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岸井ゆきののこじらせ片思い。映画『愛がなんだ』ネタバレ&感想

全部が好き。でもなんでだろう、私は彼の恋人じゃない

こちら、最近ですと『スマホを落としただけなのに』で怪演されていた成田凌と、ちびぞうも観ていました朝ドラ「まんぷく」で主人公福子の姪っ子役をやっていた岸井ゆきのがダブル主演の恋愛映画!!!

成田凌はもはや殺人鬼のイメージしかないしあまり興味はなかったんですが…、ポスターの感じがね、以前観た『寝ても覚めても』に雰囲気が似てる気がして惹かれてしまいました。

それから母上の情報で「口コミで人気が高まっているらしい、主人公が平凡っぽいからそこに共感する女子が多いとかテレビでやってた」と聞きましてなるほど、それは一度観ておいても良いかもしれないと劇場へ。

パンフはこんな感じ。

A4サイズ、26Pで税込み800円。裏面は成田凌。主演陣のインタビューの他に、映画ライターの細谷美香さんのコラムが載っていました。

映画情報

【制作国】日本
【監督】今泉力哉
【脚本】澤井香織、今泉力哉
【原作】角田光代「愛がなんだ」
【撮影】岩永洋
【照明】加藤大輝
【録音】根本飛鳥
【美術】禪洲幸久
【装飾】うてなまさたか
【スタイリスト】馬場恭子
【ヘアメイク】寺沢ルミ
【編集】佐藤崇
【音楽】ゲイリー芦屋
【主題歌】Homecomings - Cakes
【助監督】八神隆治
【制作担当】柴野淳
【出演([]内は役名)】

  • 岸井ゆきの[テルコ]
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  • 成田凌[マモル]
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  • 深川麻衣[葉子]
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  • 若葉竜也[ナカハラ]
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  • 片岡礼子[テルコの上司]
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  • 筒井真理子[葉子の母]
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  • 江口のりこ[すみれ]
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  • 穂志もえか
  • 中島歩

【公開日(日本)】2019年4月19日
【上映時間】123分
【配給】 エレファントハウス
【映倫区分】G
【IMDB】6.1/10.0 (およそ25人の評価)

あらすじ

28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。【引用元:映画.com

感想

☆2.9/5.0

いわゆる恋愛群像劇。誰かが誰かに片想いしていて、恋人のような関係だけど恋人ではない〜みたいな、こういう関係よくあるよね!的なお話。

面白かったかと聞かれると微妙な反応を返してしまうかも!!!

一方通行…恋愛…?恋愛映画…?ほ、ホラー?サイコ…?ストーカー…?とイメージが変化していきます。ちなみに主人公は最後まで報われることはない。

ホラー映画的な演出がある辺り、やっぱり『寝ても覚めても』と印象が共通する部分はありましたね!

劇中で「ストーカー同盟の反省会」的なセリフが出るけどこの映画はまさにそれ。「ストーカーに至る人達の思考回路」に近しいものが描かれていると思う。

20後半の恋愛はめんどくさい。と言いつつも、自分のことや相手のことを考えているうちにごちゃごちゃしていく周りに反して主人公は「それがなんなの?うるさいよ」とストレートに一蹴していく。彼女はもうただただ好きな人のそばに居たいという欲求に素直に動いている。そしてそのためならば本人に「もう好きなわけないじゃん」と自分の気持ちをはっきり否定できるほど。

控えめに観れば自分の気持ちを押し殺して好きな人のそばにいたいというささやかな望みを叶えている切ない恋愛に見えなくもないんだけど、いかんせんこの岸井ゆきのちゃんのキャラクターが怖い。

ヒーローに撃退されて「このままでは終わらせないぞ」と吐き捨てるアニメの悪役みたいな余韻がある。いつかは仕留めてやる、的な貪欲な欲求が彼女の中でくすぶっているような。

本人も最後に言っている通り「愛とか恋とかを超えている」し、「この執着の正体がなんなのか」分からないのが恐ろしい。

どこぞの感想で「依存」という言葉も見かけたけども、それとも少し違う気がするんですよね。

常人の概念では少し理解しがたい「執着」であり、そこには「人をダメにする残酷さ」も間違いなく入っている。

結局のところは自己愛なのかな…分からない…うまくまとめられない…

一般的にクズ男とされる成田凌の役柄は思ったよりクズではなく、心地よい愛情に甘えてしまっただけの男に思える。悪意なんかは勿論ないし、自分の行動に気がつけばそれを改善させようと思える至って普通の人間だ。

この映画は、群像劇の側面もあり、様々な登場人物がそれぞれの恋愛をしていて、それが微妙に噛み合わなくなったりした時にその影響を他者に及ぼすって辺りがちびぞうの好きな演出だった。

アッシーやメッシーだった仲原くんが35歳のおばさんの言葉により目を覚まさせられ、その言葉が巡り巡って主人公にも影響を及ぼす。うまい。

主人公の小学校の頃の姿が出てきて自問自答したりする演出もわりと好きでしたね。面白い!!!と人に勧めるような映画ではないけども、でもなーんかキライになれない。そんな一本でした。

ほんとどうでも良い希望だけど、あの35歳のおばさんが安藤サクラだったら最高なのになぁ。と思いながら観ていた。今もそうだったら良かったのにと思っている。

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さ行

夫がある日、宇宙人に変わっていたら。映画『散歩する侵略者』ネタバレ&感想

世界は終わるのかもしれない。それでも、一緒に生きたい。

こんにちは、ちびぞうです!

今作は、去年に書きました『ぎふアジア映画祭』のレポ記事内で”予兆”の方を観まして。その予兆を観るのに予習した方がいいかな?と思い慌てて借りてきて鑑賞したものになります。

『第40回/ぎふアジア映画祭』行って来たよレポ!

監督はちびぞうもファンの黒沢清監督。主演は旬真っ盛り!な長澤まさみと、松田龍平。ちびぞうの大好きな長谷川博己さんも助演しています!!!

元々(原作)は舞台作品だったようですね。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】黒沢清
【脚本】田中幸子、黒沢清
【原作】前川知大(劇団イキウメ)
【製作】中山良夫、永山雅也、大村英治、大角正、薮下維也、三宅容介、大柳英樹、松田美由紀、桜井良樹
【エグゼクティブプロデューサー】門屋大輔、千葉善紀、青木竹彦
【企画プロデュース】石田雄治、藤村直人
【撮影】芦澤明子
【照明】永田英則
【録音】渡辺真司
【美術】安宅紀史
【編集】高橋幸一
【音楽】林祐介
【出演([]内は役名)】

  • 長澤まさみ[加瀬鳴海]
  • 松田龍平[加瀬真治]
  • 高杉真宙[天野]
  • 恒松祐里[立花あきら]
  • 長谷川博己[桜井]
  • 前田敦子[加瀬明日香]
  • 満島真之介[丸尾]
  • 児嶋一哉[車田]
  • 光石研[鈴木]
  • 東出昌大[牧師]
  • 小泉今日子[医者]
  • 笹野高史[品川]

【公開日(日本)】2017年9月9日
【上映時間】129分
【配給】 松竹、日活
【映倫区分】G
【関連作】予兆 散歩する侵略者
【IMDB】6.0/10.0  (およそ1,000人の評価)

【あらすじ】

数日にわたって行方がわからなくなっていた夫・真治が、まるで別人のように優しくなって帰ってきたことに戸惑う妻・鳴海。それ以来、真治は毎日どこかへ散歩に出かけるようになる。同じ頃、町で一家惨殺事件が発生し、不可解な現象が続発。取材を進めるジャーナリストの桜井は、ある事実に気づく。不穏な空気が町中を覆う中、鳴海は真治から「地球を侵略しに来た」という衝撃的な告白を受ける。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.7/5.0

まずこの映画はオープニングがなかなかハイセンスだったというか、さすが黒沢清監督!!って感じでした。ちょっとうろ覚えなんですが

「オープニングの五分間で”この映画の内容はこんな感じなのよ”と表現できている作品が素晴らしい」

と誰かの言葉がありまして。この映画のオープニングはこんな感じ↓

金魚すくいのシーンから始まる。金魚を手に歩く女子高生の後ろ姿。
静かな住宅街に突然の老婆の悲鳴。勝手口から逃げようとする老婆が何者かに引きづられて玄関の中へ戻される。血まみれの家の中、女子高生が血だらけで立っている。手についた血を舐め、血だらけのまま外を出て田舎道を歩く。(まるで何気ない散歩をしているよう!)
横転するトラックと乗用車がぶつかるのをバックに笑う女子高生(立花あきら)。

「開始5分でタイトルを回収するオープニング!」

どうですか、お見事じゃないですか!?おそらく女子高生は何者か(宇宙人?)に乗り移られているんですよね!この一連のシーンはちびぞうのクソみたいな文章ではなく映像で観るとすごく格好いいんですけどね・・・説明しきれてる気がしない・・・。

おおまかなストーリー

病院に保護されたという夫(真治)を迎えに来た妻(鳴海)。夫はまるで別人のように変わってしまっていたらしい。若年性のアルツハイマーか事故による人格の変化だと医者は言う。
しかし妻は夫に対して怒っている様子。夫は最近不貞を働いていたのがバレていたかららしい。夫婦関係は終わっていると言われ夫は妻に突然「ガイドになってくれ」と意味不明なことを頼む。

「分からないことも多いし一人では道もまともに歩けない」と言う夫は天気予報の番組を観ながら動きの練習をしている(どう考えても宇宙人に乗っ取られてる!!)

