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宇宙人から夫を守れ!映画『予兆 散歩する侵略者』ネタバレ&感想

「もうすぐ世界が終わるとしたらどうする?」

前回の記事に引き続き、散歩する侵略者の感想を書いていきたいと思います!

夫がある日、宇宙人に変わっていたら。映画『散歩する侵略者』ネタバレ&感想

しつこく、ぎふアジア映画祭のリンクも貼っておきます(笑)

『第40回/ぎふアジア映画祭』行って来たよレポ!

今作は映画『散歩する侵略者』のアナザーストーリーとしてWOWOWで公開された全5話のドラマを劇場版として140分にして公開されたものになります。なので、続編というわけではなく、スピンオフといった感じ。

ちなみに散歩する侵略者の方で神父役として登場している東出さんは、今作で侵略者役をしています。同じ役者が別の役として出てくることを考えると、同じ設定、同じ舞台の全く別の作品として考える方がよさそうですねー。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】黒沢清
【脚本】高橋洋、黒沢清
【原作】前川知大(劇団イキウメ)
【製作】大村英治、三宅容介
【企画/プロデュース】青木竹彦
【撮影】芦澤明子
【美術】安宅紀史
【編集】高橋幸一
【音楽】林祐介
【助監督】西山太郎
【出演([]内は役名)】

  • 夏帆[山際悦子]
  • 染谷将太[山際辰雄]
  • 東出昌大[真壁司郎]
  • 中村映里子[斉木葉子]
  • 岸井ゆきの[浅川みゆき]
  • 安井順平[小森医師]
  • 石橋けい[川内和代]
  • 吉岡睦雄[野上]
  • 大塚[ヒロタ警官]
  • 千葉哲也[浅川保]
  • 諏訪太朗[田岡]
  • 渡辺真起子[粕谷の妻]
  • 中村まこと[粕谷]
  • 大杉漣[西崎]

【公開日(日本)】2017年11月11日
【上映時間】140分
【配給】 ポニーキャニオン
【映倫区分】G
【前作というかアナザーストーリー】夫がある日、宇宙人に変わっていたら。映画『散歩する侵略者』ネタバレ&感想
【IMDB】5.8/10.0  (およそ200人の評価)

【あらすじ】

「家に幽霊がいる」という同僚・浅川みゆきの精神状態を心配した山際悦子は、夫の辰雄が勤める病院の心療内科へみゆきを連れていく。診察の結果、みゆきには「家族」という概念が欠落していることがわかり……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよーー)】

☆2.4/5.0

本家の方と比べると、こっちの方がSF感あったかもしれません!!

散歩する侵略者は夫婦の愛がテーマになっていて、夫に乗り移った侵略者が愛を学んでいくというのがおおまかな流れでした。しかし今回は「夫が侵略者のナビゲーターに選ばれてしまう。夫を侵略者から守らねば!」という展開になっていくので、より侵略者が侵略者っぽくなってホラーっぽさが増しています!

今作でラスボス的な侵略者を演じるのが東出昌大さん。背が大きくて圧迫感?威圧感か。もありますし、その棒読み的な演技が人外っぽさを演出しておりイイ感じです。

黒沢監督と脚本高橋さんのトークイベント

今回、ぎふアジア映画祭で黒沢清監督と共同で脚本を担当された高橋洋さんのトークイベントも行われていましたので、そこで聞いたお話をいくつか紹介していきたいと思います。

  • 低予算で頑張った!
    まずはこれ。かなり低予算だったということを何度かおっしゃられていましたね。なので出来るだけお金をかけずに演出したというポイントを観て欲しいそうで(笑)、東出さんが病院で登場するシーンでは何秒か先に自動ドアが勝手に開く・・・という演出や、夏帆さんが何か得体のしれないものを察知するシーンで揺れていた鏡は実際にはそこにはなく、演出で造られたものであり、後ろに人がいて揺らしていた・・・という演出、それから病院内を歩く東出さんの周りの人間がバタバタ倒れていく・・・という場面もいかに予算をかけずに侵略者の能力を表現するか、という苦心の策だったという数々のお話が聞けました。

  • SFだし細かいことを気にしてはいけない
    色々と突き詰めて考えて行けば矛盾点や疑問が浮かぶ場面もちょくちょくあるのですが、お二人に言わせてみれば「地球外の人達の価値観で行っていることや、宇宙での理屈に人間の理解が及ぶわけがない」とのことで深く考えてはいけないと。まぁおっしゃる通りですけどね!!
  • 銃にこだわりが
    こちら、質問者さんからの「銃は監督が指示しているのですか」という問いの答えだったんですが(銃は全て監督が指示しているようです)、ラスト付近で東出さん扮する侵略者が夏帆さんと対決するシーンで使われていた銃をいかに本物っぽく見せるかこだわっていて、黒くテカテカするように銃にだけ照明がいくつもあてられていたらしいです(笑)
  • 風の演出が美しい
    こちらもお客さんからの質問コーナーで、「監督の映画はいつも”風”の表現にこだわりがありますが、今回の映画でも風の演出にはこだわっていたのですか」といった問いがあり、それに対してのお話の中に「染谷さんと夏帆さんがベランダで抱き合うシーンでふわりと漂うカーテンは本当にその瞬間吹いた風がつくったもの」とありました。とても綺麗なシーンで、計算された美しさのように見えたので作られたものではなく自然に吹いた風だということに少し驚きました。監督はタイミングの運のようなものも持っているのかもしれません(笑)

