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粉ミルクで赤ちゃんが…映画『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』ネタバレ&感想

子どもたちを守るため、男は世界最大企業を敵にまわした――

インド映画好きのちびぞうの食指が伸びました!!!

何の前知識もなく、DVDにて鑑賞。ぶっちゃけ手に取るまではこの邦題エロくない…?と思っていました、汚れていたのはちびぞうの心でした。

しかし安心してレジへ持って行ってください、本作には「あるセールスマンの告発」という非常に真面目な副題がついていますからね。

何の話かよく分からなくなってきたところで本題へ。

この監督さん、『鉄くず拾いの物語』『ノーマンズランド』の人でした!!!実話ものが得意なんでしょうかね~『ノーマンズランド』は好きな作品なので、期待が高まります(*’ω’*)

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Tigers
【制作国】インド/フランス/イギリス
【監督】ダニス・タノビッチ
【脚本】ダニス・タノビッチ、アンディ・パターソン
【製作】プラシタ・チョーダリー、クシティジ・チョーダリー、グニート・モンガ、アヌラグ・カシャップ、アンディ・パターソン、キャット・ビラーズ、チェドミール・コラール、マルク・バシュット
【製作総指揮】アチン・ジャイン、カレン・テンコフ、ミヒャエル・ベバー、プラビーン・ハシュミ
【撮影】エロル・ズブツェビッチ
【衣装】ニハリカ・カーン
【編集】ブレールナー・サイガル
【音楽】プリータム
【出演([]内は役名)】

  • イムラン・ハシュミ[アヤン]
  • ギータンジャリ[ザイナブ]
  • ダニー・ヒューストン[アレックス]
  • カーリド・アブダッラー[ナディーム]
  • アディル・フセイン[ビラル]
  • サティーヤディーブ・ミシュラ[ファイズ]
  • マリアム・ダボ[マギー]
  • ハイノ・フェルヒ[ミヒャエル]
  • サム・リード[フランク]
  • ビノード・ナグパル[ムスタファ]
  • スプリヤ・パタク[アヤンの母]

【公開日(日本)】2017年3月4日
【上映時間】90分
【配給】ビターズ・エンド
【IMDB】7.2/10.0  (およそ300人の評価)

【あらすじ】

あるグローバル企業がパキスタンで粉ミルクを強引に販売したため、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。自分の販売した粉ミルクが子どもたちの命を脅かしていることを知ったセールスマンのアヤンは、企業を訴えようとするが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.8/5.0

いやー、面白かった!

1977年から実際に起きた「ネスレ・ボイコット」を基にした作品ですね。

主人公のアヤンを演じたイムラン・ハシュミさんが既視感ある顔をしていて…ブラピのような…エリック・バナのような…誰かに似てるんだよなぁ…

大体のあらすじ

元々、国産の製薬会社の営業をしていた主人公(アヤン)だったが、国産の薬はもう置いてもらえないところがほとんど。多国籍企業である大手のラスタ社が募集していた「大卒者のみ」という求人に応募、大卒ではなかったが奇跡的に受かり、ラスタ社の粉ミルクをセールスすることになる。

まず上司に大金を渡され、「医者にこれを配って、うちの粉ミルクを出してもらえるように頼め」としょっぱなからアウト―!なやり方で自社製品を売るように指示されるアヤン。

医者の好みや家族構成などを調べつくし、彼らの欲しがっているものを渡しては営業成績を伸ばす毎日だったが、ある日医者のファイズに「ラスタの粉ミルクを飲んでいる赤ちゃんが下痢を繰り返し脱水症状で死んでいる」という現実を知らされる。

その凄惨な状況にショックを受けたアヤンは退社を決め、粉ミルクの販売を中止するように企業を相手に闘い始める―――という感じ。

もうね。大企業の後ろには政府あり。こわいこわい。

構成が面白い!

この企業の悪事を暴くために、アヤンを主人公にしたドキュメンタリーを撮ろう、という体で行われる撮影風景とドラマ部分を交互に描くというモキュメンタリー風の構成になっています。

序盤に思いっきり”ネスレ社”という文字を出しておきながら「さすがに企業名はふせておこうか」という意見が出て劇中の社名は全て”ラスタ社”に統一される(笑)

いやいや、後から伏せる意味(笑)

この、過去と現在、そして撮影風景とドラマ部分を交互に挿入するやり方は映画としても飽きることなく観れて面白いやり方だと思いました。

悲惨な写真や動画も出るので注意

劇中に登場する、弱った乳児の写真や動画はおそらく当時の実際の映像を使用していると思われます。脱水症状でやせ細ってしまい、骨と皮だけのようになってしまった赤ちゃん。私たちの知っている乳幼児の姿(ぷくぷくもちもちとしたコロコロのまんまる赤ちゃんのイメージ)とはかけ離れています。観ていて非常に胸が痛みますので、耐性がない方はやめておいた方がいいかもしれません。

この粉ミルク問題、粉ミルク自体に危険性があるということではなく、

貧困層の家庭に対し医師が安全性をしっかりと配慮したうえで処方した粉ミルクではなかった、ということ。金の力で買収され、ラスタ社の言うがままに粉ミルクを処方していた。ここに問題があったわけです。

医師が粉ミルクをすすめ、母乳が出るのにも関わらず母乳を飲ませることをやめてしまう母親が出たり、貧困層の家庭では汚染された水で粉ミルクを薄めに薄め飲ませることで栄養が欠乏してしまう、そして汚染された水による病気を併発する…そして乳幼児が死んでいく…という事なんです。

何が一番恐ろしいかと言うと

物語のオチというオチはなかったですね。

ラスタ側がアヤンの訴えは脅迫目的であると言ってきて、撮影していた番組を流すかどうかという部分で悩まさせられる。

どうなるの、これ!?というところで物語は終わります。

そして、主人公のモデルとなった人は故郷で暮らすことは出来ず、外国に家族を移住させ暮らすようになった…というテロップが流れます。

企業の力があまりにも大きく、本国パキスタンでは平和に暮らすことも出来なくなってしまったんですね。結局、撮影していた映像が流されたのかどうかは明かされません。

なぜなのか?

