カテゴリー
か行

シャーク・ケージ・ダイビングの恐怖!?映画『ケージ・ダイブ』ネタバレ&感想

2015年—海底から一台の水中カメラが発見された

近年、『シャークネード』『シャークトパス』といった変わり種作品の水面下の爆発により、サメ映画は立派な1ジャンルに成長しております。(と思っているのはちびぞうとこの記事を読んでいるサメ映画好きのあなただけかもしれないが)

その密かなサメブームに乗っかろうという感じのサメ押し押しのジャケットですね。

最近PS4のVRで、このケージ・ダイビングが出来るソフトの体験版?をやったことがあって

「こんな水中の檻で本気でサメが襲ってきたら恐ろし過ぎる!!」

と思いレンタルしてみました。

しかしこれ、今調べてみたらかの名な!『オープン・ウォーター』の3作目だそうじゃないですか!!!

えっ、そんなのどこに書いてあったんだろう!!!

ワーオ見てください海外版のジャケットを!

おもいっきり『オープン・ウォーター3』って書いてありますね~~~

2でコケたしシリーズだって明かさなくていいやって思ったのかな。(配給の「ケージ・ダイブ上映委員会」とはなんなのか)

新宿シネマカリテさんの特集企画にて上映されたようです。

【映画情報】

【原題】Open Water 3 Cage Dive
【制作国】オーストラリア
【監督/脚本/撮影/編集】ジェラルド・ラシオナト
【製作】ジェラルド・ラシオナト、アントワーヌ・ムアワッド、チャールズ・M・バーサミアン、ラナ・ジョイ・グリックマン
【製作総指揮】トニー・ラシオナト、ポール・アダムス、ウィルマ・アダムス、ジェイコブ・グレイ、トレイシー・マックナイト、ピート・バレー
【美術】アンジェラ・ラシオナト、マクファーソン・ダウンズ
【音楽】ザ・ニュートン・ブラザーズ
【音楽監修】アンディ・ロス
【出演([]内は役名)】

  • ジョエル・ホーガン[ジェフ・ミラー]
  • ミーガン・ペータ・ヒル[メーガン・マーフィ]
  • ジョシュ・ポソフ[ジョシュ・ミラー]
  • ピート・バレー[グレッグ]
  • マーク・フェル[ダイバー]
  • クリストファー・カレン[ジョシュとジェフの母親]
  • タラ・ウライス[女性遭難者]
  • ティーガン・バージャー[女性遭難者]

【公開日(日本)】2017年8月13日
【上映時間】81分
【配給】「ケージ・ダイブ」上映委員会
【前作】オープン・ウォーター2
【IMDB】4.1/10.0  (およそ2,200人の評価)

【あらすじ】

2015年10月21日。アメリカ人のジョシュ、メーガン、ジェフはエクストリームゲーム番組のオーディションテープを撮影するため、オーストラリアのアデレード沖で「シャーク・ケージ・ダイビング」のツアーに参加していた。ところが彼らを乗せたクルーザーが高波にのまれて転覆し、参加者たちは海に投げ出されてしまう。ジョシュは周囲の人々が相次いでサメの餌食になっていく様子を小型水中カメラで撮影する。ジョシュたちは夜になって救命イカダを発見し、命の危機を脱したかに思えたが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆1.5/5.0

これはなかなか・・・アレですね。

まず、海底で見つかったカメラの中に入っていたSDの録画データ。これを見てみたら、なんとシャーク・ケージ・ダイビングの最中に高波に飲まれて遭難した三人の旅の記録&遭難の記録だった・・・

ちなみにシャーク・ケージ・ダイビングってこんなやつ。

そしてその映像を公開することによって三人の捜索がはかどるようにと、ドキュメンタリー番組として放送することになった、というのが映画の内容の全て。

 

ファウンド・フッテージ(モキュメンタリー)ですね。
(◆ファウンド・フッテージ=撮影者が死亡または行方不明となった録画データを第三者が発見するという設定の作品
◆モキュメンタリー=ドキュメンタリーを模している作品で、あくまでも事実を伝えていますよ、という設定)

まずちびぞうが観ていて最初に思ったのは

ケージ・ダイビング関係なくない!?

ってことなんですよね。

最初に想像してたのは、なんらかの理由でケージが海底に落ちるとか、ケージが上げられなくなったりとかの事故が原因で、海中にケージごと留まるしかなくなり、酸素ボンベの残量と戦いつつ、外から襲い来るサメの恐怖とも戦う。っていう展開なんですよ。

しかし、ケージダイビング始まったー!と思ったら、

高波に襲われて船が転覆するんですよ。

ケージの中の人も船内の人も一緒くたに海に投げ出されるわけなんですよ。

一瞬で普通の遭難映画に早変わりなんですよ。

ケージ・ダイビングが関係してるっていうのは唯一「サメが多い海域だったよ」ってことのみ。

というかちびぞうはこの瞬間「これってオープン・ウォーターじゃん。パクりじゃん」って思ったんですけど

普通に続編だったー!!!!!!!!!

さ、最初から続編だと言っておけばこんなことには・・・?いや、でもあんまりそれは面白さには関係ないですね・・・。

他にもツッコミどころ満載

この主人公3人は、兄弟2人と弟の彼女、という組み合わせの3人なんですが、彼らが楽しそうに旅してる序盤の映像とか、彼女とイチャつく中途半端なお色気シーンだとか、

大体全部いらない・・・

しかも弟の方は旅の間に彼女にプロポーズをしようとしているんですけども、実は彼女は彼氏の兄貴と浮気をしている・・・という伏線?伏線なんてもんではないか。そういう設定がありまして(なんでこんなゲスヒロイン設定をぶち込んだのかは分からないけども主演の三分の二がクズだったら感情移入もくそもないですよね)

で、海で遭難してだーーーーいぶ(少なくとも12時間以上)経ってからその話がきっかけに揉め始めるんですけど

正直そんなことに気力使えるような状況ではなくない?

ってことなんですよね。ただでさえ短い81分という尺でこんだけ不要なシーンがある・・・これ、このしょうもないドラマ削ったら大変なことになりますよ。下手したら70分切ってしまうかも(笑)

他にも、海の中で救命胴衣が流れて来たり、4人用の救命イカダが流れて来たり、彼らを生き延びさせようとする漂流物が運よくやってくるわけですよね。

で、それを取りに行こうと一人が泳ぎ始めて「やめて!一人でいるとサメに襲われるわ!」と2人が止める・・・というのが何回かあるんですけども

3人で泳いでいったらええがな

とか思っちゃうんですよねーーーー

そして手に入れた救命イカダも、もう一人、漂流してきた意識のない女性の体を温めようと、何故か照明弾を持ち出すヒロイン・・・そしてそれを止めようとしてもみくちゃになって、イカダの中で照明弾が発射され燃えてしまうというアホっぷりが酷い!!!

救命イカダに取り残された女性が、照明弾に焼かれて死んでしまうんですけど・・・

ここが一番おそろしかったな・・・

しかもこの事件の後に再び海に投げ出された3人が浮気の話で揉めますからね。さすがにそれはない。


↑ビデオカメラが水中でも使えるか試す3人の図

そもそもの話

船が転覆した時に、怪我をした男性の顔がべろーーーーーーとめくれているグロ映像が流れたり(これめっちゃ人形ですよ。今時人形ってわかっちゃうのすごいですよ)するし、

そんなもの、映像として無編集のまま公開する?????

しかもしかも、ヒロインが兄と浮気してるシーンだったり、それで内輪揉めしてるシーンだったりも入ってるし、その上ヒロインがサメにパックンチョされたり、弟が心臓発作で死んだり、最後に残った兄も明らかにこれ死んでるなっていうサメのアタックを正面から受けてる感じの映像で終わってて結構えげつないと思うんですよ。色んな意味で。

で、最後に出てくるこの言葉。

「映像を提供してくれたご家族に感謝します」

いや、どこの世界にこんな情けなくてえげつない最後を遂げた彼らの映像を世界に公開しようって思っちゃうような家族がいるんだよ!!!!

って話なんですよね。

まとめ

全編通してツッコミどころ満載で、タイトル詐欺な上に面白くもない、大変な作品でした。

これがまさかあの『オープン・ウォーター』の続編だなんて・・・

 

ホオジロサメだったりクジラだったりはちょこちょこ観れます!

サメ好きな人は近くで見れていいかもしれませんね!!!!