これ以外にも、ラストのオチは監督ならではだと高橋さんから説明があったり、二人の掛け合いが面白かったですね。高橋さんは少し独特な雰囲気があって、質問から思考がどんどん飛んで行って最終的に違う話になっていた…みたいなことがよくあり、監督がちょっぴり助け舟を出したりして方向修正をしていたりと微笑ましかったです(笑)

まとめ

旦那である染谷さんはほとんどが指輪物語の終盤でいうところのフロドのように唸ったり苦しんでいる場面ばかりだったので、実質夏帆さんが夫のために頑張る主人公、という感じでした。

なんだかんだ言って、やっぱり『散歩する侵略者』の方が好きだったかなぁ。同じテーマでも全く毛色が違うホラーテイストになっている本作よりも、愛や人間というものを考えさせてくれるオリジナルの方がちびぞうは好きでした。

これも、ドラマ版を縮めた作品なので、ドラマ版の5話を観てみると、また違った印象で楽しめるかもしれませんね。

 

 


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画像引用元:映画.com

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負け犬たちの復讐劇!映画『予告犯』ネタバレなし感想

「明日の予告を 教えてやる―――。」

2015年に公開された本作。予告CMにホイホイされて劇場まで足を運びました!

今見返してみると相当キャストが豪華!ですね!

監督は『白雪姫殺人事件』などの中村義洋監督。

パンフレットはこんな感じ。

縦長A4くらいのサイズでモノクロ写真にピンク!可愛いですね。裏側はこんな感じ。

38Pで税抜き574円!お安め!劇中に出てきたキーワードの解説ページなども載っています(*’ω’*)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】中村義洋
【脚本】林民夫
【企画・プロデュース】平野隆
【プロデュース】武田吉考
【撮影】相馬大輔
【美術】清水剛
【照明】佐藤浩太
【録音】松本昇和
【編集】松竹利郎
【音楽】大間々昴
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[奥田宏明(ゲイツ)]

  • 戸田恵梨香[吉野絵里香]

  • 鈴木亮平[葛西智彦(カンサイ)]

  • 濱田岳[木村浩一(ノビタ)]

  • 荒川良々[寺原慎一(メタボ)]

  • 宅間孝行[岡本大毅]

  • 坂口健太郎[市川学]

  • 福山康平[ネルソン・カトー・リカルテ(ヒョロ)]

  • 窪田正孝[青山祐一]

  • 田中圭[公安部・北村]

  • 小松菜奈[ラーメン屋の娘・楓]

  • 滝藤賢一[IT会社社長・栗原]

  • 本田博太郎[加藤]

  • 小日向文世[衆議院議員・設楽木匡志]

【公開日(日本)】2015年6月6日
【上映時間】119分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】6.5/10.0  (およそ420人の評価)

【あらすじ】

ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.8/5.0

「社会が裁けん悪者はわいが裁いたるで!」とデスノートの月ばりに歪んだ正義感で、人々を粛清していく予告犯。
そのやり方は、まず動画投稿サイトに「予告」の動画を上げ、その予告通りに「実行」した様子もまた動画にしてネットにアップするというもの。

最初は単独犯と思われていましたが、徐々に複数犯であるということが分かっていき、予告犯達を追う刑事(戸田恵梨香)のシークエンスと、犯人側のリーダー(生田斗真)のシークエンスが交互に描かれていきます。
そして少しずつ、”予告犯達”に隠された哀しい真実が明らかになっていく…という流れ。

ポイントは私刑という形で下される鉄槌を気持ち的に許せるかどうか…でしょうか。

この映画は、月くんのように人生順風満帆な天才高校生が振りかざす正義とはまた違うものがその背景にあるので、ぜひそこを観て頂きたい。

無難な脚本なのに涙が止まらない

正直この映画の脚本って、ものすごく無難だと思うんです。
登場人物が出揃った時点である程度の展開やオチは予測が出来てしまうし、終わり方も予測を裏切らない感じ。

だけど、だけど不思議と涙が止まらないんですよぉおおお・・・!!!!!
正直中盤あたりから泣けるポイントがちょいちょい出てきて、泣いた数を数えるのも億劫になってくる後半はずっと泣き通しでした。

