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沼田まほかる著・小説『ユリゴコロ』映画版の違いと感想(ネタバレ)

こんばんは!ちびぞうです(*´∀`*)

2017年10月現在、劇場にて上映中の吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチ主演、熊澤尚人監督の映画『ユリゴコロ』を観て来まして、原作にも非常に興味が湧いたので買って読んでみました!

感想も交えつつ、映画版との違いなど書いていきたいと思います。

※原作と映画両方のネタバレにも触れて紹介しますので、どちらも未見の方はご注意を!

原作と映画の相違点

まず小説の裏表紙より引用しましたあらすじを載せておきます。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された四冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいった何があったのか――。

映画版は少し曖昧な点もありますが、記憶を頼りに表にしてみました。

原作版 映画版
主人公・亮介の仕事 会員制の、犬の運動場付きの喫茶店「シャギーヘッド」を経営 ハイカーの集まる喫茶店(店名は同じ)を経営
亮介の父 末期のすい臓がん 病名は明かされないが恐らくがん
亮介の母方の祖母 ケアハウスで暮らし、もう身内の顔もハッキリ見分けることができない 登場しない
亮介の母① 亮介が四歳になる前の入院時期までにいたと思われる母親 登場しない
亮介の母② 亮介の入院後に入れ替わった?と思われる母親。最近、不審な交通事故で亡くなった。死の間際怯えていたようにも見えた 登場しない
亮介の弟、洋平 一浪、留年もしている大学生 登場しない
亮介の恋人、千絵 亮介に200万を借りて突然失踪した。実は結婚しており、旦那であるDV男に両親の弱みを握られており、そこに戻って薬漬けにされる。体を売るような仕事もさせられていた様子 亮介と婚約した途端、失踪。実は結婚しており、ヤクザ者だった旦那に両親の弱みを握られ、彼の元へ戻って監禁される。体を~は左に同じ。
細谷さん 亮介の喫茶店で働く中年女性。離婚歴有り。千絵のことを娘のように可愛がり、失踪した千絵の居場所を突き止めてくれ、彼女をそこから連れ戻してくれる 千絵の昔の同僚と名乗る中年女性。偶然ホテルで再会した彼女に亮介への伝言を頼まれ「シャギーヘッド」へと訪れる。原作と同じく、千絵が監禁されている場所を突き止めてくれる
塩見 千絵の旦那。ギャンブルで財産を失いヤクザに追われ、千絵の”人には見せられない写真とネガ”をネタに金を要求してくる。亮介が殺そうとする直前で受け渡し先であったドライブウェイの先の展望台で何者かに殺害される。死体はなく、血の飛び散った車を亮介が処分する 千絵の旦那。ヤクザ者で、亮介が殺そうとする直前でヤクザの事務所のような場所で仲間と共に何者かに殺害される。その現場には、オモナミ(草むらなどに入ると服にくっつくトゲトゲの小さな実のような植物)が落ちていた
告白文「ユリゴコロ」 父の書斎の段ボール箱の中に、古ぼけた女物の鞄を見つける。”美紗子”と書かれた和紙の包みが入っており、中には一束の女の髪。その箱の一番奥に、全部で四冊のノートを見つける 父の書斎の段ボール箱の一番上に、袋に入ったノート一冊を見つける
告白文「ユリゴコロ」に登場する私(美紗子) 本名、美紗子。幼少期から殺人(人の死)を「ユリゴコロ(拠り所)」としてきた殺人者。一人の男性との出会いを通じて、徐々に変化していく 左に同じ
告白文「ユリゴコロ」の内容 前半はみつ子の思い出を綴るために書かれたもので、後半は「アナタ」への告白文となっている 全編通して「アナタ」への告白文となっている
ユリゴコロに登場する植物 ヌスビトハギの小さな種 オモナミの実
ミチルちゃん  美紗子の捕まえたカエルを見せて貰う時、光に驚いて飛び出したカエルにびっくりして池に落ちた。靴下に足が引っかかって起き上がれず、溺死 美紗子が彼女の帽子を「あげる」と差し出し、その中に入っていたカエルが飛び出して池に落ちた。死因は同じ
美紗子の両親 告白文の序盤に母親と、父親もチラッと登場。

亮介の父と結婚後、父と本当の家族のように交流を持っていた。美紗子が追い詰められ、自ら命を絶とうとした晩も両親の家からの失踪で、川から彼女を救い出した時も彼らは一緒に捜索した

告白文の序盤に母親のみ登場
ノートの発見者 妹の英美子が、美紗子が死のうと失踪した晩に発見 亮介の父が美紗子が死のうと失踪した晩に発見
美紗子の妹・英美子 失踪したとされる妹で、戸籍から外されている。しかし実際は、美紗子を家族で亡き者にした後、姉として生きることを決意。亮介の母②になった 登場しない
美紗子の職場 建材会社の事務員。そこの上司と退社後に再会、体を買われようとしたところを殺害。後々、亮介の父と幸せに暮らしていたが当時の出入り業者に見つかり(恐らくこの人も殺害)、警察に疑わる事に 料理の専門学校に通っていたため、料理屋のキッチンで働いていた。退社後に上司と再会、体を買われようとした時に殺害。直前に上司が「あの女を買う」と出入り業者の男に電話していたため、その人にも疑われ、警察が家に来ることに
 美紗子の行く末 「アナタ」に嘘をついた苦しみから死のうとするが、亮介の父と自分の家族に助けられる。ノートが家族全員に読まれ、「罪を償わせる」という目的で、実の両親に紐で縛られ目隠しをされてダムの底に沈められる。しかし実際はそうする前に父親がこっそり美紗子を助けており、別人として生きろと逃がしてやっていた。

