カテゴリー
ま行

政治ロビイストがどんでん返す!映画『女神の見えざる手』ネタバレ&感想

彼女がアメリカを「毒」で正す―――。

どうもこんにちは!ちびぞう(@cbz_ewe)でっす!

こちらはちびぞう母チョイスの作品。レンタルでの鑑賞。

配給がキノフィルムズさんなんですけども、今のところキノフィルムズさんの映画はハズレがないんですよ・・・たとえばどんなのがあるかというと

ハクソー・リッジ』『パトリオット・デイ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『ヒトラーの忘れもの』『ニュースの真相』などなど・・・どれも良作ばかりですよね。オシャレなミニシアター系!と言われれば思い出すのもキノフィルムズさんでもあります。パンフも毎回素敵だし!

今作は何やら、政治ロビイストという職業の人が主人公なようですが・・・?内容的に難しいのかな?

【映画情報】

【原題】Miss Sloane
【制作国】フランス、アメリカ
【監督】ジョン・マッデン
【脚本】ジョナサン・ペレラ
【製作】ベン・ブラウニング、クリス・サイキエル、アリエル・ゼトゥン
【製作総指揮】クロード・レジェ、ジョナサン・バンガー、パトリック・チュウ、アーロン・ライダー
【撮影】セバスチャン・ブレンコー
【美術】マシュー・デイビス
【衣装】ジョージナ・ヤーリ
【編集】アレクサンダー・バーナー
【音楽】マックス・リヒター
【出演([]内は役名)】

  • ジェシカ・チャステイン[エリザベス・スローン]
  • マーク・ストロング[ロドルフォ・シュミット]
  • ググ・バサ=ロー[エズメ・マヌチャリアン]
  • アリソン・ピル[ジェーン・モロイ]
  • マイケル・スタールバーグ[パット・コナーズ]
  • サム・ウォーターストン[ジョージ・デュポン]
  • ジョン・リスゴー[スパーリング上院議員]
  • ジェイク・レイシー[フォード]
  • デビッド・ウィルソン・バーンズ[ダニエル・ポスナー]
  • ラウール・バネジャ[R・M・ダットン]
  • チャック・シャマタ[ボブ・サンフォード]
  • クリスティーン・バランスキー[エヴリン・サマー]

【公開日(日本)】2017年10月20日
【上映時間】132分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】G
【IMDB】7.5/10.0  (およそ42,150人の評価)

【あらすじ】

大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.2/5.0

面白かった!!!!綺麗ーーーーーーなどんでん返し!

ちびぞうのようにあまり政治的なお話がよく分からないゾウにも分かりやすい方だったかと思います。

ロビイストとは?

ちびぞうはこの映画で初めてこの単語を耳にしました・・・

調べてみると

ロビー活動の専門家。
ロビー活動とは、特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ,政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい,議会ロビーにおける議員への陳情だけでなく,世論の形成・動員までも含める。ロビイング。(by weblio辞書)

という事だったらしいですねー!

分からないまま最後まで観てしまいましたが、それでも物語には支障なく観れたので問題なかったです。分かってて観るとまた理解も深まるとは思いますけどね!

おおまかなストーリー

ワシントンDCにある連邦議事堂で上院議員による聴聞会が開かれ、そこの証言台に立たされる女性(マデリン・エリザベス・スローン)が主人公。

場面は切り替わり、なぜ彼女がこのような立場に立たされたのか?という数か月前の話が差し込まれます。

 

マデリンは銃規制法案を通したいと小さな会社に引き抜かれ、今やっている仕事もやめて会社を移動。女性を銃賛成派にしたいという銃ロビーたちと戦おうとする。

しかし彼女の仕事のチームメイトの何人かは一緒に会社を移動したものの、マデリンの人柄にうんざりしていた風の後輩ちゃんは彼女について行かなかった。

なぜかというと、マデリンはあまりにも目的を達成することに執着していて、そのためには手段をも選ばない冷酷さを持っていたから。

実際に移動した先の会社でも、銃乱射事件の被害者であることを隠していた社員を利用し、メディアの前で暴露するなど、人道的にどうなのよという方法で議員たちの票を獲得しようとする。

しかし、彼女のあまりに目立つ仕事ぶりから、敵に目を付けられ、潰されそうになってしまう。
銃ロビーを支援する議員たちが裏で画策し、彼女の人柄を晒し上げて本来の流れから世間の目を外させ、銃規制法案に対する追い風を風化させようと目論んだのだ。

そして前の会社に残った後輩ちゃんが、以前マデリンが担当していた仕事で文書改ざんが行われていたことを発見し、それを理由に聴聞会が開かれる(これが冒頭のシーン)。
聴聞会では、彼女の私生活の問題(薬を飲んでわざと眠らない生活をしていたり、男娼を買ったりしていること)まで暴かれそうになる。

しかし、彼女は最後に”言いたいことを話す権利”を使って上院議員の裏取引の録画と音声を大暴露!
実は、この聴聞会そのものが彼女が最初に計画した作戦の一部であり、会社に残った後輩ちゃんも実はグルで、彼女の改ざん書類をネタにわざと聴聞会を開かせ、そこで議員の裏取引を暴露・・・そして完全勝利!!というところまでが彼女の筋書き通り・・・

そして刑務所に行く代わりに、銃規制法案を通すという・・・なんと恐ろしい女なんだ!!!!

ラストの場面では、刑務所を出た彼女が”誰か”を見るような、そんな場面で終わっています。

ジェシカ・チャスティンという女優

マデリンは目的のために同僚も平気で犠牲にするし、それだけではなく、自分のことすら平気で犠牲にする。勝利への執着のみで生きていると言っても過言でないほどに聡明で、冷たく、そして病的、とても孤独な女性でもあります。

彼女の過去などには一切触れられませんが、もしかしたら銃による事件の犠牲者・・・という可能性もなくはないかもしれません。でもそこはそんなに問題でもない。彼女は、彼女なりの正義を持って、何が正しいかを見極め、それを後押ししている。

やり方はえげつないところも多々ありますが、それでもなぜかカッコいいと思えてしまう。
なんだかダークヒーローのような、そんな印象がある深みのあるキャラクターでした。

そんなマデリンを演じているのが女優ジェシカ・チャスティン
ちびぞうは『ツリー・オブ・ライフ』や『MAMA』、『クリムゾン・ピーク』などで彼女を見た事がありましたが、今作ほど演技力に痺れさせられ、ハマり役だ!と感じたのは初めてでしたね。

彼女の力強く、鋭くよく切れるのに簡単に壊れてしまいそうなガラスのナイフのような演技を観るためだけにもレンタルして頂きたい!そんな名演技でした。

邦題のセンスの良さ

この邦題もすごくイイです。原題は「ミス・スローン」で主人公マデリンの名前です。
しかし邦題は「女神の見えざる手」。この、”神の見えざる手”というのは、経済を動かしている力を表す言葉らしいのですが、それを女神に変えているんですねー。彼女がまるで政治・経済を動かす見えざる手なのだ、と言いたげな大仰なタイトルですけど、でもそれもあながち間違っていないな!と思えるくらいにマデリンは凄い

この邦題のセンスも含めて、好きです。

まとめ

ラストの演出もすごく好きなんです。

刑務所から出てきたとき、何かを見るマデリン。

そこには何があったのか?もしかしたら、誰かが待っていたりしたのでは?と想像させるようなラスト。

劇中で登場した男娼役のフォード(ジェイク・レイシー)とは、客という垣根を超えた何かがあったように感じました。だからきっと彼がね、迎えに来てくれてたらいいなと思うんですよ・・・。(完全な妄想感)

だって、あんなに壊れそうに張り詰めている女性がね、たった独りでいていいはずがないんですよ!!だからね、自分を犠牲にしてまで勝ち取った勝利のね、ご褒美があっても良いと思うんですよ!

・・・こんな感じで熱くなってしまう映画です。
静かで政治的ですけど、すごくイイ映画です。さすがキノフィルムズさんです。

 

女性が強い映画が好きなあなたにオススメです!!!!!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ
画像引用元:映画.com

カテゴリー
あ行

耽美で危険なJKのイヤミス映画化『暗黒少女』ネタバレ&感想

「それでは、朗読会を始めましょう―――」

読んでイヤ~な気持ちになるミステリー、イヤミスから「暗黒少女」の実写化です!!

ちびぞう(@cbz_ewe)は原作未読で挑みました!!!

主演の清水富美加さんの芸能界お休み前の最後の作品となったのでしょうかね?(あ、違いますねまだ『東京喰種』とかありますね)彼女の映画は『変態仮面』しか観た事がなかったのですが、その時とは打って変わったダークな役で、非常に雰囲気のある(これをカリスマというのね、という感じの)女子高生役を怪演しています!