ちびぞうは、映画にして訴えても何も変わらない、という事が言いたかったのかな、と思いました。ネスレボイコットを調べてみると、終息宣言されていない、とwikiには書かれていました。つまり、1977年から始まったこの問題も、いまだに解決されていない、ということなんです。

その事実が、何よりも恐ろしい。大企業、おそるべしです。

まとめ

エンディングは『ノーマンズランド』と似ていて、ただ真実を突きつけて終わる、という感じでした。

きっとこの監督はこの作品で少しでも問題を周知してもらおうと思ったのかな。映画としての面白さで楽しませてくれるだけでなく、こんな問題が世界にはあるよ!と教えてくれている。

私たちには映画を観て、伝聞して、とにかく「知る人」を増やすこと。それしか出来ないですが…

少しでも興味のある方には一度観てもらいたい一本です。
まとまってないけど終わり(笑)

 

 


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大富豪との危険なラブの行方!映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー』ネタバレ&感想

心の秘密は、身体が知ってる。

以前書いたこちらの記事の、続編ですねー。今回は劇場ではなくDVDで鑑賞いたしました!

驚愕のボカシ!映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ツッコミ&感想

暴かれるグレイの過去!危ういプレイに危機感を感じたアナは彼を受け入れられないと離れることを決意する…かーらーの!今作です。

公式サイトはこちら

どうでも良いんですけど、毎回タイトルがカッコいいなぁー。ちびぞうはこういう、原題をそのままカタカナにしたような長ったらしいタイトルが好きなのです。

【映画情報】

【原題】Fifty Shades Darker
【制作国】アメリカ
【監督】ジェームズ・フォーリー
【脚本】ナイオール・レナード
【原作】ELジェームズ
【製作】マイケル・デ・ルカ、E・L・ジェームズ、デイナ・ブルネッティ、マーカス・ビシディ
【撮影】ジョン・シュワルツマン
【美術】ネルソン・コーツ
【衣装】シェイ・カンリフ
【編集】リチャード・フランシス=ブルース
【音楽】ダニー・エルフマン
【出演([]内は役名)】

  • ダコタ・ジョンソン[アナスタシア・スティール]
  • ジェイミー・ドーナン[クリスチャン・グレイ]
  • エリック・ジョンソン[ジャック・ハイド]
  • リタ・オラ[ミア・グレイ]
  • ルーク・グライムス[エリオット・グレイ]
  • ビクター・ラサック[ホセ]
  • エロイーズ・マムフォード[ケイト・キャヴァナー]
  • ベラ・ヒースコート[レイラ・ウィリアムズ]
  • マックス・マーティーニ[ジェイソン・テイラー]
  • キム・ベイシンガー[エレナ・リンカーン]
  • マーシャ・ゲイ・ハーデン[Dr.グレース・トレヴェリアン・グレイ]

【公開日(日本)】2017年6月23日
【上映時間】118分
【配給】東宝東和
【映倫区分】R18+
【前作】驚愕のボカシ!映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ツッコミ&感想
【次作】フィフティ・シェイズ・フリード
【IMDB】4.6/10.0  (およそ63,100人の評価)

【あらすじ】

大富豪グレイと恋に落ちた恋愛未経験の女子大生アナは、グレイの歪んだ愛を受け止めきれず彼のもとを去った。しかしグレイは、自分が今まで誰にも感じたことのなかった愛情をアナに抱いていることに気づき、彼女に復縁を求める。密かにグレイを思い続けていたアナは、今度は自分から彼に「ある条件」を突きつけるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.3/5.0

今回は流石、DVDなだけあってボカシ無し!!!(笑)

前作では、濡れ場での画面の9割が黒塗りになっており「何が起きているのか全く分からない」という状態での鑑賞でしたが、今回はその煩わしいボカシがなくなって非常に観やすくなっていましたね!(笑)

アナ役のダコタ・ジョンソンの体がすっごい綺麗で色っぽいです。シャルロット・ゲンスブールっぽさもなくなってきたしね!(笑)

えー…

今回はアナが出版社に就職したということもあって、グレイさんとの恋愛模様だけでなくアナのキャリアウーマンとしての頑張る物語もサラッと描かれています。

話のおおまかな流れとしては

  • SMプレイを拒絶したアナをグレイさんが「君の無理だと思うことはしないから」と懐柔してくる
  • ちょっと説得されて流されちゃうアナさん
  • SMプレイという過激さは全くない甘々イチャイチャが全面的に描かれる
  • ラブラブな二人の仲をかき回そうとする刺客が何人か現れる
  • ほとんどの刺客が唐突に現れ、アナに暴言を吐いたり拳銃をつきつけたりする
  • 大体はグレイさん(とそのオトモ)が簡単に片付けてくれる
  • 刺客の一人、グレイさんのかつての眷属がアナに拳銃を突きつけるも、グレイさんは彼女を叱ることも非難することもなく「ひざまづけ」と命令し頭を撫でて落ち着かせる
  • そんなグレイさんに「やっぱ無理!」となるアナさん
  • しかし結局グレイさんに懐柔される
  • グレイさん唐突にヘリの事故に遭い行方不明に
  • グレイさんの身を案じるところでアナのグレイさんへの愛が深まる
  • 超絶ロマンチックなプロポーズのシーンが挟まれて、二人は婚約する
  • すると、その幸せな二人に忍び寄る怪しい影が・・・

という感じです。

大体の展開が非常にご都合主義で、唐突で、ちびぞう置いてきぼり!!!

という感じ。

しかし、画面のオシャレさとかロマンチックさは飛びぬけている気もする!!きっと世の女性陣は「あぁ~大富豪との恋愛最高やん~」とうっとりしてしまうかもしれませんね!!

 

…あれ?1のSM契約恋愛どこいった…?

この作品について「SMを治すべき病質として描いている」と批判している方もいらっしゃるみたいなんですが、確かにちびぞうもそれを感じましたね。

過去のトラウマ、不幸な生い立ちからそうなってしまったグレイさん、アナと出会い真実の愛を知って自分の性癖を改善していくという…

うーん、求めているものと違ってきてしまったな…。

そもそも、「自分とは絶対に相容れない性癖を持つ相手」との恋愛の危うさを描いていく話だと思ったんですが、こんなに簡単にグレイさんが「大丈夫!嫌な事もうしないから!」ってなっちゃうとなんだかなぁ…。1→2の話の方向展開も激しい!

トワイライトでも、結局ヒロインのベラがエドワードの方に歩み寄る展開になっていったし、どちらか片方が片側に寄っていく方向でしかまとめられないのかなぁ。

一応、次作で完結、ということですがちびぞうはもはや期待していません。
(ちょっとエロティックなだけの普通の恋愛映画っぽくなってきてるしね)
観るけどね!!!!!

 

この物語で満足いかないよぉ!という方にはぜひぜひ

ミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』

危険に歪んだラブストーリー。映画『ピアニスト』ネタバレ&感想

もしくはラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック』

をオススメしますのでそちらをどうぞ!