とかいう雑な〆で終わります。お疲れさまでした。

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
さ行

怪現象の原因はどこに?映画『残穢 住んではいけない部屋』ネタバレ&感想

穢れ=不浄、汚れ。

死・出産・疫病・出火・悪行などによって生じ、災いや罪をもたらすとされる。

ちびぞうが好きなリアル脱出ゲームに、この映画とコラボしてるものがありまして。(残念ながら結果は失敗でしたけどね!)
そのこともあってちょっぴり気になっていた本作。周りで観た、という声も多いのでジャパニーズホラーはほっとんど観ない私ですがレンタルにて手を取ってみました。

今知ったんですけど、原作は小野不由美さんなんですね!『屍鬼』は漫画を読んだことがあります・・・これは期待値が高まる・・・。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】中村義洋
【脚本】鈴木謙一
【原作】小野不由美『残穢(新潮社)』
【企画/プロデュース】永田芳弘
【プロデューサー】池田史嗣
【撮影】沖村志宏
【照明】岡田佳樹
【美術】丸尾知行
【助監督】片桐健滋
【音楽】安川午朗
【出演([]内は役名)】

  • 竹内結子[私]
  • 橋本愛[久保さん]
  • 佐々木蔵之介[平岡芳明]
  • 坂口健太郎[三澤徹夫]
  • 滝藤賢一[直人]
  • 山下容莉枝[田村さん]
  • 渋谷謙人[梶川氏]
  • 成田凌[山本くん]
  • 吉澤健[奥山家当主]
  • 不破万作[田之倉氏]
  • 上田耕一[國谷氏]

【公開日(日本)】2016年1月30日
【上映時間】107分
【配給】松竹
【映倫区分】G
【IMDB】6.0/10.0  (およそ250人の評価)

【あらすじ】

小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.3/5.0

途中まですごく引き込まれて観ていたんですよね。途中まで!

実話怪談を書いている作家が、とある読者からもらった手紙をきっかけに、その読者(久保さん)の家で起きる怪奇現象の原因を探っていく・・・という簡単なあらすじ。

過去をどんどん探っていこうという流れ

同じマンションで色んな怪奇現象が起きていると知った久保さんが「もしかしたらマンション自体に問題があるのでは」と思い立ち、マンションが建つ前のことも近所の住民らに聞き込みを始める流れが面白い。

マンションが建つ前は駐車場、その前は一軒を残して空き地・・・。

その一軒というのは近所でも有名なゴミ屋敷で、家主は謎の病死を遂げている・・・。

そして、その家の周りに家があった時代、それよりもっと古い時代、とどんどん先住者の事を探っていくと

みんな何かしらの怪死や事件に巻き込まれている

ということが発覚していく。

何が面白いって、古い事件がきっかけになってその怨霊が次に住む人をおかしくさせる、おかしくなった住民が死んで、またそいつが次の住民を呪い・・・みたいに連鎖&拡大&飛び火してどんどん被害が及ぶ地域が増えていく・・・という仕組み。

単純に、ちょっと前に死んだ人の呪い!とかではなく、それがかなり古いところに由来している、と分かっていく過程が楽しいんです。

オチはどうなるかと言うと

怪談の大元には奥山家という炭鉱主がいて、炭鉱で起きた火災を治めようと坑道をふさいだせいでたくさんの労働者が死に、その労働者の怨霊が奥山家を呪い始める・・・というのがそもそものスタートらしいです。

そしてその怨霊たちが当主を苦しめ殺し・・・呪いの連鎖スタートですね。

この、「怪談はたどっていけば元が1つ」という発想も面白かった。

 

最終的にこの怪談話には「聞いたら祟られる、話しても祟られる」という”いわく”が付いてるってことで主人公含めて話に関わった全員が穢れに触れてしまい、祟られてしまう、というオチです。ラストも絶望しかないよーって感じですね。

最後の最後まで人間が襲われるシーンがないという見せ方も好きでしたし、映画が終わった直後の暗転のシーンで、着物が擦れる「サーッ、サーッ」という音だけが聞こえて来て「まさか私たち鑑賞者も祟られてしまったのでは!?」という演出がされていたのも面白かったです。

しかしツッコむ!

「恨みつらみがその土地に残る?でもそれが本当なら、この世に問題のない場所なんてなくなってしまうよ」
っていう主人公の旦那さんのセリフが的確過ぎて(笑)もうそれが全てを物語ってますよね。

映画の中で登場したキャラクターが、話を聞いただけ、その家に住んだだけで全員見事に祟られているので、それが何十年と続いているとしたらすでに日本滅んでてもおかしくないのではっていうレベルで怨霊強すぎる。

しかも、主人公の体調がみるみる悪くなってるのに誰も何も思わないのかなってところも気になるし。

まぁ、ホラー映画でこういうことを言うのは野暮なのかもしれませんが・・・

せっかく神棚とか仏壇があるのに、悪い怨霊はやりたい放題で神様とか良い霊(守護霊的な)ものは一切働いてないっていうのもおかしな話ですよね。

まぁ、良い霊が出てきて戦い出したらジャンルが変わってしまうのかもしれないけど(笑)

でも、あまりにも怨霊ばかりが強すぎて不公平なんで、出来れば呪いを回避する術だとかもあれば良かったなーーーーー。という。

まとめ

ジャパニーズホラーと言えば祟り一択なんですかね?

もう少しなんというか怪奇現象の原因に幅がほしいところ!

ちびぞうは和洋問わずホラー映画で笑ってしまうタイプの人間なのですが、今回は笑わず真面目に鑑賞出来たので、かなり面白い方のホラーなんだと思います。

オチがなーーーーーーー!

あと地味に豪華キャストなのに活かしきれてなかった感じがあって、それももったいなかったですねーーーーー!!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

画像引用元:映画.com

カテゴリー
か行

母親が別人に入れ替わる恐怖。映画『グッドナイト・マミー』ネタバレ&感想

“僕たちのママをどこにやったの?”

こちらはだーいぶ前に映画仲間が「ちびぞう好みっぽい」と言ってくれてた作品。

最近になってちびぞう父がやたらと「観てみ」と言ってくるので、ようーやく鑑賞しました!

整形した母親が病院から戻ってくると、別人になっていた・・・?というサイコスリラーっぽい雰囲気の作品ですね!

原題は「見てるよ、見てるよ」もしくは「分かってるよ、分かってるよ」と言った意味っぽい。”お前が母親じゃないことは分かってる”といった意味なんでしょうかね・・・。

【映画情報】

【原題】Ich seh, ich seh
【制作国】オーストラリア
【監督/脚本】ベロニカ・フランツ、セベリン・フィアラ
【製作】ベロニカ・フランツ、セベリン・フィアラ
【撮影】マルティン・ゲシュラハト
【出演([]内は役名)】

  • ルーカス・シュワルツ[ルーカス]
  • エリアス・シュワルツ[エリアス]
  • スザンネ・ベスト[母親]
  • ハンス・エッシャー[神父]

【公開日(日本)】2016年1月12日
【上映時間】99分
【配給】AMGエンターテイメント
【IMDB】6.7/10.0  (およそ31,200人の評価)

【あらすじ】

森と畑に囲まれた田舎の一軒家で母親の帰りを待つ9歳の双子の兄弟。ところが、帰ってきた母親は顔の整形手術を受けており、頭部が包帯でぐるぐる巻きになっていた。さらに性格まで別人のように冷たくなってしまい、兄弟は本当に自分たちの母親なのか疑いを抱くように。そして正体を暴くべく彼女を試しはじめるが、その行為は次第にエスカレートしていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.9/5.0

つまらなくはないんですけど、面白くもないかも・・・という微妙なライン・・・・ッッ!!!!

すっっっごく雰囲気も良いし、主演の双子の美少年っぷり、演技もすっごく良いんですけどね・・・!

ちびぞうは後半の展開が胸糞すぎてちょっと見てられなかったです・・・

大まかなストーリー

このおかあさん本物じゃないんじゃない?と疑った双子が、寝ている母親の口にゴキブリを投入してみたりだとか、ベッドに縛り付けて「本当のママをどこにやったの」と脅したりだとか口を接着剤で塞いでみたりだとか、それだとご飯があげられないので接着剤をハサミでチョキチョキしてたら唇も切っちゃったよーーー血が噴出!したりとか、一度は逃げ出した母親がコケて頭を打って気を失っている間に今度は床に縛り付けて双子が「本当のことを言え」と脅しながら家に火をつけたりしてて最後にはママが許しを請おうとするけどダメで、結局焼き殺されて終了・・・多分双子も火事で死んだのかな。

そして三人が森の中で再会し笑顔で肩を抱き合いこちらを見つめる・・・という絵面で映画が終わる。

ネタとは何だったのか

この映画のラストで用意されているどんでん返しというのは、

「母親が別人に変わっているかもしれない」という設定の話から、実は

「母親は変わっていないが双子の片割れ(ルーカス)がすでに事故で死んでいて、その事実を認められないエリアスがルーカスの亡霊(か妄想)に操られ”ルーカスがいないと言うお前は母親じゃない”と拷問する」という展開に変わるというところなんですねー。

