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巨大迷路の謎を解け!映画『メイズ・ランナー』ネタバレ&感想

「――君だ。彼らのお気に入りだった」

メイズ(迷路)をラン(走る)するシリーズの最新作が遂に日本でも2018年6月に公開されまして・・・!

ちびぞうはまーーーーさかこのシリーズを最後までやるなんて!!!という驚きでいっぱいでしてですね。というのも1はそこそこ、2はガッカリ・・・という感じで、正直『ライラの冒険』のように打ち切りされるのでは・・・と考えていたからであります。

しかしちびぞうの感想とは裏腹に本国では2作目もそこそこ人気だったようで、そんな打ち切りの心配をするほどではなかったようですね。イヤァヨカッタヨカッタ!

というわけで、新作を劇場で観るために過去作のおさらいをしました~

今作は、子役だったウィル・ポールターくん(『デトロイト』『なんちゃって家族』)や、トーマス・ブロディ・サングスターくん(『ラブ・アクチュアリー』でドラム叩いてた子!)が立派に成長した姿が見れますし!!!こちらの映画で一人異質な輝きを放つキー・ホン・リーくん(『プリズン・エクスペリメント』に出てると知ってびっくらこいた)にも注目して頂きたいですね!!

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【映画情報】

【原題】The Maze Runner
【制作国】アメリカ
【監督】ウェス・ボール
【脚本】ノア・オッペンハイム、グラント・ピアース・マイヤーズ、T・S・ノーリン
【原作】ジェームズ・ダシュナー
【製作】エレン・ゴールドスミス=バイン、ウィク・ゴッドフリー、マーティ・ボーウェン、リー・ストールマン
【製作総指揮】ジョー・ハートウィック・Jr.、エドワード・ガマラ、リンジー・ウィリアムズ
【撮影】エンリケ・シャディアック
【美術】マーク・フィッシェラ
【衣装】シモネッタ・マリアーノ
【編集】ダン・ジマーマン
【音楽】ジョン・パエザーノ
【出演([]内は役名)】

  • ディラン・オブライエン[トーマス]
  • カヤ・スコデラリオ[テレサ]
  • アムル・アミーン[アルビー]
  • トーマス・ブロディ=サングスター[ニュート]
  • キー・ホン・リー[ミンホ]
  • ウィル・ポールター[ギャリー]
  • パトリシア・クラークソン[エヴァ・ペイジ]
  • ブレイク・クーパー[チャック]
  • デクスター・ダーデン[フライパン]
  • クリス・シェフィールド[ベン]
  • ジェイコブ・ラティモア[ジェフ]
  • ジョー・アドラー[ザート]
  • ランドール・D・カニンガム[クリント]
  • アレクサンダー・フローレス[ウィンストン]
  • カール・グリーン

【公開日(日本)】2015年5月22日
【上映時間】113分
【配給】20世紀フォックス映画
【映倫区分】G
【IMDB】6.8/10.0  (およそ367,252人の評価)

【あらすじ】

高い壁で囲まれたエリアに、記憶を失った1人の少年が姿を現す。そこには月に1回の頻度で彼と同じような若者が生活物資と共に送り込まれており、彼らはコミュニティを形成して暮らしていた。エリアの周囲には巨大な迷路があり、その謎を解明しなければ外界へ戻ることはできない。迷路の扉は夜になると閉ざされ、朝が来るまでに内部の構造が変化してしまう。若者たちは脱出を図るべく迷路の探索を続けるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.7/5.0

ミンホ!ミンホがカッコいいよ!!!!

ミンホというのは唯一のアジア系で、劇中では「ランナー」という役回りをしているキャラクターです。この彼の「出来る男」風のキャラが(というか実際に出来る男だからランナーやってるんでしょうけども!!)良いんですよね・・・。

他にもギャリーやニュートが良いキャラしています。彼らのキャラを好きになれるかどうかも重要ですね!!

メイズ・ランナーのルール

この、『ハンガー・ゲーム』とめちゃめちゃかぶってる感じの今作。ヤングアダルト向けの小説ブームで出てきた作品だけあって、すごく似てます。

だから逆に『ハンガー・ゲーム』っぽいのが好きな人ならハマれるのかも。
(またこういう感じかぁ、と思う部分も否めないけど)

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このメイズ・ランナーのルールというか設定はこんな感じ。

  • ”グレード(あの地)”と呼ばれる巨大な壁に囲まれた広場に、男の子たちがコミュニティを作って暮らしていた
  • WCKDというロゴの入った物資と共に、月に一度新入りのメンバーが箱に入れて届けられる
  • 運ばれてくる男の子たちは、グレードに来る前の記憶がなく、思い出せるのは自分の名前だけ
  • 一番最初にやってきたアルビーを筆頭に、それぞれが食物を育てたり家を建てたりと役割分担をして暮らしていた
  • グレードを囲む壁は日中開いており、その奥のメイズ(巨大迷路)に入れる
  • メイズには”グリーバー”と呼ばれるモンスター(巨大な蜘蛛の見た目をしたメカ)が徘徊していて、その姿を見たものは帰っては来られない
  • ランナーと名付けられた役割の者たちだけが朝から夕方までメイズに入り、迷路の仕組みを調べている
  • 迷路は毎日形が変わる
  • グリーバーに刺されると凶暴な人格へと豹変してしまう

こんな感じ。

おおまかなストーリー

グレードの中である程度の秩序を守って暮らしてきた男の子たち。
しかし、主人公のトーマスが来たことで状況が一変。

積極的にメイズに入り脱出を試みようとするトーマスに対して、秩序を乱すなと主張する保守派のギャリーとの対立が起きたり、今まで一人もいなかった女の子「テレサ」がやってきたり、しかもテレサはトーマスを知っているっぽかったりと、何やらトーマスが変化をもたらす存在だということが示唆される。

昼間なのにグリーバーに刺されてしまう仲間が出たり、夜になっても壁が閉まらずにグリーバーがグレードを襲ったりと平和に暮らしていたくてもそうは出来ない状態になってしまい、迷路の外に脱出しようとするトーマスに多くの仲間がついてメイズへと飛び出していく。

様々な殺人罠をかいくぐり、グリーバーとの戦いを経て、脱出した先にあったのは巨大な研究施設WCKDの内部。
しかしそこは何者かに襲われた様子で死体が散らばっており、そこのトップと思わしき女性(エヴァ)の最期のメッセージが用意されていた。そのメッセージには、地球が太陽に焼き尽くされ「フレア・ウィルス」という人を凶暴化させてしまうウィルスに襲われ人類は滅亡の危機に瀕していること、しかしそのウイルスに免疫を持つ若者が現れ、彼らを危機に瀕した状況に追い込むことで脳の動きなどを観察・研究していたこと、それがグレードと彼らが呼んでいた場所の目的だった事が明かされる。そしてメッセージの最後には

混乱気味の一行はとりあえず研究施設から出ようとするが、グレードから追って来たギャリーに襲われ、チャック(くるくる天パのおデブちゃん)を撃たれてしまう。チャックを助けようとしたトーマスに刺されてギャリーも死ぬ。

WCKDの兵隊がやってきて、彼らは保護される。

メッセージの最後に自殺したエヴァは実は生きており、ラストで「トーマスは想像以上の働きをしてくれた。実験は第二段階に入る」と言い残して映画は終わる。

面白い点とツッコミどころ

面白かったのは、メイズの謎解き

迷路の中を調べて出口を探すという役割をしているランナーが、実は既に迷路の中身を知り尽くしていて、外には出られないと分かっているのに皆に希望を与え続けるため毎日ランナーとしてメイズに入っていたと分かるところが良いですよねー。

しかし、トーマスがグリーバーを倒したことで外側の壁が開くようになると発見したり、そこから「本当に出られるかも」と希望が出てくるのも面白い。
外側の壁の先にある研究施設に出るための暗証番号も、迷路のセクションごとの床に書かれていた数字の並びになっており、ランナーとして三年間、メイズを知り尽くしたミンホだからこそ答えられる!というところも良かった。

それから、グレードに投入されていたメンバーは自分の名前しか覚えておらず、そこで暮らしていくために助け合っていたというのも世界観として面白いですよね。
亡くなったメンバーの名前を壁に刻んでいくというあの場所ならではの追悼の仕方も良かった。

ツッコミどころはわりと沢山ありますね!!!

細かい脚本のアラみたいなものがちょいちょい気になるんですけども(そもそも免疫を持ってる若者を苦境に立たせて脳を調べるために三年も使ってる意味も必要性も何も説明されないし、まぁ一作目なのでそこらへん謎だらけでも良いかもしれませんが・・・)、一番ちびぞうが気になったのは、

最後、ギャリーはどうやってトーマスたちを追って来たのよ?

という点・・・。

そもそもランナーではなかったギャリーがみんなのあとを追って迷路に入ったとしても”外側の壁”まで辿り着けるとは思えないですよね・・・こっそり後をつけたとしても、暗証番号を把握してないからあの扉を超えられないじゃないですか・・・。

あの場面だけはどうしても納得出来ない!!!

まとめ

元々、ヤングアダルト向け小説が原作になっているということもあるので、日本で言うところのラノベ原作みたいな感覚で楽しむのが正しいのかもしれません!

1は引きもバッチリ、謎もたっぷりで、2に期待しながら終われる良作です♪

ちびぞうはミンホのファンになったので、彼が続編に出てるってだけで十分追いかけられますね!

新進気鋭の俳優陣の演技にも注目です!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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さ行

その死体は、悪臭漂う湿地で見つかった。映画『湿地』ネタバレ&感想 

「このミステリーがすごい!」選出。世界的傑作ベストセラーを完全映画化

というアオリ文なんですけどね。どうなんですかね。

こちらレンタル店にてちびぞう母チョイスのミステリー?です。

もう一つのアオリ文は

「”ドラゴン・タトゥーの女””特捜部Q”に続く北欧ミステリーの衝撃作!!」

なんですけども・・・北欧ミステリーってちびぞう的には少し微妙だったりするんですよね・・・。『ドラゴン・タトゥーの女』のハリウッド版の映画は大好き!!だったんですけど、そこから原作となった北欧ミステリーのテレビドラマ版?を観たら

寝てしまいましてね・・・

最後までちゃんと観れなかったんだよなぁ。なのでちょっと不安になりつつも鑑賞です。

【映画情報】

【原題】Myrin
【制作国】アイスランド、デンマーク、ドイツ
【監督/脚本】バルタザール・コルマウクル
【原作】アーナルデュル・インドリダソン
【撮影】ベルクステイン・ビョルグルフソン
【美術】アトリ・ゲール・グレタルソン
【編集】エリザベト・ロナルドドッティル
【音楽】ムギソン
【出演([]内は役名)】

  • イングバール・E・シーグルズソン[エーレンデュル警部]
  • オーグスタ・エバ・アーレンドスドーティル[エヴァ]
  • ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン[オルン]
  • オーラフィア・フロン・ヨンスドッティル[エレンボルク]
  • アトゥリ・ラフン・シーグルスソン[オルン]
  • テオドール・ユーリウソン[ルーナル]
  • ソルステイン・グンナルソン[ホルベルク]

【公開日(日本)】2015年1月31日(トーキョーノーザンライツフェスティバル2015にて)
【上映時間】94分
【IMDB】7.0/10.0  (およそ4,600人の評価)

【あらすじ】

アイルランドの湿地帯に建つ家屋で男性の死体が発見された。エーレンデュル刑事は捜査を開始。部屋の中を捜索すると、引き出しの裏側に一枚の写真を見つける。それは数十年前に起きたレイプ事件の被害者が生んだ娘ウイドルの墓の写真であった。少女の墓を調べ遺体を掘り返すと脳がなく、悪性の脳腫瘍で亡くなっていたことが発覚。刑事は、かつてホルンベルクという男が行ったと思われるレイプ事件の被害者を探すことに・・・。

【感想(ネタバレするよ!!)】

☆1.0/5.0

わーこれあらすじがどこにも載ってないやつだ!困った!自分で書くしかない!書きました!!