他にも主演・助演そろってメンバーは美少女揃いですよ~~~

毒々しさオシオシの公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】耶雲哉治
【脚本】岡田麿里
【原作】秋吉理香子「暗黒女子(双葉社)」
【企画/プロデュース】松本整、明石直弓
【撮影】中山光一
【照明】松本憲人
【録音/整音】竹内久史
【美術】松塚隆史
【装飾】有村謙志
【編集】日下部元孝
【主題歌】Charisma.com – “#hashdark”
【音楽】山下宏明
【出演([]内は役名)】

  • 清水富美加[澄川小百合]
  • 飯豊まりえ[白石いつみ]
  • 清野菜名[高岡志夜]
  • 玉城ティナ[ディアナ・デチェヴァ]
  • 小島梨里杏[小南あかね]
  • 平祐奈[二谷美礼]
  • 升毅[白石]
  • 千葉雄大[北条先生]

【公開日(日本)】2017年4月1日
【上映時間】105分
【配給】東映、ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ90人の評価)

【あらすじ】

聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆2.4/5.0

女って恐ろしい・・・!!みたいな感じはあんまりしなかった・・・そしてイヤーな気持ちにもあんまりならなかった・・・

小説の朗読で進む犯人捜し

学校一の美少女であり生徒会長であり経営者の娘であるいつみが学校の屋上から落ち、手にはすずらんの花を持って死んでいた。その事態について、文学サロンの恒例の「闇鍋朗読会」を利用したメンバーの小説という名の告発文の朗読が始まる。

  • 二谷美礼・・・奨学金で入学した一年生。学校に隠れてアルバイトしているのを打ち明け、いつみの家で家庭教師として雇ってもらえるようになる。いつみから親愛の証としてすずらんのバレッタを貰う。いつみから、いつみの父が女子高生でありながら作家デビューした高岡 志夜に誘惑されていると悩んでいたと聞き、いつみを殺した犯人は高岡 志夜ではないかと疑いの芽を向けている。
  • 小南 あかね・・・二年生。実家の料亭を継げず自分で洋食店を開くのを夢に見ている。実家の料亭が火事になり腕にすずらんの痕の火傷を負う。文学サロンにあるキッチンを心の拠り所にしている。いつみから、二谷美礼が無理やり家庭教師のアルバイトをしてきた、しかも彼女は私物を盗んでいくのだと相談を受けており、いつみを殺した犯人は二谷美礼であると疑っている。
  • 高岡 志夜・・・「君影草」小説デビューを果たした二年生。いつみがやたらと小説を英語に翻訳しようとしているのを本当は嫌がっていた。留学生であるディアナが実は吸血鬼だったのではないかと疑っている。いつみがディアナに「これからもディアナの村から留学生を取るわ」と言った言葉を裏切った事を知り、更に夜明け前の校舎でディアナが呪いの儀式を行っていたのを目撃。いつみはディアナに恨まれて殺されたのではないかと思っている。
  • ディアナ・デチェヴァ・・・ブルガリアからの留学生。いつみがブルガリアに留学した時に出会い、帰国後、彼女の村から一人留学生を呼ぶ。本来は双子の姉が留学生として日本へ行く予定だったが急な事故に遭い、代わりに日本へ来た。自分の国の花だとすずらんの花を花壇に植えていた。小南 あかねがお菓子の中に毒を盛り、少しずついつみを殺していったのだと疑っている。

この四人の朗読が示す犯人は全くのバラバラであって、内容もそれぞれ矛盾している。

どうどんでん返るのか?

四人の朗読が終わると、最後に文学サロンの長、澄川小百合の朗読が始まる。しかし読むのは彼女自身が書いた小説ではなく、なんと、死んだいつみの”真相を告白した”小説!

そこで明かされる真実というのは、メンバーそれぞれが罪を背負っていてそれをいつみに弱みとして握られていた・・・というもの。

二谷美礼はボランティアしていた高齢者施設で体を売りお金を儲けていたし、小南あかねは自分の家に放火してるし、高岡志夜が書いた小説は海外文学のコピーだったし、ディアナは自分が留学に行きたくて双子の姉を事故らせていた・・・

その全てをいつみは把握し、彼らを自分が主人公の物語の「引き立て役」として選びはべらせていた・・・・・・・。

しかしいつみはいつみで秘密を抱えていた。それは、顧問の北条先生と付き合っているという秘密。しかも彼の子どもを妊娠したいつみは徐々に体調を崩していく・・・(その過程がそれぞれの小説で”悩んでいた”とか”疲弊していった”とか”毒に侵されていた”、”呪いで弱っていった”と表現されている)

北条先生は父親に全てを話して許しを得るつもりだったが、いつみは堕胎できなくなるまで待って欲しいと言っていた。しかしある日、誰かがいつみの秘密を父親にバラしてしまう。留学中の密会の写真をそえて妊娠していることまでバラされてしまい、父親は北条先生を解雇し、町から追い出していつみの子どもを中絶させた。

脅していたメンバーが結託して裏切ったに違いない。そう考えたいつみが彼女らへの復讐として考えたのが「死の偽装」。全員に疑いがかかるような状況を作り出し、落ちて死んだことを偽装した。そして闇鍋会の闇鍋に、毒にもなるすずらんを混入させていた・・・。

阿鼻叫喚となるメンバーたち。

しかし本当のどんでん返しはここから。

いつみは死を偽装し、この計画の実行を親友である澄川小百合に頼んでいた。別の町へ出て北条先生と新しい人生を築こうとするいつみの姿を見て澄川小百合は思った。

「こんな平凡でつまらなくなってしまったいつみは主人公にふさわしくない」

いつみのカリスマ性が失われてしまったと嘆いた澄川小百合は思いつく。

「自分が物語の主役になろう」

そして彼女はすずらんをいつみの紅茶に入れて殺し、闇鍋に、彼女たちを今後も自分の引き立て役として縛り付けるための素材を混入させた・・・

 

これがこのお話のネタの部分ですねー。まぁ、何を混入させたかはなんとなくの流れで想像するといつみの・・・ということになるんだと思うんですが。

ミステリーとしてゆるゆる

まずメンバーの意見が矛盾している時点で、明らかにおかしいのはいつみの方ではないか。という予測が安易につけられてしまいますよね。

しかも、ちびぞうは最初の子の朗読中にあった”父親にめちゃ怒られて車に無理やり乗せられて泣いているいつみ”の姿を見て、

「こんなに父親が激怒するって何をやらかしたんだろうなー」と考えていました。

そして二人目の朗読者、小南あかねが顧問の北条先生に読書感想文を褒められる、というシーンでなんとなく

「この教師にいつみが恋してるとかそんなんでは??」

と疑い始め、そしていつみのブルガリアの留学に引率で北条先生がついていった、という台詞でピンときました。

「あーこいつらデキている」

そこからは、途中から体調がおかしくなったのは妊娠したからなんだろうし、おそらく父親にバレて堕胎させられたんだろう、と予想がついていきました。

ここらへんの予想が大体ついてくると、最後のどんでん返しもあんまり驚かなくなってしまう・・・。あそこまで全員ゲスだと、澄川小百合もピュアなわけないよねと思ってしまうしね。

もしかしていつみの秘密をバラしたのは澄川小百合かな?とも思ったんですが彼女は最後の最後までいつみ大好きだったはずなのであり得ないですよね。
だとするとブルガリアで一緒にいたディアナが写真撮ってたとしか考えられないんですけど、あの時点でディアナはただ単にいつみに好意を抱いていただけなので、密告用の写真を撮ってるというのは不自然なんですよね・・・。

そういうことを色々と突き詰めて考えていくと、ミステリーとしては少し緩い感じがしました。

ファンタジーとして見るべき?

まずこの女子校の舞台を含め、色々な部分でリアリティを感じられないんですよね・・・。非常に由緒正しい上流階級のお嬢様校だったらものすごく歴史が古くて、それこそ小学校から大学までのエスカレーターで・・・みたいな感じではないのかなぁ。

「生徒会長であり学校の経営者の娘」というのもなんか、そこまでこの学校の規模や歴史が大きくなさそうな気配を感じる。。

あらゆるお金持ち感がわざとらしすぎない???