そのネタの伏線はあらゆるところに用意されていて、例えば

  • ルーカスはエリアスの名前を呼ばない(劇中ではエリアスがルーカスの名前を呼んでばかり)
  • ルーカスは母親に直接話さず、いつもエリアスに耳打ちをして母親に伝えてもらっている
  • 母親はエリアス一人分の食事しか用意しない
  • 母親が誰かに電話で「もうこれ以上フリを続けられない(死んだルーカスが生きているというフリをエリアスの前で続けるというのがもう無理、ということ)」と言っている
  • ルーカスは赤十字の人に対してもエリアスに耳打ちして話す

などなど。他にもちびぞうは気付けなかったんですが、最初の方で母親が「汚れたシャツを着替えなさい」と言った時にエリアスの服だけが汚れている・・・などもあったようですね。

もちろん、母親が別人に変わったのでは?と思わせるような伏線もいくつかあります。

まず母親が森で全裸になるなどの奇行をしていること、双子の見ていないところでは包帯を外していること、双子が部屋に来ても寝たふりをして、こっそり何かを食べてたり・・・まぁ「とにかくいかにも怪しいな」という感じの伏線が。

もうこの母親の初登場シーンの恐ろしさが・・・(笑)

それ以外にも、双子がアルバムを見たら過去の母親の写真が外されていて、おそろいのサングラスと服を着た母親とよく似た女性が一緒に写っている写真が残されていたこと。(この写真については後々母親から”友達とおそろいの格好をして写真を撮ったのよ”と説明されますが、エリアスはこのもう一人の女が母親と入れ替わったのでは、と疑ってしまう)

 

母親も怪しいですが、ルーカスが死んでいるという伏線の方が多いので、途中で真実に気付きます。というか相当早めに気付く人もいるかな?

真相は、母親は整形手術ではなく、おそらくルーカスを失った事故で顔に怪我を負い、その治療から戻ったところだった。双子の片割れを失ったエリアスのために、ルーカスがいる”フリ”をしていたが、それも段々辛くなり・・・というところでしょうね。一切出てこない父親も同じ事故で失ったのかもしれません。

まとめ

おそらくこの映画の真の恐怖は、このどんでん返しで驚かせるところよりも、ネタが早めに分かるようにわざと作られていて「実の母親に”僕らの母親だと証明して”と迫る息子に拷問される」という状況が恐ろしいんだと思います。

いや、もうそういう意味での恐怖というか・・・恐怖というよりも観ていて胸糞で、辛かったですね。珍しく最後の方を倍速で飛ばし見してしまおうかというくらい嫌な気持ちになりました。

そういう意味ではホラー?というか人を不快にさせるという意味では成功している映画なのかも。

今思い返すと、オープニングで洞窟?に一人入っていくルーカスの後ろ姿が消えた後、全く何も聞こえないただの暗闇が広がっている、というシーンがすごく綺麗で怖くて、あのシーンだけでも「本当はエリアスしかいない」と表されていて秀逸だったな、と思ったりしますね。

この双子という設定も、上手ですよね。観ている方も見分けがついていないので「どちらかに偏って存在していない」と思うようなことがあまりないように作られているんです。だからもしかすると、ネタに最後まで気付かない、という人ももしかしたらいるかもしれません。

そう思うと「早めにネタに気付いても真相が恐怖」だし、「気付かなくてもラストでびっくり」できるという非常に上手く出来た映画だったのかもしれません。

あまり人にはオススメしないですけどね!!!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
あ行

不気味な自動のこぎりが唸る!映画『悪魔のいけにえ』ネタバレ&感想

想像を絶するこの大残酷を 全篇正視できるか?

不気味な自動のこぎりが唸る! 人肉を切りきざむ音がする!20世紀に人骨で家具を、人肉でソーセージを作りつづけたテキサスの狂人たち

↑当時のキャッチコピーのようですが、ものすごいアオリ方(笑)

ホラー映画の有名な殺人鬼と言えば!!!

絶大な知名度を誇る「ジェイソン(13日の金曜日)」を筆頭に、

「フレディ(エルム街の悪夢)」
「ブギーマン(ハロウィン)」と来て
今作の「レザーフェイス」!!!

この四大巨塔が強い!ですよね!みなさんはどれがお気に入りですか??

実はちびぞうは、名作ホラー映画と呼ばれる古い作品群は実は観ていないものが多く、今作もそのうちの一つでした。

レザーフェイスの作品は2004年にリメイクされた『テキサス・チェーンソー』は観ています!

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『死霊の~』シリーズも観てないので、そのうち観たい。そういえば今作のトビー・フーパー監督も、ナイトオブザ~のロメロ監督も同世代で、お二方とも昨年(2017)の夏に亡くなられているんですよね。

偉大な映画人がどんどん亡くなっていきますよね、最近は。

訃報をきっかけに、またその人の作品を見返してみる・・・というのも良いかもですね。

ちなみに今回は公開40周年記念版というものを鑑賞しました!

【映画情報】

【原題】The Texas Chain Saw Massacre
【制作国】アメリカ
【監督/製作】トビー・フーパ―
【脚本/原案】キム・ヘンケル、トビー・フーパ―
【撮影】ダニエル・パール
【美術】ロバート・バーンズ
【編集】ラリー・キャロル、サリー・リチャードソン
【音楽】トビー・フーパ―、ウェイン・ベル
【出演([]内は役名)】

  • マリリン・バーンズ[サリー]
  • アレン・ダンジガー[ジュリー]
  • ポール・A・パーティン[フランクリン]
  • ウイリアム・ベイル[カーク]
  • テリー・マクミン[パム]
  • ガンナー・ハンセン[レザーフェイス]
  • エドウィン・ニール[ヒッチハイカー]
  • ジム・シード―[老人(コック)]
  • ジョン・ドゥーガン[じい様]

【公開日(日本)】1975年2月1日
【上映時間】83分
【配給】松竹メディア事業部
【映倫区分】R15 +
【IMDB】7.5/10.0  (およそ111,000人の評価)

【あらすじ】

サリー、ジュリー、フランクリン、カーク、パムの5人組は、夏休みを利用してドライブ旅行に出かけ、その途中でヒッチハイクをしていた男を車に乗せる。しかし、男はナイフで自らを傷つけるといった行動を繰り返し、異常を感じた5人は男を車から追い出す。やがて一軒の洋館を見つけた5人は、その家に立ち寄るが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆3.5/5.0

いやぁ、これは名作!間違いない!!!!

ちなみにちびぞうは「ホラー映画で笑ってしまう人間」ですので、その辺しっかり押さえた上で読み進んで頂ければと思います!!!

おおまかなストーリー

怪しげな洋館に立ち寄ったら突然出てきた、人間の皮で作ったマスクをかぶった巨漢(レザーフェイス)に仲間がどんどん殺されていってしまうよ!!!

五人いたメンバーはあっという間に三人、二人、一人・・・となり最後に残ったヒロインはレザーフェイスから必死に逃げて逃げて近くのガソリンスタンドに逃げ込むけども実はそこの人間もグル!!!そして麻袋に詰めて洋館に連れ戻らされてしまう・・・。

その洋館とは狂気の家族が住む家で、序盤で出会った挙動のおかしいヒッチハイカーもファミリーの一員だった。指を切断されて、死にかけの老人にチュパチュパ血を吸われたりハンマーで頭をかち割られそうになったりする!しかしヒロインはなんとかそこからも逃げ出して、道行くタンクローリーのおっさんを巻き込んだりしつつなんとかトラックに拾ってもらい生還。

