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報復が報復を呼ぶ。映画『アウトレイジ』ネタバレ&感想

「下剋上、生き残りゲーム」

北野武監督の映画は二本しか観ていないんですが(『Dolls』ともう一本は『それぞれのシネマ』の中の「素晴らしき休日」)、というかちびぞうは元々邦画はあんまり観ないんですけども、そのどちらも結構好きな作品だったので他の映画にも興味があったんですよねーー。そしてアウトレイジの新作の予告が何やらカッコいい感じだったので惹かれまくってしまいました。

ようやく借りることが出来て、ワクワクしながらの鑑賞です!!

加瀬亮が出てるので楽しみ!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】北野武
【プロデューサー】森昌行、吉田多喜男
【撮影】柳島克己
【照明】高屋齋
【美術】磯田典宏
【衣装デザイン】黒澤和子
【装飾】尾関龍生
【メイク】細川昌子
【録音】堀内戦治
【編集】北野武、太田義則
【音楽】鈴木慶一
【音響効果】柴崎憲治
【助監督】稲葉博文
【出演([]内は役名)】

  • ビートたけし[山王会大友組組長 大友]
  • 椎名桔平[山王会大友組若頭 水野]
  • 加瀬亮[山王会大友組組員 石原]
  • 三浦友和[山王会本家若頭 加藤]
  • 國村隼[山王会池元組組長 池元]
  • 杉本哲太[山王会池元組若頭 小沢]
  • 塚本高史[村瀬組組員 飯塚]
  • 中野英雄[村瀬組若頭 木村]
  • 石橋蓮司[村瀬組組長 村瀬]
  • 小日向文世[刑事 片岡]
  • 北村総一朗[山王会本家会長 関内]

【公開日(日本)】2010年6月12日
【上映時間】109分
【配給】ワーナーブラザース映画、オフィス北野
【映倫区分】R15 +
【次作】アウトレイジ ビヨンド
【IMDB】6.8/10.0  (およそ10,500人の評価)

【あらすじ】

関東最大の暴力団山王会の若頭・加藤は直参の池元組組長・池元に、池元と付き合いのある村瀬組を締めるよう苦言を呈する。そこで池元は配下の大友組組長・大友に、その役目を任せるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも!)】

☆2.5/5.0

ネタバレもするよ!って言いつつ、ネタバレが書けるほど理解できたかと言えばそうではないんですよね・・・・・・・・・。

まず、人物相関図がとてもややこしい!!!!

山王会本家、山王会大友組、山王会池元組、そして村瀬組。

この4つの組織がありまして。
最初の方はすごく分かりやすいんですよ。山王会の大ボスが「子分の池元組がお外の村瀬久美人仲良くしてるのが気に入らないからなんとかしろ」って言ってくる。

で、上からそう言われたら従うしか仕方ないってことで、ちょっとした小競り合いをしてるところを見せて上に「そんな仲良しでもないですよー」って納得させたかっただけだったんですけど、そこから何やら負の連鎖というか、報復に報復が重なってハチャメチャになっていくという・・・。

ヤクザ界隈の事なんてサッパリですからね、「あれ?こことここは主従関係ではないの?」と思っててもサラッと下剋上して裏切って親分筋の人を殺したりするもんだから訳がわかんないわけですよ・・・。

池元組の傘下だった大友組の組長・大友(ビートたけし)が利用されるだけ利用されて自分の組を破門に追い込まれたり組員を残らず殺されたりと悲惨な目に合ってて、最後は身を守ろうと刑務所に入るんですが、そこにはかつて自分が顔に傷をつけた男木村?がいて、そいつに刺されて終わるという・・・。でも明確に死んだ描写がないので、ビートたけしは生きていて、続編で復讐しまくるっていう展開になると思うんですけどね!

ちなみに好き放題命令していた山王会の会長(北村総一郎)も、若頭の三浦友和に裏切られて殺される・・・というオチで、三浦友和はインテリヤクザの加瀬亮(下っ端だった)と実は裏で組んでいた―!!!というのが驚き?の部分だったりするらしいんですけど

ややこしくてそんな所まで把握できない!!

