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なぜ15年も監禁されたのか。映画『オールド・ボーイ』ネタバレ&感想

お前は誰だ!? なぜ俺を15年監禁した!?

ずっっっと前から名前は知っていた有名な作品。

ちびぞうは昔からハリウッド系ばかりで邦画含めアジア系の映画はほとんど観ておらず、韓国映画も『箪笥』『悪い男』『誰かがあなたを愛してる』『私の頭の中の消しゴム』『母なる証明』くらいしか観た事がないんですよねー。両手で数えられるってすごい…。

あ、最近『殺人の告白』も観ましたね。特に理由はなく食わず嫌いしていたので、最近はちょくちょく気になるもの、オススメされるものは観ています(*’ω’*)b

”22年目の告白”の原案!映画『殺人の告白』感想&ネタバレ

ちなみに監督は鬱映画で有名?なパク・チャヌク監督…。今作は復讐三部作と題された三本の作品のうちの二作目に当たるようです。

【映画情報】

【原題】올드 보이
【制作国】韓国
【監督】パク・チャヌク
【脚本】ワン・ジョユン、イム・ジュンヒュン、パク・チャヌク
【原作】土屋ガロン(作)、嶺岸信明(画)『ルーズ戦記 オールドボーイ』
【製作】キム・ドンジュ
【撮影】チョン・ジョンフン
【美術】リュ・ソンヒ
【音楽】イ・ジス、チェ・スンヨン、シム・ヒョンジュン
【出演([]内は役名)】

  • チェ・ミンシク[オ・デス]
  • ユ・ジテ[イ・ウジン]
  • カン・へジョン[ミド]
  • チ・デハン[ノ・ジュファン]
  • オ・ダルス[パク・チョルン]
  • イ・スンシン[ヒョンジャ]
  • ユン・ジンソ[イ・スア]
  • キム・ビョンオク[ハン警護室長]
  • オ・テギョン[デス(高校時代)]
  • ユ・イラン[ジュファン(高校時代)]
  • アン・ヨンソク[ウジン(高校時代)]

【公開日(日本)】2004年11月6日
【上映時間】120分
【配給】東芝エンターテイメント
【映倫区分】R15+
【IMDB】8.4/10.0  (およそ412500人の評価)

【あらすじ】

理由も分からないまま15年間も監禁されていた男オ・デス。突然解放された彼の前に謎の男ウジンが出現、5日間で彼が監禁された理由を解き明かせと迫る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレもあるよ!)】

☆4.1/5.0

完っっ全に食わず嫌いしてましたが、友人の強い勧めで観賞してみたら「あーら面白いじゃないの!!!こんな面白いのなんで観てなかったのばかー!」と自分に対し憤慨して反省しました(笑)

グロいシーン、痛いシーン、そして暴力シーン、倫理的にアララなシーンも大いにある、さすがR指定の作品ですねといった感じの内容でしかも後味も最高に悪いので、人を選ぶこと間違いなし!

しかし、傑作なんですよ…

おおまかなストーリー(ここからネタバレするよ!)

15年間意味もわからず監禁された男(デス)が突然解放され、監禁していた男(ウジン)が現れて「お前が監禁されていた理由を五日間で解き明かせ」と命令してくる。そして主人公は苦悩しながらその真相を探るよ!!という五日間(短い!!!)のお話です。

途中でミドという若い女性に出会い、手助けされ、恋に落ち、体を重ね、そしてついに真相に辿り着く!!!!しかし、その答えはあまりにも残酷なものだった…!!!

実は監禁の理由というのは、

高校時代にデスがウジンの姉弟での近親相姦を目撃、それをデスが言いふらしてしまったことでウジンの姉が自殺。愛する姉が死んだ原因を作ったデスに復讐しようと、ウジンが仕組んだのが今回の計画。そのおそるべき内容というのは

「デスを監禁、妻を殺害しその罪をデスに着せる。そしてデスの娘を誘拐、別人として暮らさせる。15年の年月が経った後で、親子を再会させると、二人は恋に落ち…」

そう、ミドという若い女性がデスの実の娘だったのです!!!というどんでん返しが最後に待っている。なんという恐ろしい計画!!!その事実を知らされたデスの絶望…。

ほんっとうに良くできた脚本

ドロッドロの愛憎劇で、ラスボス(ウジン)の狂いっぷりも大好きだし、オチも好きでした。台詞選びも全部好き。
ウジンというキャラが、あれほどに人を憎んで生きて、それだけが生き甲斐になって。達成してしまったら生きていく目的を失ってしまう感じも切ない。自分のことも憎んでいただろうけど、誰かを憎むことで生きてきた、といっても過言ではないですよね。

ああ切ない。

よくよく考えると主人公は単なるとばっちりじゃん?って思わなくもない…んですが。でも、自分にとって「え?そんなことで?」って思うような事でも他人をとてつもなく苦しめたり傷付けたりすることって確かにあるわけで。
だから現実的に考えるとリアリティのない、突拍子のないことしてる異次元の映画にも思えるんですが、根本の部分はとても身近にある感情なんだなと思う。そこが怖いんです。

演出もうまい。

主人公の頑なな強さを前半でしっかりと描いているから、ラスト周辺でそれが崩れた姿を見た時に「それほどまでに大切なのか・・・!」と驚愕できる。

あんなに強い印象があったデスなのに、愛する娘のために地面に這いつくばって靴を舐めたりするんですよ…!号泣ですよ。

この落差、主人公の変貌ぶりの演出がすごく上手だと思いましたね。

ここらへんは主演二人の名演技による力も大きいと思う。

まとめ

何度も言うけどほんとうにすごい映画。傑作。

だけど、だけど、どうしてもちびぞうは今一つ突き抜けて好きになれない感じもあるんです。…韓国映画特有の後味の悪さが若干苦手なのかなぁ。
いやーな感覚がつきまとう終わり方が、どうも肌に合わないのかもしれませんね。

しかしこれ、サスペンスやミステリー好きな方なら間違いなく楽しめる一本だと思う。オススメです。

きっと映画好きなら観てる人の方が多い映画ですが、未見の方にはぜひ観て貰いたい…と、こんだけネタバレしといて言います(笑)

 

 


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画像引用元:IMDB

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いまだ色褪せないゾンビコメディ。映画『バタリアン』ネタバレ&感想

あたしオバンバ、あなたの脳味噌食べさせて~

↑当時のキャッチコピー。すでにすごいパンチ。

皆さんの知っている「オバタリアン」という言葉の語源となったゾンビ映画はこちら!!!!

子どものころ家にあった『バタリアン』のビデオを観て、「腕だけになっても動くゾンビ」「墓から大量に蘇るゾンビ」「屋根裏に逃げ込むシーン」の記憶だけがあったちびぞう。

今回たまたま家族が「観てみたい!」と言ったので改めて観ることに…

今作はかの有名なゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ映画とされていますが、特にそちらは観ていなくても問題なく楽します!