彼女を逃がしてしまった悔しさからレザーフェイスがチェーンソーを振り回して映画は終わる。

ちびぞうの爆笑ポイント

  • レザーフェイスの初登場シーン
    最初に殺されるカークという男(カップルの彼氏の方)が、怪しげな洋館の中に入っていくと・・・突然部屋の奥からマスクをかぶったレザーフェイスが登場!!!そして出てきた瞬間、ハンマーを振り下ろす!即殺害です、即殺害。あまりの仕事の速さにビッックリしてしまったんですよね。普通、もっともったいぶるというか、殺すまでに怖がらせる描写があるじゃないですか。そういうのもなく、スッと来てガッと殺してバァシーン!とドアを閉める。そのリズミカルさに爆笑。
  • レザーフェイスがガラッ!と出てくる二度目の登場シーン
    「カークが戻ってこない、どうしたのかしら・・・」とカークの彼女が後を追って洋館に入ります。すると中は動物の骨やらなにやらで作った家具や気持ちの悪い装飾品、籠に入れられた鶏など、ゾッとするものばかり。恐れをなして逃げ出そうとすると、レザーフェイスが先ほど閉めた扉の前を通りがかります。するとガラッ!!と勢いよくドアを開けてレザーフェイス再登場!!!コントかな?と思うくらいコミカルで笑いました。
  • 全く汚れないチェーンソーの謎
    チェーンソーで豪快に人体を切ってるっぽいシーンが何度かあるんですけども、使ってるチェーンソーをよく見ると全く汚れてないんですよね・・・。ほんとは使ってないってわかっちゃう!><
  • レザーフェイスと追いかけっこ~のシーン
    最後に残ったヒロインのサリーがレザーフェイスから逃げて逃げてガソリンスタンドまで「結構な距離」を走るシーンがあるんですが、レザーフェイスの足がわりと遅い><どんだけ走るの!?と思わずツッコミを入れてしまいました。しかも、ヒロインがスタンドに逃げ込むとレザーフェイスは中までは追って来ないんですけども・・・
  • ちゃっかり帰宅してる!のシーン
    今言った追いかけっこのあと、スタンドの店員もグルだったため、店員によってヒロインはトラックに乗せられて洋館まで戻ってきてしまうんですが・・・これ結構な距離あると思うんですよね。それで、「あれ?レザーフェイスどこいったの?」と思っていると先に帰宅してる!!!!一人でチェーンソー片手に歩いて帰ってきたのかぁ・・・と考えるととってもかわいく思えてしまいます。
  • レザーフェイスの声が高い!のシーン
    ヒロインを連れ帰ったスタンドの店員に怒られまくるレザーフェイス。その時に出してた声がものすごく高い!!鳥の鳴き声みたい!!
  • じい様生きてたー!のシーン
    どうやら、洋館に住んでいるのはレザーフェイス、ヒッチハイカー、スタンドの店員の三人。さらに、上階にいた死体に見えていたじいさまも実は生きていたようで・・・。ヒロインの切られた指をチュパチュパ吸ったりします。
    しかもそのあと、「じいさまは牛殺しのプロなんだ!一発でコロリなんだぜ、ほらやって見せてよ」とじいさまに無理やりハンマーを握らせてヒロインの頭を殴らせようとするんですが・・・じいさまハンマー握れない!!!(笑)何度握らせてもボトッと落としてしまいます。そして最終的にはハンマーを握らせた男が代わりに殴るという・・・いや、ここのシーンは本気で笑かしに来てるな・・・!という感じがしましたね。
  • え?なんで降りたの?のシーン
    ヒロインが洋館を逃げ出して道を走っていると、向かいからタンクローリーが来て止まってくれます。やったーこれで助かったね!と思っているとなぜか降りる運転手・・・そしてそれを追いかけて降りるヒロイン・・・え?なんで?と笑いつつ、ここのシーンが一番不可解でした。結局タンクローリーの運転手も殺され、そのあとにやってきたトラックに乗せてもらってヒロインは無事逃げ延びる・・・という展開でしたが。
    タンクローリーの運ちゃんは本当になんだったの?(笑)

感想まとめ

ちびぞうは、レザーフェイスが登場した瞬間に「この映画は名作だ!」認定しました。

いやーもう大好きです。

肝心の殺害のシーンが素早くあっと言う間なのに対して、部屋の中の装飾を見せる場面や兄妹の小競り合いのシーン、追いかけっこのシーンなんかがやたらと長くて、尺の使い方がちょっと微妙だったかな・・・とは思いましたが。その緩急の付け方が逆にすごいのかもしれません。

それから、レザーフェイスというキャラ。よくあんな奇抜というか、不思議なキャラクターデザインが出来るものだなぁ、と。当時の人々がこれを観て恐怖に震えるのも分かります。

まぁ、ちびぞうはとっても可愛らしいキャラクターだなと思いましたが。見てくださいこの可愛い笑顔(笑)

さりげにスーツ着てるところも良いですね(笑)

どうも、彼のマスクのメイクアップシーンや、タップダンスシーンなんかも本当はあったらしいんですけどもカットされてしまったようで。なんでそんな素敵なシーンをカットしてしまうのぉおおおお・・・と嘆きました。

 

リメイク版の『テキサスチェーンソー』も観たんですが、あんまり記憶にないちびぞうです。そっちの方がちゃんとしたホラーだったような印象があるんですけども、今作の方がカリスマ性が輝いていました!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
さ行

24の人格を持つ誘拐犯。映画『スプリット』ネタバレ&感想

「誘拐された女子高生3人VS誘拐した男23人格 恐怖は〈分裂(スプリット)〉する」

ちびぞうは、M・ナイト・シャマラン監督の映画は『翼のない天使』『アフター・アース』以外は全て観ているんですが、いわゆる”シャマラニアン”と自称するファンたちほどは熱い情熱を持っていないという…ちょっとしたファンなのです(*’ω’*)

自分の映画にはいつも何かしらのカメオ出演をするお茶目さとか、いつも面白そうな予告編のわりに本編でコケているというシャマランさんのコケ芸が好きで…(もちろんヒットした『シックス・センス』も好きですけども)追いかけています!(笑)

(追い方がなんか歪んでる)

この一つ前の『ヴィジット』もすごく面白かったですよねー…オチが微妙でしたけども。

今作も期待値アゲアゲで鑑賞しました!

【映画情報】

【原題】Split
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】M・ナイト・シャマラン
【製作】M・ナイト・シャマラン、ジェイソン・ブラム、マーク・ビエンストック
【製作総指揮】スティーヴン・シュナイダー、アシュウィン・ラジャン、ケヴィン・フレイクス
【撮影】マイケル・ジオラキス
【編集】ルーク・フランコ・シアロキ
【音楽】ウェスト・ディラン・ソードソン
【出演([]内は役名)】

  • ジェームズ・マカヴォイ[ケビン・ウェンデル・クラム]
  • アニヤ・テイラー=ジョイ[ケイシー・クック]
  • ベティ・バックリー[カレン・フレッチャー医師]
  • ジェシカ・スーラ[マルシア]
  • ヘイリー・ルー・リチャード[クレア・ブノワ]
  • イジ―・コッフィ[ケイシー(五歳)]
  • ブラッド・ウィリアム・ヘンケ[ジョン叔父さん]
  • M・ナイト・シャマラン[ジャイ]

【公開日(日本)】2017年5月12日
【上映時間】117分
【配給】東宝東和
【映倫区分】G
【IMDB】7.3/10.0  (およそ251,700人の評価)

【あらすじ】

見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.7/5.0

う、うぅーーーーーん!!!!!

これは、この「映画の正体」をはっきりと明示した上で観客にみせる必要があるかな、と思います。

なぜなら、この映画が一体何なのか、という事を把握しているかどうかで見方が180度変わってしまうから…

「分かる人にだけ分かればいい」というトリックをしのばせるのは全然いいと思うんですけど、それならばその仕組みを全く知らない新規ファンの人でも楽しめる内容にすべきなのかなぁ…と思います。

大まかなストーリー

序盤でいきなり、スーパーの駐車場?で車に乗り込んだ三人の女の子たちが誘拐犯に連れ去られる。(運転手をしていた父親は催涙スプレーかなんかで身動き取れなくさせられていた)

そこからずっとどこかの施設の地下らしき場所での監禁劇が続く。

誘拐犯の男は多重人格らしく、女や若い男の子の人格に変わったりする。

女の子たちは何度も脱走を試みるけど失敗。

途中で、誘拐犯の男が通っている精神科の病院の場面などもたびたび挟み込まれる。

多重人格のうちの何人かの人格が「彼が来る」と言っていて、どうも24人目の特別な人格(ビースト)が現れたら何か大変なことが起こる・・・というようなことが話されている。

しかしそのビーストが生まれることを恐れている人格が精神科医に助けを求めたりもする。

最終的にビーストと呼ばれる人格が登場、ムキムキの異常な力持ちで天井を這い歩いたりするファンタジックな力をみせつけてくる。主人公の女の子以外は殺され、助けに来てくれた精神科医も殺される。

主人公の女の子も、ビーストの元の人格ケビンと同じように虐待を受けた過去があると、彼女の体の傷を見て知ったビーストは、彼女だけ逃がしてやる、という選択をして消えてしまう。

無事保護される主人公。

ラストシーン、この誘拐事件についての報道番組を見ている人たちの中に、「ダン」という名札をつけたブルース・ウィリスの姿が…というところで映画は終わり。

結局なんだったのか!?

調べたところ、シャマラン監督が以前撮った『アンブレイカブル』という映画の続編に当たる作品だったようです。ダンというのはその映画の主人公だったキャラクター。

次に公開される『グラス(原題)』という映画と合わせて三部作になるようです。

『アンブレイカブル』スーパーヒーローの誕生秘話なら、『スプリット』スーパーヴィランの誕生秘話だったようで。

劇中で、誘拐犯の男が地下鉄に花を手向けるシーンがありましたが、これはアンブレイカブルの列車事故で父親を亡くしたという繋がりがあるみたいです。

ついでに言えば幼少期のケビン(誘拐犯)とダンが絡むシーンもアンブレイカブルであったようです。しかし、

いやそんなん知らんがな!!!