ちびぞうも片田舎のカトリック系女子校にいましたが募金目的のバザーをやっていたりミサや聖書の時間があって交換留学していたりとか、そこらへんは「あーあるある」と思ってたんですけどこの映画に出てくる女生徒を見てると

「いやーこんな女子高生はいないなぁ」

と思ってしまう・・・。女子校ってもっとサバついてるんじゃないすかね、男子の目がないし。

それだけでなく、例えば作家デビューした高岡志夜の小説が海外文学の丸パクだったりとか、いくらなんでもそれは、日本の出版業界を舐めてるのでは・・・よく分からないけど、いつみが気付けるような物であれば他の誰かも気付いていてもおかしくないですよね・・・という。

いつみが「高校生」という限られた時間の持つ魅力を理解している・・・というのもなんだかなぁ。ちびぞうが個人的に思うのはあの時間はその魅力に気付けなくて駆け抜けてしまうからこそ大人から見て特別なものになるのではないか?ということ。

色んな点でリアリティがなくて、夢の中の出来事みたいでしたね・・・すべてが。

むしろ悪夢、という感じで観たらいいのかも。映画として面白いかはさておき。

まとめ

こういう世界観が好みの人にはハマるのかもしれないですね。

耽美でちょっと危険な香りもする、閉鎖的な空間でのお嬢様ミステリー。

澄川小百合役を演じた清水富美加さんの演技は本当にこの空気感に似合っていて、世界を作る一部になっていたといっても過言ではないです。

彼女の演技を見て雰囲気に浸るだけでも、いいかもしれません・・・!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

画像引用元:映画.com

カテゴリー
さ行

自殺を独占生放送!まさかの映画『スーサイド・ライブ』ネタバレ&感想

―――あなたは、死の瞬間を観たいですか?

ジャケットのあらすじを読んで、なんてぶっとんだ設定の映画なんだよって思いつつ借りてみました♡

再生してみたらあーらまアルバトロス(ニューセレクト)の配給じゃないですか!!

久々にアルバトロス(B級ホラー映画の配給として有名)の作品だぁ・・・と思いながら視聴。なんと、カメオ出演レベルですがジェイムズ・フランコが出ているのでドびっくりしてしまいました・・・

主演は『トランス・フォーマー』シリーズのジョシュア・デュアメル、『X-MEN』シリーズのファムケ・ヤンセンなど。

監督は『メイズ・ランナー』シリーズにも出ていた俳優のジャンカルロ・エスポジート!

面白さが迷子。映画『メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮』ネタバレ&感想

今作は、”世界で最も危険な映画”決定戦「モースト・デンジャラス・シネマグランプリ2017」のエントリー作品のようですね。
グランプリのサイトはこちら

【映画情報】

【原題】This Is Your Death
【制作国】アメリカ
【監督】ジャンカルロ・エスポジート
【脚本】ケニー・ヤッケル
【原案】ケニー・ヤッケル、ノア・ピンク
【製作】クリストファー・デリア、マイケル・クライン、ジャンカルロ・エスポジート、ローリーン・ヤックル
【製作総指揮】ショーン・ウィリアムソン、ジェイミー・ゴーリング、ケビン・リーソン、ロバート・ハルミ・Jr.、ジム・リーブ
【撮影】ポール・ミッチニック
【美術】ジェームズ・ロビンス
【衣装】シンシア・アン・サマーズ
【編集】ジェイミー・アラン
【音楽】リッチ・ウォルターズ
【出演([]内は役名)】

  • ジョシュ・デュアメル[アダム・ロジャース]
  • ジャンカルロ・エスポジート[メイソン・ワシントン]
  • ファムケ・ヤンセン[イレーナ・カッツ]
  • サラ・ウェイン・キャリーズ[カリーナ]
  • ケイトリン・フィッツジェラルド[シルヴィア]
  • クリス・エリス[ケラー]
  • ルシア・ウォルターズ[レベッカ・ワシントン]
  • ブルーク・ワリントン[イブ・ワシントン]
  • ジェイデン・ノエル[デリック・ワシントン]
  • ギャリー・チャック[バーニー]
  • ガイルズ・パントン[ダレン・ブラッドショウ]
  • スコット・リスター[ザック]
  • ショーン・タイソン[ボブ]
  • ジェームズ・フランコ[男性キャスター]

【公開日(日本)】2017年12月9日
【上映時間】105分
【配給】[MDGP]上映委員会
【IMDB】5.6/10.0  (およそ2,900人の評価)

【あらすじ】

低視聴率に悩む放送局WBCの番組で、出演者が生放送中に自殺するというショッキングな事件が発生。司会者のアダムは罪の意識にさいなまれるが、高視聴率を叩き出したことに味をしめたプロデューサーは、リアルタイムで自殺の瞬間を放送する番組を企画する。最初は反対していたアダムも自分が構成を担当するという条件で承諾し、ついに番組が放送されることに。衝撃映像の連続に賛否両論の嵐が巻き起こる中、視聴者を逃さないために番組内容はどんどんエスカレートしていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.5/5.0

こーれは意外に・・・意外に・・・面白い・・・?かもしれない・・・?(笑)

あくまでもこの異常な設定を受け入れられればですけども!!!

ホラーでありファンタジー寄りの社会派ドラマって感じですかね。

おおまかなストーリー

よくある「大富豪の花嫁を決めよう」系のドキュメンタリーの最終段階、「最後に残った二人のうち、選ばれるのはどっち!?」というところで、選ばれなかった出演者の女が大富豪の男へ発砲、そして拳銃を口に咥えて自殺してしまう。

その司会を務めていた男(アダム)が、別のニュース番組に「彼らを救おうとした勇敢な司会者」として出演。「自殺した女性は病んでいた、それに気付けていれば防げたかも」という内容の話をする予定が、途中で独断で「私たち製作側は二人の女性を競い合わせていた、あの結果はテレビのせいだ。しかしあれこそがリアリティであり、視聴者が望むものだ」と発言してしまう。

事件の起きた番組は視聴率が大幅にアップ。調子に乗ったプロデューサー(イレーナ)が自殺を生放送で中継する番組「あなたの死に様」を提案。

(一応、”末期がんの患者などに自死を選択する権利が与えられていたが、その権利は一般人にも今は与えられていて、医者や精神科医などがその場にいてケアできる状態であれば自殺を放送するのは違法ではない”みたいな説明が劇中でされます)

その番組に誘われたアダムも最初は拒否する姿勢だったが自分に構成を任せてもらえるならと受け入れる。

自殺者のどうしようもできない暮らしの実情をVTRにして流す。そして、彼らに寄付を募る。寄付と同額をテレビ局も自殺者の家族に渡すと約束。
つまり、自殺者が死ぬのは自分の家族のためであり、テレビで死ねば高額な寄付金が家族に与えられる・・・という仕組み。
「自殺によって家族や友人を救う」という大義名分を掲げて、「貧しさなどで窮地に陥っている人たちに逃げ場がないということを真実として視聴者に見せ、世の中の目を覚まさせる」とアダムは主張する。番組は大成功、視聴率ナンバーワンとなる。

しかしとある自殺者が死ぬのに時間がかかってしまい視聴者に飽きられるのを恐れたアダムは「番組の裏で死なせればいいから今は死んだことにしろ」と生きているのに死んだことにしてしまう。それを目撃した視聴者から「あの番組はデマだ」とネットで拡散される。出演者が生きていると都合が悪いため、番組の裏で殺してしまうアダム。
番組の視聴率が落ちるのを恐れてどんどん内容をエスカレートさせるアダム。そんなアダムの変化を嘆いたうつ病の妹が秘密裏に番組に出演。唯一の家族が自殺してしまうと知り、必死に止めるアダム。しかし妹は自殺を実行してしまう。

この流れと同時進行で、仕事を失い家族のために金を稼がねばならない黒人男性(メイソン)の物語が同時進行で描かれる。高齢で雇ってくれる場所もなく、金貸しにも頼れない。そんな彼が最後に「あなたの死に様」で100万ドルが手に入ると知り、番組で自殺をしようと応募。
番組の最終回の最後の出演者として死のうとするメイソンだったが、死ぬに死にきれず
「私にはできない、私は家族を愛している。金なんかいらない。家に帰りたい。みんなも何を見ているんだ。家に帰ろう」
と語り始める。番組を観覧していた客に喝采を受け、妹を乗せた救急車を見送って呆然とするアダムを横目に去っていく。

設定はもうめちゃめちゃ、だけども?

