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愛国者の日に起きた爆弾テロ。映画『パトリオット・デイ』ネタバレ&感想

犯人を見つける。他の人間にこんな事をする前に―――必ず見つけてやる

2013年4月15日(愛国者の日)にボストンマラソンで実際に起きた爆弾無差別テロを元に映画化した作品。

最近、こういう実話ベースでドキュメンタリーの枠を飛び越えてきたって感じの映画が増えてきましたねー。

主演は、『トランス・フォーマー』シリーズのマーク・ウォールバーグ。脇を固める俳優に『フットルース』『インビジブル』ケヴィン・ベーコン『トランスフォーマー』シリーズや『キングコング:髑髏島の巨神』ジョン・グッドマン『セッション』のJ.K.シモンズなどなど、本当に名優ばかり!!!!

これだけでも観る価値有り!ですよー。

【映画情報】

【原題】Patriots Day
【制作国】アメリカ
【監督】ピーター・バーグ
【脚本】ピーター・バーグ、マット・クック、ジョッシュ・ゼッツマー
【原案】ピーター・バーグ、マット・クック、ポール・タマシー、エリック・ジョンソン
【製作】スコット・ステューバー、ディラン・クラーク、マーク・ウォールバーグ、スティーブン・レビンソン、ハッチ・パーカー、ドロシー・オーフィエロ、マイケル・ラデュツキー
【製作総指揮】エリック・ジョンソン、ポール・タマシー、ニコラス・ネスビット
ダン・ウィルソン、ジョン・ローガン・ピアソン、ルイス・G・フリードマン
【撮影】トビアス・シュリッスラー
【美術】トム・ダフィールド
【衣装】バージニア・B・ジョンソン
【編集】コルビー・パーカー・Jr.、ガブリエル・フレミング
【音楽】トレント・レズナー、アティカス・ロス
【出演([]内は役名)】

  • マーク・ウォールバーグ[トミー・サンダース]
  • ケヴィン・ベーコン[リック・デローリエ]
  • ジョン・グッドマン[エド・デイヴィス]
  • J.K.シモンズ[ジェフ・ピュリジーズ]
  • ミシェル・モナハン[キャロル・サンダース]
  • アレックス・ウルフ[ジョハル・ツァルナエフ]
  • セモ・メリキッゼ[タメルラン・ツァルナエフ]
  • ジェイク・ピッキング[ショーン・コリア―]
  • ジミー・O・ヤン[ダン・マン]
  • レイチェル・ブロズナハン[ジェシカ・ケンスキー]
  • クリストファー・オシェイ[パトリック・ダウンズ]
  • メリッサ・ブノワ[キャサリン・ラッセル]
  • ジェームズ・コルビー[ビリー・エヴァンス]
  • マイケル・ビーチ[デヴァル・パトリック]
  • ヴィンセント・カラトーラ[トーマス・メニーニ]

【公開日(日本)】2017年6月9日
【上映時間】133分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.4/10.0  (およそ63,010人の評価)

【あらすじ】

13年4月15日。ボストン警察の殺人課に所属する刑事トミーは、 「愛国者の日(パトリオット・デイ)」に毎年開催されるボストンマラソンの警備にあたっていた。50万人の観衆で会場が埋め尽くされる中、トミーの背後で突如として大規模な爆発が発生。トミーらボストン警察の面々は事態を把握できないまま、必死の救護活動を行なう。そんな中、現場に到着したFBI捜査官リックは、事件をテロと断定。捜査はFBIの管轄になるが、犯人に対し激しい怒りを抱えるトミーは、病院に収容された負傷者たちから丁寧に話を聞いてまわる。やがて、監視カメラに映っていた「黒い帽子の男」と「白い帽子の男」が容疑者として浮かび上がる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレあるかも?)】

☆2.5/5.0

観てから感想を書くまでにしばらく置いておいたら、だいぶ記憶が薄れてきてしまいました・・・。記憶が薄れてしまう、と言うのはまぁつまりそんなに心に残らなかったってことなんですけどね・・・。別に面白くなかったわけではないんだけどなぁ。

臨場感はわりとある!

クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』やキャスリン・ビグロー監督の『デトロイト』ほどではないですが、オープニングから

ーーーー午後10時16分 ○○家ーーーー
老人ホームで看護する妻と旦那の夜。老人からネックレスをもらったと嬉しそうに話す妻。
論文を書いている旦那。明日は二人で休みだからマラソンに出なきゃという妻。サッカーを観たい夫。

ーーーーー午後11:28ーーーーーー
マサチューセッツ大学。ロボット工学の研究室?犬のロボット。警備員も学生と仲良さそう。特にアジア系の女の子と良い感じっぽい。

ーーーーー午後0:55ーーーーー
トニー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)の家。
家に帰ってくる主人公。部屋から出てってと言われてソファで寝るトニー。家庭内別居中?野球カードを観ながら酒を飲むトニー

◆2013(土曜)愛国者の日

ーーーーー午前7時ーーーーーー

マラソン開始三時間前。アジア系の男の子がテレビ電話で車を自慢している。それからマラソンの準備?

ーーーーーー午前7:8ーーーーーーーー
ツェルナフの家。イスラム系の家庭?息子が危ない動画(テロリスト?)を見てる。

このような感じで日にちと時間が表示され、事件当日の朝の様子から犯人が捕まるまでの102時間までをリアルタイムではないんですがそれに近い感覚で追うことが出来る仕組みになっています。

信じるものが違うだけという難しさ

いわゆる宗教観の違いというやつですね。

宗教的な事で争うことがほとんどない日本では、自分の信じるものと違うものを信じている人と揉めるってどんな感じなんだろうってちびぞうは思います。全く、身近でないテーマです。

どんな家庭環境の中で育ってきたのか、という事だけでも結構人格には大きな影響を及ぼすと思うんですが、それが宗教も絡んでくると余計に根深い問題へと広がっていくんだなぁ。という当たり前のことしか言えない。

今回、犯人だったイスラム系の男性の奥さんは、何か知っていることを話せと警察に言われても、決してその瞳を濁らせず真っすぐな瞳で「ムスリムの妻は戦い、服従する。美しい無償の愛を2つの主人に喜んで捧げる」と答えるんですよね・・・。彼らが何を信じ何と戦っているのか、という歴史的なそして宗教的な背景を理解していないと、今作の伝えたいものというのは伝わらないかもしれません。

まとめ

今作の背景を何も知らない、というのも楽しめなかった要因の一つなのかな。
ちびぞうは、最近のこういうドキュメンタリーの枠を超えてきた「壮大なザ・世界仰天ニュース」の再現VTRみたいな映画がちょっと苦手なところがあるんですよね。

特に、ラストで実在の人の写真を載せたりインタビューを載せたりするのがなぁ・・・ドキュメンタリーと映画の境目があいまいになってきそうというか。
映画なら、脚色するその監督の色みたいなものが出て、その事件をよく知らない人でも楽しめる「エンターテイメント」にはなっていないといけないかなって思うんです。

今作は群像劇もあって、ドラマチックな展開もあって、面白くないわけではない。だけどガス監督の『エレファントを崇拝しているちびぞう的には、もーーーー少しなんというか監督の色味のようなものが欲しかったかな、と思いました。

 

 


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画像引用元:映画.com

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愛してくれる人達を忘れない。CGアニメ映画『リメンバー・ミー』ネタバレ&感想

”それは、時を超えて―――家族をつなぐ、奇跡の歌”

劇場で予告編を観た時は、「DVDで良いかなぁ」と思っていたんですけども、公開後に多方面から絶賛の声が聞こえてきまして。これは足を運んでみねば、となりましたね。

ピクサー初のミュージカルアニメという意味でも、興味を持たれてる方が多いのかな~。

というか何故にこれ系の映画は「吹き替え版」しかやってないところばかりなんですかね!?田舎だからですか!?岐阜が田舎だからですかね!?基本はアニメ映画も字幕で観たい派なんですけど、やってなければ吹き替えで観るしかないですよねぇええ

今回、パンフを買ってみて初めて気付いたんですけども、今作に登場するヘクターというキャラクターの声をちびぞうが愛してやまないガエル・ガルシア・ベルナルが演じている!!!!