というのがちびぞうの素直な感想(笑)

アンブレイカブルを観たのはもう10年以上前だし、キャラ名なんか(むしろストーリーも)覚えてるはずもない!!!ブルース・ウィリスでおや?とは思いましたけどね・・・卑怯だよね、これはね・・・

ちなみにアンブレイカブルのポスターがひび割れしているのも、今作と共通しているポイントだそうです。

とりあえず、次作は三部作のラストになるようなので、もう一度アンブレイカブルを見返す必要がありそうですねー。

続編でなかったらどうだったのか

もし、これが三部作の一部でなかった場合、映画としてどうなのか。と聞かれると、

マカヴォイさんの多重人格の演技がすごい!!!ということや

主人格のケビンがうん10年も外に出られなかったこととか、すごく悲しくて重みがあって、「解離性同一性障害」というものの恐ろしさも見えつつ、でも「こういう人たちが犯罪を起こすというネタはあんまり好きでないなぁ・・・」と思いながら真剣に”人間ドラマ、社会派ドラマを抱擁したサイコサスペンス”という感じで観ていたのに

最終的にはムキムキマンのビーストが天井を徘徊したり、素手で鉄格子を折り曲げたりと無茶苦茶やるもんだから、もう目が点なんですよね(笑)

しかも、ビーストが主人公を逃がした理由が「自分と同じく虐待されていたから」という理由なのも安直すぎて微妙です。だって、体に傷が残らない精神的な虐待や性的虐待を受けてきた子達は見た目には分からないわけで、目に見えなかったらビーストに殺されちゃうわけでしょ。

うーん。やっぱり話自体も微妙だったなぁ。

まとめ

これが三部作の一部!ということで盛り上がるファンがいるのは分かりますが、それを知らずに観たファン以外の人たちも普通に観れる映画に仕上げておいてくれないとなぁ。と思います。

監禁劇のシークエンスも、逃げようと画策する少女たちに対する処罰みたいなものもなく、あんまり恐怖感も緊張感もないんですよね・・・。まーた逃げ出すぞ・・・・みたいな。

ケビンの主人格がずっと閉じ込められていた・・・というのが発覚するシーンで少し泣いてしまったちびぞうとしては、最終的なまとめ方が非常に残念でした。

あ、今回もシャマラン監督はチラッと出演しているので、ぜひとも探してくださいね!!!

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
は行

この少女は悪魔か、それとも。映画『フェブラリィ 消えた少女の行方』ネタバレ&感想

金曜日に迎えが来れば帰れる。だけど遅すぎる、なぜならもう死んだから―――。

なぜかこちらもゲオさんで大量に面陳されていた作品。先行レンタルってやつですね。

主演のエマ・ロバーツと言えばジュリア・ロバーツの姪っ子ちゃんということで有名。

最近では『スクリーム・クイーンズ』でも主演をしていましたね~。

なんとなく他に借りる作品もなかったので手に取ってみたちびぞうでした。前知識ゼロでの鑑賞です!

ちなみに副題は以前は「悪霊館」と付いていたようなんですが、今は「消えた少女のゆくえ」となっているみたいです。

海外版のポスターもタイトルが変わっているっぽいんですよね。何の都合だったんでしょうか。

【映画情報】

【原題】 February
【制作国】カナダ/アメリカ
【監督/脚本】オズ・パーキンス
【製作】ロブ・パリス、エイドリアン・ビッドル、ブライアン・ベルティノ、ロバート・メンジーズ、アルフォンス・ゴサイン
【製作総指揮】ヘンリー・ウィンタースターン、ピーター・グレアム、スティーブ・ヘイズ
【撮影】ジェリー・カークウッド
【衣装】ジェニファー・ストラウド
【音楽】エルビス・パーキンス
【出演([]内は役名)】

  • エマ・ロバーツ[ジョアン]
  • キーナン・シプカ[キャサリン]
  • ルーシー・ボーイントン[ローズ]
  • ローレン・ホリー[リンダ]
  • ジェームズ・レマー[ビル]
  • グレッグ・エルワンド[ブライアン神父]
  • エレナ・クラウツ[ミズ・プレスコット]
  • ヘザー・トッド・ミッチェル[ミセスドレイク]
  • ピーター・ジェイムス・ホーワース[ミスターゴードン]

【公開日(日本)】2017年11月5日
【上映時間】93分
【配給】ファインフィルムズ
【IMDB】5.8/10.0  (およそ8,840人の評価)

【あらすじ】

全寮制の学校で学ぶローズとキャサリンは冬休みを実家で過ごす予定だったが、迎えに来るはずの両親がなぜか現われず、2人きりで学校に取り残されることに。やがて校内で恐ろしい幻影が現われるなど奇妙な現象が相次ぎ、2人は追い詰められていく。さらに、謎めいた女性ジョアンが、ある目的のためにやって来て……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしてるよ!)】

☆1.2/5.0

えーと・・・こ、これはつまらないとハッキリ言ってしまって良いのでしょうか・・・。

ぶっちゃけて言えばオカルトホラーでした。いわゆる悪魔モノ、悪魔払いモノ、エクソシスト系です。劇中でおもいきし悪魔が「サタンを讃えよ!」と言ってきます。この世界観に乗れない人は辛い。

ちびぞうは辛かった。

おおまかなストーリー

舞台はブランフォード高校という全寮制のカトリック系の高校。

冬休みを実家で過ごすため両親が向かえに来るはずが、キャサリンの両親はなぜか現れない。

彼氏とデートをするために両親に向かえに来てもらう日をわざと遅らせて伝えたローズと一緒に、数人のシスターとしばらく学校で暮らすことに。

そしてなぜかかかってきた電話(どうも両親をすでに殺しているっぽい感じ)から悪魔に乗り移られたキャサリンが、シスターとローズを殺す。

キャサリンは後に神父によって悪魔を払われ精神科病院?に入れられることになるが、9年後に脱走。彼女はジョアンと名乗り別人?になりすましていた。

ジョアンがバスターミナルで一人でいたところを拾ってくれた親切な夫婦が、実は過去に殺したローズの両親だということが発覚。車中で二人を殺し、生首をスーツケースに入れてブランフォード高校へと戻るジョアン。しかし、そこに求めていたものがなかったのかなんなのか不明だが、悲しみに暮れて泣き出してしまう。

というところで映画が終わります。

めんどくさい構成

実はストーリーだけを後から説明すれば上記のような感じになるんですけども、実際はこんなに分かりやすくないです。

というのも、この映画、過去のキャサリンの場面と9年後のジョアンの場面を交互に描いている。しかも、キャサリンとジョアンでは演じている役者も違うし名前も違うので、最初観客はこの二人が同一人物だということは分からない仕様になっています。

しかし、そんな時間や人物のトリックだとかがあったとしても、別にその謎が解かれたところで「えぇ!?なんという衝撃!?これはどんでん返ったぜぇ」とはならないんですよねぇ・・・

そして何故か三章構成になっていて、「ローズ」「ジョアン」「キャサリン」と名前がタイトルバックされるのもなんとなく鼻につく演出です…(;;)

まとめ

ちびぞうはなんと1.5倍速で鑑賞してしまいました。

後半やってくるえげつない殺害シーンとかがおぞましい、といった感想もあるようですが、ちびぞう的にはそこまでの流れが退屈過ぎて「ほう」といった感じでしたね。

何よりも悪魔払いのシーンがものすごくあっさり。神父さんがこの体から出ていけー!というと素直に出て行ってしまう悪魔さん。そのあっさり感と彼女の行動のおぞましさがなんともミスマッチ。

もしかしたら、悪魔に憑かれたあとの少女がどう育ったのかみたいなところに想像を及ばせる作品だったのかもしれませんが(悪魔が抜けたあとも殺人を繰り返してしまう、それから最後の涙は悪魔がもうそこにはいないというカナシミからだったのか…などなど)、そこまで深く考えようという気にもあまりなりませんでした…。

エマ・ロバーツ含め主演の女優さんたち三名がとにかく美しくて、そこは◎です(*´∀`*)

なんとなく生首をスーツケースでcarryingしたくなった人のためにアマゾンのランキング一位だったスーツケースを置いておきますね・・・。

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
さ行

携帯の電波が人を狂わす!?映画『セル』ネタバレ&感想

スティーブン・キングが仕掛ける衝撃のサバイバルホラー!

『シャイニング』『ミザリー』などのスティーブン・キング原作でしかも御大本人が脚本として参加されていると聞いたらそりゃ借りずにはいられませんよねぇええ!!!

