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アメリカ原住民の不遇と苦しむ父親たち。映画『ウィンド・リバー』感想&ネタバレ

なぜ、この土地〈ウィンド・リバー〉では少女ばかりが殺されるのか―――

こちらもちびぞうの働く映画館にやってきた作品!

アベンジャーズシリーズで「ホークアイ」を演じているジェレミー・レナ―、そして「スカーレット・ウィッチ」を演じているエリザベス・オルセンの二人の共演作!!!二人はアベンジャーズシリーズの配役でも絆が見え、きっと俳優さん自体も仲良しなんだろうなーと予想されます!!

ジェレミー・レナ―はオファー当時忙しく、一度『ワンダー・ウーマン』でスティーブ・トレバーを演じていたクリス・パインにも話が行ったらしいです。しかしワンダー・ウーマンで忙しかったクリスもオファーを受けられず、結局レナ―さんがやることになったそう。

こういう話を聞くと「この俳優さんだったらどうなったかな?」と想像してしまいますけども、ちびぞう的にはこの配役でバッチリだったかなーと!

パンフはこんな感じです。

真っ白い雪の中に飛び散る血痕と足跡。それを見つめる男性の後ろ姿。もーこの表紙だけでも想像が掻き立てられますね!!!大きさはB5よりも少し縦長かな?26Pで税抜き667円!
ネイティブアメリカンについての豆知識がまとめられてるページが映画の理解を深めます!!

【映画情報】

【原題】Wind River
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】テイラー・シェリダン
【製作】ベイジル・イヴァニク
【製作総指揮】エリカ・リー
【撮影監督】ベン・リチャードソン
【編集】ゲイリー・D・ローチ
【プロダクション・デザイン】ニール・スピサック
【衣装デザイン】カリ・パーキンス
【音楽】ウォーレン・エリス、ニック・ケイヴ
【出演([]内は役名)】

  • ジェレミー・レナ―[コリー・ランバート]
  • エリザベス・オルセン[ジェーン・バナー]
  • ジョン・バーンサル[マット(掘削所警備員)]
  • ギル・バーミンガム[マーティン(ナタリーの父親)]
  • ジュリア・ジョーンズ[ウィルマ(コリーの元妻)]
  • ジェームズ・ジョーダン[ピート(掘削所警備員)]
  • ケルシー・アスビル[ナタリー(殺された少女)]
  • グレアム・グリーン[ベン(部族警察長)]

【公開日(日本)】2018年7月27日
【上映時間】107分
【配給】KADOKAWA
【映倫区分】G
【IMDB】7.7/10.0  (およそ151,150人の評価)

【あらすじ】

ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。FBIの新人捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣されるが、不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、コリー・ランバートに協力を求め、共に事件の真相を追うが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!!)】

☆3.6/5.0

この映画は、実際に起きているネイティブアメリカンの女性たちの境遇をサスペンス仕立てに見せた社会派ドラマです!!!!

コリー役のジェレミー・レナ―の演技の渋いこと渋いこと!!

社会派サスペンスでもありながら、父親と娘の話でもあります。とっても深い味のある良い映画です。

おおまかなストーリー

雪山で死体を発見したのは、野生生物局で働く白人ハンターのコリー。その死体が、自分の娘の親友の女の子であったことから彼は胸を痛めます。

この雪山で見つかった死体は性的暴行を加えられており、どこかから裸足で5キロ以上逃げてきて肺が凍り破裂して死亡してしまったということが明らかに。

FBIの新人女性捜査官ジェーンは現地の人にも舐められまくり。

死因が肺出血だったことで他殺にはできないと検視官に言われますが、それに納得いかないジェーン!!!動物の足跡を見分け、追跡するプロであるコリーに助手になるよう頼み、二人で犯人捜しをはじめます・・・。

コリーはかつて自分の娘を亡くしインディアンの奥さんと別れています。そして今回の被害者の女の子は自分の娘とも友達、両親ともお友達、更に娘が見つかった状態も酷似している(しかしコリーの娘の事件は未解決のまま)。過去の辛い気持ちが蘇って苦しむコリー。

犯人への想いというものが、自分の娘に対するものと重なっていきます。

現場の近くでもう一つ、今度は白人男性の遺体が見つかります。彼は近くの掘削所の警備員をしており殺された女の子の恋人でした。そこから、他の警備員たちに聞き込みを始めるジェーン捜査官。どうやら警備員たちが怪しい!

事の真相は、彼女と警備員の恋人が彼らの住まいでイチャついているところに別の警備員たちが帰ってきて、揉め始める。レイプしようとする警備員たちから彼女を守ろうとするも、撲殺されてしまう。暴行を受けた彼女は殴られる恋人を後ろ目に白銀の山の中を逃げ出します。

そしておよそ7キロほど離れた山の中で肺が破裂し、死亡。というものでした。

捜査官や保安官と警備員たちとの銃撃戦から逃れた主犯の男を見事狙撃し、雪山の山頂付近へ運んだコリー。

「彼女はとても強かった。裸足で雪山を七キロも走ったんだ。お前はどれくらいできる」

と問いかけ、わざと男を裸足で逃がします。しかし男はすぐに倒れ込んでしまう。コリーが頭を撃って殺す。

犯人を捜すために共に過ごしていたジェーンとコリーの間には親子にも近い絆が芽生えていました・・・って感じで映画は終わります。

哀しい映画だけどイイ台詞がある

コリーが、娘を亡くしたインディアンの友人に向けて語る言葉が深イイんです。

「時間が癒してくれると言うが、実際は何も解決してくれない。傷は消えない、しかし痛みに慣れることは出来る。その痛みを忘れるな、苦しみ続けろ。娘との思い出に生きたいならば、決して忘れてはならない」

ちょっとかいつまんでますが、こんなようなセリフでした。

娘を亡くした時にコリー自身が医者?か誰かに言ってもらった言葉のようで、時間が傷を癒やすのを待つのではなく、その痛みこそ娘と共に生きているという証だから抱えて生きろっていう言葉でした。確かにそう考えた方が、痛みを受け入れやすくなるかもしれないなって目から鱗でしたし、とても感動しました。

 

そして、コリーが何度も口にする「彼女は強い人だった」という言葉も印象的。彼女が人間的にいかに強く美しい魂を持っていたのかという表現でもありますし、こんな理不尽な仕打ちを受けるべきではない、という悔しさも伝わって来ますね。

まとめ

原住民が白人からどういう目で見られ、どういう扱いを受けているのかという痛ましい真実を静かに、重厚に描かれていて、深く胸に突き刺さります。

更に娘を亡くした父親の苦しみと愛にも触れることができます。

映画を観終わってちびぞうは仲間たちに「流石ホークアイさん百発百中!!!」としか感想を言わなかったんですけど(笑)本当はもっと色々語りたくなる映画です(笑)

ジェーン役のエリザベス・オルセンは強くて美しく、スカーレット・ウィッチの時より大人っぽい魅力がありました。ほとんど見た目は変わらないのに、同じキャラクターに見えないというのはさすが役者さんですね!(ジェレミー・レナ―は若干”ホークアイさん休暇で事件に巻き込まれる”感あったけど(笑))

 

雪山の映像は恐ろしく冷たくて綺麗ですし、ぜひ機会があれば劇場で観ていただきたい一本です!

 

 


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