どう考えたってこんな企画が生放送で通るなんてあり得ないと思うんですよ。現実的に考えて。

でも、そこを無理やりにでも通さないと描けない物語というのがあったのは確かだと思います。

例えば、自死の権利についての物語。
これはもうちびぞう一個人の意見でしかないですけども、生まれてきてその人生をどうするかはその人次第。生きる権利もあれば死ぬ権利もある、という発想自体は別にいいと思うんですよね。どうにもならない状況で苦しんでいる自分を救えるというだけでなく、誰かを現実的に救える、という状況が追随しているなら尚更。
(まぁそこで誰かに迷惑をかけたり、悲しむ人がいる場合、”周りの人のことも考えるかどうか”で色々と変わっていくと思いますが)

そういった自死を扱うには確かに若干雑な設定ではあると思いますが、それはそれで色々と考えさせられて面白かったかなと。

 

主人公のアダムがどんどん悪い方向へと変化していったように、人間はいずれ変わっていくものだというのを表している。その逆も考えられる。人は生きていれば良い方向にも変わっていける(その時はどん底だと思っていてもなんとかなるのではないか)というメッセージも込められていたりすると思うんですよね。

必ずしも自死を選ぶことが良い結果を与えるわけではない、と考える余地を残しているし、だけど、確かにそれで救われる人もいる。という事実(現実)も確かにある。
アダムが、自分の家族にだけ「死ぬな!」と声をかけるところも面白かったですね。

人間は悲しいけど、自分に関係ない人間に対しては鬼のように冷徹になれたりするもんです。

そういう人間の根本的な「生きる」というテーマだったり、身近な人とそうでない人の「死の重さ」だったりが見え隠れする、なかなか興味深い作品でした。

気軽に観れるエンタメ系ではないけど、突拍子もない世界観をとりあえず許せる人は観てみても良いかなー。という感じの作品。

最後に二つだけ

「伝統のハラキリ」で自殺した日本人が出てきてましたけど

切腹って確かそれだけじゃなかなか死ねないから、首切り人(介添え人?)が横についていて、その人が首を落とすんですよね。本当に腹切りだけで死ぬわけではないですよね。

番組中に切腹で死ぬってあまりにも非現実的!!!!

そういうのやりたいならもうちょっと調べてからやって!!

 

それと、メイソンが死ねなくて胸中を話したら急に手のひら返す観客!!

一番胸糞悪いよ・・・

 

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

画像引用元:映画.com

カテゴリー
ら行

美しき、国家の武器。映画『レッド・スパロー』ネタバレなし感想

「”スパロー”と呼ばれてる―――それが、彼女だ」

『ハンガーゲーム』シリーズや『パッセンジャー』などに出演しているジェニファー・ローレンス主演!!ちびぞうは彼女のファンなので、彼女が女スパイ役になると知り、ワクワクしながら劇場へ足を運びました(*’ω’*)

目覚めたらひとりぼっち!映画『パッセンジャー』ネタバレ&感想

ダブル主演の相手役は、ジョエル・エガートン!そこまで美形というわけではないんですけども、不思議な男らしい魅力があってちびぞう母はお気に入りだそうで!(笑)

ちなみに『ザ・ギフト』の主演と監督を務めていた才能あふれる役者さんでもあります!

戦慄の贈り物。映画『ザ・ギフト』ネタバレ&感想

パンフはこんな感じ!

大きめ縦長サイズで、めちゃめちゃ反射するテッカテカの表紙!
男性越しにこちらを見てくるジェニファーの鋭い眼光!!たまりませんね!!!

中は赤と白を基調にしたデザインがとってもオシャレ!なんですが、24Pで税抜き667円はちょっと寂しい・・・しかも写真のみのページも結構多くて(;;)もう少し安くして欲しかった・・・。

【映画情報】

【原題】Red Sparrow
【制作国】アメリカ
【監督】フランシス・ローレンス
【脚本】ジャスティン・ヘイス
【原作】ジェイソン・マシューズ「レッド・スパロー(ハヤカワ文庫)」
【製作】ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング、デヴィッド・レティ、スティーヴン・ザイリアン
【製作総指揮】メアリー・マクラグレン、ギャレット・バッシュ
【撮影監督】ジョー・ウィレムズ
【編集】アラン・エドワード・ベル
【プロダクション・デザイナー】マリア・ジャー・コヴィク
【衣装デザイナー】トリッシュ・サマービル
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【出演([]内は役名)】

  • ジェニファー・ローレンス[ドミニカ・エゴロワ]

  • ジョエル・エガートン[ネイト・ナッシュ]

  • マティアス・スーナールツ[ワーニャ・エゴロフ]

  • シャーロット・ランプリング[監督官]

  • ジェレミー・アイアンズ[コルチノイ]
  • メアリー=ルイーズ・パーカー[ステファニー・ブーシェ]

【公開日(日本)】2018年3月30日
【上映時間】140分
【配給】20世紀フォックス映画
【映倫区分】R15 +
【IMDB】6.8/10.0  (およそ33,000人の評価)

【あらすじ】

事故でバレリーナになる道を絶たれたドミニカは、ロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける。やがて組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュに近づくというミッションを与えられる。接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレなしで!)】

☆3.9/5.0

すっごく面白かった!!!私これ大好きです!!!

元々、最近やっていたシャーリーズ・セロン主演の『アトミック・ブロンド』のような、アクションばりばり見せてくれる女スパイかっけぇーーー!!!系のモノかと思っていたんです!

美しすぎるスパイムービー!映画『アトミック・ブロンド』ネタバレ無し感想

でも全然違った・・・

想像を超えるボリューム満点のストーリー

ロシアというお国柄の抱える闇や、アメリカとの関係にスポットを当てた社会派ドラマでもあり、ドミニカという一人のバレリーナが女スパイとして過酷な人生に身を投じていくヒューマンドラマでもあり、敵対国であるアメリカのCIA捜査官と恋に落ちる切なすぎるラブロマンスだったり、二転三転する物語にハラハラドキドキが止まらないクライムサスペンスだったりする

非常に内容の濃いスパイ映画だったんです・・・!

プラス、彼女のアクション的な強さは、今回はありません。

なんせ、主人公ドミニカが入るスパイ養成所というのはいわゆる”ハニートラップ”をメインとした心理系スパイの養成所。戦闘訓練のシーンなんかほとんどなく、エロい映像を観させられたり、人前で裸になってあんなことやこんなことをさせられたりする場面がとっても!!!多い!!!出来たら親とは!観ない方がいい!

なので、いかに彼女が「人の心に入り込み操る能力」に長けているかどうか、というのが物語の非常に大きなポイントになってくるわけで、人を殺したり銃を撃ったりすることはさほど重要ではないんです!!

意外性も高い

敵国のCIAと恋仲になるのかな~~~?そしたら今度はアメリカ側につくのかな~~~?

という予想はあらすじ見ただけでも簡単につくんですが、そこからがね。例えば、あーもうこれは銃撃戦不可避!と思うと主人公の意外な決断により回避されたりとかね・・・

あーーーーーもうこれは無理だ殺される・・・!と思ったら主人公の意外な作戦で生き延びたりね。

それに反して、え??うそ?騙されていたのは私たち観客だったの??と不安にさせられたりとか、意外な展開、意外な選択肢、意外なオチ、みたいなのがどこどこ出てきます。二転三転、振り回されるけどそれこそがドミニカの実力なのね・・・!!

と最終的に納得してしまう。

ジェニファー・ローレンスの静かな熱量

彼女の瞳による演技が本当に素晴らしいです。怒り、悲しみ、絶望、ささやかな喜び、恋心、あまり表情豊かとはいえない彼女ですが、その些細な表情の変化がすっごく繊細で綺麗!!!美しい!!!

元々ちびぞうはジェニファー・ローレンスが大好きなので、彼女がおっしゃれなドレスに身を包んでクールにふるまってるだけでたまりません!!!となるんですけど、もうね、本当に鉄の女って感じの演技を見せていただきまして・・・素晴らしかったです。

そう!ドレス含む衣装やメイクにもぜひ注目していただきたい!大画面で!なので皆さん上映終了するまえに劇場に走りましょう!

まとめ

オチも好きだし、あと何気に養成所の監督官役をしているシャーロット・ランプリングが良い味出してますよー!!!『さざなみ』とかのイギリスの大物女優さんですね!

この人なんでこんな嫌な役ばっかりなの(笑)いや、好きだけど!

あー、一つ気になったのは、ロシア人の話なのにロシア人が演じてないところ・・・ロシア人同士で話してるのに英語・・・とかも地味に気になりますね。まぁこれは今更か。

そういった気になる点はほんとそれだけ。それ以外は完璧(*’ω’*)

エロいとかグロいとかそういったシーンもわりと多めだし、暗い話といえば暗い話なので、観てて辛くなる人はいるかもしれないですが・・・重めでも得るものの多い話だと思うので、うん。ちびぞうはオススメします!!!

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
さ行

スナイパーから生き残れるか。映画『ザ・ウォール』ネタバレ&感想

壁の向こうは、生存確率0%!