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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看守と囚人ごっこで人は狂う。映画『プリズン・エクスペリメント』ネタバレ&感想

人はどこまで残酷になれるのか―――

わーーーーしまった!これまたもアレか!スタンフォード監獄実験のやつか!

『少年は残酷な弓を射る』でファンになったエズラ・ミラーくん(最近は『ジャスティス・リーグ』のフラッシュにも大抜擢されましたね!!)に釣られて大してあらすじも読まず、

「ほうー心理実験のアルバイトね、面白そう!」

と借りてしまいました…が。

これアレです。超有名な2002年のドイツ映画『エス -es-』と同じ、実際にあった「学生を囚人と看守役に分けて2週間完璧に演じさせてみたらどういう心理的変化が起きるのか」というスタンフォード大学の心理実験を元ネタにした映画であります。エスのリメイク版はすでに『エクスペリメント』というタイトルの映画がありまして、「まぁ観たしいいか」とスルーしていたんですけども。

今作は別にリメイクというわけではなく、元ネタが同じ、ということですね。
しまったなぁ、知ってたら多分借りなかったのにな…(笑)

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】The Stanford Prison Experiment
【制作国】アメリカ
【監督】カイル・パトリック・アルバレス
【脚本】ティム・タルボット
【原作】フィリップ・ジンバルドー
【製作】ローレン・ブラットマン、ブレント・エメリー、リジー・フリードマン、カレン・ローダー、グレッグ・リトル
【製作総指揮】ケイティ・リアリー、ボブ・リアリー、ブライアン・ジェラティ
【撮影】ジャス・シェルトン
【美術】ゲイリー・バルボサ
【編集】フェルナンド・コリンズ
【音楽】アンドリュー・ヒューイット
【出演([]内は役名)】

  • ビリー・クラダップ[フィリップ・ジンバルドー]
  • マイケル・アンガラノ[クリストファー・アーチャー]
  • エズラ・ミラー[ダニエル/8612番]
  • タイ・シェリダン[ピーター/819番]
  • オリビア・サールビー[クリスティーナ]
  • ネイサン・エリス[ジェシー・フレッチャー]
  • トーマス・マン[416番]
  • キー・ホン・リー[3401番]

【公開日(日本)】2017年7月19日
【上映時間】122分
【配給】AMGエンタテインメント
【IMDB】6.9/10.0  (およそ25,600人の評価)

【あらすじ】

1971年8月。スタンフォード大学心理学部のジンバルドー教授は、夏休み中の校舎を利用してある実験を開始する。その内容は、被験者として集めた18人の男子学生たちをそれぞれ9人ずつ看守役と囚人役に分けて刑務所生活を再現し、「立場」や「役割」が人に与える影響を調べるというもの。被験者たちの行動は次第にエスカレートしはじめ暴力が横行するようになるが、教授はスタッフの制止もきかず実験続行を命じる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.5/5.0

うーん。映画の面白さというより、これも題材の興味深さが勝ってますね。

しかも、同じ元ネタの映画をすでに観てしまっているので、驚きも特になく。基本的にエスと比較しながら観る形になってしまいました。

エスでは確か、エスカレートした看守の暴力がいきすぎて死人が出るところまで行ってしまった感じだったかな?看守役が囚人役に尿をかける、という衝撃的なシーンが非常に記憶に残っておりまして…(笑)映画を観ていて初めてちびぞうがモザイク無しの男性器を確認したのも同作品だったように思います(笑)

それと比べますと…内容は柔らかくなっていますね。今作は、肝心の看守の暴力性が顔を出すまでが早いので実験のせいなのか元々のその人の性格なのかあやふや(一応看守役と囚人約はサイコロでランダムに選ばれるけど)、しかもその暴力性の内容はぬるい(あくまでもエスと比べ)感じになっています。途中で退場も出来るし、さすがに死人は出ませんよ!

まぁ、ベッドメイクを何十回もやり直しさせられたり、理不尽に罰を与えられたりとストレスフルな扱いを囚人が受けているのは間違いなく、観ていて気持ちの良い作品ではないので注意が必要です。

今作は囚人と看守のやりとりだけでなく、この実験を行っている教授本人も「実験に飲み込まれている」という描写があったのが良かった。そして途中でその事実に気付き、「この実験はもう終わりだ」と言いに行くシーンで終わっているのもホッとします。

しかし、本当に恐ろしいなと思ったのは教授が「この実験は終わりだ」と告げても、みんなピンと来てない顔をするところ。そこで教授は「この刑務所は閉鎖する。君たちは自由だ」と言葉を変える。そうするとようやく皆は安堵の表情を浮かべるわけです。

設定に心の底からはまり込んでしまって、現実と虚構の違いが分からなくなってくる…。「役割」が人へもたらす影響力の大きさが垣間見えて、恐ろしくなりました。

逆に言えば、人は思い込むことでいくらでも違う自分になれる…という事なのかな。

今回はこれがマイナスに働く実験でしたが、プラスに働く効果もきっとあるはず。
そんな風に考えないと、怖すぎます。

ちなみにエズラ・ミラーくんは相変わらずいい演技をしていました。

でもちょっと声が特殊で耳に障る感じだったかな…。あんまり叫んでほしくない(笑)

 

 


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画像引用元:映画.com

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ストップモーションアニメの最高峰、映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』ネタバレなし感想

If you must bilnk, do it now.

まばたきすら、してはならぬ。

ちびぞうノーチェックの本作。

ツイッターで話題が流れてきたことと、ストップモーションアニメだという事で劇場へ足を運びました。

製作はスタジオライカ、『コララインとボタンの魔女』を観たことがあるんですが、その時の印象は「ストップモーションアニメが素晴らしい!!」ということ。
物語はどうだったかと言えばあまり記憶にないんですが…KUBOはどうなのでしょうか。

パンフはこちら。

横長、センスあるデザインですね。30Pで税込み760円。まぁまぁ普通なお値段。
私が観に行った回が県内唯一のKUBO上映館の最後の上映だったということもあって、パンフは売り切れていたんですが、慌ててネットで購入。

他の方も書かれていますが、製作秘話がものすごい!!!