ちびぞうの映画鑑賞時の3大ウィークポイント

「高齢者」
「社会のはみ出し者」
「ゲイや障害者などのマイノリティ」

の一つ「社会のはみ出し者」にひっかかってしまったのも大号泣の要因の一つですね。

決して自分に非があったわけではないのに社会の中でうまく生きていけず、はじき出されてしまう人達…。毎日毎日を無難に、一生懸命に生きているつもりでも、なぜか苦しい。誰かにこの苦しみを何とかして欲しい、助け出して欲しい、自分だって何かが出来るはず、だけどどう行動を起こしたらいいか分からない。そういうモヤモヤを抱えている人たち。

この映画の中にも、そういう人達が出てきて予告犯を支持する場面がありましたが、彼らが予告犯に寄せる期待のようなものに共感できる人は意外にも沢山いるのではないでしょうか。

生田さん演じる主人公の行動を(オチも含めて)よくよく考えてみると、実は全然社会のためとかそういうものではなく、単なるエゴから来るものなんだと思います。でも彼のエゴが起こした行動によって「世界的にも幸福度の低い日本という国」で生きる人々の抱える闇が浮き彫りになっていくのは面白いし、やるせない。きっと彼に影響されて人生に変化を起こそうと決意した人も少なくないと思います。
その周囲に与える影響に関して、似ても似つかないストーリーではあるけども、私の大好きな『嫌われ松子の一生』と似た構成だなぁと感じました。

ヒロインとの鏡像関係

戸田恵梨香は生田斗真と相反する思想の持ち主で、まるで光と闇のように2つの価値観がぶつかり合う場面が面白いです。
この世には、人生でくじけて底辺で生きていくしかない者もいれば、くじけず這い上がって輝く者もいる。どちらが正しいとかはもちろんないのだけど、違いのある者同士がもっと早くに出会ってお互い歩み寄ることが出来れば、もう少しラストが変わってきていたかもしれないと思うとうーんなんとも切ないですね!

「努力出来ただけマシなんだよ」という台詞がありましたが、その、努力出来る人と出来ない人との違いはどちらなんだろう。ちびぞうはどっちかと言えば努力出来ない側の人間なので、生田斗真のセリフには胸が痛みましたね。

まとめ

自分でも何が伝えたいのかいまいちよくわかってないですが…とにかく!!

この映画が持つのは社会を変えるだのなんだのって大げさなテーマじゃなく、誰しもが寄り添えるような身近なテーマだと思います。

興味のある人は一度試しに観てみて欲しいですね!!!

 

 


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第四弾でついに完結!映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』ネタバレ&感想

僕たちは、人間の善意について賭けをしたんだ―――。

【画像引用元:映画.com】

遂にウシジマくんの物語も完結してしまいましたね!

山田孝之の新境地というか、本当にハマり役だったなぁと思います。

原作が今、最終章に突入しているっぽいので、ぜひ完結したら矛盾のないように映画版でももう一度やってほしいなーと思っている次第です!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】山口雅俊
【原作】真鍋昌平『闇金ウシジマくん(ビッグコミックスピリッツ)』
【主題歌】Superfly – “Good-bye”
【イメージソング】Superfly – “天上天下唯我独尊”
【声の出演([]内は役名)】

  • 山田孝之[丑嶋馨]
  • 綾野剛[戌亥]
  • 永山絢斗[竹本優希]
  • 真飛聖[今井万里子]
  • 間宮祥太朗[鰐戸三蔵]
  • YOUNG DAIS[鰐戸二郎]
  • 最上もが[モネ]
  • 真野恵里菜[樫原あむ(新人ちゃん)]
  • 太賀[甲本]
  • 狩野見恭兵[丑嶋馨(14歳)]
  • 湊莉久[“レッド・ペガサス”の初美さん]
  • 天使もえ[財布を落とす女(あやめ)]
  • マキタスポーツ[村井]
  • 玉城ティナ[犀原茜(14歳)]
  • 六角精児[五万円借りに来る男]
  • モロ師岡[榊原]
  • 安藤政信[鰐戸一]
  • 八嶋智人[都陰亮介]
  • 高橋メアリージュン[犀原茜]
  • 崎本大海[高田]
  • やべきょうすけ[柄崎]

【公開日(日本)】2016年10月22日
【上映時間】130分
【映倫区分】PG12
【配給】S・D・P
【前作】豪華キャストで贈る第三弾!【闇金ウシジマくんPart3】ネタバレ&感想
【IMDB】6.3/10.0  (およそ30人の評価)

【あらすじ】

ある日、ウシジマの中学時代の同級生・竹本優希がカウカウファイナンスに現れ、生活のための金を貸してほしいと言うが、ウシジマはその頼みを断る。金を借りられずに事務所を去った竹本は、住み込みで労働ができるという「純愛の家」に入居することになるが、「純愛の家」の実態は、入居者に過酷な労働を強いる貧困ビジネスだった。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