【映画情報】

【原題】The Return of the Living Dead
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ダン・オバノン
【原案】ルディ・リッチ、ジョン・A・ルッソ、ラッセル・ストライナー
【製作総指揮】ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
【製作】トム・フォックス
【制作補佐】グラハム・ヘンダーソン
【撮影】ジュールス・ブレンナー
【美術】ウィリアム・スタウト
【編集】ロバ―ト・ゴードン
【特殊メイク】ビル・マンズ
【音楽】マット・クリフォード
【出演([]内は役名)】

  • クルー・ギャラガー[バート]
  • ジェームズ・カレン[フランク]
  • ドン・カルファ[アーニー]
  • トム・マシューズ[フレディ]
  • ベヴァリー・ランドルフ[ティナ]
  • ジョン・フィルビン[チャック]
  • ジョエル・シェパード[ケイシー]
  • ミゲル・ヌニェス[スパイダー]
  • ブライアン・ペック[スクーズ]
  • ジョナサン・テリー[グローバー大佐]
  • リネア・クイグリー[トラッシュ]
  • マーク・ヴェンチュリニ[スーサイド]
  • キャスリーン・コーデル[大佐の妻]
  • アラン・トラウトマン、ロバート・ベネット[タールマン]

【公開日(日本)】1986年2月1日
【上映時間】91分
【配給】東宝東和
【次作】バタリアン2
【IMDB】7.3/10.0  (およそ44400人の評価)

【あらすじ】

ケンタッキー州ルイヴィル。フレディ(トム・マシューズ)はユニーダ医療会社で働くことになり、倉庫長のフランク(ジェームズ・カレン)に説明を受けた。フランクは、「Night of the Living Deadって映画を見たか?あれは実話なんだぜ」という。軍の細菌兵器が誤って死体を蘇生させ、しかもそのゾンビが秘密裡に処理される途中に移送ミスで、ここに運ばれたのだそうだ。地下室でフランクがゾンビの入ったケースを叩いてみせた時、突然ガスが吹き出した。一方、フレディの悪友たちは倉庫の隣りにある墓地で乱痴気パーティを始めた。【引用元:映画.com

【感想(オチまでネタバレしてるよ!)】

☆2.8/5.0

パロディ、という事で分かるかもしれませんが、今作はグロいシーンのあるコメディ映画です(笑)

非常にツッコミどころが多く、もはや追いつけません。そんなレベルです。

まず最初に「今作は実話を基にしています。なので、登場人物や組織の名前などは全て実名です」とかいう嘘八百な案内にニヤッとさせられます(笑)

今作のゾンビ

  • 走るゾンビの先駆けは『28日後…』とされているが、実は今作のゾンビこそが史上初の”走る系ゾンビ”
  • 血は出ない
  • 軍の細菌兵器(死体を蘇らせるガス)によって蘇った死体である
  • ガスがかかれば人間も生きたままゾンビになる
  • 人間の肉を食べるというより人間の脳を食べる
  • 頭を潰しても死なない。体を切断してもそれぞれの部位が独自に動く
  • 知能が高く、道具を使うこともできる
  • 知能が高く、喋ることもできる
  • 人間との対話も可能。脳を食べる理由は「死んでいる苦痛が全身を襲っている。その痛みを脳を食べることで消すことが出来る」ということらしい

おおまかな流れ

倉庫で補完されていた『ナイトオブザリビングデッド』(この映画が実話だったという設定)のガス入り死体。この入れ物を「丈夫さ!」と叩いたらバリンと割れてプシューとガスが吹き出してしまいます(笑)

ガスが倉庫内の死体を蘇らせる

映画のように頭を潰せば死ぬ!と思ってツルハシでカーン!とやってみても死なない。「映画は嘘だったの!?」と言いながら死体をバラバラにする

それと同時に倉庫係のフレディの友達が(パンクロックな”ロッキーホラーショー”ばりの派手な若者たち)やってきて隣の墓地でパーリーナイを始める

(こいつらの周りだけ世紀末)

死体を焼き払おうとするも、死体を焼却した煙が雨雲に混ざり、雨となって薬品が墓場に降り注ぐ

蘇る大量の死体たち。倉庫内の人も墓場の人も大パニック

ガスがかかった最初の二人が体調を崩し、救急車を呼ぶも、救急隊員がゾンビによって襲われる。賢いゾンビたちは救急車の無線に「もっと応援を頼む」と自分たちで連絡してどんどん餌をおびき寄せる

警官隊もやってくるけど同じようにえじきになる。これはもうアカンと薬品の入っていた入物に書いてあった軍の緊急連絡先に連絡をする

すると軍が核ミサイルを発射。4,000人ほどが犠牲になる

しかし、爆破のきのこ雲がまた雨雲になり…という地獄を予想させるエンディング

 

もう、とにかく終始登場人物たちがギャーギャーと騒いでいてめっちゃうるさい(笑)

あとゾンビが強すぎる(笑)倒す方法がない絶望感があるはず、なのにツッコミどころが多すぎて全く怖く感じません(笑)

オチもまさかの核ミサイルに「えぇ!?」と思ってしまいましたね…ぶっとんでる…

濃すぎる愛すべきキャラたち

この映画のカリスマ性は主にキャラクターの濃さから来てると思います(笑)

舞台になる医療会社の倉庫では、解剖などで使う死体や、死体の標本なんかが置かれているんですよね。で、最初に登場するのが

「縦割れの犬」

この、”縦割れの犬”というパワーワード(笑)大好き(笑)

言葉通り、犬の死体が縦に真っ二つに割られている標本です。ガスを漏れさせてしまった二人が一番最初に目にするゾンビ。キャンキャン吠えていて(半分しかないのにどうやって声を出しているんだという)、すっごい可愛いです(笑)こいつが可愛いせいで、最初っから緊張感がなくなります(笑)

そして次に登場するのが

「黄色いスキンヘッドマン」

倉庫に保管されていた割と新しめの死体です。黄色くてすべすべ。ツルハシで頭をカーンとされても死なないのでバラバラにされます。こいつが焼却された煙によって、墓場の死体が蘇ってしまいます。

それからこちらは人間からゾンビになる

「トラッシュ(裸女)」

パンクロック野郎たちの仲間の一人で、墓場で急に盛りだし「あたし沢山の老人に囲まれて生きながら食われる死に方がしたいわ」と言いながら全裸になって踊り出すという、非常にパンチの効いたキャラです。

この墓場で全裸ダンスをするシーンは、どう考えても『死霊の盆踊り』を意識してますよね!!それと比べるのは失礼なくらい、今作の方がエロさがあります。

彼女は墓場から蘇った大量の死体に群がられ、夢を叶えて死亡。その後、”全裸女のゾンビ”として蘇るという、わき役なのに誰よりも目立っているキャラです。

そして、一番最初にガスが入っていた器に一緒に入っていた死体、おそらく世間の認知度ナンバーワンの

「タールマン」

黒いへどろのようなものでドロドロになっている死体です。しかし瞳は綺麗。見た目のインパクトとしては最強。ドロドロなくせに跡形もなく姿を消したりする器用な人。

中盤~後半に向けて登場するのが、ほぼ骨だけ、肋骨から下がない

「オバンバ」

作中で「オバンバ」と呼ばれていることに違和感しかないキャラ。彼女は人間と対話が出来、何故脳を食べたいのか?という謎に答えをくれます。「死んでいるという苦痛が全身を襲い…」と言っているけどこの人上半身しかないじゃんというツッコミが脳裏をよぎります。
頭と肋骨から伸びた背骨がブンブンと、とにかくよく動く。

そして忘れてはならない主人公(多分)

「フレディ」

ガスを浴びてしまい、生きたままゾンビになるという可哀そうな若者。死ぬ前もギャーギャーとうるさく、死んでからも「ティーーーナァアアア!!!(彼女の名前)」とうるさいです。目が赤く腫れて潰れている顔はなかなかのインパクト。

↑この画像の左側。

最後に、ちびぞうの個人的にお気に入りキャラの

「アーニー(死体処理係)」

ゾンビにズボンを破かれてしまったので、右足だけハサミで切って半ズボンにする、というお茶目な人。この人のズボンにばかり目が行ってしまいます。
このおっさんは死体を処理しているという仕事柄、頼もしいのかな?という予感をさせてくれる割には「大事なところで地味に骨折する」という役立たずっぷりを発揮してくれる愛しい人。

こんな感じで、ほとんどの登場人物が濃さ抜群、という楽しくて困った感じの映画です(笑)

まとめ

古い映画だからとバカに出来ないクオリティ、さすが続編が5本も出ている一大ムーブメントを引き起こした作品というだけあって、古くても見応えたっぷりです。

ぜひとも誰かと笑いながら観て、ツッコミ入れまくりながら、作中のキャラたちと一緒にギャーギャーうるさく騒いで観て欲しい。

そんな作品でした(*’ω’*)

 

 


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父と息子の絆を描くアニメ映画『バケモノの子』ネタバレなし感想

「キミとなら、強くなれる。」

試写会にて鑑賞!なので残念ながらパンフはなし!