十年以上経ってから美紗子は亮介の父に会いに行き、年に一度だけ会う関係を続けていた。そして亮介が開店させた喫茶店で「細谷」として働くように。

最後は死の淵に立つ亮介の父を連れて二人で旅行に出る

原作と同じように死のうとするが、良助の父に助けられる。ノートを読んだ父は「生かしておくわけにはいかない」と美紗子の手を紐で縛り重りを付けてダムに沈めようとする。しかしギリギリで止め、別人として生きろそして二度と自分たちの前に現れるなと言って逃がしてやる。

千絵の働くレストラン?で彼女と交流を持つようになった美紗子は、そこを退職した後偶然再会した千絵に伝言を頼まれ、偶然にも亮介の経営する「シャギーヘッド」へと現れる。

母子として対峙し、訣別した二人だが、美紗子は亮介の父へと会いに行く

ミステリーとしての面白さ

表を見て貰えばわかる通り、原作には映画版に登場しない亮介の母親や弟、美紗子の両親などが沢山出てきます!

そして、亮介の「小さかった頃に母親が別人になった気がする」という記憶。これと合わせて父の持つノートを読むことで、

「このノートは父が書いた小説か?それとも母の自伝なのか?だとしたら自分の母親は殺人鬼なのか?もし、入れ替わりが行われたとしたらどちらの母親が本当の母親なのだろうか」

という謎が次から次へと湧いてきて、続きが気になって目が離せない!となります。

それから、泣き虫で情に厚く、兄・亮介の言い出した突拍子もないノートの話にふざけながらも耳を傾けてくれる弟・洋平との兄弟関係も素敵ですし、兄の推理の手伝いをサクサクッとしてくれ、真実が明かされたあとも飄々としていてとても魅力的なキャラクターです。

この前半の謎解き要素もとても面白かった。

単純に「ユリゴコロ」が面白い!

これは映画版でも思ったことですが、ノートの内容がとにかく面白い!読み始めたら止まらない!

父親の家にあまり出入りできず、隠れて読んでいるという設定上、亮介の都合によって読者もノートの続きが読めない「おあずけ状態」にされてしまいます。それがもう、もどかしい。話の中での現実に戻ってくると、ハッとして、そこまで息も止まる勢いで読んでいた自分に気付いて深く息を吐く・・・という事が何度もありました。

それくらい、美紗子の綴る「ユリゴコロ」という告白文が面白い。

前半の、みつ子という友人を殺すまでの話を綴った時の彼女と、後半の、「アナタ」に真実を打ち明けようと書いている、とある男との出会いによって変化していく彼女の違い。本当の心のユリゴコロ(拠り所)は愛であり、それを手に入れた女が束の間の幸福を手に入れていく姿がとても切ないんです。

実は純粋なラブストーリーである

・・・ということに、読み終わると気付くんですが、ここは少し個人的に惜しかったですねー。

前半にあったミステリーっぽさは最後には実を結ばない感じがしてしまうんですよね。美紗子が結局「アナタ」の元へと戻ってしまうところもどうかなと思ってしまいますし。

謎解きの最後にある「そうだったのか!」という驚きはあまり用意されておらず、周囲にいる人たちのドラマも結局は美紗子と父の二人の愛に巻き込まれただけという感じがしなくも、ない。

特に亮介の、「殺人者の血が流れている」という苦悩も安直で、千絵の身の上話や起きる事件も「用意されたエピソード」という感じがとても強かったですね。あまりにも「運命」というものを強調しすぎた結果かなぁ。

あのノートを読み解くのが息子であるという事はそこまで重要でなかったかもしれない。ノートの内容自体がとても面白かったので、それが活かせるシチュエーションなら何でもよかったのかなと思ってしまいますねー。

まとめ

元々、少し映画の方に不満を感じていて、「きっと原作は面白いに違いない!確かめてみよう!」と読み始めたんですが

やっぱり原作は面白いです!

ただ、両方とも、ノートを読み終えた辺りから失速していったイメージがどうしてもありますね。残念。

美紗子と「アナタ」の恋の切なさは断然、原作の方が上ですし、息子とその恋人の色々も、母子の愛についても原作の方が自然な感じになっています。なので、映画が面白かった!と思う人はぜひとも原作の方も読んでもらいたいなと。(散々ネタバレしてしまいましたが!)

ラストがかなり違うので、エンディングに関してはどちらにも良さがあるかとは思いますが(もうこれは個人の好みの問題かな・・・)私としてはもっと切なく美紗子にとっての救いがないまま終わってしまっても良かったかなと。

映画の方の感想も書く予定なので、そちらも合わせて読んで頂ければ幸いです!

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真の信仰とは?映画『沈黙 ‐サイレンス‐』感想&ネタバレ

主はなぜこんなみじめな者まで愛せるのか?