ううううううううううううんんんんんごめんなさい!!!!!!

「これだから北欧ミステリーは!」

と一括りにはしたくないんですけどね!?

やっぱりつまんなかったです・・・。

ちなみに原題の「MYRIN」はまんま「湿地」という意味です。端から端まであまりひねりがない・・・。(すいません・・・)

ちびぞう的には悲惨なんだけど、IMDBだと結構評価があったりするので・・・好きな人は好きなのかもしれない・・・。

おおまかなストーリー

難病の娘が治療の甲斐なく亡くなってしまい、葬式が営まれるシーンがオープニングです。

そして場面は飛んでエーレンデュル刑事が湿地帯の家屋で発見された死体の捜査を始める場面から物語は始まります。

その湿地は夏場は悪臭が漂う家だった・・・(そして後に床下からも死体が見つかるんだけどね!その臭さもあって悪臭漂ってたのかな!)

家の引き出しの裏側から見つかった封筒に入っていた写真から、とある墓地を特定する。そこを暴くと、ウイドルという娘の死体が発見された。

刑事は、彼女の母が何十年か前にレイプされて生まれた子どもだという事を明らかにし、そこから同じレイプ事件の別の被害者を探そうとする。
同時にその死体には脳がなく、悪性の腫瘍で亡くなっていたことが分かるのであった。

なんやかんやあって、犯人はオープニングに登場した「娘を病気で亡くした男」だと言うことが判明。

彼(犯人)は自分の娘の病気が極めて稀な遺伝性の病気にかかっていたと知り、そのルーツを独自に探していた。すると、自分の本当の母親は別におり、彼女がレイプされて自分が生まれたのだということを知る。

そして、レイプ犯でもあり実の父親であるホルンベルクを殺害するのであった・・・。

なんやかんや推理した刑事に事件を暴かれた父親は拳銃自殺してしまう。

というお話!

感想は・・・

うーん退屈ですね。全体的に画面が暗くて、物語の盛り上がりも特になく、淡々と話が続いていく・・・

更に時系列がややこしくなっていたり、登場人物が誰が誰やら分からなかったり、名前も聞き慣れないものばかりで覚えにくしで・・・観てるこっちが臭い沼にズブズブとはまって抜け出せなくなりそうです(笑)

こういうのが北欧ミステリー!!って印象を付けられてしまうとあんまり良くないとは思うんですけど、「ドラゴン・タトゥーの女」もちびぞう的には似たような感じであんまり好きにはなれなかったので・・・きっと北欧ミステリーとちびぞうの相性が良くないんだな!!!(笑)

設定的には、亡くなった娘が持っていた遺伝性の病気が発症した原因が何か突き止めようとする、そしたら自分がレイプで生まれた子どもだという事を知る。その原因となった男を(娘を亡くした復讐心から)殺してやろう!という動機で結構真新しいというかぶっとんでるというか。もしかしたら原作は面白いのかもしれませんね・・・。

(でも元を辿れば遺伝元はその先にもいるわけで、しかも確かに娘は病気で亡くなってしまったんだけども、父親がいなかったら娘も生まれてこないわけで・・・というタイムトラベルのジレンマのようなことを悶々と抱えてしまうな・・・)

つまりまぁ、亡くなってしまったけど、そこまでのかけがえのない時間や娘と過ごした幸せな思い出だって、言ってみればそのレイプ犯のおかげだったりするわけで(しかも蓋を開けてみればレイプというかただの浮気で後々母親は脅されたらしいけど行為自体は合意だったらしいし)殺すほどのことなの?と思ってしまうというか。

うーーーーーーーん動機が弱い!!!

まとめ

全くオススメしません!!(笑)

マイナーな俳優さんばかりだから、俳優目的で観てねとかもなかなか言えないし・・・。

観てみようかな?って思った人がいたら、多分原作を読んだ方が面白いかもしれませんよ。

 

 


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画像引用元:映画.com

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汚男に愛されまくるイヤミスの映画化!『彼女がその名を知らない鳥たち』ネタバレ&感想

共感度ゼロの最低な男と女が辿り着く“究極の愛”とは

阿部サダヲ×蒼井優!そして原作は『ユリゴコロ』と同じ沼田まほかるさん!

吉高由里子が美しき殺人鬼に。映画『ユリゴコロ』ネタバレ&感想

監督は『凶悪』『孤狼の血』の白石和彌監督。ちびぞうは今回、初白石作品となりました。

今回は沼田さんファンの友人が劇場で観た時の反応がいまいちっぽかったので劇場スルー。
原作も未読のままレンタルで鑑賞しました。

「カノ鳥」公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】白石和彌
【脚本】浅野妙子
【原作】沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち(幻冬舎)」
【エグゼクティブプロデューサー】藤本款
【プロデューサー】深瀬和美、山本晃久、西口典子
【企画】西口典子
【撮影】灰原隆裕
【照明】舟橋正生
【録音】浦田和治
【美術】今村力
【衣装】高橋さやか
【ヘアメイク】有路涼子
【編集】加藤ひとみ
【助監督】茂木克仁
【制作担当】宮森隆介
【出演([]内は役名)】

  • 蒼井優[北原十和子]
  • 阿部サダヲ[佐野陣冶]
  • 松坂桃李[水島真]
  • 村川絵梨[國枝カヨ]
  • 赤堀雅秋[酒田]
  • 赤澤ムック[野々山美鈴]
  • 中嶋しゅう[國枝]
  • 竹野内豊[黒崎俊一]

【公開日(日本)】2017年10月28日
【上映時間】123分
【配給】クロックワークス
【映倫区分】R15+
【IMDB】6.5/10.0  (およそ210人の評価)

【あらすじ】

下品で貧相、金も地位もない15歳上の男・陣治と暮らす十和子は、8年前に別れた黒崎のことを忘れられずにいた。陣治に激しい嫌悪の念を抱きながらも、陣治の稼ぎのみで働きもせずに毎日を送っていた十和子は、黒崎に似た面影を持つ妻子ある水島と関係を持つ。ある日、十和子は家に訪ねてきた刑事から、黒崎が行方不明であることを告げられる。「十和子が幸せならそれでいい」と、日に何度も十和子に電話をかけ、さらには彼女を尾行するなど、異様なまでの執着を見せる陣治。黒崎の失踪に陣治が関係しているのではないかとの疑いを持った十和子は、その危険が水島にまでおよぶのではとないかと戦慄する。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ)】

☆3.5/5.0

沼田まほかるさんが70歳だからか、この方の原作の映画は少し時代背景が古いですね。昭和感のある映画でした。

ちびぞうはラストはあまり泣けませんでしたが、愛は感じました。
阿部サダヲの愛がとにかくすごい。無償の愛。恋愛という域を超えた、親子の愛のような・・・マザーテレサのような愛なんですよね。

原作の沼田まほかるさんが寺出身で僧侶をしていたということを考えると、この神のような愛の表現にもなんとなく納得。
人の為に自分を犠牲に出来るというのは、究極ですよね。

主要の登場人物が全員クズ!!!!

  • 主人公の十和子は陣冶の稼ぎでぐうたら生活しているし悪質クレーマーだし引っかかる男はどれもダメンズという残念な女・・・
  • そのそばで十和子を愛する陣冶は不衛生で身なりやご飯の食べ方が汚く、生活力もあまりなく彼女に何度も電話してくる心配性(が過ぎてもはやストーカーレベル)で冴えないデリカシーのない(さらに言えば多分EDで男性としての機能も???)男
  • 十和子が8年も忘れられない元カレの黒崎は金のために別の男に十和子を抱かせたり、突然彼女を捨てて別の女と結婚しようとしたり、それに抗議したらボッコボコに暴力をふるってくる男
  • 十和子が新たに出会った時計店勤務の水島はいつも大きなことをペラペラと語る口先だけの人間で簡単に手を出してくる上に既婚だったという男。
  • 黒崎が結婚した妻の叔父に当たる國枝という老人は黒崎が金に苦労していたのを利用して若い女を都合させる

こんな感じで出てくる人出てくる人大体がしょうもない人間なんですけども、ちびぞうが一番気に入らなかったのは主人公の十和子でした・・・。

アホすぎてアホすぎて・・・どうして一度失敗したら学ばないんだろうと・・・どうして何度も同じような男に引っかかるのかと・・・

それにあれだけ愛されてるんだから、陣冶の不衛生なところとかファッションとか身なりに関して、食べ方が汚いのとかも全部十和子が強く言えば直してくれるんじゃないですかね。
だってあれだけ愛されてるんだから。愛されてるのも知ってたんだから。

愛されてるのも知っていたし多分十和子にとっても陣冶の存在は大きかったんだろうなって映画を最後まで観ると分かります。

だからこそ、彼女の終盤までの陣冶に対する態度にイライラしてしまうという。

陣冶は十和子に愛されていた?

なんだかんだ言って十和子は、あの汚くて不器用な陣冶を選んで、そばにいたんだと思います。上で散々「直させればいいじゃん」と書きつつ、わざと十和子は陣冶をあのままにしていたんだとも思うんです。

周りにいるクズ男たちとは似ても似つかないような不衛生感、だらしなさ、生活力のなさ、そして体を求めてこない男性としても機能してなさそうな点。全てが今までの男と正反対で、だからこそ「優しい」と分かる。だからこそ「愛されてる」と分かる。

自分がどれだけ厳しく彼に接しても、だらしない姿を見せて甘えても、彼はそれでもいいと自分を受け入れる。

黒崎と接する時の彼女は猫撫で声で、いかにも「女らしく」取り繕っている感じがした。しかし、素の彼女は全然女らしくもなければ優しさもないし、小さなことで店員にケチをつけたりする心の狭い女だったりする。

陣冶はありのままの十和子を愛したように、十和子もありのままの陣冶だからこそ選んだのだと思う。そこにはちゃんと、いびつな形でも愛があったんだと思う。

あ・・・泣けますね(今きた!涙が!)