細田守監督と言えば、『時をかける少女』『サマーウォーズ』などなど有名ですね!ちびぞうも「よろしくおねがいしまぁああ!!!!す!!!」のサマーウォーズは大好き!(*’ω’*)

今回も期待値アゲアゲで鑑賞しました!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/原作/脚本】細田守
【製作】中山良夫、齋藤佑佳、井上伸一郎、市川南、柏木登、中村理一郎、薮下維也、熊谷宜和
【ゼネラルプロデューサー】奥田誠治
【エグゼクティブプロデューサー】門屋大輔、高橋望
【プロデューサー】齋藤優一郎、伊藤卓哉、千葉淳、川村元気
【ラインプロデューサー】和気澄賢
【アソシエイトプロデューサー】佐藤譲、伊藤整、鈴木智子
【作画監督】山下高明、西田達三
【美術監督】大森崇、高松洋平、西川洋一
【色彩設計】三笠修
【CGディレクター】堀部亮
【美術設定】上條安里
【衣装】伊賀大介
【編集】西山茂
【録音】小原吉男
【音響監督】赤澤勇二
【音楽】高木正勝
【音楽プロデューサー】北原京子
【主題歌】Mr.Children – “Starting Over”
【出演([]内は役名)】

  • 役所広司[熊徹]
  • 宮崎あおい[久太(少年期)]
  • 染谷将太[久太(青年期)]
  • 広瀬すず[楓]
  • 山路和弘[猪王山]
  • 宮野真守[一郎彦(青年期)]
  • 山口勝平[二郎丸(青年期)]
  • 長塚圭史[久太の父]
  • 麻生久美子[久太の母]
  • 黒木華[一郎彦(少年期)]
  • 諸星すみれ[チコ]
  • 大野百花[二郎丸(少年期)]
  • 津川雅彦[宗師]
  • リリー・フランキー[百秋坊]
  • 大泉洋[多々良]

【公開日(日本)】2015年7月11日
【上映時間】119分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】7.7/10.0  (およそ12400人の評価)

【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街」は、交わることのない二つの世界。ある日、渋谷にいた少年が渋天街のバケモノ・熊徹に出会う。少年は強くなるために渋天街で熊徹の弟子となり、熊徹は少年を九太と命名。ある日、成長して渋谷へ戻った九太は、高校生の楓から新しい世界や価値観を吸収し、生きるべき世界を模索するように。そんな中、両世界を巻き込む事件が起こり……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.0/5.0

結論から言えば、非常に無難な作りになっていると感じました。
面白くはあるんだけど、突き抜ける感じ、アツさ、諸々足りない感じ。

期待してしまったのかなー!!!どうしても『サマーウォーズ』、『千と千尋の神隠し』などと比べてしまいますね!!

前半は千と千尋

主人公が序盤でバケモノの世界へと迷い込んでしまう描写など、どことなく『千と千尋の神隠し』を彷彿としてしまい、それと比べてもやっぱり世界観の作り込みなどが薄い感じが。
千と千尋が見事過ぎるのかもしれませんが、やっぱりああいう世界に行ったならば「もしかしたらもう二度と現実世界へは戻れないかもしれない」という怖さが欲しい。
そしてその上であの場所で過ごしていくということを選ぶ覚悟なんかも見たかったですね。(現実世界の父親は離婚してしまっているという事実以外はまともな人そうだし、その父のところへ行くという選択肢を捨ててしまえるほど主人公が切羽詰まっていた感もあまり感じられなかった)なので後半で、簡単に現実世界に行ったり帰ったりしているところを見ると・・・、なんだかバケモノの世界の価値がぐんと下がってしまう感じがして・・・。
あの時あの瞬間に、彼だからこそ辿り着けた、選ばれた感じが欲しかったです。

中盤はベストキッド

なんとなく彷彿となっただけで別に意識してるとかはないかもしれませんが。主人公が熊徹から学んで強くなっていくところは良かったですね。熊徹のダメ師匠っぷりも引き立っていた。弟子である九太を通じて熊徹の父性も育てていく。そんな熊徹の変化も良かった。

中盤~後半に関しては

色々と気になる点も多く、(例えばどうして熊徹のライバルの息子は鯨って漢字が読めたのか?とか)ヒロインの影も薄く、実の父親の影も非常に薄い。

青く光るクジラが渋谷の交差点の下を泳いでいく絵の美しさはとっても良かったんですが、それがなければだいぶ厳しいことになっていたかもしれない。

ラストの展開もお涙頂戴ではあるけれども一線を越えて行かない安心感。

うーん悪くないけど・・・悪くないけどなんかさ・・・!!

そして最後に、主人公(大)の声優を務めた染谷くん・・・。か、滑舌が・・・!滑舌が気になって話に集中出来ない!!
俳優さんなのでお笑い芸人やアイドルを起用するのよりは何倍もマシだけど、ちゃんと通用する技量がある人を選んで欲しい。
こういう時、プロの声優さんにほんと失礼。といつも思う。

まとめ

おそらく期待しすぎもあったんですが、普通に家族で見て普通に楽しめる良作ではあるとは思います。

が、思い出に深く残るような名作にまでは至らない…そんな感じの一本でしたね。

 


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引用元:映画.com

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負け犬たちの復讐劇!映画『予告犯』ネタバレなし感想

「明日の予告を 教えてやる―――。」

2015年に公開された本作。予告CMにホイホイされて劇場まで足を運びました!

今見返してみると相当キャストが豪華!ですね!

監督は『白雪姫殺人事件』などの中村義洋監督。

パンフレットはこんな感じ。

縦長A4くらいのサイズでモノクロ写真にピンク!可愛いですね。裏側はこんな感じ。

38Pで税抜き574円!お安め!劇中に出てきたキーワードの解説ページなども載っています(*’ω’*)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】中村義洋
【脚本】林民夫
【企画・プロデュース】平野隆
【プロデュース】武田吉考
【撮影】相馬大輔
【美術】清水剛
【照明】佐藤浩太
【録音】松本昇和
【編集】松竹利郎
【音楽】大間々昴
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[奥田宏明(ゲイツ)]

  • 戸田恵梨香[吉野絵里香]

  • 鈴木亮平[葛西智彦(カンサイ)]

  • 濱田岳[木村浩一(ノビタ)]

  • 荒川良々[寺原慎一(メタボ)]

  • 宅間孝行[岡本大毅]

  • 坂口健太郎[市川学]

  • 福山康平[ネルソン・カトー・リカルテ(ヒョロ)]

  • 窪田正孝[青山祐一]

  • 田中圭[公安部・北村]

  • 小松菜奈[ラーメン屋の娘・楓]

  • 滝藤賢一[IT会社社長・栗原]

  • 本田博太郎[加藤]

  • 小日向文世[衆議院議員・設楽木匡志]

【公開日(日本)】2015年6月6日
【上映時間】119分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】6.5/10.0  (およそ420人の評価)