桜井(長谷川博己)登場!週刊誌の雑誌記者らしい!米軍基地も自衛隊も1週間取材拒否していて、どうも何か起こっているようだと桜井は予想している。
彼はオープニングで殺された家族の取材に。そこに生き残った女子高生(立花)を探している男の子(天野)がやってきて「目的は地球の侵略」だと言われる。

夫婦(真治と鳴海)の元に鳴海の妹、明日香(前田敦子)がやってくる。親と喧嘩したので泊めて欲しいらしい。義理の兄(真治)がおかしくなってしまったので「家族」という概念について教える妹。真治が「それいいね。もらうよ」と言って人差し指を彼女の額に当てると、妹は突然おかしくなってしまう。急に帰る、と言い出す妹。

場面は変わって桜井と天野組のシーン。天野君の家に招かれる桜井。天野君のご両親は抜け殻みたいになってる。色々と”概念”を奪ったかららしい。彼らがガイドと呼ぶ人間からは奪わないと言う。
言葉の根本にある概念を奪うと、奪われた側はそれを失ってしまうらしい。(でもこれ、奪われる側の言葉の概念が間違ってたらそのまま間違って伝わるってことだよね?というかこんな子供の戯言にライターが付き合う必要なんてないのに!!!)

地球人は地球の支配者だと思い込んでるとか色々言われる。地球はほっといてもあと100年くらいで滅びるらしい。

鳴海は大きい仕事をもらえるが、上司にセクハラを受ける。

真治は鳴海の理想の夫になると宣言する。人類の前に自分(真治)のことを理解し、彼を作り直す気らしい。(ちょっとここらへん『PK』に似てるなー。人間を学んでいく宇宙人)

真治は鳴海が家から出るなという言いつけを破って近所を散歩。近くに住む男から『所有の”の”』という概念を奪う。すると結果的にその男は引きこもり状態から脱することに!(笑)
その後も散歩してたら犬にかまれる真治。やっぱりガイドが必要だと鳴海の事を信頼できるパートナーと言う。鳴海も少しずつ、変化した真治を受け入れていく。

立花さんは警察に保護されてるっぽい。彼女を見回る役の刑事もちょっとどこかおかしくなっている様子。誰か?と問われると自分は自分だよって言う。
立花さんがいる病室に簡単に入っちゃう桜井と天野。その後、意味の分からない格闘シーンが繰り広げられる。
刑事から”自分と他人”という概念を奪うと、どこか清々しい顔を見せる刑事。

立花さんと天野くんが合流すると、もう一人いる侵略者(真治)を見つけるために情報を仕入れて来いと桜井に指示する。これから通信機も作るから材料を仕入れて来いとも言われる。桜井は彼ら宇宙人の記事を本気で書くつもりになっている。

場面変わって鳴海の職場。真治は妻を締め付ける”仕事”の概念を上司から奪って彼女を救う。そこでようやく鳴海に自分は宇宙人だと打ち明ける!
元の真治は今、眠ってもらっていて、彼の記憶とかを引き継いで宇宙人が新しい加瀬真治になったと言う。彼ら宇宙人の本来の姿は地球人には見えないらしい。目的は、人間の”概念”を集めること。

桜井に厚生労働省の者だと名乗る男が近付く!新型のウイルスに立花が感染しているという話をしてくる!(でも本当に厚生労働省の男かどうか怪しい)
宇宙物理学者が自衛隊と一緒に行動しているところを目撃する。
立花が警察に見つかり、彼女は警察を容赦なく殺す!桜井は彼女たちにインチキだってキレたり、だいぶ動揺?している様子。

真治も謎の組織に追跡されて、鳴海と二人で逃げる。
真治は教会で神父から愛の概念を奪おうとするがうまくいかない。そんなもの誰にもイメージ出来ないのよと鳴海は言う。

真治は味覚も変わって、以前は食べられなかったご飯も美味いと言うように。そこに医者から「彼はウイルスに感染している」という電話がかかってくる。
(ウイルス感染を信じたとして、鳴海は彼を治療したいと思うのかなぁ。元のシンジに戻したいって思わないんじゃないかなぁ)

二人で病院に向かうと、そこには概念を奪われた人々がたくさんきていて阿鼻叫喚の図。

夫婦の元に桜井がやって来る。最初は宇宙人じゃないフリをしようとした真治、しかしガイドという言葉を聞いて態度が豹変!そこに立花と天野がやってくるー!
彼ら宇宙人の話し合いは一瞬で完了。しかし仲間と合流しても、真治は鳴海の夫でいることを選び、二人で逃げ出す。
立花は追いかける途中で車にひかれて死亡。
通信機を作る作業は桜井と天野の二人でする。桜井には別れた妻と息子がいるらしい。(ここで桜井は息子と天野を重ねたのかな?)
人類のサンプルとして選ばれた地球人は生き残れるという話を聞いて、それに志願しようかなと言う桜井。

すると厚生労働省を名乗った謎の組織の男たちがやってきてバトル!

戦いで倒れた天野の代わりに桜井が侵略開始の通信機をオンにする!笑顔を見せる桜井!
(地球の軍も桜井じゃなくて最初に無線機を破壊すればいいのに…)

桜井の働きにより、宇宙人の地球侵略が始まる。
全てが消えてなくなる前に真治の手で自分を消させようとする鳴海。自分の首を握らせて殺させようとする。しかし真治は殺せない。すると今度は愛の概念をイメージするから奪ってと鳴海は言う。
”愛”の概念を奪われた彼女は何も感じなくなってしまった。逆に真治は愛を知って感動している様子。

 

そして二か月後!侵略者は侵略をなぜか途中で終えたらしい。
鳴海には後遺症が残っている。(ここでまさかの小泉今日子がカメオ出演!)

廃人のようになってしまった鳴海に向かって真治は「ずっと一緒にいるよ、最後まで」と声をかける。

愛についてのお話

基本的には、夫婦という関係から愛について知る映画なのです。
宇宙人が、人類から愛を学ぶ。というお話。

夫婦とは何か?という問いについて、「夫婦」という肩書を大切にするのではなくその関係になってからも二人が「信頼できるパートナー」になるということに意味があるという事が言いたいのかもしれない。

子供たちに愛とは何か聞くところも面白いですよね!教会にいる神父が「愛はあなたの内側にあります」と説いていて、その神父からは”愛の概念”をうまく奪えなかったのも興味深い。鳴海の「そんなもの誰にもイメージできないのよ」っていう言葉も深い。これが真理だー!!となりますね(笑)

最終的に、鳴海からは愛を学ぶことができたわけだし、神父のおかげでそこの演出も引き立ちますね。

わりとツッコミどころも

多いんですよ。宇宙人の強さ設定もガバガバな感じがする(立花は車にひかれて死んだのに天野の方は銃に撃たれても平気そう(笑))し、謎の組織も宇宙人のこと知ってて戦いに来てるのに全然対策してない感じがしたり(概念奪われまくり)

天野が殺されても、仲間がたくさんいるって言ってたからあんまり意味はない気もしたり。。。

桜井も、二人の宇宙人と一緒に行動してて彼らに無理やりやらされているのか自分の仕事のために自分からついて行ってるのかわかりにくい!彼らを止めたいのか止めたくないのかどっち!?!?って感じがする。

最終的には天野に情が移る感じなんだと思うけど、そこに行くまでの描写がなさすぎてどうしたい人なのか分からない。自分の体に乗り移られるほどの気持ちの変化がどこで起きていたのかも分からないし。

(しかしこのラストには諸説あるようで、桜井は乗り移られていないのに自らの意志で通信機をオンにしたという説もあります。だとしても、どうしてそういう心境になったのかが謎なんだけどね)

最後の侵略のシーンも、ちょっと古臭い特撮感があったり(笑)音楽も(笑)
侵略行為って人間に対してのものだけだからもう少しスマートな方法なのかと思ったら普通に物理的に攻撃しててそこも笑ってしまった!!ほかの生物も死にそうじゃん!!

 

一番のメインである”概念を奪う”という部分に関しても、奪われた人間が廃人のようになるのがいまいち納得できず。学び直せばいいだけでは??赤ちゃんに戻ったようなもんなんだし。と思ってしまいますね、正直。

まとめ

けっこうツッコミどころ満載なんですけど、主演二人の演技は良いし、夫婦の関係が少しずつ変改していく過程も良かった。愛について学ぶというのも良かったですね。

ラスト付近で鳴海が真治に「愛を奪って」と言うシーンはなんとなく官能的に見えて、夫婦として二人が結ばれたようにも思えました。

 

ちなみに、トークショーで監督への質問に「刑事が自分は自分、と苦悩する場面があり、映画”CURE”の中で出てきた”自分は自分”という台詞の酷似しているがわざとでしょうか」というものがありましたが、監督が意図したわけではないようです。

そういう同じ監督の作品で繋がりが見えると、ついつい嬉しくなってしまうものだけど!!意外と製作側は何も考えてなかったりすることってわりとありますよねー・・・と思った瞬間でした。

 

トークイベントで観た方の予兆の感想も上げました!↓そちらもぜひご一緒に!

宇宙人から夫を守れ!映画『予兆 散歩する侵略者』ネタバレ&感想

ここまで読んで頂きありがとうございました!ちびぞうでした!!

 

 


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画像引用元:IMDB

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ま行

父親が三人!?伝説的ミュージカルの映画化!『マンマ・ミーア!』ネタバレ&感想

結婚式に、出てもらいたいの!

こちらの作品はだいぶ前にDVDで観たんですけども、今回新作が公開されたという事で記事は前後してしまいましたが先におさらいとして観ましたー!

10年ぶりの新作!映画『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー』ネタバレ&感想

監督は『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』などのフィリダ・ロイド。

主演はアマンダ・セイフリッドちゃん始めメリル・ストリープピアース・ブロスナン、コリン・ファースなどとっても豪華!!!製作総指揮にはトム・ハンクスの名前もあります!!

