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痛快西部劇!映画『マグニフィセント・セブン』ネタバレ&感想

「七人の侍」、「荒野の七人」、その魂を受け継ぐ

申し訳ありませんが、原作である黒澤明監督の『七人の侍』も、またそれを基にした1960年の西部劇映画『荒野の七人』もどちらも未見です!!

ちなみに今作は、『荒野の七人』を更にリメイクした作品らしいですよ!

私は、「イ・ビョンホンが出ている」というただそれだけで鑑賞を決めました(笑)

西部劇はジャンルとして敬遠しがちだったんですが、タラちゃんことタランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がざる者』を観てから好きなジャンルになりました・・・。いやぁ、食わず嫌いってよくないですよ!(笑)

公式サイトはこちら!

【映画情報】

【原題】The Magnificent Seven
【制作国】アメリカ
【監督】アントワン・フークア
【脚本】ニック・ピゾラット、リチャード・ウェンク
【原作】 黒澤明、橋本忍、小国英雄『七人の侍』
【製作】ロジャー・バーンバウム、トッド・ブラック
【製作総指揮】ウォルター・ミリッシュ、アントワン・フークア、ブルース・バーマン、ベン・ワイスブレン
【撮影】マウロ・フィオーレ
【美術】デレク・R・ヒル
【衣装】シャレン・デイビス
【編集】ジョン・ルフーア
【音楽】ジェームズ・ホーナー、サイモン・フラングレン
【出演([]内は役名)】

  • デンゼル・ワシントン[サム・チザム]
  • クリス・プラット[ジョシュ・ファラデー]
  • イーサン・ホーク[グッドナイト・ロビショー]
  • ヴィンセント・ドノフリオ[ジャック・ホーン]
  • イ・ビョンホン[ビリー・ロックス]
  • マヌエル・ガルシア=ルルフォ[バスケス]
  • マーティン・センズメアー[レッド・ハーベスト]
  • ヘイリー・ベネット[エマ・カレン]
  • ピーター・サースガード[バーソロミュー・ボーグ]
  • ルーク・グライムス[テディQ]
  • マット・ボマー[マシュー・カレン]
  • ジョナサン・ジョス[デナリ]
  • キャム・ギガンデット[マッキャン]

【公開日(日本)】2017年1月27日
【上映時間】133分
【配給】ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント
【IMDB】6.9/10.0  (およそ143,000人の評価)

【あらすじ】

暴虐の限りを尽くす男、バーソロミュー・ボーグに支配されたローズ・クリークの町の人々は、賞金稼ぎのサムを中心に、ギャンブラー、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを雇う。最初は金のため町を守ることになったサムらだったが、いつしかその目的が金だけではなくなっていることに気付く。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.9/5.0

なんて楽しい西部劇なんだっっ!

面白いくらいにドンパチしています!

ストーリーも単純明快。

悪者が村を苦しめているよ!たくさん家族や友達が殺されているよ!このままじゃ村はあいつ(ボーグ)に滅ぼされてしまう!!助けて!チザム!

そして、通りすがりの黒人(委任執行官)チザムさんが

「なに!私と過去に因縁のあるボーグが村を荒らしているだと!!!ならば助けてやろう!そのためには仲間が必要だ!」

と言い、七人の勇気ある仲間を集め、ボーグを退治したのであった・・・。

という勧善懲悪っぽい感じの復讐劇。分かりやすい!分かりやすいストーリーというのはエンタメ作品にとっても重要だと思うの!

そして後半、敵が出してくる最終兵器「ガトリングガン!!」

そんなの卑怯すぎるwwwと思わず草が生えてしまうほどの絶望感!ここからどうやって巻き返す!?というワクワクも合わさって更に楽しい!

小気味よい仲間同士のやりとりが楽しい!

単純なストーリーに、よく出来た脚本が乗っかると、こんなにも楽しくなる!

集まった7人のなんとも言えない友情というか、絆というか、で結ばれた皮肉交じりのやりとりが非常に小気味よい。

個人的に、イーサン・ホーク扮するグッドナイトと、イ・ビョンホン扮するビリーがとっても仲良しなんだけど、二人がやられてしまう前にしてた会話が最高だった。

グッドナイト「俺の親父がよくこう言ってた・・・」

ビリー「なんて?」

グッドナイト「・・・忘れちまった。とにかく、親父は色々言ってた」

(笑い合う二人)

もうすっっっごい可愛くないですかね(笑)

絶体絶命の場面で、もう二人とも死んでしまうかもしれない。そんなシーンで、良い台詞を言うとかありがちなんですけど、そこのいいセリフを忘れさせちゃうっていうね(笑)

多分グッドナイトはこういう抜けたところが結構あって、カッコつけるべき場面でカッコつけきれないというか。そして、そんなグッドナイトをビリーも大好きなんだろうな、と。

二人の友情が死に際に色濃く出た場面で、本当にお気に入りです。

イ・ビョンホンがとにかくカッコいい

ナイフの名人なんです!ビリーは!!