陣冶の自己犠牲

このお話の大きなネタバレとして、陣冶の自己犠牲がなんだったのか、という点があります。

序盤から中盤にかけて、陣冶の十和子に対す津異常な愛が彼をストーカーやそれ以上の犯罪的な行為に走らせていた、という風に観客をミスリードしつつ、本当は十和子の犯した罪のため奔走していた・・・というラストでビックリ!!な仕掛けになっています。

1つ目は、元カレの黒崎の失踪。その真実は、結婚するからと別れを告げられボコボコに殴られた十和子が黒崎を殺してしまったということ。十和子は心神喪失状態でありながら陣冶に電話し、異常を察した陣冶がかけつけ、死体の処理をしてくれます。そして死んだように眠っていた十和子が目を覚ますと、彼女は事件の事を忘れてしまっていた・・・。だから陣冶は彼女の罪をかぶり自分がそれを行った・・・という事にしたのです(まだ黒崎の事件は公になっていませんが、公になったとしたら自分が犯人だと自白するつもりだったのでしょう)

2つ目は、水島の件。十和子は再び男に裏切られ、水島をナイフで襲ってしまいます。しかしそこにも陣冶が駆けつけ「俺がやったと言え!」と言って水島を逃がします。この件によって十和子は過去の事件も思い出し、陣冶が自分の為に何をしてくれたのかを知ることになります。

十和子を執拗に心配し、こまめに連絡を入れていたのはストーカーとかそういうものではなく、過去の十和子の行動を考えれば当然の事だった、という事も見えてきます。

陣冶はなぜ最後、あの選択をしたか

多分、二人の関係が破滅的だったからでしょう。

人はどこまでも自堕落になれるし、それを許してしまう人間がそばにいると、状況は上向いていかないんですよね。
本当ならそばにいて、十和子がしっかりしていければ良いんだけど、多分陣冶ではそういう相手にはなれなかったと思うんです。

だから二人の間に特別な愛があっても、ずっと一緒にいるわけにはいかなかったのかなぁと。

陣冶は自分の全てを犠牲にして十和子を守っていたけど、でもそれもずっとは続かない。
今後黒崎の死体が発見され水島の証言などから十和子の罪が明らかになるかもしれません。でも、本当はそうでなくてはいけない。本来なら罪は犯した本人が償うべきだからです。

彼が全てを犠牲にし、自分の命を断ってでも彼女から離れる事で、彼女はこれから先、再び自分の足で歩いて行けるようになると信じたのでしょう。

飛び降りる直前に言っていた

「陣冶は十和子の子どもになって生まれてくるから。陣冶を育てるんやで」

という感じの台詞は結構な気持ち悪さがあり、とても陣冶らしくて良い台詞ですよね(褒めてます)

彼女が罪を償い、きちんとした生活を送り、本当に幸せになれる相手を見つけて、いつか子どもを作り育てる。そんな先までを呪うようにしながら死んでいった陣冶。
決して後味の良い終わりではないんですが、エンドロールが流れる頃には観客は間違いなく「愛」を感じているはず。

まとめ

イヤミスながら心が変に温かくなる、不思議な映画でした。

十和子には最初から最後まで苛立ちますけどね!!

阿部サダヲと蒼井優の主演二人のハマりすぎている名演技もですが、助演のクズ男たちの演技もなかなかに素晴らしいので、その辺にも注目して頂きたいです。

 

 


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画像引用元:映画.com

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有名すぎるミステリーの2度目の映画化!『オリエント急行』ネタバレ&感想

私は信じたい。人間は理性や教養がある生き物だと。

 

おそらく世界で一番有名なミステリー作家、アガサ・クリスティが1934年に発表した、これまた有名すぎるミステリー小説「オリエント急行殺人事件」の2度目の実写映画化です!

ちびぞうは1974年の映画は未見なのですが、『名探偵ポアロ』というテレビドラマシリーズで「オリエント急行の殺人」を観た事がありました。
そのせいかポアロと言えば、デヴィッド・スーシェ!(↓この人)



というイメージがついてしまっているので・・・今作でポアロを演じるケネス・ブラナ―(監督もしています)に違和感を感じないか心配・・・。

ちなみに劇場で観ようかとも思ったのですが、近年のジョニデの出演作は敬遠しがちになっているのと、内容を知っている作品だったので劇場はスルーしました。
というか、この改変しようのない不朽の名作を再び映像化って結構勇気ありますよね・・・。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Murder on the Orient Express
【制作国】アメリカ
【監督】ケネス・ブラナ―
【脚本】マイケル・グリーン
【原作】アガサ・クリスティ
【製作】リドリー・スコット、マーク・ゴードン、サイモン・キンバーグ、ケネス・ブラナー、ジュディ・ホフランド、マイケル・シェイファー
【製作総指揮】アディッティア・スード、マシュー・ジェンキンス、ジェームズ・プリチャード、ヒラリー・ストロング
【撮影】ハリス・ザンバーラウコス
【美術】ジム・クレイ
【衣装】アレクサンドラ・バーン
【編集】ミック・オーズリー
【音楽】パトリック・ドイル
【ジョージ・マーフィ】
【出演([]内は役名)】

  • ケネス・ブラナー[エルキュール・ポアロ]
  • ジョニー・デップ[エドワード・ラチェット]
  • ミシェル・ファイファー[キャロライン・ハバード]
  • ジュディ・デンチ[ドラゴミロフ公爵夫人]
  • ペネロペ・クルス[ピラール・エストラバドス]
  • デイジー・リドリー[メアリ・デブナム]
  • ウィレム・デフォー[ゲアハルト・ハードマン]
  • ジョシュ・ギャッド[ヘクター・マックィーン]
  • デレク・ジャコビ[エドワード・マスターマン]
  • レスリー・オドム・Jr.[ドクター・アーバスノット]
  • マーワン・ケンザリ[ピエール・ミシェル]
  • オリビア・コールマン[ヒルデガルデ・シュミット]
  • ルーシー・ボーイントン[エレナ・アンドレニ伯爵夫人]
  • マヌエル・ガルシア=ルルフォ[マルケス]
  • セルゲイ・ポルーニン[ルドルフ・アンドレニ伯爵]
  • トム・ベイトマン[ブーク]

【公開日(日本)】2017年12月8日
【上映時間】114分
【配給】20世紀フォックス映画
【映倫区分】G
【IMDB】6.5/10.0  (およそ140,050人の評価)

【あらすじ】

トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺された。教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。そして、この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロは、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑む。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.5/5.0

うーーーーーーーーーん。普通に観れますよ!ただやっぱりね、筋を知っているのであんまり驚きはないんですが!

キャストを見て頂ければ分かると思うんですけど、すっっっごい豪華なんですよ。

ジョニデから始まりペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ウィレム・デフォー、ミシェル・ファイファーなどなど、名前を一度は聞いたことのあるような有名俳優さんや大御所俳優さん、一人で主役級の方々がごっそり!出演されています!

1974年版の映画化でも、キャストが豪華だったことが特徴だったようで、今作もそこにインスピレーションを受けているようですねーーー。

彼らの演技合戦を観るだけでも価値はあるかもしれません。

個人的にはウィレム・デフォーの出番をもう少し増やして欲しかった・・・。

ポアロはどうだったか?

オープニングのイスラエルでの謎解きでいかにポアロが有能な探偵かが描かれつつ、朝食に食べる卵は2つ、まったく同じ大きさ形のものでなければ気が済まないだとか、動物のフンを片足で踏んでしまったらもう片方の足でも踏まないと気が済まないという「きっちりっぷり」「左右対称大好き」がよく表現されていたと思います。この設定は今作ならではっぽい。

ヒゲも立派だし左右対称だしね!

でもやっぱりポアロはスーシェさんじゃないと!!!と思ってしまいますねー。特に喋り方、声のイメージが強くて。髪も髭も黒色がいい・・・。
性格ももう少し冷静な方が・・・。

おおまかなストーリー

もしかしたら最近の若い人はこの話を知らないかもしれないんですけど、結構ショッキングなオチだと思うんですよね、これ。

偶然列車内で居合わせた13人とポアロ。ラチェットという詐欺まがいな古物商に「脅迫状を受け取っている。護衛して欲しい」と頼まれるが断るポアロ。

すると列車は予想外の雪崩によって停車してしまう。そして起きる殺人事件!
12か所を刺された遺体が見つかる・・・。

しかしこの「オリエント急行」で予想外だったのは、雪崩と、ポアロが乗り込んでくることだけだった・・・。

殺害されたラチェット(ジョニデ)はアームストロング大佐という人物の娘を誘拐し、身代金を手にした上で殺害するという凄惨な事件の犯人だった。乗り合わせた何の共通点もなさそうな登場人物たちがそれぞれ、様々な形でアームストロング家に関りがあり、またその事件によって不幸になった人々であったということが判明していく。

(このアームストロング事件には元ネタになった”リンドバーグ事件”というものがあったらしい)

そしてポアロは、容疑者全員が犯人だったという真実に辿り着く。
しかし彼は、彼らの罪を赦し、犯人は突然乗り込んできたギャングであったと警察に説明するのであった。

このオチってどうなんですかね

原作が古い作品なのもあるんですけど、現代でこのオチは物議を醸すような気がしなくもない。

確かに犯人は偽物を高額で売りつけるような詐欺古物商であり、過去に行った誘拐殺人事件も凄惨なもので彼がどれほどの人達に恨まれていたか、と考えると「殺されても仕方ないよなぁ」と思うような人物設定にはされているんですが。

だからと言って、人は人を私情で裁いても良いものか?という問題があるじゃないですか。

彼ら犯人が行ったのは復讐を目的とした私刑であり、それにポアロも加担してしまう形になるんですよね。

確かに奇抜なオチだけど、どうも後味が悪いなぁ。

ラストで、ポアロがこんな選択をするの!?という驚きや、彼の人生観(悪か正義しか存在せず人間はその2つに分類される、という考えが、悪と正義の中間に成り得る人々の存在を知り変わっていく)の変化を面白いと観れるのは、それまでのポアロというキャラクターを深く知った場合だと思うんですよね。確かに、左右対称にしたい、きっちり2つに分けたい、ネクタイの歪みもミリ単位で気になる、神経質?なキャラクター性は序盤で示唆されてはいましたが、それだけではポアロという人物像が馴染まず、ラストの彼の変化に深い意味を受け取れるかどうかというとそうでもないような・・・。

最後の晩餐を思わせる場面が良かった

終盤、トンネルの入り口に容疑者を一列に並べ推理を行う場面は、まるでレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐のようで美しかったですね。

この中に裏切り者がいる、とキリストが告げるシーンだから、ポアロが真実を明らかにする場面としてこの絵画をパロったんでしょうか。

元々、12人だった容疑者が13人に増やされていたのには、12人の使途+キリスト(事件の首謀者だったハバード婦人がキリストの位置にいたことから彼女がキリスト役?)で最後の晩餐をやりたかったからかもしれません。
(そう考えるとポアロの立ち位置はなんなんだろう・・・)

彼らが犯した罪は全員が今後生きながらに背負っていく十字架なのだという感じで、宗教的な意味合いを持たせることによって、ラストのポアロの赦しをキリスト教的な「赦し」と暗示させたのかもしれません。

この切り口は原作にはない方向性らしいですね。

宗教的な意味合いがあれば、私刑も赦せるという考え方にもなるのかな・・・
(でもそうするとラチェットにも赦しが与えられても良いはずなんだけどなぁ)

 

まとめ

考えれば考えるほど混乱してきました(笑)が、ちびぞうの灰色の脳細胞が働いていないせいかと思われます。

現代でこの作品を映画化するのあたり、作品を既に知っている人たちにも新しい方向性を見せたかったのもあるでしょうし、新しい解釈をもたらすことで、物語にはメスを入れず新しい「オリエント急行」にしようという意欲もあったのかもしれません。

あーこの話知ってるわ、と言わず、一度観てみると・・・新しい発見や面白さが見つけられるかもしれません。

最後に一言だけいいですかね?

