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生田斗真がトランスジェンダーに。映画『彼らが本気で編むときは、』ネタバレなし感想

「かわいくて、かわいくて、どうしよう」

画像引用元:IMDB

生田斗真がトランスジェンダーを演じる!?ですって・・・!?

これは観るしかない・・・っ!!

しかし劇場公開には間に合わず、DVDでの鑑賞となりました・・・。

公式サイトはこちら

もちろん原作は未読、特に事前情報などもなく観ました。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】荻上直子
【企画/プロデュース】木幡久美、天野真弓
【プロデューサー】高木徳昭、五十嵐真志、石黒研三
【撮影】柴崎幸三
【照明】上田なりゆき
【美術】富田麻由美
【録音】瀬川徹夫
【編集】普嶋信一
【音楽】江藤直子
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[リンコ]
  • 桐谷健太[マキオ]
  • 柿原りんか[トモ]
  • ミムラ[ヒロミ]
  • 小池栄子[ナオミ]
  • 門脇麦[佑香]
  • りりィ[サユリ]
  • 田中美佐子[フミコ]
  • 柏原収史[ヨシオ]
  • 高橋楓翔[リンコ]
  • 品川徹[斉藤]
  • 江口のりこ[金井]
  • 込江海翔[カイ]

【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】127分
【映倫区分】G
【配給】スールキートス
【IMDB】6.2/10.0  (およそ410人の評価)

【あらすじ】

11歳の女の子トモは、母親のヒロミと2人暮らし。ところがある日、ヒロミが育児放棄して家を出てしまう。ひとりぼっちになったトモが叔父マキオの家を訪ねると、マキオは美しい恋人リンコと暮らしていた。元男性であるリンコは、老人ホームで介護士として働いている。母親よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いを隠しきれないトモだったが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.4/5.0

うーん。やっぱり思うのは

「ただし美形に限る」感。

リンコさんという可愛らしい人のキャラクターを生田斗真というガチの美形が演じてしまうと、「そりゃ美人だもんなぁ」という気持ちになってしまって集中できない。

その人の内面の美しさとかの描写を役者の造形に頼るのではなく、俳優さんの仕草や脚本で魅せて欲しかったなぁ、というのが一番惜しかった部分。

じゃないと、「気持ち悪い」と思う小池栄子視点に共感する人だって必ずしもいるだろうに、そこに説得力(リアリティ)があんまりなくなってしまうというか。

トランスジェンダーの方々の存在があまり世の中に浸透していないからこそ、そういう人たちを「気味悪がる」という視点は「彼らの表面的なところしか見ていない」という、実は非常に重要なファクターだと思うんですよね。でもその表面上を”おキレイ”に小綺麗に飾ってしまうと、、、嘘くさくなってしまう気がする。

もし、リンコさんがもっと醜男だったら。あんなに早く、姪っ子は懐いただろうか、とか。すごく余計なんですけど、物語に集中出来なかったなぁ。

リンコのトモへの想い

ここも、残念なところ。

預かってすぐにトモを可愛がるリンコさんは、彼女が「子どもである」という1点しか見ていないのではないか?と思えてしまった。

つまりは、トモを一人の人間として気に入るというシーンが少なすぎて「子どもであれば誰でもよいのでは」と思ってしまうんですよね。マキオの子どもを産むことは出来ない。だからマキオの血縁であり、子どもであり、しかもネグレクトされている「可哀そうな子ども」である「トモ」の価値は、それだけに過ぎなかったのでは。と。

そう思ってしまうと、この物語のキモである、血縁ではない人と紡ぐ家族愛だとか、トランスジェンダーという特殊な境遇にいる人が「普通の人となんら変わらない」と交流していく部分が全く映えてこないんですよね。

ミスキャストもあるし、脚本も少し弱かったのかなぁ。

母子の問題、性同一性障害に悩んでいるであろう同級生との絡みなど、もっと深掘りして欲しいポイントも、さらっと見せただけでしたねー・・・。

まとめ

唯一気に入ったのは、性転換した体を供養しようと編み物をするシーン。

 

