ポニョ、そうすけ、すきー!
駿さんはこれで最後の監督作にするとかしないとか色々言っていましたが、結局このあと『風立ちぬ』を撮っていましたね。そして引退したかと思いきや、今後また長編の企画があるとかないとか・・・死ぬまで撮るんでしょうきっと。
小さいころからトトロやラピュタなど観て過ごしてきたちびぞうなので、ジブリ作品はわりと身近な存在であります。でも、特にこれといった感銘を受けることもなく・・・どちらかと言えばディズニー作品の方が好きな子どもでしたね。
大人になってから鑑賞した作品では、『かぐや姫』や『コクリコ坂』『思い出のマーニー』などがとってもお気に入りなので、もしかすると宮崎監督とはそんなに相性が良くないのかもしれません。
『千と千尋の神隠し』は別格ですが!!!(むしろこれで引退でも全然よかった)
ポニョはとにかく地雷臭がすごくて観るのを避けていたんですが、たまたま地上波でやっていたのを家族が録画していたので遂に鑑賞。
ジブリさんによる公式サイトはこちら。
【映画情報】
【制作国】日本
【監督/原作/脚本】宮崎駿
【プロデューサー】鈴木敏夫
【製作担当】奥田誠治、福山亮一、藤巻直哉
【作画監督】近藤勝也
【美術監督】吉田昇
【色彩設計】保田道世
【映像演出】奥井敦
【編集】瀬山武司
【整音】井上秀司
【音響効果】笠松広司
【音楽】久石譲
【主題歌】林正子 – “海のおかあさん”
【主題歌】藤岡藤巻と大橋のぞみ – “崖の上のポニョ”
【アニメーション制作】スタジオジブリ
【声の出演([]内は役名)】
- 奈良柚莉愛[ポニョ]
- 土井洋輝[宗介]
- 山口智子[リサ]
- 長嶋一茂[耕一]
- 天海祐希[グランマンマーレ]
- 所ジョージ[フジモト]
- 柊瑠美[婦人]
- 矢野顕子[ポニョのいもうと達]
- 吉行和子[トキ]
- 奈良岡朋子[ヤスエ]
- 左時枝[カヨ]
- 羽鳥慎一[アナウンサー]
- 平岡映美[クミコ]
- 大橋のぞみ[カレン]
【公開日(日本)】2008年7月19日
【上映時間】101分
【配給】東宝
【IMDB】7.7/10.0 (およそ96,600人の評価)
【あらすじ】
海辺の町で暮らす5歳の少年・宗介は、クラゲに乗って家出した魚の子ども・ポニョに出会う。すぐに仲良くなる彼らだったが、ポニョはかつて人間だった父・フジモトによって海に連れ戻されてしまう。ポニョは父の魔法を盗んで再び宗介のもとを目指すが……。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.3/5.0
全体的によくわからない
観終わったちびぞうの第一声は・・・「どういうこと?」
いやもう全然わかんなかったです。いや、どういう話なのかは分かる。
ポニョが地上に憧れて、出会った男の子と恋に落ちて、親父に連れ戻され、反発して逃げ出したら「命の水」を解放したことにより魔法の力を得て「世界の破滅」が訪れそうになる。
困った親父とグランマンマーレはポニョを人間にすれば魔法の力が奪われて「世界の破滅」を防げるよーということで、ポニョに「魔法が使えなくなっても人間でいたいか?」と宗介に「ポニョが魚であっても好きでいられるか?」と問いかけをする。=二人の答えがYESなら古い魔法が発動してポニョは人間に、世界の破滅は防げたのであった・・・。
という感じ。
散々、都市伝説として語られていますが、途中で町の人たちが全員死んでポニョと宗介は船で死後の世界に行く、という展開はちびぞう的に「都市伝説でもなんでもなく普通にそう描写されてる」と思えました。そしてその上で
ポニョのせいで沢山の人間が死んでるけどそれはいいの?
というモヤモヤが・・・津波のシーンあたりから、「あーあーあーあー・・・」と思いつつ観ていました。そしてその惨劇については何も解決しないままラストを迎えますよね。
ポニョと宗介がハッピーで世界も救われたやったー!みたいなノリになってますが、「世界の破滅」になるとどうなってしまうのか?という部分がいまいち語られていないので、「救われたやったー!」のノリにもついていけないのです。
説明不足だからよくわからない
この話はとにかく説明不足な部分がすごく多くて、その分色々と考察の余地が出てくるので「意味を探りたい」ジブリファンにとっては非常に面白い作品なのかもしれませんね。
ちびぞうも、この作品を観る前はネットで色々と考察サイトを読んで「なるほど深い!そんな隠された意味が・・・!」とワクワクしていたんですが
正直本編はとても退屈で、考察サイト読んでる方が何倍も楽しかった、という。
とっても深読みしていらっしゃるサイトさんは沢山あってどれも興味深いので、本作を観てよくわからなかった、という方はその辺も見て回ると良いかもしれません。
監督自身が「出会って何かが起きて、山場があって大山場があって、ハッピーエンドという物語のかたちを何度もやっていると腐ってくるそういうものは捨てないといけない」、と語っていらしたようなので
つまりそういうアニメなんですよね。
お決まりのルールに乗らない実験的な作風のアニメですから、エンタメ性も低く、説明もないのでその意図も伝わらないし、一般の方に「つまらない」と思われるリスクも十分に含んだ作品。
正直、もしこれが駿さんの作品でなかったら・・・と思うと、もっと(評価が)悲惨なことになるのでは。
ファンタジーと現実の境目があいまいでよくわからない
トトロであれば、例えば「トトロが見えるのは限られた人間(子ども)」だったり、ルールがありますよね。そのルールの上で現実的な描写の部分とファンタジーの部分がはっきり描き分けされていてすごく分かりやすい。
今作は、現実的な世界の描写の中に、突然海の中で暮らす魔法使いの男が出てきたり、ポニョという謎の存在を周りの大人がすんなり受け入れていたりと、「どこからがファンタジーなのかが」わかりにくい。だから、多分現実で起きたであろう津波のことも「本当は起きていないのでは」とか、色々と曖昧で気持ちのふんぎりがつかないままどんどん物語が進み、終わってしまう。
鑑賞者が置いてきぼりになってしまう。
頭を空っぽにもできない
かと言えば、頭をからっぽにして楽しめるかというとそうでもない。意味深すぎるんです、表現が。
スピード感でぐいぐい進んで、大きな山場もオチもハッピーエンドもない物語とするなら、もう少し頭をからっぽにしても楽しめるようにしてくれても良かったかな・・・。
駿さんのこだわりが、ちびぞうには難易度高すぎた・・・。
子どもだからハマる映画か?と言えばそうでもないところが一番痛い・・・。
そんな印象の映画でした。
次は「君たちはどう生きるか」という映画の企画があるようですが・・・どうなるのかな。
同名タイトルの小説から名前を取ったようですが、内容は関係ないのだろうか。漫画が今流行ってますよね。
多分、観るとは思いますが・・・そんなに期待できないなぁ・・・。