画像引用元:映画.com

『ソーシャル・ネットワーク』、『アメイジング・スパイダーマン』、『ハクソーリッジ』なんかで活躍中のアンドリュー・ガーフィールド主演作!

スコセッシ監督の作品は難しくてとっつきにくい・・・という印象のある監督さん。今作は、日本でのキリシタン弾圧を書いた日本人作家の『沈黙』という作品が原作になっています。(読んではいませんが!)

私自身は特に信仰心などはないんですが、幼稚園と高校をカトリック系のところで過ごしたため、なんとなくキリスト教をテーマにした作品は身近に感じてしまうんですよね。

外国人の監督さんが日本で起きた宗教弾圧をテーマに、沢山の日本人俳優さんも起用されて、どんな作品になるんだろう?と興味津々で鑑賞しました。

【映画情報】

【原題】Silence
【制作国】アメリカ
【監督】マーティン・スコセッシ
【原作】遠藤周作『沈黙』
【脚本】ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
【製作】マーティン・スコセッシ、エマ・ティリンガー・コスコフ、ランドール・エメット、バーバラ・デ・フィーナ、ガストン・パブロビッチ、アーウィン・ウィンクラー
【製作総指揮】デイル・A・ブラウン、マシュー・J・マレク、マニュ・ガルギ、ダン・カオ、ニールス・ジュール、チャド・A・ベルディ、ジャンニ・ヌナリ、レン・ブラバトニック、アビブ・ギラディ、ローレンス・ベンダー、スチュアート・フォード
【撮影】ロゴリゴ・プリエト
【美術】ダンテ・フェレッティ
【衣装】ダンテ・フェレッティ
【編集】セルマ・スクーンメイカー
【音楽】キム・アレン・クルーゲ、キャスリン・クルーゲ
【出演([]内は役名)】

  • アンドリュー・ガーフィールド[セバスチャン・ロドリゴ]
  • アダム・ドライバー[フランシス・ガルペ]
  • 浅野忠信[通辞]
  • キアラン・ハインズ[ヴァリニャーノ]
  • リーアム・ニーソン[クリストバン・フェレイラ]
  • 窪塚洋介[キチジロー]
  • イッセー尾形[井上筑後守]
  • 塚本晋也[モキチ]
  • 小松菜奈[モニカ]
  • 加瀬亮[ジュアン]
  • 笈田ヨシ[イチゾウ]

【公開日(日本)】2017年1月21日
【上映時間】159分
【配給】KADOKAWA
【IMDB】7.2/10.0  (およそ62,000人の評価)

【あらすじ】

17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指す若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.2/5.0

いやぁなかなかに考えさせられる作品でした。

当時のキリシタン弾圧が行われた日本側の事情というものを私は何も知らずに観たんですが、監督の言いたいことはなんとなく分かりました。

この作品の面白いところは、「別にどの宗教だっていいんじゃないか」という前提で「どこまで神を信じられるか」と説いているところだと思うんですよね。ただ単に、イエス万歳、キリスト教万歳!と言いたい作品ではなく、もっと大きな意味での「信仰とは」という部分に疑問を投げかけているんだと思います。

イエズス会の教えを信じ、「自分たちの師が棄教(自分の宗教を捨てること)したなんて信じられない、日本には自分たちの救いを待っている信者がたくさんいて、彼らを救わねばならない!」と長崎に渡る二人の宣教師。

しかし渡ってみれば自分たちの宗教は間違った形で日本に広がっており、自分たちがいるから殺されてしまう人々がいて、自分たちが棄教すれば救われる人々がいる。信仰を捨てることが信者を助けることになるという矛盾の中で苦しんでいても、神は何も言ってくれない。ただただ「沈黙」するのみ。その「沈黙」が何より恐ろしい、という主人公(ロドリゴ宣教師)の言葉は、なるほどなと思わさせられましたね。

他の映画でも時々、神を信じられなくなったという人が「あれだけの不幸が起きても神は救ってくれなかった。神など存在しないんだ」と言っている場面をよく見かける気がします。そういった理由で信仰を捨てる人はとても多そうだし、この映画では、そんな状況で主人公は神を信じ続けられるのか?という部分を何度も何度も試している気がしましたね。

特に、窪塚洋介扮するキチジローというキャラクターが興味深くて!

彼は、踏み絵を踏まず家族がみんな死んでいった中で自分一人だけ踏み、助かったという男なんですが、「自分は踏み絵を踏んだがずっと信仰を続けている、自分の罪に苦しんでいる。どうか許してください」と何度も何度も、告解に来る。そして何度も何度も踏み絵を踏む(笑)ロドリゴ宣教師の事も裏切るし、それでも何度も「赦してください」とやってくる。

もうね、悪魔かこいつはと思いましたね。宗教なんてこんなものだよ、と耳元でささやく悪魔のような存在。実際にロドリゴさんも「なんでこんなヤツまで神は許しちゃうの?」と言っちゃっているし(笑)

どこにでもいますけどね、「反省したんだ!今度こそギャンブルなんてやめるから金を貸してくれ!」とか言って同じ間違いを何度も繰り返す人。固い信仰心を根底から揺さぶる、良いキャラクターだったなキチジロー。人間の弱さの権化みたいな人でした。

勿論、まともな信者の人達も沢山いましたけどね!