百発百中のナイフ技をこれ見よがしに披露しています!

決して主役とは言い難い立ち位置ではありますが、それなりに活躍するし見せ場もちゃんとあるので、イ・ビョンホン見たさに鑑賞する人にもきっと楽しんでもらえるはず♪

まとめ

友情あり笑いありアクションあり、実力ある俳優さん揃いで気軽に観れるエンターテイメント、とっても入りやすい西部劇。

ちょっぴり長めですが気にならないくらいの楽しさはあります。

西部劇って聞くだけでもちょっと苦手・・・という人にもおすすめ出来ます。

残念ながらリメイク元の映画とどういう違いがあるのかは私には分からないので、それが分かればもっと楽しめるのかなぁ・・・ということでそのうち、『荒野の七人』も観てみたいと思います!

 


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タランティーノが仕掛ける雪山の密室劇!映画『ヘイトフル・エイト』ネタバレ&感想

第1章「レッドロックへの最後の駅馬車」

画像引用元:映画.com

出ましたー!DVDで鑑賞してしまったけれど

映画館で観たかった!!!

と血涙流す系の作品です!!!あーパンフ欲しかったなぁ。。

どうしてタラちゃん(タランティーノ監督)の西部劇はこんなに面白いのだろう・・・。西部劇にはあまり食指が動かなかった私が大歓声を上げて鑑賞した同監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』もオススメです!

のっけから話題が逸れました。

カート・ラッセルの兄貴が大活躍してますので、ファン必見です!

ではいつもの映画情報から。

【映画情報】

【原題】The Hateful Eight
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】クエンティン・タランティーノ
【製作】リチャード・N・グラッドスタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
【製作総指揮】ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジョージア・カカンデス
【撮影】ロバート・リチャードソン
【美術】種田陽平
【衣装】コートニー・ホフマン
【編集】フレッド・ラスキン
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【出演([]内は役名)】

  • サミュエル・L・ジャクソン[マーキス・ウォーレン]
  • カート・ラッセル[ジョン・ルース]
  • ジェニファー・ジェイソン・リー[デイジー・ドメルグ]
  • ウォルトン・ゴギンズ[クリス・マニックス]
  • デミアン・ビチル[ボブ]
  • ティム・ロス[オズワルド・モブレー]
  • マイケル・マドセン[ジョー・ゲージ]
  • ブルース・ダーン[サンディ・スミザース]

  • ジェームズ・パークス[O.B. ジョーダン]
  • デイナ・グーリエ[ミニー・ミンク]
  • ゾーイ・ベル[六頭馬のジュディ]
  • リー・ホースリー[エド(ジュディの相棒)]
  • ジーン・ジョーンズ[スウィート・デイブ]
  • キース・ジェファーソン[チャーリー(ミニーの店の黒人男性店員)]
  • グレイグ・スターク[チェスター・チャールズ・スミザース]
  • ベリンダ・オウィーノ[ジェマ(ミニーの店の黒人女性店員)]
  • チャニング・テイタム[ジョディ・ドミングレ]
  • クェンティン・タランティーノ[ナレーター]

【公開日(日本)】2016年2月27日
【上映時間】168分
【映倫区分】R18+
【配給】ギャガ
【IMDB】7.8/10.0  (およそ361,100人の評価)

【あらすじ】

雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。【引用元:シネマトゥデイ

【感想(ネタバレあり)】

☆4.1/5.0

大好きです!タラちゃん大好き!

差別用語や下品な言葉が飛び交い、銃弾も血液も飛び交い、容赦なく人が死んでいきます。グロ描写があったり男性のフルヌードがあったり、ボカしも全力で仕事しています。

タラちゃんらしいです。

苦手な人は苦手な作品かもしれませんが、私的には素晴らしかったです。

どうミステリーなのか?