 

 

序盤の伯爵のアクションなんなの???

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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ま行

政治ロビイストがどんでん返す!映画『女神の見えざる手』ネタバレ&感想

彼女がアメリカを「毒」で正す―――。

どうもこんにちは!ちびぞう(@cbz_ewe)でっす!

こちらはちびぞう母チョイスの作品。レンタルでの鑑賞。

配給がキノフィルムズさんなんですけども、今のところキノフィルムズさんの映画はハズレがないんですよ・・・たとえばどんなのがあるかというと

ハクソー・リッジ』『パトリオット・デイ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『ヒトラーの忘れもの』『ニュースの真相』などなど・・・どれも良作ばかりですよね。オシャレなミニシアター系!と言われれば思い出すのもキノフィルムズさんでもあります。パンフも毎回素敵だし!

今作は何やら、政治ロビイストという職業の人が主人公なようですが・・・?内容的に難しいのかな?

【映画情報】

【原題】Miss Sloane
【制作国】フランス、アメリカ
【監督】ジョン・マッデン
【脚本】ジョナサン・ペレラ
【製作】ベン・ブラウニング、クリス・サイキエル、アリエル・ゼトゥン
【製作総指揮】クロード・レジェ、ジョナサン・バンガー、パトリック・チュウ、アーロン・ライダー
【撮影】セバスチャン・ブレンコー
【美術】マシュー・デイビス
【衣装】ジョージナ・ヤーリ
【編集】アレクサンダー・バーナー
【音楽】マックス・リヒター
【出演([]内は役名)】

  • ジェシカ・チャステイン[エリザベス・スローン]
  • マーク・ストロング[ロドルフォ・シュミット]
  • ググ・バサ=ロー[エズメ・マヌチャリアン]
  • アリソン・ピル[ジェーン・モロイ]
  • マイケル・スタールバーグ[パット・コナーズ]
  • サム・ウォーターストン[ジョージ・デュポン]
  • ジョン・リスゴー[スパーリング上院議員]
  • ジェイク・レイシー[フォード]
  • デビッド・ウィルソン・バーンズ[ダニエル・ポスナー]
  • ラウール・バネジャ[R・M・ダットン]
  • チャック・シャマタ[ボブ・サンフォード]
  • クリスティーン・バランスキー[エヴリン・サマー]

【公開日(日本)】2017年10月20日
【上映時間】132分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】G
【IMDB】7.5/10.0  (およそ42,150人の評価)

【あらすじ】

大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.2/5.0

面白かった!!!!綺麗ーーーーーーなどんでん返し!

ちびぞうのようにあまり政治的なお話がよく分からないゾウにも分かりやすい方だったかと思います。

ロビイストとは?

ちびぞうはこの映画で初めてこの単語を耳にしました・・・

調べてみると

ロビー活動の専門家。
ロビー活動とは、特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ,政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい,議会ロビーにおける議員への陳情だけでなく,世論の形成・動員までも含める。ロビイング。(by weblio辞書)

という事だったらしいですねー!

分からないまま最後まで観てしまいましたが、それでも物語には支障なく観れたので問題なかったです。分かってて観るとまた理解も深まるとは思いますけどね!

おおまかなストーリー

ワシントンDCにある連邦議事堂で上院議員による聴聞会が開かれ、そこの証言台に立たされる女性(マデリン・エリザベス・スローン)が主人公。

場面は切り替わり、なぜ彼女がこのような立場に立たされたのか?という数か月前の話が差し込まれます。

 

マデリンは銃規制法案を通したいと小さな会社に引き抜かれ、今やっている仕事もやめて会社を移動。女性を銃賛成派にしたいという銃ロビーたちと戦おうとする。

しかし彼女の仕事のチームメイトの何人かは一緒に会社を移動したものの、マデリンの人柄にうんざりしていた風の後輩ちゃんは彼女について行かなかった。

なぜかというと、マデリンはあまりにも目的を達成することに執着していて、そのためには手段をも選ばない冷酷さを持っていたから。

実際に移動した先の会社でも、銃乱射事件の被害者であることを隠していた社員を利用し、メディアの前で暴露するなど、人道的にどうなのよという方法で議員たちの票を獲得しようとする。

しかし、彼女のあまりに目立つ仕事ぶりから、敵に目を付けられ、潰されそうになってしまう。
銃ロビーを支援する議員たちが裏で画策し、彼女の人柄を晒し上げて本来の流れから世間の目を外させ、銃規制法案に対する追い風を風化させようと目論んだのだ。

そして前の会社に残った後輩ちゃんが、以前マデリンが担当していた仕事で文書改ざんが行われていたことを発見し、それを理由に聴聞会が開かれる(これが冒頭のシーン)。
聴聞会では、彼女の私生活の問題(薬を飲んでわざと眠らない生活をしていたり、男娼を買ったりしていること)まで暴かれそうになる。

しかし、彼女は最後に”言いたいことを話す権利”を使って上院議員の裏取引の録画と音声を大暴露!
実は、この聴聞会そのものが彼女が最初に計画した作戦の一部であり、会社に残った後輩ちゃんも実はグルで、彼女の改ざん書類をネタにわざと聴聞会を開かせ、そこで議員の裏取引を暴露・・・そして完全勝利!!というところまでが彼女の筋書き通り・・・

そして刑務所に行く代わりに、銃規制法案を通すという・・・なんと恐ろしい女なんだ!!!!

ラストの場面では、刑務所を出た彼女が”誰か”を見るような、そんな場面で終わっています。

ジェシカ・チャスティンという女優

マデリンは目的のために同僚も平気で犠牲にするし、それだけではなく、自分のことすら平気で犠牲にする。勝利への執着のみで生きていると言っても過言でないほどに聡明で、冷たく、そして病的、とても孤独な女性でもあります。

彼女の過去などには一切触れられませんが、もしかしたら銃による事件の犠牲者・・・という可能性もなくはないかもしれません。でもそこはそんなに問題でもない。彼女は、彼女なりの正義を持って、何が正しいかを見極め、それを後押ししている。

やり方はえげつないところも多々ありますが、それでもなぜかカッコいいと思えてしまう。
なんだかダークヒーローのような、そんな印象がある深みのあるキャラクターでした。

そんなマデリンを演じているのが女優ジェシカ・チャスティン
ちびぞうは『ツリー・オブ・ライフ』や『MAMA』、『クリムゾン・ピーク』などで彼女を見た事がありましたが、今作ほど演技力に痺れさせられ、ハマり役だ!と感じたのは初めてでしたね。

彼女の力強く、鋭くよく切れるのに簡単に壊れてしまいそうなガラスのナイフのような演技を観るためだけにもレンタルして頂きたい!そんな名演技でした。

邦題のセンスの良さ

この邦題もすごくイイです。原題は「ミス・スローン」で主人公マデリンの名前です。
しかし邦題は「女神の見えざる手」。この、”神の見えざる手”というのは、経済を動かしている力を表す言葉らしいのですが、それを女神に変えているんですねー。彼女がまるで政治・経済を動かす見えざる手なのだ、と言いたげな大仰なタイトルですけど、でもそれもあながち間違っていないな!と思えるくらいにマデリンは凄い

この邦題のセンスも含めて、好きです。

まとめ

ラストの演出もすごく好きなんです。

刑務所から出てきたとき、何かを見るマデリン。

そこには何があったのか?もしかしたら、誰かが待っていたりしたのでは?と想像させるようなラスト。

劇中で登場した男娼役のフォード(ジェイク・レイシー)とは、客という垣根を超えた何かがあったように感じました。だからきっと彼がね、迎えに来てくれてたらいいなと思うんですよ・・・。(完全な妄想感)

だって、あんなに壊れそうに張り詰めている女性がね、たった独りでいていいはずがないんですよ!!だからね、自分を犠牲にしてまで勝ち取った勝利のね、ご褒美があっても良いと思うんですよ!

・・・こんな感じで熱くなってしまう映画です。
静かで政治的ですけど、すごくイイ映画です。さすがキノフィルムズさんです。

 

女性が強い映画が好きなあなたにオススメです!!!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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あ行

報復が報復を呼ぶ。映画『アウトレイジ』ネタバレ&感想

「下剋上、生き残りゲーム」

北野武監督の映画は二本しか観ていないんですが(『Dolls』ともう一本は『それぞれのシネマ』の中の「素晴らしき休日」)、というかちびぞうは元々邦画はあんまり観ないんですけども、そのどちらも結構好きな作品だったので他の映画にも興味があったんですよねーー。そしてアウトレイジの新作の予告が何やらカッコいい感じだったので惹かれまくってしまいました。

ようやく借りることが出来て、ワクワクしながらの鑑賞です!!