あぁーーーー字幕で観れば良かった(;;)いつか絶対観る(;;)

パンフはこちら。いつものディズニーのCGアニメ御用達の四角いパンフです。

キラッキラの星が散りばめられた豪華な表紙を飾るのは主人公ミゲルと犬のダンテ、ヘクター。42Pで税抜き667円。メキシコの豆知識ページが載っています!全部のページが表紙なのかってくらいツルツルしてて指が滑る、滑る!

【映画情報】

【原題】Coco
【制作国】アメリカ
【監督】リーアン・クリッチ
【共同監督】エイドリアン・モリーナ
【原案】リーアン・クリッチ、エイドリアン・モリーナ、ジェイソン・カッツ
【脚本】エイドリアン・モリーナ
【製作】ダーラ・K・アンダーソン
【製作総指揮】ジョン・ラセター
【歌曲「リメンバー・ミー」作詞作曲】クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス
【歌曲共同作詞/楽曲製作&編曲】ジャーメイン・フランコ
【歌曲/民族音楽コンサルタント】カミロ・ララ
【音楽】マイケル・ジアッキーノ
【アニメーター】原島朋幸
【シミュ―レーション・アーティスト】小西園子
【声の出演([]内は役名)】

  • アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩[ミゲル]

  • ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人[ヘクター]

  • ベンジャミン・ブラット/橋本さとし[エルネスト・デラクルス]

  • アラナ・ユーバック/松雪泰子[ママ・イメルダ]

  • レニー・ヴィクター/磯辺万沙子[エレナ]

  • ハイメ・カミーユ/横山だいすけ[パパ]

  • アナ・オフェリア・ムルギア/大方斐紗子[ココ]

  • ナタリア・コルドバ=バックリー/渡辺直美[フリーダ・カーロ]

  • ソフィア・エスピノーサ/恒松あゆみ[ママ]

【公開日(日本)】2018年3月18日
【上映時間】105分
【配給】ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
【映倫区分】G
【IMDB】8.5/10.0  (およそ138,200人の評価)

【あらすじ】

天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。【引用元:映画.com

【感想(結末までネタバレ!!!)】

☆4.1/5.0

泣きました!!!音楽も色彩も脚本も本当に素晴らしくって、面白かった!これは名作!

子供向けではないですね!大人が観て、考えて、そして泣く。そんな映画です。

いつも思うけどディズニーって社会情勢を反映させるの上手だよね。メキシコ移民がアメリカで犯罪を起こしてるから壁を作ろう!なんて話がある中であえてのメキシコを舞台にしたこの物語・・・。本国アメリカの人がこれを観てどう思うかは分かりませんが、私たちにとってはニュースでしか知らないメキシコの印象というか、先入観のようなものが少しでもなくなって、日本と身近な死生観を持った人たちなんだなって少し親しみがわいてきたらいいなって思ってます。

目を奪われる色彩!

まずオープニングで目にするのはメキシコの切り絵細工”パペル・ピカド”。
カラフルな紙に切り絵を施したものを紐に通し、旗のように飾っています。この切り絵の絵が動いて、かつてミゲルの家族(先祖)がどのように音楽を禁止していったか、の過程を見せてくれます。

この表現は『モアナと伝説の海』で、マウイのタトゥーが動くっていうアニメーションでも見た感じですね!

この、伝統的なデザインを使ってアニメーションにするっていう手法が本当に大好きです!!現地の文化へのリスペクトを感じます!!!

南の島の大冒険!映画『モアナと伝説の海』ネタバレ&感想

 

それから、メキシコの伝統的な祭礼行事”死者の日”を舞台にしている本作では、とにかくその街中の色彩だったり、祭壇だったり、散りばめられたマリーゴールドがカラフルで美しい!さらにさらに、現実の世界よりもさらに、ミゲルが迷い込んでしまう”死者の世界”が煌びやか、彩度が高くて極彩色の世界。死者の世界なのに、陰気な気配はまるでないです。でも、絶対的な死の象徴であるドクロだったりはキャラクターにも街並みにも反映されていて、しっかりと死者の国だってアピールは忘れていない。間違いなくあの世だけど、決して苦しい場所ではないんだっていう雰囲気が色合いからも伝わってきます。

耳に残る音楽!

いつもディズニーの曲は耳に残るものばかりで、あとから脳内ヘビロテが始まるんですけども、今回の『リメンバー・ミー』は相当強い!!