ちなみに監督は『パラノーマル・アクティビティ2』『ラスト・リベンジ』などのトッド・ウィリアムズ監督。

主演は、今ではホラー映画ばかりの主演になってしまっているジョン・キューザックさんと、今やどこにでも現れる「仕事を選ばない」ので有名なサミュエル・L・ジャクソンさん。

うーん、なんとなく主演の二人の名前で不安になってきました…

更に製作総指揮にジョン・キューザックも参加しているということで…個人的に、製作側に俳優さんが回るとあまり、よいことが起きない気がしているんです…

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Cell
【制作国】アメリカ
【監督】トッド・ウィリアムズ
【脚本】スティーブン・キング、アダム・アレッカ
【原作】スティーブン・キング
【製作】リチャード・サパースタイン
マイケル・ベナローヤ
ブライアン・ウィッテン
シャラ・ケイ
【製作総指揮】ジョン・キューザック、スティーブン・ヘイズ、ピーター・グレアム、ベン・サッシュ、パディ・カレン、エドワード・モクタリアン、アルメン・アゲアン、ローレンス・フリード、タイラー・ホーズ、ブライアン・ポープ、ジェノ・タッツィオーリ、ザビエ・ジャン、マリーナ・グラシック、ジャン・コルベリン
【撮影】マイケル・シモンズ
【美術】ジョン・コリンズ
【衣装】ロレイン・コッピン
【編集】ジェイコブ・クレイクロフト
【音楽】マーセロ・ザーボス
【音楽監修】アンディ・ロス
【出演([]内は役名)】

  • ジョン・キューザック[クレイ・リデル]
  • サミュエル・L・ジャクソン[トム・マクコート]
  • イザベル・ファーマン[アリス・マクスウェル]
  • クラーク・サルーロ[シャロン・リデル]
  • イーサン・アンドリュー・カスト[ジョニー・リデル]
  • オーウェン・ティーグ[ジョーダン]
  • ステイシー・キーチ[チャールズ・アルダイ]
  • ジョシュア・マイケル[ラゲッティ]

【公開日(日本)】2017年2月17日
【上映時間】98分
【配給】プレシディオ
【映倫区分】PG12
【IMDB】4.3/10.0  (およそ20,000人の評価)

【あらすじ】

コミック作家のクレイは、ボストンの空港から別居中の妻と息子へ電話をかけるが、携帯のバッテリーがなくなり、通話の途中で電話が切れてしまう。その瞬間、空港内で電話をしていた人びとが次々と暴れだし、空港はパニック状態と化す。なんとか地下鉄へと逃げ込んだクレイは、車掌のトムらの協力のもと、暴徒化した人びとの攻撃から身を守りながら、妻と息子が住むニューハンプシャーを目指す。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.0/5.0

こ、こーーーーーれは…つまらん!!(笑)

ごめんなさい、あんまり擁護も出来ないです。御大…ごめんね…こんなつもりじゃ…

ぶっちゃけ映画的なピークはオープニングで携帯を持ってた人々が次々におかしくなって周りの人間たちを襲いだすところですね。そこでガッと上がってあとは緩やかに右肩下がり。って感じです。

新しいゾンビ映画…?

今作のゾンビはちびぞう的にはゾンビとは思っていませんが、限りなくゾンビに近いものを持っていますのでその特徴を記しておきます。

  • 謎の携帯の電波によって、暴徒化する人々
  • 集団行動し、人間を襲うが噛まれても感染しない
  • 走る系ゾンビである
  • 夜はみんなで一緒になって口から音楽を出しながら寝ている
  • 彼らは視覚を共有している
  • どんどん進化し、口から怪電波を発してまともな人間をゾンビ化できるようになる
  • 進化は進み、夜にも活動できるようになる

そもそも携帯から発せられる謎の怪電波によって人間がゾンビと化すという設定が突拍子もなさすぎてついていけないんですよね…そんなことが出来るとしたらそれこそ『バイオハザード』シリーズに出てくるアンブレラ社のようなとてつもなくデカい企業が生物兵器を作ろうとしてたとかそういうオチでもなければこの突拍子のない設定と映画的なバランスが取れない感じがするんです。

しかも、このゾンビ進化して口から人間をゾンビ化する電波まで出せるようになりますしね。ジャンル的にもちょっとSF寄りというか…ハッキリしない、スッキリしない!

謎の伏線、謎のエンディング

中盤から登場人物達が口々に言う「赤いフードの男を夢で見た」という台詞。しかも、その赤いフードの男はコミック作家である主人公が以前創作したキャラクターと同じだというんです。

この、主人公が創り上げたキャラが実在しているのか、夢に見た男をキャラクターにしたのかはハッキリしませんが、「黒幕の男は複数人の夢の中に登場する」というまるで都市伝説の「ディス・マン」を思い出させるようなノリ。

しかもその黒幕の存在も明かされなければ、主人公が最終的に助かったのかそうでないかすらハッキリ描かれないんです。

伏線回収もなし、オチの説明もなし。

うーんスッキリしない!!!

ちびぞう的には、ラストは息子を取り戻し、仲間の所へ向かおう!とする映像も実はゾンビ化してしまった主人公の見ている夢だった…という感じのオチだと思っているんですけど、どうなんでしょうかね。それもありがちっちゃありがちでパッとしないですね。

まとめ

ゾンビ映画好きな人にも、御大ファンにもオススメ出来ない悲しい作品です。

スティーブン・キングの新作が映画館で観れる!!と思って興奮していましたが、これは映画館で観なくて良かったかも…。

しかし、なんとなく原作は面白そうな感じがするんですよね。テーマ的に。

うまく映像化が出来なかったのかなぁ…

 

あっ!唯一、運動場?に集まって寝ている大量のゾンビの上にガソリンをぶっかけて炎上させるシーンは楽しかったです!!!

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
か行

我々は、みな病気なのだ。映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』ネタバレ&感想

彼女は夢の中で踊っているんだ。でも、夢の中にいることを気付いていない。

『クロニクル』『アメイジング・スパイダーマン2』『キル・ユア・ダーリン』などのデイン・デハーンの主演作!!

彼はちびぞうが追いかけている俳優さんの1人であります!!
彼はもうとにかく、薬中のようなゲッソリとした病的な役が多い!!ので、今回もどんな病み顔を見せてくれるのかー!と楽しみでした(笑)

なんだか微妙に地雷臭のするB級ホラー的なパッケージとタイトルのわりに、ゲオでものすごい勢いで面陳されていたので何事なのか!?と思ったら、ゲオの先行レンタル一本目!という作品のようですねー。

しかも監督はパイレーツシリーズなどのゴア・ヴァービンスキーさんではないですか。B級とか言ってすいません(だって長年培った野生の勘には抗えない)

ちなみに、劇場公開はされていません!

【映画情報】

【原題】 A Cure for Wellness
【制作国】ドイツ/アメリカ
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本/製作総指揮】ジャスティン・ヘイス
【原案】ゴア・ヴァービンスキー、ジャスティン・ヘイス
【製作】アーノン・ミルチャン、ゴア・ヴァービンスキー、デビッド・クロケット
【撮影】ボジャン・バゼリ
【美術】イブ・スチュワート
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】ランス・ペレイラ、ピート・ボドロー
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【出演([]内は役名)】

  • デイン・デハーン[ロックハート]
  • ジェイソン・アイザックス[ヴォルマー]
  • ミア・ゴス[ハンナ]

【レンタル開始日】2018年1月17日
【上映時間】147分
【IMDB】6.4/10.0  (およそ55,700人の評価)

【あらすじ】

NYでエリート金融マンとして働くロックハート。彼は自社のピンチに、スイスの療養地へ行って帰ってこなくなってしまった社長を連れ戻すという任につく。山奥にそびえる城のような療養所に向かう途中、タクシーの運転手から”来たはいいものの帰る者はいない”という話を耳にする。さらに、200年前の城の城主である男爵が、純血にこだわる男であったため妹と結婚しようとし、それを知られた村人に焼き殺されたという血塗られた歴史も知らされる事となる。療養所で社長を見つけたはいいが帰る気はない様子なので一旦村へ降りようとした時、タクシーの前に飛び出してきた鹿を引いて事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは療養所のベッド。足を骨折し三日眠っていたというロックハートは、しばらくそこでの入院を強いられるのだった。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

で、でた~ジャンル分けしたらネタバレになってしまう系のやつ~!

ホラーサスペンスだったり、エロティックサスペンスだったりと書かれているサイトもありますが、ちびぞう的にこの作品は最終的には

ゴシックホラー

に落ち着きます。オカルトホラー寄りでもあります。

序盤が「NYのビジネスマン、何やら会社内での立場が危うい、逃げ切るためには社長を連れ戻せ!」といういかにも現代って感じの入りで、そこからの「田舎に行ったらサイコパスな人々に閉じ込められたよー」系のホラーだったというのはもはや王道の展開。

しかし実はこの映画、最初は何か巨大な悪がバックにいるのでは?とサスペンスタッチに描かれていて、そこから後半にかけてのネタバレでジャンルスイッチしようと試みているんですよねー。一種のどんでん返しを狙っているというか。

しかしまーーー無駄な伏線も(ミスリードのためとはいえ多すぎ)たくさんあるし脚本は雑だしで全くそれが上手く行ってない!残念!なので観ている人は「これってどういう系の映画なの??」という疑問符を浮かべつつ観ていたらぶっとんだラストに興ざめ。みたいな感じになってしまうことうけあい。

しかし意外に楽しめる

ちびぞうが気に入ったのは全体に漂う暗澹とした雰囲気、ファンタジックなスイスの景色、デハーンさんの美しい青い目から放たれる鋭い眼光。

そして、ミア・ゴスが歌う美しい鼻歌。

中盤、療養所の中で一人だけ若い”特別な患者”ハンナとロックハートが交流して、今まで一度も城から出たことがないという彼女を村に連れ出す場面が特に好き。
初めて飲むビールのまずさにびっくりしたり、初めて使うジュークボックスから流れてくるメタルロック寄りの曲に合わせてゆったりと踊るシーンすごくいい。

もーーーーとにかくすごく雰囲気がいいし、147分もあるのを感じさせない程度にはハラハラドキドキで、この療養所にはどんな謎があるのか??というミステリアスなところに引き込まれてしまうんですよね。

裏を探りまくりなデハーンさんが所長に早めに処分(SATSUGAI)されないのは不自然かなと思ってたんですが、そこのモヤりは所長の狙いを知ったらなんとなく「あぁ、一応使えるからとっておいたのね」という感じ。

真相はどうだったのか?