【映画情報】

【原題】Mamma Mia
【制作国】アメリカ
【監督】フィリダ・ロイド
【脚本】キャサリン・ジョンソン
【製作】ジュディ・クレイマー、ゲイリー・ゴーツマン
【製作総指揮】ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース、リタ・ウィルソン、トム・ハンクス、マーク・ハッファム
【撮影】ハリス・ザンバーラウコス
【美術】マリア・ジャーコビク
【音楽】ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース(ABBA)
【振付】アンソニー・バン・ラースト
【出演([]内は役名)】

  • メリル・ストリープ[ドナ]
  • ピアース・ブロスナン[サム]
  • コリン・ファース[ハリー]
  • ステラン・スカルスガルド[ビル]
  • アマンダ・セイフライド[ソフィ]
  • ドミニク・クーパー[スカイ]
  • ジュリー・ウォルターズ[ロージー]
  • クリスティーン・バランスキー[ターニャ]

【公開日(日本)】2009年1月30日
【上映時間】108分
【配給】 東宝東和
【次作】10年ぶりの新作!映画『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー』ネタバレ&感想
【IMDB】6.4/10.0  (およそ182,200人の評価)

【あらすじ】

エーゲ海に浮かぶギリシャの小島で、20歳のソフィは結婚式を間近に控えていた。母子家庭で育ったソフィの願いは父親とバージンロードを歩くこと。母親ドナの日記を内緒で読んだソフィは、父親の可能性がある母の昔の恋人3人に招待状を出すのだが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!!)】

☆2.8/5.0

ちびぞうが過去に鑑賞した時に書いた感想が残っていたので貼り付けておきます。

まず最初に。
ピアース・ブロスナンさんは歌ってはいけない。


あれれ!?実はメリル・ストリープが主役だったの!?と観ててビックリした。アマンダよりも歌いまくってる。
ストーリーはそんなに深くないんだけど無難に楽しめる。結婚式のシーンはあり得ない状況過ぎて笑えた。
ABBA縛りということで歌詞をストーリーにリンクさせるのが大変だなぁと思った。


そして最後に。
ピアース・ブロスナンさんは歌ってはいけない。

こんな感じでしたねー。

いや。見返してもやっぱりサムに扮するピアース・ブロスナンの歌声がちびぞう的にはキツかった・・・!!!!!

歌詞に合わせたストーリー展開は流石で、名曲が流れるとそれだけでウキウキするのは確かにあります!!!でも正直、ちょっと退屈なんですよね・・・。中だるみ?するというか。

ミュージカルなので歌の中でストーリーが進行していくんですけど、そこに入り込めないとちょっと流れが雑に感じてしまうかも。2の方がちびぞう的には楽しかったです。

自分の父親が誰か分からない、とりあえず母親の日記から過去にかかわりのあった男たちを呼び寄せよう!3人いるけどね!!!そして集まった3人の男たち。誰が本当の父親なの???

まぁいっか!三人とも父親で!!!

っていう感じなんですよね。「普通」にこだわらない新しい家族の形を示している素晴らしいお話なんですけども、細かく考えてしまうと

「なんで10数年前にお別れしたゆきずりの相手の連絡先が今になって分かるのか???」

などなどツッコミしだすとキリがないです。

まとめ

ABBAの楽曲と役者たちの歌声を楽しみに気楽なノリで観るのが良いですね!!!

(でもブロスナンさんは以下略)

 

 


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な行

双子の恋人を別々に愛す女。映画『二重螺旋の恋人』ネタバレ&感想

私が愛した男は、何者なのか。

どうもちびぞうです!!!お久しぶりです!!更新が停滞気味ですね!ダメですね!少しずつでも更新していきます!!!

ちょっとこの記事から私、新たなタグをつけたいと思います。その名も「途中で寝ちゃったから見返したいシリーズ」・・・。いや、ほんともうね、夜行バスでほとんど寝てない日の午前中に観に行ったのも良くなかったと思うんですけど・・・。

以前書いた、ヒューマントラスト渋谷さんに行ってきたよ!の記事の時に観たものです!!

ヒューマントラストシネマ渋谷:東京【素晴らしきミニシアターの世界】2館目

『スイミング・プール』『危険なプロット』のフランソワ・オゾン監督作品。ゆえに期待値も上々でした。主演は『17歳』で主人公を演じたマリーヌ・ヴァクト!監督との再タッグですね!

画像の変化が面白くてうっかり遊んでしまう公式サイトはこちら

ちなみにパンフはこんな感じ!

奥にいる人物はおそらく彼女の恋人。ピントが合っていないところがミステリアスな雰囲気を演出していて良いですね。こちらのパンフわりとペラくて22Pしかありません。その代わり税込み700円。キノフィルムズさんらしいオシャレなデザインになっています。

【映画情報】

【原題】L’amant double
【制作国】フランス
【監督/脚本】フランソワ・オゾン
【原作】ジョイス・キャロル・オーツ『Lives of the Twins』
【製作】エリック・アルトメイヤー、ニコラ・アルトメイヤー
【撮影】マニュ・ダコッセ
【美術】シルビー・オリビエ
【衣装】パスカリーヌ・シャバンヌ
【編集】ロール・ガルデット
【音楽】フィリップ・ロンビ
【出演([]内は役名)】

  • マリーヌ・ヴァクト[クロエ]
  • ジェレミー・レニエ[ポール/ルイ]
  • ジャクリーン・ビセット[クロエの母親/シェンケル婦人]
  • ミリアム・ボワイエ[ローズ]
  • ドミニク・レイモン[婦人科医/アニエス・ウェクスレル]

【公開日(日本)】2018年8月4日
【上映時間】107分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】 R18+
【IMDB】6.2/10.0  (およそ7,100人の評価)

【あらすじ】

クロエは原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。痛みから解放された彼女はポールと恋に落ち、一緒に暮らし始める。ある日、クロエは街でポールに瓜二つの男性ルイと出会う。ルイはポールと双子で、職業も同じ精神分析医だという。ポールからルイの存在を聞かされていなかったクロエは、真実を突き止めようとルイの診察室に通い始めるが、優しいポールと違って傲慢で挑発的なルイに次第に惹かれていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!!)】

☆2.5/5.0

寝ちゃったのでまともに書けないだろって感じなんですけども・・・。とりあえず評価としては”普通に面白い”の2.5としておきます。こちらのタグはまた後々DVDで見返したら追記する予定なので、今は中途半端な感想になってしまって申し訳ない。

前置き終わり。

上で並べたオゾン監督作品はわりかし好きなので、期待値は上々だったんですけども・・・今回はちょっと淡々としていて引き込まれる感じが少なかったです。

主人公と恋人になった精神科医に偽名疑惑が浮かび上がり、更にその偽名を名乗る同じ顔の男性が現れる。彼は恋人の双子の兄弟だというけれど、でも恋人は「自分に兄弟はいない」という。何が真実なのか???というミステリーを主軸に、二人の正反対の男性(しかし顔は同じ)に同時に惹かれていく女の不思議な恋愛模様を描いたお話になっているんです。

ちびぞうは思ったより濡れ場多いね?????と思いました。

ちょっとしつこいかな????性的な意味合いが何を表現しているのか把握する前に眠気が・・・そして肝心のオチも(エンディングの時までには覚醒していたはずなのに)どんなのだったか忘れてしまいました(ヒェー!!)

ポールをいる時にはルイを想い、ルイといる時にはポールを想うという不思議な感覚は「人間は決して満足しない」とか「ないものねだりしちゃうんだ」みたいなことが言いたかったのかなぁ。

劇場で観たんですけど、だいぶハァハァ呼吸音が目立っていた印象。さすがR18+。
また見返してしっかり観たら評価が変わるか謎ですが。今のところはこんな感じで締めたいと思います(笑)

 

 


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見世物家族の人間喜(悲)劇。映画『女と男の観覧車』ネタバレ&感想

まわる、まわる。秘密の恋が回る。

ウディ・アレン監督の52本目の監督作!(多分)
この監督はすごい・・・1965年の監督&出演作『何かいいことないか子猫チャン』からほぼほぼ毎年のように(出演だけの映画も含め)映画を作っている!!ここ数年だと2015年に『教授のおかしな妄想殺人』、2016年『カフェ・ソサエティ』『ウディ・アレンの6つの危ない物語』、そして2017年の『女と男の観覧車』、そして今年には『A Rainy Day in New York』が予定されています。主演には『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメを迎えているようです!日本に来るのは来年かな?

きっと死ぬまで作り続けるんだろうな・・・。ウディ・アレンの監督作はあまり好きではなかったんですが、2013年の『ブルージャスミン』で落ちぶれてゆくセレブの狂気を見事に演じたケイト・ブランシェットにやられて以降はちょいちょい監督の新しい作品に期待をして観ているちびぞうなのです。今作は、『タイタニック』のケイト・ウィンスレットそしてミュージシャン出身のジャスティン・ティンバーレイクが二大主演しています!!ちびぞうはこのジャスティン・ティンバーレイクという俳優は意外に良い演技をする(特に『ブラック・スネーク・モーン』が良かった)と知っているので、彼に対する期待もありつつで劇場に足を運びました。

パンフはこんな感じなんですがめちゃめちゃオシャレ!!

B5のノートサイズほどで、アンティークな遊園地を舞台にしたこの映画にピッタリのデザイン・・・。26Pで税込み720円。

【映画情報】

【原題】 Wonder Wheel
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ウディ・アレン
【製作】レッティ・アロンソン、エリカ・アロンソン、エドワード・ウォルソン
【編集】アリサ・レプセルター
【衣装】スージー・ベンジンガー
【撮影監督】ヴィットリオ・ストラーロ
【美術】サント・ロカスト
【キャスティング】パトリシア・ディチェルト
【出演([]内は役名)】

  • ケイト・ウィンスレット[ジニ―]
  • ジャスティン・ティンバーレイク[ミッキー]
  • ジム・ベル―シ[ハンプティ]
  • ジュノー・テンプル[キャロライナ]
  • ジャック・ゴア[リッチー]
  • デヴィッド・クラムホルツ[ジェイク]
  • マックス・カセラ[ライアン]

【公開日(日本)】2018年6月23日
【上映時間】101分
【配給】ロングライド
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ15,400人の評価)

【あらすじ】

コニーアイランドの遊園地内にあるレストランで働いている元女優のジニーは、再婚同士で結ばれた回転木馬操縦係の夫・ハンプティと、ジニーの連れ子である息子のリッチーと3人で、観覧車の見える安い部屋で暮らしている。しかし、ハンプティとの平凡な毎日に失望しているジニーは夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしながら劇作家を目指している若い男ミッキーと不倫していた。ミッキーとの未来に夢を見ていたジニーだったが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナの出現により、すべてが大きく狂い出していく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆3.8/5.0

ううううううううーーーーんん!!!好きです!!でもやっぱり『ブルージャスミン』には劣るけども!!!