一週間で3秒分の映像しか作れなかったとか…クボの表情だけでも4800万通り作られていたとか…一つのカットで使われた顔の最大個数が400個超えだとか…狂気の沙汰ですよ。

【映画情報】

【原題】Kubo and the Two Strings
【制作国】アメリカ
【監督】トラヴィス・ナイト
【脚本】マーク・ハイムズ、クリス・バトラー
【ストーリー】シャノン・ティンドル、マーク・ハイムズ
【プロデューサー】アリアンヌ・サトナー、トラヴィス・ナイト
【アニメータ―】ジェイソン・ストールマン、マルコム・レイモント
【撮影】フランク・パッシンガム
【美術】ネルソン・ロウリー
【編集】クリストファー・マーリー
【視覚効果】スティーブ・エマーソン
【衣装デザイン】デボラ・クック
【索具スーパーバイザー】オリヴァー・ジョーンズ
【ラピットプロトタイピングチーフ】ブライアン・マクリーン
【人形制作スーパーバイザー】ジョージナ・ヘインズ
【キャラクターデザイン】シャノン・ティンドル
【キャラクター彫刻】ケント・メルトン
【アニメーション・スーパーバイザー】ブラッド・シフ
【筋書き】クリス・バトラー
【コンセプト・アート】トレヴァー・ダーマ―、オーガストホール、イアン・マクナマラ
【音楽】ダリオ・マリアネッリ「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
作詞作曲…ジョージ・ハリスン
歌…レジーナ・スペクター
【声の出演([]内は役名)】

  • アート・パーキンソン(矢島晶子)[クボ]

  • シャーリーズ・セロン(田中敦子)[サル]

  • マシュー・マコノヒー(ピエール瀧)[クワガタ]

  • ルーニー・マーラ(川栄李奈)[闇の姉妹]

  • レイフ・ファインズ(羽佐間道夫)[月の帝]

  • ブレンダ・ヴァッカロ(小林幸子)[カメヨ]

【公開日(日本)】2017年11月18日
【上映時間】103分
【配給】ギャガ
【映倫区分】G
【IMDB】7.8/10.0  (およそ88,000人の評価)

【あらすじ】

魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年クボは、体の弱い母と2人で静かに暮らしていた。不吉な子どもとして一族から命をねらわれていたクボは、ある時、邪悪な伯母たちに見つかってしまうが、母親が最後の力を振り絞って放った魔法によって助けられる。たった1人残されたクボは、母の力によって命を吹き込まれたサルとともに、母が最後に言い残した「3つの武具」を探し、自身の出自の秘密に迫る旅に出る。旅の途中で記憶を失ったクワガタの侍も仲間に加わり、一行は数々の困難を乗り越えて武具を見つけていくが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

ちびぞう的にちょっぴり厳しめ判定です。

  • 作品に散りばめられた日本への愛
  • とにかくストップモーションアニメの技術がすごすぎる
  • 物語に込められた思い、深さ

色んな所で絶賛されている理由は分かります。素晴らしい作品だからこそ沢山の人の心を掻き立てるんでしょうし。

個人的に素晴らしいと思ったレビューがあったのでご紹介しておきます。

@eigarunnerさんのこちらの記事です。

”物語る”ことは、「子孫を残すという事」以外で、他の動物には出来ない、人間だけの「存在の証明」であり「己の生き様」を残す手段である。染み入る言葉です。モノづくりをするすべての人に響く言葉でしょう。

ストップモーションアニメについて

凄すぎてもはやストップモーションアニメに見えない点。これは大きな問題ですよ皆さん。

凄いんです、すごいんですよ。でも、みんな言ってる「これ本当にストップモーションアニメなの?と疑うレベルの出来」これってもちろん誉め言葉だと思うんですけど。ちびぞう的には「そこまでいってしまうともはやストップモーションアニメと言えるのか」という。

いや、手法がそうなんだから間違いなくストップモーションなのには違いないんですけども(笑)

最終的に出来上がった映像が、CGとなんら見分けがつかない…となってくると、それはストップモーションでやる意味が果たしてあるのかどうかという事ですね。

『コララインとボタンの魔女』でもストップモーションが素晴らしくて感動したんですけど、正直もうクボはそんなレベルを通り過ぎています。

唯一、サルの髪が激しくたなびくシーンはストップモーションらしさがあって感動しました。

ちびぞうの求めているものは、滑らかさではないんですよ!!!!!コマ落ち、もっとしてていいんですよ!!表情の切り替えも、滑らかすぎます!!!ツギハギ部分や雑味、人形ぽさもっと出して!!!

ヤン・シュヴァンクマイエル監督の『アリス』みたいな感じが良いんですよ!!!ザ・ストップモーション!!!!
あと同監督の『ルナシー』で文字通り肉が踊るシーンもオススメですよ!!!!

…脱線しましたね。

まぁ、ちびぞうの求めていたストップモーションアニメとは、方向性が違ってきている…ということで、ここはひとつ。

画面で見たかった雑味が物語に出ている点

ストーリーが…雑な印象が…どうしても拭えないんですよね…。

これはもうコララインの時から思っていたことなので仕方ないのかなぁ。考察を沢山読んでいると「おぉ、そんな受け取り方が出来るのか…素晴らしい」とは思うんですけども、ちびぞうがそれを劇場で受け取れていたかといえばそうではなく。

よく分からない展開、よく分からない理由、よく分からない結末。ラストはもういっそ全てがクボの物語っていたお話であり、妄想だったんだよ…というオチにしてくれた方が良かったんじゃないかなと思いました。

子供向けファンタジーなら、こんなもんかぁ。と、コララインの時も思ったなぁ。

多分、映像へ向ける情熱と脚本に向ける情熱の比率が大きく偏ってるのかもしれませんね。

なんとなく、昨年ベスト1の『スイス・アーミー・マン』を思い出したので過去記事を貼っておきます(笑)

ぶっ飛んでるだけじゃない!『スイス・アーミー・マン』感想

 

 


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ホロコーストの有無を法廷で裁く!映画『否定と肯定』ネタバレ&感想

その真実に圧倒される―――

ホロコースト(ユダヤ人収容所でのナチスによる大虐殺)があったのか否かを裁判で決める!?

このとんでもない題材(勿論実話です)の映画に惹かれないわけがないじゃないですか・・・!

レイチェル・ワイズ(ナイロビの蜂)×ティモシー・スポール(ハリー・ポッターシリーズ)の演技派二人の鋭い眼光による演技勝負も見どころです!

パンフはこんな感じ!

赤と黒の二色バイカラーがお洒落!「否定」と「肯定」の二色を表していると思われます…!