塚本晋也さん演じるモキチなんて、鬼気迫っていて本当に素晴らしい演技でした。

まとめ

とても重くて苦しい映画でした。現代では考えられないほど理不尽な理由で沢山の人が処刑されていく場面が、これでもかと描かれています。とても観ていて辛いです。

だけど、宣教師ロドリゴと一緒に苦しみぬいた先に出会うフェレイラ神父の言葉、彼の生き様は「信仰を持ったまま人を自由にしてくれる」一種の光のようなもので、苦しんで映画を観るだけの価値があったと思わせてくれます。

自分の中で宗教とはビジネスである、というイメージがとても強いんですが。その反面、人々の心の支えになるとても不思議なものだなと感じています。

なんでだろう、結局こうしてキリスト教ネタの映画に惹かれてしまうのは、「何かを強く想い続ける人」に人としての強さを感じ憧れる部分があるからなのかもしれませんね。

ラストシーンで棺桶に入れられたキリスト像を見た時に、その強さを思い知ります。

とても、良い映画だったなぁ。

そして、支離滅裂な感想だなぁ・・・(笑)

 

 


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さ行

1st蜘蛛男を知ろう第二弾!『スパイダーマン2』ネタバレ&感想

スパイダーマンにはもうならない…2度と

初めてのスパイダーマン実写映画化、その第二弾!

アベンジャーズに新登場した三代目スパイディに惚れちゃった方はぜひ、初代の作品も観直そう!のコーナーですねー!

トビー・マグワイヤ扮するピーター・パーカーと、キルスティン・ダンスト扮するMJの恋模様が今回もうワンステップ進んだ形で描かれます!

アルフレッド・モリーナ扮するヴィラン『ドック・オク』とのバトルシーンも見ものです!!

【映画情報】

【原題】Spider-Man 2
【制作国】アメリカ
【監督】サム・ライミ
【脚本】アルヴィン・サージェント
【原案】アルフレッド・ガフ、マイケル・シェイボン、マイルズ・ミラー
【製作】アビ・アラド、ローラ・ジスキン
【製作総指揮】ジョセフ・M・カラッシオロ、スタン・リー
【撮影】ビル・ポープ
【美術】ニール・スピサック
【音楽】ダニー・エルフマン
【出演([]内は役名)】

  • トビー・マグワイヤ[ピーター・パーカー/スパイダーマン]
  • キルスティン・ダンスト[メリー・ジェーン・ワトソン]
  • アルフレッド・モリーナ[オットー・オクタビアス/ドック・オク]
  • ジェームズ・フランコ[ハリー・オズボーン]
  • ローズマリー・ハリス[メイ・パーカー]
  • J.K.シモンズ[J・ジョナ・ジェイムソン]
  • ディラン・ベイカー[カート・コナーズ博士]
  • ビル・ナン[ロビー・ロバートソン]
  • テッド・ライミ[ホフマン]
  • エリザベス・バンクス[ミス・ブラント]
  • ブルース・キャンベル[門番]
  • ウィレム・デフォー[ノーマン・オズボーン]

【公開日(日本)】2004年7月10日
【上映時間】127分
【配給】ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント
【前作】スパイディの成り立ちが分かる!映画『スパイダーマン』ネタバレ&感想
【次作】『スパイダーマン3』
【IMDB】7.3/10.0  (およそ451,000人の評価)

【あらすじ】

大学やアルバイトに加え、スパイダーマンとして闘うピーターは、憧れのメリー・ジェーンとすれ違うばかり。スパイダーマンへの復讐を誓う親友のハリーともうまくゆかず、人間関係に悩む。そんな時、優秀な科学者であるDr.オクタビウスに会うが、彼は実験中の事故で凶暴な怪人ドック・オクに変身してしまう。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

1では、スパイダーマンの成り立ちをよく知ることが出来ました。

今作は、スパイダーマンがスパイダーマンとして生きていく上での葛藤が描かれ、さらに親友であるハリーとの確執が深まっていき、次作でようやく激突するのかな!?という伏線としての物語にもなっています。

若干のツッコミどころもある

例えば、MJとの関係。前回、良い感じで終わったと思われた二人ですが、いつの間にか別れて親友としてのポジションに収まっています。しかもMJは新しい恋人と婚約・・・もうすごいテンポ早い!!

スパイダーマンやってたら彼女に危険が及ぶし離れていた方がいいよね!と思う気持ちも分かるんですが、それならその葛藤が生まれ始めて別れちゃうところも観たかった!!

それから、クライマックスの暴走電車を止めた後のシーン。スパイディのマスクが取れて顔が乗客にモロバレになっています。「私たちは決して口外しないよ」みたいな空気が漂っていたんですが・・・いやいや一人ぐらいは絶対話しちゃう人いるって!!今ならインスタ上げちゃうって!

スパイディの能力が突如失われてしまうのも、説明不足感が否めないですね。精神的な物が原因だったのか、それとも・・・結局そこのところの謎は分からずじまいで。

という・・・まぁ些細と言えば些細なところが少し、気になってしまいましたかね。

アクションシーンが楽しい

前回のグリーンゴブリンよりも、ヴィラン(敵役)であるドット・オクが現実にあり得そうな見た目になっているのも世界観に入り込みやすくて良いですし、そのタコのような足を巧みに使いスパイダーマンと電車の上や横に張り付いて戦うシーンは、重力どこいった!って感じで最高に楽しいです!

