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頑固親父が守りたかったもの。映画『フェンス』ネタバレ&感想

彼らがフェンスで守りたかったのは、ゆるぎない愛――

ちびぞう母チョイスの作品。なんとなーく黒人差別の話なのかなーという程度の前知識でレンタルして観てみました。

デンゼル・ワシントン監督・主演作。俳優さんの監督作というとあまりヒットしないイメージがあるので少し不安になりつつ鑑賞。

日本での劇場公開は無し。原作は同タイトルの戯曲のようです。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Fences
【制作国】アメリカ
【監督】デンゼル・ワシントン
【脚本】オーガスト・ウィルソン
【原作】オーガスト・ウィルソン『Fences
【製作】スコット・ルーディン、デンゼル・ワシントン、トッド・ブラック
【製作総指揮】モリー・アレン、イーライ・ブッシュ、アーロン・L・ギルバート、アンディ・ポラック、デイル・ウェルズ、チャールズ・D・キング、キム・ロス
【撮影】シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
【美術】デビッド・グロップマン
【衣装】シャレン・デイビス
【編集】ヒューズ・ウィンボーン
【音楽】マーセロ・ザーボス
【出演([]内は役名)】

  • デンゼル・ワシントン[トロイ・マクソン]
  • ヴィオラ・デイヴィス[ローズ・リー・マクソン]
  • スティーブン・ヘンダーソン[ジム・ボノ]
  • ジョヴァン・アデポ[コーリー・マクソン]
  • ラッセル・ホーンズビー[ライオンズ・マクソン]
  • ミケルティ・ウィリアムソン[ミケルティ・ウィリアムソン]
  • サナイヤ・シドニー[レイネル・マクソン]

【レンタル開始日(日本未公開)】2017年6月7日
【上映時間】139分
【配給】パラマウント映画
【IMDB】7.2/10.0  (およそ70,000人の評価)

【あらすじ】

1950年代の米ピッツバーグ。トロイ・マクソンは、妻ローズと息子のコーリーと暮らしている。彼はかつて野球選手だったが、人種差別によってメジャーリーガーの夢を絶たれ、今では苦しい生活を送っていた。ある日、コーリーがアメフトのスカウトマンに見出され、でNFLを目指す大学推薦の話が舞い込んでくる。しかし、トロイは進学に反対、夢を見過ぎたと責め立て、家の裏庭のフェンス作りを強制的に手伝わせる。息子の夢を完全に潰してしまったトロイ。親子関係に亀裂が走り、ふたりを見守っていたローズとも激しく衝突することになるが・・・。【引用元:公式サイトより

【感想(ネタバレしています!)】

☆3.5/5.0

結構面白かった!

退屈な人には退屈に思えるかもしれない・・・と思う理由は、デンゼル・ワシントン演じる父親トロイの人物像!

とにかく喋る、喋る!喋りまくる!結構な早口でまくしたてます。しかも内容はあってないような過去の話だったり、奥さんとの出会いの話だったり、いかに自分が苦労して今の生活を手に入れたか、黒人差別がどうまかり通っているかなどなど。
一言で言えば「自分語り」。

序盤からのデンゼル・ワシントンの一人舞台に、ちびぞうはあまりの台詞量に圧倒されていましたが、正直しっかりと頭に入ったかと言えばそうではないです。吹き替え版だったんですが、聞いてるうちにだんだん内容が入らなくなってくる・・・(笑)台詞回しも下品だったりしますしね。

でも、この一見退屈に思える自分語りが、地味にポイントだと思っているんです。

こういう親父、いるよねっていう。

この父親像というのは、18年連れ添った妻を裏切り外で女を作った上に妊娠させたり、自分の理想や価値観を家族に押し付け息子の夢を自分の手で潰したりする人間的に欠陥のあるしょーーーもない親父。

背景に黒人差別というものがあり、それがこの父親をここまで歪ませてしまった、という部分があるのかもしれませんが、ちびぞう的にぶっちゃけ黒人差別などはこの映画にあまり関係がない気がしました。

だって、こういう父親って多分どこにでもいるでしょ。

原作者はこの映画を監督するのは黒人しか許さなかったようで、黒人が監督し演じることに深い意味があったようですが、いまいちちびぞうには分かりませんでした・・・。

この映画の良さは、奥さんであるローズとの人物的な対比だったり、息子のコーリーとの関係にあると思います。

親父が死んで、息子が「俺はこの家で一度も親父から逃れられなかった。一度くらいは逃げたいんだ」と言い、トロイの葬式に出席することを拒絶します。

しかしそれを許さない妻のローズ。

このラストは、「父親からは逃れられない」という事実が突きつけられる。どんなに最低でも敬うべき部分はある、と。

父親と息子の間に生まれた亀裂が、父親の死後、息子の中で埋まっていくという形のストーリーはそんなに珍しくないんですが、この映画は演出の仕方が良かったな。家の裏で作られていた「フェンス」という小道具も含め。

誰が見ても憎むべき父親と、それに向き合うことの出来なかった息子。

最後、父親がよく口ずさんでいた歌を息子が歌うシーンがあるんですが、そこが良いんです。
ちびぞうも、父親がよく歌っていた歌を歌える、ということを思い出してハッとしましたね。タイトルも歌手もわからないけれど、歌える曲というのがいくつかあるんです。

自分の中に根付く父親という存在は、自分の意識していないところでひょっこり顔を出してきて、その大きさを自覚させられるという、良い演出でした。

出来れば父親が死ぬ前に、父親に対する価値観を変えられれば良いんですけど、実際それは難しいのかな。”死”というものを媒介して初めて理解したり、心を寄せたりできるというのも、不思議なものです。

 

観終わった後に、自分を形成する”親”という存在について考えられる、良い映画でした。

 

 


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画像引用元:映画.com/IBDB

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映画作りを禁止された監督の『人生タクシー』ネタバレ&感想

”上映可能かどうかはイスラム文化指導賞省の判断による
願い虚しく本作に上映許可は出なかった
本作がここにあるのは――支援者のおかげである”

配給会社さま、この映画を日本に届けてくれてありがとう。

ちびぞうが敬愛する映画監督の中に小津安二郎監督がいて、その小津監督の影響を受けたイランのアッバス・キアロスタミ監督がいて、彼の作品も大好きで。

そして2016年に亡くなってしまったキアロスタミ監督の愛弟子であったという、今作の監督ジャファール・パナヒさん。彼の存在は今作で初めて知りましたが、なんというか・・・胸が苦しくなる作品でした。

というのも、規制が厳しいイランで反政府的な映画を撮ったとして捕まった事があるパナヒ監督は、以降20年間、映画を撮る事を国から禁じられてしまっているのです。

保釈には映画人からの訴えも多くあったようで、こんな記事もありました。

今作は、映画作りを禁止された監督がタクシー運転手に扮し、お客さんである街中の人々を隠しカメラで撮影する・・・という体の(おそらく)モキュメンタリー映画となっています。

【映画情報】

【原題】Taxi
【制作国】イラン
【監督/脚本】ジャファール・パナヒ
【出演([]内は役名)】

  • ジャファール・パナヒ[タクシー運転手]

【公開日(日本)】2017年4月15日
【上映時間】82分
【配給】シンカ
【映倫区分】G
【IMDB】7.4/10.0  (およそ10,300人の評価)

【あらすじ】

ダッシュボードに置かれたカメラには、強盗と教師、海賊版レンタルビデオ業者、交通事故にあった夫婦、映画監督志望の学生、政府から停職処分を受けた弁護士など、個性豊かな乗客たちの悲喜こもごもが映し出され、彼らの人生を通してイラン社会の核心へ迫っていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.5/5.0

正直、これを映画として普通に鑑賞するというのは難しい・・・と思います。

ちびぞうはイランの現状も監督の置かれた状況も何も知らずに観たので、この映画がどれほどの危険を冒して撮られた作品なのかという事を本当の意味で理解していないと思うから。


それでも感想は書かねばならぬ!(シヴァガミ風)

実際に勝手にお客さんを撮影しているのか、お客さんという体の役者と会話をしているのかちょっと分からない部分もあるんですが(多分完成度的に後者、つまりはモキュメンタリー)、イランのテヘランで暮らす人々の生活・価値観・死生観など垣間見ることができる貴重な作品だと思います。

最初に乗ってきた男が「タイヤ泥棒より軽い暴力沙汰の事件で死刑になった人」の話をしていて、タイヤ泥棒も絞首刑にすべきだ、と言ったのに対し乗り合わせた女性教師が「盗人にも事情があるかもしれない、犯罪は(周囲の環境も影響して)作られる、問題の根源を知るのが必要」と反論するシーンでも、イスラム法の怖さがチラ見せされていました。

