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大人も子どもも楽しめる青春ドラマの傑作。映画『スタンド・バイ・ミー』ネタバレ&感想

あの12歳の時のような友達はできない
―――もう二度と

こんにちはーちびぞう(@cbz_ewe)です!

こないだの記事↓で書いた野外上映会にて今作を観たんですが、残念ながら字幕があまり読めなかったので・・・うちにあるDVDで再鑑賞。

静岡県の『夜空と交差する空の上映会(三島スカイウォーク)』行って来たよレポ

小さい頃に何回か観た事があったんですけど、あんまり内容を覚えていなかったんですよね。
当時、ちびぞうが小さかった頃に兄が悪ふざけでパイ大食い競争のシーンを面白いから見ろって見せてきたことがありまして(笑)そのシーンが気持ち悪かったことだけはよく覚えてます(笑)

原作はスティーブン・キング、監督は同原作の『ミザリー』も手掛けたロブ・ライナー。
主演には、今は亡き伝説的俳優のリヴァー・フェニックス、主人公の兄役にジョン・キューザック、街のギャングっぽい奴らのリーダーに『24』シリーズで一世を風靡したキーファー・サザーランド!地味に豪華ですねーーーー!

この映画でベン・E・キングの同名主題歌がリバイバルヒットしたのも有名ですね。

【映画情報】

【原題】Stand by Me
【制作国】アメリカ
【監督】ロブ・ライナー
【脚本】レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エバンス
【原作】スティーブン・キング「THE BODY(恐怖の四季)」
【製作】アンドリュー・シェインマン、レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エバンス
【撮影】トーマス・デル・ルース
【美術】デニス・ワシントン
【音楽】ジャック・ニッチェ
【出演([]内は役名)】

  • ウィル・ウィートン[ゴーディ・ラチャンス]
  • リバー・フェニックス[クリス・チェンバース]
  • コリー・フェルドマン[テディ・デュチャンプ]
  • ジェリー・オコンネル[ヴァーン・テシオ]
  • キーファー・サザーランド[エース・メリル]
  • ジョン・キューザック[デニー・ラチャンス]
  • リチャード・ドレイファス[作家]

【公開日(日本)】1987年4月18日
【上映時間】84分
【配給】コロンビア映画
【映倫区分】PG12
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが、町から30キロばかり離れたところに列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆4.1/5.0

これぞ名作・・・ッッッ!!!

エンディングの時には涙が出て来てしまいますね・・・。スティーブン・キング原作の映画は『ミザリー』など大好きなホラーも多いんですが、ホラーだけでなく青春ドラマもすっごくイイんですよ・・・!

最近、リメイクされた『IT』も青春ドラマとしての一面が強く描かれていて、良かったですよね。今作を観てITを思い出す、ITを観ていて今作を思い出す、なんとなくキングさんの作品は特徴があって”彼らしさ”を感じられるところも良さの一つだと思います。

まるで上質なお化け屋敷。映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ネタバレ&感想

子ども時代の回想シーンがメイン

オープニングで大人になった主人公がクリスという友人が刺殺されたという新聞記事を見て過去を思い出す。そしてその頃の冒険譚を執筆する。

その回想シーンが本編になっています。

とある田舎町で小学校の最後の夏休みを過ごしていた仲良し4人組が、町の不良たちが噂していた「ブルーベリーを摘みに行ったまま戻らなくなったブラワーという少年の死体を見た。列車に撥ねられたんだ」という話を聞いて

自分たちが死体を見つけてテレビに出て町のヒーローになろう!

と線路を辿るちょっとした冒険に出かける・・・というのがお話の軸。

エンディングでは回想が終わり、主人公は「あの時のような友人はもう2度と出来ない」と締めくくって本を完成させる。

4人の個性豊かな男の子たち

  • ゴーディ
    主人公。物書きの才能をクリスに見出されているが、両親に好かれ優秀だった兄の死に対する劣等感から内向的な思考に陥っている。
  • クリス
    ゴーディの親友。思いやりがあって賢いが、家庭環境があまり良くなく、給食費を盗んでしまうなどの悪さもしてしまう。盗んだあとで先生に返しに行ったが、その先生は返してもらった給食費でスカートを購入。その事実にショックを受ける。
  • テディ
    メガネをかけた個性的な性格の少年。父親はキレやすい性格で耳を焼かれかけたこともあるが、彼は父を深く愛しており、他人に父親を貶されると「親父はノルマンディーで戦ったんだぞ!」と必死に擁護する。
  • バーン
    太っちょでビビりな少年。彼が噂を聞きつけた事から物語が始まる。橋の上では四つん這いになって歩いたり、夜中の見張りの時は物音がするたびにそこへ銃口を向けるなどコメディ担当な感がある。

この4人のたわいもないお喋りとか、ちょっとした言い合いとかが最高なんですよね。

ちびぞう的には「ミッキーはねずみ、プルートは犬だろ?じゃあグーフィはなんなんだ?」っていう、どうでも良いけど聞かれたら確かに不思議!と思うようなやりとりが本当に少年らしくて好きでした(笑)

特に良いなーと思うのはやっぱりゴーディとクリスの二人の心の中が見えてくるようなやりとり。お互いの苦しみや悲しみを、こいつにだけは話せるんだぜと言う感じで打ち明け、共有し、そして二人で慰め合って乗り越えていく。

最後には追って来た不良グループに対峙して力を合わせて戦い、男としても成長する。

このひと夏の冒険で少年たちは確かに一回り成長したんだなぁと思えるんですよね。しかもそれは、一人では成し遂げられなかった。彼らだったからこそ、出来た。そこがイイ。

しかし彼らは一生の友達になるわけではなく、時間と共に疎遠になったりして、思い出の一部になっていく。そこを回想する主人公の立場になると、大人になってからの鑑賞がまた泣けるんです。

記憶に刻み込まれるシーンの数々

例えば、犬に追いかけられるシーンや列車に追いかけられるシーン、ゴーディが話すパイ大食い競争の話や沼地にハマってヒルに全身を噛まれたりなどなど・・・

あ、昔確かに観たなぁ、という記憶がそれぞれのシーンで蘇ってくるんです。長いこと観てなくてほとんど内容も忘れていたけど、大事なところは記憶が蘇る。これも名作の所以ですよねーーーー。

ちびぞうは兄のせいでパイ大食い競争のシーンは若干トラウマ気味でしたが、大人になってから観たら割と平気でした(笑)気持ち悪いには気持ち悪いんですけども!でも野外上映会では笑いも起きてたし、面白いと思う人には面白いシーンなのかな・・・。

ホラーの巨匠なだけあって、ヒルのシーンもそうですけどどことなくホラーな雰囲気も漂ってるんですよ!上手く説明できませんが・・・青春ドラマだけではない、という不思議な作品。

まとめ

脚本良し、子ども達の演技も良し、個性的なキャラクラ―も良し、印象に深く残る名シーンの数々も良し、冒険を終えてこれでみんなとはお別れかなと思わせる終盤の演出も泣けるし最高。

前述しましたが、子どもの頃はちょっぴり怖い冒険モノで笑えるシーンもある作品として楽しめるし、大人になってから観ると失った青春時代を想って涙する感動作へと変化する。観る世代によって感想や楽しみ方が変わるのも、今作の面白さの一つだと思います。

それから何より、BGMに使われている楽曲のすばらしいーーーーー。エンディング曲もやっぱり最高ーーー!!

褒めるところしかもう出てきません!!!

最近やっていた『IT”それ”が見えたら、終わり』での青春ドラマパートが好きだなーと思った方は、ちょっぴり古い今作もぜひ!手に取って観て頂きたい!きっと好きになれるはずです!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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最凶ファムファタールが誕生。映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』ネタバレ&感想

最狂の恋が僕にやってきたッ!!

元々観る気はそんなになかったんですけども、ちびぞうが最近ハマっている安藤サクラさんが出演なさっているということでね、気楽に観れるラブコメっぽいしレンタルしてみました!

監督は『モテキ』『バクマン。』などの少年・青年漫画の実写化で知られる大根仁。
今作も 渋谷直角の漫画を原作としています。

主演の民生ボーイに妻夫木聡狂わせガールに水原希子、その他リリーフランキー、安藤サクラ、新井浩文などなど、邦画でよく見る実力派俳優さん揃い!キャストにはものすごく安定感ありますね!!