まとめ

ちびぞうが好きな加瀬亮がとても賢いインテリヤクザで、その頭を使ってのし上がったってところは良いですね!!!!!かっこいいですね!!!最初はいかにも下っ端という感じの髪型をしていたのが、カジノで儲け出したあたりからまともな髪型になるのも良かった(笑)

あと、若くてイケメンな椎名桔平はお色気要員なんだなって感じしましたね!!(なんでそんな面倒なことするのって感じの一番エグい殺され方してたけど!でもそこが無情でいい!)

続編も観ようって思うくらいには楽しかったです、唐突で遠慮のないバイオレンスがカッコいい・・・あと、ところどころ笑う部分も挟み込んで来たりして北野監督らしいというか・・・(語れるほどに観てないんですけどもぉ)

早く西田敏行出てこないかな!!!!

 

 


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タランティーノが仕掛ける雪山の密室劇!映画『ヘイトフル・エイト』ネタバレ&感想

第1章「レッドロックへの最後の駅馬車」

画像引用元:映画.com

出ましたー!DVDで鑑賞してしまったけれど

映画館で観たかった!!!

と血涙流す系の作品です!!!あーパンフ欲しかったなぁ。。

どうしてタラちゃん(タランティーノ監督)の西部劇はこんなに面白いのだろう・・・。西部劇にはあまり食指が動かなかった私が大歓声を上げて鑑賞した同監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』もオススメです!

のっけから話題が逸れました。

カート・ラッセルの兄貴が大活躍してますので、ファン必見です!

ではいつもの映画情報から。

【映画情報】

【原題】The Hateful Eight
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】クエンティン・タランティーノ
【製作】リチャード・N・グラッドスタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
【製作総指揮】ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジョージア・カカンデス
【撮影】ロバート・リチャードソン
【美術】種田陽平
【衣装】コートニー・ホフマン
【編集】フレッド・ラスキン
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【出演([]内は役名)】

  • サミュエル・L・ジャクソン[マーキス・ウォーレン]
  • カート・ラッセル[ジョン・ルース]
  • ジェニファー・ジェイソン・リー[デイジー・ドメルグ]
  • ウォルトン・ゴギンズ[クリス・マニックス]
  • デミアン・ビチル[ボブ]
  • ティム・ロス[オズワルド・モブレー]
  • マイケル・マドセン[ジョー・ゲージ]
  • ブルース・ダーン[サンディ・スミザース]

  • ジェームズ・パークス[O.B. ジョーダン]
  • デイナ・グーリエ[ミニー・ミンク]
  • ゾーイ・ベル[六頭馬のジュディ]
  • リー・ホースリー[エド(ジュディの相棒)]
  • ジーン・ジョーンズ[スウィート・デイブ]
  • キース・ジェファーソン[チャーリー(ミニーの店の黒人男性店員)]
  • グレイグ・スターク[チェスター・チャールズ・スミザース]
  • ベリンダ・オウィーノ[ジェマ(ミニーの店の黒人女性店員)]
  • チャニング・テイタム[ジョディ・ドミングレ]
  • クェンティン・タランティーノ[ナレーター]

【公開日(日本)】2016年2月27日
【上映時間】168分
【映倫区分】R18+
【配給】ギャガ
【IMDB】7.8/10.0  (およそ361,100人の評価)

【あらすじ】

雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。【引用元:シネマトゥデイ

【感想(ネタバレあり)】

☆4.1/5.0

大好きです!タラちゃん大好き!

差別用語や下品な言葉が飛び交い、銃弾も血液も飛び交い、容赦なく人が死んでいきます。グロ描写があったり男性のフルヌードがあったり、ボカしも全力で仕事しています。

タラちゃんらしいです。

苦手な人は苦手な作品かもしれませんが、私的には素晴らしかったです。

どうミステリーなのか?

