の終わりの物語”、いわゆる通過儀礼的な、イニシェーション・ラブのお話なんですよね。

青春を運命の女に振り回される洋画と言えば『500日のサマー』とか『最低で最高のサリー』とかありますねー。この映画のあかりは本当に魔性も魔性、存在すら怪しい神秘性のあるキャラクターですからね、上記二本よりよっぽどエグいとは思いますが(笑)方向性としては同じなのかなーと。

 

ラストの妻夫木君の泣きの演技が最高で、その心情も本当に切なくて、もらい泣き必至です。ちびぞうはこのラストが大好きで、本編を三回くらいは繰り返し観ました(笑)

周回すると気付く細かな演出

京都に一緒に行こうと言ったのに仕事が押してしまい来れなかったコーロキ君の代わりに、あかりは元カレの吉住を京都のホテルへ呼び出します。

そこで吉住は、自分の好きなドラえもんの単行本をあかりに渡し、「本当に最高だから読んで!」と言います。ここのシーンで、吉住が自分の人生に影響を与えるほどドラえもんが好きなんだという事が分かります。対するあかりは、そんなに興味はなさそう。

実はこのシーンより前に、コーロキ君があかりから来たラインを編集長に見せるシーンがあるんですが、そこをよーく見てみると、あかりが「ドラミちゃん」のスタンプを使っているんですよ・・。これ気付いたときはちょっとゾッとしましたね・・・(笑)

おそらく元カレの吉住と付き合っている頃、彼の趣味に合わせてダウンロードしたドラえもんスタンプを使っているんだろうなと思うんですが。
あの時点で吉住とも関係が続いていたかは劇中で明らかになっていないんで分からないんですけど、あれを見ると二人と進行形だったようにも見えますし、完璧に別れていたとしても「元カレ」に対してなんとも思ってない感じが伝わってくるというか・・・怖い。怖いですね。
これが、二周目でないと気付かないかもしれないっていう細かい演出だったので(しかも映るの一瞬)「監督さすがか」と感動してしまいました(笑)

しかも二周目だと嬉しそうで幸せそうなコーロキくんが切ないんですよねぇ・・・

安藤サクラ100%伝説更新中!

すーごいどうでもいい話なんですが、私が今まで観てきた安藤サクラの出演作が「100%面白い!!」という個人的な伝説が続いていまして・・・今作も漏れなく面白かったので伝説更新中!ということですね!

ちなみに過去に観たのは

今後も安藤サクラの作品を追っていきたいと思います!!

ちなみに安藤サクラ以外の役者さんも素晴らしかったですよ。特に水原希子はもう最凶すぎる。

まとめ

奥田民生の楽曲の使い方も最高。今まで一度も奥田民生を聴いたことのないちびぞうも好きになってしまいました。

ただのアホなギャグラブコメかと思いきや、全くそんなことはないし、青春映画としても恋愛映画としても人生を語る映画としても素晴らしい・・・。

オススメ度、かなり高めです。

「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」というCDも出ているらしい。
めっちゃ欲しい!!!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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報復が報復を呼ぶ。映画『アウトレイジ』ネタバレ&感想

「下剋上、生き残りゲーム」

北野武監督の映画は二本しか観ていないんですが(『Dolls』ともう一本は『それぞれのシネマ』の中の「素晴らしき休日」)、というかちびぞうは元々邦画はあんまり観ないんですけども、そのどちらも結構好きな作品だったので他の映画にも興味があったんですよねーー。そしてアウトレイジの新作の予告が何やらカッコいい感じだったので惹かれまくってしまいました。

ようやく借りることが出来て、ワクワクしながらの鑑賞です!!

加瀬亮が出てるので楽しみ!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】北野武
【プロデューサー】森昌行、吉田多喜男
【撮影】柳島克己
【照明】高屋齋
【美術】磯田典宏
【衣装デザイン】黒澤和子
【装飾】尾関龍生
【メイク】細川昌子
【録音】堀内戦治
【編集】北野武、太田義則
【音楽】鈴木慶一
【音響効果】柴崎憲治
【助監督】稲葉博文
【出演([]内は役名)】

  • ビートたけし[山王会大友組組長 大友]
  • 椎名桔平[山王会大友組若頭 水野]
  • 加瀬亮[山王会大友組組員 石原]
  • 三浦友和[山王会本家若頭 加藤]
  • 國村隼[山王会池元組組長 池元]
  • 杉本哲太[山王会池元組若頭 小沢]
  • 塚本高史[村瀬組組員 飯塚]
  • 中野英雄[村瀬組若頭 木村]
  • 石橋蓮司[村瀬組組長 村瀬]
  • 小日向文世[刑事 片岡]
  • 北村総一朗[山王会本家会長 関内]