【あらすじ】

ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.8/5.0

「社会が裁けん悪者はわいが裁いたるで!」とデスノートの月ばりに歪んだ正義感で、人々を粛清していく予告犯。
そのやり方は、まず動画投稿サイトに「予告」の動画を上げ、その予告通りに「実行」した様子もまた動画にしてネットにアップするというもの。

最初は単独犯と思われていましたが、徐々に複数犯であるということが分かっていき、予告犯達を追う刑事(戸田恵梨香)のシークエンスと、犯人側のリーダー(生田斗真)のシークエンスが交互に描かれていきます。
そして少しずつ、”予告犯達”に隠された哀しい真実が明らかになっていく…という流れ。

ポイントは私刑という形で下される鉄槌を気持ち的に許せるかどうか…でしょうか。

この映画は、月くんのように人生順風満帆な天才高校生が振りかざす正義とはまた違うものがその背景にあるので、ぜひそこを観て頂きたい。

無難な脚本なのに涙が止まらない

正直この映画の脚本って、ものすごく無難だと思うんです。
登場人物が出揃った時点である程度の展開やオチは予測が出来てしまうし、終わり方も予測を裏切らない感じ。

だけど、だけど不思議と涙が止まらないんですよぉおおお・・・!!!!!
正直中盤あたりから泣けるポイントがちょいちょい出てきて、泣いた数を数えるのも億劫になってくる後半はずっと泣き通しでした。

ちびぞうの映画鑑賞時の3大ウィークポイント

「高齢者」
「社会のはみ出し者」
「ゲイや障害者などのマイノリティ」

の一つ「社会のはみ出し者」にひっかかってしまったのも大号泣の要因の一つですね。

決して自分に非があったわけではないのに社会の中でうまく生きていけず、はじき出されてしまう人達…。毎日毎日を無難に、一生懸命に生きているつもりでも、なぜか苦しい。誰かにこの苦しみを何とかして欲しい、助け出して欲しい、自分だって何かが出来るはず、だけどどう行動を起こしたらいいか分からない。そういうモヤモヤを抱えている人たち。

この映画の中にも、そういう人達が出てきて予告犯を支持する場面がありましたが、彼らが予告犯に寄せる期待のようなものに共感できる人は意外にも沢山いるのではないでしょうか。

生田さん演じる主人公の行動を(オチも含めて)よくよく考えてみると、実は全然社会のためとかそういうものではなく、単なるエゴから来るものなんだと思います。でも彼のエゴが起こした行動によって「世界的にも幸福度の低い日本という国」で生きる人々の抱える闇が浮き彫りになっていくのは面白いし、やるせない。きっと彼に影響されて人生に変化を起こそうと決意した人も少なくないと思います。
その周囲に与える影響に関して、似ても似つかないストーリーではあるけども、私の大好きな『嫌われ松子の一生』と似た構成だなぁと感じました。

ヒロインとの鏡像関係

戸田恵梨香は生田斗真と相反する思想の持ち主で、まるで光と闇のように2つの価値観がぶつかり合う場面が面白いです。
この世には、人生でくじけて底辺で生きていくしかない者もいれば、くじけず這い上がって輝く者もいる。どちらが正しいとかはもちろんないのだけど、違いのある者同士がもっと早くに出会ってお互い歩み寄ることが出来れば、もう少しラストが変わってきていたかもしれないと思うとうーんなんとも切ないですね!

「努力出来ただけマシなんだよ」という台詞がありましたが、その、努力出来る人と出来ない人との違いはどちらなんだろう。ちびぞうはどっちかと言えば努力出来ない側の人間なので、生田斗真のセリフには胸が痛みましたね。

まとめ

自分でも何が伝えたいのかいまいちよくわかってないですが…とにかく!!

この映画が持つのは社会を変えるだのなんだのって大げさなテーマじゃなく、誰しもが寄り添えるような身近なテーマだと思います。

興味のある人は一度試しに観てみて欲しいですね!!!

 

 


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岩井俊二監督の吸血鬼映画『ヴァンパイア』ネタバレなし感想

惹かれ合う孤独な魂たち
この世の果ての恋物語

こちらもちびぞうの過去鑑賞作をまとめようのシリーズ。

 

岩井俊二監督が外国の俳優さんたちを起用しカナダで撮影したという本作!!

異質なヴァンパイア映画ということで…ヴァンパイア映画が大好きなちびぞうにとってどのように映るのか!?

あまり国内外の評価は高くなさそうなので期待はしない方がよさそうです…。

ちなみに岩井俊二監督の映画はそんなに多く観ていませんがちびぞうは『リップヴァンウィンクルの花嫁』が好きですね!!

今作の公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Vampire
【制作国】アメリカ/カナダ/日本
【監督/プロデュース/脚本/編集/音楽】岩井俊二
【出演([]内は役名)】

  • ケヴィン・ゼガーズ[サイモン]
  • ケイシャ・キャッスル=ヒューズ[ゼリーフィッシュ]
  • 蒼井優[ミナ]
  • アデレイド・クレメンス[レディバード]
  • トレヴァー・モーガン[レンフィールド]
  • アマンダ・プラマー[ヘルガ]
  • クリスティン・クルック[マリア・ルーカス]
  • レイチェル・リー・クック[ローラ・キング]

【公開日(日本)】2012年9月15日
【上映時間】119分
【配給】ポニーキャニオン
【映倫区分】PG12
【IMDB】5.4/10.0  (およそ1,300人の評価)

【あらすじ】

高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマーの母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていて……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.9/5.0

好き。愛しい。ちびぞうはこの映画が好きです!!!

数多くのヴァンパイア映画を愛でてきたちびぞうですが(言うほど観てないけど)、この作品に新しい吸血鬼映画の可能性を感じた!!

(吸血鬼映画としての異質さは『モールス』なんかと近い部分があるかも)

主人公は高校の教師(理系)。休みの日には自殺志願者の集うサイトで自殺志願者(女性ばかり)を物色。自殺オフに見せかけて相手の血を注射器でスマートに抜いて殺し、その血を飲む。その行為が吸血鬼ゆえなのか、ただの血が飲みたいだけの人間だから(血液嗜好症とか)しているのか…それとも殺すこと自体に意味があるのか。明確にはされません。そのふわっと感がまた良い。
主人公と出会う様々な女達はみな一様に美しく、そして死を渇望している。散る間際の命ってどうしてこうも綺麗に見えるのか…!薄幸美人ってことなのでしょうか!?

死が全体を覆っている物語なんですが、その中にいくつかの愛の物語が散りばめられていて、どれも切ないです…!!
主人公の行動は倫理に反するけど本当に彼女たちを思いやっていて、愛があると感じられたし、ある一人の少女と出会ってその愛の形に変化が訪れる瞬間は鳥肌モノです。

あのシーンだけでいいから観て欲しい!(前後も大事だけどさ…そうね、とりあえず全部観ましょう!)

生徒役で出ていた蒼井優も脇役ですが、良い演技してました!!(ただ役どころに見合わない存在感で、最後までこの子何かあるわね!?感が拭えなかった)

一言で言えば異端な男子の愛の物語。そこに吸血鬼と言うエッセンスが加わって新たな世界観が生まれています。(退屈だと思う人には退屈かもしれない…血を飲むシーンとかグロいと感じる人にはグロいし、結局人を選ぶ作品化もしれません)

岩井俊二監督の映画はあまり観ていないのでこの人らしいかどうかはわかりませんが、私は凄く好きでした。ネット上で色々と感想を見ていると、確かに他の方が言ってるみたいに外国人キャストでやる意味はあまりないのかも?しれないんですが、いかにも洋画な画面なのに音楽や脚本が邦画っぽくて不思議な世界観なんですよね。そこが非日常感を煽ってて良い感じです。

正統派な吸血鬼映画とは少し違うんだけど、巷でよくあるパターンの作品に辟易し始めた人に、ちょっぴり「こんなのはどう?」とオススしたい一本です!!(*’ω’*)

 

 


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あ行

アートの概念を揺さぶられる!映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』ネタバレ&感想

全ては仕組まれたことなのか、あるいはリアルなドキュメンタリーなのか…。

ちびぞうの、過去に観た映画もブログにまとめとこうシリーズ!ですね。

今作は、ストリートアート”グラフティ”で有名になったカリスマアーティスト、”バンクシー”初監督のドキュメンタリー!!