加瀬亮が出てるので楽しみ!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】北野武
【プロデューサー】森昌行、吉田多喜男
【撮影】柳島克己
【照明】高屋齋
【美術】磯田典宏
【衣装デザイン】黒澤和子
【装飾】尾関龍生
【メイク】細川昌子
【録音】堀内戦治
【編集】北野武、太田義則
【音楽】鈴木慶一
【音響効果】柴崎憲治
【助監督】稲葉博文
【出演([]内は役名)】

  • ビートたけし[山王会大友組組長 大友]
  • 椎名桔平[山王会大友組若頭 水野]
  • 加瀬亮[山王会大友組組員 石原]
  • 三浦友和[山王会本家若頭 加藤]
  • 國村隼[山王会池元組組長 池元]
  • 杉本哲太[山王会池元組若頭 小沢]
  • 塚本高史[村瀬組組員 飯塚]
  • 中野英雄[村瀬組若頭 木村]
  • 石橋蓮司[村瀬組組長 村瀬]
  • 小日向文世[刑事 片岡]
  • 北村総一朗[山王会本家会長 関内]

【公開日(日本)】2010年6月12日
【上映時間】109分
【配給】ワーナーブラザース映画、オフィス北野
【映倫区分】R15 +
【次作】アウトレイジ ビヨンド
【IMDB】6.8/10.0  (およそ10,500人の評価)

【あらすじ】

関東最大の暴力団山王会の若頭・加藤は直参の池元組組長・池元に、池元と付き合いのある村瀬組を締めるよう苦言を呈する。そこで池元は配下の大友組組長・大友に、その役目を任せるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも!)】

☆2.5/5.0

ネタバレもするよ!って言いつつ、ネタバレが書けるほど理解できたかと言えばそうではないんですよね・・・・・・・・・。

まず、人物相関図がとてもややこしい!!!!

山王会本家、山王会大友組、山王会池元組、そして村瀬組。

この4つの組織がありまして。
最初の方はすごく分かりやすいんですよ。山王会の大ボスが「子分の池元組がお外の村瀬久美人仲良くしてるのが気に入らないからなんとかしろ」って言ってくる。

で、上からそう言われたら従うしか仕方ないってことで、ちょっとした小競り合いをしてるところを見せて上に「そんな仲良しでもないですよー」って納得させたかっただけだったんですけど、そこから何やら負の連鎖というか、報復に報復が重なってハチャメチャになっていくという・・・。

ヤクザ界隈の事なんてサッパリですからね、「あれ?こことここは主従関係ではないの?」と思っててもサラッと下剋上して裏切って親分筋の人を殺したりするもんだから訳がわかんないわけですよ・・・。

池元組の傘下だった大友組の組長・大友(ビートたけし)が利用されるだけ利用されて自分の組を破門に追い込まれたり組員を残らず殺されたりと悲惨な目に合ってて、最後は身を守ろうと刑務所に入るんですが、そこにはかつて自分が顔に傷をつけた男木村?がいて、そいつに刺されて終わるという・・・。でも明確に死んだ描写がないので、ビートたけしは生きていて、続編で復讐しまくるっていう展開になると思うんですけどね!

ちなみに好き放題命令していた山王会の会長(北村総一郎)も、若頭の三浦友和に裏切られて殺される・・・というオチで、三浦友和はインテリヤクザの加瀬亮(下っ端だった)と実は裏で組んでいた―!!!というのが驚き?の部分だったりするらしいんですけど

ややこしくてそんな所まで把握できない!!

まとめ

ちびぞうが好きな加瀬亮がとても賢いインテリヤクザで、その頭を使ってのし上がったってところは良いですね!!!!!かっこいいですね!!!最初はいかにも下っ端という感じの髪型をしていたのが、カジノで儲け出したあたりからまともな髪型になるのも良かった(笑)

あと、若くてイケメンな椎名桔平はお色気要員なんだなって感じしましたね!!(なんでそんな面倒なことするのって感じの一番エグい殺され方してたけど!でもそこが無情でいい!)

続編も観ようって思うくらいには楽しかったです、唐突で遠慮のないバイオレンスがカッコいい・・・あと、ところどころ笑う部分も挟み込んで来たりして北野監督らしいというか・・・(語れるほどに観てないんですけどもぉ)

早く西田敏行出てこないかな!!!!

 

 


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ま行

パルムドール受賞作のここがイイ!映画『万引き家族』ネタバレ&感想

「捨てた人は、どこか別にいるんじゃないですか?」

是枝監督の14本目の長編映画であり、噂のカンヌでの最高賞(パルムドール)を獲った作品でありますね。

先行上映がやっていると知り、劇場へ急ぎました。

ちびぞうはカンヌ映画祭で評価された映画だから注目したというよりは、今までカンヌで評価された作品はちびぞう好みの物が多かった。ということでカンヌ映画祭そのものとちびぞうの相性が良いのだなーという認識があったんですよね。

しかし歴代パルムドールの中でも当然ですが苦手な作品はちょいちょいあり、「観てみないとわからないな」と思いつつ、でもとても好きになれる可能性も高いのでチェックしよう!という感じで注目しました。

しかも今回は、イランの今後を担うであろう名匠ジャファール・パナヒ監督の新作『Three Faces(洋題)』も出品されていたということなので(脚本賞を受賞)、それを抜いてパルムドールと言われればそれは興味もそそりますよね!!

映画の製作を国から禁じられながらも独自のやり方で製作を続けるパナヒ監督の『人生タクシー』の感想は↓↓

映画作りを禁止された監督の『人生タクシー』ネタバレ&感想

ちなみにパンフはこんな感じ。

B5のノートサイズで46ページで税抜き741円!めちゃ分厚め。背表紙に洋題が。

そしてお安め。家族の写真がペタッと貼り付けられてる感じでぷっくりしてます。この題字がまた良いですよね。祥太くんが書いたに違いない。
左開きの縦書きで、ほぼ全てのページに映画のワンシーンが載っています。手書きしたっぽい間取りもある!豪華!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本/編集】是枝裕和
【製作】石原隆、依田巽、中江康人
【プロデューサー】松崎薫、代情明彦、田口聖
【アソシエイトプロデューサー】大澤恵、小竹里美
【撮影】近藤龍人
【照明】藤井勇
【録音】冨田和彦
【美術】三ツ松けいこ
【装飾】松葉明子
【衣装】黒澤和子
【ヘアメイク】酒井夢月
【助監督】森本晶一
【キャスティング】田端利江
【制作担当】後藤一郎
【ラインプロデューサー】熊谷悠
【音響効果】岡瀬晶彦
【音楽】細野晴臣
【出演([]内は役名)】

  • リリー・フランキー[柴田治]
  • 安藤サクラ[柴田信代]
  • 松岡茉優[柴田亜紀]
  • 池松壮亮[4番さん]
  • 城桧吏[柴田祥太]
  • 佐々木みゆ[ゆり]
  • 緒形直人[柴田譲]
  • 森口瑤子[柴田葉子]
  • 山田裕貴[北条保]
  • 片山萌美[北条希]
  • 柄本明[川戸頼次]
  • 高良健吾[前園巧]
  • 池脇千鶴[宮部希衣]
  • 樹木希林[柴田初枝]
  • 毎熊克哉[]
  • 堀春菜[]

【公開日(日本)】2018年6月8日
【上映時間】120分
【配給】ギャガ
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.5/10.0  (およそ300人の評価)

【あらすじ】

高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。【引用元:映画.com

【感想(唐突にネタバレするよ!)】

☆3.7/5.0

控えめに言っても、素晴らしかったです!!!!

もうね、安藤サクラが最高なんですよ!!!!!

カンヌで審査員長を務めたケイト・ブランシェットが安藤サクラの泣き演技を絶賛してたみたいなんですけど、ほんとそれな!!!!という感じで!!!

泣いてる姿なんか人に見せたくないって感じで、必死に泣いてるように見えないように、手で髪の毛をかきあげるような仕草で涙を拭うんですよ。
これはもう・・・もらい泣きするでしょうよ・・・。

安藤サクラが捕まったあとでの警察とのやりとりも堪らなく良いですよ。
おばあちゃんが亡くなって、葬式代も出せなくて、家の床下の地面に埋めるんですよね。その事について警察に、死体遺棄は罪ですよって言われる。なんで捨てたのって。そしたら安藤サクラが
「捨てた?捨てたんじゃない、拾ったんです。誰かが捨てたのを、拾った。捨てた人ってのは、他にいるでしょ」
と答える。この、捨てたというのは、おばあちゃんが孤独で暮らしているという点。それからおばあちゃんが過去に旦那を別の女に取られた=旦那に捨てられたという点。その両方の意味があるのかもしれません。しかし、安藤サクラがその事情を知っていた可能性は低いので、おばあちゃんが孤独に暮らしていた=社会から捨てられた。それを自分たちが一緒に暮らすことで孤独から救った=私たちは拾ったのだ、という事に繋がるんでしょう。

確かに年金目当てで夫婦はおばあちゃんに近付いたのかもしれません。
だけど、あの場所で家族を、彼らなりに家族を作ろうとしていたんですよね。
全員が孤独で誰からも愛されて来なかったひとたち。そんな孤独同士が集まって、違いの傷を舐め合うようにひっそりと、生き方を間違えながら、それを正す器用さも持ち合わせず、不器用に、いびつに、一生懸命に家族になろうとしていた。

その姿に涙が出るんですよ・・・。

世の中、まともな人間だけではないし、まともに生きられない人が正しい道を選べないというのは悲劇そのもの。彼らの持って生まれた性質もあるとは思うけど、彼らの育った環境が、そうせざるを得なくさせてしまった。ある意味で彼らは現代日本の、社会の、被害者でもあるような。そんな可哀そうな人たち。
生き方を間違えたり、そうせざるを得ないような環境で歪んだ育ち方をしていたって、その人たちも人を愛したり、愛されたり、「家族」という他人との絆を求めることは決して誰にも咎められることではないと思います。

だからと言って、彼らのしていた犯罪が、許されることではないのは確かなんですが。

「家族」の真実

父親役のリリーフランキーと母親役の安藤サクラが本当に婚姻関係にあったのかは分かりません。ただ、恋人同士であったのは間違いないかな。事実婚という可能性もありますね。
彼らは水商売の店員と客として出会い、そして安藤サクラの元旦那を(正当防衛で)殺した過去があり、その時も死体を埋めたりしていたようです。
ちなみにリリーフランキーは工事現場での仕事をしたりしつつ万引きや車上荒らしなどをしており、それを息子役の城桧吏に教えていました。安藤サクラはクリーニング店で働いていましたがクビになってしまいました。

 

樹木希林演じるおばあちゃんは、一軒家の主で、6万円ほどの年金受給者。
過去に自分の旦那を奪った女の家族にちょくちょく出向いて金銭的な援助を受けていたようです(ゆすっていた、と劇中では表現されていた)。

 

安藤サクラの妹役の松岡茉優はなんとそのおばあちゃんの旦那を奪ったという家族の二女。彼女がなぜ家を出たのか、なぜ風俗で働いているのか、など明らかにはされませんが、おばあちゃんが両親を訪ねた時、「二女はオーストラリアにいて、その生活を楽しんでいるようだ」というような説明をしていることから、家族は二女が失踪していることを世間には隠しているようです。
このことからも、松岡茉優もあまり家族内で愛を感じて育った、という感じではなさそうですね。
ちなみに松岡茉優も、自分の両親におばあちゃんがお金をもらっていたという事は知らなかったため、おばあちゃんと自分の関係も知らないまま暮らしていたのかもしれません。
何故、おばあちゃんは松岡茉優に一緒に暮らそうと言ったのか?それは、おばあちゃんも愛した男の血を引く孫と暮らすことで、疑似的な家族の絆を欲したのかもしれませんし、家族への復讐の一環だったのかもしれません。そこは謎のままです。