【公開日(日本)】2010年6月12日
【上映時間】109分
【配給】ワーナーブラザース映画、オフィス北野
【映倫区分】R15 +
【次作】アウトレイジ ビヨンド
【IMDB】6.8/10.0  (およそ10,500人の評価)

【あらすじ】

関東最大の暴力団山王会の若頭・加藤は直参の池元組組長・池元に、池元と付き合いのある村瀬組を締めるよう苦言を呈する。そこで池元は配下の大友組組長・大友に、その役目を任せるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも!)】

☆2.5/5.0

ネタバレもするよ!って言いつつ、ネタバレが書けるほど理解できたかと言えばそうではないんですよね・・・・・・・・・。

まず、人物相関図がとてもややこしい!!!!

山王会本家、山王会大友組、山王会池元組、そして村瀬組。

この4つの組織がありまして。
最初の方はすごく分かりやすいんですよ。山王会の大ボスが「子分の池元組がお外の村瀬久美人仲良くしてるのが気に入らないからなんとかしろ」って言ってくる。

で、上からそう言われたら従うしか仕方ないってことで、ちょっとした小競り合いをしてるところを見せて上に「そんな仲良しでもないですよー」って納得させたかっただけだったんですけど、そこから何やら負の連鎖というか、報復に報復が重なってハチャメチャになっていくという・・・。

ヤクザ界隈の事なんてサッパリですからね、「あれ?こことここは主従関係ではないの?」と思っててもサラッと下剋上して裏切って親分筋の人を殺したりするもんだから訳がわかんないわけですよ・・・。

池元組の傘下だった大友組の組長・大友(ビートたけし)が利用されるだけ利用されて自分の組を破門に追い込まれたり組員を残らず殺されたりと悲惨な目に合ってて、最後は身を守ろうと刑務所に入るんですが、そこにはかつて自分が顔に傷をつけた男木村?がいて、そいつに刺されて終わるという・・・。でも明確に死んだ描写がないので、ビートたけしは生きていて、続編で復讐しまくるっていう展開になると思うんですけどね!

ちなみに好き放題命令していた山王会の会長(北村総一郎)も、若頭の三浦友和に裏切られて殺される・・・というオチで、三浦友和はインテリヤクザの加瀬亮(下っ端だった)と実は裏で組んでいた―!!!というのが驚き?の部分だったりするらしいんですけど

ややこしくてそんな所まで把握できない!!

まとめ

ちびぞうが好きな加瀬亮がとても賢いインテリヤクザで、その頭を使ってのし上がったってところは良いですね!!!!!かっこいいですね!!!最初はいかにも下っ端という感じの髪型をしていたのが、カジノで儲け出したあたりからまともな髪型になるのも良かった(笑)

あと、若くてイケメンな椎名桔平はお色気要員なんだなって感じしましたね!!(なんでそんな面倒なことするのって感じの一番エグい殺され方してたけど!でもそこが無情でいい!)

続編も観ようって思うくらいには楽しかったです、唐突で遠慮のないバイオレンスがカッコいい・・・あと、ところどころ笑う部分も挟み込んで来たりして北野監督らしいというか・・・(語れるほどに観てないんですけどもぉ)

早く西田敏行出てこないかな!!!!

 

 


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耽美で危険なJKのイヤミス映画化『暗黒少女』ネタバレ&感想

「それでは、朗読会を始めましょう―――」

読んでイヤ~な気持ちになるミステリー、イヤミスから「暗黒少女」の実写化です!!

ちびぞう(@cbz_ewe)は原作未読で挑みました!!!

主演の清水富美加さんの芸能界お休み前の最後の作品となったのでしょうかね?(あ、違いますねまだ『東京喰種』とかありますね)彼女の映画は『変態仮面』しか観た事がなかったのですが、その時とは打って変わったダークな役で、非常に雰囲気のある(これをカリスマというのね、という感じの)女子高生役を怪演しています!