劇場を出た瞬間から歌えるようになっていました!!!

この曲は物語のキーアイテムとしても役割をしっかりと持っていて(あとでちゃんと書きますが!)、曲であることの意味がしっかりとある。ミュージカル映画でここまでしっかり役割を果たしているのも、なかなかないんじゃないでしょうか?

おおまかなストーリー

主人公ミゲルのひいひいじいちゃんに当たる人家族を捨てて音楽で生きる道を選んでしまったから、ひいひいばあちゃんは音楽を家族に禁じるようになる。
ミゲルは本当は音楽の才能に溢れ、音楽を愛する少年だけど家族に反対されているから、家で歌う事すら許されない。秘密の隠れ家で、同じ町出身で有名になったあこがれのエルネスト・デラクルスという歌手でありスターの映画を観ながらこっそりギターで弾き語りしている。

分かりやすくパンフに載ってた家族の相関図を貼っときますね!

ココひいばあちゃんは、いなくなったパパを今でも想っていて、口を開けば「パパ?帰ってきたの?」と言う。でも、もう家族のことは誰が誰だか分かっていない状態。切ない。

死者の日には祭壇を作り、先祖の写真を飾るのがメキシコの風習。写真を飾らないと、ご先祖様が帰ってこれない、ということらしい。これは、日本のお盆と似ていますよね。日本もお盆になると精霊馬と呼ばれるきゅうりやナスに脚をつけて馬に見立てたものを飾ったりします!これはご先祖様が行き帰りに乗る乗り物。それと同じで、メキシコではマリーゴールドの花弁を巻く。香りの強いこの花びらが、先祖様が迷わず自分たちの家に帰れるよう道案内の役割をしているらしい。しかし、ひいひいじいちゃんの写真だけは顔の部分が破られていて、飾られていない。

死者の日当日。ミゲルは町の広場で行われる歌のコンテストに出ようとするも、家族に見つかりエレナおばあちゃんにギターを壊されてしまう!どうしてもコンテストに出たいミゲルは、「チャンスを掴め!」という言葉を思い出しデラクルスの墓所に飾られたギターを盗もうとする。ギターに触れた瞬間、見つかりそうになるも周囲の人にミゲルの姿が見えなくなる。それどころかすり抜けてしまう。ミゲルは死者の世界に来てしまっていた。
戻ってきていた家族の先祖と一緒に死者の国へ行き、ひいひいばあちゃんであるママ・イメルダと会う。家族に「許し」を与えられ、マリーゴールドの花弁を渡されれば生者の世界に戻れるらしいが、イメルダの出した条件は「2度と音楽に関わらないこと」。それを受け入れられないミゲルは逃げ出し、破られていた写真に写っていたひいひいじいちゃんが手に持っていたギターがデラクルスの物と知ったミゲルは「彼がひいひいじいちゃんだ!」と確信。
日の出までに家族に許しをもらわないと、完全に死者の国の一員になってしまうらしい。なんとかデラクルスに会って、彼に許しをもらおうと急ぐ。

デラクルスの居場所を知るという男ヘクターに出会ったミゲルは、誰からも写真を飾ってもらえず、忘れ去られそうになっている(誰の思い出にも残らず忘れ去られてしまうと、人は2度目の死を迎える。死者の国からも消えてしまうらしい)という彼の写真を「帰ったら飾ってあげる」という約束をして、デラクルスの場所まで連れて行ってもらおうとする。

家族の追跡から逃げつつ、デラクルスと会えたミゲル。しかしそこで、実はデラクルスは夢を諦めて家へ帰ろうとしたヘクターを殺し、曲とギターを奪って有名になった・・・という最低の嘘つき野郎だった事が明らかになる。真実を知ったミゲルを帰すわけにはいかないと、閉じ込めるデラクルス。
デラクルスの元からの脱出、そしてヘクターや家族と力を合わせてデラクルスを倒すまでの過程で、本当はヘクターがひいひいじいちゃんだったと知る。イメルダにも「何の条件も出さずに許すわ」と言われて大団円!と思いきや、ヘクターの写真は戦いの最中でどこかへ行ってしまったし、日の出も間近。早く帰らなければミゲルも人間に戻れない。しかし、ヘクターも消えかけている。唯一彼を覚えていたママ・ココがパパの事を忘れかけているからだ。
ヘクターに「必ずヘクターの事をママ・ココに思い出させるから!」と言って生者の世界へと帰るミゲル。

