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いいね!依存のあなたへ。映画『ザ・サークル』ネタバレ&感想

「秘密とは嘘。秘密があると犯罪が起きる可能性がある。説明責任がないと、人は悪い行動をする」

予告編では面白そうな雰囲気も出てたんですけどね~~~~~~。

「ちょっと微妙」そうな世間の空気を感じて劇場で鑑賞するのはやめました、どうもちびぞう(@cbz_ewe)です。

主演はトム・ハンクスとエマ・ワトソン。エマ・ワトソンと言えば最近では『美女と野獣』の本家実写版などに出演していましたねーーーー。ハリポタのハーマイオニー役のイメージがようやく抜けてきた感あります。今後の活躍にも期待したいです!!

エマ・ワトソン主演!映画『美女と野獣』実写版のネタバレ&感想

対してトム・ハンクスは最近ちょっとちびぞうの中で不作続きというか・・・あまり良い印象がなくて怖いんですよねぇ・・・。その怖さを乗り越えて来てくれると良いんですが・・・

ギャガさんの公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】The Circle
【制作国】アメリカ
【監督】ジェームズ・ポンソルト
【脚本】ジェームズ・ポンソルト、デイブ・エガース
【原作】デイブ・エガース「ザ・サークル(早川書房)」
【製作】ゲイリー・ゴーツマン、アンソニー・ブレグマン、ジェームズ・ポンソルト
【製作総指揮】ステファニー・アズピアズー、ロン・シュミット、サリー・ウィルコックス、スティーブ・シェアシアン、エバン・ヘイズ、ピーター・クロン、マーク・シュミューガー、フェデリカ・セント=ローズ、ラッセル・レビン
【撮影】マシュー・リバティーク
【美術】ジェラルド・サリバン
【衣装】エマ・ポッター
【編集】リサ・ラセック
【音楽】ダニー・エルフマン
【音楽監修】ティファニー・アンダーズ
【出演([]内は役名)】

  • エマ・ワトソン[メイ・ホランド]
  • トム・ハンクス[イーモン・ベイリー]
  • ジョン・ボイエガ[タイ・ラフィート]
  • カレン・ギラン[アニー・アラートン]
  • エラー・コルトレーン[マーサー]
  • パットン・オズワルト
  • グレン・ヘドリー
  • ビル・パクストン[ビニー]
  • ベック[本人役]

【公開日(日本)】2017年11月10日
【上映時間】110分
【配給】ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】5.3/10.0  (およそ61,200人の評価)

【あらすじ】

憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。「サークル」が開発した超小型カメラによって、自身の24時間を公開することとなったメイは、あっという間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していくが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!!)】

☆2.0/5.0

この映画ってスリラーだったんですか!!!!!?

 

な、なーるほど。そう知って観ればなるほど。なるほどなるほど(笑)となりますね。
流行りのSNS依存に対する警告を含めた社会派ドラマかと思って観ていたら最後ああなったのは・・・なるほどスリラーだからか・・・

いやでも、どんなジャンルか聞いて感想が変わるのって微妙でしょう!!!

何も知らずに観ても面白い!!!って思わせないと!!

というわけでちびぞう的にはこれ、微妙でした。

主人公がどっち寄りなのか曖昧問題

エマ・ワトソン扮するメイ・ホランドが、『サークル』の社員となり、そこの人たちの異常なまでのコミュニティへのこだわり、プライベートを共有しよう!という気持ち悪さに触れて

最終的にはこの会社のやりすぎな部分を明らかにしたりなんだりして、人々の目を覚まさせる展開になるんだな。

と思いきや、メイ自体が24時間体制で自分の生活を晒すという新しい試みにハマっていく・・・そして家族に見放されたり「サークル」の”世界中にあるカメラを使って30分で見つけたい相手を見つける”というシステムを披露する友達を事故で死なせてしまったりして

うん、ここからきっと目を覚まして「サークル」の闇を暴く展開!!!
さぁ現状のおかしさを訴えよう!!!!

と期待するとなぜか「私がサークルを更なる高みへ導くわ!!!」となる・・・。

今までのトップであったトム・ハンクスたちの闇を暴いたまでは良かったんですけど、そこから「SNSで何もかもを共有しよう!」という流れを打ち砕くのかと思いきや、思いきや。ですよ。彼女が新たな「サークル」の重役として、活躍していく・・・という恐ろしい展開に。(だからスリラーなのかもしれませんが)

 

序盤で出て来たカヤックの趣味の時間、それはメイにとって貴重な一人を楽しむ時間。
しかし、ラストではそのカヤックをしながらも「サークル」のカメラに向かって「ハイ、みんな!」と笑顔で声をかける姿が映って終了・・・。

つまり、彼女にとってのプライベートそのものを会社(というか社会?)に捧げてしまったよという恐ろしいオチだったんですよね。

いや、別にオチが恐ろしいのは良いんですけど、その主人公のスタンスが最後の最後まで分かりづらいのが問題。だと思うんです。
メイの立ち位置がわかりづらいため、最後まで共感や感情移入が出来ない。この物語は自分とSNSとの関係を見直すための物語だと思うので、「自分の物語」としても見れないと意味がないと思うんですよね。

そしてその”自分”を投影するためのキャラクターが主人公のメイのはず。だから彼女に共感することが出来なければ、自分の物語として見ることができない。

せっかくの良いテーマなのに、ただただ「最後こっわ」となるだけのスリラーにしてしまったらもったいないと思うんですよ!!!

そもそも一般人のプライベート公開に需要があるのか問題

そりゃエマ・ワトソンほどの美人だったら意味があるかもしれませんが、普通の社員である(という設定だし)メイの私生活を全て公開します!!と言ってもそこまで民衆が熱狂するのか・・・?!という素朴な疑問がありますよね。

見てて面白いなーという事をメイがしていたわけでもないし、あれなら別に彼女の私生活に張り付かなくても、普通にYoutube観てた方が楽しいことしてる人いっぱいいるじゃないすか。

なんかそこらへんも妙にリアリティがないんですよね。
リアリティがない社会のままで進んでいっても、あれはあくまでも「フィクション」の域を出ないんだよなぁ・・・。(当然フィクションなんですけど、リアリティがあればあるほどオチも映えると思うので)

ジョン・ボイエガは一体なんだったのか問題

途中で登場する、「サークル」のシステム開発に携わったという有名人タイ・ラフィート役として登場する、ジョン・ボイエガくん。

スター・ウォーズ新章から始まり、活躍しっぱなしの彼。

こんなところにも出てるのか!!とビックリしましたが、せっかくの彼の名演技も披露されることもなく

「結局彼はなんだったんだ?」

と疑問が浮かぶくらいしか出番もなければそのキャラクターに意味もなかったように感じた(メイに大した影響を与えたようにも見えなかったし)のが非常に残念でしたね・・・。

まとめ

ディスるだけでなく褒めることもしたいなって思っているんですけど、うーーーーーーん。あんまりだったなぁ。褒めたいところもあんまり・・・。

メイがSNSに夢中になって自分の生活を晒すところまでも1時間もかけてるし・・・その割に彼女に共感できないっていうのは結構痛いですよねぇ(まだ言う)

トム・ハンクスもいまいちどの程度悪い奴だったのか分からないまま成敗されてしまったし。

全体的に微妙・・・という、鑑賞前に聞いた世間の評判が間違いなかったパターンのやつかな、とちびぞうは思いました。

とりあえず劇場で観なくて良かった!!!!

あっ、そういえば

ベック出てましたよ!!!!!!!

 

 


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人は人を裁けるのか?映画『三度目の殺人』ネタバレ&感想

「裁判所では―――人の命を自由にできるじゃないすか」

まずは是枝監督!
最新作(2018年5月現在)『万引き家族』のカンヌ国際映画祭での最高賞”パルムドール”の受賞おめでとうございます!!

アカデミーでもぜひ!健闘して頂きたいところですね!!

ちびぞう(@cbz_ewe)は監督の作品は今作で『海街diary』から二つ目!!!

ド初心者の領域です!!!過去に『誰も知らない』『そして父になる』などが話題になった時は邦画にあまり興味がなく、スルーしてしまっていたんですよね・・・。

なので、家族について描くのが彼の映画の特徴なのかなとふんわり知っている程度です・・・。

今作は賛否両論でパッカリらしいですが、果たして・・・??

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本/編集】是枝裕和
【製作】小川晋一、原田知明、依田巽
【プロデューサー】松崎薫、田口聖
【アソシエイトプロデューサー】大澤恵、小竹里美
【撮影】瀧本幹也
【照明】藤井稔恭
【録音】冨田和彦
【美術監督】種田陽平
【装飾】茂木豊
【衣装】黒澤和子
【ヘアメイクデザイン】勇見勝彦
【音響効果】岡瀬晶彦
【音楽】ルドビコ・エイナウディ
【出演([]内は役名)】

  • 福山雅治[重盛]
  • 役所広司[三隅]
  • 広瀬すず[山中咲江]
  • 満島真之介[川島輝]
  • 市川実日子[篠原一葵]
  • 松岡依都美[服部亜紀子]
  • 橋爪功[重盛彰久]
  • 斉藤由貴[山中美津江]
  • 吉田鋼太郎[摂津大輔]

【公開日(日本)】2017年9月9日
【上映時間】124分
【配給】東宝、ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】6.7/10.0  (およそ1,540人の評価)

【あらすじ】

勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも唐突にあるよ!)】

☆2.5/5.0

賛否両論!!!!ということでしたが、ちびぞう的には可もなく不可もなく。

なので「普通に面白い」の2.5をつけさせて頂きました・・・。

後味がなぁ、狙ってのことらしいんですけど、スッキリできない終わり方です。

とてもモヤモヤする終わり方

金が欲しくて殺した

金が欲しかったんじゃなくて私怨で殺した

本当は被害者の奥さんに依頼されて殺した

被害者の娘咲江(広瀬すず)と交流があり、被害者に性的暴行を受けていた咲江を助けるために殺した

全てを撤回、自分は殺していない

こんな感じで、全てが三隅(役所広司)本人の供述ではないんですが、弁護士側が調べたことも合わせると少しずつ見えてくる”真相”が変わっていくので、観てて段々分からなくなっていきます。

ちびぞう的には最後に「自分はやってない」、と言い出したのは咲江に法廷で性的暴行があったなどど証言させたくなかったから、敢えて周りを混乱させようという目的があったのかなと思っています。もしかしたら娘も殺害に関与していたのかもしれないし、そこも守ろうとしたのかもしれない。その流れが個人的には一番しっくりくるかな、と。
劇中で三隅がハッキリと観客の前で「こうだった」と自分から主張したのは初めてのことだったじゃないですか、他は「週刊誌にそう言ったらしい」とか「自白したらしい」とかって、又聞きなんですよ。いや、劇中の登場人物はもちろん本人の口から聞いたってことなんでしょうけど、我々鑑賞者からしたらそのシーンははっきり描かれてなかった。だから、それまでの三隅の自供内容ってどこまでが本当か分からない。
しかし、最後に自分はやってないと言い出したのはハッキリと私たちにも分かるように描かれてる。だからそこに真実があったようにちびぞうは感じました。

といっても想像の域を出ないんですけどね。

今作は最後の最後まで「本当のところはどうだったのか?」というのが分からぬまま、三隅の有罪が決まって終わってしまいます。
主人公の弁護士も複雑な心境で、どうもその弁護士の複雑な気持ちを観客にも感じてもらいたい!というのが是枝監督の意向らしいからもうどうしようもない!