他にも主演・助演そろってメンバーは美少女揃いですよ~~~

毒々しさオシオシの公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】耶雲哉治
【脚本】岡田麿里
【原作】秋吉理香子「暗黒女子(双葉社)」
【企画/プロデュース】松本整、明石直弓
【撮影】中山光一
【照明】松本憲人
【録音/整音】竹内久史
【美術】松塚隆史
【装飾】有村謙志
【編集】日下部元孝
【主題歌】Charisma.com – “#hashdark”
【音楽】山下宏明
【出演([]内は役名)】

  • 清水富美加[澄川小百合]
  • 飯豊まりえ[白石いつみ]
  • 清野菜名[高岡志夜]
  • 玉城ティナ[ディアナ・デチェヴァ]
  • 小島梨里杏[小南あかね]
  • 平祐奈[二谷美礼]
  • 升毅[白石]
  • 千葉雄大[北条先生]

【公開日(日本)】2017年4月1日
【上映時間】105分
【配給】東映、ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ90人の評価)

【あらすじ】

聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆2.4/5.0

女って恐ろしい・・・!!みたいな感じはあんまりしなかった・・・そしてイヤーな気持ちにもあんまりならなかった・・・

小説の朗読で進む犯人捜し

学校一の美少女であり生徒会長であり経営者の娘であるいつみが学校の屋上から落ち、手にはすずらんの花を持って死んでいた。その事態について、文学サロンの恒例の「闇鍋朗読会」を利用したメンバーの小説という名の告発文の朗読が始まる。

  • 二谷美礼・・・奨学金で入学した一年生。学校に隠れてアルバイトしているのを打ち明け、いつみの家で家庭教師として雇ってもらえるようになる。いつみから親愛の証としてすずらんのバレッタを貰う。いつみから、いつみの父が女子高生でありながら作家デビューした高岡 志夜に誘惑されていると悩んでいたと聞き、いつみを殺した犯人は高岡 志夜ではないかと疑いの芽を向けている。
  • 小南 あかね・・・二年生。実家の料亭を継げず自分で洋食店を開くのを夢に見ている。実家の料亭が火事になり腕にすずらんの痕の火傷を負う。文学サロンにあるキッチンを心の拠り所にしている。いつみから、二谷美礼が無理やり家庭教師のアルバイトをしてきた、しかも彼女は私物を盗んでいくのだと相談を受けており、いつみを殺した犯人は二谷美礼であると疑っている。
  • 高岡 志夜・・・「君影草」小説デビューを果たした二年生。いつみがやたらと小説を英語に翻訳しようとしているのを本当は嫌がっていた。留学生であるディアナが実は吸血鬼だったのではないかと疑っている。いつみがディアナに「これからもディアナの村から留学生を取るわ」と言った言葉を裏切った事を知り、更に夜明け前の校舎でディアナが呪いの儀式を行っていたのを目撃。いつみはディアナに恨まれて殺されたのではないかと思っている。
  • ディアナ・デチェヴァ・・・ブルガリアからの留学生。いつみがブルガリアに留学した時に出会い、帰国後、彼女の村から一人留学生を呼ぶ。本来は双子の姉が留学生として日本へ行く予定だったが急な事故に遭い、代わりに日本へ来た。自分の国の花だとすずらんの花を花壇に植えていた。小南 あかねがお菓子の中に毒を盛り、少しずついつみを殺していったのだと疑っている。

この四人の朗読が示す犯人は全くのバラバラであって、内容もそれぞれ矛盾している。

どうどんでん返るのか?

四人の朗読が終わると、最後に文学サロンの長、澄川小百合の朗読が始まる。しかし読むのは彼女自身が書いた小説ではなく、なんと、死んだいつみの”真相を告白した”小説!

そこで明かされる真実というのは、メンバーそれぞれが罪を背負っていてそれをいつみに弱みとして握られていた・・・というもの。

二谷美礼はボランティアしていた高齢者施設で体を売りお金を儲けていたし、小南あかねは自分の家に放火してるし、高岡志夜が書いた小説は海外文学のコピーだったし、ディアナは自分が留学に行きたくて双子の姉を事故らせていた・・・

その全てをいつみは把握し、彼らを自分が主人公の物語の「引き立て役」として選びはべらせていた・・・・・・・。

しかしいつみはいつみで秘密を抱えていた。それは、顧問の北条先生と付き合っているという秘密。しかも彼の子どもを妊娠したいつみは徐々に体調を崩していく・・・(その過程がそれぞれの小説で”悩んでいた”とか”疲弊していった”とか”毒に侵されていた”、”呪いで弱っていった”と表現されている)

北条先生は父親に全てを話して許しを得るつもりだったが、いつみは堕胎できなくなるまで待って欲しいと言っていた。しかしある日、誰かがいつみの秘密を父親にバラしてしまう。留学中の密会の写真をそえて妊娠していることまでバラされてしまい、父親は北条先生を解雇し、町から追い出していつみの子どもを中絶させた。