今回のお話は、原作漫画の「ヤミ金くん」が土台になっています。

ちょっと今回はツッコミどころが多かったかなぁ。

漫画の良さを潰す実写化問題

竹本という、ウシジマくんの旧知の友。彼はまるで聖人君子のように他人に善意を与えることで自らを滅ぼしていくというキャラクター。

もはや意地になっているのでは。

と思うほどに意固地に、他人のことばかりを優先して自分の人生は崩壊してもおかまいなし。

彼はウシジマくんとは対極の存在として描かれているんだと思いますが、あまりにも自己犠牲が過ぎて「いや現実にこんな人間いる??」と思ってしまうんですよね。そこが漫画だからこそ許されていたキャラクター、ということだったのかなと。

”人間の善意”についての賭けというテーマは非常に面白いので、出来れば漫画らしいキャラクターをもう少し現実に落とし込んで”竹本”というキャラに深みというか現実味を与えてほしかったですね。

(毎回ウシジマくんの話に現実味なんかないじゃないかというツッコミはさておき)

中学校時代のウシジマくんも良い味出してたんですが、少し活舌が気になってしまったかなぁ・・・。邦画はたまに何言ってるか聞き取りずらい時があるのが難点ですね。

みんながみんな近所に暮らしすぎだろ問題

映画を観ているとたまにあるんですが、

「こいつとこいつが友達だった、過去に因縁があった、同級生だった恋人だった」などなど・・・出てくるわ出てくるわ芋づる式に知り合いが!!!

どんだけ狭い町に住んでるんですかね?

と思ってしまって、そこも現実感がないところ。

主要キャラがほとんど全員幼馴染、みたいなのはもうちょっとなんとか変更してもらいたかったところ。

良かった点

なんだかんだ観ていて楽しい、という点と、

ウシジマくんが竹本について考えるシーン。

かなり長めに尺を取っていて、あまり感情表現をしないウシジマくんの後悔や行き場のない悲しみの気持ちを感じ取ることが出来ます。

ラストで甲本が財布を拾うシーンも泣ける!あれが、誰も見ていない場所で行われた善行だという演出も憎いですね。

竹本は踏んだり蹴ったりで何も良いことがなかったようにも見えますが、実は密かに報われていて・・・本当はウシジマくんの方が賭けに負けていた。そう思うとラストのウシジマくんの長めのシーンも切なさが増します。

ウシジマくんは決して良い人ではない(というか犯罪者)んですが、ダークヒーロー的なカッコよさがあって、そこにちょっとだけ憧れてしまうんですよね。

(エンドロール後に、これこれは犯罪です決して真似をしないように!と注意書きが出るのが面白い(笑))

彼がどうしてああいう仕事をするようになったのかという背景部分は原作でもまだ描かれていないので、そこも今後観れればいいなぁ。

そして、そのシーンもぜひ山田孝之に演じてほしいものです。

 

 


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吉高由里子が美しき殺人鬼に。映画『ユリゴコロ』ネタバレ&感想

私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか。

この、とてもインパクトのある書き出しから始まる美しき殺人鬼の告白文。

そしてその殺人鬼を吉高由里子が、ノートを発見し読み解く男を松坂桃李が!さらに不眠に悩むメッシー君を松山ケンイチが!という魅力的なキャスティング。うーん観るしかない、と思ってしまいますね。

吉高由里子の主演映画は『蛇にピアス』しか観たことないんですが、この一本だけでも「結構いい演技をする女優さんだ」という印象があったので、今作も自然に「観たい」と思いました。今作も、蛇にピアスも、仄暗い欲求に憑りつかれた女性の役で、なんとなく当時の演技がここにも活きているのかな、と思いました。

鑑賞後に原作も読みまして、映画版との違いを書いた以下の記事もぜひ一緒にどうぞ!

沼田まほかる著・小説『ユリゴコロ』映画版の違いと感想(ネタバレ)

パンフレットはこんな感じ。

26Pで税抜き667円。独特な表紙ですね~映画を観終わってから見ると、あれの写真かなこれの写真かなと色々想いが巡りますね。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】熊澤尚人
【原作】沼田まほかる「ユリゴコロ」
【製作総指揮】佐藤直樹
【製作】永山雅也、村松秀信、三宅容介、木下直哉、大柳英樹、片岡尚、戸塚源久、細字慶一、大沼渉
【エグゼクティブプロデューサー】千葉善紀、柳迫成彦、大熊一成
【プロデューサー】石田雄治
【音楽】安川午朗
【撮影】今村圭佑
【美術】高橋泰代
【衣装】宮本まさ江
【出演([]内は役名)】

  • 吉高由里子[美紗子]

  • 松坂桃李[亮介]

  • 松山ケンイチ[洋介]

  • 佐津川愛美[みつ子]

  • 清野菜名[千絵]

  • 清原果耶[美紗子(中学生)]

  • 平尾菜々花[美紗子(小学生)]
  • 貴山侑哉[亮介の父]
  • 木村多江[細谷]

【公開日(日本)】2017年9月23日
【上映時間】128分
【映倫区分】PG12
【配給】東映、日活
【IMDB】—/10.0  (およそ0人の評価)

【あらすじ】

亮介は余命わずかな父の書斎で1冊のノートを見つける。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートには、ある殺人者の記憶が綴られていた。その内容が事実か創作か、そして自分の家族とどんな関係があるのか、亮介は様々な疑念を抱きながらも強烈にそのノートに惹きつけられていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレ注意)】

☆2.6/5.0

とてつもなく惜しい作品なんです。

なぜ惜しく感じるのか

  • 現代(亮介)パートの取ってつけた感。
  • ノートを読み終わってからの展開。
  • 全体的な伏線の弱さ!