全編通して奥田民生の楽曲が使われているというのも注目ポイント。
元々ミュージックビデオを撮られていた監督さんなので、BGMのチョイスもセンス良いんですよね・・・というのはモテキでも十分分かっているところではありますが!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】大根仁
【原作】渋谷直角(同タイトル‐ 扶桑社)
【製作】市川南、中山道彦
【エグゼクティブプロデューサー】山内章弘、金吉唯彦、津嶋敬介
【企画】鈴木俊明、福冨薫
【プロデューサー】平部隆明、市山竜次
【協力プロデューサー】馬場千晃
【撮影】宮本亘
【照明】冨川英伸
【録音】渡辺真司
【美術】都築雄二
【スタイリスト】伊賀大介
【ヘアメイク】細川昌子、吉田佳奈子
【編集】大関泰幸
【音楽】岩崎太整
【音楽プロデューサー】北原京子
【助監督】二宮孝平
【キャスティング】新江佳子
【制作担当】田辺正樹
【出演([]内は役名)】

  • 妻夫木聡[コーロキ・ユウジ]
  • 水原希子[天海あかり]
  • 新井浩文[吉住]
  • 安藤サクラ[美上ゆう]
  • 天海祐希[江藤美希子]
  • リリー・フランキー[倖田シュウ]
  • 松尾スズキ[編集長・木下]
  • 江口のりこ
  • 松本まりか

【公開日(日本)】2017年9月16日
【上映時間】100分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】5.3/10.0  (およそ75人の評価)

【あらすじ】

奥田民生を崇拝する雑誌編集者を主人公に、全編にわたって奥田民生の楽曲が使用されるラブコメディ。「力まないカッコいい大人」奥田民生に憧れる編集者コーロキが、おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動となった。仕事で出会ったファッションプレスの美女、天海あかりに一目ぼれしたコーロキは、あかりに見合う男になるべく、仕事に精を出し、デートにも必死になる。しかし、やることなすことすべてが空回り。あかりの自由すぎる言動に常に振り回され、コーロキは身も心もボロボロになってしまう。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆4.0/5.0

もうね・・・大根仁監督は天才ですかね・・・。

『モテキ』『バクマン。』もすっっっごく好きなんですよちびぞうは!!!そして今作も良かった・・・すごく良かった・・・。

3作好きな作品が来たら、もうこの監督の作品は好きなんだなぁって思ってもいいですよね!!!!?

おおまかなストーリー

狂わせガールのあかりと付き合い出したコーロキ君。

しかし、理想的な彼女だとべた惚れしたあかりは、実は裏で元カレである吉住(コーロキ君の同僚)、更に編集長とも三股状態だった・・・。

それぞれが自分があかりの「本命」だと主張し、ラストで編集長が呼び出した吉住と三人で対面しそこにあかりも加わって修羅場を迎えるわけなんですが・・・そこであかりが言う言葉が本当に痛快というか。

「私は誰の彼女でもないわよ」って(笑)えーーーー!!!

”みんながして欲しそうだなーと思うことを、私はしていただけよ”って。全く悪びれないあかりちゃんの恐ろしさ極まれり。

しかもコーロキ君が「本当のあかりを見せてくれよ!」って言うんですけども

「見せてるよ?コーロキくんの思う私が、本当の私だよ」って・・・。

ガックリしてしまう男性三名。すると編集長が発狂、吉住の顔をザックリX字に切りつけてあかりにも襲い掛かる!危ないところでコーロキ君が後ろから編集長を殴ってあかりを救う。

その後、マレは廃刊、あかりとは連絡がつかなくなったどころか、「天海あかり」という名前の人物すら存在していなかったという。
ラストシーンは三年後。敏腕編集者として成功したコーロキ君は、コラムニストの三上さんとお付き合いしている様子。

タクシーに乗る直前で、フランス人の男と歩くあかりの姿を目撃。

気取らず、憧れの奥田民生のように立ち食いそばを食べながら、かつての自分の幻を見て涙するコーロキ君。

必至に海を泳ぐコーロキくんのバックで奥田民生の「custom」が流れてエンドロール。

めっちゃ泣きました

ラストシーンが最高すぎませんか。

「ラストシーンが最高に泣けてくる映画ベスト10」があったら上位に食い込みますよ!!

立ち食いそばを食べながら、「人がどうしたら喜ぶのか、そういう方法を学んだ。かつて憧れた奥田民生のような生き方を、自分は別の方法で出来るようになったのだ」的なモノローグが流れます。

憧れの生き方をしているはずなのに、なぜか涙してしまう。どうしてなのか?
きっとここに来るまでに大切な何かを失くしてしまったという自覚があったからかもしれません。

 

この映画は、天海あかりというファムファタール(男にとっての運命の女、または男を破滅させる魔性の女)に振り回されながらも生き方を学んで成長していく男の”青春の終わりの物語”、いわゆる通過儀礼的な、イニシェーション・ラブのお話なんですよね。

青春を運命の女に振り回される洋画と言えば『500日のサマー』とか『最低で最高のサリー』とかありますねー。この映画のあかりは本当に魔性も魔性、存在すら怪しい神秘性のあるキャラクターですからね、上記二本よりよっぽどエグいとは思いますが(笑)方向性としては同じなのかなーと。

 

ラストの妻夫木君の泣きの演技が最高で、その心情も本当に切なくて、もらい泣き必至です。ちびぞうはこのラストが大好きで、本編を三回くらいは繰り返し観ました(笑)

周回すると気付く細かな演出

京都に一緒に行こうと言ったのに仕事が押してしまい来れなかったコーロキ君の代わりに、あかりは元カレの吉住を京都のホテルへ呼び出します。

そこで吉住は、自分の好きなドラえもんの単行本をあかりに渡し、「本当に最高だから読んで!」と言います。ここのシーンで、吉住が自分の人生に影響を与えるほどドラえもんが好きなんだという事が分かります。対するあかりは、そんなに興味はなさそう。

実はこのシーンより前に、コーロキ君があかりから来たラインを編集長に見せるシーンがあるんですが、そこをよーく見てみると、あかりが「ドラミちゃん」のスタンプを使っているんですよ・・。これ気付いたときはちょっとゾッとしましたね・・・(笑)

おそらく元カレの吉住と付き合っている頃、彼の趣味に合わせてダウンロードしたドラえもんスタンプを使っているんだろうなと思うんですが。
あの時点で吉住とも関係が続いていたかは劇中で明らかになっていないんで分からないんですけど、あれを見ると二人と進行形だったようにも見えますし、完璧に別れていたとしても「元カレ」に対してなんとも思ってない感じが伝わってくるというか・・・怖い。怖いですね。
これが、二周目でないと気付かないかもしれないっていう細かい演出だったので(しかも映るの一瞬)「監督さすがか」と感動してしまいました(笑)

しかも二周目だと嬉しそうで幸せそうなコーロキくんが切ないんですよねぇ・・・

安藤サクラ100%伝説更新中!

すーごいどうでもいい話なんですが、私が今まで観てきた安藤サクラの出演作が「100%面白い!!」という個人的な伝説が続いていまして・・・今作も漏れなく面白かったので伝説更新中!ということですね!

ちなみに過去に観たのは

今後も安藤サクラの作品を追っていきたいと思います!!

ちなみに安藤サクラ以外の役者さんも素晴らしかったですよ。特に水原希子はもう最凶すぎる。

まとめ

奥田民生の楽曲の使い方も最高。今まで一度も奥田民生を聴いたことのないちびぞうも好きになってしまいました。

ただのアホなギャグラブコメかと思いきや、全くそんなことはないし、青春映画としても恋愛映画としても人生を語る映画としても素晴らしい・・・。

オススメ度、かなり高めです。

「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」というCDも出ているらしい。
めっちゃ欲しい!!!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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生田斗真×広瀬すずの禁断ラブ♡映画『先生!、、、好きになっても良いですか?』ネタバレ&感想

”お前が未来に出会う災いは、お前がおろそかにした過去の報いだ”


先生! 、、、好きになってもいいですか? [DVD]

たまーーーーーに、こう、日本の少女漫画原作のラブ映画っていうのが観たくなるんですよね。ちびぞう(@cbz_ewe)です!!

最近のものだと『ピーチガール』とか観てましたね!というかこの記事の触りでも全く同じこと書いてて自分で笑ってしまった(笑)

山本美月がガングロギャルに!?映画『ピーチガール』ネタバレ&感想

今回は先生と生徒の恋愛映画ということで、近い時期にやっていた『ナラタージュ』とごっちゃごちゃになってしまうちびぞうです・・・。

今作も、先生と生徒の恋。キャストは先生役に生田斗真、教師に恋する女子高生役に、広瀬すずです。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】三木孝浩
【脚本】岡田麿里
【原作】河原和音「先生!(集英社)」
【エグゼクティブプロデューサー】高橋雅美、平野隆
【プロデューサー】濱名一哉、幾野明子
【共同プロデューサー】田口生己、辻本珠子、山本礼二
【撮影】山田康介
【照明】木村匡博
【録音】矢野正人
【美術】花谷秀文
【装飾】西尾共未
【ヘアメイク】百瀬広美
【スタイリスト】望月恵
【音響効果】伊藤瑞樹
【編集】伊藤潤一
【主題歌】スピッツ -“歌ウサギ”
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[伊藤貢作]
  • 広瀬すず[島田響]
  • 竜星涼[川合浩介]
  • 森川葵[千草恵]
  • 健太郎[藤岡勇輔]
  • 中村倫也[関矢正人]
  • 比嘉愛未[中島幸子]
  • 八木亜希子[島田遼子]
  • 森本レオ[羽柴晶一]

【公開日(日本)】2017年10月28日
【上映時間】113分
【配給】ワーナー・ブラザース
【映倫区分】G
【IMDB】6.0/10.0  (およそ300人の評価)

【あらすじ】

弓道部に所属する女子高生・島田響は、クールで生真面目だが実は生徒への愛に溢れる世界史教師・伊藤貢作に恋をする。生まれて初めて誰かを好きになった響は、伊藤に対し自分の気持ちを率直にぶつける。伊藤はそんな彼女に惹かれながらも、教師という立場から一歩を踏み出せずにいたが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.3/5.0

王道中の王道。という感じでした。

適度にキュンあり適度に悩みあり適度に山場があって適度にハッピーエンド。

無難に楽しめる作品ですが、あえて悪く言えば「驚きが何一つない展開」に若干退屈感を感じるかもしれませんね・・・。

役者陣がミスキャスト感

ちびぞうは原作の漫画を読んでいないのでこの役にこの人どうなの!?という違和感がある、という事ではなく、単純に生田斗真×広瀬すずの演技としての相性の問題があったのかなと・・・。