このモヤモヤを享受するしかないのですよ!!!!

”真相”が分からないことに意味がある

この映画は、「”真相”が分からないこと」そのものにスポットライトを立てた法廷劇。

偶然にもちびぞうは最近、NHKドキュメンタリーの『ブレイブ 勇敢なる者 ”えん罪弁護士”』を観ておりまして。

詳細サイトはこちら

有罪率99.9%という日本の司法に挑む「えん罪弁護士 今村 核先生」のドキュメンタリーだったんですが、その中で裁判が1000件あれば1件しか無罪判決が出ない。という恐ろしい事実を知りました。
ほとんどの人がやってなくても自白してしまう。と言うんですよね。そして、一度でも自白してしまえばそれがひっくり返ることはない・・・。

「海外の司法は有罪なのか無罪なのかを判断する場所なのに対して、日本の司法は有罪を確認する場だ

という言葉が今村先生の影響を受けたという論文の一節にあって衝撃を受けました。

つまり、裁判に出てしまえばそれだけで有罪が決まっているようなもの。真実なんて、誰も気にしていないんです。

この映画はそういった日本の司法にメスを入れる作品だった。
だからこそ登場人物はみんな露骨にやる気がないし、主人公も最初は「勝てれば真相なんでどうでもいい」と言っているんです。それが、三隅と関わることで考えが変わっていく。
だけど、主人公一人の考えが変わったところで、日本の司法は一ミリも変わることなく流れていく。その無情さというか理不尽さというか、やるせなさを観客に感じさせることで裁判事情ってどうなんよってところを考えさせる目的があったんだと思います。

劇中で「三隅はただの器でしかない」という言葉が出てきますが、本当にその通り。彼の中はからっぽかもしれない、でもその中身がこうであったらいいなと周りが勝手に決めつける。それが有罪だろうと無罪だろうと。

ちびぞうが、上述した”三隅が咲江を守ろうとした”という事もただの想像でしかない、と言いましたがこれは私が三隅にそうであってほしいと考えただけのもの。

観客であるちびぞうも、器である三隅に自分の都合のいい真実をあてはめて「こうであればいい」と考えてしまっているんですよね。
やられたなぁ、という感じがしました。

家族映画の一面も

主人公の弁護士、被害者家族、そして加害者家族と三つの家族の形が描かれていて、家族の絆や関係性についても描かれている作品だと感じました。

是枝監督と言えば父と子の絆、家族の絆を大切にする人という印象があったので、今回も、形の違う三つの家族の中の絆が見え隠れしていましたね。

まとめ

司法についてメスを入れている、と言っても、一体どれくらいの人に日本の裁判の実情が伝わるのか?と考えると、多分この映画だけでは伝わらないでしょう。

ちびぞうはドキュメンタリーを観ていたからたまたま知っていただけで、知らなかったらその実情が酷いもので、そこにツッコんでいる作品なんだなとは思えなかったかもしれません。

家族のドラマという側面もあるので、結果的に「詰め込み過ぎ」感があるんですよね。

司法ドラマなのか、家族のドラマなのか、はたまた人間を描いたヒューマンドラマなのか。
はたまた人間は人間を裁けるのか、神の存在は必要かなどなどテーマがすごく多い・・・。

観た人が感じるだけの沢山のテーマが潜んでいてとても重厚なんですけど

「分かった、分かったから!」

と言いたくなる説教臭さみたいなものもあって・・・うーん。

タイトルの三度目の殺人の三度目は何を示すのか?も三隅の死刑が殺人だ、と言いたげなのも分かりますけどね。なんだかすごくドヤァ!とされてる感があって。

ちびぞうはプラスの部分もマイナスの部分も合わせて普通に観れた、という感想に落ち着きました。(と言う割にあんまり褒めてないけど)

 


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画像引用元:映画.com

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せめて前篇だけで良かった。映画『サクラダリセット 後篇』ネタバレ&感想

咲良田の未来をかけた、最後の聖戦が始まる―――

はいどうもぉ、ちびぞう(@cbz_ewe)です。

前回の記事に引き続き、こちらの青春超能力映画の後篇について書いていきたいと思います。

超能力者たちの青春映画『サクラダリセット前篇』ネタバレ&感想

今回の見どころはミッチーこと及川光博さんが後篇から登場するということでね、いかに前篇の面白く無さを底上げするか・・・ということなんですが(序盤から辛口全開)

というか今気付いたんですけども、こちらの原作はラノベでしかもアニメ化もされてるんですね。ラノベ原作に偏見はないんですけども、アニメ化されるようなラノベは実写化に向いていないのでは?という気持ちはうっすらとあります・・・。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】深川栄洋
【原作】河野裕 「サクラダリセット(角川スニーカー文庫)」
【企画】丸田順悟
【プロデューサー】春名慶、二木大介、青木裕子
【撮影】清久素延
【照明】三善章誉
【録音】小松将人
【美術】黒瀧きみえ
【スタイリスト】浜井貴子
【ヘアメイク】ワシダトモキ
【視覚効果】松本肇
【編集】坂東直哉
【音響効果】齋藤昌利
【主題歌】flumpool – “ラストコール”
【出演([]内は役名)】

  • 野村周平[浅井ケイ]
  • 黒島結菜[春埼美空]
  • 平祐奈[相麻菫]
  • 健太郎[中野智樹]
  • 玉城ティナ[村瀬陽香]
  • 恒松祐里[岡絵里]
  • 岡本玲[宇川紗々音]
  • 岩井拳士朗[坂上央介]
  • 矢野優花[皆実未来]
  • 奥仲麻琴[魔女(若い頃)]
  • 吉沢悠[津島信太郎]
  • 丸山智己[加賀谷]
  • 中島亜梨沙[索引さん]
  • 八木亜希子[浅井陽子]
  • 及川光博[浦地正宗]

【公開日(日本)】2017年3月25日
【上映時間】103分
【配給】ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】5.8/10.0  (およそ35人の評価)

【あらすじ】

住人の半数が特殊能力を持つ閉ざされた街・咲良田。芦原橋高校の奉仕クラブに所属する浅井ケイと春埼美空が2年前に死んだ同級生・相麻菫を再生させるべく奔走する一方、管理局内では強い権力を持つ対策室室長・浦地正宗が、街の未来を左右する計画を実行しようとしていた。その計画に相麻が関わっていたことを知ったケイと春埼は、仲間たちと共に計画を阻止するべく立ち上がるが……。【引用元:映画.com

【感想(酷評というか・・・)】

☆1.0/5.0

前篇後篇に分けて公開するという割と大作をイメージさせる作りなわりには、前篇は3週目には終わっていたと言う大コケぶりで大変なことになっていましたね。

さて。後篇は果たして盛り返せたのか?

いや、盛り返せるはずはない

IMDbでも前篇の6点台から鑑賞数の半数が減り、人数が激減りすると点は上がりやすくなる(追いかけてるの熱心なファンだけだろうから)と思うのに5点台に下落・・・これは辛い。

もう感想書くのもしんどい

  • 相変わらず物語に置いてきぼりされている点
  • ミッチーを相手取った最終決戦がただの説得という地味さで、前篇のクライマックスの方がよっぽど緊迫していた感
  • ミッチーの演技も怪演というほどでもなく浮いていてつらい
  • 全体の演技もなんだか自然さがなくてつらい(元々ラノべってアニメに似合う台詞回しが多いと思うんですよ。だから現実だと違和感生まれること多々あり)
  • 途中でいきなり主人公とハルキが両思いになって突然三角関係!みたいなシーンが出てくるけど違和感しかない
  • 能力者の能力が暴発したら街中で爆発が起きると言うよく分からない流れ(爆発させときゃクライマックス感あると思ってる)

おおまかにいえばこんな感じです。

ぶっちゃけラストの方は、あまり頭に入って来なくて「え?どうなったっけ?」って感じだけど見返して理解しようという気がまず起きないというね・・・。

能力者を町から消し去りたい!というミッチーVS能力者がいるサクラダが好きという主人公

というのは分かりました。

そして、能力で悲劇が起きないようにしっかり管理していけばいいじゃん?俺がやるし!という主人公の案が最終的にミッチーを納得させた・・・

というのも分かりました。

なんで納得したのかとかいまいち分かっていませんが・・・

 

すごく思うのは、前後編にせずに前篇だけもう少し掘り下げてクオリティアップさせた方が良かったんじゃないかな・・・というところ。

未来視の能力を持った女性がサクラダの管理局で幽閉されながら仕事をしていて、しかし最期には愛する人のそばで死にたい・・・という想いを叶えるために能力者が力を合わせて管理局から脱出させる・・・というのはすごく良い話じゃないですか。
しかも、主人公はその作戦を成功させるためにその身を投じて死にますからね!一回ね!絶対に前篇のラストの方が後篇より盛り上がるよね!

まぁ言ってても仕方ないんですけどね!!