この三つですかね。

全て、脚本と演出が台無しにしているのかと思いましたが、原作の方もノートを読み終わる辺りから失速していっていたので、そこはもうどうしようもなかったのかなぁと。

ノートの内容、特に松山ケンイチと出会って子どもが生まれるくらいのところまでの内容が素晴らしいんです。だけどどうしても、予想通りの展開が多すぎて。

例えば「この後みつ子の腕を切って殺してやるんだろう」とか、「この男、あの時の鉄蓋の男では?」とか、「おっ、妊娠か?」「母親が殺人鬼ってオチ?」「この女が美紗子だろう」などなど、安易に想像出来てしまうことが多すぎる・・・ミステリー仕立てにしては安直で、驚きがあまり少なく、てぬるい!と感じてしまいましたね。

現代パートはどうしてあんなに蛇足感が強いんだろう。

失踪した婚約者にはヤクザの旦那がいて体を無理やり売らされていたとか、ベタにも程がある設定だし。しかも突然やってきた婚約者の元同僚の女が、居場所まで突き止めてくれるなんて都合が良すぎませんか!

いやいやそんなの自分の婚約者なんだから、自分で調べたり探したりしようよって思うんだけど、それよりも何よりも亮介くんはノートの中身に夢中で「自分は殺人鬼の息子なのか?」って、うぅーん。そのくせ見つかったら見つかったで「俺が旦那を殺したくなるのは殺人鬼の血が入ってるから・・・?」って悩むのもなんだか軽い!

大切な人が散々な目に合わせられてれば血縁なんて関係なしに殺意が湧くことなんてあると思いますよ。うん。

そんなこんなで現代パート(主に映画で改変された箇所)がものすごくご都合主義で軽くなっちゃってるもんですから、松坂桃李くんの狂っていくような演技がオーバーでオーバーでまるでコントのよう・・・冷めた目で見てしまいます。

良かったと思ったところ

吉高由里子の演技と、モノローグ、それからノートの中身の過去パートはどこも素晴らしかった。映像も記憶に残る鮮やかさと美しさ、独特のセンスがあったように感じましたし。

だからこそ他の部分が惜しく感じるんですよね。

うまく料理仕切れていない感というか。

実はこの話はミステリーというよりも「愛の話」であって、一人の女性が生き辛さから解放されていくまでの変化を描いている話。だから驚きも謎解きもなくていいはずなんですが、どうしても原作から外した謎解きの部分が剥がしきれていなくて中途半端に残ってしまった感じがします。

まとめ

ぜひ原作も合わせて楽しんでもらいたい!

何度も言いますがノートの中身がとても面白く、切ないです。

とても感情移入は出来ない殺人鬼美紗子の感じたこと考えたことが映画よりもっと深く知れるはず。

正直、観終わったあとで仲間に色々と文句を言ってしまった今作ですが、意外にも記憶に凄く残るというか、本当につまらないと思っていたらきっと原作なんか買う気にもならないでしょうし、それだけのものがあったのかなぁと。

だからトータルすると「すごく惜しい作品」なんでしょうね。

 

 

この原作者の映画は今月の28日にも「彼女がその名を知らない鳥たち」が公開されます。阿部サダヲと宮崎あおい主演で、またも松坂桃李くんが出ています。

そちらも楽しみ。

 

 


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沼田まほかる著・小説『ユリゴコロ』映画版の違いと感想(ネタバレ)

こんばんは!ちびぞうです(*´∀`*)

2017年10月現在、劇場にて上映中の吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチ主演、熊澤尚人監督の映画『ユリゴコロ』を観て来まして、原作にも非常に興味が湧いたので買って読んでみました!

感想も交えつつ、映画版との違いなど書いていきたいと思います。

※原作と映画両方のネタバレにも触れて紹介しますので、どちらも未見の方はご注意を!