何も語らず何も聞いていないようなママ・ココに、必死でパパのことを思い出して!と言うが反応がない。しかし、ミゲルがギターを弾き、ヘクターが小さかったママ・ココのために作った『リメンバー・ミー』を歌い出すと、ママ・ココも反応し、一緒に歌い始める!
そして、引き出しの中から破られていた写真の切れ端を出してくれる。

1年後の死者の日。イメルダとヘクターから始まる家族全員の写真が飾られた祭壇の前に、生きている家族も死んでいる家族も全員がそろって、ミゲルの歌を聞いていた。

脚本も素晴らしいです

最初に、ギターを盗むシーンで「いけないことをするなぁ」と思っていたんですが、それは後半のデラクルスの「チャンスをつかむためには何でもする」という言葉でミゲルをハッとさせるんですよね。チャンスを掴もう!という言葉を信じて盗むに入ってしまったけど、それは本当は良くないことだった、というのをデラクルスのやった出来事を知ることで気付くことが出来る仕組みになっているんですよね!

それから、ママ・ココの「パパはどこ?帰ってきたの?」という序盤のセリフも、まだママ・ココが覚えていてくれているからヘクターが今日まで存在出来ていたんだな、という説得力にもつながりますし。ラストで一度は忘れてしまうけど、曲を聴いて歌い出すシーンは本当に感動できます。
昔ニュースで見た、老人ホームで認知症の進んだご老人に昔好きだった曲を聴かせると過去の思い出が蘇り、症状も改善するというのを思い出しました。音楽というものは本当に偉大で、潜在意識に刻まれているんですよね。こういう事だけでなく、例えばテストの時の語呂合わせも曲をつけてみると覚えやすかったりとか、音楽って本当に記憶と密接に結びついてると思うんです。
この、ママ・ココが思い出すことが死者にとってどれほど重要な事か、ということを十分に見せられているので、そのキーになるのが歌である、というのはミュージカル映画でこれ以上ない演出だったと思います。

素晴らしい(;;)

原題が「Coco」なのも良いですよね。『リメンバー・ミー』も良いけど、この話はミゲルが主人公のようでいて本当はヘクターとココの物語でもあるわけで、あの曲はヘクターがココの為に作った曲でもあるから、映画を観終わったあとにタイトルの意味を考えると余計にジーンとくると思います(;;)

素晴らしい(;;)

ちょっと気になったけど

亡くなったママ・ココが死者の国へ行った時、白髪なんですよね。でも他の死者たちはみんな黒髪だったりする。それが不思議だったな。

ちびぞうが思うに、ヘクターが女装をしたりするときに、髪はカツラかな?と思えるシーンがちょこちょこありました。つまりみんなほんとは髪がないけど、自分の好きな髪型のカツラをかぶっているのかな、と。
で、なぜママ・ココは白髪だったのか。それは多分、埋葬されている時の姿と死者の国でいる時の姿がリンクしているからかなー。と。埋葬されたばかりの時は白髪だけど髪もあって、でも時間が経つにつれて骨だけになっていくから、みんなだんだん髪がなくなって、カツラをかぶるようになる。そんな感じなのかなーと。

結構、死者の国にしてみても深く細かく設定されてそうですよね。
細かい部分まで見て、楽しめます。

まとめ

メキシコの死生観がまず素敵。忘れられることで2度目の死を迎えるって考え方も素敵。

死者の世界がきらびやかで、美しいところも好き。みんな楽しそうだし、前向きですよね。

 

お話としての簡単な驚きも隠されていますし、今周りにいるだけではない、もう亡くなってしまった「自分の家族」についても改めて考えられる、本当にいい映画だったと思います。

曲もメキシカンなものが多くて、耳に新しいし、でもすごくキャッチ―で覚えやすい。

 

最後に出てくるスタッフからの「支えて愛してくれた人たちを忘れない」というメッセージもすごく泣けます(;;)

ぜひともこれは、劇場で何度も!観て欲しい作品です!!!