バンクシーというイギリスの覆面アーティストの作品はネットでニュースになることもしばしばあり、目にしたことがあって「なんてかっこいい作品を創る人なんだろう」と思っていたんですが…まさか映像の才能もあるとはね!!!DVDや画集も買ってしまったし、すっかりバンクシーのファンになってしまったちびぞうでした。

アップリンクさんによる公式サイトはこちら

ちなみになぜ覆面なのか?それはグラフィティのほとんどが持ち主の許可なく行われる犯罪行為(器物破損)だからですよ!!

【映画情報】

【原題】Exit Through the Gift Shop
【制作国】アメリカ・イギリス
【監督】バンクシー
【ナレーション】リス・エバンス
【音楽】ジェフ・バーロウ、ロニ・サイズ
【出演([]内は役名)】

  • ティエリー・グエッタ
  • スペース・インベーダー
  • シェパード・フェアリー
  • バンクシー

【公開日(日本)】2011年7月16日
【上映時間】90分
【配給】パルコ、アップリンク
【映倫区分】G
【IMDB】8.0/10.0  (およそ55,800人の評価)

【あらすじ】

ストリート・アートに関するドキュメンタリーを制作していた映像作家のティエリー・グエッタは、幸運にもバンクシーの取材に成功する。しかし、グエッタに映像の才能がないと気づいたバンクシーはカメラを奪い、グエッタを“ミスター・ブレインウォッシュ”というアーティストに仕立てあげ、カメラの前に立たせる。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.6/5.0

おおまかなあらすじはこんな感じ

とあるビデオ撮影依存な男(ティエリー・グエッタ)がひょんなことからストリートアートに出会い、それを描く人たちを追い、制作過程を撮影する。
最初はただ撮るだけだった男もバンクシーとの出会いによって変わっていく。映像編集に手を出したり、果ては自分も”アーティストMBW(ミスターブレインウォッシュ)”となり、初めてのショーを成功させようと奮闘する…。

グラフィティと言えば

ちびぞうが高校時代に仲が良かった女の子がグラフィティをする男の子の話をよくしていたなぁ…と思い出しました。多分地元で、グラフィティをやってる若者が当時、いたんだと思います。それこそ15年位前、ネットも携帯も誰しが持っているという時代ではなかったけれど、どこからともなくやってきた”グラフィティ”というものは確かに人々を魅了しながら、海の向こうの日本にも広がってきていたんだなぁ…と思うと、「落書き」なんて言葉では表せない一つの文化なのかなと思ったりしますね(許可がなければ犯罪ですけども!!!!!!)

脱線しました。

この作品を観ていると、本物のアートとそうでないものの境目がボケてきて、「結局はお客に高い金積ませたモン勝ち」みたいな側面が見えてきます。
そして”あんたらが高い金出して買ったものは所詮この程度のものだよ”と皮肉ってるような…そんな意図も感じましたね。

最初はMBWがアーティスト達のドキュメンタリーを撮ろうとしていたのに、途中からバンクシーが監督してMBWを追うドキュメンタリーを作る逆転の流れも面白い!!バンクシーがMBWの編集した動画を見て「落ち着きのない頭のおかしいヤツが繋げただけの動画(セリフうろ覚え)」とズバッと切り捨ててたところで爆笑してしまいました(笑)

この非凡な男と平凡な男の対比も面白いですよね。

周囲の環境に影響されて、MBWが夢を見ていく過程も面白切ない。

夢を見ていく…と言っても収入的にはMBWの個展は大成功してしまうし、どこからが才能なのかってもう分からなくなりますね。

まとめ

いわゆる芸術の勉強なんて1ミリもしたことのないちびぞうには作品の真の価値とかは全くわからないけども、作中出てくるバンクシーの作品には心動かされたし、とても強い憧れを感じました。なんというか、技術だけなら誰でも身に着けられるけど、そこからもう一歩先んじるには「他人に出来ない発想」というのが必要なのだなと。しかもそれを誰より早くやってみる、という度胸や挑戦心も必要。

創作好きならきっと「アートとは一体なんぞや」と頭を悩ませながらも楽しめるし、良い刺激をもらえる映画ではないかなと思います!!

結論:カリスマは何やっても成功する。

 

 


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画像引用元:映画.com/IMDB

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た行

最後に残る希望とは?映画『ディストピア パンドラの少女』ネタバレ&感想

彼女は人類の希望か。絶望か。

こちらもちびぞうノーマークだったんですが、周りで「観たい」という声が上がっていたのでレンタル屋にて手に取ってみました。

顔に透明マスクを着けている少女のジャケットが印象的ですね。

どうもゾンビ映画らしい…?あまり、良い予感はしません(笑)が、IMDBなんかを見ているとそんなに悪い評価でもないんですよね。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】The Girl with All the Gifts
【制作国】イギリス/アメリカ
【監督】コーム・マッカーシー
【脚本】マイク・ケアリー
【原作】M・R・ケアリー『パンドラの少女』
【製作】カミール・ゲイティン、アンガス・ラモント
【製作総指揮】リジー・フランク、ベン・ロバーツ、リチャード・ホームズ、クリストファー・モル、ウィル・クラーク、アンディ・メイソン、マイク・ルナゴール
【撮影】サイモン・デニス
【美術】クリスチャン・ミルステッド
【衣装】ライザ・ブレイシー
【編集】マシュー・キャニングス
【音楽】クリストバル・タピア・デ・ビール
【出演([]内は役名)】

  • セニア・ナニュア[メラニー]
  • ジェマ・アータートン[ヘレン・ジャスティノー]
  • パディ・コンシダイン[エディ・パークス軍曹]
  • グレン・クローズ[キャロライン・コールドウェル博士]
  • アナマリア・マリンカ[ジーン・セルカーク博士]
  • フィサヨ・アキナデ[キーラン・ギャラガー一等兵]
  • アンソニー・ウェルシュ[ディロン]
  • ドミニク・ティッパー[デヴァ―二]

【公開日(日本)】2017年7月1日
【上映時間】111分
【配給】クロックワークス
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.7/10.0  (およそ37,000人の評価)

【あらすじ】

近未来、ウィルスのパンデミックによって人類のほとんどが凶暴な「ハングリーズ」と化し、生き残ったわずかな人々は壁に囲まれた安全な基地内で暮らしていた。イングランドの田舎町にある軍事施設には、ウィルスに感染しても見た目が変わらず思考能力も保ち続ける「セカンドチルドレン」たちが収容され、彼らからワクチンを作り出すべく研究が行われている。ある日、その子どもたちの中に特別な知能を持つ少女メラニーが現われる。【引用元:映画.com

【感想(わりと酷評だよ!)】

☆1.2/5.0

ネタバレもしているのでご注意くだっせ!

 

 

物語の大筋としては、

ゾンビに噛まれた妊婦から、ゾンビウィルス(茸の菌らしい)に胎盤を通して感染した赤ちゃんたちが母親の腹を食いちぎって誕生!!ゾンビと人間のハイブリッド(第二世代)となる!