”いつまでも問題が解決しないとしたら、法の適用を間違っている”だそうですよ。

 

映画業界への縛りの厳しさは、海賊版DVDを売る店員の「こうでもしないと外国映画を観られないんです・・・」という台詞や、学校で映画を撮る課題を与えられた監督の姪っ子が語る撮影のルール「女性はスカーフを着用し、男女の触れ合いは無し。善人の男性にはネクタイ(白人社会の象徴)を付けず、イラン人の名前ではなく聖人の名前を使うこと、俗悪なリアリズムに触れない事」にも現れていて切なかった。

監督が「僕の友人はイラン名でネクタイをしているし、善人か悪人かどっちなんだ?」と聞くと姪っ子が「これは映画の中のルールだもの」と言い、「彼を映画に出演させるにはどうしたらいい?」という問いに「(彼の)全てを変える!」と答えていたやりとりが非常に印象的。

(日本は本当に、色んな国の色んな作品を自分で選んで観れる、作品として撮影し発表も出来る、素晴らしい国だ)

この監督の姪っ子という存在が、巧みでしたね。
彼女は映画の課題のためにテヘランの街並みをビデオカメラで撮影しているんですが、その時偶然、結婚式を終えて車に乗り込む新郎が落としたお金をゴミ拾いの男の子がネコババする瞬間をカメラに収める。そしてその男の子を呼び寄せて咎めるんです。お金を返すところを撮影したいと、返してきてと説得する女の子とゴミ拾いの男の子の

「人の為に自分の欲を捨てるところが見たいの」
「ヒーローになるよりお父さんにお金を渡したい」

というやり取りも切なくて、現実に目を向けず自分の信じる正論や理屈ばかりに目を向けている女の子が小さな政府を表しているようでした。

最後に乗車したバラを持った女性とのやりとりは「ようやく釈放されても、外の世界は巨大な独房よ」という台詞が印象的。しかしここの場面はちょっとさすがにイラン情勢の背景を知っておかないと難しい、です。

そして、ダッシュボードに一輪のバラを残して車から去っていく監督と姪っ子の後姿を映すラストシーン。ここの長回しはアッバス・キアロスタミ監督『オリーブの林をぬけて』のラストを思い出す演出でグッと来ました。

この一輪のバラは映画にささげられたものだろう、と解釈している方がいましたが、ちびぞうは当時ガンを患っていたキアロスタミ監督に捧げたバラでもあるのかなぁと感じましたね。

ラストの長回しの中でこのタクシーも強盗に合うというオチも良かった。
冒頭に書いた一文がクレジットの前に出て来て映画が終わるんですが、本当に臓腑にドスンとくる重みのある文でした。

 

この監督が本当に好きな物を好きなように撮った映画が、いつか観れたらいいなぁ。

余談。

そういえば、ビデオ屋の店員が海賊版DVDを見せながら「貴重なクロサワ映画もありますよ」と言っていてビックリしたんですけど、やっぱり黒澤監督は凄いんだなぁ・・・世界に名を轟かせている。(しかしそこは小津監督じゃないのねという静かなツッコミ)

 

 


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画像引用元:映画.com

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王を讃えよ!インド映画『バーフバリ 伝説誕生』ネタバレ&感想

「100人の敵を斬るのが英雄。たった一人の民を守るのが、王」

\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/

いやあー『バーフバリ 王の凱旋』ちびぞうを魅了した王の誕生をようやく見届ける事が出来ました!!DVDでですけどね!!これも劇場で観たかったなぁ!

ちなみにこちらが前編ですので!お間違えのないよう!

そういえば主演のシヴドゥとバーフバリを演じるプラバースさん、185cmもあるかなりの長身!だったと最近知りました・・・そのサイズ感であのムキムキはヤバい。

ちなみにラスボスであるバラーラデーヴァを演じるラーナー・ダッグバーティさんも188cm!そりゃアクションに見応えも出て来ますよね・・・!

王を讃えたい人のための公式サイトはこちら

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熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想

【映画情報】

【原題】Bahubali: The Beginning
【制作国】インド(テルグ語、タミル語)
【監督/脚本】S・S・ラージャマウリ
【提供】K.ラーガヴェンドラ・ラーウ
【原案】V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
【製作】ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
【撮影】K.K.センティル・クマール
【美術】サーブ・シリル
【音楽】M.M.キーラヴァーニ
【編集】コータギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーウ
【出演([]内は役名)】

  • プラバース[シヴドゥ/バーフバリ]
  • ラーナー・ダッグバーティ[バラーラデーヴァ]
  • タマンナー[アヴァンティカ]
  • アヌシュカ・シェッティ[デーヴァセーナ]
  • ラムヤ・クリシュナ[シヴァガミ]
  • ナーサル[ビッジャラデーヴァ]
  • サティヤラージ[カッタッパ]
  • ロヒニ[サンガ]
  • タニケッラ・バラニ[導師]
  • アディヴィ・シェシ[バドラ]
  • プラバカール[カーラケーヤ族長]

【公開日(日本)】2017年4月8日
【上映時間】138分
【配給】ツイン
【映倫区分】R15+
【前作】熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想
【IMDB】8.2/10.0  (およそ84,000人の評価)

【あらすじ】

巨大な滝の下で育った青年シブドゥは、滝の上の世界に興味を持ち、ある日滝の上へとたどり着く。そこでシブドゥは美しい女戦士アバンティカと出会い、恋に落ちる。彼女の一族が暴君バラーラデーバの統治する王国との戦いを続けていることを知ったシブドゥは、戦士となって王国へと乗り込んで行く。そこでシブドゥは、25年もの間幽閉されている実の母の存在と、自分がこの国の王子バーフバリであることを知る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆4.0/5.0

もぉおおお大好き!!!吹き替えと字幕版で両方観ました!!!

後編の記事にも書きましたが、2はオープニングで1のあらすじをサラッとおしえてくれるので問題なく観れる仕様になっています!

そして今作は、2を観た後の人なら「お!この人は!シヴァガミ様!お、カッタッパ!!!デーヴァセーナさまぁああおいたわしやぁあああ」と知ってる人たち総出演でとっても楽しめる仕組みになっています!

驚異的な中毒性!

そう、実はこのバーフバリシリーズ、観た人を洗脳し王の民としてしまう力だけではなく、圧倒的な中毒性も持っています!!!(笑)

なぜかというと、1の終わりが2に直接繋がっている(シヴァガミによって助けられた子フバリが成長しカッタッパに自分は何者なのかを聞くシーンから2へ)というのは当然ながら、2の終わりも1に直接繋がっている(2の最後に父フバリの没落を見せた後、子フバリを逃がすというところから1へ)から!!!!

なので1の終わりを観た時にきっとまた「なぜカッタッパが!?(いや知ってるけど)」という気持ちになるのは間違いないですし、2を観て1を観た人も再び2を観たくなるという。(ちびぞうがまさにそれ)

そして2を観ればまたそれは1へと繋がり・・・む、無限ループ!バーフバリ地獄から抜け出せない!!

しかもバーフバリという作品を劇場で観る楽しさを知ってしまっている方なら、再びまた劇場に足を運んでしまうでしょう・・・。なんという上手な構成・・・。

これ、思ったんです。多分、この作品は本来ぶつ切りにする話ではなく、二本で一本の作品なのだと・・・。上映時間が長すぎるインド映画でよくある「インターバル」という休憩を挟むタイミングがちょうど1と2の間にあるんですよね。

(そういえば同監督のハエが主人公なインド映画『マッキー』でも「インターバル」の文字の出し方最高にカッコよかった・・・)

あまりにも長すぎるから前後編に分けただけという感じがして、そのまま流しても問題ないくらい繋がっています。

あぁ・・・もう一度2を劇場で観たい!!!

新世代の変態あらわる!