スナイパーものの映画と言えば実在したアメリカの軍人クリス・カイルの伝記的映画『アメリカン・スナイパー』がありましたね。

今作は何も前知識なしに観たんですが、イラクの”ジューバ”という狙撃手(2005年にアメリカ兵士を始めとするPKO軍の兵士を狙撃する動画をアップした人の名前らしく実在した個人なのか組織なのかは不明らしい)が元ネタになっているようです。

かと言ってアメスナっぽい映画かと聞かれたら別にそういう感じではなく・・・どちらかと言えば最近観たガエルさん主演の『ノー・エスケープ 自由への国境』と近い雰囲気かも・・・

メキシコ移民をヘッドショット!映画『ノー・エスケープ 自由への国境』ネタバレ&感想

【映画情報】

【原題】The Wall
【制作国】アメリカ
【監督】ダグ・リーマン
【脚本】ドウェイン・ウォーレル
【製作】デヴィッド・バーティス
【製作総指揮】レイ・アンジェリク
【撮影】ロマン・バシャノフ
【美術】ジェフ・マン
【衣装】シンディ・エヴァンス
【編集】ジュリア・ブロッシュ
【出演([]内は役名)】

  • アーロン・テイラー=ジョンソン[アレン・アイザック]
  • ジョン・シナ[シェイン・マシューズ]
  • ライト・ナクリ[ジューバ]

【公開日(日本)】2017年9月1日
【上映時間】90分
【配給】プレシディオ
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ16,000人の評価)

【あらすじ】

2007年、イラクの荒廃した村。アメリカ兵のアイザックとマシューズは、瓦礫の中に残る大きな壁に潜む敵を狙っていたが、5時間まったく動きがないため、マシューズが様子を見るために壁に近づいたところ、想定外の場所から銃撃されてしまう。援護に向かったアイザックも銃弾に狙われ、なんとか壁の背後に退避したものの、まったく身動きが取れなくなってしまった。その時、仲間を名乗る謎の男から無線が入り、その声にかすかな訛りを聞き分けたアイザックは、男の正体を確認しようとするが……。【引用元:映画.com

【感想(結末までネタバレ!)】

☆2.1/5.0

登場するキャラクターは(モブ含めて)5、6人!

ワンシチュエーションモノです。

90分という短めで観やすい時間配分は好感持てますがそれにしても退屈・・・!

おおまかなストーリー

2007年末のイラク戦争が終結しつつある時期。戦後処理に駐屯している兵士たちが、イラク復興のためのパイプライン建設現場で偵察中に何者かに狙撃される・・・誰が何のために?ここから生きて帰れるのか?というスリラーテイストな物語。

二人しか兵士がおらず、一人は撃たれて倒れ、もう一人(主人公)は朽ちた学校の壁が一枚残るその裏に隠れる。

無線機も水のボトルも狙い撃ちされ、通信が通じたー!!と思ったらその相手は自分を狙っているイラク兵で・・・という流れで途中、イラク兵とアメリカ兵のお喋りが差し込まれます。なぜかお前のことが知りたいからお話しようって言ってきたり、エドガー・アラン・ポーの本の内容を朗読してきたり(ここが結構退屈だったりして・・・)します。

ものすごい腕のスナイパー(75人のアメリカ兵を狙撃した”死の天使”)らしく、周囲の人間は全てヘッドショットされているのにも関わらずなぜ主人公たちだけは頭を撃たれなかったのかとか、なぜ敵は主人公の仲間だったディーンという兵士について知っているのかとか、ちょっと不自然に思えるところも多々ありましたね。

スナイパーが言うには彼はバグダッドで教師をしていて、爆撃された過去があるらしく、おそらく教え子の復讐にためにやっているのかな?という感じですが、どこまでが本当のことなのか分からない・・・。

途中、着弾から発砲音までかかった時間や弾の入射角度からスナイパーのおおよその位置を計算したり、無線から聞こえてくる音と望遠鏡から覗いた景色の動きが合う場所を見つけたり、「おっ!反撃できるのか!?」と思えるシーンがあったり、死んだと思っていた仲間が実は生きてるじゃん!というシーンは若干ワクワクするものの。

後半、無線がようやく直ったー!本部に連絡できる!と思ったらそれは自分ではなく敵スナイパーと本部の無線の音が聞こえて来ているだけだった・・・スナイパーがアメリカ兵に扮して返した言葉に騙されて応援が来て、そのヘリもスナイパーによって撃ち落とされてしまう!!!結局一発も反撃出来ないまま、終わってしまう。

最後に主人公は、自分も同じような方法で敵に呼び寄せられたのだと知る。

というなんとも後味悪い感じでエンディング。

緊張感がーーーもう少し欲しかったですねーーーーーー!
自分を狙ってくるスナイパーと無線でお喋りするっていう状況にリアリティがあるかどうかは分かりませんけども、ここまで計画的にアメリカ兵を殺そうとしている愉快犯にも思える相手というのが”サイコパス”過ぎて。戦場とサイコパスってなんかちょっとミスマッチ。

それと絵面がほとんど変わらない映画なので、よほど内容に面白さがないと間が持たない・・・。

まとめ

戦争の爪痕、というのは残酷だなぁ、と思わせられる作品ではありました。

戦後の復興のためでも現地で働く兵士は危険だし、現地の人からしてみたら兵士のしていることの何が自分たちの助けになるかなんて分からないですもんね。戦争が終わった!と思えるのは離れている人たちだけで、その場に残された人たちには明確な区切りなんてないのかもしれません。

しかしその事実と、映画としての面白さが結び付くかというと、ちょっと難しい。そんな作品でした。

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
た行

ジョニデ×アンジー二大共演!『ツーリスト』映画ネタバレ&感想

「君とキスしたことは後悔していない」

高校のころ『シザーハンズ』『スリーピー・ホロウ』でファンになって以来、ジョニデ狂いだったちびぞうですが(頑張って英語でファンレターも書いたよ!返事はない!)、パイレーツの爆発的ヒットによりジョニーの知名度が上がると共に次第に心が冷めていき・・・(それでもPOTC1は劇場で7回観た)

不思議なものですね。「応援していた人が有名になると冷めてしまう心理」に名前はないんでしょうか(単にちびぞうの心が狭いだけ説)

近年のジョニーの映画は不作続きで・・・このツーリストのころはまだ劇場で追いかけよう!という気もあったんですけどね。『チャーリー・モルデカイ』辺りでだいぶガッカリしてしまいました。なんとか盛り返して欲しいところだけどなぁ。
昔からジョニーは「面白い作品に出よう」とか「俳優として成功しよう」みたいな気がなさそうなので、難しいなぁ~(稼ぐと言う意味では成功してるかもしれませんが、あんまり演技力を評価される人ではない)。

脱線した!!!

当時、「二大スター共演!!」のアオリで宣伝されていましたが、ちびぞうは特にアンジーが好きではないので・・・そこまで興奮した記憶もなく。確か、観てみたらポール・ベタニ―が出ていたので脳内で拍手喝采、二人が同じスクリーンに映っていることにニヤニヤしまくり「ジョニデとポールの共演!これが私的二大スターの共演だ!!」と思った記憶があります(笑)

パンフはこんな感じ

表紙がちょっと変わった紙質なんですよね、マットではなくザラついた感じというか。オシャレ。値段は30P税込み600円。中開きのページもあったり、舞台になったヴェネチアのスポットが紹介されてるページがGOOD!

【映画情報】

【原題】The Tourist
【制作国】アメリカ/フランス
【監督/脚色】フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
【脚色】クリストファー・マッカリー、ジュリアン・フェロウズ
【製作】グレアム・キング、ティム・ヘッディングトン、ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン
【製作総指揮】ロイド・フィリップス、バーマン・ナラフィ、オリヴィエ・クールソン、ロン・ハルバーン
【撮影監督】ジョン・シールASC,ACS
【プロダクションデザイン】ジョン・ハットマン
【編集】ジョー・ハッシングA.C.E、パトリシア・ロンメル
【衣装デザイナー】コリーン・アトウッド
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【出演([]内は役名)】

  • アンジェリーナ・ジョリー[エリーズ・クリフトン・ワード]

  • ジョニー・デップ[フランク・トゥーペロ]

  • ポール・ベタニ―[ジョン・アチソン警部]

  • ティモシー・ダルトン[ジョーンズ主任警部]

  • スティーブン・バーコフ[レジナルド・ショー]

  • ルーファス・シーウェル[英国人男性]

【公開日(日本)】2011年3月5日
【上映時間】103分
【配給】ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント
【映倫区分】G
【IMDB】6.0/10.0  (およそ195,000人の評価)

【あらすじ】

イタリアへ傷心旅行にやって来たアメリカ人のフランクは、ナゾの美女エリーズと運命的な出会いを果たす。しかし、彼女と恋に落ちたフランクは、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.9/5.0

思ったよりは楽しめたかなー、という印象。

おおまかなストーリー

アレクサンダー・ピアースという国際指名手配されている金融犯罪者の男を捕まえるために、その恋人であるエリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)を監視するロンドン警察。ピアースは彼女に連絡を取り、「僕の体格によく似た男を見つけて話しかけ、彼を(警察に)僕だと思わせるんだ」と手紙を出す。エリーズは言われた通り、列車で冴えない旅行者フランク(ジョニデ)に声をかける。