その子ども達の中でも特別な知能を持った少女が主人公のメラニーであり、「パンドラの少女」。彼女の体からワクチンを作るぞ!いざ手術だ!というところでゾンビパニックが発生。軍の施設もゾンビの大群に襲われ、軍曹とその部下、博士と教育係の女性とメラニーの五人での逃走劇が始まる。

なんやかんや逃げていると、ロンドンでゾンビの死体から根が生え、巨木となっている場所を見つける。巨大な種のようなものが破れたら、胞子が世界中に散って人類は終わるらしい。

どんどこ仲間が襲われ、博士が無理やりメラニーを手術しようとしたところで、メラニーは自分の命を犠牲にして人類を救うかどうかの決断を迫られる。メラニーは「私は生きているの。なぜ人類のために死なないといけないの?」と言って巨木に火を放つ。胞子が世界に散って人間の世界は終了。

しかし、メラニーと心を通わせていた先生のみ命を救われ、第二世代の子ども達の先生として新たな人生を始める…というオチ。

色々と鼻につくよ!

序盤から、”シュレディンガーの猫”だったり、神話の物語だったり、”パンドラの物語”だったりと意味深な話がいくつか出てきて「この物語って深いのよ!」といったアピールが結構鼻につく。

これらのいくつかの話の中で「パンドラの話」が伏線になっていて、「少女は箱を開けてあらゆる災害や不運を世界にもたらした。しかし、箱の最後には希望が残った」というあらすじがそのまま映画のストーリー(オチ)になっている。そして多分、それを誤魔化すためにいくつかの話が一緒に語られたんじゃないか…とちびぞうは思っているんですが…あまりにもひねりがない!!!安易!!

それから、前衛的な雰囲気のするBGMも「今までのゾンビ映画とは一味違うのよ!」と言いたげで鼻につく!!(笑)

今作のゾンビとは

  • 走る系ゾンビである
  • 匂いで人間をかぎ分けたりする
  • なので人間は匂いを消すために「ブロッカージェル」とかいう安易なネーミングのジェルを体に塗りたくっている
  • ゾンビは「ハングリーズ」と名付けられている
  • 昼間は寝ていたり、活動していたりする
  • 集団で行動するようで、大量に集まっている場所には所狭しと集まっている
  • 無駄に徘徊はせず、基本的に立ち止まっている
  • 物音に非常に鈍感で、至近距離で発砲されても気付かなかったりする
  • 見た目は粉っぽく、腐った死体というより菌に侵されているという感じ

既視感がすごいよ!

従来のゾンビものとは一線を画しているのよ!と全体的に言いたげなわりには、既視感がすごく、あ、この場面この映画で見たな…と思う事がしばしば。

ただ、それが愛のあるオマージュと言えばそう思えなくもない…けれど、パクりと言えばパクリになってしまいますよね。

一番に思い出したのは、ノーティドッグの『ザ・ラスト・オブ・アス』というゲーム!

寄生菌がゾンビの原因で、胞子を飛ばしたりなんかもするし、何よりも「人類を助けるためのワクチンを作れるかもしれない少女を守りながら旅をする」というメインストーリーがまんま、なのです。

似たような内容ですがラストオブアスの方がはるかに面白いですよ!

ゾンビの死体が集まって巨木になってるところなんかは、漫画「アイアムアヒーロー」の後半で合体するゾンビ達を思い起こさせるし…「第二世代」が理性も兼ね備え、従来のゾンビよりも強い、という意味では映画『トワイライト』に出てきた「ニューボーン」を思い出させる。

なんというか、色んな作品を切り貼りしてる感じが凄いんですよね。

逃げた先で見つけたショッピングモールがすでにゾンビに占領されている、というところは『ドーン・オブ・ザ・デッド』のオマージュっぽくてクスっとしたんですけどねー…。

とにかく退屈だよ!

序盤から話の進みが遅い…そして軍の対応が甘々すぎる。

あれだけ厳重に監視・監禁していた子どもが外に出て来ていたら真っ先に殺さないといけないのでは…と思うけど、そうはされない。なぜか?それは彼女が主人公だからでしょう。

それから、森の中で物音に驚いて部下が発砲するシーン。いや、サイレンサーとか付けておけばいいのに…なんというヌルい軍人さんなの…。

少女と一緒に施設を逃げ出してからは、少女の顔に透明マスクを着けさせているんですが、それも少女が簡単に外してしまえる適当な作りの物(笑)

思わず「マスク意味ないじゃん!!」とツッコミ入れてしまいましたね。

あと犬は食べないくせに猫は食べてる!許すまじ!(笑)

でも挑戦はしている!

後半の、第二世代の子ども達とメラニーとのなんとも緊張感のない戦いのシーンがしんどいんですが、そこでただならぬシーンを発見。

それは、子どもが子どもの手によって(バットで)殴り殺されるシーン

いや、ホラー映画でもなかなか子どもが殺されるシーンというのは描かれないものなんですよ。もはやタブー視されていると言っても過言ではないくらい、めったにないシーン。

それがこの映画にはあった!だから凄い!!というわけではなく、「新しいことに挑戦しよう」としている意気込みのようなものは、唯一感じられましたね。

まとめ

ゾンビ映画の中でも、正統派ゾンビ映画と、斜め上を狙った意欲作のようなものがあります。

後者は、もうネタ切れのゾンビ界に新しい風を吹かせようと、とにかくゾンビの原因に凝ってみたり、世界観に凝ってみたりと色々やってる。だけど大体のものが失敗している。そんな印象。

真新しいことをして成功したものも中にはあるっちゃある。

例えば『コリン ラブオブザデッド』なんかはゾンビを主人公にした新しい視点の映画だったし、そこからさらに発展してゾンビが主人公で恋までしちゃう『ウォーム・ボディーズ』なんてコメディものもありましたね。当時、流行りのPOVにゾンビものを乗せてみた『REC』とかも流行りましたねー。

でもこういう成功例って本当に一握りで、ほとんどの物は外れてしまう…残念ながらちびぞうの中で今作もその括りに当てはまってしまいました。

 

正統派ゾンビものでも、近年では『アイアムアヒーロー』だったり、『新感染』だったり、めちゃくちゃ面白いゾンビものってあるんですよ。(どっちもアジア圏が頑張ってるね!)

出来れば、設定だったりにグダグダ講釈垂れないで素直に作ったゾンビものが観たいです。
懲りずに今後も観るのでゾンビ製作者さま、頑張ってください。

 

 


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な行

メキシコ移民をヘッドショット!映画『ノー・エスケープ 自由への国境』ネタバレ&感想

正体不明の襲撃者。
水なし、武器なし、逃げ場なし。希望はあるか―――

大好きなガエルさんの映画なのでね、映画館で観ようと思ったんですけども、一緒に観に行く仲間の琴線に触れなかったようで、あえなくDVDでの鑑賞と相成りました。

どうも、ちびぞうです、こんにちは。

ガエルさんことガエル・ガルシア・ベルナルはもう昔っから好きな俳優さんでして。
今はポール・ダノが一番なので二番目に好きな俳優さんですかね。

彼はこう…キャリアを積んでいるわりにはあまり当たらない俳優さんというか…(ちびぞう的に)なんというか出演作にアクが強いものが多いんですよね(笑)
一番最後に観たのは『ロンリエスト・プラネット 孤独な惑星』だったかなぁ…あれもいまいちだったなぁ。

えっ!今調べたら監督は『ゼロ・グラビティ』の人!?