静かで、優しい良い映画だとは思うんですが、いかんせんメッセージ性が薄く、言いたいことの半分も伝わってこない・・・そんな印象を受ける映画でした。

題材は良いのに惜しいなぁ。

もしかしたら、この作品も原作は素晴らしいのかもしれませんね。

この映画をきっかけにして、原作を読んでみよう、と思える人が少しでもいるのなら、それは良いことだと思います。

 


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日本のアニメ―ション技法を満喫しよう!ジブリ映画『かぐや姫の物語』ネタバレ&感想

姫の犯した罪と罰

画像引用元:映画.com

当時、御門のアゴ祭りがネット上で開催されていたり、非常に盛り上がっていましたよね(笑)

肝心の映画としての評判はどうかと言うと、私の周りや目につくところではとにかく批判しか聞かなかったのである程度覚悟を持って観ました(それでもDVDですが)。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/原案】高畑勲
【原作】竹取物語
【脚本】高畑勲、坂口理子
【製作】氏家齊一郎
【製作名代】大久保好男
【企画】鈴木敏夫
【プロデューサー】西村義明
【人形造形・作画設計】田辺修
【美術】男鹿和雄
【作画監督】小西賢一
【音楽】久石譲
【主題歌】二階堂和美「いのちの記憶」
【声の出演([]内は役名)】

  • 朝倉あき[かぐや姫]
  • 高良健吾[捨丸]
  • 地井武男・三宅裕司(特別出演)[翁]
  • 宮本信子[媼]
  • 高畑淳子[相模]
  • 田畑知子[女童]
  • 立川志の輔[斎部秋田]
  • 上川隆也[石作皇子]
  • 伊集院光[阿部右大臣]
  • 宇崎竜童[大伴大納言]
  • 古城環[石上中納言]
  • 中村七之助[御門]
  • 橋爪功[車持皇子]
  • 朝丘雪路[北の方]
  • 仲代達矢[炭焼きの老人]

【公開日(日本)】2013年11月23日
【上映時間】137分
【映倫区分】G
【配給】東宝
【IMDB】8.1/10.0  (およそ24,000人の評価)

【あらすじ】

今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.7/5.0

これがまぁ予想に反して面白かった!
3、4回は泣いてしまいました!

内容がまんま竹取物語。この話を知ってる人からしたら新しい要素はあまりないし退屈に思うのも理解出来るんだけど自分はそんなに問題なかった!(キャラメイクもなかなか面白い)

むしろ原作の、うろ覚えの所や謎に思ってたところを上手く補完してくれてると思います。

泣いたシーンまとめ

まず最初の泣いたシーン。

かぐや姫が宴の夜、家を飛び出し山へ向かって爆走する!!(CMでもやってたシーン)
正直、あの水彩画風の技術が評価が高いと聞いて「ぇぇ?うそやん」と舐めてかかっていた私はこのシーンで反省しキリリッと正座した!疾走感、色合い、雑さが味になる筆使いに感動と鳥肌で涙が止まらなかった。

そして次に泣いたシーン。

捨丸との再会(街中)。声をかけたくてももうかけられない。見つめ合った数秒間で色々な想いが溢れたと思うんですよ!見てて辛くなるシーンでしたね~。

最後は大っ好きなラストシーン!

切ない場面に不釣り合いな、とっても平和で明るい音楽が天人たちの非情さ(本人たちにとっては当然のことで、酷いことをしている自覚などはない感じ)が引き立ちます。あのシーンが素敵すぎて観終わったあとラストだけを2時間ループさせました笑。サントラ欲しい!