フランクとエリーズは二人で過ごすうち、お互い惹かれあっていく。

ロンドン警察、パリ警察、そしてピアースに金を盗まれたギャングも追って来る。

エリーズはフランクに、彼をピアースに仕立て上げるために近付いたと告白するが、フランクは彼女と出会ったことを後悔していないと言う。しかしエリーズはフランクを逃がそうとする。

実はエリーズはロンドン警察庁の刑事だったが、ピアースを追ううちに彼を愛すようになってしまい、停職処分になっていたのだ。

ラスト、ピアースと思わしき男を逮捕するが、実はその男はピアースが手配した替え玉であった。冴えないツーリストと思われていたフランクこそがアレクサンダー・ピアース本人だった―――というどんでん返しを迎えてお話は終わる。

感想まとめ

思ったよりは楽しめたんですが、残念な点も多かった。

追っ手から逃げるシーンがやたらとチャチいこと、これはチャチいというより、ジョニーの逃げる姿がまんま「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック船長だったんですよねー。演じ分けして欲しかったなぁ・・・。

それから「ラストに大どんでん返し」と聞いていたので大体オチが読めてしまったこと、そしてジョニーが生粋のアメリカンだというイメージが強い私にとっては、今回の彼の役にはどうにも入り込めず、そこも残念だった。。
更に言えば日本人で「英国人と米国人の違い」に敏感に反応出来る人は少ないはず。この映画はやはりネイティブが観てより楽しめる仕様になっているな と感じました。
これが日本人の悲しいところ。

まぁでも普通にエンタメとして楽しめる映画なので、深い事はあまり考えない方がいいかも。

役者陣が好きでなければ、映画館でなくても良いかもしれない、そんな作品でした。まる。

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
か行

我々は、みな病気なのだ。映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』ネタバレ&感想

彼女は夢の中で踊っているんだ。でも、夢の中にいることを気付いていない。

『クロニクル』『アメイジング・スパイダーマン2』『キル・ユア・ダーリン』などのデイン・デハーンの主演作!!

彼はちびぞうが追いかけている俳優さんの1人であります!!
彼はもうとにかく、薬中のようなゲッソリとした病的な役が多い!!ので、今回もどんな病み顔を見せてくれるのかー!と楽しみでした(笑)

なんだか微妙に地雷臭のするB級ホラー的なパッケージとタイトルのわりに、ゲオでものすごい勢いで面陳されていたので何事なのか!?と思ったら、ゲオの先行レンタル一本目!という作品のようですねー。

しかも監督はパイレーツシリーズなどのゴア・ヴァービンスキーさんではないですか。B級とか言ってすいません(だって長年培った野生の勘には抗えない)

ちなみに、劇場公開はされていません!

【映画情報】

【原題】 A Cure for Wellness
【制作国】ドイツ/アメリカ
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本/製作総指揮】ジャスティン・ヘイス
【原案】ゴア・ヴァービンスキー、ジャスティン・ヘイス
【製作】アーノン・ミルチャン、ゴア・ヴァービンスキー、デビッド・クロケット
【撮影】ボジャン・バゼリ
【美術】イブ・スチュワート
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】ランス・ペレイラ、ピート・ボドロー
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【出演([]内は役名)】

  • デイン・デハーン[ロックハート]
  • ジェイソン・アイザックス[ヴォルマー]
  • ミア・ゴス[ハンナ]

【レンタル開始日】2018年1月17日
【上映時間】147分
【IMDB】6.4/10.0  (およそ55,700人の評価)

【あらすじ】

NYでエリート金融マンとして働くロックハート。彼は自社のピンチに、スイスの療養地へ行って帰ってこなくなってしまった社長を連れ戻すという任につく。山奥にそびえる城のような療養所に向かう途中、タクシーの運転手から”来たはいいものの帰る者はいない”という話を耳にする。さらに、200年前の城の城主である男爵が、純血にこだわる男であったため妹と結婚しようとし、それを知られた村人に焼き殺されたという血塗られた歴史も知らされる事となる。療養所で社長を見つけたはいいが帰る気はない様子なので一旦村へ降りようとした時、タクシーの前に飛び出してきた鹿を引いて事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは療養所のベッド。足を骨折し三日眠っていたというロックハートは、しばらくそこでの入院を強いられるのだった。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

で、でた~ジャンル分けしたらネタバレになってしまう系のやつ~!

ホラーサスペンスだったり、エロティックサスペンスだったりと書かれているサイトもありますが、ちびぞう的にこの作品は最終的には

ゴシックホラー

に落ち着きます。オカルトホラー寄りでもあります。

序盤が「NYのビジネスマン、何やら会社内での立場が危うい、逃げ切るためには社長を連れ戻せ!」といういかにも現代って感じの入りで、そこからの「田舎に行ったらサイコパスな人々に閉じ込められたよー」系のホラーだったというのはもはや王道の展開。

しかし実はこの映画、最初は何か巨大な悪がバックにいるのでは?とサスペンスタッチに描かれていて、そこから後半にかけてのネタバレでジャンルスイッチしようと試みているんですよねー。一種のどんでん返しを狙っているというか。

しかしまーーー無駄な伏線も(ミスリードのためとはいえ多すぎ)たくさんあるし脚本は雑だしで全くそれが上手く行ってない!残念!なので観ている人は「これってどういう系の映画なの??」という疑問符を浮かべつつ観ていたらぶっとんだラストに興ざめ。みたいな感じになってしまうことうけあい。

しかし意外に楽しめる

ちびぞうが気に入ったのは全体に漂う暗澹とした雰囲気、ファンタジックなスイスの景色、デハーンさんの美しい青い目から放たれる鋭い眼光。

そして、ミア・ゴスが歌う美しい鼻歌。

中盤、療養所の中で一人だけ若い”特別な患者”ハンナとロックハートが交流して、今まで一度も城から出たことがないという彼女を村に連れ出す場面が特に好き。
初めて飲むビールのまずさにびっくりしたり、初めて使うジュークボックスから流れてくるメタルロック寄りの曲に合わせてゆったりと踊るシーンすごくいい。

もーーーーとにかくすごく雰囲気がいいし、147分もあるのを感じさせない程度にはハラハラドキドキで、この療養所にはどんな謎があるのか??というミステリアスなところに引き込まれてしまうんですよね。

裏を探りまくりなデハーンさんが所長に早めに処分(SATSUGAI)されないのは不自然かなと思ってたんですが、そこのモヤりは所長の狙いを知ったらなんとなく「あぁ、一応使えるからとっておいたのね」という感じ。

真相はどうだったのか?

「社会で成功したものはみな、病んでいる。しかし、その事を認めない。すると体が心を裏切り叫び出す私たちは”病気である”と」

という療養所へ旅立った社長からの手紙を読む冒頭の入りから、なんだか現代社会に根付く闇のようなものを掘り下げるのか?という風に思わされます。

表向きの展開としては

お金持ちばかりを受け入れている「水が良い」という水を使った治療を主にしている療養所で、そこは患者が退院していかないという、うさんくささ100%の場所なんだけども、もしかしたら主人公も病気なのでは?という幻覚や過去についての伏線が出たりするので、「本当におかしいのは療養所なのか主人公なのか分からない」というサスペンスタッチなお話。

しかし真相は

元々、その地の水は人間の体に悪影響を及ぼすものだった。
200年前に村人に焼き殺されたと思われていた男爵は実は生きていて、自分の妹に身籠らせた子どもを連れて城に戻っていた。そして地下深くで水を研究し「人間の体を通してろ過」する事で不老不死の薬を作る事に成功。その薬を自分と娘、スタッフに飲ませることで200年の時を生きてきた。彼は自分の娘と契りを結ぶため、ハンナが大人になる(初潮を迎える)のを長年待ちながら療養所に集まる人間をろ過装置として使ってきた。

水は人間の体を通す必要があるので、患者に飲ませていた。しかし元来人間には毒なため、飲んでいる患者はどんどん体調が悪化、幻覚を見て自分が病気だと思い込むようになり衰えてミイラのように(エキス出してるから)死んでしまう。

そこに登場したロックハートさんが怪しい療養所内を社長を求めて探索しているうちにその闇に気付き、脱出と謎の解明に奮闘。

エンディングは

すべての謎を解き明かし、劇中で初潮を迎えたハンナが男爵に襲われそうになっているところを助けて、二人で城から脱出!
NYから帰りが遅いと痺れを切らせた重役たちが迎えに来ているけども、「もう帰らない」とばかりに笑顔で去っていく。というエンディングでした。

まとめ

いやー。ぶっとんでいるというかなんというか。

まさか200年前の人が今も生きてましたよー!不老不死の薬作ってました!なんてオカルトでファンタジーなオチを迎えるとは、オープニングを観た誰が想像できようか。いやできまい。

けっこーーーな伏線を放置していたりするのも気になるし、お話はけっこうめちゃくちゃ。
(個人的にドイツ語で何言ったかわかんないって場面、あとで明らかにして欲しかった。多分死体を運んでいたあの男は、「患者ではなく死体」と言っていたんだと思うけど…)

まぁ色々粗も目立つけど、だけどキライになれない。そんな作品。

デハーン効果もあるかもしれませんね。ちなみに今作の彼の病み度は85%くらい。

今回は結構な拷問も受けているので、ファンはつらい、というシーンもあるかもしれません。頑張って観よう!