長男役の城桧吏は、家計の足しにするため、万引きの技を父親から教わっていました。どうやら小さい頃にパチンコ屋の駐車場に置き去りにされており、それをリリーフランキーが車上荒らしをする時に発見し、連れて帰った。という感じのようで、本当の家族のことは覚えていないようです。小さい頃からそばにいるので、彼が一番二人の息子として家族に近い存在だった事でしょう。

 

そしてそんな歪んだ偽りだらけの家族の形が壊れるきっかけになる少女が、佐々木みゆ演じる「ゆり」。彼女は両親にネグレクト(育児放棄)と虐待をされており、二月の寒空の中、家に入れてもらえず玄関先で一人で遊んでいたところをリリーフランキーが連れて帰る、という形で「家族」に参加します。
彼女の母親が「私だって産みたくて産んだわけじゃない!」と発言していたり、ゆりが居なくなった後でも捜索願を出していなかったことから、おそらく両親は彼女が「いなくなって良かった」と思ったのかもしれません。

「家族」崩壊のきっかけは長男の心境の変化

ゆりが家族の一員となり、兄と呼ばれ、少しずつ成長するにつれて「家族」の間違いに気付いた長男の城桧吏。

父親の話す矛盾や、自分のしていることの真実に気付き、「妹にこんなことをさせてはいけない」という罪悪感や使命感から、彼は自ら捕まる事で家族の間違いを正そうとします。

純粋な子どもであったからこそ、出来た選択かもしれません。

彼が好きでよく読んでいた、国語の教科書に載っていたスイマーという話がありましたね。小さな魚でも群れを成して大きな魚のフリをすれば、大きな魚を倒すことが出来る、というお話です。そして主人公のスイマーがみんなと違う赤い色をしていても、「目の役」をすることによって皆の役に立てるという話でもあります。
この話を読んでいた長男は、もしかしたら自分たち「家族」という大きな魚の正体が、実は小さな小魚だったという事に気付いてしまうという伏線だったのかもしれません。

彼が警察から逃げる時に飛び降りて足を骨折したことから、家族の事実が世間にも明らかになります。そして、各々が本来いるべきだった場所へと帰されるのです。

正しい場所でなら幸せになれるのか

社会的に本来いるべきと思われる場所へ帰された子ども達。
長男は本当の親の記憶が一切ないため施設へと入り、ゆりは虐待されていた親もとへ帰されます。

しかし、そこに本当に幸せはあるのか??という疑問を投げかけて映画は終わります。

この映画に出てくる警察は、目の前の問題にしか目を向けていないんです。
本当の事を話させるために、非情にも長男に「彼らはあなたを見捨てて逃げようとしていたのよ」なんてことを平気で伝えたりします。
確かに仕事としては正しいことをしているかもしれないけど、彼の気持ちを考えたらそんなこと簡単には伝えられないのではないか?と思うんです。でも、それも仕方がない。

だって「犯罪を犯すような家族の子どもがそこで幸せに暮らしていたはずがない」という先入観があるからこそ「彼らから引き離すべき」という考えで動いているんですしね。

そういう思い込みや、「犯罪を犯した」という表面的なところしか見ていない警察が、彼らをバラバラに引き裂く。

そのあと、家族の元に返されたゆりが本当に幸せになれるかなんて考えていないし、根本的な問題解決は何もなされていない。

この、最後の疑問符の投げかけ方も、あまり深く語らない是枝監督ならではの手法で、良かったと思います。

きっと、「”犯罪をおかした人々が家族の絆で結ばれる”ような話を美談として世界に発信しているこの映画は日本の恥を世界にさらしている」、「日本という国が誤解される」とかいう感想を言うひとたちもきっと、

登場する警察のように「犯罪を犯している」という表面上の問題にしか目が行っていないのでしょう。

その背景には一体何があるのか、もっと深く深くこの映画について考えてもらいたいなと、ちびぞうはひっそりと思ったわけです。

言霊の持つ力

言葉には、力があり、言葉にしていればそれは真実となる。と言われています。

今作では、「お父さん」「お母さん」と声に出して呼ばれたい、というリリーフランキーと安藤サクラの願いが、言葉にすることの大切さを物語っていますよね。本当に親だと思わなくてもいい、血がつながってないと分かっていても、そう呼ばれたい。それは、そう呼んでもらえたら、いつか本当の親子になれるような気がするから。

めちゃめちゃ切なくないですか。

最後、バスに乗って去っていく息子を走って追いかけるリリーフランキーの場面があります。
そして、バスの中でしばらく経ってから振り向く息子。その時、音声では聞こえませんが口が小さく動くのが確認できます。

その時多分、いやもう100%「お父さん」と口にしたと思われます。

真実を知り、彼らが自分にしてきたことの間違いを認めたうえで初めて「お父さん」だと認めた。この言葉だけで、リリーフランキーと安藤サクラが作ってきた家族にはちゃんと「絆」があったと証明されるようで、すごく嬉しかったんです。
崩壊して初めて本当の家族になった、という意味でもあるのかもしれませんね。

本当にずるい名シーン!!!!号泣。

まとめ

とにかく主演陣の自然な演技が素晴らしい。

脚本も素晴らしい。

安藤サクラがとにかく素晴らしい。彼女の出演作は『愛のむきだし』『贖罪(テレビドラマ)』『百円の恋』も全部大好きで、今作も大好きで、ちびぞうにとって”100%女優”であります!!!

干物女がボクシングに目覚める!映画『百円の恋』ネタバレ&感想

絶対に観て損はしないですよ、別に「絶対劇場で観て欲しい」というタイプの映画ではないのでDVDでも良いかもしれませんが、ぜひ一度は鑑賞してみてください!

ちびぞうは元々、是枝監督の作品はどれも可もなく不可もなくという感じでしたが、本作はすごく良かった!!ですから!苦手な人でも面白いと思えると思いますよ!!!

余談
そういえば舞台挨拶の時に、長女の恋人となった「4番さん」役の池松壮亮が参加したということで「ようやく”家族”に紹介できた」と語っていた松岡茉優のコメントにも涙がホロりしてしまいましたね・・・(笑)樹木希林がそのあと「将来性がない」とかって毒舌していたらしく、映画の外でもこういう役柄に合わせたコメントしてくれるのは本当に楽しくて好きです(笑)

 


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インド映画の神再び!『バーフバリ2 王の凱旋 完全版』感想と通常版の違い

どうもこんにちは、こんばんは、おはようございます!!!ちびぞう(@cbz_ewe)です!!!

2018年6月1日(金)より、松竹系列の映画館(ピカデリーなど)で公開されています!!

ちびぞうは最初、今年の年明けに今作のインターナショナル版(通常版)を劇場で観まして一目惚れ、そのあとDVDレンタルで1作目の『バーフバリ 伝説誕生』を観て、そのあとまたレンタルで『王の凱旋』を二回観ました・・・。

2(劇場)→1(DVD)→2(DVD)→1(DVD)→2(DVD)→2(劇場)

こうね!!!最初が2だったので感想が前後してるのがアレなんですが、ちびぞうの記事は以下。

王を讃えよ!インド映画『バーフバリ 伝説誕生』ネタバレ&感想

熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想

完全版とは??

完全版とは!!!いわゆるディレクターズカット版と同じですね。

今まで公開されていたインターナショナル版(通常版)でカットされていたシーンが全てカットされていない状態で観れるよ!!というものです。

通常版は141分なのに対し、完全版は167分。(映画.comさんを参照)

つまり、26分のシーンが増えているんですねぇー!!!

ちびぞうも観ていて「あっ!このシーンは観てないやつだ!!」と気付きはしたものの、それぞれが1分ほどと短く結構な数あったので、映画が終わる頃にはほとんど覚えていられませんでしたが(笑)、どれも興味深く、バーフバリの世界観と物語を深めるために重要な役割を担っていたと思います!!!

どんな感じのシーンかというのを覚えているので言うと、シヴァガミの居室にて「パータリプトラ王国のヴァルニ姫ですバーフバリの嫁にこの姫はどうですか」と司祭が言うのを「目に生気がない」と突っぱねるシーンが増えていましたね。あとクマラ・ヴァルマのへなちょこさを見せるシーンや、バーフバリが王室から追放されたあと、村人と一緒に暮らすシーンも若干増えてましたね。

本当なら追加のシーンを全部書き出したいところですけども、さすがにうろ覚えなところもあるので厳しい・・・。ぜひとも。ご自分の目で確認して見比べて頂きたいですね!!

ちなみに、通常版ではエンドロールがありませんでしたが、完全版にはバッチリとありました。そして謎の老人と子どもの会話が追加されていました。(これが結構意味深で、続編のフラグになっていれば良いのにと願ってしまう)
バーフバリのお話は、代々語り継がれていく伝説の物語なのだよ・・・ということなんでしょう。

感想

いやもう最高ですよ!控えめに言って最高ですよ。最&高ですよ。

そりゃもうバーフバリが大好きで、劇場で観たい!!と思っていてのこの完全版の上映ですからね。最高にならないわけがないんですよ。

監督はパンフレットで、通常版は「テンポやスピード感を重視してノンストップのジェットコースターに乗っている気分で楽しんでほしい」と語っていました。
反対に、完全版は物語の奥行きを楽しんで欲しいと。
それぞれがただ単に短縮版とノーカット版という感覚ではなく、どちらも一つの映画として完成されていて、どちらも楽しめるようにと考えて作ったそうです。

もう、素晴らしいですよね・・・!!!この監督の言葉通り、どちらも、それぞれの魅力と味があって最高に楽しめる一本になっていると感じました・・・!
特に完全版は、物語のサポートが十分にできていて、通常版よりも自然な脚本になっていると思います。

さすがにこう何度も観ていると、脚本に「?」と思う部分も出てきたりバーフバリの音声だけ他と違ってやたらとデカいなって思ったりはするんですけども、

  • 無茶しまくりなアクションが笑えるし最高にかっこよくて震える
  • バーフバリがデーヴァセーナを見つめてにこにこ幸せそうにしているとちびぞうまでがにこにこしてしまう
  • カッタッパの涙にちびぞうも涙してしまう
  • そしてまた1が観たくなる・・・

こんな感じですからね、もう細かいとこなんか気にしないで我々の王を讃えようよ!!って感じですね。(過去に書いた記事でも全く同じこと書いてたような気がしなくもない)

バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!

本国インドで王の凱旋のトレイラーが公開された時の劇場での熱気をお届けします。

あ、それから一応確かめて良かったなーーーーーーと思ったんですけど、完全版にも

パンフレットがあった!!!