 

よし、こんな感じで勘弁してください。

 

 


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画像引用元:映画.com

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超能力者たちの青春映画『サクラダリセット前篇』ネタバレ&感想

能力者が集う街、咲良田に、聖なる再生を―――

映画館でチラッと予告を観た時に、タイムリープ系の青春群像劇で、ちびぞう(@cbz_ewe)の好みっぽいなぁと思ったものですが・・・しかし気付いたらものすごい速度で上映が終了しておりまして。

劇場で見逃してしまいましたね。

でもなんか大コケしたみたいですね。それを知らずにレンタルしてDVDで観ましたが・・・。

ちなみにちびぞうは原作未読です!!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】深川栄洋
【原作】河野裕 「サクラダリセット(角川スニーカー文庫)」
【企画】丸田順悟
【プロデューサー】春名慶、二木大介、青木裕子
【撮影】清久素延
【照明】三善章誉
【録音】小松将人
【美術】黒瀧きみえ
【スタイリスト】浜井貴子
【ヘアメイク】ワシダトモキ
【視覚効果】松本肇
【編集】坂東直哉
【音響効果】齋藤昌利
【主題歌】flumpool – “ラストコール”
【出演([]内は役名)】

  • 野村周平[浅井ケイ]
  • 黒島結菜[春埼美空]
  • 平祐奈[相麻菫]
  • 健太郎[中野智樹]
  • 玉城ティナ[村瀬陽香]
  • 恒松祐里[岡絵里]
  • 岡本玲[宇川紗々音]
  • 岩井拳士朗[坂上央介]
  • 矢野優花[皆実未来]
  • 奥仲麻琴[魔女(若い頃)]
  • 吉沢悠[津島信太郎]
  • 丸山智己[加賀谷]
  • 中島亜梨沙[索引さん]
  • 大石吾朗[佐々野宏幸]
  • 加賀まりこ[魔女]

【公開日(日本)】2017年3月25日
【上映時間】103分
【配給】ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ61人の評価)

【あらすじ】

住人の半数が特殊能力を持つ閉ざされた街・咲良田。過去に体験したすべての記憶を保持する能力を持つ高校生・浅井ケイは、世界を最大3日分巻き戻す能力「リセット」を持つ春埼美空と行動を共にしていた。「リセット」後の世界では春埼自身の記憶もリセットされてしまうが、ケイの記憶はリセットされないため、2人が一緒にいれば世界を最大3日分やり直すことができるのだ。2年前、「リセット」の影響で同級生の相麻菫を死なせてしまったケイと春埼は、咲良田の人々の様々な能力を組み合わせることで相麻を蘇らせることができるのではないかと考えはじめる。【引用元:映画.com

【感想(酷評だよ!)】

☆1.2/5.0

DVDも当然のことながら前篇と後篇ありましてね・・・。

レンタル屋で両方見つけて「おし!」と両方借りたんですけどね・・・。

正直前篇を見始めてすぐに

「あ、これは後篇まで全部観るのがキッツいやつ・・・」

と思いましたね・・・。

もうこういうのはすぐに分かりますね。なんでだろう。役者の雰囲気とか、オープニングの入りなどなど、感覚ですかね。第6感的な感覚で。

まず最初から置いてきぼり感ある

原作をはしょりまくって、結果、映画だけではいまいちキャラクターの関係性や設定がわかりにくくなってしまう。という残念な事になっていると思います。

主人公が突然、「管理局の頂点に近い人間(もうこの呼び方がすでに厨二くさいのは置いておくとして)」に呼ばれて行ってみたら、

「あなたは私がここに呼んだ」だの「この咲良田市に入れば二度と戻れなくなる」だのよくわからない・・・

主人公が小さい頃、この女性に呼ばれてこの町に来た、というところまでは理解できるんですけど、「二度と戻れなくなってしまうのにも関わらず親の記憶からも消されてまでこの町で暮らすことを選んだ理由」が分からないんですよね・・・。

一応恋愛要素もある感じなんですが(特に後篇は)、主人公とハルキの関係性だったり、もう一人のヒロイン?の関係性もなかなか謎が多いままで進んでいく・・・

超能力に関しても曖昧

ルールが曖昧と言うかガバガバな感じがするんですよ。全体的に。

主人公の能力が「全ての記憶を保持し続けられる」っていうのは分かりやすいんですけど、ハルキの「リセットと言えば三日間巻き戻る。ただしセーブをしたらそれより前には戻れない。更に、セーブが出来るのは一度に一回だけ」みたいな、この能力。

そもそも、主人公とセットでないと使えないの。って言われても

なんで????

となるわけですよ。一応、過去に自分だけでリセット能力を使っていたらミスって友達が死んでしまったという事があってから、信頼する主人公の言葉がないと能力を使えなくなってしまった・・・という理由は説明されるんですけど・・・。

精神的な問題であるなら、最後に主人公がわざと殺されることでリセットしよう!って場面の時にわざわざ”声を届けられる能力”を使ってハルキにリセットを命じなくても、あんな壮絶な場面だったら自力で能力使ってくださいよって思ってしまう。
だって、主人公がただの石になってしまっても愛せるって明言するくらいハルキは主人公ラブなわけだから。死ぬ気で能力使えよ、と思ってしまうわけです。

しかも、「セーブをされた日より昔には遡れない」はずなのに、写真で過去に戻ればそこからまたリセットが使えるのもなんだかなぁ。ルール違反じゃないですかね。法の隙間ってことですかね。

それ以外の能力者も、ルールが曖昧な感じがする人が多い。

「能力を奪える能力者」と言っても、そのやり方は”記憶を操作して能力者にその使い方を忘れさせる”というもの。

それって、つまりは能力を奪うのがメインではなくて「記憶を操作するのがメインの能力」ってことだよね??ほかにもできることめっちゃありそうだし強い能力じゃないですか!!でも基本的に能力を奪うことにしか使わないんだよなあ・・・。

他人に声を届けるにしても、対象から対象へ能力を移す能力も、どれもいまいちハッキリしない。よく分からないまま能力を使うところを見せられても、あまり楽しい!!とはならないわけです。

おそらく、原作ではしっかり説明されているのかと思うんですが・・・。

最後少しだけ盛り上がる

まさかのわざと殺されてハルキに能力を返させるというめちゃくちゃな作戦はぶっちゃけ勝機をなぜそこまで確信して出来たのか?と思ってしまうんですが

そこへ行きつくまでの、能力者たちの力を複数組み合わせて魔女を脱出させる、といった展開は全体的に退屈な流れの中で楽しめた一部分でした。

まとめ

しかし、最後の最後に、過去に死んだ相麻菫(もう一人のヒロイン)が蘇ってビックリ―!!!と言う感じになるんですけど、ちびぞう的には

誰???

ってなるし、もうよく分からないです!!!(笑)

正直この感想すら書く気力が非常に起きなくて苦しみました・・・苦しんで生み出した子(感想)ほど可愛いとかそんなもんではありません。

前篇と後篇を両方借りて失敗したなぁと心から思っていたんですが、逆に両方借りていたから良かったのかもしれません。

だって前篇だけ観たら後篇を借りる気力ってなかなか沸いてこないと思うので・・・。

果たして後篇で盛り返すのか?及川光博さんが出演しているっぽいので、そこに希望の光をかんじているちびぞうでした・・・

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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イベント

名古屋市科学館『マーベル展 ~時代が創造したヒーローの世界~』行って来たよレポ!

等身大のひとりの人間として生きる彼らを通して、ヒーローという文化を感じて頂ければ幸いです―――

どうもーーーーちびぞう(@cbz_ewe)です!

本日は、愛知県名古屋市中区栄にある名古屋市科学館2018年3月17日(土)~6月10日(日)までの期間行われている

『マーベル展 ~時代が創造したヒーローの世界~』

に行って参りましたのでそちらのレポートを書いていきたいと思いますー!

名古屋市科学館の公式サイトはこちら

マーベル、ディズニー公式のサイトはこちら

名古屋市科学館ってこんなところ

画像引用元:wikipedia

ちょっと外観の写真を撮り忘れてしまってしくったなぁーと思いました。とりあえずウィキさんから引用させて頂きます。見た目はフジテレビ銀のドームが宙に浮いているすっごく近未来的なデザイン!!!
この丸い球の中に、「世界最大級」と言われているプラネタリウムが入っています!!!

2011年にリニューアルされて世界最大級となったプラネタリウムは、当時予約のチケットもなかなか取れず当日券では到底入れない・・・という感じでしたが、今は落ち着いてるんですかね。でも今でも土日でしたら予約を取って入るのがオススメだと思います。

いざ科学館へ!!

ちなみに科学館に併設されているカフェ&レストランには、マーベル展限定のメニューがいくつかありました。

ちびぞうは昼ご飯を科学館すぐそばのすき家で済ませてしまったので涙の満腹状態・・・!!(;;)今回はどれも食さず終了・・・。

さぁ中へ!!!

 

マーベル展のチケットは以下の通り。()内は前売り券の値段です。

  • 一般1,200円(1,000円)
  • 高大生700円(500円)
  • 小中生500円(300円)

ちなみに、こちらのチケットでプラネタリウム以外の科学館の普通展示も見れます!!!!

入り口入ってすぐの巨大ポスター

ハァハァ興奮してしまいますね!!!!!!!!
チケットカウンターはこんな感じ!!!

ハルクもいました!!!!等身大ハルクと思われます!!!!

ははははは迫力がしゅごいよぉおおおおおおおお!!!

筋肉すっごいです血管浮きまくりです、この緑の色合いも表情も最高。

入り口のお姉さんにチケットを見せて入場。
マーベル展は地下二階の展示室で催されていました。

最初にスタンリーおじさんがご挨拶

と言っても映像だけですが!(当たり前)

入り口を入ってすぐに、マーベルの伝説的原作者でありマーベル・メディアの名誉会長でもあるスタン・リーおじさんの挨拶の映像が流れていました。

ここからはもちろん、画像や動画などの撮影は禁止。じっくりガッツリ舐めるように鑑賞しましょう!!!
ちなみに平日なのもあってか、開始から時間が経ってるのもあってか割と空いていて映像や展示物はストレスなく見ることができました。

エクセルシオール!!!という言葉を映像の締めにスタン・リー御大から聞けます。

この言葉は彼が漫画の編集後記の締め括りに使う言葉で有名だそうで、ラテン語で「さらに高く」や「さらに上へ」と言った意味合いがあるみたいですねー。

関係ないですがジャンプの『僕のヒーローアカデミア』でも「”Plus Ultra”(更に向こうへ)」という言葉が使われているのを思い出しました。アメコミ好きの堀越耕平先生がスタン・リーの言葉に影響されている可能性はとても大きそうですよね・・・!