まず、広瀬すずの「先生大好き!!!」感があまり出てない。彼女はあんまりキャピキャピしてる女優さんではないというか、静かでミステリアスな雰囲気すら感じる演技が最近ハマってますよね(『三度目の殺人』『ラプラスの魔女』でも同じような演技をしていたと思います)先生を好きになったきっかけもボンヤリしているし、その気持ちの大きさみたいなものも伝わって来にくい感じがします。

それに加えて生田斗真の演技もまーーーーた、感情が見えない!!!
いつ彼女を好きになったのか????惹かれていく描写なんかあったのかな????
なので、ウェディングドレスの広瀬すずに近いの儀式をされて

「魔が差してキスしちゃった感」がすっごい・・・。

もしあそこのシーンに行くまでに生田斗真の気持ちもきちんと見えていたら、そんなに違和感もなかったと思うんですけどね。その後の、教師や保護者の人達を相手に気持ちを話すシーンももっと盛り上がった気もする。
生田斗真って別に感情消す演技ばっかりじゃないし(最近だと『彼らが本気で編むときは、』とかありましたね)、今回は本当に相性の問題だったのかなぁ、と。

個人的には、『ナラタージュ』の先生役を生田斗真で観たかったなぁ・・・。

松潤×有村架純の純愛系?映画『ナラタージュ』ネタバレ&感想

代わりに脇役のアツさは空振り感

先生が生徒にキスしてる写真がSNS上に流出したら相当な騒ぎになりますよね。多分ね。

そんな状態で「逃げんなよ!!」みたいに怒りに行く主人公のクラスメイトの川合浩介くん・・・。いや、正直異動だけで済んだって相当良い方だと思うんですけど・・・。
というか大人としての責任を取る事と、広瀬すずとの恋愛を今後どうするかは全くの別物だと思うんですけどそこらへんごっちゃごちゃ感。

せっかく、弓道部仲間の藤岡勇輔くんも告白したけど、あんまり広瀬すずを悩ませるような存在にはなれなかった・・・。ちびぞうはヒロインとヒーローに横恋慕するキャラってすごく好きなので、彼の存在感がどうにも薄かったのも残念だったなぁ。もうちょっとヒロインを悩ませて欲しかった!!!

まとめ

すーーーごく無難にキュンキュンできる王道中の王道、最後もしっかり卒業を待ってから結ばれるというとっても綺麗なハッピーエンド。

だからこそ、何かが物足りない・・・・とちびぞうは思ってしまうんですけど、でも普通に楽しめる恋愛映画だと思います!!!

というかコレ系はあんまり観ないから他と比べようがないけど、でも多分結構面白い方だと・・・思う!なので失敗することは決してないと思います!そこは安心して頂けるでしょう!!多分!(多分)

 

 


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画像引用元:映画.com

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せめて前篇だけで良かった。映画『サクラダリセット 後篇』ネタバレ&感想

咲良田の未来をかけた、最後の聖戦が始まる―――

はいどうもぉ、ちびぞう(@cbz_ewe)です。

前回の記事に引き続き、こちらの青春超能力映画の後篇について書いていきたいと思います。

超能力者たちの青春映画『サクラダリセット前篇』ネタバレ&感想

今回の見どころはミッチーこと及川光博さんが後篇から登場するということでね、いかに前篇の面白く無さを底上げするか・・・ということなんですが(序盤から辛口全開)

というか今気付いたんですけども、こちらの原作はラノベでしかもアニメ化もされてるんですね。ラノベ原作に偏見はないんですけども、アニメ化されるようなラノベは実写化に向いていないのでは?という気持ちはうっすらとあります・・・。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】深川栄洋
【原作】河野裕 「サクラダリセット(角川スニーカー文庫)」
【企画】丸田順悟
【プロデューサー】春名慶、二木大介、青木裕子
【撮影】清久素延
【照明】三善章誉
【録音】小松将人
【美術】黒瀧きみえ
【スタイリスト】浜井貴子
【ヘアメイク】ワシダトモキ
【視覚効果】松本肇
【編集】坂東直哉
【音響効果】齋藤昌利
【主題歌】flumpool – “ラストコール”
【出演([]内は役名)】

  • 野村周平[浅井ケイ]
  • 黒島結菜[春埼美空]
  • 平祐奈[相麻菫]
  • 健太郎[中野智樹]
  • 玉城ティナ[村瀬陽香]
  • 恒松祐里[岡絵里]
  • 岡本玲[宇川紗々音]
  • 岩井拳士朗[坂上央介]
  • 矢野優花[皆実未来]
  • 奥仲麻琴[魔女(若い頃)]
  • 吉沢悠[津島信太郎]
  • 丸山智己[加賀谷]
  • 中島亜梨沙[索引さん]
  • 八木亜希子[浅井陽子]
  • 及川光博[浦地正宗]

【公開日(日本)】2017年3月25日
【上映時間】103分
【配給】ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】5.8/10.0  (およそ35人の評価)

【あらすじ】

住人の半数が特殊能力を持つ閉ざされた街・咲良田。芦原橋高校の奉仕クラブに所属する浅井ケイと春埼美空が2年前に死んだ同級生・相麻菫を再生させるべく奔走する一方、管理局内では強い権力を持つ対策室室長・浦地正宗が、街の未来を左右する計画を実行しようとしていた。その計画に相麻が関わっていたことを知ったケイと春埼は、仲間たちと共に計画を阻止するべく立ち上がるが……。【引用元:映画.com

【感想(酷評というか・・・)】

☆1.0/5.0

前篇後篇に分けて公開するという割と大作をイメージさせる作りなわりには、前篇は3週目には終わっていたと言う大コケぶりで大変なことになっていましたね。

さて。後篇は果たして盛り返せたのか?

いや、盛り返せるはずはない

IMDbでも前篇の6点台から鑑賞数の半数が減り、人数が激減りすると点は上がりやすくなる(追いかけてるの熱心なファンだけだろうから)と思うのに5点台に下落・・・これは辛い。

もう感想書くのもしんどい

  • 相変わらず物語に置いてきぼりされている点
  • ミッチーを相手取った最終決戦がただの説得という地味さで、前篇のクライマックスの方がよっぽど緊迫していた感
  • ミッチーの演技も怪演というほどでもなく浮いていてつらい
  • 全体の演技もなんだか自然さがなくてつらい(元々ラノべってアニメに似合う台詞回しが多いと思うんですよ。だから現実だと違和感生まれること多々あり)
  • 途中でいきなり主人公とハルキが両思いになって突然三角関係!みたいなシーンが出てくるけど違和感しかない
  • 能力者の能力が暴発したら街中で爆発が起きると言うよく分からない流れ(爆発させときゃクライマックス感あると思ってる)

おおまかにいえばこんな感じです。

ぶっちゃけラストの方は、あまり頭に入って来なくて「え?どうなったっけ?」って感じだけど見返して理解しようという気がまず起きないというね・・・。

能力者を町から消し去りたい!というミッチーVS能力者がいるサクラダが好きという主人公

というのは分かりました。

そして、能力で悲劇が起きないようにしっかり管理していけばいいじゃん?俺がやるし!という主人公の案が最終的にミッチーを納得させた・・・

というのも分かりました。

なんで納得したのかとかいまいち分かっていませんが・・・

 

すごく思うのは、前後編にせずに前篇だけもう少し掘り下げてクオリティアップさせた方が良かったんじゃないかな・・・というところ。

未来視の能力を持った女性がサクラダの管理局で幽閉されながら仕事をしていて、しかし最期には愛する人のそばで死にたい・・・という想いを叶えるために能力者が力を合わせて管理局から脱出させる・・・というのはすごく良い話じゃないですか。
しかも、主人公はその作戦を成功させるためにその身を投じて死にますからね!一回ね!絶対に前篇のラストの方が後篇より盛り上がるよね!

まぁ言ってても仕方ないんですけどね!!