そしてクライマックスの電車を止めるシーンも、当時CMで散々見たような気がしますがやっぱりハラハラさせられますねー!

サム・ライミ監督の見せ場

ホラー映画で有名なサム・ライミ監督の一番の見せ場として個人的にお気に入りなのは、ドット・オクが悪に染まって研究員を襲ってしまうシーン!

大暴れする様子がものすごくホラー的な見せ方をしていて、どのシーンよりもあそこが一番観ていて怖かったですね!流石サム・ライミさん!!という感じがしました(*´∀`*)

まとめ

2作目ですが、面白さは1より上がっている気がします!
2004年、十年前とは思えぬアクションシーンは必見ですし、ヒロインであるMJはあまり評判良くないですが私的にはとても綺麗で可愛くて・・・大満足です。

ジェームズ・フランコ扮するハリーが、ついにスパイディの正体を知ってしまって・・・次作で彼は父の仇をうつため第二のグリーンゴブリンとなってしまうのか!?という引きもすごく気になる感じで終わっていました・・・。

スパイダーマン好きにはきっと満足できる一本になっていると思います!

このまま3も楽しめると良いなぁ!

 

 


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さ行

ぶっ飛んでるだけじゃない!『スイス・アーミー・マン』感想

”自由を奪われるのにどうして戻ろうとする?”

来ましたー!!!!私の大好きな大好きな俳優さん「ポール・ダノ」の劇場最新作です!!

いやまさかこんなことになってるとはおもわなかったよね(思わず全部平仮名)

何も知らずに(予告編も観ずに)ポール・ダノの新作だ!というだけで母親を連れて観に行ってしまったんですよね・・・・・・・この作品を観た人ならきっと「可哀想に」と思ってくれるかもしれません(笑)うちの母はかなり許容範囲の広い人なので助かりましたが。

ちなみにパンフはこんな感じ。

26Pで税抜き667円は普通と言うか、ミニシアター系ならありがちな感じですね。しかしよくこんなミニシアター系を近場のTOHOさんでやってくれたなぁと思ったら、意外や意外、サンダンス映画祭で最優秀監督賞を獲得していて賛否分かれる中でも賛の多い映画のようです。

内容としては、

  • ラドクリフ君の演技への情熱(スタントはほとんど使わずに自力で撮影に臨み、ポールもそれに応えて実際にラドクリフ君を担いだとか)とか、
  • 監督達のこの作品に込めたメッセージ性がとても真面目に語られていて、
  • メイキングについての話(森の中のバスは美術スタッフが実際に森の中にあるものを拾って作った)も読み応え抜群でした。

ちなみにタイトルの『スイス・アーミー・マン』とは「スイス・アーミー・ナイフ(十徳ナイフ)」から来ているようで、万能な死体ということが言いたいようです(笑)

【映画情報】

【原題】Swiss Army Man
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ダニエルズ(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)
【編集】マット・ハンナム
【撮影】ラーキン・サイプル
【美術】ジェイソン・キスバーディ
【美術監督】デヴィッド・デュアルテ
【セット装飾】ケルシー・エフレイム
【衣装デザイン】ステファニー・ルイス
【音楽】アンディー・ハル
【音楽】ロバート・マクダウェル
【声の出演([]内は役名)】

  • ダニエル・ラドクリフ[メニ―]
  • ポール・ダノ[ハンク]
  • メアリー・エリザベス・ウィンステッド[サラ]
  • アントニア・リベロ[クリシー]
  • ティモシー・ユーリック[プレストン]
  • リチャード・グロス[ハンクの父]
  • マリカ・キャスティール[リポーター]
  • アンディー・ハル[カメラマン]
  • アーロン・マーシャル[警察官]
  • シェイン・キャルース[検視官]

【公開日(日本)】2017年9月22日
【上映時間】97分
【配給】ポニーキャニオン
【IMDB】7.0/10.0  (およそ70,000人の評価)

【あらすじ】

遭難して無人島に漂着した青年ハンクは、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体が打ち上げられているのを発見する。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは意を決し、死体にまたがり無人島脱出を試みるが……。【引用元:映画.com

【感想(下品な言いまわしが予想されます)】

☆4.2/5.0

物語の核心に迫る部分はボカして書きます。

 

青春・サバイバル・アドベンチャー!(チラシのアオリ)とはよく言いましたなぁ!(笑)

常人には理解できないぶっ飛び設定

無人島に漂着した青年と死体の出会い。そして止まらないオナラ、加速していく下ネタ、ラドクリフ君の股間のテントと丸出しの尻とケツ毛。死体の尻から出る腐敗ガスでジェットスキーをしたり、口から出る水をウォーターサーバーやシャワー代わりにしたり、気付くと死体が喋り出して一緒に友情ごっこをしている・・・しまいには口から発する空気砲を利用して兎や鳥を仕留めだす・・・「監督’sは完全にキメてると確信したくなる数多の奇抜過ぎる発想と展開(笑)

終始、非常にバカバカしくて、くだらなさすぎて失笑→じわじわ笑い→いつしか爆笑→そして「あれ!?私泣いてる!?」という後半の切なさの畳みかけ。

ファンタジーではないしヒューマンドラマと言うほど共感は得られないだろうし、ゾンビ映画やホラーとも違う。ジャンル定義がかつてないほど難しく、他の映画では体験できない不思議なものを観た、そんな感じがしました(勿論良い方向の体験です)。