おおまかなストーリー

夫の前妻との娘が「ギャングの夫から逃げてきた」と突然現れ、かくまってやることにした主人公。しかしその娘に不倫相手を奪われそうになると嫉妬妖怪(比喩)へと変貌し、ギャングに見つかりそうになった娘を「こいつが消えれば彼は私の元へ戻ってくるかも」と思ったかどうかは分からないけれども助けれそうだったのを見殺しにしてしまう・・・。そして不倫相手の男とも破局し惨めを極めて終わる・・・という感じ。

ケイト・ウィンスレットの芝居がイイ!

何が良いってやっぱり主人公・ジニ―を演じるケイト・ウィンスレット!

過去の栄光にすがる元女優・現ウェイトレスという役柄を見事に演じています・・・。特に良いのは彼女の後半のキレ演技の中で見せてくれる「ドスドス」と床を踏む音が聞こえてきそうな歩き方!!いわゆるおっさんみたいな歩き方をしてるんですけど、これがもう元女優の片鱗もなく・・・。

不倫相手のミッキーと浜辺で出会った頃の彼女は悲哀感を漂わせた危なげな人妻で、その姿が美しくもあったんですよね。(これはある意味で余裕のあった彼女が演じていた姿ともいえる)
しかし、惨めな生活から脱させてくれるであろうと信じたミッキーが若い娘に取られてしまうという絶望と嫉妬にまみれてしまうと余裕もぶっとび、妖怪ババアへと変貌するわけです・・・。このシーン、若い頃に着たという舞台衣装をまとっていて、劇中では一番華やかな格好をしているはず、なんですけども。その衣装が逆に彼女の醜さを際立たせています。そのコントラストもお上手。

画面がとにかく美しい

1950年代のコニーアイランドを舞台とした浜辺の遊園地が本当に綺麗で、オシャレ。キラキラとしていて、レトロ感があって、ポップでハイセンス!
小物や衣装がオシャレなのにも合わせて、光の差し込む感じがとてもきれい。そんなに突飛なストーリーではないのに幻想的でお伽話っぽい雰囲気もあります。(ジャスティン・ティンバーレイクが出演者なのに語り手としてナレーションをしているから、そこもお伽話っぽさを手伝っているのかもしれない)

この画面を観るためだけでも映画館に行って良かった!!と思えます。

皮肉で哀しいコメディ

この家族のドタバタが描かれる家というのが、遊園地の中にあり過去に見世物小屋だったというおうち。この家族のドタバタそのものが「見世物小屋である」という隠喩を感じさせてとっても皮肉。

主人公は旦那のことを小ばかにしているし、また旦那の方も自分の奥さんがウェイトレスなのに自分の娘には「ウェイトレスなんてさせる未来は避けさせたい」と言って遠回しに彼女の人生を否定している。お互いが辛いときに助けてもらった、と言い合いながらその実態は「酒に溺れた惨めな自分」を理解し合えたという一点でのみ繋がっていた夫婦なんです。

若くしてギャングと駆け落ちした娘も、ドラマティックな女性に惹かれてしまうミッキーも、火遊びに夢中になる息子も、本当に滑稽で哀しい人ばかり。

まとめ

流石コメディアンのウディ・アレン。人生の中の悲劇と喜劇の紙一重なところを上手に描いていると思います。前述した通り、ストーリー自体はとてもありふれていて、なんてことないお話です。だけどその台詞だったり、演出だったりにセンスがあって、観ていて飽きない。

さすがにブルージャスミンほどのインパクトは私の中では残りませんでしたが、十分に楽しめる一本でした。この幻想的なおとぎ話をぜひ、映画館で観てもらいたいです。

 

 


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画像引用元:映画.com 

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情熱と悪夢が交じり合うイタリア映画『結婚演出家』ネタバレ&感想

映画監督フランコ・エリカを次々と襲う不可解な出来事―――

地元、柳ケ瀬の映画館シネックスにて『Viva!イタリア vol.4』のうちの1作が公開されていましたので観てきました!

ちなみにVol.4の他作品は『あのバスをとめろ』『いつだってやめられる7人の危ない教授たち』でした。どっちも面白そうーーー!!

監督は『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』『母の微笑』などのマルコ・ベロッキオ。パンドラさんによる公式サイトはこちら

パンフはなく、代わりに関係者に配られる非売品のプレスシートが100円?で売っていました。

映画評論家でもあり映画監督でもある田中千世子さんが寄稿していましたー。

【映画情報】

【原題】 Il regista di matrimoni
【制作国】イタリア、フランス
【監督/脚本】マルコ・ベロッキオ
【制作】マルコ・ベロッキオ、マッシモ・ビリア
【撮影】パスクァーレ・マリ
【美術】マルコ・デンティチ
【衣装】セルジョ・バッロ
【編集】フランチェスカ・カルベリ
【音楽】リカルド・ジャーニ
【出演([]内は役名)】

  • セルジオ・カステリット[フランコ・エリカ]
  • ドナテッラ・フィノッキアーロ[ボーナ・グラヴィーナ]
  • サミー・フレイ[フェルディナンド・グラヴィーナ]
  • マウリツィオ・ドナドーニ

【公開日(日本)】2018年6月23日
【上映時間】100分
【配給】パンドラ
【制作年】2006年
【IMDB】6.3/10.0  (およそ630人の評価)

【あらすじ】

。貴族出身の小説家マンゾーニの原作「いいなづけ」の映画化準備を進めていたベテラン映画監督のフランコは、ある時、ミステリアスな女性と出会う。それからしばらくして、シチリアで新婚カップルを撮影中の演出家エンツォの家に招かれたフランコは、そこで奇妙な貴族から、自分の娘の結婚式の撮影をしてほしいと依頼される。その娘は望まぬ結婚を迫られており……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.4/5.0

まるで悪夢のような作品でした・・・。

悪夢だと思うほどつまらないって意味ではなくて、本当に悪夢を見ているような感覚になる作品というか。

ストーリーはそこまで難しい感じではないです。「いいなづけ」という作品の熱烈なファンだったミステリアスな美女が、その作品が映画化されると知り監督である主人公を訪ねてくるオープニングから始まります。しかし彼女は男たちに追われている様子で、監督には会えないまま去ってしまう。
そして場所は変わりシチリア。ひょんなことから監督がある貴族から「娘の結婚式を撮影して欲しい」と頼まれますが、その娘というのが冒頭で登場した美女!
その美女は父親に無理やり政略結婚をさせられそうになっていて全く結婚に乗り気ではなかった。そんな時に出会った監督と美女は惹かれ合う。しかし迫る結婚式!

二人は何度かの逢瀬を経て愛を確かめ合い、最後には二人で逃げ出す・・・。というもの。

しかしこの映画、悪夢的な演出が多くて「どこまで現実の出来事なのか?」少し分かりづらくなっていると思います。そこがけっこうモヤモヤしてしまうところなんだよねぇ。

印象的なシーンが多い

オープニングから古い映画のワンシーンのようなものが挟み込まれるし、時々画面がモノクロ?調になったりします。それに意図があるのかどうなのか、ちびぞうは凡人なので全く分かりません。ヨーロッパ映画的と言ってしまえばそうなのかも。

突然死んだと思っていた知り合いの映画監督が登場したり、その人が花火をバックに飛び降り自殺したり、美女を追いかけて不法侵入して飼い犬に話しかけたり、街を歩いていたら布に下半身を入れてピョンピョン飛んでる男たちに襲われたりと意味の分からない場面も多いです(笑)

でもそれが不思議と印象的。イタリアの伝統的な結婚式での歌も、厳かで幸せな雰囲気もあるんですけどちょっと怖く感じられたり。そういった不可思議でちょっと不快感のあるシーンが前述した悪夢的な演出になっているのかもしれません。

ちびぞうの好きなシーン

主人公がシチリアの浜辺を歩いていると、出会った結婚ビデオの撮影現場。そこで監督をしていた男に、主人公が有名監督だという事がバレ「貴方ならどんな演出をします?」と聞かれて答えるシーンが好き。
短いショートフィルムなんですが、いきなり浜辺で新郎が新婦のドレスを脱がしてまぐわり始める!そして二人が去ったあとで、脱ぎ捨てられたドレスを見て新婦の母親が「新婦は海に身投げした!」と誤解して泣き崩れる。母親を慰めて撮影隊は去っていく・・・という感じの内容。

けっこう奇抜な発想の作品で、良いなーと思いましたね。

それからもう一つ、新聞記事で死亡したと報じられていた主人公とは別の監督が実は生きていた!というのが発覚してからのシーンが面白い。
その監督は実は自分で死んだという嘘情報を流して、賞レースを勝とうとしていたんです。

「死んだ監督の作品だから」という理由で票が集まり、実際に受賞してしまう。狙い通りになったはずなのに、その監督は逆に絶望してしまう。生きているままで評価されたいですよね、そりゃね。という気持ちがすごく切なくて、彼の熱弁を聞いていたら目頭が熱くなってしまいました。

まとめ

イタリア映画だなぁ。って感じしますね。そんなに驚くほど面白い!って感じではないけども、おそろしくつまらない!とも思わないし難しい。

人に勧めるか?と聞かれたら、多分勧めません(笑)

それでもイタリア映画が好きな人は一度観てみるといいかも。シチリアという場所は、本当に美しいですしね。

 

 


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画像引用元:映画.com

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ダンケルクの実話映画を作れ!映画『人生はシネマティック!』ネタバレ&感想

「我々で、客を泣きながら帰らせてやろう」

ほんっとうにキノフィルムズさんは気になる映画ばかりを配給されている・・・!