「社会で成功したものはみな、病んでいる。しかし、その事を認めない。すると体が心を裏切り叫び出す私たちは”病気である”と」

という療養所へ旅立った社長からの手紙を読む冒頭の入りから、なんだか現代社会に根付く闇のようなものを掘り下げるのか?という風に思わされます。

表向きの展開としては

お金持ちばかりを受け入れている「水が良い」という水を使った治療を主にしている療養所で、そこは患者が退院していかないという、うさんくささ100%の場所なんだけども、もしかしたら主人公も病気なのでは?という幻覚や過去についての伏線が出たりするので、「本当におかしいのは療養所なのか主人公なのか分からない」というサスペンスタッチなお話。

しかし真相は

元々、その地の水は人間の体に悪影響を及ぼすものだった。
200年前に村人に焼き殺されたと思われていた男爵は実は生きていて、自分の妹に身籠らせた子どもを連れて城に戻っていた。そして地下深くで水を研究し「人間の体を通してろ過」する事で不老不死の薬を作る事に成功。その薬を自分と娘、スタッフに飲ませることで200年の時を生きてきた。彼は自分の娘と契りを結ぶため、ハンナが大人になる(初潮を迎える)のを長年待ちながら療養所に集まる人間をろ過装置として使ってきた。

水は人間の体を通す必要があるので、患者に飲ませていた。しかし元来人間には毒なため、飲んでいる患者はどんどん体調が悪化、幻覚を見て自分が病気だと思い込むようになり衰えてミイラのように(エキス出してるから)死んでしまう。

そこに登場したロックハートさんが怪しい療養所内を社長を求めて探索しているうちにその闇に気付き、脱出と謎の解明に奮闘。

エンディングは

すべての謎を解き明かし、劇中で初潮を迎えたハンナが男爵に襲われそうになっているところを助けて、二人で城から脱出!
NYから帰りが遅いと痺れを切らせた重役たちが迎えに来ているけども、「もう帰らない」とばかりに笑顔で去っていく。というエンディングでした。

まとめ

いやー。ぶっとんでいるというかなんというか。

まさか200年前の人が今も生きてましたよー!不老不死の薬作ってました!なんてオカルトでファンタジーなオチを迎えるとは、オープニングを観た誰が想像できようか。いやできまい。

けっこーーーな伏線を放置していたりするのも気になるし、お話はけっこうめちゃくちゃ。
(個人的にドイツ語で何言ったかわかんないって場面、あとで明らかにして欲しかった。多分死体を運んでいたあの男は、「患者ではなく死体」と言っていたんだと思うけど…)

まぁ色々粗も目立つけど、だけどキライになれない。そんな作品。

デハーン効果もあるかもしれませんね。ちなみに今作の彼の病み度は85%くらい。

今回は結構な拷問も受けているので、ファンはつらい、というシーンもあるかもしれません。頑張って観よう!

 

あ、スイスの景色は本当に素晴らしかったですよ。美しい絶景ばかりでした。

なんだか美味しいお水が飲みたくなる映画でした・・・(笑)
調べたら水のプロが選ぶ一番美味しい水ランキングの第一位は鹿児島県の「財宝」だそうで。

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

カテゴリー
は行

いまだ色褪せないゾンビコメディ。映画『バタリアン』ネタバレ&感想

あたしオバンバ、あなたの脳味噌食べさせて~

↑当時のキャッチコピー。すでにすごいパンチ。

皆さんの知っている「オバタリアン」という言葉の語源となったゾンビ映画はこちら!!!!

子どものころ家にあった『バタリアン』のビデオを観て、「腕だけになっても動くゾンビ」「墓から大量に蘇るゾンビ」「屋根裏に逃げ込むシーン」の記憶だけがあったちびぞう。

今回たまたま家族が「観てみたい!」と言ったので改めて観ることに…

今作はかの有名なゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ映画とされていますが、特にそちらは観ていなくても問題なく楽します!

【映画情報】

【原題】The Return of the Living Dead
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ダン・オバノン
【原案】ルディ・リッチ、ジョン・A・ルッソ、ラッセル・ストライナー
【製作総指揮】ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
【製作】トム・フォックス
【制作補佐】グラハム・ヘンダーソン
【撮影】ジュールス・ブレンナー
【美術】ウィリアム・スタウト
【編集】ロバ―ト・ゴードン
【特殊メイク】ビル・マンズ
【音楽】マット・クリフォード
【出演([]内は役名)】

  • クルー・ギャラガー[バート]
  • ジェームズ・カレン[フランク]
  • ドン・カルファ[アーニー]
  • トム・マシューズ[フレディ]
  • ベヴァリー・ランドルフ[ティナ]
  • ジョン・フィルビン[チャック]
  • ジョエル・シェパード[ケイシー]
  • ミゲル・ヌニェス[スパイダー]
  • ブライアン・ペック[スクーズ]
  • ジョナサン・テリー[グローバー大佐]
  • リネア・クイグリー[トラッシュ]
  • マーク・ヴェンチュリニ[スーサイド]
  • キャスリーン・コーデル[大佐の妻]
  • アラン・トラウトマン、ロバート・ベネット[タールマン]

【公開日(日本)】1986年2月1日
【上映時間】91分
【配給】東宝東和
【次作】バタリアン2
【IMDB】7.3/10.0  (およそ44400人の評価)

【あらすじ】

ケンタッキー州ルイヴィル。フレディ(トム・マシューズ)はユニーダ医療会社で働くことになり、倉庫長のフランク(ジェームズ・カレン)に説明を受けた。フランクは、「Night of the Living Deadって映画を見たか?あれは実話なんだぜ」という。軍の細菌兵器が誤って死体を蘇生させ、しかもそのゾンビが秘密裡に処理される途中に移送ミスで、ここに運ばれたのだそうだ。地下室でフランクがゾンビの入ったケースを叩いてみせた時、突然ガスが吹き出した。一方、フレディの悪友たちは倉庫の隣りにある墓地で乱痴気パーティを始めた。【引用元:映画.com

【感想(オチまでネタバレしてるよ!)】

☆2.8/5.0

パロディ、という事で分かるかもしれませんが、今作はグロいシーンのあるコメディ映画です(笑)

非常にツッコミどころが多く、もはや追いつけません。そんなレベルです。

まず最初に「今作は実話を基にしています。なので、登場人物や組織の名前などは全て実名です」とかいう嘘八百な案内にニヤッとさせられます(笑)

今作のゾンビ

  • 走るゾンビの先駆けは『28日後…』とされているが、実は今作のゾンビこそが史上初の”走る系ゾンビ”
  • 血は出ない
  • 軍の細菌兵器(死体を蘇らせるガス)によって蘇った死体である
  • ガスがかかれば人間も生きたままゾンビになる
  • 人間の肉を食べるというより人間の脳を食べる
  • 頭を潰しても死なない。体を切断してもそれぞれの部位が独自に動く
  • 知能が高く、道具を使うこともできる
  • 知能が高く、喋ることもできる
  • 人間との対話も可能。脳を食べる理由は「死んでいる苦痛が全身を襲っている。その痛みを脳を食べることで消すことが出来る」ということらしい

おおまかな流れ

倉庫で補完されていた『ナイトオブザリビングデッド』(この映画が実話だったという設定)のガス入り死体。この入れ物を「丈夫さ!」と叩いたらバリンと割れてプシューとガスが吹き出してしまいます(笑)

ガスが倉庫内の死体を蘇らせる

映画のように頭を潰せば死ぬ!と思ってツルハシでカーン!とやってみても死なない。「映画は嘘だったの!?」と言いながら死体をバラバラにする

それと同時に倉庫係のフレディの友達が(パンクロックな”ロッキーホラーショー”ばりの派手な若者たち)やってきて隣の墓地でパーリーナイを始める

(こいつらの周りだけ世紀末)