原作者でもあり、レイチェル・ワイズ扮するリップシュタット教授本人のインタビューも載っています!
22Pで税込み700円…少し(ページ数が)寂しいですね。

【映画情報】

【原題】Denial
【制作国】イギリス/アメリカ
【監督】ミック・ジャクソン
【脚本】デヴィッド・ヘア
【原作】デボラ・E・リップシュタット著『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い』
【製作】ゲイリー・フォスター、ラス・クラスノフ
【撮影】ハリス・ザンバーラウコス
【美術】アンドリュー・マッカルパイン
【編集】ジャスティン・ライト
【音楽】ハワード・ショア
【衣装】オディール・ディックス=ミロー
【出演([]内は役名)】

  • レイチェル・ワイズ[デボラ・E・リップシュタット]

  • トム・ウィルキンソン[イチャ―ド・ランプトン]

  • ティモシー・スポール[デイヴィッド・アーヴィング]

  • アンドリュー・スコット[アンソニー・ジュリアス]

  • ジャック・ロウデン[ジェームズ・リブソン]

  • カレン・ピストリアス[ローラ・タイラー]
  • アレックス・ジェニングス[サー・チャールズ・グレイ]

【公開日(日本)】2017年12月8日
【上映時間】110分
【配給】ツイン
【映倫区分】G
【IMDB】6.6/10.0  (およそ12,400人の評価)

【あらすじ】

1994年、イギリスの歴史家デビッド・アービングが主張する「ホロコースト否定論」を看過することができないユダヤ人女性の歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、自著の中でアービングの説を真っ向から否定。アービングは名誉毀損で彼女を提訴するという行動に出る。訴えられた側に立証責任があるイギリスの司法制度において、リップシュタットは「ホロコースト否定論」を崩す必要があった。そんな彼女のために組織されたイギリス人大弁護団によるアウシュビッツの現地調査など、歴史の真実の追求が始まり、2000年1月、多くのマスコミの注目が集まる中、王立裁判所で歴史的裁判が開廷した。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.6/5.0

「現実は小説より奇なり」という言葉があるように、映画としての面白さというよりかは、この題材になった裁判がとても興味深くて面白いものだったんだと思います。

ちびぞうは大元の裁判については知識ゼロでした。

まさか「ユダヤの大虐殺はなかった!それらは全てユダヤ人のねつ造だ!」と主張する人がいるなんてこの作品で初めて知ったし、驚いた。

しかし、この主張は自分の「教科書で知った」「学校で教わった」「たくさんの映画で語られてきたから知っている」というだけの知識を揺るがすには十分でしたね。本当のところはどうだったかなんて、自分で確証を持つまで調べてみたこともないし、漠然として「そういう歴史があった」と思っていただけの出来事をどうして心から「あった」と信じられたのか。自分でもとても不安になりました。

この裁判の中身は、実は「ホロコーストの有無」を裁くものではなく、ホロコースト否定論者のアーヴィングが「リップシュタット教授の書いた本の中で自分を嘘つきだと誹謗中傷した」という事について訴えたものだったんですよね。

つまり、アーヴィングの否定論が教授の言うように嘘ばかりだった場合、その誹謗中傷も「真実である」と切り返せる。そのために、アーヴィングの主張(ホロコーストはなかった)を裁判で否定する必要がある…しかしこの二者はそれぞれの界隈で非常に著名だったこともあり、ただの誹謗中傷の裁判ではなく「ホロコーストの有無を裁判で裁く」という歴史的にもセンセーショナルな裁判へと発展していくわけです。

ちびぞうは、この映画での「真実がどうだったか」という部分はそこまで大切ではないように感じました。なぜなら、ホロコーストはなかったと否定しているアーヴィング自体が差別主義者であり、他人に敬意を払えない人物…一言で言えば「クズ」のように描かれているから。

観ている人はどう考えても主人公を応援するし、当然裁判の結果だって主人公が勝つに決まってるわけです。つまり、この映画は最初から「ホロコーストはある」として作られている。

では何が大切なのか?

それは、ただの傍観者として情報を得る我々が「何を真実と信じるか」ということ。
情報を取捨選択し、自分なりの結論を出すまでに色々な可能性を考える必要がある、ということなんです。

ネットが普及し、SNS上でも嘘がまかり通る現代にとても合ったテーマだな、とも思いましたね。

印象的だったのは、裁判へ向かうリップシュタット教授へ掛けられる”応援する声”以外にもあった”中傷・避難の声”。いまだにユダヤ人への差別感情を持っている人たちが中傷しに来ている、という場面なのかもしれません。しかし、その後に来たアーヴィングにも、同じように”応援と中傷の声”がかけられる、そして、スーツに投げられる生卵…。

この場面を見てちびぞうは、この二人は、”同じ”なんだ。と感じたんです。

「否定を信じる人たち」からすればリップシュタット教授は悪であり、敵。
「肯定を信じる人たち」からすればアーヴィングは悪であり、敵。

それぞれの人たちにとって、裁判の結果がどうあれ自分たちが信じていることこそが「真実」であり「正義」なんですよね。

今作はアーヴィングが嘘や捏造した情報を見解として発表していたのもあって、結論も分かりやすくなりましたが、もし彼が誠実な人間であり、嘘もなく自分の信じることを「真実」だと発表していたら、一体どうなっていたんだろうと思います。

法廷モノとしてのエンターテイメント性を出すために、終盤、まさかの裁判官がアーヴィングを擁護?するような質問をするシーンがあります。優勢だと思っていた被告側が「まさか負けるの?」と冷や冷やするシーンですね。

しかしちびぞうは、あのシーンは物語を盛り上げるためだけのものではなく、あの裁判官の言葉にも「一つの真実」があったのではないか、と思いました。

まとめ

役者陣の目で語る力、がすごい映画でした。特に主人公のレイチェル・ワイズは裁判の間「黙秘」を徹底しなければいけない役柄上、表情だけでその心情を語っています。

対峙するティモシー・スポールも必要以上の発言はしておらず、多くの場面で表情だけで演じていました。

台詞の少ない二者の演技での闘いも含め、非常に重たい題材で非常に緊張感のある法廷バトルが観られる今作。自分なら何を信じるのか、ということを考えながら観て頂きたいですね。

イギリスの少し曇った画面、美しい建造物や小物などにも注目です。

 

 


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冒険ファンタジーの金字塔!映画『ジュマンジ』ネタバレ&感想

死にたくなかったら、ゲームを続けるしかない。

『ジュマンジ』と言えばかーなり昔に一度観たような観てないような・・・で、いつかちゃんと観ないといけないなーと思いつつここまで来てしまったちびぞうですが、今年、『ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル』が公開されるということで、ようやく1を見返してみましたー!