 

よし、こんな感じで勘弁してください。

 

 


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画像引用元:映画.com

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超能力者たちの青春映画『サクラダリセット前篇』ネタバレ&感想

能力者が集う街、咲良田に、聖なる再生を―――

映画館でチラッと予告を観た時に、タイムリープ系の青春群像劇で、ちびぞう(@cbz_ewe)の好みっぽいなぁと思ったものですが・・・しかし気付いたらものすごい速度で上映が終了しておりまして。

劇場で見逃してしまいましたね。

でもなんか大コケしたみたいですね。それを知らずにレンタルしてDVDで観ましたが・・・。

ちなみにちびぞうは原作未読です!!!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】深川栄洋
【原作】河野裕 「サクラダリセット(角川スニーカー文庫)」
【企画】丸田順悟
【プロデューサー】春名慶、二木大介、青木裕子
【撮影】清久素延
【照明】三善章誉
【録音】小松将人
【美術】黒瀧きみえ
【スタイリスト】浜井貴子
【ヘアメイク】ワシダトモキ
【視覚効果】松本肇
【編集】坂東直哉
【音響効果】齋藤昌利
【主題歌】flumpool – “ラストコール”
【出演([]内は役名)】

  • 野村周平[浅井ケイ]
  • 黒島結菜[春埼美空]
  • 平祐奈[相麻菫]
  • 健太郎[中野智樹]
  • 玉城ティナ[村瀬陽香]
  • 恒松祐里[岡絵里]
  • 岡本玲[宇川紗々音]
  • 岩井拳士朗[坂上央介]
  • 矢野優花[皆実未来]
  • 奥仲麻琴[魔女(若い頃)]
  • 吉沢悠[津島信太郎]
  • 丸山智己[加賀谷]
  • 中島亜梨沙[索引さん]
  • 大石吾朗[佐々野宏幸]
  • 加賀まりこ[魔女]

【公開日(日本)】2017年3月25日
【上映時間】103分
【配給】ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ61人の評価)

【あらすじ】

住人の半数が特殊能力を持つ閉ざされた街・咲良田。過去に体験したすべての記憶を保持する能力を持つ高校生・浅井ケイは、世界を最大3日分巻き戻す能力「リセット」を持つ春埼美空と行動を共にしていた。「リセット」後の世界では春埼自身の記憶もリセットされてしまうが、ケイの記憶はリセットされないため、2人が一緒にいれば世界を最大3日分やり直すことができるのだ。2年前、「リセット」の影響で同級生の相麻菫を死なせてしまったケイと春埼は、咲良田の人々の様々な能力を組み合わせることで相麻を蘇らせることができるのではないかと考えはじめる。【引用元:映画.com

【感想(酷評だよ!)】

☆1.2/5.0

DVDも当然のことながら前篇と後篇ありましてね・・・。

レンタル屋で両方見つけて「おし!」と両方借りたんですけどね・・・。

正直前篇を見始めてすぐに

「あ、これは後篇まで全部観るのがキッツいやつ・・・」

と思いましたね・・・。

もうこういうのはすぐに分かりますね。なんでだろう。役者の雰囲気とか、オープニングの入りなどなど、感覚ですかね。第6感的な感覚で。

まず最初から置いてきぼり感ある

原作をはしょりまくって、結果、映画だけではいまいちキャラクターの関係性や設定がわかりにくくなってしまう。という残念な事になっていると思います。

主人公が突然、「管理局の頂点に近い人間(もうこの呼び方がすでに厨二くさいのは置いておくとして)」に呼ばれて行ってみたら、

「あなたは私がここに呼んだ」だの「この咲良田市に入れば二度と戻れなくなる」だのよくわからない・・・

主人公が小さい頃、この女性に呼ばれてこの町に来た、というところまでは理解できるんですけど、「二度と戻れなくなってしまうのにも関わらず親の記憶からも消されてまでこの町で暮らすことを選んだ理由」が分からないんですよね・・・。

一応恋愛要素もある感じなんですが(特に後篇は)、主人公とハルキの関係性だったり、もう一人のヒロイン?の関係性もなかなか謎が多いままで進んでいく・・・

超能力に関しても曖昧

ルールが曖昧と言うかガバガバな感じがするんですよ。全体的に。

主人公の能力が「全ての記憶を保持し続けられる」っていうのは分かりやすいんですけど、ハルキの「リセットと言えば三日間巻き戻る。ただしセーブをしたらそれより前には戻れない。更に、セーブが出来るのは一度に一回だけ」みたいな、この能力。

そもそも、主人公とセットでないと使えないの。って言われても

なんで????

となるわけですよ。一応、過去に自分だけでリセット能力を使っていたらミスって友達が死んでしまったという事があってから、信頼する主人公の言葉がないと能力を使えなくなってしまった・・・という理由は説明されるんですけど・・・。

精神的な問題であるなら、最後に主人公がわざと殺されることでリセットしよう!って場面の時にわざわざ”声を届けられる能力”を使ってハルキにリセットを命じなくても、あんな壮絶な場面だったら自力で能力使ってくださいよって思ってしまう。
だって、主人公がただの石になってしまっても愛せるって明言するくらいハルキは主人公ラブなわけだから。死ぬ気で能力使えよ、と思ってしまうわけです。

しかも、「セーブをされた日より昔には遡れない」はずなのに、写真で過去に戻ればそこからまたリセットが使えるのもなんだかなぁ。ルール違反じゃないですかね。法の隙間ってことですかね。

それ以外の能力者も、ルールが曖昧な感じがする人が多い。

「能力を奪える能力者」と言っても、そのやり方は”記憶を操作して能力者にその使い方を忘れさせる”というもの。

それって、つまりは能力を奪うのがメインではなくて「記憶を操作するのがメインの能力」ってことだよね??ほかにもできることめっちゃありそうだし強い能力じゃないですか!!でも基本的に能力を奪うことにしか使わないんだよなあ・・・。

他人に声を届けるにしても、対象から対象へ能力を移す能力も、どれもいまいちハッキリしない。よく分からないまま能力を使うところを見せられても、あまり楽しい!!とはならないわけです。

おそらく、原作ではしっかり説明されているのかと思うんですが・・・。

最後少しだけ盛り上がる

まさかのわざと殺されてハルキに能力を返させるというめちゃくちゃな作戦はぶっちゃけ勝機をなぜそこまで確信して出来たのか?と思ってしまうんですが

そこへ行きつくまでの、能力者たちの力を複数組み合わせて魔女を脱出させる、といった展開は全体的に退屈な流れの中で楽しめた一部分でした。

まとめ

しかし、最後の最後に、過去に死んだ相麻菫(もう一人のヒロイン)が蘇ってビックリ―!!!と言う感じになるんですけど、ちびぞう的には

誰???

ってなるし、もうよく分からないです!!!(笑)

正直この感想すら書く気力が非常に起きなくて苦しみました・・・苦しんで生み出した子(感想)ほど可愛いとかそんなもんではありません。

前篇と後篇を両方借りて失敗したなぁと心から思っていたんですが、逆に両方借りていたから良かったのかもしれません。

だって前篇だけ観たら後篇を借りる気力ってなかなか沸いてこないと思うので・・・。

果たして後篇で盛り返すのか?及川光博さんが出演しているっぽいので、そこに希望の光をかんじているちびぞうでした・・・

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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あ行

まるで上質なお化け屋敷。映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ネタバレ&感想

”周期セミみたいだ。何年かごとに大量発生する”

先日?古い方の『IT』を観まして、ようやくリメイク版にも手を出しましたちびぞう(@cbz_ewe)でっす!!!

元祖・ピエロが襲う恐怖映画『IT イット(前後編)』ネタバレ&感想

今回の狂気のピエロ役は観ていて全く気付けなかったんですが、ビル・スカルスガルドくん!!スウェーデン出身の俳優さんで、『シンプル・シモン』で主演していましたね!

障がいと向き合うということ。映画『シンプル・シモン』感想

この記事でも書いてますが、『マンマ・ミーア!』などのステラン・スカルスガルドの息子さんです~。

まぁ、白塗りピエロで気付ける人の方が難しいかと思いますが・・・(笑)
ペニーワイズ役は、テレビ版でもティム・カリーが演じていましたし、選ばれたのは純粋にすごいなぁ・・・と。(なんというかそれが分かっただけでピエロがちょっと色っぽく見える不思議)

今作はじわじわと口コミで人気が出ている・・・といった印象があって、ちょっぴり期待しつつ鑑賞しました。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】It
【制作国】アメリカ
【監督】アンディ・ムスキエティ
【脚本】チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン
【原作】スティーブン・キング『IT-イット-』
【製作】ロイ・リー、ダン・リン、セス・グラハム=スミス、デビッド・カッツェンバーグ、バルバラ・ムスキエティ
【製作総指揮】デイブ・ノイスタッター、ウォルター・ハマダ、リチャード・ブレナー、トビー・エメリッヒ、マーティ・P・ユーイング、ダグ・デイビソン、ジョン・シルク、ニーハ・カイケンダール
【撮影】チョン・ジョンフン
【美術】クロード・パレ
【編集】ジェイソン・バランタイン
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【音楽監修】デイナ・サノ
【出演([]内は役名)】

  • ジェイデン・リーベラー[ビル・デンブロウ]
  • ビル・スカルスガルド[ペニーワイズ]
  • フィン・ウルフハード[リッチー・トージア]
  • ジャック・ディラン・グレイザー[エディ・カスブラーク]
  • ソフィア・リリス[ベバリー・マーシュ]
  • ジェレミー・レイ・テイラー[ベン・ハンスコム]
  • ワイアット・オレフ[スタンリー・ユーリス]
  • チョーズン・ジェイコブズ[マイク・ハンロン]
  • ニコラス・ハミルトン[ヘンリー・バワーズ]
  • ジャクソン・ロバート・スコット[ジョージ―・デンブロウ]

【公開日(日本)】2017年11月3日
【上映時間】135分
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【映倫区分】R15+
【次作】IT/イット:チャプター2
【IMDB】7.5/10.0  (およそ271,210人の評価)

【あらすじ】

内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレも!!)】

☆3.5/5.0

これはすごくイイ!!!!!!!!!

とてもイイ!!!!すき!

何が良いのか!!!ポイントごとに分けて書いていきたいと思います!!!