脅していたメンバーが結託して裏切ったに違いない。そう考えたいつみが彼女らへの復讐として考えたのが「死の偽装」。全員に疑いがかかるような状況を作り出し、落ちて死んだことを偽装した。そして闇鍋会の闇鍋に、毒にもなるすずらんを混入させていた・・・。

阿鼻叫喚となるメンバーたち。

しかし本当のどんでん返しはここから。

いつみは死を偽装し、この計画の実行を親友である澄川小百合に頼んでいた。別の町へ出て北条先生と新しい人生を築こうとするいつみの姿を見て澄川小百合は思った。

「こんな平凡でつまらなくなってしまったいつみは主人公にふさわしくない」

いつみのカリスマ性が失われてしまったと嘆いた澄川小百合は思いつく。

「自分が物語の主役になろう」

そして彼女はすずらんをいつみの紅茶に入れて殺し、闇鍋に、彼女たちを今後も自分の引き立て役として縛り付けるための素材を混入させた・・・

 

これがこのお話のネタの部分ですねー。まぁ、何を混入させたかはなんとなくの流れで想像するといつみの・・・ということになるんだと思うんですが。

ミステリーとしてゆるゆる

まずメンバーの意見が矛盾している時点で、明らかにおかしいのはいつみの方ではないか。という予測が安易につけられてしまいますよね。

しかも、ちびぞうは最初の子の朗読中にあった”父親にめちゃ怒られて車に無理やり乗せられて泣いているいつみ”の姿を見て、

「こんなに父親が激怒するって何をやらかしたんだろうなー」と考えていました。

そして二人目の朗読者、小南あかねが顧問の北条先生に読書感想文を褒められる、というシーンでなんとなく

「この教師にいつみが恋してるとかそんなんでは??」

と疑い始め、そしていつみのブルガリアの留学に引率で北条先生がついていった、という台詞でピンときました。

「あーこいつらデキている」

そこからは、途中から体調がおかしくなったのは妊娠したからなんだろうし、おそらく父親にバレて堕胎させられたんだろう、と予想がついていきました。

ここらへんの予想が大体ついてくると、最後のどんでん返しもあんまり驚かなくなってしまう・・・。あそこまで全員ゲスだと、澄川小百合もピュアなわけないよねと思ってしまうしね。

もしかしていつみの秘密をバラしたのは澄川小百合かな?とも思ったんですが彼女は最後の最後までいつみ大好きだったはずなのであり得ないですよね。
だとするとブルガリアで一緒にいたディアナが写真撮ってたとしか考えられないんですけど、あの時点でディアナはただ単にいつみに好意を抱いていただけなので、密告用の写真を撮ってるというのは不自然なんですよね・・・。

そういうことを色々と突き詰めて考えていくと、ミステリーとしては少し緩い感じがしました。

ファンタジーとして見るべき?

まずこの女子校の舞台を含め、色々な部分でリアリティを感じられないんですよね・・・。非常に由緒正しい上流階級のお嬢様校だったらものすごく歴史が古くて、それこそ小学校から大学までのエスカレーターで・・・みたいな感じではないのかなぁ。

「生徒会長であり学校の経営者の娘」というのもなんか、そこまでこの学校の規模や歴史が大きくなさそうな気配を感じる。。

あらゆるお金持ち感がわざとらしすぎない???

ちびぞうも片田舎のカトリック系女子校にいましたが募金目的のバザーをやっていたりミサや聖書の時間があって交換留学していたりとか、そこらへんは「あーあるある」と思ってたんですけどこの映画に出てくる女生徒を見てると

「いやーこんな女子高生はいないなぁ」

と思ってしまう・・・。女子校ってもっとサバついてるんじゃないすかね、男子の目がないし。

それだけでなく、例えば作家デビューした高岡志夜の小説が海外文学の丸パクだったりとか、いくらなんでもそれは、日本の出版業界を舐めてるのでは・・・よく分からないけど、いつみが気付けるような物であれば他の誰かも気付いていてもおかしくないですよね・・・という。

いつみが「高校生」という限られた時間の持つ魅力を理解している・・・というのもなんだかなぁ。ちびぞうが個人的に思うのはあの時間はその魅力に気付けなくて駆け抜けてしまうからこそ大人から見て特別なものになるのではないか?ということ。

色んな点でリアリティがなくて、夢の中の出来事みたいでしたね・・・すべてが。

むしろ悪夢、という感じで観たらいいのかも。映画として面白いかはさておき。

まとめ

こういう世界観が好みの人にはハマるのかもしれないですね。

耽美でちょっと危険な香りもする、閉鎖的な空間でのお嬢様ミステリー。

澄川小百合役を演じた清水富美加さんの演技は本当にこの空気感に似合っていて、世界を作る一部になっていたといっても過言ではないです。

彼女の演技を見て雰囲気に浸るだけでも、いいかもしれません・・・!