「この二人行きつくところまで行ったら、まぐわってしまうのだろうか?」という恐怖心を母親の隣で感じながら観ていたので(一人なら平気だった)、人を選ぶ内容ではあるもののオススメしない!とまでは言いたくないですが、ただ一つ、「絶対に一人で観て欲しい」これだけは言いたいですね(笑)人と観たら集中力が削らされます。

アホなナンセンス映画に見せかけて

この映画、くだらない下ネタのバカなコメディというだけでは決してないんです。

音楽の使い方(アカペラ最高)や編集はすごくハイセンスだと思うし、何より内容がしっかりとある。

「人のオナラはどうして嫌悪を感じるのか」という素朴な疑問から、凄まじい切り口で「人間社会とは、人生とは」というところまで深堀している。気がする(笑)

わざと、その疑問について考えさせるためにあれだけのバカをやって、観ている人間の”目を背けたくなる気持ち”を試しているようなそんな映画でした。ラドクリフ君がまるで子どものように何も知らず、そんな彼にポールダノが「人間とは何か」を教えていく過程が重要でしたよね。ラドクリフ君は、あの97分の映画の中で、「人生」をまるごと体験したんだと思います。ポールを通じて。

更に、「愛と成長」についての映画でもある。「恥じる事なく全てをさらけ出してこそ、相手の事も受け入れることが出来る」んですよね。二人の間に生まれたものは友情だけではなく、愛にも近いものだった。主人公は最後、勇気を出して恥を捨てることで「誰も愛せなくなって、誰にも受け入れられなかった自分」から一歩踏み出せた。そう思います。

(愛がいっぱいのバスのシーン、流石MV出身の監督達なだけあって最高に美しいです)

本当に、詰め込み過ぎてる!って思うくらいに色んなものが読み取れる、ただの下品でバカバカしいだけの映画ではないんです。

 

・・・しかし、ここまで思うより先に「ついていけない」「気持ち悪い」「不快」と思って拒絶する人は後を絶たないでしょう・・・(大丈夫、それがまともな人間社会の中での感覚だとも思うのです)

サンダンス映画祭でも、途中退席した人がいたみたいですね。

演技派俳優の二人に魅せられる

ラスト付近までたった二人で、ほとんどの時間をこなしていく。すごいことです。脚本の力と、主演二人の演技力あってこそ。

死体役のラドクリフ君はあまりの体当たりっぷりに、ハリポタで得た女性ファンを相当数失うと思うんですが、それすらなんとも思っていないような入り込みっぷりが逆に漢(おとこ)を感じさせるなぁと思ったのは私だけでしょうか(笑)

私の大好きで愛してやまないポールダノは、ラドクリフ君のぶっ飛び設定に食われがちですが、やっぱり真の演技派でした。あの女装した時の女っぽい仕草や目線がびっくりするほど自然で、笑ってしまいました(笑)

彼が本当に死体を親友と思って接していく過程も素晴らしかった、「自分は頭がおかしくなってしまった」と自覚しながらも、なぜか死体から離れられなくて、その根本には冒頭でボトルや船に書いていた「とても退屈」「助けて欲しい」「孤独に死にたくない」、この気持ちがあったからこそ。だから何にでも縋ってしまうし、冒険してしまうし、心を寄せてしまう。すごく切ない心境を序盤は隠しながら、本当に自然に演じていたと思います。

あー泣けてきた。

冒頭を思い返すと、余計に泣けます。

2人が映画を観たり、パーティで踊ったり、倒錯的なシーンではあるものの・・・凄く幸せそうで良い笑顔だったなぁ・・・。「幸せは常識に囚われない」という部分についても、考えさせられましたね。

まとめ

これは、「人間社会に適応できなかった孤独な男の最後の冒険と、希望を見出す旅」でもあると思うんです。あまりにバカげていて下品な表現も多々あって(というかそれがほとんどだけど)観る人を選んでしまう作品になってしまっていますが(笑)

逆にこの監督達の挑戦状かのような本作にぜひ失笑しながらも向き合って、そして「勝利」を勝ち取ってもらいたいなと思います。

一番重要なのは「一人で観ること」ですよ!!!(笑)

私は前知識なく母親を連れて観に行ってしまったので、冒頭15分くらいで「これは大変なことになった」とかなり焦りました。一人で観てください。絶対に。(笑)

 

ラストについての私の見解ですが、物語としてはしっかりと結論を出していたので、主人公の考えていたことが決してうやむやにならず、「希望」が残るラストでまとめられていたと思います。

スイス・アーミー・マンは万能なヒーローだったんだ!そういうことだよ!(笑)

 

 


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た行

絶体絶命を生き残れ。映画『ダンケルク』感想

When 400,000 men couldn’t get home…

Home came for them.

出ましたー!『ダークナイト』『インセプション』で人気を博したクリストファー・ノーラン監督の最新作!

今までと違い、史実ものかぁ・・・という若干の不安はあったものの、ノーラン監督ならきっと大丈夫でしょう!と思いながら映画館へ向かいました!