ハイクオリティなお化け屋敷感

内容としても驚かし方としてもすっごくベタなホラー映画だと思うんですけど、映像と音楽がすごくイイんですよね。

じわじわと恐ろしさを感じる表現だったり、ビクッと驚かされたりする感じとかが、お化け屋敷を楽しむように、楽しめる怖さ。エンターテイメントとしてのホラーというものを皆が分かってて楽しんでこわがれる。という。

それと、ピエロが見せてくる悪夢というのは、子ども達7人それぞれに違う、それぞれが思う”恐怖”を映像化しているので、色んな種類の”恐怖”が見られるんですよね。例えば兄弟を失う恐怖だったり、お化けに対する恐怖、病気に対する恐怖、異常さを持った親たちに対する恐怖・・・見てる人もきっとどこかの瞬間で「あ、これは怖い」と思えるものがあるんじゃないかな。

青春ドラマ(群像劇)としても良く出来てる

青春ドラマ×群像劇が大好物なちびぞうですから、すごく良かったです。

元々の前後編あるお話の、前編部分だけをクローズアップして、今風に見事にリメイクしてあり、青春時代の、そう、ちょうど性についてや親のこと、将来のことなんかを悩み始めるキラキラとしていて透明感のある純粋で貴重な時期がすごくよく描かれています・・・!!!!

男の子ばかりの集まりの中に紅一点のベバリーもとっても可愛らしくて、女の子っぽさの中に男らしさというか、毅然とした強さみたいなものも見え隠れする本当に魅力的な女の子で最高なんですよ・・・。最高なんですよ。あのショートカットくそ可愛くないですか(言葉が汚い)

まだ恥じらい始める段階だからか、同世代の男子のことなんか意識してないってことなのかは分からないですが、平気で脱いでそして男子連中が飛び込みに躊躇してる中、誰より先に崖から湖(川?)に飛び込むじゃないですか。サバサバしてて最高だなぁ(何回も言う)その彼女に皆夢中な感じも良いですよね。

あのシーンと、彼女の家のバスルームが血だらけになったけど大人には見えないから男の子たちに手伝ってもらって綺麗にするシーンがめちゃ好きです。音楽も最高にクールでした。

The CureのSix Different Ways!!!!貼っておきますね!!

ベンが詩でベバリーに気持ちを伝えようとする演出も、元作品にちゃんとあるし、そのベンからの詩をビルからのものと勘違いして彼に確かめるシーンもしっかり描かれていて、子ども達の心情も分かりやすい。

本当は怖くて逃げだしたいし、弟は生きてる!!って主張するビルには付き合いきれないし、もう無理だよ!って一度バラバラになったみんなが、「ベバリーが連れ去られた!」ことをきっかけにもう一度集まって戦おうとするのも納得の流れ。みんなベバリーに恋してるし、女の子がピンチの時に、やっぱり男の子は立ち上がらないとですもんね!!

元作品の見にくい部分を綺麗に整理してる

リメイク前の作品は、全編後編に分かれていると言っても、子ども時代と大人時代が交互に描かれているんですよね。

今作は子ども時代のみに焦点を当てて、エピソードをまとめてくれているのでとっても分かりやすいし、絆を持つまでの流れとか「今後また”それ”が出てきたら戻って来よう」と約束する血の儀式もバッチリあって、大人時代へ移る前の準備はバッチリ!!!って感じでしたね。

正直、今作を観る前は前後編と知らずに観ていて、180分くらいあるのを140分くらいに短くカットしたんだなーと思っていたら、逆でした。前半部分を伸ばして、前後編にしている!!!これが大正解だったなーと、個人的に思いましたね。

まぁ、子ども時代のみで完結かと思ったら最後に「Chapter1」の文字が出て「ええっ」となっのは間違いないですけど(笑)

大人たちの描き方も最高

リメイク前の作品でも、「この町自体がどこかおかしい」という話は出ていましたが、今作ではオープニングでジョージ―がピエロに襲われる場面を見ていたおばさんがそれを見て見ぬフリしたり、どうも町の人々もおかしいな、という感じが分かりやすく表現されています。

更に、エディの母親が偽薬を使ってエディを病気だと思い込ませることで自分に依存させていたり、ビルの父親は息子の死体が見つかっていないにも関わらず「あの子はもう死んだんだ」と諦めが強い。
それから、直接的に描かれてはいないと思いますがベバリーの父親は生理の来た娘に向かって「まだ私の物か?」と聞いてくるなど、明らかに性的虐待を行っていたんだろうなと予想できることを口走ったりします。

このように、大人たちが奇妙に、そして恐ろしく描かれているので、「この町全体が何か恐ろしいものに侵されている」という感じもしますし、同時に

「親には頼ることができない。自分たちで何とかするしかない」

という感じもしてきますよね。

この不穏な大人たちの存在が、より子ども達の冒険を深く、納得のできるものにしているんです。だからこそ、自然に観れるし、頑張れ!と応援したくなる。

うーんお上手!

リメイク元との違い

  • オープニングで誘拐される少女のシーンはカット。最初に襲われるのはビルの弟ジョージ―
  • 子どもが痛い目に合うシーンがある(特にベンは腹を何回か切られてる)
  • 大人たちの描かれ方がエグくなってる
  • リメイク元では30年ごとに事件が起きてるけど、今作では27年ごと
  • 銀の塊をパチンコで撃つのではなく、みんなで協力してボコる

些細な違いはちょいちょいありますが、ほとんどはリメイク元と同じ。

スタンリー(だったかな?)が「ルーザーズクラブへようこそ!」と言うシーンはしびれましたねーーーーー!!きたーーーー!って感じが!!

まとめ

原作だとピエロの正体はアレなので、アレが現代風にリメイクされてどんな感じになるのか、そして結末はどう迎えるのか、非常に楽しみです!!!

古い方の作品も観ておくと、「わぁあこのシーン一緒だ!!ここは違う!!」とキャッキャウフフと騒ぎながら観れるので、ぜひとも古い方も鑑賞してみるのをオススメします!

次は絶対に映画館で観るぞ!!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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あ行

耽美で危険なJKのイヤミス映画化『暗黒少女』ネタバレ&感想

「それでは、朗読会を始めましょう―――」

読んでイヤ~な気持ちになるミステリー、イヤミスから「暗黒少女」の実写化です!!

ちびぞう(@cbz_ewe)は原作未読で挑みました!!!

主演の清水富美加さんの芸能界お休み前の最後の作品となったのでしょうかね?(あ、違いますねまだ『東京喰種』とかありますね)彼女の映画は『変態仮面』しか観た事がなかったのですが、その時とは打って変わったダークな役で、非常に雰囲気のある(これをカリスマというのね、という感じの)女子高生役を怪演しています!

他にも主演・助演そろってメンバーは美少女揃いですよ~~~

毒々しさオシオシの公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】耶雲哉治
【脚本】岡田麿里
【原作】秋吉理香子「暗黒女子(双葉社)」
【企画/プロデュース】松本整、明石直弓
【撮影】中山光一
【照明】松本憲人
【録音/整音】竹内久史
【美術】松塚隆史
【装飾】有村謙志
【編集】日下部元孝
【主題歌】Charisma.com – “#hashdark”
【音楽】山下宏明
【出演([]内は役名)】

  • 清水富美加[澄川小百合]
  • 飯豊まりえ[白石いつみ]
  • 清野菜名[高岡志夜]
  • 玉城ティナ[ディアナ・デチェヴァ]
  • 小島梨里杏[小南あかね]
  • 平祐奈[二谷美礼]
  • 升毅[白石]
  • 千葉雄大[北条先生]

【公開日(日本)】2017年4月1日
【上映時間】105分
【配給】東映、ショウゲート
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ90人の評価)

【あらすじ】

聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆2.4/5.0

女って恐ろしい・・・!!みたいな感じはあんまりしなかった・・・そしてイヤーな気持ちにもあんまりならなかった・・・

小説の朗読で進む犯人捜し

学校一の美少女であり生徒会長であり経営者の娘であるいつみが学校の屋上から落ち、手にはすずらんの花を持って死んでいた。その事態について、文学サロンの恒例の「闇鍋朗読会」を利用したメンバーの小説という名の告発文の朗読が始まる。

  • 二谷美礼・・・奨学金で入学した一年生。学校に隠れてアルバイトしているのを打ち明け、いつみの家で家庭教師として雇ってもらえるようになる。いつみから親愛の証としてすずらんのバレッタを貰う。いつみから、いつみの父が女子高生でありながら作家デビューした高岡 志夜に誘惑されていると悩んでいたと聞き、いつみを殺した犯人は高岡 志夜ではないかと疑いの芽を向けている。
  • 小南 あかね・・・二年生。実家の料亭を継げず自分で洋食店を開くのを夢に見ている。実家の料亭が火事になり腕にすずらんの痕の火傷を負う。文学サロンにあるキッチンを心の拠り所にしている。いつみから、二谷美礼が無理やり家庭教師のアルバイトをしてきた、しかも彼女は私物を盗んでいくのだと相談を受けており、いつみを殺した犯人は二谷美礼であると疑っている。
  • 高岡 志夜・・・「君影草」小説デビューを果たした二年生。いつみがやたらと小説を英語に翻訳しようとしているのを本当は嫌がっていた。留学生であるディアナが実は吸血鬼だったのではないかと疑っている。いつみがディアナに「これからもディアナの村から留学生を取るわ」と言った言葉を裏切った事を知り、更に夜明け前の校舎でディアナが呪いの儀式を行っていたのを目撃。いつみはディアナに恨まれて殺されたのではないかと思っている。
  • ディアナ・デチェヴァ・・・ブルガリアからの留学生。いつみがブルガリアに留学した時に出会い、帰国後、彼女の村から一人留学生を呼ぶ。本来は双子の姉が留学生として日本へ行く予定だったが急な事故に遭い、代わりに日本へ来た。自分の国の花だとすずらんの花を花壇に植えていた。小南 あかねがお菓子の中に毒を盛り、少しずついつみを殺していったのだと疑っている。

この四人の朗読が示す犯人は全くのバラバラであって、内容もそれぞれ矛盾している。

どうどんでん返るのか?