いやもう最高にわらかしてもらいました(笑)

子フバリであるシヴドゥが滝を上り、アヴァンティカという女性に恋に落ちたあと、彼女にするアプローチの仕方が本当に超ド級のストーカーなんです。

  • 彼女が水辺で眠っている隙に水中を潜水して登場、水の中に入れていた彼女の手に群がる魚たちに紛れて、その手にこっそりタトゥーを施すシヴドゥ
  • しかもアヴァンティカちゃん、族長にツッコミ入れられるまで自分の手にタトゥー入れられていたことに気付きません
  • アヴァンティカちゃん、お供を餌にタトゥーマン(シヴドゥ)をおびき寄せようと水辺の木の上で弓を持って待機、その背後の木に音もなく登場するシヴドゥ!!!
  • そしてアヴァンティカちゃんの肩から毒蛇を垂らし、彼女が毒蛇に気を取られている間に肩にタトゥー(また!!)を施す(しかもまた気付かれない)
  • アヴァンティカちゃんについに追い詰められたタトゥーマン、彼女と闘いながら華麗に服を脱がす、脱がす!!滝の水で彼女の顔と体を綺麗に洗ってやると次は果実をアクロバティック採集、その果汁を使って彼女の顔にメイクを施す、施す!!
  • 自分を美しく彩ってくれたタトゥーマンに「こ、これが私・・・?」と心奪われるアヴァンティカちゃん(とてつもなく急展開)”私にタトゥーを入れた人”という歌が歌われながら二人は結ばれロマンチックシークエンスはここで終了

いやーもう見ながら「なんという新時代の変態だ」と思ったのはきっと私だけではないはず。
「本当の君を教えてくれ」と言いながら戦う女を美しい女性へと仕立ててあげるのは非常にロマンチックだと思うんですけどね、やり方が・・・さすがバーフバリ、何事も強引です。ちびぞう的に、緑の巻きスカートを一旦伸ばして逆巻きにすると、裏地の赤が表に来て赤いスカートへ早変わりする演出が好きでした。手品師かよ!

ここの、シヴドゥが仮面に恋してアヴァンティカを落とすまでのくだりで、彼の「彫刻の才能」「お絵かきの才能」「念能力者ばりに気配を消す才能」「彫り師の才能」「メイクアップの才能」「ダンスの才能」「手品の才能」とまぁ、多才すぎる王の素質を垣間見ることができるので、本当に必見ですよ!

プラバースさんの嬉しそうな笑顔、本当に可愛いんだよなぁ・・・

今回の目力ナンバーワンは

デーヴァセーナ妃に扮するアヌシュカ・シェッティさん!!!

2は王の本領発揮ですからね、父フバリ(とシヴァガミ様)の目力が凄まじかったです。1は子フバリもなかなかでしたが、やはりこの人の目力には及びませんでした!!!!

彼女が小枝拾いをバカにされてぶち切れるシーンはカッタッパもたじろぐほどの覇気!BGMも合わせて本当に愉快ですからぜひともそこに注目して頂きたいですね。(笑)やはり父フバリが選んだお妃はすごい!

そしてさりげなくここの宣言が予言となって2で実を結ぶ部分にも注目です。きちんと伏線も張られています。

名助演・カッタッパ

武器工場長という立場でありながら自らを奴隷と言う「卑下(髭)ジイ」ことカッタッパですが、1と2両方観ると彼の事も大好きになること間違いなし。

カッタッパ!!という叫びやすい名前も忠臣として優秀。

彼無しではバーフバリ伝説は語れないほどの重要人物で、とにかくめちゃ強い。その実力は父フバリ、子フバリにも劣りません。

今作で子フバリに対しスライディング正座をしたあと、2で赤子だった頃の子フバリにしたように足裏を自分の頭に乗せるシーンがあるんですが、そこはもう涙が・・・。
王と忠臣の再会シーンですが、父と子の再会シーンでもあるんですよね。本当に感動的。

まとめ

アクションに関しては、2の方が気合が入っていますし「そんなバカな!度」も2の方が上回っています。

後半にかけて盛り上がっていくという意味では、1の方が控えめなのは当然なのかもしれません。それでも、馬車で燃える藁玉をドバァーンッッ!!と突き抜けたり(ここで本当にすごいのは馬)、油を沁み込ませたそんな巨大な布が飛ぶわけなくない?と思ってもガンガン飛んで行ったり、敵の長が人間をポイポイと枕投げのように投げて来たり、積もった人間たちの中から父フバリがドバァーンッッ!!と出て来たりするシーンはやっぱり物理法則など無視しまくりであっけにとられます!決してまばたきもせずご鑑賞頂きたいですね!

 

トータルして考えるとやはり凄いのは父フバリで、主人公は父フバリなんですよね。しかし、神に例えられるほどの王の器を持っていた彼でも、制度上一度も王にはなっていません。
ちびぞう的にはこの世界観がとてつもなく大好きなので、ぜひとも子フバリにしっかりと王位を担って頂き、カッタッパをお供にした彼のその後を描く歴史スペクタクルを三部作くらいでやって欲しいです。

全部劇場で観に行きます。

よろしくお願いしますよ、S・S・ラージャマウリ監督!

 

 


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画像引用元:映画.com/IMDB

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エイリアンいくせいにっき。映画『ライフ』ネタバレ&感想

「人類の夢も未来も砕かれる」

誰かがオススメしていた・・・?か、観たいと言っていたのを聞いてなんとなくレンタル。

確か、劇場で予告編を見たとき少しだけ「面白そう!」と思った記憶があるんですよね。

主演のジェイク・ギレンホールさんは好きな俳優ではあるんですが、結構当たりはずれの振り幅も広い気が・・・。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Life
【制作国】アメリカ
【監督】ダニエル・エスピノーサ
【脚本】レット・リース、ポール・ワ―ニック
【製作】デビッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ボニー・カーティス、ジュリー・リン
【製作総指揮】ドン・グレンジャー、ビッキー・ディー・ロック
【撮影】シーます・マッガーベイ
【美術】ナイジェル・フェルプス
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】フランシス・パーカー、メアリー・ジョー・マーキー
【音楽】ヨン・エクストランド
【出演([]内は役名)】

  • ジェイク・ギレンホール[デビッド・ジョーダン]
  • レベッカ・ファーガソン[ミランダ・ノース]
  • ライアン・レイノルズ[ローリー・アダムス]
  • 真田広之[ショウ・ムラカミ]
  • アリヨン・バカーレ[ヒュー・デリー]
  • オルガ・ディホビチナヤ[エカリテーナ・”キャット”・ゴロフキナ]

【公開日(日本)】2017年7月8日
【上映時間】104分
【配給】 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.6/10.0  (およそ143,500人の評価)

【あらすじ】

火星で未知の生命体の細胞が採取され、世界各国から集められた6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで極秘調査を開始した。しかし、生命体は次第に進化・成長して宇宙飛行士たちを襲いはじめる。高い知能を持つ生命体を前に宇宙飛行士たちの関係も狂い出し、ついには命を落とす者まで現われる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.6/5.0

ちょい厳しめ判定かなぁ・・・。

いや、でも・・・はっきり言ってあんまし面白くなかったです。

面白いところもあった!

火星で見つけた単細胞の生物を刺激して生命活動をスタートさせることに成功!!!からの、すごい勢いで育っていって・・・という流れはその生命体の見た目が可愛くて(クリオネとヒトデを混ぜたような)結構ワクワクして観られる。

その生命体(カルビンと名付けられるので以下カルビン)が、ラボ内の気圧変化で動きを止めてしまったのをなんとか起こそうと電気ショック療法を施したのがきっかけで、活動を再開したカルビンが凶暴化?してしまう。そこから物を使って箱の外へ逃げたり(ものすごく賢い!)逃げ出した先でラットを襲って殺したりするシーンも結構面白い。

襲った、と書きましたがこれは多分正しくなくて、まず最初にラットの方から興味深そうに近寄ったカルビンに噛み付くんですよね。それで、ビックリして反撃した・・・というのが正しいかな。このシーンが最初に物語っているように、カルビンは必ずしも人間を襲いたくて襲っているわけではない・・・というのがポイントだと思います。

最初に電気ショックを受けて人間に反撃するのもそうだし、その後、火炎放射器で殺処分になりそうになったら逃げる、食料となる水分が必要で船内の色々なものを壊す、酸素がなければ生きられないので酸素がある方へ行くと必然的にそこに人間がいて、更に人間とは水分の塊(つまり食料になる)なので襲う・・・

つまりカルビンはカルビンとして自分の生命を維持、または成長するために動いているだけであって、「殺される!このまま地球に行かせてしまっては人類は滅亡だ!」と大騒ぎしているのは人間だけという構図が深くて面白いなと。黒人の博士が言っていた台詞が全てを物語っていますね。

「身を守るために、本能で襲って来てる・・・憎しみがあるわけではない。でも奴は・・・自分たちを殺す」

もっと序盤からカルビンを大切にしてやれば分かり合えた可能性もあったのではないか、と思うと、人間の欲の深さというか業の深さ故の自業自得ストーリーになっているんだな、というのがよくわかりますね。

そういえば人間の体内にカルビンが入り込んで中から殺すシーンも、無重力空間に漂う血の表現が新鮮で恐ろしくて目を見張りました。ライアン・レイノルズさんの熱演も見れたし、良いシーンだった。

しかし何が一番つまんなかったかって

オチどころか大体のストーリーが読めてしまうこと。これ。

真田広之さん扮するショウも死亡フラグがビンビンだし、次々に希望が絶たれていく展開も予想通りで驚きがあまりない。そして、最後に2つしかない救命ポッドで片方は地球へ戻り、片方はカルビンと一緒に宇宙の彼方に去る計画・・・そりゃギレンホールさんが宇宙の彼方へ行くんだろうね!!!なんてったって主人公だし!地球には戻りたくない的な伏線もあったしね!!