 

 


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さ行

真の信仰とは?映画『沈黙 ‐サイレンス‐』感想&ネタバレ

主はなぜこんなみじめな者まで愛せるのか?

画像引用元:映画.com

『ソーシャル・ネットワーク』、『アメイジング・スパイダーマン』、『ハクソーリッジ』なんかで活躍中のアンドリュー・ガーフィールド主演作!

スコセッシ監督の作品は難しくてとっつきにくい・・・という印象のある監督さん。今作は、日本でのキリシタン弾圧を書いた日本人作家の『沈黙』という作品が原作になっています。(読んではいませんが!)

私自身は特に信仰心などはないんですが、幼稚園と高校をカトリック系のところで過ごしたため、なんとなくキリスト教をテーマにした作品は身近に感じてしまうんですよね。

外国人の監督さんが日本で起きた宗教弾圧をテーマに、沢山の日本人俳優さんも起用されて、どんな作品になるんだろう?と興味津々で鑑賞しました。

【映画情報】

【原題】Silence
【制作国】アメリカ
【監督】マーティン・スコセッシ
【原作】遠藤周作『沈黙』
【脚本】ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
【製作】マーティン・スコセッシ、エマ・ティリンガー・コスコフ、ランドール・エメット、バーバラ・デ・フィーナ、ガストン・パブロビッチ、アーウィン・ウィンクラー
【製作総指揮】デイル・A・ブラウン、マシュー・J・マレク、マニュ・ガルギ、ダン・カオ、ニールス・ジュール、チャド・A・ベルディ、ジャンニ・ヌナリ、レン・ブラバトニック、アビブ・ギラディ、ローレンス・ベンダー、スチュアート・フォード
【撮影】ロゴリゴ・プリエト
【美術】ダンテ・フェレッティ
【衣装】ダンテ・フェレッティ
【編集】セルマ・スクーンメイカー
【音楽】キム・アレン・クルーゲ、キャスリン・クルーゲ
【出演([]内は役名)】

  • アンドリュー・ガーフィールド[セバスチャン・ロドリゴ]
  • アダム・ドライバー[フランシス・ガルペ]
  • 浅野忠信[通辞]
  • キアラン・ハインズ[ヴァリニャーノ]
  • リーアム・ニーソン[クリストバン・フェレイラ]
  • 窪塚洋介[キチジロー]
  • イッセー尾形[井上筑後守]
  • 塚本晋也[モキチ]
  • 小松菜奈[モニカ]
  • 加瀬亮[ジュアン]
  • 笈田ヨシ[イチゾウ]

【公開日(日本)】2017年1月21日
【上映時間】159分
【配給】KADOKAWA
【IMDB】7.2/10.0  (およそ62,000人の評価)

【あらすじ】

17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指す若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.2/5.0

いやぁなかなかに考えさせられる作品でした。

当時のキリシタン弾圧が行われた日本側の事情というものを私は何も知らずに観たんですが、監督の言いたいことはなんとなく分かりました。

この作品の面白いところは、「別にどの宗教だっていいんじゃないか」という前提で「どこまで神を信じられるか」と説いているところだと思うんですよね。ただ単に、イエス万歳、キリスト教万歳!と言いたい作品ではなく、もっと大きな意味での「信仰とは」という部分に疑問を投げかけているんだと思います。

イエズス会の教えを信じ、「自分たちの師が棄教(自分の宗教を捨てること)したなんて信じられない、日本には自分たちの救いを待っている信者がたくさんいて、彼らを救わねばならない!」と長崎に渡る二人の宣教師。

しかし渡ってみれば自分たちの宗教は間違った形で日本に広がっており、自分たちがいるから殺されてしまう人々がいて、自分たちが棄教すれば救われる人々がいる。信仰を捨てることが信者を助けることになるという矛盾の中で苦しんでいても、神は何も言ってくれない。ただただ「沈黙」するのみ。その「沈黙」が何より恐ろしい、という主人公(ロドリゴ宣教師)の言葉は、なるほどなと思わさせられましたね。

他の映画でも時々、神を信じられなくなったという人が「あれだけの不幸が起きても神は救ってくれなかった。神など存在しないんだ」と言っている場面をよく見かける気がします。そういった理由で信仰を捨てる人はとても多そうだし、この映画では、そんな状況で主人公は神を信じ続けられるのか?という部分を何度も何度も試している気がしましたね。

特に、窪塚洋介扮するキチジローというキャラクターが興味深くて!