 

 


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画像引用元:映画.com

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切ない恋に隠された秘密。映画『イニシエーション・ラブ』ネタバレ&感想

最後の5分、全てが覆る。あなたは必ず2回見る―――

画像引用元:映画.com

松田翔太×前田敦子のピュアラブ!!!!!!・・・なのか?!

実は私はこの作品を小説版の方でオススメされていて、買ってからずーーーーーっと積んでいる間に映画化(笑)
「映画化されたんなら早く読まないとなぁ」と思いながらもここまで引き延ばしてしまいました(笑)

先日ようやく原作を読了して、「これは映像化無理なんじゃ?」と思い映画の方も観てみることに!!!

東宝さんの情報ページはこちら

公式サイトはもうリンク切れになっていたんですが、サイトアドレスが i love takkun .com だったのに笑ってしまいました(笑)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】堤幸彦
【脚本】井上テテ
【原作】乾くるみ『イニシエーション・ラブ』
【ゼネラルプロデューサー】奥田誠治
【エグゼクティブプロデューサー】門屋大輔
【プロデューサー】飯沼伸之、畠山直人、小林美穂
【撮影】唐沢悟
【照明】木村匡博
【録音】鴇田満男
【美術】相馬直樹
【装飾】田中宏、山森悠子
【衣装デザイン】宮本まさ江
【ヘアメイクディレクション】池田真希
【編集】伊藤伸行
【音楽プロデューサー】茂木英興
【音楽】ガブリエル・ロベルト
【音響効果】大河原将
【VFXスーパーバイザー】定岡雅人
【助監督】白石達也
【記録】井手希美
【制作担当】篠宮隆浩
【出演([]内は役名)】

  • 松田翔太[鈴木]
  • 前田敦子[成岡繭子(マユ)]
  • 木村文乃[石丸美弥子]
  • 三浦貴大[海藤]
  • 前野朋哉[梵ちゃん]
  • 吉谷彩子[優子]
  • 松浦雅[ナツコ]
  • 八重樫琴美[和美]
  • 大西礼芳[ジュンコ]
  • 佐藤玲[まどか]
  • 山西惇[桑島課長]
  • 木梨憲武[静岡支店部長]
  • 手塚理美[石丸詩穂]
  • 片岡鶴太郎[石丸広輝]
  • 池上幸平[天童]
  • 森田甘路
  • 盛岡龍
  • 矢野聖人
  • 藤原季節

【公開日(日本)】2015年5月23日
【上映時間】110分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】7.1/10.0  (およそ600人の評価)

【あらすじ】

1980年代後半の静岡を舞台に、奥手で恋愛経験のない大学生・鈴木が、合コンで知り合った女性マユとの日々を通して変化していく姿を描く「Side-A」、就職先の会社で東京本社に転勤することになった鈴木がマユを置いて上京し、本社の同僚・美弥子との出会いで心が揺れる「Side-B」という2つの物語が並行しながら、原作とは異なるエンディングを迎える。【引用元:映画.com

【感想(結末のネタバレもしています!)】

☆3.2/5.0

げ、原作小説よりも面白い・・・!!(笑)

あまり邦画も観ない上に、原作小説と合わせて楽しむ作品が少ないんですが、基本的に「原作の方が面白いだろう」という先入観があるので、これには驚いた・・・。

以下・重大なネタバレをしています!(2度目の主張)

原作・映画どちらかを知ってる方のみ読み進めてください!


映像ならではの、トリックとして魅せる上手さ

今作の一番のキモは、前半パート(A)と後半パート(B)の”鈴木”が同一人物と見せかけて実は別人だったという部分。

更に、A→Bへと時間が流れているように見せかけて、実は前後している部分もある、ということ。

原作では細かな時系列の操作や、鈴木のプロフィールの些細な違いなど、しっかりと読み解けば分かるヒントはあるものの、同じ名字な上に、ヒロインのマユが二人を同じ「たっくん」というあだ名で呼ぶので、彼女が同時進行で二人の男性と交際しているという事実が巧みに隠されています。

と言ってもそれは”叙述トリック”という字の上での仕掛けならではのもの。

「(映画で)顔が出てしまえば別人だと分かるじゃん」と思ったからこそ、映像化は無理なのでは、と考えたんです。

しかし!!!