そんでもってこれ、今ポッド入れ替わったよね?多分、地球へ向かったのカルビンの方だよね?

やっぱりそうじゃーん。という、最後のオチまでもが予想通りで・・・。

おそらく最後の最後で希望が打ち砕かれて絶望する『ミスト』的な終わりにしたかったのかもしれませんが・・・驚きも何もないよ・・・。

そして地球を蝕む人類は、カルビンによって淘汰されていく・・・と。

最近流行りの「人間は地球にとって害悪だから殲滅しちゃおう」というテーマに行きつくわけですね・・・。

そういえば途中で船員が言ってましたね。

「美しい地球だからこそ守る価値がある。ただ80億のクソたれが住んでいる」

と。

言いたいことは分かるんですけど、『インフェルノ』でも『キングスマン』でもやってたから「またか」となるわけで・・・。

まぁ、一匹しかいないなら、地球に降りてきても倒せるかもしれませんけどね。そこが確実でない辺り、ちょっぴり絶望値も足りないわけで。

色んな方面で、中途半端と言うか、残念な作品でした。

 

 


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画像引用元:映画.com

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発達障がい児とその母を包む愛のドラマ。映画『Mommy/マミー』ネタバレ&感想

架空のカナダで起こった、現実―――。

グザヴィエ・ドラン監督の作品は

『私はロランス』→『マイ・マザー』→『胸騒ぎの恋人』と観て、4本目。

初めて彼の作品を劇場で鑑賞出来ました。ちなみに『トム・アット・ザ・ファーム』はこの次の鑑賞になりますね。

ドラン監督のサイコサスペンス映画『トム・アット・ザ・ファーム』ネタバレ&感想

パンフはこんな感じ。

映画のパンフレットというよりは、アート雑誌のよう。グザヴィエ・ドラン監督の美麗なお写真が沢山載っているので、ファンは大喜びの一冊ですね。個人的に、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した時のスピーチが載っているのが興味深かったです。

来場者特典として、ポケットティッシュが配られていました。

裏はこう。もったいなくて使えません!!!!

 

【映画情報】

【原題】Mommy
【制作国】カナダ
【監督/脚本/衣装/編集】グザヴィエ・ドラン
【製作】ナンシー・グラン、グザヴィエ・ドラン
【撮影】アンドレ・ターピン
【美術】コロンブ・ラビ
【音楽】ノイア
【出演([]内は役名)】

  • アンヌ・ドルヴァル[ダイアン・デュプレ(ダイ)]

  • スザンヌ・クレマン[カイラ]

  • アントワン=オリヴィエ・ピロン[スティーヴ・デュプレ]

【公開日(日本)】2015年4月25日
【上映時間】134分
【配給】ピクチャーズ・デプト
【映倫区分】PG12
【IMDB】8.1/10.0  (およそ37,000人の評価)

【あらすじ】

とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2か月後、内閣はS18法案を可決する。公共医療政策の改正が目的である。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。

15歳の息子スティーヴを育てる、気の強いシングルマザーのダイアン。スティーブはADHD(多動性障害)のため情緒も不安定で、普段は知的で純朴だが、一度スイッチが入ると攻撃的な性格になってしまう。そんな息子との生活に右往左往していたダイアンだが、隣家に住む引きこもりがちな女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつ日々に変化が訪れる。精神的ストレスから吃音に苦しみ休職中だったカイラも、スティーブの家庭教師を買って出ることで快方に向かっていくが……。【引用元:パンフレット、映画.com

【感想(ネタバレもあるよ)】

☆3.4/5.0

障がいを持つ息子と母親の不安定な関わり、それから法案によって引き裂かれてしまう切ない現実を描く本作。

天才的な演出の才能が爆発!

音楽の使い方、画面の構成、光の加減、色彩、どれもこれも斬新で、これから彼は映画シーンを変えていくんだ。そんな可能性を感じました。
特に、1:1の正方形だった画面のアスペクト比がグググッと広がっていくシーンは映画館で観れて本当に良かったと心から思える演出でした!!!

思わず涙で顔がぐしゃぐしゃになってしまいましたよ・・・本当に幸せな映画体験でした。

今回も女性がキレるシーンが清々しかったし、ブラボー!ドランさん最高です!ここまでなら星5!なんですけどね!!

まるで1枚のアルバム

秀逸な演出の中に、アスペクト比1:1の画面と、それを取り巻く音楽の存在があります。

主人公が幸せだった頃の事を思い出すかのように、かつて亡くなった父と行ったカルフォルニアへの家族旅行で作ったコンピレーションの曲たちがサントラとして劇中で流れます

アルバムが売れなくなり、一曲単位でネットで曲が買えるようになってしまった今では感覚として分かりづらいかもしれませんが「アルバム」である良さというものの一番は、それぞれ別個であるはずの曲たちが数10曲連なり、その並びから一つの物語を創り出すところ。だとちびぞうは思っています。
アーティストの方々がそれを前提として作っているのかは知りませんが、一つのアルバム全体で一つの作品になるように創っている方は少なくないでしょう。

この映画は、そんなアルバムの流れから想像できる一つの物語のような、そんな作品になっているんです。映画でありアルバム、アルバムであり映画のような。

アスペクト比1:1という画面は、CDジャケットの比率も連想させ、登場人物たちに寄り添う事の出来るサイズ・・・というだけでなく、この映画のどの場面を切り取ってもCDジャケットになるような、そんなお洒落さ、物語性が隠されているのだと思います。

本当に、ハイセンス。この一言に尽きますね。

さてさて脚本は?

ここからちょっと厳しめ感想。

ドランさんは美的センスが素晴らしすぎて・・・脚本のマイナス点を芸術面でほとんど補ってしまうから怖いんですよ。
(逆に言えば脚本と芸術性のバランスが取れた時、ものすごい映画が出来上がるんじゃないかと信じています!!なので次の作品も必ず観ます!)

今回は私のリサーチ不足もあったんですが、オープニングで流れる「カナダで改正された法案(あらすじの冒頭に載せた文ですね)」というもの自体がフィクションだったと知って心底ガッカリしてしまいました。

障がい者にスポットを当てるならば実話をベースにした方が観た人にも考えてもらえる映画になる気がするんですよね。(啓発が目的の映画ではなさそうだからそこまで求める必要ないかもしれないけど)
とにかく、法案ネタを冒頭に持ってきていかにも物語のメイン!という感じなのにそこはあまり物語の芯に関係なかった感じもして。正直あの設定、なくても良かったかな。

それから主人公の母親。彼女があまりにも息子の障がいを理解してなさすぎて…ツライ。自傷他害の可能性を知ってて目を離しすぎだし、これまでずっとこの問題と向き合ってきた人にしては疑問に思える行動が多々あった。もっと本人のためを思って一生懸命愛そうと頑張る母親っているだろうし。
そもそもドランさんは不器用で不完全な(しかし力強くて美しい)母親像を描きたいのであって”障がい児とその母親”というスタイル自体にはあまり意味がないのかもしれないなーと思ってしまいますね。やっぱり、法案の設定はいらなかったのかも。

まとめ

今回は脚本の部分にあまり納得ができなかったので、演出と映像が素晴らしすぎて星5から始まったスコアも下がり気味。

それでもドラマとして面白いといえば面白い映画だとは思います!

多分、ちびぞうのドラン監督に対するハードルが相当上がってるのもあるんでしょうね。
でもいつか、そのハードルを軽々と越えてきてくれるって信じています!!