彼は、踏み絵を踏まず家族がみんな死んでいった中で自分一人だけ踏み、助かったという男なんですが、「自分は踏み絵を踏んだがずっと信仰を続けている、自分の罪に苦しんでいる。どうか許してください」と何度も何度も、告解に来る。そして何度も何度も踏み絵を踏む(笑)ロドリゴ宣教師の事も裏切るし、それでも何度も「赦してください」とやってくる。

もうね、悪魔かこいつはと思いましたね。宗教なんてこんなものだよ、と耳元でささやく悪魔のような存在。実際にロドリゴさんも「なんでこんなヤツまで神は許しちゃうの?」と言っちゃっているし(笑)

どこにでもいますけどね、「反省したんだ!今度こそギャンブルなんてやめるから金を貸してくれ!」とか言って同じ間違いを何度も繰り返す人。固い信仰心を根底から揺さぶる、良いキャラクターだったなキチジロー。人間の弱さの権化みたいな人でした。

勿論、まともな信者の人達も沢山いましたけどね!

塚本晋也さん演じるモキチなんて、鬼気迫っていて本当に素晴らしい演技でした。

まとめ

とても重くて苦しい映画でした。現代では考えられないほど理不尽な理由で沢山の人が処刑されていく場面が、これでもかと描かれています。とても観ていて辛いです。

だけど、宣教師ロドリゴと一緒に苦しみぬいた先に出会うフェレイラ神父の言葉、彼の生き様は「信仰を持ったまま人を自由にしてくれる」一種の光のようなもので、苦しんで映画を観るだけの価値があったと思わせてくれます。

自分の中で宗教とはビジネスである、というイメージがとても強いんですが。その反面、人々の心の支えになるとても不思議なものだなと感じています。

なんでだろう、結局こうしてキリスト教ネタの映画に惹かれてしまうのは、「何かを強く想い続ける人」に人としての強さを感じ憧れる部分があるからなのかもしれませんね。

ラストシーンで棺桶に入れられたキリスト像を見た時に、その強さを思い知ります。

とても、良い映画だったなぁ。

そして、支離滅裂な感想だなぁ・・・(笑)

 

 


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倫理観が崩壊する不条理スリラー。映画『エル ELLE』感想

犯人よりも危険なのは”彼女”だった―――。

時々、映画好きの母親に連れられて前知識がゼロのまま映画を観に行く事があります。ある程度母親の勘を信頼しているのもあるし、「何も知らずに」観に行くワクワク感が楽しかったりするからです。

実際、以前観に行った『トランボ』なんかはもの凄く面白かった。

今回も若干の期待をしつつ、タイトルから勝手に「ブランドに関わる女性の物語だろうか」と想像しながら行ったのです。

全く違ったけどね!

パンフはこんな感じ。

やっぱりミニシアター系の映画のパンフはシンプルオシャレで好きです!右開きの真っ赤なデザイン、文字も白と黒のみでハイセンス。

価格は26Pで税抜き667円。まぁ普通ですね。

個人的に小説家の真梨幸子さんのコラムが載っていたのが嬉しかったです!

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【おまけ】映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』あらすじ(詳細)

どうも!ちびぞうです!

前回の、まさかの4作目!映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ~生命の泉~』感想&ネタバレを書いた時の、DVDで観直している間に取ったあらすじメモ(コメント付き)が残っていたので、それを読める程度に直して記事として残しておきたいと思います。

まさかの4作目!映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』感想&ネタバレ

前回の記事よりもかなり詳細なあらすじを書いていますのでネタバレ必至です、ご注意を!!