今作では、そんな心配も拭い去ってしまうような”映像ならではのトリック”にしっかりと切り替えられているんです!!!
パートAの鈴木(以下、鈴木A)は、原作とは違いおデブな設定。そして、マユがプレゼントしたナイキのスニーカーは、全く同じものをどちらの鈴木もプレゼントされている・・・。

「あの二人、全く似合ってなくない?」と周囲に小馬鹿にされたことをきっかけに、鈴木Aはマユに見合う男になろうとダイエットを決意!もらったスニーカーを履いて、ランニングを始める・・・!

この、鈴木Aが走るシーンに、同じ靴を履いた鈴木Bがランニングするシーンを繋げることで

~~か月後、たっくんはこんなにも痩せてイケメンになったのだった――

というナレーションがなくても、鑑賞者は勝手に

「あぁ、痩せたから松田翔太に役者が変わったのね」

と思い込む!!!!!
いやぁ、そんな方法が。と驚かされましたね。

しかも、しっっかりと観ていれば、マユの部屋に鈴木Aがプレゼントしたハードカバーの本を鈴木Bが見つけて「こんな高い本買ってんなよ!」とキレるシーンがあったり、マユが鈴木Aとのデートで着ていたワンピースを後々、鈴木Bとのデートで買ってもらう、というシーンがあったりして、伏線もバッチリ振り撒かれている!!

ネタばらしの分かりやすさ

映像化してもしっかりと騙されるように作られている上に、ラスト5分間でAパートとBパートを時系列順に並びかえてダイジェストで見せてくれるので「原作では少し弱いかな?」と感じたネタばらしの部分もすごく分かりやすくなっていました。

ダイジェストがないままだと、鈴木Bが誰も待っているわけもないホテルへ向かい、過去の自分達を走馬灯のように見ただけ・・・というシーンに思える人もいるかと思います。

しかし、ばっちりと二人を遭遇させ、その上でダイジェストを見せ、実は二人は別人でしたーーーーーー!と分かった上での

前田敦子の「・・・大丈夫ですか?あれ?たっくん?」という台詞!!!

彼女のあのキョトンとした顔!!!!!あの演技があって、原作よりはるかに「女は怖い」という部分を演出出来ていたのではないかな・・・と思うと、本当にお見事なラスト5分間でありました。
ネタを知っていてこれだけ楽しめるんだから、すごいよね。

前田のあっちゃんの演技について

『もらとりあむタマ子』で前田のあっちゃん出演作を初めて観て彼女の演技が大好きになっていたので、今回の若干あざとさ(笑)を感じるマユの演技も、ラスト5分で最高に恐ろしいものに昇華されていて、さすがだな、と思いました。

前田のあっちゃんの映画に失敗無し!(当社比)というかまだ二本しか観てないんですけども(笑)

ラストの改変部分について

原作と違うラスト。それは鈴木Bがマユに会いに行ってしまうという点。

これは映像トリックのネタばらしとして都合が良いから、わざわざ静岡までクリスマスに車を走らせたのであって、あくまで映画の都合ですよね。

この結果は物語としては、というか「イニシエーション・ラブ」というタイトルにもある通り鈴木Bにとってマユとの恋愛は”通過儀礼”でしかなかったんだと知る展開の深みがなくなってしまうので・・・微妙だった、かな、と。鈴木Bがマユのところに戻ってしまえば、どこにも「イニシエーション・ラブ」はなかった・・・って事になるし、一見微笑ましい鈴木Aとマユの恋愛も通過儀礼になってしまうのかな・・・というもの悲しさみたいなものが感じられなくなってしまいますもんね。

トリックやって驚かすのがメインな映画的には、大成功。だけど、物語的には少し微妙・・・そんな印象でした。

 

 


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もしもあの時。アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ネタバレ&感想

繰り返す、夏のある一日。花火が上がるとき、恋の奇跡が起きる――

TOHOさんの6本で1本無料があったのでね、気軽な気持ちで観に行ってみました!映画館へ!

原作は岩井俊二監督の同名作品。邦画もありますし、ドラマにもなっているようです。そして更にその原作となった小説もある!

私はどれも未見で、観てきました。

パンフはこんな感じ

何気に42Pもあって分厚いです。税抜き667円!安い!気合入ってる!