5つのゾーンに分かれている

『コズミック&ミスティック』・・・超常世界で活躍するヒーローの世界。
『グローバル』・・・世界を股にかけて活躍するヒーローの世界。
『ローカル』・・・隣人として身近に活躍するヒーローの世界。
『シネマティックユニバース』・・・作品ごとのヒーローが手を組み悪に立ち向かう!
『サイエンスエリア』・・・名古屋市科学館限定の展示!!

このようなゾーンに分かれていて、様々な視点からヒーローを楽しめます。

マーベルという会社の成り立ち

アメリカにおけるコミックとは?マーベルとは?についての展示があり、マーベルの歴史と銘打たれた映像が流れていました。(Pulp to Pop!というドキュメンタリー映像かな?)

以前このブログでも感想を書いた、『マーベル・スタジオの世界』というドキュメンタリーと似たような感じでしたね。

MCU製作秘話が語られるドキュメンタリー『マーベル・スタジオの世界』感想

ここらへんで、社会に起きた歴史的出来事と一緒にマーベルの会社の変遷を年表で知ることが出来ます。

スタン・リー、そしてスパイダーマンを彼と共に生み出したスティーブ・ディッコ、ファンタスティック・フォーやX-MENを創り出したジャック・カービーなどのクリエイターの紹介もありました。

原画も随所で見られ、ジョン・ロミータ画の「マイティ・マーベルカレンダー1975」の原画や「ヤングメン#26」、ジム・スターリン画の「ウォーロック#6」の原画などがありました。

衣装やミニチュア・フィギュアの展示も!!!

ちびぞうが愛してやまないロキたんの衣装、ソーの衣装と彼の武器であるハンマー・ムジョルニア、ドクター・ストレンジやスターロード、世界大戦時のキャップの衣装、キャップの盾(割れたバージョンも!)グルートの顔のマスク?などもありました!!

『アイアンマン3』から損傷したアーマー(マーク42)もありましたよ!!!!

どれも迫力があって、感動して涙が・・・。

特に、ブラックパンサーの衣装の細かい模様がまさに職人技って感じで素晴らしかったですね・・・。
シビル・ウォーでブラック・ウィドウ(ナターシャ)が着ていたドレスもあったんですけど、すごくかわいかったです・・・(大したことない感想しか言えない)

そこではキャップの俳優さんであるクリス・エヴァンスをいかに小さく映すかという技法についてのドキュメンタリーが流されていてとっても興味深かったです。

天井にも巨大スクリーンがあって、アベンジャーズの面々の個別インタビューが流れていました。

全体を通して散りばめられていたコンセプトアートも素晴らしかったです。

シネマティック・ユニバースのゾーン

ここでは、マーベルスタジオの社長であり映画プロデューサーのケビン・ファイギのインタビュー映像が。コニチワ~とか言ってました(笑)

そして、MCUの『スパイダーマン:ホーム・カミング』までのすべての作品がフェイズ(段階)ごとに全て紹介されていました。

日本人アーティストの作品も!

カルチャーと銘打った展示コーナーでは、「マンガバリアント」と言ってマーベルが日本人アーティストとコラボしたバリアントカバー(別種表紙)が飾られていました。

バリアントカバーというのは、中身はそのままに表紙だけ特別なものに差し替えたカバーの物のようです。

村田雄介、寺田克也をはじめとする様々なジャンルで活躍する日本人アーティストのカバー作品が見られました。

そのゾーンではマーベル・エンターテイメント・チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジョー・ケサダのインタビュー映像と、それから本物のマーベル・コミックが10数冊、手に取って読めるようになっていました(中身はもちろん英語)

75周年の記念カバーアートの展示や、マーベル展を記念して描かれた真島ヒロ、村田雄介(登場2回目!)、ゆでたまごのイラストもありました。

待ちに待ったフォトスポット!

マーベル展のラストを飾るのは、アイアンマンのアーマー(マーク1~4まで)がまるで社長の自宅のように並んでいる感動のフォトスポット・・・!!!

わぁああああああんんんんんんんn感動ぅううううううううううう!!

一番最初のマーク1、これが全ての始まりです。

このデザインでもめっちゃかっこいいと思います!!!私は!!!

マーク2、まだカラーが決まってない時ですね!!!

カラーが決まったマーク3!!!現在のアイアンマンの原型となっているかたちにようやくたどり着きました・・・!!!

マーク4!!!だいぶ洗練されてきましたね!!デザインが!!

どれも目の前で見ると最高に迫力があってセンスがほとばしっていて最高です・・・この中に社長がはいったのか・・・!!!

いやすいません、レプリカでした(笑)

壁には歴代アーマーが全て並んだパネルが飾られていましたよ!!!

もちろん、アップでも写真撮りまくりました(笑)

そこのフォトスポットには、他にどんなドラマやアニメ、ゲーム化があったかの紹介パネルが貼られていました。

名古屋市科学館、限定展示!!

マーベル展の最後の最後に、科学館らしい展示がありました!

  • アークリアクター プラズマからエネルギーあ取り出せるか?
    このコーナーではプラズマ発生の実演も定期的に行われていました。
  • スーツで強くなれるの? →こんな水着があるよ!
  • ソーのハンマー・ムジョルニアに模したミニハンマーで真鍮、アルミニウム、制振合金を叩いてみよう!
  • キャップの盾 鉄の強さって??
  • アントマン 原子ってあやつれるの?
  • ファルコンのように翼をつけて空を飛ぶ!ジェットマンことイブ・ロッシー

こんな感じで、ヒーローの個性から現実的な科学のお話に持っていく展示の仕方、すごく興味深いしすっごく微笑ましかったです(笑)

これなら、科学の興味の入り口としては十分ですよね!!

 

そして出口近くにあるショップでグッズを物色。
特にはお買い物はしなかったんですが、マーベル展限定グッズとかずるいなぁ・・・欲しくなっちゃいますね。でもこういうグッズって集め始めるとキリがないんだよなぁ・・・。

まとめ

もう舐めるようにじっくり見て来ました!!!!!すごく楽しくてすごく充実した時間になりました!!!

ちびぞうは原作のアメコミは全く読んだことがない映画だけのファンなのですが、それでも十分に楽しめました!やっぱりMCUの作品は全部追いかけておくと、よりその世界観に入り込めると思います!!

トリセツ!【映画”アベンジャーズ”世界の歩き方】4/29追記

個人的に気になったのは、キャプテン・マーベルの展示・・・。

彼女はまだ映画には登場していないキャラですが、そのコスチュームの胸のマークが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で登場したんですよね・・・。

今後最も注目していくべきキャラクターなのかなーと言う感じがしました。

ネタバレなしで映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』感想

それから、これも映画には登場していないですが、声に破壊の力があるという「ブラックボルト」というヒーロー!普段は喋らないというこの個性的なキャラクターに惹かれてしまいました・・・!今後、どこかでお目見えできると良いなぁと思っています。

今いるアベンジャーズやX-MEN、ファンタスティック・フォーなどのヒーロー以外にも、映像化されていないヒーローの紹介などもあって新しい興味となりました、とても楽しかったです。

マーベルファンの方はぜひとも行って頂きたい!

 

 


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か行

少年が隠した哀しい真実とは。映画『怪物はささやく』ネタバレなし感想

「四つ目はお前が話せ。お前の真実を話せ」

ガンで余命いくばくもない母親と二人暮らしする少年のところへ、ある日やってきたバケモノ。
化け物は、お話を聞かせる代わりに最後はお前がお話をしろと言ってくる・・・

もうね、これ、予告編だけ観てもすっっごく面白そうなんですよ・・・

『パンズラビリンス』の製作陣が手掛けたダークファンタジー!というだけで心躍りますね!!
お話は絵本ぽい墨絵?水彩画?のアニメーションになっていてとってもハイセンス。

主演のコナー役には1000人の中から選ばれた新星ルイス・マクドゥーガルくん!

怪物の声には『96時間』などのリーアム・ニーソン!

ギャガさんの公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】A Monster Calls
【制作国】アメリカ、スペイン
【監督】J・A・バヨナ
【脚本/原作】パトリック・ネス
【製作】ベレン・アティエンサ
【製作総指揮】パトリック・ネス、ビル・ポーラッド、ジェフ・スコール、ミッチ・ホーウィッツ、ジョナサン・キング、パトリック・ワックスバーガー、エンリケ・ロペス・ラビニュ、ジスラン・バロワ、アルバロ・アウグスティン
【撮影】オスカル・ファウラ
【美術】エウヘニオ・カバレロ
【編集】ベルナ・ビラプラーナ、ジャウマ・マルティ
【音楽】フェルナンド・ベラスケス
【出演([]内は役名)】

  • ルイス・マクドゥーガル[コナー・オマリー]
  • フェリシティ・ジョーンズ[エリザベス・クレイトン(母親)]
  • シガニー・ウィーバー[クレイトン婦人(祖母)]
  • トビー・ケベル[リアム・オマリー(父親)]
  • リーアム・ニーソン[怪物(声)]
  • マックス・ゴールズ[5歳のコナリー]
  • ジェイムズ・メルヴィル[ハリー]
  • ジェラルディン・チャップリン[校長]

【公開日(日本)】2017年6月9日
【上映時間】109分
【配給】ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】7.5/10.0  (およそ61,350人の評価)

【あらすじ】

裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレなし)】

☆3.9/5.0

号泣ですよぉおおお!!!!!

号泣必至ですよぉおおおお!!!!!!

 

いや、ちびぞうはだいぶ涙もろいので仲間内で「泣いたよ」と言っても「またか」という反応をされてしまうのですけども、いやでも、泣いた作品の中でも特に感動するものとかもちゃんとあってですね!

これがそれだよぉおおおおお!!!

あえてネタバレなしで!

こういう作品はですね、どんでん返るサスペンス!とかよりもずっとネタバレしたくないんです!