 

 

 


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さ行

ファン落胆?『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ネタバレ&感想

「私の中に眠っていた何かがついに目覚めた・・・とても怖い」

映画仲間に「今までとは違うスターウォーズが観れるよ」と言われワクワクしつつ劇場へ。

年末にスターウォーズを観る、というのが年の瀬の風物詩?になりそうな近年ですね~(笑)

change.orgさんでファンたちが「今作をシリーズから外して新たに8を作り直してくれ」という署名を始め、2万人を超える人たちが署名している・・・という話も聞きましたが、一部ファンの間では落胆した人も多かったようです。

パンフは通常版1,000円、特別版1,200円という事で特別版を購入。

レイが一人で堂々と表紙を飾っています!でも通常版の方のデザインの方が良かったななんて言えない

通常版にはないコンセプトアートのページと、キャリー・フィッシャー(レイア姫)の追悼ページが追加されています!全88Pという、もはやパンフの域を超えてる分厚さ(笑)

丁寧なあらすじがアートワークに合わせて読めます。

【映画情報】

【原題】 Star Wars: The Last Jedi
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ライアン・ジョンソン
【キャラクター原案】ジョージ・ルーカス
【製作】キャスリーン・ケネディ,P.G.A、ラム・バーグマン,P.G.A
【製作総指揮】J.J.エイブラムス、トム・カーノウスキー、ジェイソン・マクガトリン
【撮影監督】スティーヴ・イェドリン,ASC
【プロダクション・デザイン】リック・ハインリクス
【編集】ボブ・ダクセイ
【衣装】マイケル・カブラン
【視覚効果&アニメーション】インダストリアル・ライト&マジック
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【出演([]内は役名)】

  • マーク・ハミル[ルーク・スカイウォーカー]

  • キャリー・フィッシャー[レイア・オーガナ]

  • アダム・ドライバー[カイロ・レン]

  • デイジー・リドリー[レイ]

  • ジョン・ボイエガ[フィン]

  • オスカー・アイザック[ポー・ダメロン]

  • アンディ・サーキス[スノーク最高指導者]

  • ドーナル・グリーソン[ハックス将軍]

  • アンソニー・ダニエルズ[C-3PO]

  • グウェンドリン・クリスティ[キャプテン・ファズマ]

  • ケリー・マリー・トラン[ローズ・ティコ]

  • ローラ・ダーン[ホルド提督]

  • ベニチオ・デル・トロ[DJ]

  • ルピタ・ニョンゴ[マズ・カナタ]

【公開日(日本)】2017年12月15日
【上映時間】152分
【配給】 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
【映倫区分】G
【前作】新三部作の序章!映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』感想
【次作】スターウォーズ9(仮)
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

スターウォーズ/フォースの覚醒の直後から始まる。伝説のジェダイ・ルークの元で自分の内なる力の正体を掴もうとするレイ。そんな彼女とジェダイそのものを「あってはならない」と否定するルーク。と同時に、レイア・オーガナ率いる反乱軍はファースト・オーダーの容赦ない攻撃によって徐々にその数を減らされようとしていた・・・。

【感想(ネタバレ注意です!)】

☆3.0/5.0

いつも引用させて頂いている「映画.com」さんにもあらすじがなく、その場合Yahoo!映画さんを経由してシネマトゥデイさんのあらすじを引用させて貰ってるんですがそこも「諸事情によりストーリーを記載しておりません」の文字・・・。なぜ!

自分でまとめようと思いましたがあまりの情報量の多さに、大したあらすじが書けませんでした・・・。まとめる力欲しい(;ω;)

いくつかある問題を列挙

楽しいと言えば楽しい、娯楽映画と言えば確かに楽しい。
だけど観終わったあとのこの違和感はなに・・・という事で、スタウォは7から好きになったにわかファンちびぞうが個人的に思った事を並べてみます。

とにかく長い問題

なんと152分もあるんですねー!!
長くても引き込めれていれば長さを感じさせない、というのが面白い映画というもの。逆に短くてもつまらなかったらやたらと長く感じてしまいます。

今作については、「長いなぁ長いなぁ」と思っていたら「実際すごく長かった」という(笑)
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を観ていた時の感覚に似ています(笑)

続きものということは、キリが良くなくても映画が終わる可能性がある。なので、「そろそろ終わりかな?あれ、まだ終わらない・・・そろそろ終わりかな?あれ、まd」と繰り返していました。

ポーが暴走したり、紫の人が裏がありそうに描かれていたり、何の意味があったんでしょう?最初からポーに説明していれば、前半部分だいぶ削ることが出来たじゃないですか・・・。

宇宙でなぜ平気なのか?問題

ローズの姉妹?が序盤でリモコンと格闘するシーン。あれ、船のドア開きっぱなしでしたよね?宇宙・・・大丈夫なの??という疑問。

後半のレイア姫が宇宙に投げ出されるシーンとかも、違和感がすごかったです。

スターウォーズの世界では、大丈夫・・・ってことなの?

スノークさんってなんだったの問題

スタウォの新章になりどこからともなく表れて、全くレンの心を読むことなく真っ二つにされてしまったスノークさん。あっけない退場です。

味方のトップがルークなら、敵のトップはスノークさん・・・のはず。パワーバランスおかしいですよね。もっと強くないとおかしいですよね。

様々なレビューを読んでて見かけた「スノークさんハックス将軍の精神を乗っ取ってる説」を推したいですね。じゃないとあっけなさすぎて!

大事な時にその場に来ない問題

ルークさんのカイロ・レンとの一騎打ちシーン。

えぇーー!来てないのかよ!遠隔操作かよ!そしてそれに気付かないレンちゃん!

正直、その場にいないと知った時に爆笑してしまいました。伝説なのになんだか卑怯!

どうせお亡くなりになるんだったら、別に弟子と本気で戦ってから散っていったっていいじゃないですか。言えることは直接伝えればいいし。

というか、ジェダイの方々は死んでからも霊体として表れて、会話も出来る存在なんだし

「生身で戦う」

という事にもう少し重きを置いてもいいのでは・・・。

フィンとレイの微妙な関係はつまり人種差別?問題

一番違和感があったのは、レイとフィンの関係。

  • チューイにレイの気持ちを代わりに言わせる演出
  • 謎のアジア人女性の登場
  • キスシーンの有無

レイの気持ちをハッキリ言わせないのは、ただ単に観客を焦らしているだけなのか、それとも人種的な問題で二人はくっつけられないから誤魔化しているのか、どっちなの!!

最後にレイとフィンがようやく再会した場面でも、二人はハグしかしてなかったですよね。しかも、ローズが急に横から出てきてフィンに「愛してる」とキスをする!

フィンが黒人だから??アジア人女性をあてがうの???

前作からの流れでフィンとレイが恋愛的にくっつかないのは不自然な感じがするんですよね。

ディズニーがバックにいるから、近代的な人種の多様性を重視してメインキャラに様々な人種を登場させるっていうのはすごくわかります。実写版『美女と野獣』でも人種の多様性をかなり意識していたようでしたし。しかしそれに反して、「ルフゥのゲイシーン」をカットしたり、何かとしがらみも多そうなディズニー。

中国人への媚びなのか、人種差別問題の根深さに配慮したのか、あまり自然な脚本ではない・・・そんな違和感を終始感じていました。

エマ・ワトソン主演!映画『美女と野獣』実写版のネタバレ&感想

良かったところ

ツッコミばかりもアレなので、良かった点も。

  • ヨーダさん登場で大事な書物を燃やしてしまうところ

「古い書物なんかより大事なものがあるだろ」と言わんばかりのヨーダさん良かった。

  • フィンが元ストームトルーパーとして決着をつけていたところ

キャプテン・ファズマと対決をして、元ストームトルーパーとしての自分としっかりと決別した!という演出が良かったですねー。ちゃんと、脱走兵としてのけじめをつけた感じがしてよかったです。

  • お決まりの展開を次々と裏切っていく!

うわーーーーーピンチ!!というところで仲間が助けに来て九死に一生!みたいなことがあんまりない。この流れならこうなるだろう、みたいなありがちな展開をどんどん裏切って、反乱軍が次々と追い詰められていくところが、レイの覚醒に繋がってカタルシスをもたらしていたと思います。

  • ラストの塩の地面での戦闘シーンの美しさ

↑これです。真っ白な雪原の下は塩。踏んだりすると赤い塩が見えるところがすっごくお洒落でした。

カイロ・レンちゃんが可愛すぎる

相変わらずの癇癪持ちで、才能は人一倍あって、やりたい放題だけど色んな人に振り回されまくっている不憫なレンちゃんが本当にもう愛しくて愛しくて(笑)

レイに一緒に来てくれ、頼む。というシーンなんか彼の孤独さがすごく伝わって来て涙が・・・(*;ω;*)

正直、前作の感想でもベタ褒めしていましたが、

新三部作の序章!映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』感想

今作、更に魅力が増しています!!!!