音楽を貼っておきます。

(夢オチに見せかけて一度死んだであろうかぐやを生き返らせたりしてるし)物語を裏で操るような天人たちをひどい!怖い!という見方も出来るんだけど、それはあくまで地球人の感覚なんでしょうね。ネットで「天人たちは魔法少女まどかマギカで言うところのキュウベェだ」って意見を見てすごく納得しました。(わからない方すみません汗)
逆にその怖いって感覚があれば立派に地球で生きてる証拠だな、と思ったり。思いながら泣いたり。

それからあのラストには、今まで何があっても穏やかだったお婆さんが初めて声を荒げる(叫ぶ)シーンがあって、そこも泣けるポイントです。

今までおじいさんの一歩後ろで夫を立てていたから本当にかぐや姫のしたい生き方をさせられなかったことは自覚してたでしょうね。かぐや姫の幸せを願いつつも苦しめてしまったことはある意味で自業自得のように両親の身に返ってきたわけだけども…それでも愛している!という気持ちだけが伝わってきて切なすぎました。
もっと早くから夫婦で向き合えたらあんな結果にならなかっただろうし、防げたと思うんです。

これって現実の子育ても同じでしょうかね。理想を追いすぎて子供を見失うってところが。だから罪と罰というのはかぐや姫に対してでもあり、おじいさんお婆さんに対してでもあったワケで…必然的なラストなのだと思います。
そして決して悲しいだけじゃない。かぐやが地球を愛した気持ちが最後の最後に表現されてるし、あれはあれでハッピーエンドとも取れる(気がする)んです。

まとめ

総合的に見るとエンターテイメントとして観る作品ではないけども、人によっては相当好きになれる良作だと思います。

ただ、最後の最後まで捨丸に期待していた私は相当ハリウッドに毒されてる感はありました。(笑)
反省。

それから、問題の顎については散々ネットで触れられている(いじられている)のであえて割愛していますが、ちょっとアレは悪意あるというかなんというか(笑)

やりすぎですよね!

 

 


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超平和バスターズのアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』第二弾!感想&ネタバレ

君のおしゃべりがとまるように

口にチャックをつけてあげよう

あの花(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)”ファンの皆さん待望の、次作に等しい作品が来ました!!(内容はリンクしていません)

この作品は映画館に観に行ったんですが、観終わった後とあるキャラクターへの憤りが凄くてですね・・・(笑)

もちろんラストは号泣していたんですけども、どうしても納得出来ずに映画仲間とそのとあるキャラクターへの憤りをぶつけあったりしていました(笑)

この2017年夏に”ここさけ”がまさかの実写映画化ということで、テレビで放映されていたものを観返してみましたー。

ちなみに映画館のパンフはこんな感じです!

50Pという背表紙のある大作パンフ!しかし900円!やはりコストが・・・。

ちなみに劇場公開の時に入場口で劇中ミュージカルのパンフレットも一緒に配られていました。

田舎町の高校が行う地域ふれあい交流会のパンフにしてはハイクオリティ!すごくセンスを感じますね!ちなみに裏側

しっかりとミュージカルのキャストも書かれていて、中は全8章に分かれた劇のあらすじと、そこに使われている劇中曲が載っていましたー。

【映画情報】

【副題】Beautiful Word Beautiful World
【制作国】日本
【監督】長井龍雪
【脚本】岡田麿里
【キャラクターデザイン・総作画監督】田中将賀
【原作】超平和バスターズ
【音楽】ミト(クラムボン)、横山克
【主題歌】乃木坂46 – ”今、話したい誰かがいる”
【声の出演([]内は役名)】

  • 水瀬いのり[成瀬順]

  • 内山昴輝[坂上拓実]

  • 雨宮天[仁藤菜月]

  • 細谷佳正[田崎大樹]

  • 村田太志[三嶋樹]
  • 高橋李依[宇野陽子]
  • 石上静香[江田明日香]

  • 大山鎬則[相沢基紀]
  • 古川慎[岩木寿則]

  • 藤原啓治[城嶋一基]

  • 吉田洋[成瀬泉]

【公開日(日本)】2015年9月19日
【上映時間】119分
【配給】アニプレックス
【前作】あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
【IMDB】7.4/10.0  (およそ1,600人の評価)

【あらすじ】

あることをうっかり話してしまったため家族がバラバラになり、突然現れた玉子の妖精に「二度と人を傷つけないように」とおしゃべりを封印されてしまった少女・成瀬順。もともとは元気な女の子だったが、その事件がトラウマとなり、ずっと目立たないように静かに生きてきた。そんな順が「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命され、ミュージカルの主役にも選ばれてしまい……。【引用元:映画.com】

【感想】

☆3.6/5.0

結論から先に言えば、やっぱり面白かった!!です!