この映画は確か、地元の映画館で『否定と肯定』を観た時に予告編でやっていた作品なんですよね。気にしつつもいつの間にか終わっていたので、レンタルにて鑑賞しました。

ホロコーストの有無を法廷で裁く!映画『否定と肯定』ネタバレ&感想

監督は『17歳の肖像』『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のロネ・シェルフィグ。女性の監督です。

ちびぞうの大好きなビル・ナイが助演として出ています!!楽しみ!!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Their Finest
【制作国】イギリス
【監督】ロネ・シェルフィグ
【脚本】ギャビー・チャッペ
【原作】リッサ・エバンス
【製作】スティーブン・ウーリー、アマンダ・ポージー、フィノラ・ドワイヤー、エリザベス・カールセン
【製作総指揮】クリスティーン・ランガン、エド・ウェザレッド、ロバート・ノリス、アイバン・ダンリービー、トーステン・シューマッハー、ピーター・ワトソン、ジギー・カマサ
【撮影】セバスチャン・ブレンコー
【美術】アリス・ノーミントン
【衣装】シャーロット・ウォルター
【編集】ルシア・ズケッティ
【音楽】レイチェル・ポートマン
【音楽監修】ローラ・カッツ
【出演([]内は役名)】

  • ジェマ・アータートン[カトリン・コール]
  • サム・クラフリン[トム・バックリー]
  • ビル・ナイ[アンブローズ・ヒリアード]
  • ジャック・ヒューストン[エリス・コール]
  • ヘレン・マックロリー[ソフィー・スミス]
  • ポール・リッター[レイモンド・パーフィット]
  • レイチェル・スターリング[フィル・ムーア]
  • リチャード・E・グラント[ロジャー・スウェイン]
  • エディ・マーサン[サミー・スミス]
  • ジェレミー・アイアンズ[陸軍長官]
  • ジェイク・レイシー[カート・ランドベック]

【公開日(日本)】2017年11月11日
【上映時間】117分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.8/10.0  (およそ13,015人の評価)

【あらすじ】

1940年のロンドンでカトリンはコピーライターの秘書として働いていた。人手不足のため、彼女が代わりに書いたコピーが情報省映画局の特別顧問バックリーの目に留まり、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を救出した姉妹の感動秘話を映画化する脚本チームに加わることとなった。戦争で疲弊した国民を勇気づけるための映画だったが、製作が開始され、ベテラン俳優のわがまま、政府と軍による検閲や横やりなどトラブルが続出。そのたびにカトリンたちの脚本は二転三転してしまう。なんとか撮影は大詰めを迎えるが、最後に最大級のトラブルが待ち受けていた。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.7/5.0

面白かった!良かった!さすがのキノフィルムズさんの安定感!(笑)

映画好きな人なら、古い時代の映画作りの方法などが見れてとっても興味深いと思います!

物語も、タイトル通りシネマティック(映画のような信じられないような事が次々に起こる)。
その中にも笑える要素がたくさん散りばめられていて、かつ理不尽で残酷で、まるで人生そのものを映し出したような映画。

「ダンケルクでの戦いで兵士を救ったとされる双子の姉妹の映画を作る」という軸があるので、ノーラン監督の『ダンケルク』を観てから鑑賞するとより理解が深まるかもしれませんね!世界観に没頭しやすくなるというか。

絶体絶命を生き残れ。映画『ダンケルク』感想

主人公の女性は男性より給料が半分以下だったり、女性にしか書けないというスロップ(映画で女性同士がする会話をそう呼んでいた)を任されるんですけど、そこらへんサラッとくどくない程度に女性差別の実態みたいなものも描かれていましたね。

おおまかなストーリー

あらすじに補足するような感じで核心のネタバレをしていきます!(笑)

まず最初に主人公のカトリン(ジェマ・アータートン)が双子の姉妹に会いに行くと、彼女たちはエンジンのトラブルで船が出せず、ダンケルクの兵士を救ってはいなかった・・・(むしろ動けなくなっていたところを帰還する船に牽引してもらった)ということが真実であったと判明します。しかし双子はその事実が恥ずかしく、周りが騒ぐような美談だったと嘘をついていたらしい。

しかしカトリンはお金をもらうために仕事を続けねばならず、この事実を隠して映画製作をスタート。

空襲も来るなかで脚本を書くカトリン、老年の俳優は我儘放題だし、一緒に暮らしている恋人は浮気をするしで色々と大変ななか、同じ脚本チームのトム(サム・フラクリン)と良い感じになっていくカトリン。

映画製作の途中で、船はダンケルクに着かなかった、ということが上に発覚、製作中止の危機に立たされる。
しかしトムが、「たった1つの実話に基づいてなくていい、ダンケルクの兵士が民間の船に助けられ数十万人が帰還した、そこには100の実話がある。その中の一つでも映画に入っていれば良いんだ」的なけっこう強引な説得で情報省の人を納得させ、映画作りを続行。

他の映画でもよく見る「実話に基づくストーリー」という触れ込みの一体何割が真実なんだろうと若干疑いたくなる場面でした・・・(笑)

脚本は完成するものの、ラストシーンにパンチが足りないと書き直しを要求される。
(ここの、アメリカ人を馬鹿にするわけではないがと前振りをしつつ、「奴らは爆破、衝突、角を勢いよく曲がる救急車みたいなものが好きなんだ、彼らの好む展開にしろ」と言われるシーンは笑ってしまいました。国民性で求めるストーリーって違うんだなぁ)

ラストシーンの執筆に行き詰まるトム。代わりにカトリンが脚本を書き上げ、あとは撮影を終わらせるのみ・・・二人の恋愛も上手くいき、これからラブラブするぞ!というそんな時スタジオが空爆に襲われ、目の前でトムを亡くしてしまうカトリン。

スタッフに死傷者が出て映画の撮影も停滞、カトリンは映画業界から身を引こうとするも、老年俳優ヒリアード(ビル・ナイ)が説得しにやってくる。

ヒリアードの言葉に心を動かされたカトリンは撮影現場に復帰、公開すれば映画は大成功。
その後もカトリンは映画作りを続けていく。という感じで映画が終わる。

良かったところ!

映画が始まってすぐに”メインの軸になる物語が実際は全然違った!”というのが発覚するのが良い意味で期待を裏切られて好きでした。まずそこで「ここからどうするの!?」と興味を持ち物語に引き込まれますね!

当時の映画(脚本)の作り方?も面白い!例えば

  • ジョニー(最初)
  • 犬→ダンケルク→エンジンの故障→叔父の死
  • 無事に帰還(最後)

こんな感じでいくつかキーワードを出し、話の流れをおおまかに決め、その間を埋めて行くというやり方で作られていました。一人で一から百までやるのではなく、皆で意見を出し合いながら構築するっていうやり方もあるんですね~。

その中で、最初はエンジンの故障だったのに「それだとイギリスの造船技術がちゃんとしていないと思われる」と言われスクリューに何かが挟まって動かなくなる、という筋書きに変更されたり、上で書いたようにアメリカ人の好みに合わせてエンディングが変更されたり、女性は活躍させられないからスクリューは叔父が直すという流れにしようと言われたり、大人の事情ってやつで脚本が作られていくのがよーーーく分かります。映画製作って本当にたいへん・・・

脚本だけでなく、キャスティングにも大人の事情が大きく絡んでいました・・・。
陸軍省の命令でアメリカ人の軍人を起用しろと言われてとても見栄えのする軍人さんを連れて来たのはいいもの、絶望的に演技が下手・・・!!!

観てる側としては笑えるんですけど、作り手としては本当に大変ですよね(笑)

ビル・ナイ最高!

『ラブ・アクチュアリー』の頃から好きな俳優さんの一人、ビル・ナイ。

齢66歳にしてこのカッコよさ・・・なんなの・・・。

彼の演じるヒリアードという役がまた良いんですよ。
無駄にプライドが高くて扱いにくい低迷期に突入した高齢の役者。過去にヒットした1キャラクターの栄光にしがみついていてどこかもの悲しい。自分は主人公のジョニーを演じるものだと思い込んでいて蓋を開けてみれば酔いどれクズな叔父の役。こんなのやれるか!と不満たらたらの彼をカトリンはしっかりと尊厳を尊重しながら懐柔し、やる気にさせる。
するとその実力は本物で、この映画の公開後も演技の仕事がまた入るようになるという。

このヒリアードという役は劇中でしょうもない老いどれ役者、という立ち位置から徐々に変化し、最後はカトリンの父のような役割も担うようになるという重要で味わいの深い役。

彼がやる気になった時に言った「我々で、客を泣きながら帰らせてやろう」という台詞も良かったし、

トムを亡くして映画業界から離れようとするカトリンを説得しに行った時の

「我々のようなもの(老人や女性かな)に仕事が回ってくるのは若い男が戦争で死んでいるから。彼らが死んで得たチャンスを無駄にするのは、死に生を支配されている状態だと思わないか」

うろ覚えなんですけれど、この台詞もすごく良かった・・・。

それから、ビル・ナイの歌声も聴けます!すごく渋カッコいい!!66歳サービスしまくり!!

まとめ

空爆されながらのすごく過酷な環境下での映画製作なんですが、映画自体はとてもコミカルであまり重さがなく、笑えるポイントもたくさんあるし、考えさせられる場所もあるし、

何より強い女性が頑張る姿が観れます!!!

これはぜひ、女性に観てもらいたいですね。

最後に、トムが語っていた台詞でちびぞうがとても心に残ったものがあるのでそちらを紹介して終わりたいと思います。

どうして人は映画を観ると思う?ちゃんとストーリーがあるからだ。悪いことが起きるのも仕組まれているし、それにも意味がある。人生とは違う。

たまにでいいから価値のある映画が作りたい。
―――その人の人生の一時間半を費やせるような。

映画が好きだという事がひしひしと伝わってきます。良い映画でした。

 

 


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画像引用元:映画.com

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汚男に愛されまくるイヤミスの映画化!『彼女がその名を知らない鳥たち』ネタバレ&感想

共感度ゼロの最低な男と女が辿り着く“究極の愛”とは

阿部サダヲ×蒼井優!そして原作は『ユリゴコロ』と同じ沼田まほかるさん!