レイとの共闘シーンなんかも最高にアツいです。あっけなく正義に還るようなことはせず、ぜひとも自分を貫いていって欲しいですね!!!

レンちゃんファンなら得しかしない!!!!ぜひ劇場で彼の成長を見守ってきてください!!!!

 

 


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ドラン監督のサイコサスペンス映画『トム・アット・ザ・ファーム』ネタバレ&感想

「10月のトウモロコシはナイフ」

画像引用元:IMDB

カナダの奇才・天才、グザヴィエ・ドラン監督が、ミシェル・マルク・ブシャール(カナダの人気劇作家)の同名戯曲を映画化!

ドラン監督は、私の敬愛するガス・ヴァン・サント監督も一目置いているという事で追いかけ始めた監督さん。非常にアーティスティックで繊細で、セクシャルマイノリティな作品を作る監督さんです。

監督だけでなく、脚本、編集、衣装まで手掛け、更に主演までしてしまうという天才ぶり・・・最初に書いた脚本が10代の時の物だったということもあり、「若手のカリスマ」とも呼ばれていますね。

彼の作品は、『私はロランス』→『マイ・マザー』→『胸騒ぎの恋人』→『Mommy/マミー』と来て5本目の鑑賞になります。

アップリンクさんの公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Tom a la ferme
【制作国】カナダ、フランス
【監督/編集】グザヴィエ・ドラン
【脚本】グザヴィエ・ドラン、ミシェル・マルク・ブシャール
【原作】ミシェル・マルク・ブシャール
【製作】グザビエ・ドラン、ナタナエル・カルミッツ、シャルル・ジリベール
【撮影】アンドレ・トュルパン
【音楽】ガブリエル・ヤーレ
【出演([]内は役名)】

  • グザヴィエ・ドラン[トム]
  • ピエール=イブ・カルディナル[フランシス]
  • リズ・ロワ[アガット]
  • エブリーヌ・ブロシュ[サラ]
  • マニュエル・タドロス[バーテンダー]

【公開日(日本)】2014年10月25日
【上映時間】100分
【配給】アップリンク
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.0/10.0  (およそ12,000人の評価)

【あらすじ】

。恋人の男性ギョームが亡くなり悲しみに暮れるトムは、葬儀に出席するためギョームの故郷を訪れる。しかし、ギョームの母アガットはトムの存在を知らず、息子の恋人はサラという女性だと思っている。トムの存在を唯一知るギョームの兄フランシスは、トムに恋人であることを隠すよう強要。当初は反発を覚えたトムだったが、次第にフランシスの中に亡きギョームの姿を重ねるようになり……。【引用元:映画.com

【感想(容赦なくネタバレしているよ!)】

☆3.9/5.0

主人公のトム(ゲイ)が恋人の葬儀で訪れた農場で出会う、恋人の母・兄・そして残された”嘘”

この作品は他のドラン監督の作品とは明らかに毛色が違い、鮮やかな色彩や明るい音楽もなく、終始暗く、息が詰まるような雰囲気が漂うサイコスリラーとなっています。
(『サイコ』とかをパロってたりしてちゃんとホラー感も出してる!!)

監督本人は「複雑な脚本を練る時間がなかったので戯曲を元にした」と言っていたらしいので、若干脚本に隙はあるのだろうけども、それでも十分「凄い」と思えるその才能が憎い。嫌味にすら聞こえてしまいますね!(笑)

物語の解釈

”抑圧されたマイノリティからの解放”とかがまぁ分かりやすいと思います。

暴力的で目的のためには手段を選ばず、相手を飼いならしてしまう兄貴像。これは彼がラスト付近でトムを追って見せた背中、そのTシャツに書かれた三つの文字(USA)の象徴ということなのでしょうね。(つまりアメリカという国、その存在のセクマイへの抑圧を兄のキャラクターに落とし込んでいる)

しかし!私にはこの映画を観ていてどうしてもぬぐい切れなかった一つの”仮説”があって、それは物語が進めば進むほど確信へと変わっていってしまう。

単なる妄想に過ぎないと思うのでここから先はスル―でどうぞ(笑)

ちびぞうの妄想的観測

この映画は、”愛する者を失った二人の男”が心に開いた穴を埋め合う哀しい哀しい愛の物語なのです!!!
簡単に言えば、兄フランシスもゲイだろ、ということ(短絡的)。

そう感じた理由は、兄の全ての行動にあります。

あれだけ体格もデカく暴力的な兄が、母親にビンタをくらっても何も言わない場面があります。あそこで一瞬、抑圧され歪んだ家庭の姿が垣間見えます。
それに加えタンゴを踊るシーンでの兄の台詞。トムを脅してまで嘘をつかせ必死に母の平穏を守ろうとする姿と比べるとどうもミスマッチだと感じるんです。兄の母親に対する愛情は、そこまで深くない気がする。

閉塞的で信仰心の強い田舎の村で、ゲイであることは重い罪であり、バレれば大変なことになるのだろうと予測できますよね。

兄が本当に恐れていたのは「死んだ弟がゲイだとバレてしまい母親を悲しませることではなく、その”事実”が明らかになった時、自分にも飛び火してしまうこと」だったのではないか。とちびぞうは考えたのです。

そう考えて観てみると、

  • 昔兄弟でタンゴを踊っていたこと
  • バーでの過去話(顎を破壊された男が握っていた”噂”は最後まで明かされないが、彼はギョームのことだけでなくフランシスの事も何か掴んでいたのではないか。そうでなければそこでのフランシスの暴走っぷりは完全に意味不明になってしまう)
  • トムとの暴力的で官能的な絡み(複数回)
  • トムとフランシスのベッドの配置の変化・・・(離れて置いてあったベッドが後半、隣り合っています)

などなど、全ての要素がそこ(兄ゲイ説)に繋がっている気がして仕方ないんです。
ゲイほどゲイを憎む、とも言うしね。
そう、そしてこの映画の肝である”嘘”というのは兄がついてる盛大な”嘘”ともリンクするのです!(強引)

同じ男を愛した二人はお互いの中に愛する人の姿を見て、現実ではなく虚構の関係性にハマっていく。。兄は支配することで自分を満たし、トムはそれに順ずる(依存する)ことで満たされた(だから逃げられず戻ってしまうんです)。

しかし後半のサラの登場やバーでの昔話などによってようやくトムは現実を見る決意をする。傷を舐め合っていても仕方がないんだと、過去との決別、再出発をするわけです。

・・・と、そういう解釈・裏設定があると切ないじゃないですか!っていうちびぞうの妄想でした。

まとめ

上の方でも書きましたがTシャツの文字が象徴していることがテーマなのは明らかなので・・・監督は特に兄ゲイ説を意識してなかったかもしれないですね。
ジャンルはサイコサスペンス、だし。

しかしこういう見方が出来る余地が”隙”なのか”深み”なのかは分かりませんが、とにかく楽しく夢中で観れたことは確か。

映像の美しさ、ドラン監督の美しさ、脚本の凶暴さ・・・好きな人はハマること間違いなし。

『Mommy/マミー』で使われていた画面アスペクト比のテクニックもまた見れたし、ファンとしては感動しました。
やっぱりドラン監督は凄いのだ!!

というなんとも雑な感じで〆ます。笑

ああ早く監督の次回作が観たい!!!絶対に劇場で!

 

 


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さ行

実写版映画『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド(後編)』ネタバレ&感想

「もう、終わらせよう。君を待っていた」

炎上商法に釣られて劇場にまで足を運んでしまった前編の記憶・・・

そして、散々騒いだのだから後編もしっかり見届けようと、しっかり映画館で観てきましたよ!