序盤の設定に少しツッコミを入れたくなる気持ちはあるし、両親はあまりにも自己中だし、坂上くんにはどうしても憤りたくなってしまうんですが、”普通の恋愛映画・青春映画ならこうなるだろう”というお約束を裏切っていく脚本はやっぱり上手く出来ているし、(観客を裏切ろうという敢えての)勇気があるし、斬新で面白いのかな・・・と。

青春×群像劇 というセットに弱いので、個人的に評価が上がっている可能性はありますが。

劇中で使われるオーバーザレインボウという曲

オズの魔法使いというミュージカル作品から抜粋した楽曲ですが、ここからこの映画のメインの四人

  • 喋れない内気な女の子・・・成瀬
    • 腕を壊した野球部の元エース・・・大ちゃん
    • しっかり者のチア部の部長・・・仁藤
    • 音楽好きな草食系男子・・・坂上くん

彼らが、オズの魔法使いに登場する

  • 不思議の国に迷い込んだ主人公、ドロシー
    • 脳が欲しいカカシ
    • 心が欲しいブリキの木こり
    • 勇気を手に入れたいライオン

になぞらえられているのかな?と想像できますよね!突然玉子の妖精が出てくるお伽話のような世界観も、オズに迷い込んだドロシーの世界観と一致します。

おそらく主人公の成瀬がドロシー。そして道中出会う三人をドロシーは最終的に救う流れになる。カカシとブリキの木こりとライオンがそれぞれ誰にあてはまるのかは個々でまた色々考えられるとは思いますが、

  • まっすぐ野球に向き合おうとした大ちゃん
  • 想いを口に出せるようになった坂上くん
  • 見て見ぬふりをしていた気持ちに向き合おうと決めた仁藤

ドロシーがオズで三人を救ったように、成瀬との交流を通して三人が成長・変化していくところもリンクしているなと思いました。突拍子もない設定だったり、最後のどんでん返しだったりと斬新ではあるんですが、それでもお話の定石はしっかり守っている・・・よく出来た脚本だなと思いました。

成瀬の紡ぐ物語のラストの変化

二度目の鑑賞ですしせっかくなので、今回は成瀬は、どこで坂上君に恋をしたのか。

という事に注視しながら見ていました。

一番最初に恋に落ちたように見える演出がされているのは、坂上くんがアコーディオンを弾き語りながら玉子の歌を歌っているのを成瀬が目撃するシーン。しかし実はここは成瀬は恋に落ちてないかもしれない、と思えてきました。

ただ単に、自分の状況とリンクする歌を歌っていた坂上君に「あの人は私の心の中を見ている!?」という混乱に近いファンタジーな驚きを持つんですよね。

その後も、頭の中を覗き込まれているように感じてパニックになったりする場面がありますが、きっとあの頃はまだ恋に落ちていないはず・・・。

ちなみに、坂上くんがまるで成瀬の心の中を覗き込んでいるかのような発言ができたのは、二人が似た者同士だったから(家庭環境や想いを口にできなくなった現状がリンク)というだけなんですが、それが成瀬にとっては何でも自分の事を分かってくれる、助けてくれる王子様のように感じていったのかもしれないですね。そこが大きなミスリード(観客にとっても成瀬にとっても)になっているのが憎い演出です・・・。

二度目の鑑賞で気付いたのは、成瀬が考えた脚本のラストが最初はハッピーエンドではなかった、という部分。

お城の舞踏会に憧れた女の子は沢山の言葉で人々を傷付け、最後には断頭台で首を切られてしんでしまう。その首から、少女の本当の気持ち(王子への愛とか)が溢れ出し、人々は少女の本質を知る・・・。

というラストなんですよね。もしかしたら成瀬はまだこの時点でも、自分という存在にハッピーエンドは来ないと認識していたのかも。そう考えて見ていると、成瀬が「ラストを変えたい」と言い出したところでピンと来ますね!!