吉高由里子が美しき殺人鬼に。映画『ユリゴコロ』ネタバレ&感想

監督は『凶悪』『孤狼の血』の白石和彌監督。ちびぞうは今回、初白石作品となりました。

今回は沼田さんファンの友人が劇場で観た時の反応がいまいちっぽかったので劇場スルー。
原作も未読のままレンタルで鑑賞しました。

「カノ鳥」公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】白石和彌
【脚本】浅野妙子
【原作】沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち(幻冬舎)」
【エグゼクティブプロデューサー】藤本款
【プロデューサー】深瀬和美、山本晃久、西口典子
【企画】西口典子
【撮影】灰原隆裕
【照明】舟橋正生
【録音】浦田和治
【美術】今村力
【衣装】高橋さやか
【ヘアメイク】有路涼子
【編集】加藤ひとみ
【助監督】茂木克仁
【制作担当】宮森隆介
【出演([]内は役名)】

  • 蒼井優[北原十和子]
  • 阿部サダヲ[佐野陣冶]
  • 松坂桃李[水島真]
  • 村川絵梨[國枝カヨ]
  • 赤堀雅秋[酒田]
  • 赤澤ムック[野々山美鈴]
  • 中嶋しゅう[國枝]
  • 竹野内豊[黒崎俊一]

【公開日(日本)】2017年10月28日
【上映時間】123分
【配給】クロックワークス
【映倫区分】R15+
【IMDB】6.5/10.0  (およそ210人の評価)

【あらすじ】

下品で貧相、金も地位もない15歳上の男・陣治と暮らす十和子は、8年前に別れた黒崎のことを忘れられずにいた。陣治に激しい嫌悪の念を抱きながらも、陣治の稼ぎのみで働きもせずに毎日を送っていた十和子は、黒崎に似た面影を持つ妻子ある水島と関係を持つ。ある日、十和子は家に訪ねてきた刑事から、黒崎が行方不明であることを告げられる。「十和子が幸せならそれでいい」と、日に何度も十和子に電話をかけ、さらには彼女を尾行するなど、異様なまでの執着を見せる陣治。黒崎の失踪に陣治が関係しているのではないかとの疑いを持った十和子は、その危険が水島にまでおよぶのではとないかと戦慄する。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ)】

☆3.5/5.0

沼田まほかるさんが70歳だからか、この方の原作の映画は少し時代背景が古いですね。昭和感のある映画でした。

ちびぞうはラストはあまり泣けませんでしたが、愛は感じました。
阿部サダヲの愛がとにかくすごい。無償の愛。恋愛という域を超えた、親子の愛のような・・・マザーテレサのような愛なんですよね。

原作の沼田まほかるさんが寺出身で僧侶をしていたということを考えると、この神のような愛の表現にもなんとなく納得。
人の為に自分を犠牲に出来るというのは、究極ですよね。

主要の登場人物が全員クズ!!!!

  • 主人公の十和子は陣冶の稼ぎでぐうたら生活しているし悪質クレーマーだし引っかかる男はどれもダメンズという残念な女・・・
  • そのそばで十和子を愛する陣冶は不衛生で身なりやご飯の食べ方が汚く、生活力もあまりなく彼女に何度も電話してくる心配性(が過ぎてもはやストーカーレベル)で冴えないデリカシーのない(さらに言えば多分EDで男性としての機能も???)男
  • 十和子が8年も忘れられない元カレの黒崎は金のために別の男に十和子を抱かせたり、突然彼女を捨てて別の女と結婚しようとしたり、それに抗議したらボッコボコに暴力をふるってくる男
  • 十和子が新たに出会った時計店勤務の水島はいつも大きなことをペラペラと語る口先だけの人間で簡単に手を出してくる上に既婚だったという男。
  • 黒崎が結婚した妻の叔父に当たる國枝という老人は黒崎が金に苦労していたのを利用して若い女を都合させる

こんな感じで出てくる人出てくる人大体がしょうもない人間なんですけども、ちびぞうが一番気に入らなかったのは主人公の十和子でした・・・。

アホすぎてアホすぎて・・・どうして一度失敗したら学ばないんだろうと・・・どうして何度も同じような男に引っかかるのかと・・・

それにあれだけ愛されてるんだから、陣冶の不衛生なところとかファッションとか身なりに関して、食べ方が汚いのとかも全部十和子が強く言えば直してくれるんじゃないですかね。
だってあれだけ愛されてるんだから。愛されてるのも知ってたんだから。

愛されてるのも知っていたし多分十和子にとっても陣冶の存在は大きかったんだろうなって映画を最後まで観ると分かります。

だからこそ、彼女の終盤までの陣冶に対する態度にイライラしてしまうという。

陣冶は十和子に愛されていた?

なんだかんだ言って十和子は、あの汚くて不器用な陣冶を選んで、そばにいたんだと思います。上で散々「直させればいいじゃん」と書きつつ、わざと十和子は陣冶をあのままにしていたんだとも思うんです。

周りにいるクズ男たちとは似ても似つかないような不衛生感、だらしなさ、生活力のなさ、そして体を求めてこない男性としても機能してなさそうな点。全てが今までの男と正反対で、だからこそ「優しい」と分かる。だからこそ「愛されてる」と分かる。

自分がどれだけ厳しく彼に接しても、だらしない姿を見せて甘えても、彼はそれでもいいと自分を受け入れる。

黒崎と接する時の彼女は猫撫で声で、いかにも「女らしく」取り繕っている感じがした。しかし、素の彼女は全然女らしくもなければ優しさもないし、小さなことで店員にケチをつけたりする心の狭い女だったりする。

陣冶はありのままの十和子を愛したように、十和子もありのままの陣冶だからこそ選んだのだと思う。そこにはちゃんと、いびつな形でも愛があったんだと思う。

あ・・・泣けますね(今きた!涙が!)

陣冶の自己犠牲

このお話の大きなネタバレとして、陣冶の自己犠牲がなんだったのか、という点があります。

序盤から中盤にかけて、陣冶の十和子に対す津異常な愛が彼をストーカーやそれ以上の犯罪的な行為に走らせていた、という風に観客をミスリードしつつ、本当は十和子の犯した罪のため奔走していた・・・というラストでビックリ!!な仕掛けになっています。

1つ目は、元カレの黒崎の失踪。その真実は、結婚するからと別れを告げられボコボコに殴られた十和子が黒崎を殺してしまったということ。十和子は心神喪失状態でありながら陣冶に電話し、異常を察した陣冶がかけつけ、死体の処理をしてくれます。そして死んだように眠っていた十和子が目を覚ますと、彼女は事件の事を忘れてしまっていた・・・。だから陣冶は彼女の罪をかぶり自分がそれを行った・・・という事にしたのです(まだ黒崎の事件は公になっていませんが、公になったとしたら自分が犯人だと自白するつもりだったのでしょう)

2つ目は、水島の件。十和子は再び男に裏切られ、水島をナイフで襲ってしまいます。しかしそこにも陣冶が駆けつけ「俺がやったと言え!」と言って水島を逃がします。この件によって十和子は過去の事件も思い出し、陣冶が自分の為に何をしてくれたのかを知ることになります。

十和子を執拗に心配し、こまめに連絡を入れていたのはストーカーとかそういうものではなく、過去の十和子の行動を考えれば当然の事だった、という事も見えてきます。

陣冶はなぜ最後、あの選択をしたか

多分、二人の関係が破滅的だったからでしょう。

人はどこまでも自堕落になれるし、それを許してしまう人間がそばにいると、状況は上向いていかないんですよね。
本当ならそばにいて、十和子がしっかりしていければ良いんだけど、多分陣冶ではそういう相手にはなれなかったと思うんです。

だから二人の間に特別な愛があっても、ずっと一緒にいるわけにはいかなかったのかなぁと。

陣冶は自分の全てを犠牲にして十和子を守っていたけど、でもそれもずっとは続かない。
今後黒崎の死体が発見され水島の証言などから十和子の罪が明らかになるかもしれません。でも、本当はそうでなくてはいけない。本来なら罪は犯した本人が償うべきだからです。

彼が全てを犠牲にし、自分の命を断ってでも彼女から離れる事で、彼女はこれから先、再び自分の足で歩いて行けるようになると信じたのでしょう。

飛び降りる直前に言っていた

「陣冶は十和子の子どもになって生まれてくるから。陣冶を育てるんやで」

という感じの台詞は結構な気持ち悪さがあり、とても陣冶らしくて良い台詞ですよね(褒めてます)

彼女が罪を償い、きちんとした生活を送り、本当に幸せになれる相手を見つけて、いつか子どもを作り育てる。そんな先までを呪うようにしながら死んでいった陣冶。
決して後味の良い終わりではないんですが、エンドロールが流れる頃には観客は間違いなく「愛」を感じているはず。

まとめ

イヤミスながら心が変に温かくなる、不思議な映画でした。

十和子には最初から最後まで苛立ちますけどね!!

阿部サダヲと蒼井優の主演二人のハマりすぎている名演技もですが、助演のクズ男たちの演技もなかなかに素晴らしいので、その辺にも注目して頂きたいです。

 

 


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画像引用元:映画.com

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少女は国を救えるのか。映画『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』ネタバレ&感想

「第76回ハンガー・ゲームへようこそ」

どうもどうも、ちびぞう(@cbz_ewe)です。

途中でデッドプールの新作が始まったりして記事的に間が開いてしまいましたが、ハンガーゲームの最終章を観ましたので感想を書いていきたいと思います!!

果たして反乱軍の行方は!?そしてカットニスの恋はどうなるのか!!

そしてもう一つ、おそらくフィリップ・シーモア・ホフマンという名優の最期のシーンもこの映画でみられると思いますので・・・ファンは彼のファンは(ちびぞう含め)非常に複雑な気持ちですがちゃんと見届けましょう!!