パンフはこんな感じ

50P、税抜き667円。見開きページもあって意外にボリューミー。しかし前作はメタリックな装丁で豪華さがあったのに対し・・・ちょっぴり見劣りする出来栄え。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】樋口真嗣
【脚本】渡辺雄介、町山智浩
【原作】諌山創
【製作】市川南、鈴木伸育
【特撮監督】尾上克郎
【音楽】鷺巣詩郎
【撮影】江原祥二(J.S.C)
【照明】杉本崇
【美術】清水剛
【録音・整音】中村淳
【録音】田中博信
【扮装統括】柘植伊佐夫
【特撮美術】三池敏夫
【特殊造形プロデューサー】西村善廣
【スタントコーディネーター】田淵景也
【編集】石田雄介
【テクニカルプロデューサー】大屋哲男
【VFXスーパーバイザー】佐藤敦紀、ツジノミナミ
【音響効果】柴崎憲治(J.S.A)
【主題歌】SEKAI NO OWARI – “SOS”
【劇中使用曲】Skeeter Davis – “The End of The World”
【出演([]内は役名)】

  • 三浦春馬[エレン]

  • 長谷川博己[シキシマ]

  • 水原希子[ミカサ]

  • 国村淳[クバル]

  • 本郷奏多[アルミン]

  • 三浦貴大[ジャン]

  • 桜庭ななみ[サシャ]

  • 松尾諭[サンナギ]

  • 石原さとみ[ハンジ]

  • ピエール瀧[ソウダ]

  • 草なぎ剛
  • 緒川たまき
  • KREVA

【公開日(日本)】2015年9月19日
【上映時間】88分
【配給】東宝
【映倫区分】PG12
【前作】実写版映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』ネタバレ&感想
【IMDB】4.8/10.0  (およそ3,200人の評価)

【あらすじ】

超大型巨人によって破壊された外壁の修復作戦に出発したエレンたち調査兵団は、巨人の襲撃によって窮地に陥る。エレンも深手を負った上に、仲間のアルミンをかばって巨人に飲み込まれてしまい、その場にいた誰もが絶望の淵に立たされる。しかしその時、謎の黒髪の巨人が現れ、他の巨人たちを駆逐しはじめる。【引用元:映画.com

【感想(酷評だよ!)】

☆1.0/5.0

あんなに興奮して書いた前編の感想を恥ずかしく思うくらいの拍子抜けが、そこにはありました。

観終わってからまず感想を書くまでにものすごく時間がかかった・・・。そして内容を忘れてしまった頃に慌てて「ああ書いておかなきゃ」と記録する。

そう、わりとどうでもいい部類の映画になってしまったんですよね。

前作を超えるほどのつまらなさが

あるなんて、きっと後編に向かう皆さんは予想出来ていなかったかもしれません・・・。

  • 前編の残念な部分が煮込まれて、全く解消されていない点
  • 伏線回収と物語の終結を急いだ結果、ものすごくありがちな話に
  • 見どころだった巨人同士のバトルなども見慣れてしまえば退屈感満載

しかもこの映画、88分しかないんですよ!

今どき、80分台の映画なんてB級ホラーくらいなもんです。
というかちびぞうの地雷映画の判断基準の中に「映画の長さ」というものもあって、

「90分超えを標準としてそこから短ければ短いほど危険」なんです(笑)

まぁホラー映画が好きなちびぞうの、ホラー映画の中の駄作を避けるための術(他にも”アルバトロスの配給作品は危険”とかもある)なので、過去の名作や別ジャンルでもそうなのかは分かりませんが。

大体、大作映画と言えば前後編わかれていたとしても、それぞれ100分越えが普通。
ダラダラと長ったらしいだけでは意味がないですが、あまりに短くても不安になります。

しかもその不安を解消してくれていませんからね!

物語のオチ

これはつまり巨人の正体。

この映画の中では、巨人は人類が創り出したものという事になっています。そして、政府によってわざと人々は壁の中に捕らえられ「安全」と引き換えに家畜のような生活をしている・・・
その腐った体制を打破しようとしたシキシマさんのクレイジーな思想と対立する主人公、そして体制の権化であるクバルさんの三つ巴の闘い。というものすごくありがちなネタ。

みんながみんな巨人だよ☆

というのはもう・・・お前もか!となります(笑)

更に尺の都合なのかなんなのか、シキシマさんが真っ白な部屋でネタバレ演説するという部分(爆笑ポイントでもあります/笑)

そういう大事な話は演説とか説明ではなくて演出や脚本で魅せてくれないとダメじゃないですか!?

この記事を書くに辺り、ネットレビューを読んだりもしていたんですがシキシマさんがエレンの実の兄・・・?とかいうネタバレもありましたけど全く記憶に残っていません。

更にエンドロール後

全ての戦いを終えて、ようやく壁の向こう側の美しい世界を見た・・・!

と、思いきやエンドロール後の映像に「更に大きな巨悪の存在」を想像させるような「試験区画」の単語と彼らの戦いをモニターで見ていたであろう人物の存在が明らかに・・・!

いやぁ、これにはガッカリ。

物語のスケールダウンが言われる中で、「スケールそんなに小さくないのよ」と言いたげなオマケ映像ですけども、ぶっちゃけエンドロール後の映像を観るか観ないかって観客によってそれぞれお任せな部分じゃないですか?つまり、エンドロール後の映像は本編に数えられるような重要な事って含めちゃいけないんじゃないですか?と思うわけです。

なのに、物語の重点をそこに置いてしまったら「作品内で完結」を上手くさせているとは私は言い難いな・・・と感じました。本編88分しかないんだから(何度も言う)、どうせなら本編に盛り込ませれば良かったのに。

本当に、何もかもが残念でなりません。

唯一の1.0はシキシマさんに

長谷川博己さんのファンとして、彼のクレイジーなキレキャラ(残念なイケメン)っぷりを観れたというただただその点だけにおいて1.0を付けています!!!!(笑)

前作は彼のキャラクター性がよく分からず、「この人ほんとなんなの」という目で見てましたが・・・ここで彼の行動理由とかが語られて、良い感じにシキシマさんというキャラが立ち上がってきたな、という印象でした。

MOZUの劇場版もそうでしたけど、長谷川さんってなんでこうも変なキャラばっかり・・・(笑)でもそこが好き。

まとめ

今回は製作陣が色んな場所でいろんな話をしていたという部分で我々観る側も大きく振り回された・・・そんな作品だったと思います。

作り手は言い訳とかそういうの漏らさず、ただただ作ったものをみせてくれればそれでいいのに・・・とどうしても思ってしまいますね。

樋口監督、この後『シンゴジラ』で大成功!ほんと良かった。
長谷川さんも一緒に大成功!ほんと良かった。

失敗は成功の母!

 

 


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さ行

新三部作の序章!映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』感想

「チューイ、我が家だ」

スターウォーズ、新三部作の一作目。シリーズ通すと7作目ですね。
公開当時に映画館で鑑賞。

2017年12月、8作目の『最後のジェダイ』が公開されたのでそのおさらいで何回か見返しました。

ちびぞうは元々、「7が面白い!」という噂を聞いて慌てて過去作を観たという感じで特別スターウォーズファンだったというわけではなかったんですが・・・

ここから好きになってしまいましたねー!(笑)

ちなみにパンフは通常版を購入。

もんのすごい分厚い!パンフというか雑誌レベル。
通常版でも72Pという圧巻のページ量。それだけにお値段も税抜き926円とリッチ!な感じですね~。

過去作の総おさらいのページ、武器の紹介ページ、コンセプトアートのページと内容もとっても充実しています!

【映画情報】

【原題】 Star Wars: The Force Awakens
【制作国】アメリカ
【監督】J.J.エイブラムス
【脚本】ローレンス・カスダン、J.J.エイブラムス
【製作】キャスリーン・ケネディ、ブライアン・バーク、J.J.エイブラムス
【撮影監督】ダン・ミンデル
【プロダクション・デザイン】リック・カーター、ダレン・ギルフォード
【編集】メアリー・ジョー・マーキー、メリアン・ブランドン
【衣装】マイケル・カブラン
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【出演([]内は役名)】

  • デイジー・リドリー[レイ]

  • ジョン・ボイエガ[フィン]

  • オスカー・アイザック[ポー・ダメロン]

  • アダム・ドライバー[カイロ・レン]

  • ドーナル・グリーソン[ハックス将軍]

  • グウェンドリン・クリスティー[キャプテン・ファズマ]

  • ハリソン・フォード[ハン・ソロ]

  • キャリー・フィッシャー[レイア・オーガナ]

  • アンソニー・ダニエルズ[C-3PO]

  • ピーター・メイヒュー[チューバッカ]

  • ルピタ・ニョンゴ[マズ・カナタ]
  • マーク・ハミル[ルーク・スカイウォーカー]
  • アンディ・サーキス[最高指導者スノーク]
  • マックス・フォン・シドー[ロア・サン・テッカ]

【公開日(日本)】2015年12月18日
【上映時間】136分
【配給】ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
【映倫区分】G
【前作】スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
【次作】スター・ウォーズ/最後のジェダイ
【IMDB】8.0/10.0  (およそ710,000人の評価)

【あらすじ】

伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーがいずこかへと姿を消し、帝国軍の残党「ファースト・オーダー」が台頭。レイア・オーガナ率いるレジスタンスが抵抗運動を続けているが、銀河には再び暗雲が立ち込めていた。砂漠の惑星ジャクーで廃品回収をしながらひとり暮らしていたレイは、ある日、砂漠をさまよっていたドロイドのBB-8と出会う。BB-8は、レジスタンスがようやくつかんだルーク・スカイウォーカーの手がかりを託されており、ファースト・オーダーに狙われていた。レイは、ファースト・オーダーを脱走してきたストームトルーパーのフィンと協力しながら、BB-8を連れて逃走し、その過程でかつてルークとともに戦ったハン・ソロと出会うが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレないよ!)】

☆3.8/5.0

スターウォーズ新章!女性と黒人をメインキャラに持ってくるところが今の時代!って感じですね~。

ディズニーが買収した後の作品だからなのかどうかは分かりませんが、とにかくキャッチ―でエンタメ感がアップしていて古くからのスタウォファンがどう思うかはともかく、過去作より親しみやすく観やすい作品になっていた印象があります。

旧作へのオマージュ

自分はあんまり気付くことが出来なかったんですけども例えばカイロ・レンがハン・ソロと対峙するシーンの場所(宇宙船内?足元に大きな闇が広がる通気口のような場所に渡された通路の上)、かつてダースベーダーとルークの二人も同じような場所で対峙してませんでしたか!?多分、狙ってのことだと思うんですが、旧作ファンのためのオマージュも色々と盛り込まれていたんだと思います!