きっともうこの頃には成瀬は坂上君には恋をしていたし、「自分にも幸せなラストがあるかも」と夢を見る気持ちが動き出していたはず!!そう思うと本当に切ないです。おそらく、ハッキリどこで恋に落ちたかは言えませんが、このラストを変えたいと言い出す成瀬と、彼女の心境は重ねられていたのかな、と。

結局ラストは、坂上君の意見により成瀬の言っていたものとは変化し【ハッピーエンドとバッドエンドを同時に行う】というものに変わりました。これも成瀬の行く末を暗示するようなラストですよね。ううーん上手です!!

もう少し欲を言うなら

最後、ミュージカルから逃げ出した成瀬を坂上君が発見、言いたいことを全て受け止めると言う坂上君に想いをぶつける成瀬。

多分ここで観客のフラストレーションを発散できる仕組みにしたかったんだと思います・・・。

本来なら、観客の言いたいことを成瀬が代弁して発散し、改めて告白→しっかりと断られることで腹をくくるというか、悲しいし悔しいけれど彼女的にはスッキリとけじめがつけられた場面だと思うので、それに比例して観客もスッキリしたいところなんですが。。個人的にはまだ足りなかったな・・・。KY優男の坂上くんの罪はそれほど重いと感じました(笑)

どうでもいい話にそれますが、序盤で話に上がった仁藤が”付き合っているが名前を言えない相手”というのは同じクラスで同じくチア部の女の子(短髪で仁藤と仲良し)なのではないか?仁藤は決して人には気軽に言えない恋をしている!と、無駄な予測を立てて観てしまっていた(笑)ので、正直、仁藤は高校から同性愛に悩む女子に変化し、坂上君も失恋する

くらいのオチをつけてくれても良かったんですよ!(笑)成瀬と一緒に失恋して然るべき!それならまだ納得いったかな!!(笑)

泣けたポイント

実は裏の王子である大ちゃんの野球部のサイドストーリーもすごく面白いです。

(ミュージカルで玉子を演じた大ちゃんが最後は王子に切り替わるという演出も面白くて好きです。彼女の中の玉子問題が本当に解決に向かっていく(玉子の王子化)という明るい未来が予測できますね^^)

①ファミレスで自分の悪口を言っている野球部員と鉢合わせしてしまう大ちゃん。勿論キレに行く大ちゃん(笑)そうすると逆に、大ちゃんが腕を壊したことでエースに格上げされた山路くんにキレられてしまう大ちゃん。そこで大ちゃんをかばって

「言葉は傷つけるんだから。絶対に取り戻せないんだから」

と言う成瀬のシーン。ここが泣けます。言いたくないのに言ってしまった言葉とか、二度と取り戻せないよなぁ・・・と思うと切なくて。きっと誰しも経験がありそうな部分だからこそ響くんでしょうね。

その後、山路とキャプテンである三嶋に頭を下げに行く大ちゃんのシーンも凄く良いですし、成瀬達に頭を下げて自分も仲間に入れてくれ。と頼む大ちゃんも素敵。それを満足そうに眺める三嶋の表情からも「こいつ良いヤツ!」と伝わってきます。

何気に野球部のキャプテンの三嶋くんは、元エースと現エースの間に入ったり、野球部員と大ちゃんの摩擦をなんとかしてやろうと悩んだり、クラスでミュージカルどうする?という話題の時に「それぞれやれる範囲で手伝えば」と後押ししてくれる素敵キャラなので!そこもよーーーく見てもらいたいですね!(笑)

②成瀬がいなくなってパニックの教室。何があったか聞くと会話を聞かれていたのかもと焦る坂上君。「でも、それが原因かなんて・・・」と言う坂上君に対して「お前がそれを・・・っ!!(言うのかよと言いたいんでしょう)」と物凄くキレ気味の大ちゃん。

気持ち物凄くわかるよ大ちゃん!!と泣けてきます!!!(笑)

③ラストのミュージカルシーン、初見ほどではないですが泣けました。最後せっかく二つの楽曲を同時に演奏、歌唱ということなのでどちらもきちんと伝わるように字幕表示があったら良かったなぁ、と思いました。

