人類史上最も熱い、パパの愛と野望。
本当は映画館で観たかったんですけども機会を逃してしまったため、DVD鑑賞となりました…。
『きっと、うまくいく』や『P.K.』のアーミル・カーンが主演と、製作にも関わっているようです。
”きっとうまくいく”の監督&主演再タッグ!映画『PK』感想
今作は、インドの元アマチュアレスリング選手マハヴィル・シン・フォーガットとその娘たちフォーガット姉妹を元ネタとした伝記映画!なので実話ベース!ということですね!
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トップページにいきなり松岡修造の写真が表示されるのは笑ってしまった。確かに熱い映画ですからね!!!
【映画情報】
【原題】Dangal
【制作国】インド
【監督】ニテーシュ・ティワーリー
【脚本】 ニテーシュ・ティワーリー、ピユス・グプタ、シュレヤース・ジャイン
ニキール・メハロトラ
【製作】 アーミル・カーン、キラン・ラオ、シッダールト・ロイ・カプール
【撮影】サタジット・パンデ
【編集】 バッル・サルジャ
【音楽】プリータム・チャクラボルティー
【出演([]内は役名)】
- アーミル・カーン[マハヴィル]
- サークシー・タンワル[ダーヤ]
- ファーティマー・サナー[ギータ(青年期)]
- サニヤー・マルホートラ[バビータ(青年期)]
- ザイラー・ワシーム[ギータ(幼年期)]
- スハーニー・バトナーガル[バビータ(幼年期)]
- ギリシュ・クルカーニー[プラモド]
- ヴィヴァン・バテナ[ハーキンダー]
- アパルシャクティ・クラーナー[オムカル]
- シシル・シャルマ[国立スポーツ・アカデミー会長]
- カームヴィーア・チョーダリー[フォーガットの父]
【公開日(日本)】2018年4月6日
【上映時間】140分
【配給】ディズニー、ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】8.5/10.0 (およそ117,500人の評価)
【あらすじ】
レスリングを愛する男。生活のため選手の道を諦めた彼は、いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ながら道場で若手の指導に励む日々を送っていた。しかし生まれたのは4人連続で女の子。意気消沈した男は道場からも遠ざかってしまうが、ある日ケンカで男の子を打ち負かした長女と次女の格闘センスに希望を見出し、コーチとして2人を鍛えはじめる。町中の笑いものになっても意に介さず突き進もうとする父と、そんな父にささやかな抵抗を続ける娘たちだったが……。【引用元:映画.com】
【感想(ネタバレあり)】
☆3.1/5.0
面白かった!アーミル・カーン扮する父親像が最初はなんとも自己中な男!!という感じを受けたんだけども、話が進むうちに不器用ながらも真っ直ぐに娘たちを愛する姿勢が見えてきて、そんな父を愛さずにはいられない娘たちの気持ちにも胸が熱くなりました。
大まかなストーリー
ハリアーナ州 バラリ
元国代表のレスリング選手、マハヴィル。金メダルが獲れなかった彼は息子にその夢を託したかったが生まれた赤ちゃんは四人全員女の子で夢を諦めざるを得なかった。
ある日、娘二人が近所の男の子をぼこぼこにしたという喧嘩が起きる。それをきっかけに父は「この子たち強いのでは???」と気付き、娘二人をレスラーにしようと決意!
(親というのは絶大な強制力があるなぁ)
彼女たちを強くするために男の子と闘わせたり、たんぱく質が必要だとパパ自ら鶏を料理したりする。
(宗教的な問題があって台所は使わせてもらえないとか細かい演出でも文化を知れる)
娘たちが自分に逆らったら彼女たちの髪をショートに切ってしまう!さすがにそれはやりすぎ!と感じた娘ズはボイコットを決行、しかしたった一日サボっただけで結婚式の場ではたかれる(なぜか甥っ子が)
「あんな父親いらない」と友達に愚痴をこぼすギータ。しかし既婚の娘に「普通の娘は料理と掃除を覚えさせられ家事を押し付けられて14歳になったら顔も知らない男のところへ厄介払いするかのように嫁入りさせられる。あなたの父親は、娘をちゃんと見て将来のことを考えてる良い父親よ」と言われ娘ズは心を入れ替え、レスリングの練習に本気で取り組むようになる。
甥っ子にも勝てるようになったので姉のギータが大会に出ることに。最初は女だという理由で大会側に断られたが、大会側が「待てよ?人が沢山集まれば一人2ルピー選手が何カ月か食っていけるし」という理由で考え直し、客寄せパンダ的な意味で出場が許される。
ギータは負けてしまうが、良い試合をしたという事で特別賞を受賞!優勝賞金より高い賞金をもらう。
(ここら辺の、馬鹿にしてた観客がどんどん魅了されていく演出がイイ!)