 

さらに、今作で登場するキャラクターもそれぞれ、魅力あるキャラがそろっています!

新ドロイドの「BB-8」とかめっちゃくちゃ可愛いです。転がってるのに頭が取れないところにもテクノロジーを感じますねー!フィンとの秘密を守って「親指を立てるサイン」をするシーンなんか劇場で笑いが起きていました(笑)

それからちびぞう一押しキャラの、

カイロ・レンの魅力!!

ほんとね・・・私こういうキャラクターに弱いんですよ。
未完成で歪みのある残念なイケメンというか・・・(笑)近しい雰囲気を持ったキャラだと、『アベンジャーズ』にも登場する『マイティ・ソー』シリーズのロキちゃんがいますね。家族に対する憎しみを抱ききれてない感じとか、情緒不安定で癇癪持ち、中身が幼い感じとか・・・若干キャラ被りしてます!

もう本当、いちいちキレて設備を破壊しちゃうところとか、可愛くて可愛くて(*;ω;*)

闇落ちしているという点ではアナキンも一緒ですけども、アナキンにはハマらなかったんですよね・・・(むしろイライラしてしまった)不思議。

とにかくドツボでした・・・。今後の彼に非常に期待です。

ハルクとソーが大暴れ!映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』感想

次作への引きもばっちり

新キャラと旧キャラを上手いこと交えて新スターウォーズは新規ファンも歓迎するよ!という優しさを感じた今作。

ハンソロやルーク、レイアなどの存在は「伝説」として描かれていて、特にルークの存在は物語の大きなキー。伝説を基盤にした上で新人さんが大活躍する!という演出は新旧ファンどちらも楽しめる内容になっていたのではないかな、と。

そして引っ張りまくったルークがラストのラストで満を持して登場。
次作への期待感高まる引きもお見事!でした(*’ω’*)

 


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○○な映画まとめ

絶対に【恋人と観てはいけない映画8選!】気まずい。

どうも、ちびぞうですー!

そろそろクリスマスに向けて恋人たちが色々とデートの計画を立てたり立てなかったりしている時期だと思います。

今年もくりぼっちなちびぞうが、そんな恋人たちが「おうちデート」をする時に間違って

「鑑賞後気まずい空気が流れてしまう」映画を選んでしまわないように、

【恋人と観てはいけない映画8本】

を選び抜きました!!簡単なあらすじとどう気まずいのかを一言添えて紹介。

対象作品はこんな感じ。

  • 普通の恋愛映画っぽいジャケット
  • 普通の恋愛映画っぽいタイトル
  • タイトルとジャケットからは想像出来ない突飛な展開、鬱展開
  • 作品の面白さとは別に「恋人と観ると鑑賞後気まずくなる」

恋人と観て気まずい空気が流れないよう、クリスマスデートには借りないように気を付けてくださいねー!

ブルーバレンタイン

ラ・ラ・ランドでも有名なライアン・ゴズリングさん主演作。

●おおまかな内容
【主人公とヒロインの出会ってから恋に落ちるラブラブな蜜月期と、結婚7年目の冷め切った倦怠期が交互に描かれる、過去と現在が入り混じる愛情の変化が切ない異色作】

この説明だけで分かりますね、カップルで観ると「その暗い未来」を予想させてしまうような鬱な気持ちに二人で落ち込んでしまうこと間違いなしです。

ドン・ジョン

これまたスカヨハとジュリアン・ムーア、そしてジョセフ・ゴードン=レヴィット主演(監督)作品という豪華な一本!

●おおまかな内容
【AV中毒、自慰中毒なスーパープレイボーイが二人の女性の間で揺れたり、真の愛を見つけたり見つけなかったりする男性の性事情に対する本音が赤裸々な作品】

何が気まずいって主に赤裸々な部分。パートナーに対し「自分もこんな風に思われてるのかな・・・」という不安は持ちたくないもんですよね(笑)こういう赤裸々なところをあけっぴろげに出来るカップルは素敵だと思いますが・・・きっと一般的には隠したいところが見えている作品だからこそ注意が必要!

胸騒ぎの恋人

カナダの天才、グザヴィエ・ドラン監督、主演のアーティスティックな作品。

●おおまかな内容
【ストレートの女性と、ゲイの男性が同じ二コラという男性を好きになるという一風変わった三角関係が描かれます】

当人同士、もしくはこういう状況に陥った人でなければ理解しづらい恋愛模様、しかも二コラを愛する二人もちょっと距離感が特殊・・・共感できる人はあまり多くはなさそうです。

愛、アムール

ミヒャエル・ハネケ監督作。

●おおまかな内容
【突如病に倒れてしまう妻を長年寄り添って来た夫がお世話する。老々介護のリアルが描かれている臓腑に重たいハードな作品】

ハネケ監督と言えばこのブログでも何度も書いてるように「鬱な映画」で有名な監督。アオリには「至高の愛の作品」とありますが、よくある感動ものとは全く違います!決して気軽に手を出してはいけません。

トゥー・ラバーズ

アイアンマンのヒロインでも有名なグウィネス・パルトロウ主演作!

●おおまかな内容
【婚約者に捨てられ躁うつ病になり自殺未遂をした男が、正反対の魅力を持つ二人の美女の間で揺れ動く恋模様を描く】

一言で言えば「同時進行複数形!」です。とても味わい深い作品ではありますが、恋人とハッピーな気持ちで観たい作品かと言うとそうではない・・・ちょっと主人公の状況からしてちょっぴり胃もたれしてしまうかも。

愛してる、愛してない・・・

『アメリ』で有名なオドレィ・トトゥ主演作!

●おおまかな内容
【一本のバラをきっかけに恋をした男性の”ストーカー”と化してしまうヤンデレ女子の恐怖を描いたサスペンスストーリー】

アメリのイメージが強いこの女優さん×このパッケージ!「純愛ものかな?」と思って観るとしっぺ返しを食らってしまいます!!!

テイク・ディス・ワルツ

奇遇にも、上で紹介した『ブルー・バレンタイン』のミシェル・ウィリアムズ主演作・・・。

●おおまかな内容
【結婚5年目に起きる夫婦の変化。旅先で出会った青年に心惹かれるヒロイン、帰宅するとなんとその青年が自宅の向かいに住んでいると知り禁断の関係へと踏み出してしまう】

いわゆる不倫もの。奥さんの方が青年と火遊びするストーリー。これも決して軽い作品ではなく、夫婦関係の危うさにメスを入れている重めの作品。カップルでの鑑賞後、溜息が漏れてしまうでしょう。

それでも愛するバルセロナ

スカヨハ、そしてペネロペ・クルスという二大美女が共演!!

●おおまかな内容
【夏のバルセロナ、女友達と二人でバカンス。そして出会ったイケメン芸術家に二人して恋に落ち、更にその元奥さんまで出てきて大混乱なコメディもの】

コメディと言ってますが、まず二人そろって同じ男に恋をしてその両方と関係を持つ芸術家だとか、そこに出てきた元奥さんと三人で愛し合っちゃおう!みたいな「ザ・おフランス」的、恋に狂った人たちの価値観が遠すぎて、置いてきぼりになってしまうので笑いとは程遠い・・・。少なくとも日本人の感覚にとっては複雑すぎます。

 


以上、ちびぞう厳選の【恋人と観てはいけない映画8選】でした!

 

メリークリスマース!!!!

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