【映画情報】

【原題】The Hunger Games: Mockingjay – Part 2
【制作国】アメリカ
【監督】フランシス・ローレンス
【脚本】ピーター・クレイグ、ダニー・ストロング、スーザン・コリンズ
【原作】スーザン・コリンズ
【製作】ニーナ・ジェイコブソン、ジョン・キリク
【製作総指揮】スーザン・コリンズ、ジャン・フォスター、ジョー・ドレイク、アリソン・シェアマー
【撮影】ジョー・ウィレムズ
【美術】フィリップ・メッシーナ
【衣装】カート&バート
【編集】アラン・エドワード・ベル、マーク・ヨシカワ
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【視覚効果監修】チャールズ・ギブソン
【出演([]内は役名)】

  • ジェニファー・ローレンス[カットニス・エバディーン]
  • ジョシュ・ハッチャーソン[ピータ・メラーク]
  • リアム・ヘムズワース[ゲイル・ホーソーン]
  • ウッディ・ハレルソン[ヘイミッチ・アバナシー]
  • エリザベス・バンクス[エフィー・トリンケット]
  • ジュリアン・ムーア[アルマ・コイン首相]
  • フィリップ・シーモア・ホフマン[プルターク・ヘブンズビー]
  • ジェフリー・ライト[ビーティー・ラティア]
  • ウィロウ・シールズ[プリムローズ・エバディーン]
  • サム・クラフリン[フィニック]
  • ジェナ・マローン[ジョアンナ・メイソン]
  • ナタリー・ドーマー[クレシダ]
  • スタンリー・トゥッチ[シーザー・フリッカーマン]
  • ドナルド・サザーランド[スノー大統領]

【公開日(日本)】2015年11月20日
【上映時間】137分
【配給】KADOKAWA
【映倫区分】G
【前作】少女は反旗を翻す。映画『ハンガーゲーム FINAL:レジスタンス』ネタバレ&感想
【IMDB】6.5/10.0  (およそ230,000人の評価)

【あらすじ】

カットニス率いる第13地区の反乱軍は、スノー大統領が支配する独裁国家パネムとの最終戦争に突入。カットニスは、ゲイル、フィニック、ピータらとともにスノー大統領暗殺作戦を決行する。しかし、カットニス抹殺に執念を燃やすスノーはその作戦を見抜いており、反乱軍は死のトラップや無数の敵に直面。カットニスはかつてない非道な選択を迫られることになる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.5/5.0

なんというか、こういうシリーズものの最終章は綺麗にまとめるのが難しいと思うんですけども・・・。わりと綺麗にまとまっていたかな?という感じ。

ただやっぱり盛り上がりは前作の方が良かったですね。

おおまかなストーリー

前回の直後、ピータに痛められた首のギプスを外すシーンから始まります!

(このシリーズは2の終わりからここまで、あまり間をあけずに繋がっています!)

首のギプスを外しても、声帯が腫れてるからうまく声が出せないカットニスが痛々しい!ここでもピータにされた洗脳の根深さがうかがえますね・・・。

カットニスはピータと話をしたいと求めるが止められる。
医者には暴れなくなったが、医者は他人だから故郷の誰かに会わせてみるらしい。まずはカットニスの妹、プリムが話をする。故郷(12地区)がなくなり家族も殺されたことを知り、カットニスのせいだと言い始め、条件反射で暴れ始るピータを見てショックを受けるカットニス。

スノー大統領に復讐したいから戦場へ出ると志願するカットニス。
このタイミングでなんでゲイルにキスするんすか!!!!!こいつめ!!!!!
第二地区での戦闘に参加する!山の中の要塞に立てこもっている二地区の皆さん。そこで、山を爆破して生き埋めにする、トンネルは残して民間人は逃がして降伏させる作戦を立てる。
降伏させようとした2地区の男に銃を向けられるが説得に成功。しかし結局、カットニスは撃たれてしまう。ここで

スノーは反乱軍をキャピトルにおびき寄せてゲームメーカーの罠にはめ、それを国民に見世物にしようと言っている。
カットニスへの恋してたことを忘れてしまったピータと会話するカットニスが辛そう。

反乱軍の基地内にて、フィニックとアニーの結婚式が執り行われる。
カットニスとピータの事を思うとせつなぁああああいいーーーーーーーーーー
スノーをこの手で殺すとジョアンナに話すカットニス。するとジョアンナが援護してくれるっぽいことを言ってくれたので基地から忍び出る事に。医療物資を届ける船に忍び込み、ゲイルもいる前線へ向かう!

一人でスノーを暗殺しようとしていたが、首相に狙いはバレており、結局カメラクルーと一緒にプロポ映像の撮影をすることに。

そこになぜか療養中(というか洗脳を解いてる最中の)ピータが連れてこられる!!!
なぜ解放されたの・・・

参加させて戦闘の中で味方だと認識させろって事らしい!!!
荒療治すぎてひどい!!

首相はカットニスを脅威に思ってるらしい。戦争が終わったら選挙なので、その時に大統領に選出されるのは自分ではなくカットニスになる可能性があるから。

夜にピータとカットニスが好きな色の話をするところがかなり泣けますよ!!!
記憶喪失になった恋人というとやっぱり冬ソナを思い出す・・・

キャピトルに侵入後すぐ、メンバーの一人が床の仕掛けを踏んでしまい、広場に閉じ込められて黒い水に襲われるという罠にハマる。そこでボッグス大尉も「上を信じるな」と言って死んでしまう。ボッグスにホロ(敵の仕掛けた殺人マシンがどこにあるか調べる装置)を使える権限を譲渡されたカットニス。新隊長に権限を渡せと言われて揉めかけたけどなんとか説得する。
メンバーの一人、双子の片割れが足を怪我したためもう一人の双子を残して移動。しかしすぐに政府軍がやってきて二人のいる場所を攻撃。その映像を見た政府軍はカットニスが死んだと思い込みその映像を放映する。
死んだことになってラッキーと地下を隠れて移動する。
すぐ監視カメラで生きてるってバレるんですけどね

大統領も持病?毒?で死にそうになっている。

地下道でミュットとかいう化け物に襲えわれてゴリゴリ数が減る仲間たち。
フィニックめちゃかっこいいいいい最期の見せ場を作って死んだね・・・あの結婚式は死亡フラグだったんだね・・・
パニックになったピータにカットニスがキスをしてなんとなく正気に戻す。
地下道を抜けてキャピトルのハンガーゲームの元スタイリストの家にかくまってもらう。

官邸に避難する市民にまぎれてカットニスとゲイルが二人で侵入しようと思ったけど「見つかりそう!!!」というところで反乱軍が襲って来る、官邸を守ろうとした政府が官邸前を爆破し扉前へ集まった子ども達も爆撃の被害にあってしまう。その時の爆撃でプリムが巻き込まれ死んでしまい、カットニスは保護される。

反乱軍は政府との戦争に勝った。スノー元大統領は捕虜に。
そして今は国の中が乱れていてまともに選挙できる状況ではないという理由からコインが暫定大統領に。コインは政府の幹部たちに対して大量の死刑を行う代わりに「キャピトルの子ども達でハンガーゲームを行う」という信じられない意見を言うもみんなが反対する。
カットニスは自分がスノーを処刑すると提案。

しかし彼女が処刑場で狙ったのは、スノーではなくコイン首相!!!だと思った~~

最後、捕らわれたカットニスの元へヘイミッチがやってきてプルタークからの手紙を読み上げる。そして新しい大統領が選挙で決まり、カットニスは故郷のおうちに戻ることができた。
ピータも戻ってくる!!!!!!

アニーはフィニックの息子を産み育て、カットニスの母親は医療班を率いていて、ゲイルは第2地区で大佐になったらしい。

そしてカットニスはピータと幸せな家庭を築いた・・・
ラスト、カットニスの優しい子守歌が流れて終わる

ハッピーエンドォ!!

恋の行方の結末は

胡散臭かったコイン首相が、最後のプリムが死んでしまった爆撃の首謀者だったんですねー。
そしてその計画を知りつつ彼女に従ったゲイルも、カットニスに見限られてしまうんですねーーー。

ゲイルも故郷の人達を殺されてから、復讐の鬼になってしまい、政府を、スノー大統領を倒すためにはやり方を選ばないという感じになってしまったんでしょうね。

まぁ、そんなエピソードがなくてもピータが選ばれるのは分かっていたけどね!!!

ゲイルは故郷の幼馴染であり初恋の人って立ち位置の人だったんですけども、あまりにも何もしなかったので、もう少しカットニスの心を揺さぶる行動をしてくれても良かったかなぁ・・・。最後の方なんか完全に

「もうピータのこと好きなんだろ?分かってるよ」

って感じで女々しくなってたしね・・・。

なんだかんだでハッピーエンドで、ピータが幸せになれて本当に良かった・・・。

一番の見どころは

プロポ映像の撮影隊に混ざったピータが夜、カットニスに何が本当のことか、と問いかけるシーンが最高に泣けます!!!!!

昔、何気なく話したピータの好きな色や、靴紐の結び方や、彼がどういう人間だったのかを話してあげて、それは真実よ。と教えてあげるカットニス・・・。

どんな色が好き?という話は以前、二人でしていた何気ない会話の中にあった台詞なので

伏線だったのねーーー!!!と感動しました・・・。

ただ単に失った記憶を取り戻させるというよりは、彼が信じられることから少しずつ教えてあげて、洗脳された状態でも、また一からカットニスの事を信じられるようにした・・・という脚本が良かったです。

カットニスはなぜ最後あの選択をしたのか

スノー大統領ではなく、コイン首相を殺したのか、というところですね。

首相は元から胡散臭い人だったけど、結論から言えば「第二のスノー」になりそうな人材だったからということでしょう。

子ども達(プリム含め)を爆撃で死なせる計画を立てたり、死刑の代わりにキャピトルの子ども達でハンガーゲームしようとか言い始めたり、大統領は選挙で決めるって言いつつ自分を暫定大統領にしたいとか。
カットニスが選挙で邪魔になる予想も立てていたので、もしかしたら暗殺するつもりもあったかもしれませんね。

スノーはもう病気で老い先短いし、彼をわざわざ殺すのではなく、未来のスノーになり得る人物を殺せるタイミングで殺しておいた、という感じだと思います。
本格的にコインが政権を握ってしまったら、また暗殺するの大変ですしね。

まとめ

当初の、子ども達が殺し合うハンガーゲームの片鱗は全くなくなってしまい、最終的には政治的な戦争に発展していってしまいましたが・・・自然な流れだったので良かったかな。ちびぞう的には。

ピータとゲイルの間で揺れる恋心・・・の部分はぶっちゃけ、要らなかったのでは?と思ってしまいますけども(笑)
だってあまりにもゲイルの分が悪すぎるんだもんんんn

 

ちなみに、最後のプルタークからの手紙のシーン。きっと撮影完了に間に合わずホフマンさんが亡くなってしまったため、本来であれば面会するシーンを手紙のシーンに置き換えたんだと予想しています。
うう、切ない。ホフマンさんが最後にカットニスに直接話をしに来るシーンは、とても良い場面になっていたと思うんですよね。

それが、仕方のないこととは言え、非常に惜しく思えました。
ホフマンさんのご冥福をお祈りいたします。

 

若くして反乱軍のシンボル、マネシカケスになったカットニスを演じたジェニファー・ローレンスの演技は本当に素晴らしかったです。彼女のハスキーな声も見た目も大好き!!彼女のファンなら楽しめること間違いなし!!