小ネタ

原作を担当している「超平和バスターズ」の皆さんの前作である『あの花』と、舞台は同じく埼玉県の秩父。直接的なストーリーの繋がりはありませんが、ファーストフード店にいる大ちゃんと外にいる女子高生たちが視線を交わすシーンがあります。

この女子高生たちは、あの花に登場する”あなる”(下ネタではなく子供が付けたあだ名ですよ!!(笑))の友達。つまり同じ世界の中で起きた別の高校生の物語。という設定なんですね。素敵です。

それから、DTM研究会という今どきの会も時代に乗ってて良いな。と。成瀬の声をボーカロイド化しちゃう部員がいたり。ものすごく今どきっぽいです。

まとめ

何度観ても坂上君は罪深くて憎たらしいし、大ちゃんは素敵だし、いろんな人の想いが交錯する青春群青劇としてとても面白い作品でした!!

そういえば、実写版の予告かなにかを見たんですけアオリ文が「最高の、失恋」とかってなってたんですよね。正直、成瀬が失恋するかどうかはラストのどんでん返し的な要素であって、それを宣伝文句にしてしまうとこの作品の醍醐味が味わえなくなってしまう・・・というか単純にネタバレだと思うんですがどうなんでしょう・・・。

某有名なサイコサスペンス映画で「犯人は真ん中」って書くようなもんじゃないですか!!(笑)

実写版の方は、原作が少しファンタジーっぽさを含んでいるので多分そこをうまいことリアルに押し込めないと違和感がすごい作品になってしまうんじゃないかと心配なんですが。とりあえずDVDが出たら観てみて、また感想を書きたいと思います。

以上、長々と読んで頂きありがとうございました!

 

 


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映画『クレヨンしんちゃん ‐ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん‐』ネタバレと感想

「「俺が、家族を守る!!」」

クレヨンしんちゃんの映画を観るのなんて何年ぶりだろう・・・!!昔観たしんちゃんの映画だと『ヘンダーランドの大冒険』を観たのがすごく強く残ってますね。あの雰囲気好きだったな~。

声優の遊佐浩二さんが出演してらっしゃるという前情報+映画好き仲間たちに「ロボとーちゃんは良いよ!!」と後押しされるかたちで観賞しました(´ω`)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】高橋渉
【脚本】中島かずき
【原作】臼井儀人
【作画/絵コンテ】池端たかし、高橋渉、湯浅政明、猫賀大介
【音楽】荒川敏行、宮崎慎二
【主題歌】きゃりーぱみゅぱみゅ -  ファミリーパーティー
【声の出演([]内は役名)】

  • 矢島晶子[しんのすけ]
  • ならはしみき[みさえ]
  • 藤原啓治[ひろし]
  • こおろぎさとみ[ひまわり]
  • 武井咲[段々原照代]
  • コロッケ[頑馬博士 / ”契り”歌唱時の黒岩]
  • 遊佐浩二[黒岩仁太郎]
  • 一木美名子[小女鹿蘭々]
  • 真柴摩利[シロ / 風間くん]
  • 林玉緒[ネネちゃん]
  • 一龍斎貞友[マサオくん]
  • 佐藤智恵[ボーちゃん]

【公開日(日本)】2014年4月19日
【上映時間】97分
【配給】東宝
【映倫区分】G

【あらすじ】

ある日、ぎっくり腰を治しにマッサージに出かけたひろしが、突然ロボットになって帰ってくる。妻のみさえは驚き戸惑うが、ロボットになったひろしは料理も家事もでき、リモコン操作も可能で便利だった。しかし、それらはすべて、家庭での立場が弱くなってしまった日本の父親たちの復権を目論む謎の組織「父ゆれ同盟(父よ、勇気で立ち上がれ同盟)」の陰謀によるもので、やがて正気を失った父親たちによる「父親革命」が勃発。野原家や春日部市は崩壊寸前の危機に陥るが、ロボットのひろしが息子しんのすけとともに立ちあがる。【引用元:映画.com】

【感想&ネタバレ】

☆2.9/5.0

思った以上に楽しめました!そして泣けました!ロボとーちゃんがズルいですね~ほんとに(笑)

ちょうどイイ怖さと笑い!