原作と映画の相違点

まず小説の裏表紙より引用しましたあらすじを載せておきます。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された四冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいった何があったのか――。

映画版は少し曖昧な点もありますが、記憶を頼りに表にしてみました。

原作版 映画版
主人公・亮介の仕事 会員制の、犬の運動場付きの喫茶店「シャギーヘッド」を経営 ハイカーの集まる喫茶店(店名は同じ)を経営
亮介の父 末期のすい臓がん 病名は明かされないが恐らくがん
亮介の母方の祖母 ケアハウスで暮らし、もう身内の顔もハッキリ見分けることができない 登場しない
亮介の母① 亮介が四歳になる前の入院時期までにいたと思われる母親 登場しない
亮介の母② 亮介の入院後に入れ替わった?と思われる母親。最近、不審な交通事故で亡くなった。死の間際怯えていたようにも見えた 登場しない
亮介の弟、洋平 一浪、留年もしている大学生 登場しない
亮介の恋人、千絵 亮介に200万を借りて突然失踪した。実は結婚しており、旦那であるDV男に両親の弱みを握られており、そこに戻って薬漬けにされる。体を売るような仕事もさせられていた様子 亮介と婚約した途端、失踪。実は結婚しており、ヤクザ者だった旦那に両親の弱みを握られ、彼の元へ戻って監禁される。体を~は左に同じ。
細谷さん 亮介の喫茶店で働く中年女性。離婚歴有り。千絵のことを娘のように可愛がり、失踪した千絵の居場所を突き止めてくれ、彼女をそこから連れ戻してくれる 千絵の昔の同僚と名乗る中年女性。偶然ホテルで再会した彼女に亮介への伝言を頼まれ「シャギーヘッド」へと訪れる。原作と同じく、千絵が監禁されている場所を突き止めてくれる
塩見 千絵の旦那。ギャンブルで財産を失いヤクザに追われ、千絵の”人には見せられない写真とネガ”をネタに金を要求してくる。亮介が殺そうとする直前で受け渡し先であったドライブウェイの先の展望台で何者かに殺害される。死体はなく、血の飛び散った車を亮介が処分する 千絵の旦那。ヤクザ者で、亮介が殺そうとする直前でヤクザの事務所のような場所で仲間と共に何者かに殺害される。その現場には、オモナミ(草むらなどに入ると服にくっつくトゲトゲの小さな実のような植物)が落ちていた
告白文「ユリゴコロ」 父の書斎の段ボール箱の中に、古ぼけた女物の鞄を見つける。”美紗子”と書かれた和紙の包みが入っており、中には一束の女の髪。その箱の一番奥に、全部で四冊のノートを見つける 父の書斎の段ボール箱の一番上に、袋に入ったノート一冊を見つける
告白文「ユリゴコロ」に登場する私(美紗子) 本名、美紗子。幼少期から殺人(人の死)を「ユリゴコロ(拠り所)」としてきた殺人者。一人の男性との出会いを通じて、徐々に変化していく 左に同じ
告白文「ユリゴコロ」の内容 前半はみつ子の思い出を綴るために書かれたもので、後半は「アナタ」への告白文となっている 全編通して「アナタ」への告白文となっている
ユリゴコロに登場する植物 ヌスビトハギの小さな種 オモナミの実
ミチルちゃん  美紗子の捕まえたカエルを見せて貰う時、光に驚いて飛び出したカエルにびっくりして池に落ちた。靴下に足が引っかかって起き上がれず、溺死 美紗子が彼女の帽子を「あげる」と差し出し、その中に入っていたカエルが飛び出して池に落ちた。死因は同じ
美紗子の両親 告白文の序盤に母親と、父親もチラッと登場。

亮介の父と結婚後、父と本当の家族のように交流を持っていた。美紗子が追い詰められ、自ら命を絶とうとした晩も両親の家からの失踪で、川から彼女を救い出した時も彼らは一緒に捜索した

告白文の序盤に母親のみ登場
ノートの発見者 妹の英美子が、美紗子が死のうと失踪した晩に発見 亮介の父が美紗子が死のうと失踪した晩に発見
美紗子の妹・英美子 失踪したとされる妹で、戸籍から外されている。しかし実際は、美紗子を家族で亡き者にした後、姉として生きることを決意。亮介の母②になった 登場しない
美紗子の職場 建材会社の事務員。そこの上司と退社後に再会、体を買われようとしたところを殺害。後々、亮介の父と幸せに暮らしていたが当時の出入り業者に見つかり(恐らくこの人も殺害)、警察に疑わる事に 料理の専門学校に通っていたため、料理屋のキッチンで働いていた。退社後に上司と再会、体を買われようとした時に殺害。直前に上司が「あの女を買う」と出入り業者の男に電話していたため、その人にも疑われ、警察が家に来ることに
 美紗子の行く末 「アナタ」に嘘をついた苦しみから死のうとするが、亮介の父と自分の家族に助けられる。ノートが家族全員に読まれ、「罪を償わせる」という目的で、実の両親に紐で縛られ目隠しをされてダムの底に沈められる。しかし実際はそうする前に父親がこっそり美紗子を助けており、別人として生きろと逃がしてやっていた。