だって最初の感動を味わって泣いて欲しいんだもの・・・

 

ダークファンタジー好きなら絶対好きになる

この曇りの日のような暗い雰囲気、絵本からそのまま飛び出してきた感じのアニメーション。
少し怖い感じがして、すごく雰囲気が良いです。

子どもがというよりは大人が子供時代を思い出したり、自分の親について想いを馳せたりできる作品だと思います。

3つのファンタジーなお話もダークな内容で決してハッピーではないんだけど、それが何を示しているのか?というのも分かるととても心に響くし、最後の最後に語られる少年の”秘密”というものを引き立てる役目をしていて、すごく上手です・・・!

主演の子の演技を堪能して欲しい

ちょっぴり爬虫類っぽい感じの特徴的な顔が印象的なルイスくん。

素直な子どもだった頃を終え、反抗期も始まるような少年期の終わり。大人たちの言う言葉の裏側や、信じたくない過酷な現実も見えてくる時期の、複雑な心境を非常に繊細に演じています!!

観客は彼と一緒に怪物から学び、自分の心を見つめ直し、最後の最後には一緒に叫びそして号泣する。

そんなラストを迎えること間違いなしです。

 

まとめ

お話的には、母親の病気が悪化し、一緒に暮らしたくない祖母の元で暮らさねばならず、父親は離婚していて遠くにいて新しい家庭を築いているので自分がそばに行けるわけではない。
母親と二人で生きていたかったのに、それを病が引き裂いてしまう。

そんな少年の生活と、決められた時間にやってくるバケモノが語るお話が交互に描かれるシンプルな構成。

怪物は何のためにやってくるのか?に注目して観てもらいたい。

怪物がやってくる時間にも意味があるので、そこにも注目してもらいたい!!

原作になった絵本はちびぞうは読んだことなかったんですが、結構有名で読んだことあるという人もチラホラいらっしゃるみたいですね。

 

 

ちびぞうも読んでみたい!!!!

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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ま行

イタリア×日本のヒーロー誕生!映画『みんなはこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』ネタバレ&感想

「皆を―――救って」

どうもこんにちは、こんばんはちびぞう(@cbz_ewe)です!

見始めるまで知らなかったんですが、こちらの作品、なんと、日本で1975年に放映されていたテレビアニメ「鋼鉄ジーグ」をモチーフにしているというイタリア版のヒーローもの!

劇中にもばっちり「鋼鉄ジーグ」の映像も出てきますし、主人公がアニメの登場人物の名前である「ヒロシ」と呼ばれたりなど、明らかにモチーフにしているのが分かります。この邦題もカッコよくて良いなぁと思ったんですが、どうも監督自らが訳した邦題らしいです!!すごい!!日本愛に溢れている!!

ちびぞうは全く知らないアニメですが、やっぱり日本愛を感じる作品は嬉しいですね~。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Lo chiamavano Jeeg Robot
【制作国】イタリア
【監督/製作】ガブリエーレ・マイネッティ
【脚本】二コラ・グアッリャノーネ
【撮影】ミケーレ・ダッタナージオ
【美術】マッシミリアーノ・ストュリアーレ
【衣装】メリ・モンタルト
【編集】アンドレア・マグオーロ
【音楽】ガブリエーレ・マイネッティ、ミケーレ・ブラガ
【出演([]内は役名)】

  • クラウディオ・サンタマリア[エンツォ/ヒロシ]
  • イレニア・パストレッリ[アレッシア]
  • ルカ・マリネッリ[ジンガロ]
  • ステファノ・アンブロジ[セルジョ]
  • マウリツィオ・テゼイ[リッカ]
  • フランチェスコ・フォルミケッティ[スペルマ]
  • ダニエーレ・トロンベッティ[タッツィーナ]
  • アントニア・トルッポ[ヌンツィア]
  • サルボ・エスポジト[ビンチェンツォ]
  • ジャンルカ・ディ・ジェンナー[アントニオ]

【公開日(日本)】2017年5月20日
【上映時間】119分
【配給】ザジフィルムズ
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.1/10.0  (およそ10,000人の評価)

【あらすじ】

ふとしたきっかけで超人的なパワーを身につけたチンピラのエンツォは、世話になっていたオヤジが殺され、アニメ「鋼鉄ジーグ」の熱狂的なファンである娘のアレッシアの面倒を見る羽目になる。超人的な能力を持つエンツォを「ジーグ」の主人公である司馬宙とダブらせて慕うアレッシアを前に、パワーを私利私欲のために使っていたエンツォは、彼女を守るため正義に目覚め、互いにほのかな愛情が芽生えていく。そんな2人の前に、闇の組織のリーダー、ジンガロが立ちはだかる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもあるよ!)】

☆4.1/5.0

ちびぞうはこの映画、好きなんですよ~~~~~~。

とっても画面が暗くて主人公も陰気だしヒロインは頭がおかしいしで決して娯楽映画ではないんですけど、でもすごくアーティスティックで愛に溢れていて愛しい映画なんです!!!!

哀愁と悲哀たっぷりの主人公がイイ

盗みを働き男たちに追われている主人公エンツォ。川に逃げ込むと、そこに廃棄されていた核物質のドラム缶にはまってしまい、全身に放射能物質に浸かってしまう。

というオープニングのシーンから始まり、ちょっと体調を崩したあと彼は

放射能物質の影響で肉体強化されちゃいます!!!

9階の高さから落ちても平気だし、鉄も変形させられるほどに怪力だし、傷もすぐに治っちゃいます。(しかし鋼鉄のような体かと思いきや、刃物では切られてしまうし、切断された指とかはくっつかない)

しかしスーパーパワーをゲットしたからと言って、エンツォは突然正義に目覚めたりはしないんですよーーー!!!

そこがイイ!!!

ATMをまるごと盗んだり現金輸送車を襲ったりして悪いことをする。そしてお金を溜め込む。
溜め込んだお金で引っ越したりもしないし、くたびれたアパート住まいのまま、豪華なご飯を食べるでもなく好きなヨーグルトを大量に買い占めて、巨大なスクリーンを買い、その画面でアダルトビデオを観る、という今までの生活に毛が生えたような感じの事をするんですよ・・・(笑)
なんだろう、金は最低限生きていくために必要で、最低限生きるとは彼の中で「雨風しのげる家がある/ヨーグルトを食べる/AVを観る」くらいのもの。その最低限の生活を維持するためだけに金を盗んだ・・・そんな感じがします。つまり、彼自身は彼の人生に何も展望がなく、夢ややりたいことがあるわけでもない。超人的な能力を手に入れたとしても、それは何も彼の生き方を変えるきっかけにはならなかった・・・。

ならば、何が彼を変えるのか!?

それはヒロイン、アレッシアの存在。
同じアパートに住んでいたギャング一味のおっさんに盗んだ時計とか売って生活していたエンツォ。そのおっさんが麻薬密売の時に死亡。彼の家には一人娘(アレッシア)がいて、行き場がなくなった彼女は顔見知りだったエンツォの周りをうろつくようになる。

アレッシアは母親を亡くしてから精神を病み、日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」の世界観の中にどっぷりと入りこんでしまってまともに会話が出来ないような感じ。
彼女はエンツォの超人的なパワーを見て「あなた、シバ ヒロシね!」と鋼鉄ジーグの主人公の名前で呼び始める。最初は困惑していたエンツォだったが、彼女の持っていたアニメのDVDを観たことで一緒にハマってしまい、DVDセットを買ってしまう。(ここらへんすごく可愛い)

同じものを観て同じものを好きだと感じたり、同じ時間を共有して、彼女のピュアな心に触れていくうちに、エンツォは次第に彼女を愛するようになる。

廃遊園地へ彼女を連れて行って、動かなくなった観覧車に乗せて、エンツォが自力で観覧車を回してあげるシーンとか最高に可愛くてロマンチックだし、いい雰囲気になったらパニックになってしまうアレッシアを抱きしめる二人の姿に鋼鉄ジーグのアニメの画面がかぶっていたりするのがすごくアーティスティックで素敵!!!!!!

孤独で盗むことでしか生きていけなかったこの情けない冴えない男がですよ。
輝き始めるわけですよ。アレッシアに時々見せる笑顔が切なくて愛しいわけですよ。

しかもきっと今まで女性を愛したことなんかなかったものだから関わり方も愛し方も知らない。どうしたらいいの?って

そんな矢先!!!!悲劇は起きてしまうんですねーーーーーー。

ヒーロー映画にはつきもの。ヴィラン(敵)の登場ですね。それまでただのギャングのチンピラっぽかったジンガロ(しかし無駄に運がよく死なない)が、エンツォのパワーに目を付け、アレッシアを人質にしてそのパワーの秘密を教えろと迫ってくる。
そして逃げ出そうとしたアレッシアは銃弾に倒れ、最期に「皆を救って」とエンツォに言い残す

かたやジンガロはエンツォと同じ川で同じ核物質に浸かり、同じような超人パワーを手に入れてしまう。球場で爆弾テロを仕掛けようとするジンガロをエンツォは止めに行き、最後に一対一で戦って勝つ。

このラストの場面、エンツォは爆弾を持って必死に走るんですよ。出来るだけ人の少ないところへ、出来れば川の中へ、と走る。このシーンがオープニングの彼の走る姿とリンクするんです!!!

オープニングでも彼は必死に走っていた。しかしそれは、自分の身のため。盗んで捕まらないようにと必死に走っていた。
しかし!!このラストの走りは違う。爆発まで5分を切っている爆弾を小脇に抱え、アレッシアの言葉を胸に「誰かを助けよう」と走っている!!同じ川辺を走るシーンですが、全く意味合いが違うんです。

こんなに分かりやすく成長してくれる主人公も珍しいというか、すごく感動しましたね。

エンツォのキャラクターが本当に素晴らしく、彼の生き方の描き方も本当に良かった。

ヒロイン、アレッシアの魅力

彼女はちょっと外見が、美人なのか不細工なのかちょっと場面によってコロコロ変わる不思議な女優さんでして・・・(笑)しかしそれが魅力の一つと言うか。精神を病んでしまった部分でのピュアさの演技だったり、それまでの正常な女性であった時の顔が見え隠れする演技が、表情から何から不安定なアレッシアを表現していたと思うんですよね。

エンツォを演じたクラウディオ・サンタマリアも素晴らしかったですけど、アレッシアのイレニア・パストレッリもすごく良かった!!!