ひろしがロボになった直後、画面がひろし視点になる演出がすごく良いです。周りの人の「ひぇっ」という反応を見て、どんな風になっているんだろう??と怖くもあり、ワクワクもある!

そして家に帰って驚愕するみさえ↓

と会って初めてロボとーちゃん登場!!

その見た目が結構エグい!!

ドラえもんとかもそうですけど、クレヨンしんちゃんも映画版になると不思議な怖さを醸し出してませんか?

唯一覚えているヘンダーランドも、結構子どもながらに怖かった記憶があるんですよね・・・。

絵コンテを担当された方の一人、(今、『夜は短し歩けよ乙女』や『夜明け待つルーのうた』で話題の)湯浅政明さんが今作とヘンダーランドに参加されているという共通点を発見したので、同じ雰囲気の怖さがあったのかも!こればっかりは他の映画も観てみないと分からないですが!

そんなさりげない怖さの中にちりばめられたしょーもない笑い(笑)

ロボットになったひろしの乳首っぽいボタンを押すとロケットパンチが発射されたり、燃料になる灯油を尻の給油口から入れるとかいうほんとくだらない下ネタ(笑)

家に来た婦人警官に給油するシーンを見られ

「野原さん、ギリギリですよ」

とツッコミ入れられるシーンとか爆笑でした(笑)

この不気味さとシュールさと笑いのバランスが凄く楽しいですね!

しかも!

中盤から切なさが増していく!

実はロボとーちゃんは改造されたひろしではなく、生身のひろしの記憶を埋め込まれただけのロボットだったという事が途中で発覚します。

本物のひろしが戻って来ると、その驚愕の真実にアイデンティティが崩れていくロボとーちゃん。

家に帰った後でも「自分の方が本物だ」とひろしと張り合ったり、「自分の方が上手い料理も作れるし便利だぞ」とアピールしてみたり、腕相撲でひろしに勝ってみたり、

コミカルなシーンではあるものの切ない。(ひろしの顔(笑))

そしてそして、敵からしんのすけとみさえの命を守ったのにみさえはロボとーちゃんを素通りして本物のひろしに抱きつく!あのシーンは本当にロボとーちゃんが可哀そうで、切なくて泣きそうになりましたね・・・!!

ラストはターミ○ーターばりのかっこよさ!

ロボとーちゃんが自分は本物のひろしではないと認めるか、認めないか、そこは分かりませんがみさえとしんのすけを守って死ぬ感じの終わりかなーと予想していました・・・しかし!

最後にぼろぼろになりつつ、ひろしと腕相撲で再び勝負。この展開は予測してなかった。

二度目の勝負の時はロボとーちゃんの方がボロボロだったなので良い勝負になりつつも、最後はひろしが勝てる流れだった。だけど最後にロボとーちゃんに負けを認めさせたのは、みさえの

「あなた、頑張って!」

という声援。しんのすけはロボとーちゃんの事もひろしとして扱っていましたが、みさえは最後までロボとーちゃんをひろしと認めなかった。

”父でありながら夫である”という、その両方を成り立たせられない自分は偽物だ・・・と悟ったんでしょうかね。ひろしに勝ちを譲った感じに見えました。切ないですね。

ロボとーちゃんとしんのすけの絆がもうター○ネーターのそれですよね・・・!まさかこんな、ロボットのアイデンティティを問う、地味に深くて切ない映画だったとは。

ラストの戦いがもうめちゃめちゃ(笑)

序盤のロボットアニメ(カンタムロボ)の戦いを伏線に、ラストで巨大ロボで戦う流れはまぁ分からんでもないんですけども

なんで五木ひろし?(笑)

50周年を祝いたいのは分かったから!五木ひろしのモノマネをしたコロッケさんにしか見えない巨大ロボがラスボスで、「こぶしウェーブ」とかいうこぶしを利かせた歌声で攻撃するという技がほんとに面白かったんですけども(笑)

しかもえげつないほど強い(笑)しかし

全く意味が分かりません!!!