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まさかの4作目!映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』感想&ネタバレ

私はマリア 町の娘 光る金貨はむなしいだけよ 私の心を奪い去るのは

荒波超える船乗りだけよ

私の心を奪い去るのは 荒波超える船乗りだけよ

『パイレーツ・オブ・カリビアン ~最後の海賊~』へ向けてのおさらいもこれで最後です!過去2作と同じようにDVDで再び鑑賞。

2,3と下降気味で、公開当時私は「よくあれで続きいけたなぁ!」という驚きと共に、劇場に足を運びました(笑)製作のブラッカイマーさんはかつて3部作だと公言していたようですが、3の滑り出しがわりと好調だったので、4の製作の話も出たんだとか。

監督も、ゴア・ヴァービンスキーさんからロブ・マーシャルさんにバトンタッチ(『シカゴ』を監督した人らしい!)またメイン出演陣からキーラ・ナイトレイとオーランド・ブルームも降りて、新たにペネロペ・クルスが参戦と、大きく流れを変えてきましたねー。

しかし本国の方では4作目の評価も3に続いて下降気味・・・まさかこの流れで7部作になるなんてこの時は誰も予測してなかったはず(笑)

パンフはこんな感じです!

安定の厚さ。しかし34Pで税込み700円。・・・デッドマンズ・チェストの時の勢いはどうしたんでしょう(笑)これでも十分、ボリューミーなんですけどね!

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命を救う戦争の仕方。映画『ハクソー・リッジ』感想&ネタバレ

戦争は命を奪うが、僕は、命を救う――。

衛生兵にスポットライトを当てた実話ベースのお話と聞いて興味津々だったんですが、なんせ監督がメル・ギブソン・・・。彼の撮った『パッション』という映画でキリストがえげつないほど痛めつけられているのを観てからそれがトラウマになっていて(笑)メル・ギブソンの映画は危険だなぁという印象があったんですよね(笑)

でも。今回は映画仲間の「なかなか良かったぞ!」という言葉を信じて劇場へ足を運びました!

パンフはこんな感じ。表紙のデザインがめちゃめちゃカッコいいです!!!

26ページでちらほらカラーでないページも目立ったので、これで税抜き667円は少し高めかなと思ってみたり・・・(笑)

この映画の好き嫌いはやはり、戦う相手が日本兵だった・・・という一点ですかね。ここを気にならずに観れる方なら十分楽しめる作品かと。

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ベルギー発のファンタジックコメディ!映画『神様メール』ネタバレ&感想

「飛べるのになぜ公園から出ない?」

「”あなたこそなぜ?”って」

神様から「あなたの余命はうん年です」ってメールが届いちゃってどうしよう!っていうお話ですねー。

カトリーヌ・ドヌーブがゴリラとベッドインとかなかなか挑戦的なシーンがめいっぱいの本作です。カンヌを始め様々な映画の賞に輝き、海外では高く評価されているみたいですね!

原題は「新・新約聖書」、思ったよりも宗教色が強い哲学的なメッセージも含まれていますが、そこまで深く考えて観なくて良い一面もある不思議な作品(笑)

劇場で観られなかったので、DVDで鑑賞しました。

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”きっとうまくいく”の監督&主演再タッグ!映画『PK』感想

「人々の願いは”間違い電話”のように神さまのところまで届いていないのではないか?」

『きっとうまくいく』の監督と主演の二人が再タッグを組んだとあらば、劇場で観るしかないですよね!!

映画の最初に「今作はフィクションであり、あらゆる神・宗教団体や個人・社会を揶揄したり傷付ける意図はありません」といった字幕が入り「ん!?」となったんですがその理由は・・・ものすごい切り口でインドの宗教事情にツッコミを入れているから!かなり挑戦をしている映画です!応援したい!

ギリギリのところをコミカルに攻めつつ、観やすくちょっぴり切なくて・・・ほろりもある名作でした!

パンフはこんな感じ。

小ぶりの縦長。この背中が切ないなぁ。26ページで値段は・・・書いてないですね(笑)そんなに高くはなかったと思うのですが!ちなみに人物紹介ページが変わっていて

このメイン二人の紹介しかありません(笑)うっそー、もっと他にも気になる俳優さんいたのに!

この左側のイケメンさんとか!(スシャント・シン・ラージプートさんというインドの俳優さんでした!)

なぜなの!映画のパンフ作りに詳しい偉い人ぜひ教えてください><(笑)

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【後編】映画『プリズナーズ』ネタバレ&感想

こちらの記事は先が読めない!異色のサスペンス『プリズナーズ』ネタバレ&感想【前編】から続いています!

ネタバレ注意!

 

◆宗教色の強さ、随所に散りばめられたキーワードで裏の意味を深読みする?しない?