いきなり物語の核心に触れてしまいますが、今作は雪山のお店(ミニーの服飾店)に集まった八人が、吹雪によって足止めされてしまう中、何者かによって毒殺事件が起こる・・・という話なんですね。

その真相としては、首吊り人ジョン・ルースがレッドロックで絞首刑にするため連れている女犯罪者(ドミングレギャング団の頭の姉)をドミングレ一味(四人)が雪小屋で救出しようと、そのお店の人達を皆殺しにして「留守を預けられた店員とそのお客」のフリをしてジョン・ルースを待ちわびていた・・・というもの。

一人が「9人目の男」となり、床下に潜んでジョン・ルースを殺す機会をうかがっているわけです。

しかし彼らの誤算としては、ウォーレンとマニックスという二人が偶然、ジョン・ルースの乗る駅馬車に乗り合い、「ミニーの服飾店」へ来てしまったということ。

ウォーレンはミニーの店に詳しく、「留守を預けられていた男」の嘘も次々に暴いていく・・・そして、ついに床下の男が登場する!

  • 誰が毒をコーヒーに入れたのか?
  • ミニーとデイブはどこにいったのか?
  • 客の中に女と手を組んでいる人がいるのか?いるとしたら何人だ?

という謎が解き明かされて、まさか床下にもう一人いるとは(笑)となるのが物語のピークなわけです。

本当にこの物語、脚本がよく出来ていて、冗長で無駄に思われる会話もちゃんと伏線になっていたりするので地味に気が抜けないんです(笑)

会話劇としての面白味

前述したとおり、脚本が面白い!上映時間が3時間近くあるので、正直中だるみしてしまうというか、前半がやたらと長く感じられしんどいなと感じる人もいるかもしれません。

画面的にも雪山、山小屋、馬車、とあまり変化がないですしね・・・。

ただ、ちゃんとその長ったらしい無駄に思える会話にもきちんと意味があって、当時の時代背景も読み取れるし、なぜタイトルが「ヘイトフル(憎むべき、憎しみに満ちた)エイト(八人)」なのかということもしっかり描かれています。

どの人物も戦争相手や肌の色の違いを憎み、大勢を殺したり略奪してきた人たち。本当の悪というものは、犯罪者として連行されているデイジーだけではない。という部分の面白味があります。だから、ラストの(おそらく)全員が死ぬという展開も納得できる。

その中でも、黒人差別の世界から生き抜こうと書かれた「嘘のリンカーンの手紙」を朗読するシーンや、首吊り人ジョン・ルースの意向を汲んでやろうとするシーンなど、なぜかジーンとしてしまう描写もあって。終始殺伐としていた中で、人間の情味がチラッと見えるというか。

ヘイトフルですが、なんとなく憎めない映画なんですよね!

鬼気迫る演技

ぶっちゃけサミュエルさんは色んな映画に出過ぎだろうと思って辟易している部分もあるんですが、でもその実力は相当だなぁ、と今作でも思わせられてしまいますね。

私の愛してやまないカート・ラッセルもどっしりとしてカッコよく、時に優しさも見せるいい男(?)を演じているし、女犯罪者のデイジーを演じたジェニファー・ジェイソン・リーも、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞しているだけあって、本当に気が狂ったような恐ろしい女を演じています。

その他の面々も、個性的で演技派揃い。こういった会話だけで物語が進む映画は、大体が素晴らしい演技と脚本に支えられていますよね。

ポスター、アートワークがオシャレ

全く関係ないんですが、海外版のポスターやネットで見かけるアートワークが本当にオシャレで堪らないので、紹介させてください。

こちら海外版のポスターですね。背中だけというのが憎い!

こちらは登場人物が横並びで、背後に赤線がビュッと引かれているもの。

その赤背景バージョン。微妙に並びが違ったりするのが面白いですね!

そして一番カッコいいと思っているのがこれ!!六頭馬の駅馬車が走っていく後には血が・・・というシンプルなデザイン。赤と黒と白で統一されていてハイセンスすぎます。大好き。

まとめ

タラちゃんファン必見、カートラッセルファン必見、ミステリーというよりはバイオレンスが多めですのでそこらへんだけ注意してもらいたい会話劇。そんな感じですね。

この映画、65mmフィルムというものが使われており、日本では上映できる映画館がなかったので編集版が公開されているようです。本国の人が羨ましい。普段の映画館の映像とどう違いがあるのか専門的な事は分かりませんが、監督が拘った映像をそのままに映画館で楽しめるというのは最高だと思います!