ちなみにダンケルクの戦いをテーマにした作品は他にも作られているようですが、そういったものは一本も観たことがありません。

パンフはこんな感じ♪

なんというオシャレな表紙!!カッコいいです。大きめで横長、右開き。50ページもあって税抜き760円。割とお得ですね!中身がフルカラーでなかったのは残念ですが、新聞のようでモノクロのページもオシャレでした。

内容としては、ノーラン監督の凄さをいろんな角度から切り取ったコラムがいくつも載っていたりダンケルクの歴史的な解説もあって、ボリューミーでしたね!

押井守監督も寄稿していたんですが、映画の感想よりも自分の映画作りについて書いてる部分が多くて笑ってしまいました(笑)

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か行

続編に期待高まる!映画『キングコング:髑髏島の巨神』ネタバレ&感想

人類よ、立ち向かうな

私一人ではスルーしていたかもしれない今作。映画仲間が「エンディングロールの後がすごいよ!」と笑いながら強く推していたので、レンタルで鑑賞。

主演は『マイティ・ソー』でソーの情緒不安定な弟役ロキを演じているトム・ヒドルストン。日本からは、ギタリストのMIYAVIが冒頭シーンで米兵と対峙する日本兵を演じています。

どうでもいいですが、「YOUは何しに日本へ」という番組でこの映画の監督がインタビューを受けていました(笑)ひげもじゃで結構若そうな監督でしたね~

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ら行

感情を持つ事が悪とされる世界で。映画『ロスト・エモーション』ネタバレ&感想

マルハナバチよ。
航空力学的には飛べないのに 彼らは知らずに飛び続ける

ジャケットの裏の”感情がなくなった世界”という文章と、主演が『エックスメン』シリーズのビースト(若い時)や『マッドマックス』のウォーボーイで知られるニコラス・ホルトというその2点のみでレンタルを決めました!

彼の出演作は『ウォーム・ボディーズ』が一番好きなんですが、ほんと、青白い顔と無表情が似合うというか上手いですよね・・・(笑)

ちなみに相手役は『トワイライト』のヒロイン役で有名なクリステン・スチュアートです。私は彼女の開いたままの口と前歯が気になって仕方がないので・・・ちょっと残念なキャスティングだなぁ。

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な行

『ニュー・シネマ・パラダイス』あらすじメモ(ネタバレあり)

以前、こちらのブログで感想を書きました『ニュー・シネマ・パラダイス』の「観ながらあらすじメモ」です。

感想の記事(故郷を離れた大人たちへ。映画『ニュー・シネマ・パラダイス』感想)と合わせてお楽しみください。

なお、ネタバレまで書いています。ご注意下さい!

青字は私の一口感想です。

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さ行

ゾンビの人権とは?映画『ゾンビ・サファリパーク』ネタバレ&感想

人間の良心は?ゾンビになったら良心はどこにいってしまうの?

久々にゾンビ映画を観ました!前回観たのは多分『ゾンビ・リミット』、その前が『アイアムアヒーロー』かな?前者はゾンビ感染が広がった後、治療方法まで見出された世界の話(ただし薬を毎日打たないとゾンビ化してしまう)で真新しかったし、後者は日本映画良くやった!!と褒めたいくらいに爽快な正統派ゾンビ映画でしたね!

何気にゾンビ映画も大好物なちびぞうです(*^ω^*)

一番好きなゾンビ映画はオチが斬新な『アンデッド』です!

今回はなんと、ゾンビの島でゾンビの射的が楽しめるよっていうリゾート地が開発されちゃっている世界でのお話。邦題はだいぶフザけた感じですが・・・中はどんな感じやら。

【映画情報】

【原題】The Rezort
【制作国】イギリス・スペイン
【監督】スティーブ・バーカー
【脚本】ポール・ガーステンバーガー
【製作】シャーロット・ウォールズ、ニック・ジロット、カール・リチャーズ
【製作総指揮】エイドリアン・ポリトウスキー、ジル・ワテルケン、アラベラ・ペイジ・クロフト
【撮影】ロマン・オーシン
【美術】ジェームズ・ラプスニー
【衣装】アリソン・ミッチェル
【音楽】ザカリアス・M・デ・ラ・リバ
【出演([]内は役名)】

  • ダグレイ・スコット[アーチャー]
  • ジェシカ・デ・ゴウ[メラニー・ギブス]
  • マーティン・マッキャン[ルイス・エヴァンス]
  • ジャッサ・アールワリャ[ジャック]
  • エレン・リス[セイディ]
  • クレア・グース[ヴァレリー・ウィルトン]

【公開日(日本)】2017年1月18日
【上映時間】90分
【映倫区分】PG12
【配給】ポニーキャニオン
【IMDB】5.3/10.0  (およそ4,600人の評価)

【あらすじ】

20億人が犠牲となった人類対ゾンビの戦争から7年。生き残ったゾンビを孤島に隔離してゾンビ狩りを楽しむアトラクション「リゾート」が人気を集めていた。戦争で父を亡くしたメラニーは、ゾンビ狩り療法がトラウマ克服に良いと聞きつけ、パートナーのルイスと共に島にやって来る。しかし、何者かが「リゾート」のシステムにウィルスを仕かけたためにセキュリティが制御不能となり、島中にゾンビが解き放たれてしまう。さらに「ブリムストンプロトコル」が発動され、島は5時間後に自動的に空爆されることに。何も知らないメラニーたちは、野外キャンプでゾンビ狩りを楽しんでいたが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.3/5.0