→と思ったら違ったー!正しくはゼロ・グラビティを監督していたアルフォンソ・キュアロン監督の息子さんでした(笑)ゼログラ~では共同脚本を担当していたようです。七光りかぁ…

あ、公式サイトはこちらです。

【映画情報】

【原題】Desierto
【制作国】メキシコ/フランス
【監督/編集】ホナス・キュアロン
【脚本】ホナス・キュアロン、マテオ・ガルシア
【製作】ホナス・キュアロン、アルフォンソ・キュアロン、カルロス・キュアロン、アレックス・ガルシア、シャルル・ジリベール
【製作総指揮】デビッド・リンド、ガエル・ガルシア・ベルナル、ニコラス・セリス、サンティアゴ・ガルシア・ガルバン
【撮影】ダミアン・ガルシア
【美術】アレハンドロ・ガルシア
【音楽】ウッドキッド
【出演([]内は役名)】

  • ガエル・ガルシア・ベルナル[モイセス]
  • ジェフリー・ディーン・モーガン[サム]
  • アロンドラ・イダルゴ[アデラ]
  • ディエゴ・カターノ[メチャス]
  • マルコ・ペレス[ロボ]

【公開日(日本)】2017年5月5日
【上映時間】88分
【配給】アスミック・エース
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.0/10.0  (およそ7,000人の評価)

【あらすじ】

メキシコとアメリカの間に広がる砂漠の国境地帯を、モイセスら15人の不法移民たちが越えようとしていた。そこへ突如として銃弾が撃ち込まれ、仲間の1人が犠牲になってしまう。摂氏50度という過酷な状況の中、水分も武器も通信手段も持たない彼らは、生き残りをかけて壮絶な逃走劇を繰り広げる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆1.5/5.0

いやーこれは!!!!!なかなかに酷いですね!!!!(笑)

メキシコからアメリカへの砂漠のど真ん中の国境を越えたら頭のおかしいおじさんがライフルで狙撃してきてどんどん死んでいくよ!!!!おじさんの愛犬も襲ってきてどんどこ食べられちゃうよ!!!頑張って逃げてね!!でも車もないし圧倒的に不利!!あっという間に15人→3人→1人になって、最後は岩場でグルグルおいかけっこするよーーー。隙をついて背中から突き落とそうとしたら自分も落ちちゃってピンチだけどおっさんは足が折れたみたいだし落ちたライフル拾って形勢逆転!!!やったぜ!でもここで殺したらおっさんと同類になっちゃうからあえて放置するぜ。傷を負った女性のとこに戻って彼女を担いで人のいるところまで頑張ってあるくぞー!そろそろハイウェイだ!(完)

という映画でした。ほんとに。

これって、一体どういう目線で観ればいい映画なんですか???

アメリカへ不法入国するメキシコ移民と言えばトランプ大統領が壁作るぜ!なんて言ってたので記憶にも新しいというかまさにタイムリーな題材だと思うんですけど

それにしても雑すぎやしませんか?

え?移民ってこんな扱いされちゃうの?嘘でしょ?不法入国にしたってライフルでヘッドショットはそんな、ゾンビじゃないんだからさ…

というよく分からない気持ちで、「まぁきっとサイコなおっさんに狙われてしまって移民が大変だ!」という話なんだろうなとなんとなくは理解しつつ観たんですけど、特に面白くもなければ新しさもなく怖さもスリルもありません。移民するってこういう過酷さもあるよ!といったメッセージが隠されているのでしょうか…(いやぁさすがにそれは深読みかなぁ)

それでも、砂漠地帯で国境を超える事て人里まで辿り着くことの大変さはスナイパーがいなくてもよく分かるし、だからこそ警備も見張りもいないんでしょうね。そこに壁を作る無駄さ、とは…。

(↑なんとなく画像にも緊張感がありませんね)

どうにもネタ的に社会派ドラマなのかと脳は思ってしまうので、このどう考えても『SAW』じゃん的な展開について行けないんですよねー…ソウ思いません?なんつって(不適切な文章)そういえばこのDVDの宣伝にSAWの新作があった(笑)

 

無理やり良かったところをひねり出すなら、いつまで経っても老けない我らがガエルさんの演技を終始見られることと、タイトルバックが最初と最後に出てくるんですけどそれがカッコよかった点(まぁ、どう考えても『ゼロ・グラビティ』から影響受けてますけども)、砂漠の映像が素晴らしかったですね。

あとエンディング曲もかっこよかったなーと思ったので紹介します。

まぁ基本的にガッカリすること間違いなしですけども、ガエルさんファンは一度観ておいてください。

そういえば、ロンリエストプラネットが微妙だったと最初に書きましたが、これと似たような退屈感がありましたね。

それにしたって88分であの退屈感…

 

 


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画像引用元:映画.com

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あ行

元妻の恐ろしい復讐!映画『アンフォゲッタブル』ネタバレ&感想

愛が終わるとき、狂気は始まる――

サイコサスペンス?サイコスリラー?な気配のする今作。劇場公開はないようですね。

レンタル屋で「ロザリオ・ドーソン」の名前一点にのみ惹かれて借りてしまいました!!!!!!

ロザリオ・ドーソンは『シン・シティ』で一目惚れしてからほんとにほんとに大好きなんですちびぞうは(*´q`*)

公式サイトは海外のものならありますこちら

【映画情報】

【原題】Unforgettable
【制作国】アメリカ
【監督】デニース・ディ・ノビ
【脚本】デビッド・レスリー・ジョンソン、ラビ・D・メータ
【製作】デニース・ディ・ノビ、アリソン・グリーンスパン、ラビ・D・メータ
【製作総指揮】リン・ハリス
【撮影】ケイレブ・デシャネル
【美術】ネルソン・コーツ
【衣装】マリアン・トイ
【編集】フレデリック・トラバル
【音楽】トビー・チュウ
【出演([]内は役名)】

  • ロザリオ・ドーソン[ジュリア・バンクス]
  • キャサリン・ハイグル[テッサ・コノーバー]
  • ジェフ・スタルツ[デイヴィッド・コノーバー]
  • シェリル・ラッド[ヘレン/ラヴィ]
  • サラ・バーンズ[サラ]
  • ウィット二―・カミングス[アリ]
  • サイモン・カシアニデス[マイケル・バルガス]
  • イザベラ・カイ・ライス[リリー・コノーバー]
  • ロバート・レイ・ウィスダム[ポープ刑事]

【公開日(日本)】劇場未公開
【上映時間】100分
【配給】ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
【IMDB】5.0/10.0  (およそ7,800人の評価)

【あらすじ】

やり手編集者のジュリアは、過去にDV被害にあった男との接近禁止命令がまもなく解かれてしまうのを気にしていた。新しい恋人、デイヴィッドと”元妻テッサとの娘リリー”を引き取って幸せな結婚生活を始めようとしていた矢先、元妻であるテッサが不穏な動きを見せ始める…。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

うぅーん、可もなく不可もなくなスリラー!

ロザリオ・ドーソン(ジュリア)が警察で事情聴取を受けているシーンから始まるのですが、どうやら自宅で男の死体が見つかったようで…刺したのはジュリア?という疑いの場面ですね。

しかし、蓋を開けてみれば、全部恋人の元奥さんが仕組んでいたよ!という話。

元妻(テッサ)が元旦那(デイヴィッド)の新しい恋人(ジュディ)に自分の娘ごと取られて(親権はパパにあるので当然なのですが)激おこになって、勝手に家に侵入して指輪や時計やパンティを盗むわ、パーティで見つけたスマホを勝手に持っていって中身を物色するわ、しかもジュディのフェイスブックページまで勝手に作って、接近禁止令の解けたDV男に勝手に連絡して「Fu*kしましょう」とか言って会う約束まで作るし…

そして調子に乗ったDV男がジュディに会ったら当然拒絶されて逆切れ、襲われそうになったところを太腿にナイフ突き付けて脱出!しかしそれを見守っていたテッサがやってきてDV男にとどめを刺すという…

女の恐ろしさここに極まれり!!!!