いきなり物語の核心に触れてしまいますが、今作は雪山のお店(ミニーの服飾店)に集まった八人が、吹雪によって足止めされてしまう中、何者かによって毒殺事件が起こる・・・という話なんですね。

その真相としては、首吊り人ジョン・ルースがレッドロックで絞首刑にするため連れている女犯罪者(ドミングレギャング団の頭の姉)をドミングレ一味(四人)が雪小屋で救出しようと、そのお店の人達を皆殺しにして「留守を預けられた店員とそのお客」のフリをしてジョン・ルースを待ちわびていた・・・というもの。

一人が「9人目の男」となり、床下に潜んでジョン・ルースを殺す機会をうかがっているわけです。

しかし彼らの誤算としては、ウォーレンとマニックスという二人が偶然、ジョン・ルースの乗る駅馬車に乗り合い、「ミニーの服飾店」へ来てしまったということ。

ウォーレンはミニーの店に詳しく、「留守を預けられていた男」の嘘も次々に暴いていく・・・そして、ついに床下の男が登場する!

  • 誰が毒をコーヒーに入れたのか?
  • ミニーとデイブはどこにいったのか?
  • 客の中に女と手を組んでいる人がいるのか?いるとしたら何人だ?

という謎が解き明かされて、まさか床下にもう一人いるとは(笑)となるのが物語のピークなわけです。

本当にこの物語、脚本がよく出来ていて、冗長で無駄に思われる会話もちゃんと伏線になっていたりするので地味に気が抜けないんです(笑)

会話劇としての面白味

前述したとおり、脚本が面白い!上映時間が3時間近くあるので、正直中だるみしてしまうというか、前半がやたらと長く感じられしんどいなと感じる人もいるかもしれません。

画面的にも雪山、山小屋、馬車、とあまり変化がないですしね・・・。

ただ、ちゃんとその長ったらしい無駄に思える会話にもきちんと意味があって、当時の時代背景も読み取れるし、なぜタイトルが「ヘイトフル(憎むべき、憎しみに満ちた)エイト(八人)」なのかということもしっかり描かれています。

どの人物も戦争相手や肌の色の違いを憎み、大勢を殺したり略奪してきた人たち。本当の悪というものは、犯罪者として連行されているデイジーだけではない。という部分の面白味があります。だから、ラストの(おそらく)全員が死ぬという展開も納得できる。

その中でも、黒人差別の世界から生き抜こうと書かれた「嘘のリンカーンの手紙」を朗読するシーンや、首吊り人ジョン・ルースの意向を汲んでやろうとするシーンなど、なぜかジーンとしてしまう描写もあって。終始殺伐としていた中で、人間の情味がチラッと見えるというか。

ヘイトフルですが、なんとなく憎めない映画なんですよね!

鬼気迫る演技

ぶっちゃけサミュエルさんは色んな映画に出過ぎだろうと思って辟易している部分もあるんですが、でもその実力は相当だなぁ、と今作でも思わせられてしまいますね。

私の愛してやまないカート・ラッセルもどっしりとしてカッコよく、時に優しさも見せるいい男(?)を演じているし、女犯罪者のデイジーを演じたジェニファー・ジェイソン・リーも、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞しているだけあって、本当に気が狂ったような恐ろしい女を演じています。

その他の面々も、個性的で演技派揃い。こういった会話だけで物語が進む映画は、大体が素晴らしい演技と脚本に支えられていますよね。

ポスター、アートワークがオシャレ

全く関係ないんですが、海外版のポスターやネットで見かけるアートワークが本当にオシャレで堪らないので、紹介させてください。

こちら海外版のポスターですね。背中だけというのが憎い!

こちらは登場人物が横並びで、背後に赤線がビュッと引かれているもの。

その赤背景バージョン。微妙に並びが違ったりするのが面白いですね!

そして一番カッコいいと思っているのがこれ!!六頭馬の駅馬車が走っていく後には血が・・・というシンプルなデザイン。赤と黒と白で統一されていてハイセンスすぎます。大好き。

まとめ

タラちゃんファン必見、カートラッセルファン必見、ミステリーというよりはバイオレンスが多めですのでそこらへんだけ注意してもらいたい会話劇。そんな感じですね。

この映画、65mmフィルムというものが使われており、日本では上映できる映画館がなかったので編集版が公開されているようです。本国の人が羨ましい。普段の映画館の映像とどう違いがあるのか専門的な事は分かりませんが、監督が拘った映像をそのままに映画館で楽しめるというのは最高だと思います!