死体を焼き払おうとするも、死体を焼却した煙が雨雲に混ざり、雨となって薬品が墓場に降り注ぐ

蘇る大量の死体たち。倉庫内の人も墓場の人も大パニック

ガスがかかった最初の二人が体調を崩し、救急車を呼ぶも、救急隊員がゾンビによって襲われる。賢いゾンビたちは救急車の無線に「もっと応援を頼む」と自分たちで連絡してどんどん餌をおびき寄せる

警官隊もやってくるけど同じようにえじきになる。これはもうアカンと薬品の入っていた入物に書いてあった軍の緊急連絡先に連絡をする

すると軍が核ミサイルを発射。4,000人ほどが犠牲になる

しかし、爆破のきのこ雲がまた雨雲になり…という地獄を予想させるエンディング

 

もう、とにかく終始登場人物たちがギャーギャーと騒いでいてめっちゃうるさい(笑)

あとゾンビが強すぎる(笑)倒す方法がない絶望感があるはず、なのにツッコミどころが多すぎて全く怖く感じません(笑)

オチもまさかの核ミサイルに「えぇ!?」と思ってしまいましたね…ぶっとんでる…

濃すぎる愛すべきキャラたち

この映画のカリスマ性は主にキャラクターの濃さから来てると思います(笑)

舞台になる医療会社の倉庫では、解剖などで使う死体や、死体の標本なんかが置かれているんですよね。で、最初に登場するのが

「縦割れの犬」

この、”縦割れの犬”というパワーワード(笑)大好き(笑)

言葉通り、犬の死体が縦に真っ二つに割られている標本です。ガスを漏れさせてしまった二人が一番最初に目にするゾンビ。キャンキャン吠えていて(半分しかないのにどうやって声を出しているんだという)、すっごい可愛いです(笑)こいつが可愛いせいで、最初っから緊張感がなくなります(笑)

そして次に登場するのが

「黄色いスキンヘッドマン」

倉庫に保管されていた割と新しめの死体です。黄色くてすべすべ。ツルハシで頭をカーンとされても死なないのでバラバラにされます。こいつが焼却された煙によって、墓場の死体が蘇ってしまいます。

それからこちらは人間からゾンビになる

「トラッシュ(裸女)」

パンクロック野郎たちの仲間の一人で、墓場で急に盛りだし「あたし沢山の老人に囲まれて生きながら食われる死に方がしたいわ」と言いながら全裸になって踊り出すという、非常にパンチの効いたキャラです。

この墓場で全裸ダンスをするシーンは、どう考えても『死霊の盆踊り』を意識してますよね!!それと比べるのは失礼なくらい、今作の方がエロさがあります。

彼女は墓場から蘇った大量の死体に群がられ、夢を叶えて死亡。その後、”全裸女のゾンビ”として蘇るという、わき役なのに誰よりも目立っているキャラです。

そして、一番最初にガスが入っていた器に一緒に入っていた死体、おそらく世間の認知度ナンバーワンの

「タールマン」

黒いへどろのようなものでドロドロになっている死体です。しかし瞳は綺麗。見た目のインパクトとしては最強。ドロドロなくせに跡形もなく姿を消したりする器用な人。

中盤~後半に向けて登場するのが、ほぼ骨だけ、肋骨から下がない

「オバンバ」

作中で「オバンバ」と呼ばれていることに違和感しかないキャラ。彼女は人間と対話が出来、何故脳を食べたいのか?という謎に答えをくれます。「死んでいるという苦痛が全身を襲い…」と言っているけどこの人上半身しかないじゃんというツッコミが脳裏をよぎります。
頭と肋骨から伸びた背骨がブンブンと、とにかくよく動く。

そして忘れてはならない主人公(多分)

「フレディ」

ガスを浴びてしまい、生きたままゾンビになるという可哀そうな若者。死ぬ前もギャーギャーとうるさく、死んでからも「ティーーーナァアアア!!!(彼女の名前)」とうるさいです。目が赤く腫れて潰れている顔はなかなかのインパクト。

↑この画像の左側。

最後に、ちびぞうの個人的にお気に入りキャラの

「アーニー(死体処理係)」

ゾンビにズボンを破かれてしまったので、右足だけハサミで切って半ズボンにする、というお茶目な人。この人のズボンにばかり目が行ってしまいます。
このおっさんは死体を処理しているという仕事柄、頼もしいのかな?という予感をさせてくれる割には「大事なところで地味に骨折する」という役立たずっぷりを発揮してくれる愛しい人。

こんな感じで、ほとんどの登場人物が濃さ抜群、という楽しくて困った感じの映画です(笑)

まとめ

古い映画だからとバカに出来ないクオリティ、さすが続編が5本も出ている一大ムーブメントを引き起こした作品というだけあって、古くても見応えたっぷりです。

ぜひとも誰かと笑いながら観て、ツッコミ入れまくりながら、作中のキャラたちと一緒にギャーギャーうるさく騒いで観て欲しい。

そんな作品でした(*’ω’*)

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

 

カテゴリー
は行

岩井俊二監督の吸血鬼映画『ヴァンパイア』ネタバレなし感想

惹かれ合う孤独な魂たち
この世の果ての恋物語

こちらもちびぞうの過去鑑賞作をまとめようのシリーズ。

 

岩井俊二監督が外国の俳優さんたちを起用しカナダで撮影したという本作!!

異質なヴァンパイア映画ということで…ヴァンパイア映画が大好きなちびぞうにとってどのように映るのか!?

あまり国内外の評価は高くなさそうなので期待はしない方がよさそうです…。

ちなみに岩井俊二監督の映画はそんなに多く観ていませんがちびぞうは『リップヴァンウィンクルの花嫁』が好きですね!!

今作の公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Vampire
【制作国】アメリカ/カナダ/日本
【監督/プロデュース/脚本/編集/音楽】岩井俊二
【出演([]内は役名)】

  • ケヴィン・ゼガーズ[サイモン]
  • ケイシャ・キャッスル=ヒューズ[ゼリーフィッシュ]
  • 蒼井優[ミナ]
  • アデレイド・クレメンス[レディバード]
  • トレヴァー・モーガン[レンフィールド]
  • アマンダ・プラマー[ヘルガ]
  • クリスティン・クルック[マリア・ルーカス]
  • レイチェル・リー・クック[ローラ・キング]

【公開日(日本)】2012年9月15日
【上映時間】119分
【配給】ポニーキャニオン
【映倫区分】PG12
【IMDB】5.4/10.0  (およそ1,300人の評価)

【あらすじ】

高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマーの母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていて……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.9/5.0

好き。愛しい。ちびぞうはこの映画が好きです!!!

数多くのヴァンパイア映画を愛でてきたちびぞうですが(言うほど観てないけど)、この作品に新しい吸血鬼映画の可能性を感じた!!

(吸血鬼映画としての異質さは『モールス』なんかと近い部分があるかも)

主人公は高校の教師(理系)。休みの日には自殺志願者の集うサイトで自殺志願者(女性ばかり)を物色。自殺オフに見せかけて相手の血を注射器でスマートに抜いて殺し、その血を飲む。その行為が吸血鬼ゆえなのか、ただの血が飲みたいだけの人間だから(血液嗜好症とか)しているのか…それとも殺すこと自体に意味があるのか。明確にはされません。そのふわっと感がまた良い。
主人公と出会う様々な女達はみな一様に美しく、そして死を渇望している。散る間際の命ってどうしてこうも綺麗に見えるのか…!薄幸美人ってことなのでしょうか!?

死が全体を覆っている物語なんですが、その中にいくつかの愛の物語が散りばめられていて、どれも切ないです…!!
主人公の行動は倫理に反するけど本当に彼女たちを思いやっていて、愛があると感じられたし、ある一人の少女と出会ってその愛の形に変化が訪れる瞬間は鳥肌モノです。

あのシーンだけでいいから観て欲しい!(前後も大事だけどさ…そうね、とりあえず全部観ましょう!)

生徒役で出ていた蒼井優も脇役ですが、良い演技してました!!(ただ役どころに見合わない存在感で、最後までこの子何かあるわね!?感が拭えなかった)

一言で言えば異端な男子の愛の物語。そこに吸血鬼と言うエッセンスが加わって新たな世界観が生まれています。(退屈だと思う人には退屈かもしれない…血を飲むシーンとかグロいと感じる人にはグロいし、結局人を選ぶ作品化もしれません)

岩井俊二監督の映画はあまり観ていないのでこの人らしいかどうかはわかりませんが、私は凄く好きでした。ネット上で色々と感想を見ていると、確かに他の方が言ってるみたいに外国人キャストでやる意味はあまりないのかも?しれないんですが、いかにも洋画な画面なのに音楽や脚本が邦画っぽくて不思議な世界観なんですよね。そこが非日常感を煽ってて良い感じです。

正統派な吸血鬼映画とは少し違うんだけど、巷でよくあるパターンの作品に辟易し始めた人に、ちょっぴり「こんなのはどう?」とオススしたい一本です!!(*’ω’*)

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