ちなみに続編としては『ザスーラ』という映画がありましたが、今作と話が繋がっているわけではなく、同じ絵本を題材にしたお話で、精神的続編・・・?という謎の扱いのようです。

若かりし頃のロビン・ウィリアムズだけでなく、キルスティン・ダンストも見れますよ!!(*’ω’*)

【映画情報】

【原題】 Jumanji
【制作国】アメリカ
【監督】ジョー・ジョンストン
【脚本】ジョナサン・ヘンズリー、グレッグ・テイラー、ジム・ストレイン、クリス・バン・オールズバーグ
【原作】クリス・バン・オールズバーグ
【製作総指揮】テッド・フィールド、ラリー・J・フランコ、ロバート・W・コート
【製作】スコット・クルーフ、ウィリアム・ティートラー
【撮影】トーマス・アッカーマン
【美術】ジェームズ・ビッセル
【音楽】ジェームズ・ホーナー
【編集】ロバート・ダルバ
【特殊効果】インダストリアル・ライト・アンド・マジック
【出演([]内は役名)】

  • ロビン・ウィリアムズ[アラン・パリッシュ]
  • ジョナサン・ハイド[サム・パリッシュ/ヴァン・ペルト]
  • キルスティン・ダンスト[ジュディ]
  • ブラッドリー・ピアース[ピーター]
  • ボニー・ハント[サラ]
  • ベベ・ニューワース[ノラ]
  • デビッド・アラン・グリア[ベントレー]
  • パトリシア・クラークソン[キャロル・パリッシュ]
  • アダム・ハン=バード[若い頃のアラン]
  • ローラ・ベル・バンディ[若い頃のサラ]

【公開日(日本)】1996年3月20日
【上映時間】104分
【配給】コロンビア トライスター映画
【次作】『ザスーラ』
【IMDB】6.9/10.0  (およそ244000人の評価)

【あらすじ】

1869年、深夜の森で2人の少年が大きな木箱を地中深くに埋めた……。1969年、製靴工場を営むニューハンプシャーの名家パリッシュ家の12歳になる一人息子アラン(アダム・ハン=バード)は気の弱い少年で、厳格な父サム(ジョナサン・ハイド)にいつも叱られていた。ある日、彼は工事現場の土中から、大きな木箱を掘り出す。それは「ジュマンジ」と書かれたゲーム盤で、アランはガールフレンドのサラ(ローラ・ベル・バンディ)とプレイをする。ところが、このゲームは投げたダイスの目に応じた結果が、実際に起こるのだった。アランはサラの目前で、ゲーム盤の中のジャングルの世界へと吸い込まれて消えてしまった。さらに26年後、アラン一家が住んでいた屋敷に、伯母ノーラ(ベベ・ニューワース)に連れられた、ジュディ(キルスティン・ダンスト)とピーター(ブラッドリー・ヒアース)の幼い姉妹が住むことになった。彼らは屋根裏部屋で「ジュマンジ」を発見し、さっそくプレイしてみる。だか、吸血蚊、猿、そしてライオンが出現してしまった。そこへ、ピーターの出した目のおかげで26年ぶりに生還したアラン(ロビン・ウィリアムズ)も現れる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

ファミリー向け、コメディタッチのファンタジーアドベンチャー!という感じなんですが、ちょっとホラー要素の方が強い気がしましたねー。

同監督の映画は『ミクロキッズ』を観たことがありますが、すごく似た雰囲気があります。

クスクス笑える感じではなく、ワクワクして「次はどうなるんだろう!?主人公はどうなってしまうんだろう!?」というドキドキハラハラ、そしてちょっぴり怖さも含むイメージ。

今見るとCGもそんなに感動的な出来ではないんですが、当時の人からしたら、これは凄かったんだろうなぁ・・・。

ちびぞう的にハッとしたのは、最初に子ども達がジュマンジを地中に埋める場面から100年が経ち、主人公と思わしき男の子(アラン)が建設現場でジュマンジを再発見。ゲームを始めてしまう・・・という始まり。

このアランという男の子が主人公でジュマンジのゲームをしていくんだろうなー、と思って観ていると、ダイスが最初に導いたマスは「次に5か8が出るまでジャングルで待つ」というもの。するとアランがジュマンジに吸い込まれて消えてしまう!!!

画面に出る「26年後」の文字。

えっ!?

すっかり古びた屋敷に、新しい持ち主だという家族(姉弟)がやってくる・・・。

「えっ!?アランどうなったの!?」

という驚きと怖さ、はんぱなかったです。まさかの展開すぎた。

そして当然のように放置されていたジュマンジを見つける姉弟。ゲームを始めて5だったかな?を出したら、ゲームの中から大人になったアランが出てくる!まさか生き伸びてたなんて!!

ここの流れ、すごくワクワクするし大好きですね。26年もジャングルで過ごしていた男が現実に戻ってくる、というコミカルさもありました。

それと、この映画はジュマンジというゲームをクリアする、という部分だけではなく、クリアした後、ゲームを始めた日に戻れる、という設定があって、おじさんになったアランもゲームクリア後に当時の自分の家に帰ることが出来るんです。

そこで、父親の不幸を回避するために行動したりと、タイムトラベラー映画の要素もあって、そこも面白い。序盤に出てきたアランの私生活のシーンも重要な伏線になっていたりして。

いやーこれは名作ですね。

出来れば公開当時に、映画館で観たかったなぁ・・・。

新作の『ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル』も楽しみ!すごろくゲームではなく、テレビゲームとなったジュマンジがどんな大冒険を見せてくれるのか、非常に楽しみです!

 

 


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頑固親父が守りたかったもの。映画『フェンス』ネタバレ&感想

彼らがフェンスで守りたかったのは、ゆるぎない愛――

ちびぞう母チョイスの作品。なんとなーく黒人差別の話なのかなーという程度の前知識でレンタルして観てみました。

デンゼル・ワシントン監督・主演作。俳優さんの監督作というとあまりヒットしないイメージがあるので少し不安になりつつ鑑賞。

日本での劇場公開は無し。原作は同タイトルの戯曲のようです。

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Fences
【制作国】アメリカ
【監督】デンゼル・ワシントン
【脚本】オーガスト・ウィルソン
【原作】オーガスト・ウィルソン『Fences
【製作】スコット・ルーディン、デンゼル・ワシントン、トッド・ブラック
【製作総指揮】モリー・アレン、イーライ・ブッシュ、アーロン・L・ギルバート、アンディ・ポラック、デイル・ウェルズ、チャールズ・D・キング、キム・ロス
【撮影】シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
【美術】デビッド・グロップマン
【衣装】シャレン・デイビス
【編集】ヒューズ・ウィンボーン
【音楽】マーセロ・ザーボス
【出演([]内は役名)】