通常版のパンフはA4サイズでこんな感じなんですが、

(お値段は税込み700円)

完全版はこんな感じ。

(お値段はなんと税込み1000円!)

並べるとこう。

通常版は、登場人物の相関図や著名人のコラム、映画のトリビアなどが書かれていましたが、完全版は著名人のコラムに加え、監督のインタビュー!からポスターギャラリーやスケッチギャラリーそれから・・・なんと!オープニングからエンドロールの台詞までを含めたすべてのシナリオ(インドならではの単語には解説もついてる)が載っています!!!!!

しかも歌の歌詞(カタカナだけど)も載ってるし、シナリオのどこにどの歌が挿入されているのかまで書かれている・・・

え?すごくないですか?これで1,000円てめちゃ安くないですか???

劇場を逃したみんなもパンフだけでも買うといいよ!

なんとカラオケ配信も!!

なぜカタカナ歌詞が載っているのか・・・それは、JOYSOUNDさんでバーフバリのサントラがカラオケ曲に入ったからなんですよねーーーーー!!

えぇ、前代未聞じゃない?インド映画がここまで流行ってるのすごくない?

ちびぞうもめっちゃ歌いたいんですけど!!!!

気になる続編は??

残念ながら監督のインタビューでは劇場用映画としての続編やスピンオフの構想はないと語られていました・・・。

しかし、バーフバリ2作品の前日譚になるという『THE RISE OF SIVAGAMI』というタイトルの映像作品の企画はあるようです。名前からしてシヴァガミ様のスピンオフっぽいですね!

それと、カッタッパやクマラの日本での人気を知り、彼らのスピンオフについても考えてみようと思ったらしいです!!!!

これは楽しみですね!!!!

ちなみに、アニメシリーズ『バーフバリ 失われた伝説』というのがそろそろ日本でも観られるようで・・・アニメか・・・と思いつつも期待せずにはいられない。そんな感じです。

2018年7月25日発売。
もう予約も始まっているようですよ!

 


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リアルで重めのヒーロー映画『ウォッチメン』ネタバレ&感想

知ってはならない、真実がある―――

以前観た事があったんですが、家族がもう一度観よう!というのでパパヤからレンタル、鑑賞しましたー。

どうもちびぞう(@cbz_ewe)です。

今作の監督をしているザック・スナイダーの大ファンです!彼の映画は、今作と、『300<スリー・ハンドレッド>』が一番好きです!

そして今作に登場する最恐のヒーロー、Dr.マンハッタンが大好きです!!

【映画情報】

【原題】Watchmen
【制作国】アメリカ
【監督】ザック・シュナイダー
【脚本】デビッド・ヘイター、アレックス・ツェー
【原作】デイブ・ギボンズ
【製作】ローレンス・ゴードン、ロイド・レビン、デボラ・スナイダー
【製作総指揮】ハーバート・W・ゲインズ、トーマス・タル
【撮影】ラリー・フォン
【美術】アレックス・マクダウェル
【編集】ウィリアム・ホイ
【音楽】タイラー・ベイツ
【出演([]内は役名)】

  • ジャッキー・アール・ヘイリー[ウォルター・コバックス/ロールシャッハ]
  • パトリック・ウィルソン[ダニエル・ドライバーグ/ナイトオウル二世]
  • ビリー・クラダップ[ジョン・オスターマン/Dr.マンハッタン]
  • マリン・アッカーマン[ローリー・ジュピター/シルク・スペクターⅡ]
  • マシュー・グッド[エイドリアン・ヴェイド/オジマンディアス]
  • ジェフリー・ディーン・モーガン[エドガー・ブレイク/コメディアン]
  • カーラ・グギーノ[サリー・ジュピター/初代シルク・スペクター]
  • スティーブン・マクハッティ[ホリス・メイソン/初代ナイトオウル(若い時)]
  • クリント・カールトン[ホリス・メイソン/初代ナイトオウル(老いた頃)]
  • グレン・エニス[ロルフ・ミューラー/フーデッド・ジャスティス]
  • ダン・ペイン[ビル・ブレイディ/ダラー・ビル]
  • アポロニア・バーノワ[ウルスラ・ザンドット/シルエット]
  • ダリル・スチーラー[ネルソン・ガードナー/キャプテン・メトロポリス]
  • ニアル・マター[バイロン・モイス/モスマン]
  • ローラ・メンネル[ジェイニー・スレイター]
  • マット・フルーワー[エドガー・ジャコビ/モーロック・ザ・ミスティック(老いた時)]
  • ダニー・ウッドバーン[ビッグ・フィギュア]

【公開日(日本)】2009年3月28日
【上映時間】163分
【配給】パラマウント
【映倫区分】R15+
【IMDB】7.6/10.0  (およそ432,400人の評価)

【あらすじ】

ベトナム戦争、キューバ危機など数々の事件の陰には、人々を見守る“ウォッチメン”と呼ばれる監視者の存在があった。しかし、1985年のニューヨーク、米ソ間の緊迫状態が続く中、政府により活動が禁じられていたウォッチメンの1人、エドワード・ブレイクが暗殺され……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.1/5.0

このジメッとした陰気な空気感というか良いですよねぇ。
DCらしいというか、監督らしいというか・・・。

オープニングから炸裂するヒーロー映画らしくないアクションシーンがカッコよくて大好物なんですよ・・・。そしてそこから、リアルにヒーローが存在したらどうなるのか?という「ヒーローものなのにヒーローヒーローしない」現実的な過去から現在までが描かれます。

 

おおまかにあらすじを言ってしまえば

ヒーローだって必ずしも国民に愛されるわけじゃないし、
ヒーローの中にもクズなやつはいるし、結局人間なのよね。っていう感じの話があって、その中でも自分たちはヒーローたろうと立ち上がるもの(ナイトオウル二世とシルク・スペクターⅡ、そしてロールシャッハ)がいたりなんだりする。

そして時代は冷戦だし、冷戦を自分が止めて平和をもたらそうって「一見どうなのそれ」っていう方法を使って自分の目的を成し遂げようとする悪者的立ち位置なんだけどでも悪者とは言い切れないもの(オジマンディアス)もいたりして、ラストは結局オジマンディアスの策略通りにDr.マンハッタンの創り出したパワーを爆発させて街を犠牲にしてしまうけど、そのおかげ(?)で冷戦も止まるし、しかも最後まで彼のしたことを善しとしなかったロールシャッハも殺されてしまうしでなんとも言えない後味に包まれる!!!!!

そう!人間ドラマなんですよね!

目的の為に手段を選ばずに勝ち取った平和は確かに平和なんだけど、でも確かに大きな犠牲も出てるわけで・・・。でも、彼らが止めなかったら戦争が起きてもっとたくさんの人が犠牲になったかもしれないんですよね。

そこらへんのジレンマというか、うまいなぁと。

ドンパチやるのがメインのヒーローものだと、基本的には自分がヒーローやってることに対する苦悩とかそういうものと戦ってたりするんですけど、今作のヒーローはもう少し我々に近いというか、人間らしい悩みを抱えてるんです。そこがイイ。

へなちょこマンハッタンの魅力

全裸だったりパンイチだったりスーツだったり、また全裸だったり、人前で分別をわきまえてるようでわきまえてないような感じの彼なんですけども、以前何か別の記事でも語りましたが私は

存在するヒーローの中で彼が最強なのではないか!?

と思っています!!!だって、分身も出来ちゃう、瞬間移動も出来ちゃう、自分の大きさも自由自在に変えられちゃう、物質も無に帰すことが出来るし未来も見えちゃうし宇宙に行ったって平気火星に行ったって平気なんだったらその気になれば地球を一瞬で破壊することもできるよねっていうもうとにかく最強なんですよ!!!

でも女にはめっぽう弱いんですよ!!!!

そこがイイ・・・すごくイイ・・・。

無駄にメンタルが弱くてすぐに逃亡するし、未来視出来るはずなのに都合の良い場面では未来が見えてないし、「女は若い方が良い」とか言いながら簡単に彼女を乗り換えたりするクズメンだし「生命の存在のなんとちっぽけなことか」と悟りを開いて火星に行ったけどなぜかすぐに彼女を召喚して軽く泣かせたら「あぁーやっぱり人間って素晴らしいね」って自分で一人で納得して助けに行こっかな~♪ってノリになっちゃうし、

彼の部分だけ脚本が急に適当になるというか本当に情緒不安定だな!?!?!?

でもそこがイイんですけどね!!!

ちびぞう、人間臭い汚さとか醜さとか不確かさや弱さを持ってる人が大好物なのでね(アベンジャーズの社長もそとても人間臭い)、この、最強にして使えないDr.マンハッタンが本当に大好き!!!

まとめ

ザック・スナイダー監督の映像表現だとかアクションシーンがものすごくかっこよくてそれだけでも十分楽しめるんですが、他のヒーロー映画にはない葛藤、そしてリアルさがここにはあります。

一言で言えば人間臭い奴らばっか。

ちびぞうは残念ながら学がないので分かりませんでしたが、歴史上に本当に存在する人物も登場していたりして、社会派ドラマとしても楽しめる一本になっていると思います。

それプラス、Dr.マンハッタンの魅力で成り立っていますね!!!!

Dr.マンハッタンの股間ばっかに目が行ってしまうんですけどね!!!

 

以上、ちびぞうでした。

 

 


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画像引用元:映画.com

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少女は国を救えるのか。映画『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』ネタバレ&感想

「第76回ハンガー・ゲームへようこそ」

どうもどうも、ちびぞう(@cbz_ewe)です。

途中でデッドプールの新作が始まったりして記事的に間が開いてしまいましたが、ハンガーゲームの最終章を観ましたので感想を書いていきたいと思います!!

果たして反乱軍の行方は!?そしてカットニスの恋はどうなるのか!!

そしてもう一つ、おそらくフィリップ・シーモア・ホフマンという名優の最期のシーンもこの映画でみられると思いますので・・・ファンは彼のファンは(ちびぞう含め)非常に複雑な気持ちですがちゃんと見届けましょう!!