お姫様のドレスを着て、喜ぶ彼女の姿はエンツォの目にも心にも焼き付いたんだろうなぁ・・・。

まとめ

SFアクションですけど、これは間違いなく愛によって成長する男のストーリー。

そして、ヒーローの誕生の物語でもあります。

すっごくちびぞうは好き!!続編も観たい!!!!

エンツォはあまり表情に変化がないし明るい性格ではないけど、でもコミカルな雰囲気にも持って行けると思うし、ヒーローとして目覚めた彼の今後の生き方もぜひ見ていきたいんで監督宜しくお願いしますよ続編をぉおと額を擦りつけて土下座したいですね!!!!!!

 

あ、結構グロいシーンあります。容赦なく人が死にます。あとエロいシーンもあるっちゃあるし基本的に雰囲気が陰気なので苦手な人は気を付けていただきたい。
PG12ですからね。

でもすごくオススメですよ!!!!!!!!!鋼鉄ジーグも観たくなりますよ!!!

 

 


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子どもを奪った夫婦と、奪われた夫婦の映画『光をくれたひと』ネタバレ&感想

「一度 赦すだけでいいから」

こちらはちびぞう(@cbz_ewe)未チェックの作品。母が観たいと選んだのでレンタルしてみましたー!

監督と脚本は『ブルーバレンタイン』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 』デレク・シアンフランス!ブルーバレンタインはカップルで観ると微妙な気持ちになってしまう映画のまとめの中に出て来ていましたね!

絶対に【恋人と観てはいけない映画8選!】気まずい。

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズはちびぞうのお気に入りの映画でして、この監督は夫婦間の微妙な気持ちの変化とか、親子の絆とか描くのが上手だなと思っています。

主演はマイケル・ファスベンダー!『X-MEN ファースト・ジェネレーション』などでマグニートーを演じている役者さんですね~。奥さん役のアリシア・ヴィキャンデルは最新のトゥーム・レイダーでララ・クロフトを射止めた実力者!

監督そして演者ともに安心して観られる感じですね^^

【映画情報】

【原題】The Light Between Oceans
【制作国】アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド
【監督/脚本】デレク・シアンフランス
【原作】M・L・ステッドマン『海を照らす光(ランダムハウス発行)』
【製作】デヴィッド・ハイマン、ジェフリー・クリフォード
【製作総指揮】トム・カーノウスキー、ロージー・アリソン、ジェフ・スコール、ジョナサン・キング
【撮影】アダム・アーカポー
【美術】カレン・マーフィ
【衣装】エリン・ベナッチ
【編集】ロン・パテイン、ジム・ヘルトン
【音楽】アレクサンドラ・デプラ
【出演([]内は役名)】

  • マイケル・ファスベンダー[トム・シェアボーン]
  • アリシア・ヴィキャンダル[イザベル・シェアボーン]
  • レイチェル・ワイズ[ハナ]
  • ブライアン・ブラウン[セプティマス・ポッツ]
  • ジャック・トンプソン[ラルフ・アディコット]

【公開日(日本)】2017年5月26日
【上映時間】133分
【配給】ファントム・フィルム
【映倫区分】G
【IMDB】7.2/10.0  (およそ39,230人の評価)

【あらすじ】

第1次世界大戦後のオーストラリア。孤島ヤヌス・ロックに灯台守として赴任した帰還兵トムは、明るく美しい妻イザベルと幸せな日々を送りはじめる。やがてイザベルはトムの子を身ごもるが、立て続けに流産と死産に見舞われてしまう。そんな矢先、男性の死体と生後間もない赤ん坊を乗せたボートが島に流れ着く。赤ん坊に心を奪われたイザベルは本土に報告しようとするトムを説得し、赤ん坊にルーシーと名付けて我が子として育てはじめるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレします!)】

☆3.0/5.0

とっっても繊細な映画でした・・・。

この、タイトルも良いですよね。「光をくれた人」。灯台守をしている主人公トム(マイケル・ファスベンダー)が、光を与える側かと思いきや、この光をくれる人というのはトムに生きる希望を与えてくれた妻そのものだったという。
ちびぞうはそう解釈しました。

おおまかなストーリー

最初、戦争を終えて灯台守の仕事を請け負ってやってきたトムは、港町に住む娘イザベルと交流をする。「感覚を失った」というトムにイザベルは戦争で兄を亡くしたという話をする。

イザベルの話は切ないけど、こういう話を聞いて元軍人はどう思うんだろうなぁ。自分たちが殺してきた兵士にも同じように家族がいてこうして悲しみにくれているのかもしれないと思うと、可哀そうにというだけではなくて罪悪感みたいなものも感じるのかもしれないし。もしくは劇中で語られていたように完全に感覚というものを失って、思う事が特にないのかもしれない。それも悲しいですよね。

二人は港と灯台のある島で文通を始めて、映画の開始から20分ほどで結婚します。この辺りの流れはサクサクです。

そしてここからが映画のメインの展開!!!!!

子どもを望むけど立て続けに流産、死産が続き精神的にイザベルが参っている時、海を漂う一艘のボートに赤ちゃんが乗ってやってくる!!!
一緒に父親らしき男性も乗っていますが、すでに亡くなっている様子。赤ちゃんをあやすためのカラカラ?も見つかります。

全てを報告せねば、というトムに対し「報告しないで」と懇願するイザベル。
そう、船に乗ってやってきた赤ちゃんを自分たちの子どもとして育てよう!!と言い出すのです!!

トムは「今報告すれば養子の申請が出来る」と言うけど、「何もない灯台の夫婦では認めてもらえない。どこかの養護施設に送られてしまうわ」とイザベル。

トムは仕方なく妻のために男の死体を島に埋めて、報告書には「早めに赤ん坊が生まれた」と嘘を書いてしまうー!!

そしてここからが物語の第二段階・・・

 

港町の墓所で旦那と赤ん坊を亡くした未亡人を見つけるトム。彼女が赤ちゃんの本当の母親だと気付いてしまう。夫はドイツ人で、差別により暴行を受けそうになったところをボートで逃げ出してそのまま遭難、帰らぬ人になってしまったらしい。トムは本当の母親へ

「あなたの娘は幸せに暮らしています。旦那さんは神の御許で安らかに」

とメモを残す。母親は子どもが生きているかもしれないと探し始める。

その後赤ちゃんはルーシーと名付けられ4歳に育つ。灯台の40周年のお祝いで、ルーシーの本当の母親ハナと会話するイザベル。そこで彼女が本当の母親だと気付いてしまう。しかし、ルーシーにとっての母親は私よ、と返すつもりのなさそうなイザベル。

トムはルーシーを見つけた時にボートで見つけたカラカラをハナにこっそり返す。

おそらく、トムはイザベルの説得が無理だと思い、わざとハナにルーシーを見つけて貰うように動いてるんだろうな・・・。

カラカラの写真が貼りだされて、情報に賞金がかけられる。すぐにルーシーがハナの娘だとバレ、警察がトムを捕まえる。トムは全ての罪をかぶって投獄される覚悟で「自分が妻を従わせた」と嘘をつく。

ルーシーはハナの元に戻されるが、ママの元へ返して!と聞かない。本名はグレースだけど、それも受け入れられない。イザベルを探して迷子になってしまうルーシー。
ハナはその様子に、イザベルの元へ返してやろうと決める。イザベルに「旦那(トム)の罪を証言して監獄に入れられたら娘を連れてきます」と言いに行く。

イザベルはトムのせいで娘を手放すことになったとトムを恨んでいたけど、ハナがルーシーを返そうとしたことで読まずに置いていたトムからの手紙を読んで、全ての罪を告白することを決める。

夫婦一緒に投獄されることになるが、ハナが二人を赦すと言ったことで(おそらく)刑が軽くなる。

ルーシーはハナの元で暮らし続け(名前もルーシー・グレースに改名)、大人になり子どもを産み、トムの元へ会いに行く。イザベルはすでに亡くなっていたが、彼女からの手紙を読んで、映画は終わる。

罪を犯した大人たちに振り回される子ども

4歳になったルーシーに本当の母親が見つかるけど、もう今更ですよね。今更。
「ママの所に帰りたい」と言うのが本当に可哀そう。振り回されてる子どもが一番かわいそう。

流産して辛いから他の親から赤ちゃんを奪うなんてもってのほか、妻を説得させられない旦那もダメダメだし、しかも嘘をつくと決めるなら一生かけてでも守らないといけないのでは?
結局、自分の罪悪感をなんとかしたくて本来の母親に返そうとしているし、トムもルーシーのことなんて考えていないように見えました。
先々の事まで考えるべきだよなぁ、大人は。人間は弱いなぁ。と常々感じながら鑑賞していました。
子どもを作ろう、と思うのがすでに親の身勝手だから仕方ないのかもしれない。

トムは妻の為に罪をかぶって投獄された。一度は(戦争で)死んでいたかもしれない身。感覚も失ってしまっていた自分に人生をくれたのは妻だから、とかばう。

この夫婦はお互いのことはとても愛していたと思うんですけどね。子どものことは愛せない夫婦でしたね。

対照的に赦す夫婦

灯台守の夫婦とは対照的に、赤ちゃんを奪われてしまった母親ハナは、ルーシーが自分を拒絶するのを見てイザベルに返そうとする。
本当に自分の子なのに、奪われて、母親として見てもらえなくなってしまって、それでも譲ろうとする。彼女は本当にルーシーの幸せを考えられる人だった。

しかも彼女は、全てを打ち明けて投獄される夫婦を赦そうとする。

そこがまた良いんですよね。

ハナの旦那さんはドイツ人で、現地では差別されていた。しかし彼は、いつでもにこやかに笑っていた。なぜ、あなたは辛い目にあってきたのに幸せそうなの?と聞かれて答える台詞が印象的。

「一度赦すだけでいい。人を恨むとずっとその事を考えていなければいけない」

この旦那さんの言葉を思い出し、ハナも夫婦を赦すことを決めた。
立派ですね。こっちの夫婦が物語の主人公であってもおかしくないって感じですけど、でもあえて罪を犯す夫婦が主人公になっているところがこの映画の面白いところだな、と。

まとめ

実際にお子さんのいる母親の立場で観ると、思う事も色々と変わってくるかもしれません。

ルーシーは劇中で「ママのところへ帰りたい」とは言うんですけど、「パパのところへ帰りたい」とはあんまり言わないんですよね。多分、母と子の結びつきの物語だったからなのかもしれないし、ずっと罪悪感を抱えていたトムはルーシーから見て「父親」には見えていなかったのかもしれませんね。

決して気軽な感じで観れる作品ではないんですけど、罪を犯しても反省をして償おうとすれば希望はあるよって言ってくれているような気もするし、本当の娘ではなくても一度作った絆は途切れず続いていくよっていう(まさにそこが希望)お話で、最後はホッと終われます。

ルーシーは母親と思えない人のところに移されて、大人になるまでずっと複雑な気持ちだったかもしれないけど、子どもを産んで初めて、トムのところを訪ねることが出来るようになるんですよね。
それってやっぱり、母親になると今まで理解できなかった親たちの選択に、少し理解を示せるような内側の変化が起きるってことなのかなぁ・・・。

「光をくれた人」というタイトルにたがわず、いろんな角度から人間の関係性に希望をもたらすお話だなと思いました。

興味のある方は、ぜひ観てみてください。

 

 


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あ行

まるで上質なお化け屋敷。映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ネタバレ&感想

”周期セミみたいだ。何年かごとに大量発生する”

先日?古い方の『IT』を観まして、ようやくリメイク版にも手を出しましたちびぞう(@cbz_ewe)でっす!!!