四人の朗読が終わると、最後に文学サロンの長、澄川小百合の朗読が始まる。しかし読むのは彼女自身が書いた小説ではなく、なんと、死んだいつみの”真相を告白した”小説!

そこで明かされる真実というのは、メンバーそれぞれが罪を背負っていてそれをいつみに弱みとして握られていた・・・というもの。

二谷美礼はボランティアしていた高齢者施設で体を売りお金を儲けていたし、小南あかねは自分の家に放火してるし、高岡志夜が書いた小説は海外文学のコピーだったし、ディアナは自分が留学に行きたくて双子の姉を事故らせていた・・・

その全てをいつみは把握し、彼らを自分が主人公の物語の「引き立て役」として選びはべらせていた・・・・・・・。

しかしいつみはいつみで秘密を抱えていた。それは、顧問の北条先生と付き合っているという秘密。しかも彼の子どもを妊娠したいつみは徐々に体調を崩していく・・・(その過程がそれぞれの小説で”悩んでいた”とか”疲弊していった”とか”毒に侵されていた”、”呪いで弱っていった”と表現されている)

北条先生は父親に全てを話して許しを得るつもりだったが、いつみは堕胎できなくなるまで待って欲しいと言っていた。しかしある日、誰かがいつみの秘密を父親にバラしてしまう。留学中の密会の写真をそえて妊娠していることまでバラされてしまい、父親は北条先生を解雇し、町から追い出していつみの子どもを中絶させた。

脅していたメンバーが結託して裏切ったに違いない。そう考えたいつみが彼女らへの復讐として考えたのが「死の偽装」。全員に疑いがかかるような状況を作り出し、落ちて死んだことを偽装した。そして闇鍋会の闇鍋に、毒にもなるすずらんを混入させていた・・・。

阿鼻叫喚となるメンバーたち。

しかし本当のどんでん返しはここから。

いつみは死を偽装し、この計画の実行を親友である澄川小百合に頼んでいた。別の町へ出て北条先生と新しい人生を築こうとするいつみの姿を見て澄川小百合は思った。

「こんな平凡でつまらなくなってしまったいつみは主人公にふさわしくない」

いつみのカリスマ性が失われてしまったと嘆いた澄川小百合は思いつく。

「自分が物語の主役になろう」

そして彼女はすずらんをいつみの紅茶に入れて殺し、闇鍋に、彼女たちを今後も自分の引き立て役として縛り付けるための素材を混入させた・・・

 

これがこのお話のネタの部分ですねー。まぁ、何を混入させたかはなんとなくの流れで想像するといつみの・・・ということになるんだと思うんですが。

ミステリーとしてゆるゆる

まずメンバーの意見が矛盾している時点で、明らかにおかしいのはいつみの方ではないか。という予測が安易につけられてしまいますよね。

しかも、ちびぞうは最初の子の朗読中にあった”父親にめちゃ怒られて車に無理やり乗せられて泣いているいつみ”の姿を見て、

「こんなに父親が激怒するって何をやらかしたんだろうなー」と考えていました。

そして二人目の朗読者、小南あかねが顧問の北条先生に読書感想文を褒められる、というシーンでなんとなく

「この教師にいつみが恋してるとかそんなんでは??」

と疑い始め、そしていつみのブルガリアの留学に引率で北条先生がついていった、という台詞でピンときました。

「あーこいつらデキている」

そこからは、途中から体調がおかしくなったのは妊娠したからなんだろうし、おそらく父親にバレて堕胎させられたんだろう、と予想がついていきました。

ここらへんの予想が大体ついてくると、最後のどんでん返しもあんまり驚かなくなってしまう・・・。あそこまで全員ゲスだと、澄川小百合もピュアなわけないよねと思ってしまうしね。

もしかしていつみの秘密をバラしたのは澄川小百合かな?とも思ったんですが彼女は最後の最後までいつみ大好きだったはずなのであり得ないですよね。
だとするとブルガリアで一緒にいたディアナが写真撮ってたとしか考えられないんですけど、あの時点でディアナはただ単にいつみに好意を抱いていただけなので、密告用の写真を撮ってるというのは不自然なんですよね・・・。

そういうことを色々と突き詰めて考えていくと、ミステリーとしては少し緩い感じがしました。

ファンタジーとして見るべき?

まずこの女子校の舞台を含め、色々な部分でリアリティを感じられないんですよね・・・。非常に由緒正しい上流階級のお嬢様校だったらものすごく歴史が古くて、それこそ小学校から大学までのエスカレーターで・・・みたいな感じではないのかなぁ。

「生徒会長であり学校の経営者の娘」というのもなんか、そこまでこの学校の規模や歴史が大きくなさそうな気配を感じる。。

あらゆるお金持ち感がわざとらしすぎない???

ちびぞうも片田舎のカトリック系女子校にいましたが募金目的のバザーをやっていたりミサや聖書の時間があって交換留学していたりとか、そこらへんは「あーあるある」と思ってたんですけどこの映画に出てくる女生徒を見てると

「いやーこんな女子高生はいないなぁ」

と思ってしまう・・・。女子校ってもっとサバついてるんじゃないすかね、男子の目がないし。

それだけでなく、例えば作家デビューした高岡志夜の小説が海外文学の丸パクだったりとか、いくらなんでもそれは、日本の出版業界を舐めてるのでは・・・よく分からないけど、いつみが気付けるような物であれば他の誰かも気付いていてもおかしくないですよね・・・という。

いつみが「高校生」という限られた時間の持つ魅力を理解している・・・というのもなんだかなぁ。ちびぞうが個人的に思うのはあの時間はその魅力に気付けなくて駆け抜けてしまうからこそ大人から見て特別なものになるのではないか?ということ。

色んな点でリアリティがなくて、夢の中の出来事みたいでしたね・・・すべてが。

むしろ悪夢、という感じで観たらいいのかも。映画として面白いかはさておき。

まとめ

こういう世界観が好みの人にはハマるのかもしれないですね。

耽美でちょっと危険な香りもする、閉鎖的な空間でのお嬢様ミステリー。

澄川小百合役を演じた清水富美加さんの演技は本当にこの空気感に似合っていて、世界を作る一部になっていたといっても過言ではないです。

彼女の演技を見て雰囲気に浸るだけでも、いいかもしれません・・・!

 

 


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元祖・ピエロが襲う恐怖映画『IT イット(前後編)』ネタバレ&感想

「みんなふわふわ浮いてるよ」

どうもー!ちびぞう(@cbz_ewe)です!

今作はちびぞうが高校生の時に友達と観ようとして、「前編」「後編」と別れていたビデオの「前編」だけを借りて観たんですけども・・・「前編」は幼少時代の物語がメインで、恐ろしいホラー展開はあまりなかった記憶。夜中に観ていたこともあって眠気に負けてましたね。

結局「後編」は借りずに終わってしまったという思い出の一本・・・。

最近『IT イット ”それ”が見えたら、終わり。』というタイトルでリメイクされて話題になっていたので、どうせなら観なかった古いバージョンから観ようと思って、今回レンタルしてみました・・!!!!

これ、DVDで両面再生できるんですよ!!
「A面の再生が終わったらひっくり返してB面を読み込む」というカセットテープのような仕様・・・珍しい!!(ゲオで借りたのでツタヤの仕様はわかりません)元々映画ではなくテレビ版なので187分と長い・・・!耐えきれるのか!

主演のペニー・ワイズ(ピエロ)にはなんと、ティム・カリー。ティム・カリーと言えば伝説的カルトムービー『ロッキー・ホラー・ショー』で古田―博士を演じた俳優さんです!!白塗りピエロですが、これは楽しみですね!!

【映画情報】

【原題】It
【制作国】アメリカ、カナダ
【監督】トミー・リー・ウォーレス
【脚本】ローレンス・D・コーエン、トミー・リー・ウォーレス
【原作】スティーブン・キング
【撮影】リチャード・レイターマン
【音楽】リチャード・ベリス

【出演([]内は役名)】

  • ハリー・アンダーソン[リッチー・トージア]
  • デニス・クリストファー[エディ・カスプブラク]
  • リチャード・トーマス[ビル・デンブロウ]
  • アネット・オトゥール[べバリー・マーシュ]
  • ジョン・リッター[ベン・ハンスコム]
  • ティム・カリー[ペニー・ワイズ]
  • リチャード・メイサー[スタンリー・ユリス]
  • オリヴィア・ハッセ―[オードラ・デンブロウ]
  • ジョナサン・ブランディス[ビル・デンブロウ(12歳)]
  • セス・グリーン[リッチー・トージア(12歳)]

【公開(日本)】1991年
【上映時間】187分
【リメイク版】IT イット “それ”が見えたら、終わり。
【IMDB】6.9/10.0  (およそ95,300人の評価)

【あらすじ】

メイン州の田舎町デリーで、子どもだけを狙った連続殺人事件が発生した。その犯人が少年時代の自分たちを恐怖のどん底に陥れた謎のピエロ、ペニーワイズであることを確信したマイクは、かつての仲間たちと連絡を取り、30年ぶりに彼らと再会を果たす。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.5/5.0

いやぁ正直、めちゃめちゃ時間かけて観てしまいました・・・トータルで5時間以上・・・途中1.5倍速も使ったのに・・・「はっ、しまった今観てなかった」と巻き戻しては止め、巻き戻しては止め・・・ツムツムをやりつつ・・・

まったく集中して観れてないやん!!!?!?!?

