If you must bilnk, do it now.
まばたきすら、してはならぬ。
ちびぞうノーチェックの本作。
ツイッターで話題が流れてきたことと、ストップモーションアニメだという事で劇場へ足を運びました。
製作はスタジオライカ、『コララインとボタンの魔女』を観たことがあるんですが、その時の印象は「ストップモーションアニメが素晴らしい!!」ということ。
物語はどうだったかと言えばあまり記憶にないんですが…KUBOはどうなのでしょうか。
パンフはこちら。
横長、センスあるデザインですね。30Pで税込み760円。まぁまぁ普通なお値段。
私が観に行った回が県内唯一のKUBO上映館の最後の上映だったということもあって、パンフは売り切れていたんですが、慌ててネットで購入。
他の方も書かれていますが、製作秘話がものすごい!!!
一週間で3秒分の映像しか作れなかったとか…クボの表情だけでも4800万通り作られていたとか…一つのカットで使われた顔の最大個数が400個超えだとか…狂気の沙汰ですよ。
【映画情報】
【原題】Kubo and the Two Strings
【制作国】アメリカ
【監督】トラヴィス・ナイト
【脚本】マーク・ハイムズ、クリス・バトラー
【ストーリー】シャノン・ティンドル、マーク・ハイムズ
【プロデューサー】アリアンヌ・サトナー、トラヴィス・ナイト
【アニメータ―】ジェイソン・ストールマン、マルコム・レイモント
【撮影】フランク・パッシンガム
【美術】ネルソン・ロウリー
【編集】クリストファー・マーリー
【視覚効果】スティーブ・エマーソン
【衣装デザイン】デボラ・クック
【索具スーパーバイザー】オリヴァー・ジョーンズ
【ラピットプロトタイピングチーフ】ブライアン・マクリーン
【人形制作スーパーバイザー】ジョージナ・ヘインズ
【キャラクターデザイン】シャノン・ティンドル
【キャラクター彫刻】ケント・メルトン
【アニメーション・スーパーバイザー】ブラッド・シフ
【筋書き】クリス・バトラー
【コンセプト・アート】トレヴァー・ダーマ―、オーガストホール、イアン・マクナマラ
【音楽】ダリオ・マリアネッリ「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
作詞作曲…ジョージ・ハリスン
歌…レジーナ・スペクター
【声の出演([]内は役名)】
- アート・パーキンソン(矢島晶子)[クボ]
- シャーリーズ・セロン(田中敦子)[サル]
- マシュー・マコノヒー(ピエール瀧)[クワガタ]
- ルーニー・マーラ(川栄李奈)[闇の姉妹]
- レイフ・ファインズ(羽佐間道夫)[月の帝]
- ブレンダ・ヴァッカロ(小林幸子)[カメヨ]
【公開日(日本)】2017年11月18日
【上映時間】103分
【配給】ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】7.8/10.0 (およそ88,000人の評価)
【あらすじ】
魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年クボは、体の弱い母と2人で静かに暮らしていた。不吉な子どもとして一族から命をねらわれていたクボは、ある時、邪悪な伯母たちに見つかってしまうが、母親が最後の力を振り絞って放った魔法によって助けられる。たった1人残されたクボは、母の力によって命を吹き込まれたサルとともに、母が最後に言い残した「3つの武具」を探し、自身の出自の秘密に迫る旅に出る。旅の途中で記憶を失ったクワガタの侍も仲間に加わり、一行は数々の困難を乗り越えて武具を見つけていくが……。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.7/5.0
ちびぞう的にちょっぴり厳しめ判定です。
- 作品に散りばめられた日本への愛
- とにかくストップモーションアニメの技術がすごすぎる
- 物語に込められた思い、深さ
色んな所で絶賛されている理由は分かります。素晴らしい作品だからこそ沢山の人の心を掻き立てるんでしょうし。
個人的に素晴らしいと思ったレビューがあったのでご紹介しておきます。
@eigarunnerさんのこちらの記事です。
”物語る”ことは、「子孫を残すという事」以外で、他の動物には出来ない、人間だけの「存在の証明」であり「己の生き様」を残す手段である。染み入る言葉です。モノづくりをするすべての人に響く言葉でしょう。
ストップモーションアニメについて
凄すぎてもはやストップモーションアニメに見えない点。これは大きな問題ですよ皆さん。
凄いんです、すごいんですよ。でも、みんな言ってる「これ本当にストップモーションアニメなの?と疑うレベルの出来」これってもちろん誉め言葉だと思うんですけど。ちびぞう的には「そこまでいってしまうともはやストップモーションアニメと言えるのか」という。
いや、手法がそうなんだから間違いなくストップモーションなのには違いないんですけども(笑)
最終的に出来上がった映像が、CGとなんら見分けがつかない…となってくると、それはストップモーションでやる意味が果たしてあるのかどうかという事ですね。
『コララインとボタンの魔女』でもストップモーションが素晴らしくて感動したんですけど、正直もうクボはそんなレベルを通り過ぎています。
唯一、サルの髪が激しくたなびくシーンはストップモーションらしさがあって感動しました。
ちびぞうの求めているものは、滑らかさではないんですよ!!!!!コマ落ち、もっとしてていいんですよ!!表情の切り替えも、滑らかすぎます!!!ツギハギ部分や雑味、人形ぽさもっと出して!!!
ヤン・シュヴァンクマイエル監督の『アリス』みたいな感じが良いんですよ!!!ザ・ストップモーション!!!!
あと同監督の『ルナシー』で文字通り肉が踊るシーンもオススメですよ!!!!
…脱線しましたね。
まぁ、ちびぞうの求めていたストップモーションアニメとは、方向性が違ってきている…ということで、ここはひとつ。
画面で見たかった雑味が物語に出ている点
ストーリーが…雑な印象が…どうしても拭えないんですよね…。
これはもうコララインの時から思っていたことなので仕方ないのかなぁ。考察を沢山読んでいると「おぉ、そんな受け取り方が出来るのか…素晴らしい」とは思うんですけども、ちびぞうがそれを劇場で受け取れていたかといえばそうではなく。
よく分からない展開、よく分からない理由、よく分からない結末。ラストはもういっそ全てがクボの物語っていたお話であり、妄想だったんだよ…というオチにしてくれた方が良かったんじゃないかなと思いました。
子供向けファンタジーなら、こんなもんかぁ。と、コララインの時も思ったなぁ。
多分、映像へ向ける情熱と脚本に向ける情熱の比率が大きく偏ってるのかもしれませんね。
なんとなく、昨年ベスト1の『スイス・アーミー・マン』を思い出したので過去記事を貼っておきます(笑)