元祖・ピエロが襲う恐怖映画『IT イット(前後編)』ネタバレ&感想

今回の狂気のピエロ役は観ていて全く気付けなかったんですが、ビル・スカルスガルドくん!!スウェーデン出身の俳優さんで、『シンプル・シモン』で主演していましたね!

障がいと向き合うということ。映画『シンプル・シモン』感想

この記事でも書いてますが、『マンマ・ミーア!』などのステラン・スカルスガルドの息子さんです~。

まぁ、白塗りピエロで気付ける人の方が難しいかと思いますが・・・(笑)
ペニーワイズ役は、テレビ版でもティム・カリーが演じていましたし、選ばれたのは純粋にすごいなぁ・・・と。(なんというかそれが分かっただけでピエロがちょっと色っぽく見える不思議)

今作はじわじわと口コミで人気が出ている・・・といった印象があって、ちょっぴり期待しつつ鑑賞しました。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】It
【制作国】アメリカ
【監督】アンディ・ムスキエティ
【脚本】チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン
【原作】スティーブン・キング『IT-イット-』
【製作】ロイ・リー、ダン・リン、セス・グラハム=スミス、デビッド・カッツェンバーグ、バルバラ・ムスキエティ
【製作総指揮】デイブ・ノイスタッター、ウォルター・ハマダ、リチャード・ブレナー、トビー・エメリッヒ、マーティ・P・ユーイング、ダグ・デイビソン、ジョン・シルク、ニーハ・カイケンダール
【撮影】チョン・ジョンフン
【美術】クロード・パレ
【編集】ジェイソン・バランタイン
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【音楽監修】デイナ・サノ
【出演([]内は役名)】

  • ジェイデン・リーベラー[ビル・デンブロウ]
  • ビル・スカルスガルド[ペニーワイズ]
  • フィン・ウルフハード[リッチー・トージア]
  • ジャック・ディラン・グレイザー[エディ・カスブラーク]
  • ソフィア・リリス[ベバリー・マーシュ]
  • ジェレミー・レイ・テイラー[ベン・ハンスコム]
  • ワイアット・オレフ[スタンリー・ユーリス]
  • チョーズン・ジェイコブズ[マイク・ハンロン]
  • ニコラス・ハミルトン[ヘンリー・バワーズ]
  • ジャクソン・ロバート・スコット[ジョージ―・デンブロウ]

【公開日(日本)】2017年11月3日
【上映時間】135分
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【映倫区分】R15+
【次作】IT/イット:チャプター2
【IMDB】7.5/10.0  (およそ271,210人の評価)

【あらすじ】

内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも!!)】

☆3.5/5.0

これはすごくイイ!!!!!!!!!

とてもイイ!!!!すき!

何が良いのか!!!ポイントごとに分けて書いていきたいと思います!!!

ハイクオリティなお化け屋敷感

内容としても驚かし方としてもすっごくベタなホラー映画だと思うんですけど、映像と音楽がすごくイイんですよね。

じわじわと恐ろしさを感じる表現だったり、ビクッと驚かされたりする感じとかが、お化け屋敷を楽しむように、楽しめる怖さ。エンターテイメントとしてのホラーというものを皆が分かってて楽しんでこわがれる。という。

それと、ピエロが見せてくる悪夢というのは、子ども達7人それぞれに違う、それぞれが思う”恐怖”を映像化しているので、色んな種類の”恐怖”が見られるんですよね。例えば兄弟を失う恐怖だったり、お化けに対する恐怖、病気に対する恐怖、異常さを持った親たちに対する恐怖・・・見てる人もきっとどこかの瞬間で「あ、これは怖い」と思えるものがあるんじゃないかな。

青春ドラマ(群像劇)としても良く出来てる

青春ドラマ×群像劇が大好物なちびぞうですから、すごく良かったです。

元々の前後編あるお話の、前編部分だけをクローズアップして、今風に見事にリメイクしてあり、青春時代の、そう、ちょうど性についてや親のこと、将来のことなんかを悩み始めるキラキラとしていて透明感のある純粋で貴重な時期がすごくよく描かれています・・・!!!!

男の子ばかりの集まりの中に紅一点のベバリーもとっても可愛らしくて、女の子っぽさの中に男らしさというか、毅然とした強さみたいなものも見え隠れする本当に魅力的な女の子で最高なんですよ・・・。最高なんですよ。あのショートカットくそ可愛くないですか(言葉が汚い)

まだ恥じらい始める段階だからか、同世代の男子のことなんか意識してないってことなのかは分からないですが、平気で脱いでそして男子連中が飛び込みに躊躇してる中、誰より先に崖から湖(川?)に飛び込むじゃないですか。サバサバしてて最高だなぁ(何回も言う)その彼女に皆夢中な感じも良いですよね。

あのシーンと、彼女の家のバスルームが血だらけになったけど大人には見えないから男の子たちに手伝ってもらって綺麗にするシーンがめちゃ好きです。音楽も最高にクールでした。

The CureのSix Different Ways!!!!貼っておきますね!!

ベンが詩でベバリーに気持ちを伝えようとする演出も、元作品にちゃんとあるし、そのベンからの詩をビルからのものと勘違いして彼に確かめるシーンもしっかり描かれていて、子ども達の心情も分かりやすい。

本当は怖くて逃げだしたいし、弟は生きてる!!って主張するビルには付き合いきれないし、もう無理だよ!って一度バラバラになったみんなが、「ベバリーが連れ去られた!」ことをきっかけにもう一度集まって戦おうとするのも納得の流れ。みんなベバリーに恋してるし、女の子がピンチの時に、やっぱり男の子は立ち上がらないとですもんね!!

元作品の見にくい部分を綺麗に整理してる

リメイク前の作品は、全編後編に分かれていると言っても、子ども時代と大人時代が交互に描かれているんですよね。

今作は子ども時代のみに焦点を当てて、エピソードをまとめてくれているのでとっても分かりやすいし、絆を持つまでの流れとか「今後また”それ”が出てきたら戻って来よう」と約束する血の儀式もバッチリあって、大人時代へ移る前の準備はバッチリ!!!って感じでしたね。

正直、今作を観る前は前後編と知らずに観ていて、180分くらいあるのを140分くらいに短くカットしたんだなーと思っていたら、逆でした。前半部分を伸ばして、前後編にしている!!!これが大正解だったなーと、個人的に思いましたね。

まぁ、子ども時代のみで完結かと思ったら最後に「Chapter1」の文字が出て「ええっ」となっのは間違いないですけど(笑)

大人たちの描き方も最高

リメイク前の作品でも、「この町自体がどこかおかしい」という話は出ていましたが、今作ではオープニングでジョージ―がピエロに襲われる場面を見ていたおばさんがそれを見て見ぬフリしたり、どうも町の人々もおかしいな、という感じが分かりやすく表現されています。

更に、エディの母親が偽薬を使ってエディを病気だと思い込ませることで自分に依存させていたり、ビルの父親は息子の死体が見つかっていないにも関わらず「あの子はもう死んだんだ」と諦めが強い。
それから、直接的に描かれてはいないと思いますがベバリーの父親は生理の来た娘に向かって「まだ私の物か?」と聞いてくるなど、明らかに性的虐待を行っていたんだろうなと予想できることを口走ったりします。

このように、大人たちが奇妙に、そして恐ろしく描かれているので、「この町全体が何か恐ろしいものに侵されている」という感じもしますし、同時に

「親には頼ることができない。自分たちで何とかするしかない」

という感じもしてきますよね。

この不穏な大人たちの存在が、より子ども達の冒険を深く、納得のできるものにしているんです。だからこそ、自然に観れるし、頑張れ!と応援したくなる。

うーんお上手!

リメイク元との違い

  • オープニングで誘拐される少女のシーンはカット。最初に襲われるのはビルの弟ジョージ―
  • 子どもが痛い目に合うシーンがある(特にベンは腹を何回か切られてる)
  • 大人たちの描かれ方がエグくなってる
  • リメイク元では30年ごとに事件が起きてるけど、今作では27年ごと
  • 銀の塊をパチンコで撃つのではなく、みんなで協力してボコる

些細な違いはちょいちょいありますが、ほとんどはリメイク元と同じ。

スタンリー(だったかな?)が「ルーザーズクラブへようこそ!」と言うシーンはしびれましたねーーーーー!!きたーーーー!って感じが!!

まとめ

原作だとピエロの正体はアレなので、アレが現代風にリメイクされてどんな感じになるのか、そして結末はどう迎えるのか、非常に楽しみです!!!

古い方の作品も観ておくと、「わぁあこのシーン一緒だ!!ここは違う!!」とキャッキャウフフと騒ぎながら観れるので、ぜひとも古い方も鑑賞してみるのをオススメします!

次は絶対に映画館で観るぞ!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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あ行

耽美で危険なJKのイヤミス映画化『暗黒少女』ネタバレ&感想

「それでは、朗読会を始めましょう―――」

読んでイヤ~な気持ちになるミステリー、イヤミスから「暗黒少女」の実写化です!!