  • デンゼル・ワシントン[トロイ・マクソン]
  • ヴィオラ・デイヴィス[ローズ・リー・マクソン]
  • スティーブン・ヘンダーソン[ジム・ボノ]
  • ジョヴァン・アデポ[コーリー・マクソン]
  • ラッセル・ホーンズビー[ライオンズ・マクソン]
  • ミケルティ・ウィリアムソン[ミケルティ・ウィリアムソン]
  • サナイヤ・シドニー[レイネル・マクソン]

【レンタル開始日(日本未公開)】2017年6月7日
【上映時間】139分
【配給】パラマウント映画
【IMDB】7.2/10.0  (およそ70,000人の評価)

【あらすじ】

1950年代の米ピッツバーグ。トロイ・マクソンは、妻ローズと息子のコーリーと暮らしている。彼はかつて野球選手だったが、人種差別によってメジャーリーガーの夢を絶たれ、今では苦しい生活を送っていた。ある日、コーリーがアメフトのスカウトマンに見出され、でNFLを目指す大学推薦の話が舞い込んでくる。しかし、トロイは進学に反対、夢を見過ぎたと責め立て、家の裏庭のフェンス作りを強制的に手伝わせる。息子の夢を完全に潰してしまったトロイ。親子関係に亀裂が走り、ふたりを見守っていたローズとも激しく衝突することになるが・・・。【引用元:公式サイトより

【感想(ネタバレしています!)】

☆3.5/5.0

結構面白かった!

退屈な人には退屈に思えるかもしれない・・・と思う理由は、デンゼル・ワシントン演じる父親トロイの人物像!

とにかく喋る、喋る!喋りまくる!結構な早口でまくしたてます。しかも内容はあってないような過去の話だったり、奥さんとの出会いの話だったり、いかに自分が苦労して今の生活を手に入れたか、黒人差別がどうまかり通っているかなどなど。
一言で言えば「自分語り」。

序盤からのデンゼル・ワシントンの一人舞台に、ちびぞうはあまりの台詞量に圧倒されていましたが、正直しっかりと頭に入ったかと言えばそうではないです。吹き替え版だったんですが、聞いてるうちにだんだん内容が入らなくなってくる・・・(笑)台詞回しも下品だったりしますしね。

でも、この一見退屈に思える自分語りが、地味にポイントだと思っているんです。

こういう親父、いるよねっていう。

この父親像というのは、18年連れ添った妻を裏切り外で女を作った上に妊娠させたり、自分の理想や価値観を家族に押し付け息子の夢を自分の手で潰したりする人間的に欠陥のあるしょーーーもない親父。

背景に黒人差別というものがあり、それがこの父親をここまで歪ませてしまった、という部分があるのかもしれませんが、ちびぞう的にぶっちゃけ黒人差別などはこの映画にあまり関係がない気がしました。

だって、こういう父親って多分どこにでもいるでしょ。

原作者はこの映画を監督するのは黒人しか許さなかったようで、黒人が監督し演じることに深い意味があったようですが、いまいちちびぞうには分かりませんでした・・・。

この映画の良さは、奥さんであるローズとの人物的な対比だったり、息子のコーリーとの関係にあると思います。

親父が死んで、息子が「俺はこの家で一度も親父から逃れられなかった。一度くらいは逃げたいんだ」と言い、トロイの葬式に出席することを拒絶します。

しかしそれを許さない妻のローズ。

このラストは、「父親からは逃れられない」という事実が突きつけられる。どんなに最低でも敬うべき部分はある、と。

父親と息子の間に生まれた亀裂が、父親の死後、息子の中で埋まっていくという形のストーリーはそんなに珍しくないんですが、この映画は演出の仕方が良かったな。家の裏で作られていた「フェンス」という小道具も含め。

誰が見ても憎むべき父親と、それに向き合うことの出来なかった息子。

最後、父親がよく口ずさんでいた歌を息子が歌うシーンがあるんですが、そこが良いんです。
ちびぞうも、父親がよく歌っていた歌を歌える、ということを思い出してハッとしましたね。タイトルも歌手もわからないけれど、歌える曲というのがいくつかあるんです。

自分の中に根付く父親という存在は、自分の意識していないところでひょっこり顔を出してきて、その大きさを自覚させられるという、良い演出でした。

出来れば父親が死ぬ前に、父親に対する価値観を変えられれば良いんですけど、実際それは難しいのかな。”死”というものを媒介して初めて理解したり、心を寄せたりできるというのも、不思議なものです。

 

観終わった後に、自分を形成する”親”という存在について考えられる、良い映画でした。

 

 


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映画作りを禁止された監督の『人生タクシー』ネタバレ&感想

”上映可能かどうかはイスラム文化指導賞省の判断による
願い虚しく本作に上映許可は出なかった
本作がここにあるのは――支援者のおかげである”

配給会社さま、この映画を日本に届けてくれてありがとう。

ちびぞうが敬愛する映画監督の中に小津安二郎監督がいて、その小津監督の影響を受けたイランのアッバス・キアロスタミ監督がいて、彼の作品も大好きで。

そして2016年に亡くなってしまったキアロスタミ監督の愛弟子であったという、今作の監督ジャファール・パナヒさん。彼の存在は今作で初めて知りましたが、なんというか・・・胸が苦しくなる作品でした。

というのも、規制が厳しいイランで反政府的な映画を撮ったとして捕まった事があるパナヒ監督は、以降20年間、映画を撮る事を国から禁じられてしまっているのです。

保釈には映画人からの訴えも多くあったようで、こんな記事もありました。

今作は、映画作りを禁止された監督がタクシー運転手に扮し、お客さんである街中の人々を隠しカメラで撮影する・・・という体の(おそらく)モキュメンタリー映画となっています。

【映画情報】

【原題】Taxi
【制作国】イラン
【監督/脚本】ジャファール・パナヒ
【出演([]内は役名)】

  • ジャファール・パナヒ[タクシー運転手]

【公開日(日本)】2017年4月15日
【上映時間】82分
【配給】シンカ
【映倫区分】G
【IMDB】7.4/10.0  (およそ10,300人の評価)

【あらすじ】

ダッシュボードに置かれたカメラには、強盗と教師、海賊版レンタルビデオ業者、交通事故にあった夫婦、映画監督志望の学生、政府から停職処分を受けた弁護士など、個性豊かな乗客たちの悲喜こもごもが映し出され、彼らの人生を通してイラン社会の核心へ迫っていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.5/5.0

正直、これを映画として普通に鑑賞するというのは難しい・・・と思います。

ちびぞうはイランの現状も監督の置かれた状況も何も知らずに観たので、この映画がどれほどの危険を冒して撮られた作品なのかという事を本当の意味で理解していないと思うから。


