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女性と少年しかいない禁断の島で。映画『エヴォリューション』ネタバレ&感想

そこはユートピアか、ディストピアか。

なんとも不可解な雰囲気のする今作。

監督はかのロリコン映画として有名な『エコール』の監督さんじゃないですか!!それは知らずに鑑賞しましたが、やはり雰囲気というか芸術的な画面と不穏な空気、そして深すぎる意味不明さは健在でしたね…(笑)

先に劇場で観ていた映画仲間も感想を言いにくそうにしていたので、なんとなくどんな内容なのかは察していました(笑)

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【映画情報】

【原題】 Evolution
【制作国】フランス
【監督】ルシール・アザリロビック
【脚本】ルシール・アザリロビック、アランテ・カバイテ
【製作】シルビー・ダントン、ブノワ・ケノン、ジェローム・ビダル
【撮影】マニュ・ダコッセ
【美術】ライラ・コレット
【衣装】ジャッキー・フォコニエ
【音楽】ザカリアス・M・デ・ラ・リバ、ヘスス・ディアス
【出演([]内は役名)】

  • マックス・ブラバン[二コラ]
  • ロクサーヌ・デュラン[ステラ]
  • ジュリー=マリー・パルマンティエ[母親]
  • マシュー・ゴールドフェルド[ビクター]
  • ニシム・レナード[フランク]
  • ナタリー・レゴレス[医者]

【公開日(日本)】2016年11月26日
【上映時間】81分
【配給】アップリンク
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.0/10.0  (およそ4210人の評価)

【あらすじ】

少年と女性しか住んでいない島で母親と暮らす10歳の少年ニコラ。その島の少年たちは、全員が奇妙な医療行為の対象となっていた。そんな島の様子に違和感を覚えたニコラは、夜遅く外出する母親の後をつけてみることに。やがて海辺にたどり着いた彼は、母親がほかの女性たちと「ある行為」をしているのを目撃してしまう。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.3/5.0

うぅーーーーん!!!!難解!!!!!

ただ、オープニングで出てくる海の中の光景だったり、白く四角い建物が並んだ海辺の街並みだったり本っっっ当に美しいです!!!

それから、冒頭で主人公の少年が「海の中で死体を見た」というシーンも印象的。その死体の腹の辺りにはヒトデらしきものがいた、というのですが、母親が潜ってみてもそんなものはないと言われてしまう…

ネタバレすると

この島に住んでいる女性は全員、背中にタコの吸盤のようなものがついていて、どうやら普通の人間ではないようです。

タイトルにもある「エヴォリューション」が示しているように、この映画の世界観自体が、人間の進化の形の一つ、という意味なのかもしれません。

そしてその女性たちは夜な夜な海辺に集まり全裸でハァハァ言いながら何やら怪しげな行為にふけっている…(これがこの島での生殖行為?なのかは分かりません)

そして、少年たちに施されている医療行為…というのはなんと少年を孕ませて赤ちゃんを出産させる(出産と言っても手術で取り出すわけですが)」というショッキングな内容。

ヒトデの意味は?

あらゆる場面でサブリミナルのように差し込まれるヒトデの映像。

女性の背中の吸盤も、ヒトデを連想させますね。

ちびぞうなりにヒトデについて調べてみたんですが、ヒトデの生殖の種類はいくつもあり、その中には「雌しかおらず無精卵を生んでそこから(母親のクローンとなる)子どもが生まれる」という単為生殖で子孫を増やす種がいるようです。ただし、生まれてくるのは全部メスのみですが。

この、特殊な子孫繁栄の仕方からインスピレーションを得て、女性だけで作った卵子を少年に移植することで子どもを作る…という方法を思いついたのかな?と予想しました。おそらく生まれてくるのは男女両方だけど、男は少年のうちに出産して死亡、大人になれるのは女性だけ…というかなりフェミニズムを感じる設定…。

不在の重要性を描く作品?

しかし、この映画は「女性だけの世界万歳!理想郷!」という映画ではないと思います。

というのも、この世界に不信感を持った主人公二コラを、二コラと心を通わせた看護師の女性が島から脱出させてあげるというオチなんです。

船に乗り島を出た二コラが漂流ののち目をしたものは、大都市の明かりだった…。

多分この大都市は私たちの住む世界と同じ、普通の世界なのではないかと思います。

つまり、この映画は劇中で見せてきた世界を最終的には「逃げるべき世界」として描いている。もうその時点で「女性だけの島万歳!」という内容とは違うと言うのが分かりますよね。

あくまでも、この映画は人間のエヴォリューション(進化)の可能性の一つであり、必ずしも幸せで正しいものではない…という事が言いたいのかな。

二コラと心通わせた看護師が、二コラの描いた絵を見てほんの一瞬、笑顔を見せるのも印象的でしたしね。(劇中の女性は基本無表情)

そしてこの映画で一番重要なのは、一切出てくることがない”成人男性”の存在なのではないでしょうか。
その存在を描かないことによって際立たせる、「不在の重要性」を描いた作品なのかと思いました。

あくまでもちびぞうの見解ですが。

まとめ

非常にアーティスティックで、無言で語りかけてくる絵画のような作品です。

台詞も説明もなく、いきなりポイッとこの世界に放り込まれる感じがすごく不可解。
国で一括りにはしたくないですが、フランス映画ってこんな感じだよなぁ…うん。

面白いかそうでないかと言われるとちびぞうは…うーんなんとも言えません(笑)

この監督の独特な世界観、画の作り方が好きな方はきっと楽しめるでしょう。

 

 


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