十年以上経ってから美紗子は亮介の父に会いに行き、年に一度だけ会う関係を続けていた。そして亮介が開店させた喫茶店で「細谷」として働くように。

最後は死の淵に立つ亮介の父を連れて二人で旅行に出る

原作と同じように死のうとするが、良助の父に助けられる。ノートを読んだ父は「生かしておくわけにはいかない」と美紗子の手を紐で縛り重りを付けてダムに沈めようとする。しかしギリギリで止め、別人として生きろそして二度と自分たちの前に現れるなと言って逃がしてやる。

千絵の働くレストラン?で彼女と交流を持つようになった美紗子は、そこを退職した後偶然再会した千絵に伝言を頼まれ、偶然にも亮介の経営する「シャギーヘッド」へと現れる。

母子として対峙し、訣別した二人だが、美紗子は亮介の父へと会いに行く

ミステリーとしての面白さ

表を見て貰えばわかる通り、原作には映画版に登場しない亮介の母親や弟、美紗子の両親などが沢山出てきます!

そして、亮介の「小さかった頃に母親が別人になった気がする」という記憶。これと合わせて父の持つノートを読むことで、

「このノートは父が書いた小説か?それとも母の自伝なのか?だとしたら自分の母親は殺人鬼なのか?もし、入れ替わりが行われたとしたらどちらの母親が本当の母親なのだろうか」

という謎が次から次へと湧いてきて、続きが気になって目が離せない!となります。

それから、泣き虫で情に厚く、兄・亮介の言い出した突拍子もないノートの話にふざけながらも耳を傾けてくれる弟・洋平との兄弟関係も素敵ですし、兄の推理の手伝いをサクサクッとしてくれ、真実が明かされたあとも飄々としていてとても魅力的なキャラクターです。

この前半の謎解き要素もとても面白かった。

単純に「ユリゴコロ」が面白い!

これは映画版でも思ったことですが、ノートの内容がとにかく面白い!読み始めたら止まらない!

父親の家にあまり出入りできず、隠れて読んでいるという設定上、亮介の都合によって読者もノートの続きが読めない「おあずけ状態」にされてしまいます。それがもう、もどかしい。話の中での現実に戻ってくると、ハッとして、そこまで息も止まる勢いで読んでいた自分に気付いて深く息を吐く・・・という事が何度もありました。

それくらい、美紗子の綴る「ユリゴコロ」という告白文が面白い。

前半の、みつ子という友人を殺すまでの話を綴った時の彼女と、後半の、「アナタ」に真実を打ち明けようと書いている、とある男との出会いによって変化していく彼女の違い。本当の心のユリゴコロ(拠り所)は愛であり、それを手に入れた女が束の間の幸福を手に入れていく姿がとても切ないんです。

実は純粋なラブストーリーである

・・・ということに、読み終わると気付くんですが、ここは少し個人的に惜しかったですねー。

前半にあったミステリーっぽさは最後には実を結ばない感じがしてしまうんですよね。美紗子が結局「アナタ」の元へと戻ってしまうところもどうかなと思ってしまいますし。

謎解きの最後にある「そうだったのか!」という驚きはあまり用意されておらず、周囲にいる人たちのドラマも結局は美紗子と父の二人の愛に巻き込まれただけという感じがしなくも、ない。

特に亮介の、「殺人者の血が流れている」という苦悩も安直で、千絵の身の上話や起きる事件も「用意されたエピソード」という感じがとても強かったですね。あまりにも「運命」というものを強調しすぎた結果かなぁ。

あのノートを読み解くのが息子であるという事はそこまで重要でなかったかもしれない。ノートの内容自体がとても面白かったので、それが活かせるシチュエーションなら何でもよかったのかなと思ってしまいますねー。

まとめ

元々、少し映画の方に不満を感じていて、「きっと原作は面白いに違いない!確かめてみよう!」と読み始めたんですが

やっぱり原作は面白いです!

ただ、両方とも、ノートを読み終えた辺りから失速していったイメージがどうしてもありますね。残念。

美紗子と「アナタ」の恋の切なさは断然、原作の方が上ですし、息子とその恋人の色々も、母子の愛についても原作の方が自然な感じになっています。なので、映画が面白かった!と思う人はぜひとも原作の方も読んでもらいたいなと。(散々ネタバレしてしまいましたが!)

ラストがかなり違うので、エンディングに関してはどちらにも良さがあるかとは思いますが(もうこれは個人の好みの問題かな・・・)私としてはもっと切なく美紗子にとっての救いがないまま終わってしまっても良かったかなと。

映画の方の感想も書く予定なので、そちらも合わせて読んで頂ければ幸いです!

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豪華キャストで贈る第三弾!【闇金ウシジマくんPart3】ネタバレ&感想

「高ぇから、買うんだ。パッケージに価値があると、思い込むんだ」

【画像元:映画.com】

『ビッグコミックスピリッツ』で連載中の『闇金ウシジマくん』の実写映画第三弾ですね!!