最近の彼女の映画ですごく面白かった『レッド・スパロー』の記事を紹介しておきますね!!

美しき、国家の武器。映画『レッド・スパロー』ネタバレなし感想

 

 


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少女は反旗を翻す。映画『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』ネタバレ&感想

世界の運命は、一人の少女に託された―――

はい、どうもちびぞう(@cbz_ewe)です!

前回に引き続き、ハンガー・ゲームの三作目の前編を観ていきます!

反乱軍がついに動き出す!!という事でですね、今までよりもサバイバルゲームらしさは薄れてだいぶ政治色の強い作品になってきています。

役者陣には今作から『アリスのままで』や最近だと『キングスマン:ゴールデン・サークル』にも出演していたジュリアン・ムーアが参戦!反乱軍を率いるコイン首相を演じます。

待望の新作は成功か失敗か。映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』ネタバレ&感想

それと今までノーマークでしたが、ゲイル役のリアム・ヘムズワースは『マイティ・ソー』のソー役で有名なクリス・ヘムズワースの実弟らしい!!!知らなかった!でも言われてみれば似ていますね!!

雷神ソー、爆誕!映画『マイティ・ソー』ネタバレ&感想

フィリップ・シーモア・ホフマンの活躍にも期待したい!
今作は、色んな意味で切ない作品になるかも・・・。

【映画情報】

【原題】The Hunger Games: Mockingjay – Part 1
【制作国】アメリカ
【監督】フランシス・ローレンス
【脚本】ダニー・ストロング、ピーター・クレイグ
【原作】スーザン・コリンズ
【製作】ニーナ・ジェイコブソン、ジョン・キリク
【製作総指揮】スーザン・コリンズ、ジャン・フォスター、ジョー・ドレイク、アリソン・シェアマー
【撮影】ジョー・ウィレムズ
【美術】フィリップ・メッシーナ
【衣装】カート&バート
【編集】アラン・エドワード・ベル、マーク・ヨシカワ
【視覚効果監修】チャールズ・ギブソン
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【出演([]内は役名)】

  • ジェニファー・ローレンス[カットニス・エバディーン]
  • ジョシュ・ハッチャーソン[ピータ・メラーク]
  • リアム・ヘムズワース[ゲイル・ホーソーン]
  • ウッディ・ハレルソン[ヘイミッチ・アバナシー]
  • エリザベス・バンクス[エフィー・トリンケット]
  • ジュリアン・ムーア[アルマ・コイン首相]
  • フィリップ・シーモア・ホフマン[プルターク・ヘブンズビー]
  • ジェフリー・ライト[ビーティー]
  • スタンリー・トゥッチ[シーザー・フリッカーマン]
  • ドナルド・サザーランド[スノー大統領]
  • ウィロウ・シールズ[プリムローズ・エバディーン]
  • サム・クラフリン[フィニック・オデイル]
  • ジェナ・マローン[ジョアンナ・メイソン]
  • マハーシャラ・アリ[ボッグス大佐]
  • エルデン・ヘンソン[ポラックス]
  • ナタリー・ドーマー[クレシダ]
  • エバン・ロス[メッサラ]
  • ウェス・チャサム

【公開日(日本)】2015年6月5日
【上映時間】122分
【配給】KADOKAWA
【映倫区分】G
【前作】少女は再び戦場へ。映画『ハンガー・ゲーム2』ネタバレ&感想
【次作】ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション
【IMDB】6.7/10.0  (およそ357,100人の評価)

【あらすじ】

記念大会として特別に開催された第75回「ハンガー・ゲーム」の闘技場から危機一髪で救出されたカットニスは、滅亡したとされていた第13地区の地下にある、反乱軍の秘密基地に収容される。そこでコイン首相率いる反乱軍は、スノー大統領が絶対的な権力を握る独裁国家パネム打倒に向けた準備を進めていた。カットニスも革命のシンボルとして反乱軍とともに戦うことを決意するが、スノー大統領はピータを人質にし、反乱の芽を摘み取ろうとする。反乱軍はピータ救出作戦を決行するが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.7/5.0

これまでの作品を観ている前提で書いていきますので今作のネタバレ=今までの作品のネタバレにもなりますからね!!!注意してくださいね!!!

 

さて、前作のラストは記念年のゲーム自体が反乱軍に仕組まれていたものだった、革命だった!というところで終わっていましたね~。
そこから完全に地繋ぎの形で、鎮静剤を打たれたカットニスが目覚めるところから始まっています。

12地区出身の元ゲーム優勝者で教育係のヘイミッチ、お世話係のエフィー、元ゲーム・メーカーのプルターク、同じく12地区出身の幼馴染でピータの恋敵ゲイル、前回のゲームで仲良くなった歴代優勝者のフィニックなどなど見慣れたメンバーが続々と登場します。

新キャラとしてはジュリアン・ムーア扮するコイン首相が登場します。
何やら疫病で夫と子どもを亡くした過去がある哀しい女性のようなんですが・・・どうにもこの人、うさんくさい。(笑)

滅ぼされていたと思われていた13地区が実は反乱軍の隠れ家になっており、今作はそこで保護され、国全体にプロパガンダ映像を送ったりするカットニスの生活や、捕虜となったピータがキャピトルのアイコンとして利用される様子などが描かれます。

多分、この辺りで「ピータに会いたい!!!!」と切なくなる女性客が増加するはず。

ちびぞうはそうでした。

少しコミカルで笑えるシーンも

大きな戦いに備える位置の作品だからか、今までの作品よりも笑いを狙ったシーンが多かったように感じました。

プロパガンダ映像を撮ろう!と言ってカットニスに台本を読ませるんですけどそれがへったくそなのがすごく可愛い。台詞を下手に読む演技も上手い!!さすがのジェニファー・ローレンス嬢です。

個人的にはカットニスのお世話係をしていたエフィーのシーンが特に面白くかったです!!!

元々、キャピトルの市民だった彼女。反乱軍へ自ら赴いて仲間になったようですが、今までの派手でオシャレな生活から一転、灰色のツナギを着せられて不満たらたらです(笑)

「大体どこでも幹部にはあるはずでしょ!横流しが!ここは規則が厳しすぎるのよ!」

と騒ぐ彼女が可愛い(笑)

地味な服しか着られない中で彼女なりのオシャレをしているところも注目です。

それから、衣装で思い出しましたが今作は毎回カットニスの派手で奇抜でオシャレな衣装が印象的なんですよね。

今作でも、前作で殺されてしまったデザイナーのシナの遺したノートを元に、カットニスの反乱軍のシンボル”マネシカケス”の新しい衣装も披露されますのでそちらもチェック!!

ピータの安否は?恋の行方は?

今までの2作で散々、ゲイルなのかピータなのかフラフラフラフラしていたカットニスでしたが、そろそろ、本人的にも周り的にも「ピータが好きそう」って感じが見えてきましたね。

というかそうでなければピータが可哀そうすぎるけどね!!!

今作では捕虜となったピータが拷問を受けながらキャピトルの国内放送に出演させられていて、衣装や髪型はバッチリ決まっているのに顔がどんどんやつれていくのが本当に可哀そうで辛くて・・・。

ピータかカットニスかを選んで救ったという反乱軍に怒りが湧く気持ちもわかります。
(反乱軍のシンボルとしての彼女に価値を見出し、ピータを救おうとした首相に反対してプルタークがカットニスを救うのを選んだと話していましたね)

ラスト付近で救出部隊が組まれピータは無事に救出されますが、彼はトラッカー・ジャッカーという殺人蜂の猛毒を使って「カットニスは敵だ、悪だ」と洗脳されてしまっていて、せっかく感動の再会か・・・!?と思ったのに、ピータはカットニスを襲ってしまうんです・・・!!!

そしてそこで映画が終わる・・・。

せ、切ない!!!!!!!泣ける!!!

(でもなんとなく冬ソナのような展開だなぁとうっすら思ったりして)

でも、こうなったなら確実に最後にカットニスと結ばれるのはピータだなって思いますね。安心。

まとめ

シリーズ追うごとに面白くなくなる作品が多い中、今作は回を増すごとに盛り上がっていく感じがしますねーーーーー。

あとはもう終わり方がどうなるのかどうか。というただそれだけって感じです。

元々のハンガー・ゲームが楽しくて観てた人からしたらこの辺りでもうハンガー・ゲームしなくなるので、面白くないと思うかもしれませんが・・・まぁでもそういう最初の設定は段々変わっていきますよね。メイズ・ランナーでも迷路してるの最初だけだし。

 

個人的に、フィリップ・シーモア・ホフマンがこの映画のクランクアップ手前で亡くなってしまたということで、いつ出番がなくなってしまうかハラハラしながら観ていました。
今作ではちゃんと最後までいたよ・・・!良かった!!

エンドロールの時に「フィリップ・シーモア・ホフマンに捧ぐ」という追悼のメッセージが出たのでそこでもう涙腺がやられてしまいました・・・。

ホフマンさんのファンなら彼の最期の作品ですので絶対に観ましょうね!!!!

最後の最後まで素敵な俳優さんですから・・・!!!

脱線しました、ここまで読んでいただきありがとうございました。ちびぞうでした。

 

 


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画像引用元:映画.com