誰しも思いつきはするけどやってこなかったこの世界観・・・。なぜ誰もやらなかったか?それは”たとえゾンビでも元は人間である”という部分が暗黙の了解というか。見れば分かるというか。倫理的に当たり前というか。だったからなんでしょうね(笑)

全体的にツッコミどころ満載でしたね、やっぱり。分かっていたけども。でもそれでも観てしまう・・・それがゾンビ映画の不思議な魅力・・・

ツッコミどころ

  • ゾンビとの戦争で20億人も失った

まず”ゾンビとの戦争”という言い回し、そして犠牲者の数字に笑ってしまった。おそらく噛まれて死んでいるとすればその人たちも全員ゾンビに違いないので世界人口70億人だとしたら4分の1~3分の1はゾンビですよ!近所の人3~4人に1人がゾンビ!人類滅ぶって!

まぁ、じわじわと広がっていってゾンビ化→ヘッドショットしていって最終的に出た被害者が20億人・・・ということなんでしょうね。冷静に考えれば他のゾンビ映画でもそれぐらいの犠牲者が出ていそうなものはありますが、具体的な数字を提示されることがあまりないのでシュールに感じてしまいました(笑)

  • どう考えてもタブーなリゾート地

ゾンビの生き残りが見つかった島全体をリゾート地に改造。街中に、ゾンビが板のようなものに括り付けられていたり、あるいは鎖で繋がれていたり、それがまるでアトラクションのようにバーンと出て来る。そしてそれを射的のように本物の銃で撃ち殺す。という場所が舞台。

お客はみんなそれぞれ、復讐だったりトラウマ克服の治療だったり、ただはしゃぎたくて来てたりと理由は様々ですが・・・。そもそも”ゾンビを生け捕りにして的にする”という発想が反倫理的に思えるんですよね。だって元は人間の、生ける屍なわけで・・・そのゾンビも誰かの親であり子どもだったわけですよ。いくら動くし襲ってくるからって自分の家族や親類の死体を的にして銃で撃って楽しむなんてことは・・・普通の神経してたら出来ない気が・・・。しかも客の中には16歳の少年まで!いくらガンシューティングゲームの優勝者でもなぁ・・・。

(ゾンビ映画好きの私が倫理観を語るのか?という点は一旦置いておいていただきまして・・・(笑))

  • ぐだぐだのセキュリティ

ゾンビの島にこのリゾート施設のセキュリティルームのようなものを置いている事も「おいおい」ですし、ハンティングが始まる前夜祭の会場からセキュリティの中枢へアクセス出来る場所へお客がすぐに入れてしまうことも「おいおい」ですし。

しかもセキュリティにウィルスを仕込む女は手首にコードをメモっててそれを見ながら打ち込んでるし・・・。そんなとこに書いてたら怪しまれるし何よりすぐ消えちゃうでしょ!!

そしてそんな簡単にセキュリティは破られてしまうのに、島の職員は「鉄壁のセキュリティのはずが何故」とか言っているのでもう笑うしかないです。

  • 脚本もぐだぐだ

ネタバレになりますが、今作を観ながら書いていた私のメモが残っているのでそれを貼ります。

「島だし、客にはヘッドショットを教えているわけだし、いつかはゾンビの数が絶えるのを考えると、どこかから人間を補充していると考えるのが妥当。
先の無いビジネスすぎるもん。
おそらく最初の方で見た難民とかを島に投入してそう
そしてこの島でゾンビになった人の中に家族がいたりしたら、やめさせたくなるのかも。」

90%この通りでした!!

予想から外れたのは、このリゾート地を止めるためのスパイの女は、”リビング2”というゾンビの権利団体の女だったということです。でも大体合ってた。

こんな簡単に予測できてしまって、しかもそのスパイの招待が客の中から発覚する流れも唐突ですし、特に大きな人間ドラマもなくヒロイン以外は全員しんでしまうのです。なんだそりゃ、という感じ。

まとめ

ちょっとだけ、ゾンビの人権?というものを考えるシーンがあって、そこだけは良かったかなー。ラストのヒロインの台詞も良かったです。

ただせっかく、今までなかった事をしているのだからもう少しタブー方向に振り切れてしまっても面白かったかもしれません。中途半端に真面目なので、ネタとしても楽しむことが出来ず、また、昔ながらのB級ホラー映画の様式美(例えば意味のない美女の裸とか、意味のない女同士の絡みだとか、すぐにしぬ頭の悪そうなカップルとか)が踏襲されているわけでもないので、ホラー洋画ファン的にもいまいち。全体的に残念な作品でした。

 

 


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あ行

もしもあの時。アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ネタバレ&感想

繰り返す、夏のある一日。花火が上がるとき、恋の奇跡が起きる――

TOHOさんの6本で1本無料があったのでね、気軽な気持ちで観に行ってみました!映画館へ!

原作は岩井俊二監督の同名作品。邦画もありますし、ドラマにもなっているようです。そして更にその原作となった小説もある!

私はどれも未見で、観てきました。

パンフはこんな感じ

何気に42Pもあって分厚いです。税抜き667円!安い!気合入ってる!