どんどん強くなって様々な村で優勝していくギータ。全国大会でも優勝。次は国際大会に出るため、全寮制かな?のスポーツ大学的な学校に入るのがならわし?らしくそこで父と離れ離れになる。
学校で新しい友達を作り自由を満喫し、コーチから「今までの父親の教えは全て忘れろ」と言われどんどん変わっていくギータ。女の子らしく髪を伸ばし実家に里帰りし、彼女の変化に憤慨した父親と喧嘩をし、最後は試合をして父を打ち負かす。
「弱くなったのは父親の方!」そこで父とギータとの間に溝が生まれてしまう。
しかしそんなギータを見た妹のバビータは「私は父を信じ」と反発、ギータを非難し姉妹でも口論してしまう。
学校へ戻ったギータは国際大会に出場。しかし初戦敗退を繰り返してしまう。
そうこうしているうちに妹バビータも強くなり、同じ学校へ入学。
ギータは父親と電話をし、お互い泣きながら和解。
そこから再び姉妹そろって父親に師事してもらうため学校に内緒で朝5時から練習をし、減量しろという学校のコーチの指示にも背いてコッソリ体重を増やしたりする。
しかしその内緒の練習がクラスメイトに見つかり、学校側にチクられてギータたちは退学の危機に。父親の決死の説得で学校側は退学こそさせなかったものの、父親は学校への出入りを禁じられ、姉妹は外出禁止になってしまう。
そんな状況でも諦めない姉妹。自分たちの試合ビデオを父親に送り、受け取った父親は映画館を貸し切ってそのビデオをチェック。「何分何秒のここがこうだからこうしろ」と電話で指導する。
いざ国際大会に再挑戦!コーチとは真逆の指導をする父親は観客席からギータに指示を飛ばす。父親の指示を信じたギータは初戦を勝ち抜く。
しかしコーチがそれを良く思っていない様子。
二戦目に金メダルに一番近いナイジェリアの選手を倒す!次は過去にギータが二度負けてるオーストラリア選手との戦い。
「明日の相手はオーストラリアじゃない。女を下に見る全ての人間との戦いだ」
と父親はギータを勇気づける。
オーストラリア戦の試合当日、コーチが裏で手を引き父親を騙して会場内の物置小屋のような場所に閉じ込め観戦できない状態にしてしまう!
父親の姿が観客席に見えず不安に襲われるギータ。しかしその時、小さい頃父親の厳しい訓練の中で川に落とされたときの事を思い出す。
「お前の窮地を救えない時もある。自分で乗り越えろ」
そう言った父親の言葉を思い出し、ギータは自分を奮い立たせる。
厳しい戦いのラストの5秒間で5点の大技を決めたギータ。金メダルを獲る!!その場にいない父親にも会場内に響く国歌が聞こえギータが優勝したと伝わる!
優勝したギータにマスコミが集まる!これは自分の手柄だと主張するコーチ。
そこへ父がようやく職員に気付いてもらえて監禁状態から解放され、記者たちに囲まれるギータの元へ駆けつける!
ギータは勝利は父親のおかげですと言い、父親はギータに
「お前は俺の誇りだ」
と声をかける。
まとめ
いやー感動しました。特にラストの演出いいですね。父親がいないという場面で自らを奮い立たせるギータは一人の女性として自立を果たしたように見えました。しかしその心の中にはしっかり父親という基盤があるのを忘れていない。
父への感謝と愛を持って父の夢を一緒に追いかけ叶えたギータ。
父親からもしっかりとその努力と実力を認められ、嬉しかったことでしょう。
エンドロールでは元ネタとなったフォーガット姉妹の写真なども見れますよ!
ギータはその後、2012年3月のオリンピック・アジア予選55kg級で優勝し、ロンドン大会にも出場。インドの女子選手として初めて、オリンピック出場を果たしインドの女の子に「女の子でもオリンピックに出れるんだ!」という希望を与えたそうです。
そういえば全く関係ない話ですが、序盤の方で出てきた、女の子は若くして家事を強要され10代の半ばごろには望んでいない結婚をさせられてしまうという話がありましたね。それを聞いて最近観た『ソニータ』を思い出しました。
https://www.elephant-eats.jp/archives/7781
こちらもイスラムの強制婚のようなしきたりに苦しむ女の子のドキュメンタリーです。興味ある方はぜひそちらもチェックしてみてください。
画像引用元:映画.com