ちびぞう(@cbz_ewe)は原作未読で挑みました!!!

主演の清水富美加さんの芸能界お休み前の最後の作品となったのでしょうかね?(あ、違いますねまだ『東京喰種』とかありますね)彼女の映画は『変態仮面』しか観た事がなかったのですが、その時とは打って変わったダークな役で、非常に雰囲気のある(これをカリスマというのね、という感じの)女子高生役を怪演しています!

他にも主演・助演そろってメンバーは美少女揃いですよ~~~

毒々しさオシオシの公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】耶雲哉治
【脚本】岡田麿里
【原作】秋吉理香子「暗黒女子(双葉社)」
【企画/プロデュース】松本整、明石直弓
【撮影】中山光一
【照明】松本憲人
【録音/整音】竹内久史
【美術】松塚隆史
【装飾】有村謙志
【編集】日下部元孝
【主題歌】Charisma.com – “#hashdark”
【音楽】山下宏明
【出演([]内は役名)】

  • 清水富美加[澄川小百合]
  • 飯豊まりえ[白石いつみ]
  • 清野菜名[高岡志夜]
  • 玉城ティナ[ディアナ・デチェヴァ]
  • 小島梨里杏[小南あかね]
  • 平祐奈[二谷美礼]
  • 升毅[白石]
  • 千葉雄大[北条先生]

【公開日(日本)】2017年4月1日
【上映時間】105分
【配給】東映、ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ90人の評価)

【あらすじ】

聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆2.4/5.0

女って恐ろしい・・・!!みたいな感じはあんまりしなかった・・・そしてイヤーな気持ちにもあんまりならなかった・・・

小説の朗読で進む犯人捜し

学校一の美少女であり生徒会長であり経営者の娘であるいつみが学校の屋上から落ち、手にはすずらんの花を持って死んでいた。その事態について、文学サロンの恒例の「闇鍋朗読会」を利用したメンバーの小説という名の告発文の朗読が始まる。

  • 二谷美礼・・・奨学金で入学した一年生。学校に隠れてアルバイトしているのを打ち明け、いつみの家で家庭教師として雇ってもらえるようになる。いつみから親愛の証としてすずらんのバレッタを貰う。いつみから、いつみの父が女子高生でありながら作家デビューした高岡 志夜に誘惑されていると悩んでいたと聞き、いつみを殺した犯人は高岡 志夜ではないかと疑いの芽を向けている。
  • 小南 あかね・・・二年生。実家の料亭を継げず自分で洋食店を開くのを夢に見ている。実家の料亭が火事になり腕にすずらんの痕の火傷を負う。文学サロンにあるキッチンを心の拠り所にしている。いつみから、二谷美礼が無理やり家庭教師のアルバイトをしてきた、しかも彼女は私物を盗んでいくのだと相談を受けており、いつみを殺した犯人は二谷美礼であると疑っている。
  • 高岡 志夜・・・「君影草」小説デビューを果たした二年生。いつみがやたらと小説を英語に翻訳しようとしているのを本当は嫌がっていた。留学生であるディアナが実は吸血鬼だったのではないかと疑っている。いつみがディアナに「これからもディアナの村から留学生を取るわ」と言った言葉を裏切った事を知り、更に夜明け前の校舎でディアナが呪いの儀式を行っていたのを目撃。いつみはディアナに恨まれて殺されたのではないかと思っている。
  • ディアナ・デチェヴァ・・・ブルガリアからの留学生。いつみがブルガリアに留学した時に出会い、帰国後、彼女の村から一人留学生を呼ぶ。本来は双子の姉が留学生として日本へ行く予定だったが急な事故に遭い、代わりに日本へ来た。自分の国の花だとすずらんの花を花壇に植えていた。小南 あかねがお菓子の中に毒を盛り、少しずついつみを殺していったのだと疑っている。

この四人の朗読が示す犯人は全くのバラバラであって、内容もそれぞれ矛盾している。

どうどんでん返るのか?

四人の朗読が終わると、最後に文学サロンの長、澄川小百合の朗読が始まる。しかし読むのは彼女自身が書いた小説ではなく、なんと、死んだいつみの”真相を告白した”小説!

そこで明かされる真実というのは、メンバーそれぞれが罪を背負っていてそれをいつみに弱みとして握られていた・・・というもの。

二谷美礼はボランティアしていた高齢者施設で体を売りお金を儲けていたし、小南あかねは自分の家に放火してるし、高岡志夜が書いた小説は海外文学のコピーだったし、ディアナは自分が留学に行きたくて双子の姉を事故らせていた・・・

その全てをいつみは把握し、彼らを自分が主人公の物語の「引き立て役」として選びはべらせていた・・・・・・・。

しかしいつみはいつみで秘密を抱えていた。それは、顧問の北条先生と付き合っているという秘密。しかも彼の子どもを妊娠したいつみは徐々に体調を崩していく・・・(その過程がそれぞれの小説で”悩んでいた”とか”疲弊していった”とか”毒に侵されていた”、”呪いで弱っていった”と表現されている)

北条先生は父親に全てを話して許しを得るつもりだったが、いつみは堕胎できなくなるまで待って欲しいと言っていた。しかしある日、誰かがいつみの秘密を父親にバラしてしまう。留学中の密会の写真をそえて妊娠していることまでバラされてしまい、父親は北条先生を解雇し、町から追い出していつみの子どもを中絶させた。

脅していたメンバーが結託して裏切ったに違いない。そう考えたいつみが彼女らへの復讐として考えたのが「死の偽装」。全員に疑いがかかるような状況を作り出し、落ちて死んだことを偽装した。そして闇鍋会の闇鍋に、毒にもなるすずらんを混入させていた・・・。

阿鼻叫喚となるメンバーたち。

しかし本当のどんでん返しはここから。

いつみは死を偽装し、この計画の実行を親友である澄川小百合に頼んでいた。別の町へ出て北条先生と新しい人生を築こうとするいつみの姿を見て澄川小百合は思った。

「こんな平凡でつまらなくなってしまったいつみは主人公にふさわしくない」

いつみのカリスマ性が失われてしまったと嘆いた澄川小百合は思いつく。

「自分が物語の主役になろう」

そして彼女はすずらんをいつみの紅茶に入れて殺し、闇鍋に、彼女たちを今後も自分の引き立て役として縛り付けるための素材を混入させた・・・

 

これがこのお話のネタの部分ですねー。まぁ、何を混入させたかはなんとなくの流れで想像するといつみの・・・ということになるんだと思うんですが。

ミステリーとしてゆるゆる

まずメンバーの意見が矛盾している時点で、明らかにおかしいのはいつみの方ではないか。という予測が安易につけられてしまいますよね。

しかも、ちびぞうは最初の子の朗読中にあった”父親にめちゃ怒られて車に無理やり乗せられて泣いているいつみ”の姿を見て、

「こんなに父親が激怒するって何をやらかしたんだろうなー」と考えていました。

そして二人目の朗読者、小南あかねが顧問の北条先生に読書感想文を褒められる、というシーンでなんとなく

「この教師にいつみが恋してるとかそんなんでは??」

と疑い始め、そしていつみのブルガリアの留学に引率で北条先生がついていった、という台詞でピンときました。

「あーこいつらデキている」

そこからは、途中から体調がおかしくなったのは妊娠したからなんだろうし、おそらく父親にバレて堕胎させられたんだろう、と予想がついていきました。

ここらへんの予想が大体ついてくると、最後のどんでん返しもあんまり驚かなくなってしまう・・・。あそこまで全員ゲスだと、澄川小百合もピュアなわけないよねと思ってしまうしね。

もしかしていつみの秘密をバラしたのは澄川小百合かな?とも思ったんですが彼女は最後の最後までいつみ大好きだったはずなのであり得ないですよね。
だとするとブルガリアで一緒にいたディアナが写真撮ってたとしか考えられないんですけど、あの時点でディアナはただ単にいつみに好意を抱いていただけなので、密告用の写真を撮ってるというのは不自然なんですよね・・・。

そういうことを色々と突き詰めて考えていくと、ミステリーとしては少し緩い感じがしました。

ファンタジーとして見るべき?

まずこの女子校の舞台を含め、色々な部分でリアリティを感じられないんですよね・・・。非常に由緒正しい上流階級のお嬢様校だったらものすごく歴史が古くて、それこそ小学校から大学までのエスカレーターで・・・みたいな感じではないのかなぁ。

「生徒会長であり学校の経営者の娘」というのもなんか、そこまでこの学校の規模や歴史が大きくなさそうな気配を感じる。。

あらゆるお金持ち感がわざとらしすぎない???

ちびぞうも片田舎のカトリック系女子校にいましたが募金目的のバザーをやっていたりミサや聖書の時間があって交換留学していたりとか、そこらへんは「あーあるある」と思ってたんですけどこの映画に出てくる女生徒を見てると

「いやーこんな女子高生はいないなぁ」

と思ってしまう・・・。女子校ってもっとサバついてるんじゃないすかね、男子の目がないし。

それだけでなく、例えば作家デビューした高岡志夜の小説が海外文学の丸パクだったりとか、いくらなんでもそれは、日本の出版業界を舐めてるのでは・・・よく分からないけど、いつみが気付けるような物であれば他の誰かも気付いていてもおかしくないですよね・・・という。

いつみが「高校生」という限られた時間の持つ魅力を理解している・・・というのもなんだかなぁ。ちびぞうが個人的に思うのはあの時間はその魅力に気付けなくて駆け抜けてしまうからこそ大人から見て特別なものになるのではないか?ということ。

色んな点でリアリティがなくて、夢の中の出来事みたいでしたね・・・すべてが。

むしろ悪夢、という感じで観たらいいのかも。映画として面白いかはさておき。

まとめ

こういう世界観が好みの人にはハマるのかもしれないですね。

耽美でちょっと危険な香りもする、閉鎖的な空間でのお嬢様ミステリー。

澄川小百合役を演じた清水富美加さんの演技は本当にこの空気感に似合っていて、世界を作る一部になっていたといっても過言ではないです。

彼女の演技を見て雰囲気に浸るだけでも、いいかもしれません・・・!

 

 


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画像引用元:映画.com