 

あ、スイスの景色は本当に素晴らしかったですよ。美しい絶景ばかりでした。

なんだか美味しいお水が飲みたくなる映画でした・・・(笑)
調べたら水のプロが選ぶ一番美味しい水ランキングの第一位は鹿児島県の「財宝」だそうで。

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
あ行

なぜ15年も監禁されたのか。映画『オールド・ボーイ』ネタバレ&感想

お前は誰だ!? なぜ俺を15年監禁した!?

ずっっっと前から名前は知っていた有名な作品。

ちびぞうは昔からハリウッド系ばかりで邦画含めアジア系の映画はほとんど観ておらず、韓国映画も『箪笥』『悪い男』『誰かがあなたを愛してる』『私の頭の中の消しゴム』『母なる証明』くらいしか観た事がないんですよねー。両手で数えられるってすごい…。

あ、最近『殺人の告白』も観ましたね。特に理由はなく食わず嫌いしていたので、最近はちょくちょく気になるもの、オススメされるものは観ています(*’ω’*)b

”22年目の告白”の原案!映画『殺人の告白』感想&ネタバレ

ちなみに監督は鬱映画で有名?なパク・チャヌク監督…。今作は復讐三部作と題された三本の作品のうちの二作目に当たるようです。

【映画情報】

【原題】올드 보이
【制作国】韓国
【監督】パク・チャヌク
【脚本】ワン・ジョユン、イム・ジュンヒュン、パク・チャヌク
【原作】土屋ガロン(作)、嶺岸信明(画)『ルーズ戦記 オールドボーイ』
【製作】キム・ドンジュ
【撮影】チョン・ジョンフン
【美術】リュ・ソンヒ
【音楽】イ・ジス、チェ・スンヨン、シム・ヒョンジュン
【出演([]内は役名)】

  • チェ・ミンシク[オ・デス]
  • ユ・ジテ[イ・ウジン]
  • カン・へジョン[ミド]
  • チ・デハン[ノ・ジュファン]
  • オ・ダルス[パク・チョルン]
  • イ・スンシン[ヒョンジャ]
  • ユン・ジンソ[イ・スア]
  • キム・ビョンオク[ハン警護室長]
  • オ・テギョン[デス(高校時代)]
  • ユ・イラン[ジュファン(高校時代)]
  • アン・ヨンソク[ウジン(高校時代)]

【公開日(日本)】2004年11月6日
【上映時間】120分
【配給】東芝エンターテイメント
【映倫区分】R15+
【IMDB】8.4/10.0  (およそ412500人の評価)

【あらすじ】

理由も分からないまま15年間も監禁されていた男オ・デス。突然解放された彼の前に謎の男ウジンが出現、5日間で彼が監禁された理由を解き明かせと迫る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもあるよ!)】

☆4.1/5.0

完っっ全に食わず嫌いしてましたが、友人の強い勧めで観賞してみたら「あーら面白いじゃないの!!!こんな面白いのなんで観てなかったのばかー!」と自分に対し憤慨して反省しました(笑)

グロいシーン、痛いシーン、そして暴力シーン、倫理的にアララなシーンも大いにある、さすがR指定の作品ですねといった感じの内容でしかも後味も最高に悪いので、人を選ぶこと間違いなし!

しかし、傑作なんですよ…

おおまかなストーリー(ここからネタバレするよ!)

15年間意味もわからず監禁された男(デス)が突然解放され、監禁していた男(ウジン)が現れて「お前が監禁されていた理由を五日間で解き明かせ」と命令してくる。そして主人公は苦悩しながらその真相を探るよ!!という五日間(短い!!!)のお話です。

途中でミドという若い女性に出会い、手助けされ、恋に落ち、体を重ね、そしてついに真相に辿り着く!!!!しかし、その答えはあまりにも残酷なものだった…!!!

実は監禁の理由というのは、

高校時代にデスがウジンの姉弟での近親相姦を目撃、それをデスが言いふらしてしまったことでウジンの姉が自殺。愛する姉が死んだ原因を作ったデスに復讐しようと、ウジンが仕組んだのが今回の計画。そのおそるべき内容というのは

「デスを監禁、妻を殺害しその罪をデスに着せる。そしてデスの娘を誘拐、別人として暮らさせる。15年の年月が経った後で、親子を再会させると、二人は恋に落ち…」

そう、ミドという若い女性がデスの実の娘だったのです!!!というどんでん返しが最後に待っている。なんという恐ろしい計画!!!その事実を知らされたデスの絶望…。

ほんっとうに良くできた脚本

ドロッドロの愛憎劇で、ラスボス(ウジン)の狂いっぷりも大好きだし、オチも好きでした。台詞選びも全部好き。
ウジンというキャラが、あれほどに人を憎んで生きて、それだけが生き甲斐になって。達成してしまったら生きていく目的を失ってしまう感じも切ない。自分のことも憎んでいただろうけど、誰かを憎むことで生きてきた、といっても過言ではないですよね。

ああ切ない。

よくよく考えると主人公は単なるとばっちりじゃん?って思わなくもない…んですが。でも、自分にとって「え?そんなことで?」って思うような事でも他人をとてつもなく苦しめたり傷付けたりすることって確かにあるわけで。
だから現実的に考えるとリアリティのない、突拍子のないことしてる異次元の映画にも思えるんですが、根本の部分はとても身近にある感情なんだなと思う。そこが怖いんです。

演出もうまい。

主人公の頑なな強さを前半でしっかりと描いているから、ラスト周辺でそれが崩れた姿を見た時に「それほどまでに大切なのか・・・!」と驚愕できる。

あんなに強い印象があったデスなのに、愛する娘のために地面に這いつくばって靴を舐めたりするんですよ…!号泣ですよ。

この落差、主人公の変貌ぶりの演出がすごく上手だと思いましたね。

ここらへんは主演二人の名演技による力も大きいと思う。

まとめ

何度も言うけどほんとうにすごい映画。傑作。

だけど、だけど、どうしてもちびぞうは今一つ突き抜けて好きになれない感じもあるんです。…韓国映画特有の後味の悪さが若干苦手なのかなぁ。
いやーな感覚がつきまとう終わり方が、どうも肌に合わないのかもしれませんね。

しかしこれ、サスペンスやミステリー好きな方なら間違いなく楽しめる一本だと思う。オススメです。

きっと映画好きなら観てる人の方が多い映画ですが、未見の方にはぜひ観て貰いたい…と、こんだけネタバレしといて言います(笑)

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ
画像引用元:IMDB

カテゴリー
や行

負け犬たちの復讐劇!映画『予告犯』ネタバレなし感想

「明日の予告を 教えてやる―――。」

2015年に公開された本作。予告CMにホイホイされて劇場まで足を運びました!

今見返してみると相当キャストが豪華!ですね!

監督は『白雪姫殺人事件』などの中村義洋監督。

パンフレットはこんな感じ。

縦長A4くらいのサイズでモノクロ写真にピンク!可愛いですね。裏側はこんな感じ。

38Pで税抜き574円!お安め!劇中に出てきたキーワードの解説ページなども載っています(*’ω’*)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】中村義洋
【脚本】林民夫
【企画・プロデュース】平野隆
【プロデュース】武田吉考
【撮影】相馬大輔
【美術】清水剛
【照明】佐藤浩太
【録音】松本昇和
【編集】松竹利郎
【音楽】大間々昴
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[奥田宏明(ゲイツ)]

  • 戸田恵梨香[吉野絵里香]

  • 鈴木亮平[葛西智彦(カンサイ)]

  • 濱田岳[木村浩一(ノビタ)]

  • 荒川良々[寺原慎一(メタボ)]

  • 宅間孝行[岡本大毅]

  • 坂口健太郎[市川学]

  • 福山康平[ネルソン・カトー・リカルテ(ヒョロ)]

  • 窪田正孝[青山祐一]

  • 田中圭[公安部・北村]

  • 小松菜奈[ラーメン屋の娘・楓]

  • 滝藤賢一[IT会社社長・栗原]

  • 本田博太郎[加藤]

  • 小日向文世[衆議院議員・設楽木匡志]

【公開日(日本)】2015年6月6日
【上映時間】119分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】6.5/10.0  (およそ420人の評価)

【あらすじ】

ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.8/5.0

「社会が裁けん悪者はわいが裁いたるで!」とデスノートの月ばりに歪んだ正義感で、人々を粛清していく予告犯。
そのやり方は、まず動画投稿サイトに「予告」の動画を上げ、その予告通りに「実行」した様子もまた動画にしてネットにアップするというもの。