というやつです、ハイ。

ロザリオ・ドーソン好きなら堪らないエロチックさもありましてねぇ、ええ。

彼女の強気でカッコいい顔が好きなんですが、今作では珍しくビクビクしたり弱気に泣いちゃったりする珍しい(おそらく!)彼女が見れます!

 

この映画、地味に後味が悪い終わり方をしていて、そこはちょっぴり好き。

元妻テッサと娘リリーが過ごしている場面でちょくちょく、祖母が登場するんですが、このおばあちゃんがもう絵に描いたような神経質教育ママ!!テッサもそれ系なんですけど、おばあちゃんの方が更に毒親!って感じが強かったんですよね。

きっと、テッサの人格が色々とアレになってしまったのも、おばあちゃんの教育のせいもあったのかな…というなんともスッキリしない家庭事情が透けて見えます。(リリーが生まれる事や、デイヴィッドの仕事に関しても彼がテッサの元を離れないように裏で画策していたっぽいですしね)

そして物語は最後、デヴィッドがテッサの仕業だったと気付いてくれて、女同士の殴り合いバトル!をしたあとハッピーエンドを迎える…と見せかけて。

新しい家、新しい土地で再スタートを切った家族の元へ現れたのは、そう、リリーのおばあちゃん(テッサのママ)であった…というオチ(笑)

悪夢はまだまだ終わらないよ!!!!という、まぁありがちっちゃありがちなんですけども(笑)

ちゃんとデイヴィッドがテッサへの変わらない愛を証明してくれたのでちびぞうも溜飲が下がりましたとも。しかし、ただのハッピーエンドではつまらないよね?というところでちゃんとオチが待っていたので、まぁそれは良かったかなと。

可もなく不可もなくなんですけどね!主演二人の美しくて演技バトルは見応えあると思うので、興味ある方はぜひぜひ!

 

 

 


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画像引用元:IMDB

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女性と少年しかいない禁断の島で。映画『エヴォリューション』ネタバレ&感想

そこはユートピアか、ディストピアか。

なんとも不可解な雰囲気のする今作。

監督はかのロリコン映画として有名な『エコール』の監督さんじゃないですか!!それは知らずに鑑賞しましたが、やはり雰囲気というか芸術的な画面と不穏な空気、そして深すぎる意味不明さは健在でしたね…(笑)

先に劇場で観ていた映画仲間も感想を言いにくそうにしていたので、なんとなくどんな内容なのかは察していました(笑)

アップリンクさんが展開している公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Evolution
【制作国】フランス
【監督】ルシール・アザリロビック
【脚本】ルシール・アザリロビック、アランテ・カバイテ
【製作】シルビー・ダントン、ブノワ・ケノン、ジェローム・ビダル
【撮影】マニュ・ダコッセ
【美術】ライラ・コレット
【衣装】ジャッキー・フォコニエ
【音楽】ザカリアス・M・デ・ラ・リバ、ヘスス・ディアス
【出演([]内は役名)】

  • マックス・ブラバン[二コラ]
  • ロクサーヌ・デュラン[ステラ]
  • ジュリー=マリー・パルマンティエ[母親]
  • マシュー・ゴールドフェルド[ビクター]
  • ニシム・レナード[フランク]
  • ナタリー・レゴレス[医者]

【公開日(日本)】2016年11月26日
【上映時間】81分
【配給】アップリンク
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.0/10.0  (およそ4210人の評価)

【あらすじ】

少年と女性しか住んでいない島で母親と暮らす10歳の少年ニコラ。その島の少年たちは、全員が奇妙な医療行為の対象となっていた。そんな島の様子に違和感を覚えたニコラは、夜遅く外出する母親の後をつけてみることに。やがて海辺にたどり着いた彼は、母親がほかの女性たちと「ある行為」をしているのを目撃してしまう。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.3/5.0

うぅーーーーん!!!!難解!!!!!

ただ、オープニングで出てくる海の中の光景だったり、白く四角い建物が並んだ海辺の街並みだったり本っっっ当に美しいです!!!

それから、冒頭で主人公の少年が「海の中で死体を見た」というシーンも印象的。その死体の腹の辺りにはヒトデらしきものがいた、というのですが、母親が潜ってみてもそんなものはないと言われてしまう…

ネタバレすると

この島に住んでいる女性は全員、背中にタコの吸盤のようなものがついていて、どうやら普通の人間ではないようです。

タイトルにもある「エヴォリューション」が示しているように、この映画の世界観自体が、人間の進化の形の一つ、という意味なのかもしれません。

そしてその女性たちは夜な夜な海辺に集まり全裸でハァハァ言いながら何やら怪しげな行為にふけっている…(これがこの島での生殖行為?なのかは分かりません)

そして、少年たちに施されている医療行為…というのはなんと少年を孕ませて赤ちゃんを出産させる(出産と言っても手術で取り出すわけですが)」というショッキングな内容。

ヒトデの意味は?

あらゆる場面でサブリミナルのように差し込まれるヒトデの映像。

女性の背中の吸盤も、ヒトデを連想させますね。

ちびぞうなりにヒトデについて調べてみたんですが、ヒトデの生殖の種類はいくつもあり、その中には「雌しかおらず無精卵を生んでそこから(母親のクローンとなる)子どもが生まれる」という単為生殖で子孫を増やす種がいるようです。ただし、生まれてくるのは全部メスのみですが。

この、特殊な子孫繁栄の仕方からインスピレーションを得て、女性だけで作った卵子を少年に移植することで子どもを作る…という方法を思いついたのかな?と予想しました。おそらく生まれてくるのは男女両方だけど、男は少年のうちに出産して死亡、大人になれるのは女性だけ…というかなりフェミニズムを感じる設定…。

不在の重要性を描く作品?

しかし、この映画は「女性だけの世界万歳!理想郷!」という映画ではないと思います。

というのも、この世界に不信感を持った主人公二コラを、二コラと心を通わせた看護師の女性が島から脱出させてあげるというオチなんです。

船に乗り島を出た二コラが漂流ののち目をしたものは、大都市の明かりだった…。

多分この大都市は私たちの住む世界と同じ、普通の世界なのではないかと思います。

つまり、この映画は劇中で見せてきた世界を最終的には「逃げるべき世界」として描いている。もうその時点で「女性だけの島万歳!」という内容とは違うと言うのが分かりますよね。

あくまでも、この映画は人間のエヴォリューション(進化)の可能性の一つであり、必ずしも幸せで正しいものではない…という事が言いたいのかな。

二コラと心通わせた看護師が、二コラの描いた絵を見てほんの一瞬、笑顔を見せるのも印象的でしたしね。(劇中の女性は基本無表情)

そしてこの映画で一番重要なのは、一切出てくることがない”成人男性”の存在なのではないでしょうか。
その存在を描かないことによって際立たせる、「不在の重要性」を描いた作品なのかと思いました。

あくまでもちびぞうの見解ですが。

まとめ

非常にアーティスティックで、無言で語りかけてくる絵画のような作品です。

台詞も説明もなく、いきなりポイッとこの世界に放り込まれる感じがすごく不可解。
国で一括りにはしたくないですが、フランス映画ってこんな感じだよなぁ…うん。

面白いかそうでないかと言われるとちびぞうは…うーんなんとも言えません(笑)

この監督の独特な世界観、画の作り方が好きな方はきっと楽しめるでしょう。

 

 


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