というお叱りの言葉、はい、とっても身に染みます。

これでも結構キングさん好きなんですけどね・・・!!

おおまかなストーリー

アメリカのデリーという田舎町で子ども達が行方不明になったり遺体で見つかったりする事件が発生、どうもその犯人は謎の怪人ピエロ・・・。
その町に暮らすいじめられっこたち7人(弟をピエロに殺された吃音症のビル、喘息もちのエディ、引っ越してきたぽっちゃりベン、ボーイスカウトのスタンリー、お喋りメガネのリッチー、マドンナ的存在ベバリー、引っ越してきた黒人マイク)が力を合わせ、一度はそのピエロを倒した。そしてもし再び奴が現れることがあれば必ずまた集まろう、と約束をした。


30年後、大人になり町を出て成功した6人へ町に残っていたマイクから電話が入る。

「あいつ”IT”が現れた。約束を覚えているか?」と。

そして再び集まったかつての仲間たち。今度こそピエロの息の根を止めてやろうと、地下水道に巣くう化け物退治へと繰り出すのであった!!

 

 

このピエロというのは、町に何百年も生きている怪人のような存在で、劇中で「ペニー・ワイズ」という名前で登場します。子ども達をたぶらかし、幻影や洗脳を使って下水道へ引きずり込んだり殺したりする悪役ピエロですね。

このキャラクターはおそらく実在した殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシーが元ネタかなと思うんですけど詳しくは分かりません。

しかし、終盤になって驚いたんですけども、下水道に潜んでいるペニー・ワイズの正体というのは

SF臭漂う超巨大グモだった・・・!(何やら胸が光る)

まさかの展開でした。そして銀の塊をパチンコ(Y字の木の枝にゴムを張ったもの)で撃つと巨大クモに大ダメージ!を与えられます。あとは仲間たちが素手でぼこぼこにしたり内臓を取り出したりして倒します(なんというえげつない方法)

戦いの後遺症をそれぞれ乗り越え、再びそれぞれの人生に戻っていく・・・という感じのお話でした。

キングさんらしさ

原作のキングさんらしいなーと思うのは、『スタンド・バイ・ミー』のように子ども達が目的を持つことで一致団結する友情の部分だったり、

イット(IT)というのはピエロの道化師を指すのではなく「町全体がITなんだ」と言うように、怪奇現象の根底には町全体が関わっているといった部分。キングさんの短編作品集『8つの悪夢』でもありましたね、そんなような話が。

そしてクラシカルなオカルトホラーっぽい雰囲気を持たせつつラスボスが宇宙外生命体を思わせる巨大グモってところも『ミスト』っぽい。

他にもキングさんらしいなぁと思うところがちょいちょいありました。

ツッコミどころも

テレビサイズなので、この長さはもうどうしようもないかもしれませんが、いかんせん集中力が持たない・・・ホラー耐性・グロ耐性が高い人はおそらくあまり怖いとか感じることもないので、ピエロが襲い来るシーンでも退屈に感じてしまうかも・・・

まぁ、ホラー映画といえど”子どもが殺されるシーン、いたぶられるシーン”はほぼほぼ禁忌とされているので、メインキャラは大人になるまで死なないし、それまではピエロがちょいちょい血や風船やトゲトゲの歯を見せて脅かしてくるくらいしか見せ場がないんですよね・・・。

あとちびぞう的に、マドンナ的立ち位置であるベバリーがあまりにもみんなとイチャイチャしすぎてて(なんかビッチっぽい)と思ってしまったような。ビルとキスしたりベンとキスしたり定まらない!!!って感じで(笑)

 

結局、町全体がおかしいんだっていう部分も明かされなかったし(過去に250人以上がこつぜんと姿を消した事件について女性教師が何か知ってるっぽかったけど特にその後その件については語られなかった・・・)、ペニー・ワイズがなんだったのか、なぜあの七人は助かったのか、戦えたのか、という具体的な部分は一切謎です。あの巨大クモが定期的に餌を食べるために町の人を操って幻影などを見せて地下道に子どもを誘い入れていた、ってことでいいのかな。

良かったところ!

子ども時代に起きた怪奇現象(アルバムや洗面器が血まみれになるなど)も、子ども達の目にしか見えておらず大人は血を触りつつも気付いてない・・・!という演出が結構不気味で良かった・・・!

大人になってからは、子どもの頃のトラウマを思い起こさせるような嫌がらせの数々も結構えぐくて良かったですね。ビルには吃音症を直すために母親が何度も繰り返し練習させていた「彼はこぶしを突き出ししつこく主張した」という文章を見せたりとか。

過去に一致団結した時のように、ビルが大人になった仲間たちが逃げ出そうとするところで「戦おう。力を貸してくれ」と説得するシーンがあるんですけども、そこで子どもの頃ビルがみんなを説得していた映像が再び流れるのが良かったですね。泣けた。

 

登場人物たちそれぞれのキャラクターも、個性があって良かったですね。
本当はビビりまくりなのにお調子者キャラだから皆の前では強気にふるまったりとか、町を出て成功した側と、町に残ってくすぶっていた人の間になんとなくある気まずさとか、童貞のまま死んでいったアイツとか・・・。


あの子ども時代があっての今があるんだなぁという過去からの繋がりも意識しつつ、しっかりと登場人物それぞれのドラマがあって、よく出来ている作品だなぁと感じました。

どうでもいい脱線(バタフライ・エフェクト)について

この映画を観ていてずーーーーーーっと、思っていたんですけど、ちびぞうの大好きな『バタフライ・エフェクト』はこの作品に相当影響を受けているな?と思いました。

どこがと言われると説明が難しいんですけど、子ども時代と大人時代が描かれる構成だったり、デブやマドンナやいじめっこがいたり、なんとなーーーーーーくなんとなく『バタフライ・エフェクト』の雰囲気を感じ取っていまして。(全くの勘違いかもしれませんが)

そのあと全てが終わって、みんなの記憶がだんだん薄れている・・・という場面でマイクが手記を読み上げているんですけど、そこで

「もうこの手記を読まないと思い出せない」

みたいな台詞があったんですよね。そしてその時のノートがこちら!!

そして『バタフライ・エフェクト』で過去の記憶を呼び覚まし、タイムスリップの鍵となるノートがこちら・・・!

似てるなーーーーー似てるなーーーーーというか同じデザインのノートに見えるなーーーー!

どちらも、ノートによって記憶が蘇るというところが共通していますよね。なんかもうこれで「あ、バタフライエフェクトの製作陣は絶対ITのファンじゃん」と思ってしまいました。

(でもこのノートは別の映画でもちょくちょく見かけるので、日本でいうところのKOKUYOのキャンパスノートと同じくらいアメリカでは大衆的なノートな可能性はあるけどね)

~どうでもいい脱線終わり~

まとめ

こういった昔の作品というのはやっぱりその時代に観るのが一番楽しめるんだろうな、と当たり前のことを思いました。昔ながらのホラーが好きな人にはいまだに楽しめる名作かもしれませんが。

とにかくもう長い!それがでかい。

リメイク版では、135分と一時間近く削られているので、そちらの方が無駄なく楽しめるかもしれません。そちらもレンタルしてきたので、近日中には感想をアップできるかもしれません~

 

 


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画像引用元:IMDB

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山本美月がガングロギャルに!?映画『ピーチガール』ネタバレ&感想

「桃の花が咲くのは、三年後!」

たまーーーーーに、こういう少女漫画系というか、キュンキュン系の青春ラブストーリーを観たくなるんですよねーーーー。

これ系であんまり大当たり!と思うような作品はあんまりないんですが…『orange-オレンジ-』は面白かったし好き!

今作は映画仲間が原作のピーチガールのファンだったということで話題にしていて、ちょっと自分も観てみようかなという気に。

ちなみにちびぞうは原作は未読です。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】神徳幸治
【脚本】山岡潤平
【原作】上田美和『ピーチガール(講談社)』
【製作プロデューサー】清家優輝
【製作総指揮】大角正
【撮影】小松高志
【照明】蒔苗友一郎
【録音】石貝洋
【美術】磯田典宏
【編集】下田悠
【音楽】蔦谷好位置
【主題歌】Carly Rae Jepsen – ”Call Me Maybe”
【出演([]内は役名)】

  • 山本美月[安達もも]
  • 伊野尾慧[岡安浬(カイリ)]
  • 真剣佑[東寺ヶ森 一矢]
  • 永野芽郁[柏木沙絵]
  • 本仮屋ユイカ[安芸操]
  • 水上剣星[星岡安涼]
  • 升毅[岡安崇史]
  • 菊池桃子[安達桜子]

【公開日(日本)】2017年5月20日
【上映時間】116分
【配給】松竹
【映倫区分】G
【IMDB】6.5/10.0  (およそ160人の評価)

【あらすじ】

女子高生・安達ももは、純粋でマジメな性格にもかかわらず、ギャル風な外見のせいで、周囲から誤解されて悩んでいた。ももの欲しがるものを手に入れるためには手段を選ばない友達の柏木沙絵は、ももが一途に思いを寄せる硬派でシャイなとーじを横取りすべく、ももにさまざまな罠をかけていく。そんなもものピンチを救った学校一のモテ男・カイリは、ももの一番の理解者として、次第にももに好意を寄せはじめる。とーじとカイリ、まったくタイプの異なる2人の間で、ももの気持ちが揺れていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもしてるよ!)】

☆2.5/5.0

二人の魅力的な男子の間で揺れる…というスタンダードな少女漫画設定のお話。

ざ、残念だけども話的には面白いとは言いにくい…これは原作ファンなら嘆いてしまうのでは?と原作は読んでなくても安易に想像できる感じでした…。

ストーリー運び、キャラ設定が雑い!