最初は単独犯と思われていましたが、徐々に複数犯であるということが分かっていき、予告犯達を追う刑事(戸田恵梨香)のシークエンスと、犯人側のリーダー(生田斗真)のシークエンスが交互に描かれていきます。
そして少しずつ、”予告犯達”に隠された哀しい真実が明らかになっていく…という流れ。

ポイントは私刑という形で下される鉄槌を気持ち的に許せるかどうか…でしょうか。

この映画は、月くんのように人生順風満帆な天才高校生が振りかざす正義とはまた違うものがその背景にあるので、ぜひそこを観て頂きたい。

無難な脚本なのに涙が止まらない

正直この映画の脚本って、ものすごく無難だと思うんです。
登場人物が出揃った時点である程度の展開やオチは予測が出来てしまうし、終わり方も予測を裏切らない感じ。

だけど、だけど不思議と涙が止まらないんですよぉおおお・・・!!!!!
正直中盤あたりから泣けるポイントがちょいちょい出てきて、泣いた数を数えるのも億劫になってくる後半はずっと泣き通しでした。

ちびぞうの映画鑑賞時の3大ウィークポイント

「高齢者」
「社会のはみ出し者」
「ゲイや障害者などのマイノリティ」

の一つ「社会のはみ出し者」にひっかかってしまったのも大号泣の要因の一つですね。

決して自分に非があったわけではないのに社会の中でうまく生きていけず、はじき出されてしまう人達…。毎日毎日を無難に、一生懸命に生きているつもりでも、なぜか苦しい。誰かにこの苦しみを何とかして欲しい、助け出して欲しい、自分だって何かが出来るはず、だけどどう行動を起こしたらいいか分からない。そういうモヤモヤを抱えている人たち。

この映画の中にも、そういう人達が出てきて予告犯を支持する場面がありましたが、彼らが予告犯に寄せる期待のようなものに共感できる人は意外にも沢山いるのではないでしょうか。

生田さん演じる主人公の行動を(オチも含めて)よくよく考えてみると、実は全然社会のためとかそういうものではなく、単なるエゴから来るものなんだと思います。でも彼のエゴが起こした行動によって「世界的にも幸福度の低い日本という国」で生きる人々の抱える闇が浮き彫りになっていくのは面白いし、やるせない。きっと彼に影響されて人生に変化を起こそうと決意した人も少なくないと思います。
その周囲に与える影響に関して、似ても似つかないストーリーではあるけども、私の大好きな『嫌われ松子の一生』と似た構成だなぁと感じました。

ヒロインとの鏡像関係

戸田恵梨香は生田斗真と相反する思想の持ち主で、まるで光と闇のように2つの価値観がぶつかり合う場面が面白いです。
この世には、人生でくじけて底辺で生きていくしかない者もいれば、くじけず這い上がって輝く者もいる。どちらが正しいとかはもちろんないのだけど、違いのある者同士がもっと早くに出会ってお互い歩み寄ることが出来れば、もう少しラストが変わってきていたかもしれないと思うとうーんなんとも切ないですね!

「努力出来ただけマシなんだよ」という台詞がありましたが、その、努力出来る人と出来ない人との違いはどちらなんだろう。ちびぞうはどっちかと言えば努力出来ない側の人間なので、生田斗真のセリフには胸が痛みましたね。

まとめ

自分でも何が伝えたいのかいまいちよくわかってないですが…とにかく!!

この映画が持つのは社会を変えるだのなんだのって大げさなテーマじゃなく、誰しもが寄り添えるような身近なテーマだと思います。

興味のある人は一度試しに観てみて欲しいですね!!!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
あ行

元妻の恐ろしい復讐!映画『アンフォゲッタブル』ネタバレ&感想

愛が終わるとき、狂気は始まる――

サイコサスペンス?サイコスリラー?な気配のする今作。劇場公開はないようですね。

レンタル屋で「ロザリオ・ドーソン」の名前一点にのみ惹かれて借りてしまいました!!!!!!

ロザリオ・ドーソンは『シン・シティ』で一目惚れしてからほんとにほんとに大好きなんですちびぞうは(*´q`*)

公式サイトは海外のものならありますこちら

【映画情報】

【原題】Unforgettable
【制作国】アメリカ
【監督】デニース・ディ・ノビ
【脚本】デビッド・レスリー・ジョンソン、ラビ・D・メータ
【製作】デニース・ディ・ノビ、アリソン・グリーンスパン、ラビ・D・メータ
【製作総指揮】リン・ハリス
【撮影】ケイレブ・デシャネル
【美術】ネルソン・コーツ
【衣装】マリアン・トイ
【編集】フレデリック・トラバル
【音楽】トビー・チュウ
【出演([]内は役名)】

  • ロザリオ・ドーソン[ジュリア・バンクス]
  • キャサリン・ハイグル[テッサ・コノーバー]
  • ジェフ・スタルツ[デイヴィッド・コノーバー]
  • シェリル・ラッド[ヘレン/ラヴィ]
  • サラ・バーンズ[サラ]
  • ウィット二―・カミングス[アリ]
  • サイモン・カシアニデス[マイケル・バルガス]
  • イザベラ・カイ・ライス[リリー・コノーバー]
  • ロバート・レイ・ウィスダム[ポープ刑事]

【公開日(日本)】劇場未公開
【上映時間】100分
【配給】ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
【IMDB】5.0/10.0  (およそ7,800人の評価)

【あらすじ】

やり手編集者のジュリアは、過去にDV被害にあった男との接近禁止命令がまもなく解かれてしまうのを気にしていた。新しい恋人、デイヴィッドと”元妻テッサとの娘リリー”を引き取って幸せな結婚生活を始めようとしていた矢先、元妻であるテッサが不穏な動きを見せ始める…。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

うぅーん、可もなく不可もなくなスリラー!

ロザリオ・ドーソン(ジュリア)が警察で事情聴取を受けているシーンから始まるのですが、どうやら自宅で男の死体が見つかったようで…刺したのはジュリア?という疑いの場面ですね。

しかし、蓋を開けてみれば、全部恋人の元奥さんが仕組んでいたよ!という話。

元妻(テッサ)が元旦那(デイヴィッド)の新しい恋人(ジュディ)に自分の娘ごと取られて(親権はパパにあるので当然なのですが)激おこになって、勝手に家に侵入して指輪や時計やパンティを盗むわ、パーティで見つけたスマホを勝手に持っていって中身を物色するわ、しかもジュディのフェイスブックページまで勝手に作って、接近禁止令の解けたDV男に勝手に連絡して「Fu*kしましょう」とか言って会う約束まで作るし…

そして調子に乗ったDV男がジュディに会ったら当然拒絶されて逆切れ、襲われそうになったところを太腿にナイフ突き付けて脱出!しかしそれを見守っていたテッサがやってきてDV男にとどめを刺すという…

女の恐ろしさここに極まれり!!!!

というやつです、ハイ。

ロザリオ・ドーソン好きなら堪らないエロチックさもありましてねぇ、ええ。

彼女の強気でカッコいい顔が好きなんですが、今作では珍しくビクビクしたり弱気に泣いちゃったりする珍しい(おそらく!)彼女が見れます!

 

この映画、地味に後味が悪い終わり方をしていて、そこはちょっぴり好き。

元妻テッサと娘リリーが過ごしている場面でちょくちょく、祖母が登場するんですが、このおばあちゃんがもう絵に描いたような神経質教育ママ!!テッサもそれ系なんですけど、おばあちゃんの方が更に毒親!って感じが強かったんですよね。

きっと、テッサの人格が色々とアレになってしまったのも、おばあちゃんの教育のせいもあったのかな…というなんともスッキリしない家庭事情が透けて見えます。(リリーが生まれる事や、デイヴィッドの仕事に関しても彼がテッサの元を離れないように裏で画策していたっぽいですしね)

そして物語は最後、デヴィッドがテッサの仕業だったと気付いてくれて、女同士の殴り合いバトル!をしたあとハッピーエンドを迎える…と見せかけて。

新しい家、新しい土地で再スタートを切った家族の元へ現れたのは、そう、リリーのおばあちゃん(テッサのママ)であった…というオチ(笑)

悪夢はまだまだ終わらないよ!!!!という、まぁありがちっちゃありがちなんですけども(笑)

ちゃんとデイヴィッドがテッサへの変わらない愛を証明してくれたのでちびぞうも溜飲が下がりましたとも。しかし、ただのハッピーエンドではつまらないよね?というところでちゃんとオチが待っていたので、まぁそれは良かったかなと。

可もなく不可もなくなんですけどね!主演二人の美しくて演技バトルは見応えあると思うので、興味ある方はぜひぜひ!

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

画像引用元:IMDB