 

・・・?え?もしかして、ひろしとひろしを掛けて、五木ひろし?(笑)え、ひろしVSひろし?今それに気付きつつあるんですけど・・・まさかのダジャレですか?(笑)

まとめ

思った以上に切なく、思った以上に笑えて、大人も子どもも楽しめるっていうのは確かだなぁと思いました。

目当てだった遊佐浩二さんはかなり重要な役柄だったにも関わらず中盤ほとんど出て来なかったので思った以上に遊佐さんの声が聞けなくて残念でした!!(笑)

この人。鏡大好きなナルシスト警官。しかし、彼も切ないキャラだったな・・・。

 

ロボットが自我を持つSF系の作品が好きな方にはオススメです、ロボット系映画のオマージュも沢山あるようなので(私は全くわかりませんが)ロボット映画好きの方にもオススメです!

子どもと観るのも良いですが、良い大人になってから友達同士でツッコミ入れながら観るのも楽しいですよ!!(笑)

 

 


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少年犯罪と命の”重さ”。映画『告白』ネタバレ&感想

これが私の復讐です――

松たか子主演の中島哲也監督作品、私が中島監督の作品の中で2番目に好きな映画です。

ちなみに湊かなえさんの原作は未読。劇場で一度観たものの、BSで放送していたので観賞しました。

生徒たちが牛乳を飲むシーンからの、松たか子の「告白」へと繋がっていく。非常に印象的なプロローグですよね。

パンフはこんな感じ!シンプルでおっしゃれぇええ

31Pで税込み600円!安い!!中もシンプルなのにスタイリッシュで、原作の文章を引用しながら、まるでちょっとした小説本のよう。素敵です。

ちなみにクラス全員のアルバム的なページもあって、なんとなく『バトルロワイヤル』を思い出しました(笑)

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実写化したよ!1995年版アニメ映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』ネタバレ&感想

そう囁くのよ・・・私のゴーストが

 

【画像引用元:映画.com】

 

1995年に公開された押井守監督の攻殻機動隊。世界でもファンが多く、映画『マトリックス』へも影響を与えたというすんごい作品です。

 

原作の漫画は未読でございます。その上、私はテレビアニメシリーズのSTAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)と、S.A.C. 2nd GIG(しかも途中まで)しか観ていません!!!

今回、ハリウッド実写版が公開されるという事で実写化を観たあとにこちらをDVDにて鑑賞いたしました。

だって再現度が気になったから・・・!

感想の最後に観るべき順番を書いておきます。

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『君の名は。』感想/新海誠監督のアニメ映画

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く」

 

『千と千尋の神隠し』を抜き、日本アニメ史上最高の興行収入を叩きだしたという・・・『秒速5センチメートル』等で有名な新海誠監督の爆ヒット作

私も去年劇場で観て来ました!話題性に惹かれたのもありましたが、私の地元である岐阜が舞台になっていると聞いて・・・それだけでも飛びついてしまいますね(笑)

◆前提として―――

私は新海監督の『秒速5センチメートル』と『言の葉の庭』の二作しか観た事がなく・・・そしてどちらもあまり好きではなかったです。

あまりにも繊細で、美しく、詩的。そしてどちらも輝くリア充の切ない恋物語…(笑)私のような大ざっぱで影キャだった者には感情移入が難しかったのかもしれませんね!ただ場面場面での情景の美しさやストーリーに切なくなるところはありました。

さて、そんな私が今回、新海さんの『君の名は。』を観てどうだったのか、ポイントは監督自身が語られているように「エンターテイメント性の強い作品」であるということです!

パンフはこんな感じ~

こちら、税抜き667円という非常にスタンダードな値段でありながらなんと!40ページもあります!(笑)こーれはお得ですね・・・

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これこそ青春!映画『桐島、部活やめるってよ』感想

「この世界で戦っていかなければいけない」

 

(C)2012「桐島」映画部 (C)朝井リョウ/集英社【画像元:映画.com】

第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀編集賞の3部門を受賞!!

第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説の映画化作品です!!

私のオールタイムベストムービーのかなり上位に入り込み、劇場で観れなかった事を悔やんでいる作品ベスト10にも入っている作品。…どうでも良いですが、朝井リョウさんとは同郷なので勝手に親近感を感じています(笑)