【映画情報】

【原題】The Hunger Games: Mockingjay – Part 2
【制作国】アメリカ
【監督】フランシス・ローレンス
【脚本】ピーター・クレイグ、ダニー・ストロング、スーザン・コリンズ
【原作】スーザン・コリンズ
【製作】ニーナ・ジェイコブソン、ジョン・キリク
【製作総指揮】スーザン・コリンズ、ジャン・フォスター、ジョー・ドレイク、アリソン・シェアマー
【撮影】ジョー・ウィレムズ
【美術】フィリップ・メッシーナ
【衣装】カート&バート
【編集】アラン・エドワード・ベル、マーク・ヨシカワ
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【視覚効果監修】チャールズ・ギブソン
【出演([]内は役名)】

  • ジェニファー・ローレンス[カットニス・エバディーン]
  • ジョシュ・ハッチャーソン[ピータ・メラーク]
  • リアム・ヘムズワース[ゲイル・ホーソーン]
  • ウッディ・ハレルソン[ヘイミッチ・アバナシー]
  • エリザベス・バンクス[エフィー・トリンケット]
  • ジュリアン・ムーア[アルマ・コイン首相]
  • フィリップ・シーモア・ホフマン[プルターク・ヘブンズビー]
  • ジェフリー・ライト[ビーティー・ラティア]
  • ウィロウ・シールズ[プリムローズ・エバディーン]
  • サム・クラフリン[フィニック]
  • ジェナ・マローン[ジョアンナ・メイソン]
  • ナタリー・ドーマー[クレシダ]
  • スタンリー・トゥッチ[シーザー・フリッカーマン]
  • ドナルド・サザーランド[スノー大統領]

【公開日(日本)】2015年11月20日
【上映時間】137分
【配給】KADOKAWA
【映倫区分】G
【前作】少女は反旗を翻す。映画『ハンガーゲーム FINAL:レジスタンス』ネタバレ&感想
【IMDB】6.5/10.0  (およそ230,000人の評価)

【あらすじ】

カットニス率いる第13地区の反乱軍は、スノー大統領が支配する独裁国家パネムとの最終戦争に突入。カットニスは、ゲイル、フィニック、ピータらとともにスノー大統領暗殺作戦を決行する。しかし、カットニス抹殺に執念を燃やすスノーはその作戦を見抜いており、反乱軍は死のトラップや無数の敵に直面。カットニスはかつてない非道な選択を迫られることになる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.5/5.0

なんというか、こういうシリーズものの最終章は綺麗にまとめるのが難しいと思うんですけども・・・。わりと綺麗にまとまっていたかな?という感じ。

ただやっぱり盛り上がりは前作の方が良かったですね。

おおまかなストーリー

前回の直後、ピータに痛められた首のギプスを外すシーンから始まります!

(このシリーズは2の終わりからここまで、あまり間をあけずに繋がっています!)

首のギプスを外しても、声帯が腫れてるからうまく声が出せないカットニスが痛々しい!ここでもピータにされた洗脳の根深さがうかがえますね・・・。

カットニスはピータと話をしたいと求めるが止められる。
医者には暴れなくなったが、医者は他人だから故郷の誰かに会わせてみるらしい。まずはカットニスの妹、プリムが話をする。故郷(12地区)がなくなり家族も殺されたことを知り、カットニスのせいだと言い始め、条件反射で暴れ始るピータを見てショックを受けるカットニス。

スノー大統領に復讐したいから戦場へ出ると志願するカットニス。
このタイミングでなんでゲイルにキスするんすか!!!!!こいつめ!!!!!
第二地区での戦闘に参加する!山の中の要塞に立てこもっている二地区の皆さん。そこで、山を爆破して生き埋めにする、トンネルは残して民間人は逃がして降伏させる作戦を立てる。
降伏させようとした2地区の男に銃を向けられるが説得に成功。しかし結局、カットニスは撃たれてしまう。ここで

スノーは反乱軍をキャピトルにおびき寄せてゲームメーカーの罠にはめ、それを国民に見世物にしようと言っている。
カットニスへの恋してたことを忘れてしまったピータと会話するカットニスが辛そう。

反乱軍の基地内にて、フィニックとアニーの結婚式が執り行われる。
カットニスとピータの事を思うとせつなぁああああいいーーーーーーーーーー
スノーをこの手で殺すとジョアンナに話すカットニス。するとジョアンナが援護してくれるっぽいことを言ってくれたので基地から忍び出る事に。医療物資を届ける船に忍び込み、ゲイルもいる前線へ向かう!

一人でスノーを暗殺しようとしていたが、首相に狙いはバレており、結局カメラクルーと一緒にプロポ映像の撮影をすることに。

そこになぜか療養中(というか洗脳を解いてる最中の)ピータが連れてこられる!!!
なぜ解放されたの・・・

参加させて戦闘の中で味方だと認識させろって事らしい!!!
荒療治すぎてひどい!!

首相はカットニスを脅威に思ってるらしい。戦争が終わったら選挙なので、その時に大統領に選出されるのは自分ではなくカットニスになる可能性があるから。

夜にピータとカットニスが好きな色の話をするところがかなり泣けますよ!!!
記憶喪失になった恋人というとやっぱり冬ソナを思い出す・・・

キャピトルに侵入後すぐ、メンバーの一人が床の仕掛けを踏んでしまい、広場に閉じ込められて黒い水に襲われるという罠にハマる。そこでボッグス大尉も「上を信じるな」と言って死んでしまう。ボッグスにホロ(敵の仕掛けた殺人マシンがどこにあるか調べる装置)を使える権限を譲渡されたカットニス。新隊長に権限を渡せと言われて揉めかけたけどなんとか説得する。
メンバーの一人、双子の片割れが足を怪我したためもう一人の双子を残して移動。しかしすぐに政府軍がやってきて二人のいる場所を攻撃。その映像を見た政府軍はカットニスが死んだと思い込みその映像を放映する。
死んだことになってラッキーと地下を隠れて移動する。
すぐ監視カメラで生きてるってバレるんですけどね

大統領も持病?毒?で死にそうになっている。

地下道でミュットとかいう化け物に襲えわれてゴリゴリ数が減る仲間たち。
フィニックめちゃかっこいいいいい最期の見せ場を作って死んだね・・・あの結婚式は死亡フラグだったんだね・・・
パニックになったピータにカットニスがキスをしてなんとなく正気に戻す。
地下道を抜けてキャピトルのハンガーゲームの元スタイリストの家にかくまってもらう。

官邸に避難する市民にまぎれてカットニスとゲイルが二人で侵入しようと思ったけど「見つかりそう!!!」というところで反乱軍が襲って来る、官邸を守ろうとした政府が官邸前を爆破し扉前へ集まった子ども達も爆撃の被害にあってしまう。その時の爆撃でプリムが巻き込まれ死んでしまい、カットニスは保護される。

反乱軍は政府との戦争に勝った。スノー元大統領は捕虜に。
そして今は国の中が乱れていてまともに選挙できる状況ではないという理由からコインが暫定大統領に。コインは政府の幹部たちに対して大量の死刑を行う代わりに「キャピトルの子ども達でハンガーゲームを行う」という信じられない意見を言うもみんなが反対する。
カットニスは自分がスノーを処刑すると提案。

しかし彼女が処刑場で狙ったのは、スノーではなくコイン首相!!!だと思った~~

最後、捕らわれたカットニスの元へヘイミッチがやってきてプルタークからの手紙を読み上げる。そして新しい大統領が選挙で決まり、カットニスは故郷のおうちに戻ることができた。
ピータも戻ってくる!!!!!!

アニーはフィニックの息子を産み育て、カットニスの母親は医療班を率いていて、ゲイルは第2地区で大佐になったらしい。

そしてカットニスはピータと幸せな家庭を築いた・・・
ラスト、カットニスの優しい子守歌が流れて終わる

ハッピーエンドォ!!

恋の行方の結末は

胡散臭かったコイン首相が、最後のプリムが死んでしまった爆撃の首謀者だったんですねー。
そしてその計画を知りつつ彼女に従ったゲイルも、カットニスに見限られてしまうんですねーーー。

ゲイルも故郷の人達を殺されてから、復讐の鬼になってしまい、政府を、スノー大統領を倒すためにはやり方を選ばないという感じになってしまったんでしょうね。

まぁ、そんなエピソードがなくてもピータが選ばれるのは分かっていたけどね!!!

ゲイルは故郷の幼馴染であり初恋の人って立ち位置の人だったんですけども、あまりにも何もしなかったので、もう少しカットニスの心を揺さぶる行動をしてくれても良かったかなぁ・・・。最後の方なんか完全に

「もうピータのこと好きなんだろ?分かってるよ」

って感じで女々しくなってたしね・・・。

なんだかんだでハッピーエンドで、ピータが幸せになれて本当に良かった・・・。

一番の見どころは

プロポ映像の撮影隊に混ざったピータが夜、カットニスに何が本当のことか、と問いかけるシーンが最高に泣けます!!!!!

昔、何気なく話したピータの好きな色や、靴紐の結び方や、彼がどういう人間だったのかを話してあげて、それは真実よ。と教えてあげるカットニス・・・。

どんな色が好き?という話は以前、二人でしていた何気ない会話の中にあった台詞なので

伏線だったのねーーー!!!と感動しました・・・。

ただ単に失った記憶を取り戻させるというよりは、彼が信じられることから少しずつ教えてあげて、洗脳された状態でも、また一からカットニスの事を信じられるようにした・・・という脚本が良かったです。

カットニスはなぜ最後あの選択をしたのか

スノー大統領ではなく、コイン首相を殺したのか、というところですね。

首相は元から胡散臭い人だったけど、結論から言えば「第二のスノー」になりそうな人材だったからということでしょう。

子ども達(プリム含め)を爆撃で死なせる計画を立てたり、死刑の代わりにキャピトルの子ども達でハンガーゲームしようとか言い始めたり、大統領は選挙で決めるって言いつつ自分を暫定大統領にしたいとか。
カットニスが選挙で邪魔になる予想も立てていたので、もしかしたら暗殺するつもりもあったかもしれませんね。

スノーはもう病気で老い先短いし、彼をわざわざ殺すのではなく、未来のスノーになり得る人物を殺せるタイミングで殺しておいた、という感じだと思います。
本格的にコインが政権を握ってしまったら、また暗殺するの大変ですしね。

まとめ

当初の、子ども達が殺し合うハンガーゲームの片鱗は全くなくなってしまい、最終的には政治的な戦争に発展していってしまいましたが・・・自然な流れだったので良かったかな。ちびぞう的には。

ピータとゲイルの間で揺れる恋心・・・の部分はぶっちゃけ、要らなかったのでは?と思ってしまいますけども(笑)
だってあまりにもゲイルの分が悪すぎるんだもんんんn

 

ちなみに、最後のプルタークからの手紙のシーン。きっと撮影完了に間に合わずホフマンさんが亡くなってしまったため、本来であれば面会するシーンを手紙のシーンに置き換えたんだと予想しています。
うう、切ない。ホフマンさんが最後にカットニスに直接話をしに来るシーンは、とても良い場面になっていたと思うんですよね。

それが、仕方のないこととは言え、非常に惜しく思えました。
ホフマンさんのご冥福をお祈りいたします。

 

若くして反乱軍のシンボル、マネシカケスになったカットニスを演じたジェニファー・ローレンスの演技は本当に素晴らしかったです。彼女のハスキーな声も見た目も大好き!!彼女のファンなら楽しめること間違いなし!!

最近の彼女の映画ですごく面白かった『レッド・スパロー』の記事を紹介しておきますね!!

美しき、国家の武器。映画『レッド・スパロー』ネタバレなし感想

 

 


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