例えばカイリがももちゃんを好きになったきっかけが、”浜に打ち上げられていたカイリにももちゃんが人工呼吸をした”という突拍子もないものだし、実際にそんなエピソードがあったのかどうかの真相も劇中では語られません…。

そしてラストでその浜辺でのキスシーンを再現するかのようにカイリが溺れるシーンがあるんですけども、その流れもとっても無理やり!!
ももちゃんからもらったストラップを落として慌てていたらどこからともなくDQNがやってきて「これ君の?返して欲しいか~?」とストラップを仲間内で投げ合ってカイリをおちょくるという雑な絡み方をしてきて、そのままストラップを海へぽーい!→探すためにカイリが海へ入る→溺れる という流れ。

今どきいい年したおっさん達が、いくらチンピラとはいえ高校生相手にあんなつまんないことするもんなのかな…

 

それと「学校一の小悪魔」と称されるさえちゃんも酷かったなー。
カイリともものキスシーンをSNSに流したりとか、仲間の男にももちゃんを誘拐させてラブホに連れ込ませるとか、その隙にももちゃんの香水とウィッグを使って暗闇でトウジを雑に誘惑したり(しかもすぐにバレる(笑))と…もう小悪魔というか「悪魔そのもの」って感じ。なのに、ももちゃんはみんなが自分を見た目で判断して誰も寄って来なかったときに学校で初めて話しかけてくれた友達だから、と彼女の悪行のほとんどを許してしまう(許しているように見える)んですよねーーー…。いやいや、いくら最初の友達だとしても、許しちゃいけないこと散々されてますよ…。

こんな感じでツッコミ満載な上に、

トウジが急にももちゃんに別れを告げるのはさえちゃんからももちゃんを守るためだったりだとか、チャラくてウザいと見せかけて実は誠実で良い奴だったカイリ選んでももちゃんと最終的にはくっつくんだろうなって感じのこととか、そのカイリは実は兄貴の彼女に恋をしていたのかなー、そしてひと悶着かなーというところも。

全部読めてしまう…

ありがちな話もキャラの魅力や演出方法で様式美として楽しむことも出来るようになると思うんですが、この映画はほとんどが雑で、駄目でしたね…

だけどごめん!ハマってしまった!

ひとえに、伊野尾慧くん扮するカイリのキャラクターが魅力で、完全にやられてしまいました。

もう最初はあまりにも女顔でオネェキャラにしか見えなかったんですけども、あの鼻声の腹立つ演技が癖になってしまいましたね…。

ウザがらみされても許してしまいたくなる隠れた誠実さにも惹かれるし、うーんこれがギャップ萌えというものか…という感じでした。

「元気をくれた人」

という一文が予告編で出るんですけど、本当にぴったり。

カイリが落ち込んだももちゃんを一生懸命励まそうとしてるシーンはジーンと来ます。

劇中で彼が着てる服もオシャレで可愛いしね。夢に向かってひたむきに頑張るカイリくん、可愛いですよ!!!

まとめ

いい歳こいて青春ラブものの登場人物にうつつをぬかしているちびぞうは、連続二回、この映画をレンタルしてしまいました(笑)

話もひどい、ほとんどのキャラも酷い、演出も恥ずかしい!

だけど伊野尾くんは良い味してます。彼のファンは必見ですよね。

逆に言えばちびぞう的に褒めるポイントはそこしかない!のでやはり注意が必要です。

期待値は上げずに、気軽に観てください(笑)

 

 


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父と息子の絆を描くアニメ映画『バケモノの子』ネタバレなし感想

「キミとなら、強くなれる。」

試写会にて鑑賞!なので残念ながらパンフはなし!

細田守監督と言えば、『時をかける少女』『サマーウォーズ』などなど有名ですね!ちびぞうも「よろしくおねがいしまぁああ!!!!す!!!」のサマーウォーズは大好き!(*’ω’*)

今回も期待値アゲアゲで鑑賞しました!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/原作/脚本】細田守
【製作】中山良夫、齋藤佑佳、井上伸一郎、市川南、柏木登、中村理一郎、薮下維也、熊谷宜和
【ゼネラルプロデューサー】奥田誠治
【エグゼクティブプロデューサー】門屋大輔、高橋望
【プロデューサー】齋藤優一郎、伊藤卓哉、千葉淳、川村元気
【ラインプロデューサー】和気澄賢
【アソシエイトプロデューサー】佐藤譲、伊藤整、鈴木智子
【作画監督】山下高明、西田達三
【美術監督】大森崇、高松洋平、西川洋一
【色彩設計】三笠修
【CGディレクター】堀部亮
【美術設定】上條安里
【衣装】伊賀大介
【編集】西山茂
【録音】小原吉男
【音響監督】赤澤勇二
【音楽】高木正勝
【音楽プロデューサー】北原京子
【主題歌】Mr.Children – “Starting Over”
【出演([]内は役名)】

  • 役所広司[熊徹]
  • 宮崎あおい[久太(少年期)]
  • 染谷将太[久太(青年期)]
  • 広瀬すず[楓]
  • 山路和弘[猪王山]
  • 宮野真守[一郎彦(青年期)]
  • 山口勝平[二郎丸(青年期)]
  • 長塚圭史[久太の父]
  • 麻生久美子[久太の母]
  • 黒木華[一郎彦(少年期)]
  • 諸星すみれ[チコ]
  • 大野百花[二郎丸(少年期)]
  • 津川雅彦[宗師]
  • リリー・フランキー[百秋坊]
  • 大泉洋[多々良]

【公開日(日本)】2015年7月11日
【上映時間】119分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】7.7/10.0  (およそ12400人の評価)

【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街」は、交わることのない二つの世界。ある日、渋谷にいた少年が渋天街のバケモノ・熊徹に出会う。少年は強くなるために渋天街で熊徹の弟子となり、熊徹は少年を九太と命名。ある日、成長して渋谷へ戻った九太は、高校生の楓から新しい世界や価値観を吸収し、生きるべき世界を模索するように。そんな中、両世界を巻き込む事件が起こり……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.0/5.0

結論から言えば、非常に無難な作りになっていると感じました。
面白くはあるんだけど、突き抜ける感じ、アツさ、諸々足りない感じ。

期待してしまったのかなー!!!どうしても『サマーウォーズ』、『千と千尋の神隠し』などと比べてしまいますね!!

前半は千と千尋

主人公が序盤でバケモノの世界へと迷い込んでしまう描写など、どことなく『千と千尋の神隠し』を彷彿としてしまい、それと比べてもやっぱり世界観の作り込みなどが薄い感じが。
千と千尋が見事過ぎるのかもしれませんが、やっぱりああいう世界に行ったならば「もしかしたらもう二度と現実世界へは戻れないかもしれない」という怖さが欲しい。
そしてその上であの場所で過ごしていくということを選ぶ覚悟なんかも見たかったですね。(現実世界の父親は離婚してしまっているという事実以外はまともな人そうだし、その父のところへ行くという選択肢を捨ててしまえるほど主人公が切羽詰まっていた感もあまり感じられなかった)なので後半で、簡単に現実世界に行ったり帰ったりしているところを見ると・・・、なんだかバケモノの世界の価値がぐんと下がってしまう感じがして・・・。
あの時あの瞬間に、彼だからこそ辿り着けた、選ばれた感じが欲しかったです。

中盤はベストキッド

なんとなく彷彿となっただけで別に意識してるとかはないかもしれませんが。主人公が熊徹から学んで強くなっていくところは良かったですね。熊徹のダメ師匠っぷりも引き立っていた。弟子である九太を通じて熊徹の父性も育てていく。そんな熊徹の変化も良かった。

中盤~後半に関しては

色々と気になる点も多く、(例えばどうして熊徹のライバルの息子は鯨って漢字が読めたのか?とか)ヒロインの影も薄く、実の父親の影も非常に薄い。

青く光るクジラが渋谷の交差点の下を泳いでいく絵の美しさはとっても良かったんですが、それがなければだいぶ厳しいことになっていたかもしれない。

ラストの展開もお涙頂戴ではあるけれども一線を越えて行かない安心感。

うーん悪くないけど・・・悪くないけどなんかさ・・・!!

そして最後に、主人公(大)の声優を務めた染谷くん・・・。か、滑舌が・・・!滑舌が気になって話に集中出来ない!!
俳優さんなのでお笑い芸人やアイドルを起用するのよりは何倍もマシだけど、ちゃんと通用する技量がある人を選んで欲しい。
こういう時、プロの声優さんにほんと失礼。といつも思う。

まとめ

おそらく期待しすぎもあったんですが、普通に家族で見て普通に楽しめる良作ではあるとは思います。

が、思い出に深く残るような名作にまでは至らない…そんな感じの一本でしたね。

 


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引用元:映画.com