私も原作をずっと追いかけてるので、2作目は少し微妙だったかな?と思いつつも観てしまいました・・・(笑)

今回は原作の『フリーエージェントくん』『中年会社員くん』のエピソードが元になっているようです。個人的にフリーエージェントくんのエピソードは楽しかった記憶があったので楽しみでした~。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/プロデュース】山口雅俊
【脚本】福間正浩、山口雅俊

【主題歌】Superfly – “心の鎧”

【出演([]内は役名)】

  • 山田孝之[丑嶋馨]
  • 綾野剛[戌亥]
  • 本郷奏多[沢村真司]
  • 白石麻衣[麻生りな]
  • 筧美和子[花蓮(花織)]
  • 最上もが[モネ]
  • マキタスポーツ[村井]
  • 山田裕貴[清栄真実]
  • 前野朋哉[しんこch.]
  • 矢野聖人[獏木]
  • 児嶋一哉[罰ゲームの債務者]
  • 藤森慎吾[加茂守]
  • 浜野謙太[天生翔]
  • 高橋メアリージュン[犀原茜]
  • 崎本大海[高田]
  • やべきょうすけ[柄崎]

【公開日(日本)】2016年9月22日
【上映時間】131分
【配給】S・D・P
【映倫区分】PG12

【IMDB】5.7/10.0  (およそ15人の評価)

【あらすじ】

派遣の仕事で食いつなぐ沢村真司はある日、街で撮影中のタレントの麻生りなを見かけ、社会の格差を実感する。ネット長者の天生翔が主宰する「誰でも稼げる」というセミナーに半信半疑で参加した真司は、人生の一発逆転を狙った億単位のマネーゲームに巻き込まれていく。一方、妻がいながらキャバクラに通うサラリーマンの加茂守は、美人キャバ嬢を落とそうと躍起になっていたが……。【引用元:映画.com】

【感想】

☆2.8/5.0

個人的に『フリーエージェントくん』編は好きなエピソードなので観れて嬉しい!!

やっぱり山田孝之はハマり役!

この映画のシリーズは、原作からの改変があまり好きでなくて、例えばウシジマ社長が

「ウサギをこよなく愛してる」「オムライスにはケチャップかけまくる」

とかっていう愛らしい設定が省かれてるのがいつも残念に思うんですよねぇ。

それでも、山田孝之以外にここまで社長を演じられる人はいないんじゃないかなってくらいイメージぴったりなので、彼見たさでこのシリーズを追いかけてると言っても過言ではないです!!

オリラジの藤森さんが凄い。

実際は、期待していたフリーエージェントくんの本郷奏多くんよりも、オリラジの藤森さんがかなりイイ演技をしていました(笑)

本当に、何も生き甲斐がなさそうで、いつも背中には哀愁が漂ってそうで、目の前の利益にしか目がいかず、キャバクラ通いに会社の金を横領したりとどうしようもないクズなんですが(もちろんその制裁もしっかりと受ける)。どんどんボコボコになっていく姿が滑稽でもあり、哀しくもあり・・・本当に良い演技をするなぁと思いました。

普段のチャラ男のイメージも手伝ったかな?(笑)

ほんとピッタリ(笑)

そして天上翔!!!

『フリーエージェントくん』編のキモになるのはこの人。実際、どこぞの「一カ月で1億円稼ぎました!」みたいなポスターを電車内で見かけた人も多いと思うんですが、天上翔というキャラクターはその人本人がモデルになっています(笑)

よく描けたよなぁ・・・(笑)ウシジマくんのお話にリアリティがあるのは、きっときちんと下調べをしているからなんでしょうね。

そしてこの天上さんの役をやっているのは浜野謙太さん!通称ハマケンですね。多分一度は顔を見た事があるはず。俳優でもありミュージシャンでもあるオールマイティな方です。

私はこの人が大好きでーーーーーー。まさかウシジマくんでしかも天上翔の役で見れるとは。嬉しかった(笑)

この天上翔という人はいわゆる”情報商材”というもので詐欺を働いて(私のように1時間でウン百万稼ぎたければ参加費100万のセミナーに参加してね☆彡とかいうやつ)大金を稼いだ人物で、最終的にはもちろん痛い目を見る形になるわけですが(笑)

本当に、その傲慢っぷりから、最後のやられっぷりまで似合いまくる(笑)この人が画面に出て来るだけで笑えます(笑)

原作ではもっと太ってる人なので、わざわざスーツの襟を詰めまくって首をなくしているところがイイ(笑)

まとめ

直後に公開された『闇金ウシジマくん The Final』のための伏線の部分も多く、ストーリー的に謎が残されたまま終わったりもするので、これ単品で見るとわけがわからないかもしれませんね。(一応両方のエピソードはきちんと完結する)

原作ファンとしては決して面白い!!!と絶賛できるような感じではないんですが、どうしようもないどん底だなと思っても希望が残っていたり、笑えてしまうシーンがあったりして、なんとなく追いかけてしまう、そんな不思議な作品です。

出来ればテレビシリーズと一緒に映画もPart1から順を追って観ていくと良いかもしれませんね!

 

 


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