それでも感想は書かねばならぬ!(シヴァガミ風)

実際に勝手にお客さんを撮影しているのか、お客さんという体の役者と会話をしているのかちょっと分からない部分もあるんですが(多分完成度的に後者、つまりはモキュメンタリー)、イランのテヘランで暮らす人々の生活・価値観・死生観など垣間見ることができる貴重な作品だと思います。

最初に乗ってきた男が「タイヤ泥棒より軽い暴力沙汰の事件で死刑になった人」の話をしていて、タイヤ泥棒も絞首刑にすべきだ、と言ったのに対し乗り合わせた女性教師が「盗人にも事情があるかもしれない、犯罪は(周囲の環境も影響して)作られる、問題の根源を知るのが必要」と反論するシーンでも、イスラム法の怖さがチラ見せされていました。

”いつまでも問題が解決しないとしたら、法の適用を間違っている”だそうですよ。

 

映画業界への縛りの厳しさは、海賊版DVDを売る店員の「こうでもしないと外国映画を観られないんです・・・」という台詞や、学校で映画を撮る課題を与えられた監督の姪っ子が語る撮影のルール「女性はスカーフを着用し、男女の触れ合いは無し。善人の男性にはネクタイ(白人社会の象徴)を付けず、イラン人の名前ではなく聖人の名前を使うこと、俗悪なリアリズムに触れない事」にも現れていて切なかった。

監督が「僕の友人はイラン名でネクタイをしているし、善人か悪人かどっちなんだ?」と聞くと姪っ子が「これは映画の中のルールだもの」と言い、「彼を映画に出演させるにはどうしたらいい?」という問いに「(彼の)全てを変える!」と答えていたやりとりが非常に印象的。

(日本は本当に、色んな国の色んな作品を自分で選んで観れる、作品として撮影し発表も出来る、素晴らしい国だ)

この監督の姪っ子という存在が、巧みでしたね。
彼女は映画の課題のためにテヘランの街並みをビデオカメラで撮影しているんですが、その時偶然、結婚式を終えて車に乗り込む新郎が落としたお金をゴミ拾いの男の子がネコババする瞬間をカメラに収める。そしてその男の子を呼び寄せて咎めるんです。お金を返すところを撮影したいと、返してきてと説得する女の子とゴミ拾いの男の子の

「人の為に自分の欲を捨てるところが見たいの」
「ヒーローになるよりお父さんにお金を渡したい」

というやり取りも切なくて、現実に目を向けず自分の信じる正論や理屈ばかりに目を向けている女の子が小さな政府を表しているようでした。

最後に乗車したバラを持った女性とのやりとりは「ようやく釈放されても、外の世界は巨大な独房よ」という台詞が印象的。しかしここの場面はちょっとさすがにイラン情勢の背景を知っておかないと難しい、です。

そして、ダッシュボードに一輪のバラを残して車から去っていく監督と姪っ子の後姿を映すラストシーン。ここの長回しはアッバス・キアロスタミ監督『オリーブの林をぬけて』のラストを思い出す演出でグッと来ました。

この一輪のバラは映画にささげられたものだろう、と解釈している方がいましたが、ちびぞうは当時ガンを患っていたキアロスタミ監督に捧げたバラでもあるのかなぁと感じましたね。

ラストの長回しの中でこのタクシーも強盗に合うというオチも良かった。
冒頭に書いた一文がクレジットの前に出て来て映画が終わるんですが、本当に臓腑にドスンとくる重みのある文でした。

 

この監督が本当に好きな物を好きなように撮った映画が、いつか観れたらいいなぁ。

余談。

そういえば、ビデオ屋の店員が海賊版DVDを見せながら「貴重なクロサワ映画もありますよ」と言っていてビックリしたんですけど、やっぱり黒澤監督は凄いんだなぁ・・・世界に名を轟かせている。(しかしそこは小津監督じゃないのねという静かなツッコミ)

 

 


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画像引用元:映画.com

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王を讃えよ!インド映画『バーフバリ 伝説誕生』ネタバレ&感想

「100人の敵を斬るのが英雄。たった一人の民を守るのが、王」

\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/

いやあー『バーフバリ 王の凱旋』ちびぞうを魅了した王の誕生をようやく見届ける事が出来ました!!DVDでですけどね!!これも劇場で観たかったなぁ!

ちなみにこちらが前編ですので!お間違えのないよう!

そういえば主演のシヴドゥとバーフバリを演じるプラバースさん、185cmもあるかなりの長身!だったと最近知りました・・・そのサイズ感であのムキムキはヤバい。

ちなみにラスボスであるバラーラデーヴァを演じるラーナー・ダッグバーティさんも188cm!そりゃアクションに見応えも出て来ますよね・・・!

王を讃えたい人のための公式サイトはこちら

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熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想

【映画情報】

【原題】Bahubali: The Beginning
【制作国】インド(テルグ語、タミル語)
【監督/脚本】S・S・ラージャマウリ
【提供】K.ラーガヴェンドラ・ラーウ
【原案】V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
【製作】ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
【撮影】K.K.センティル・クマール
【美術】サーブ・シリル
【音楽】M.M.キーラヴァーニ
【編集】コータギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーウ
【出演([]内は役名)】

  • プラバース[シヴドゥ/バーフバリ]
  • ラーナー・ダッグバーティ[バラーラデーヴァ]
  • タマンナー[アヴァンティカ]
  • アヌシュカ・シェッティ[デーヴァセーナ]
  • ラムヤ・クリシュナ[シヴァガミ]
  • ナーサル[ビッジャラデーヴァ]
  • サティヤラージ[カッタッパ]
  • ロヒニ[サンガ]
  • タニケッラ・バラニ[導師]
  • アディヴィ・シェシ[バドラ]
  • プラバカール[カーラケーヤ族長]

【公開日(日本)】2017年4月8日
【上映時間】138分
【配給】ツイン
【映倫区分】R15+
【前作】熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想
【IMDB】8.2/10.0  (およそ84,000人の評価)

【あらすじ】

巨大な滝の下で育った青年シブドゥは、滝の上の世界に興味を持ち、ある日滝の上へとたどり着く。そこでシブドゥは美しい女戦士アバンティカと出会い、恋に落ちる。彼女の一族が暴君バラーラデーバの統治する王国との戦いを続けていることを知ったシブドゥは、戦士となって王国へと乗り込んで行く。そこでシブドゥは、25年もの間幽閉されている実の母の存在と、自分がこの国の王子バーフバリであることを知る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆4.0/5.0

もぉおおお大好き!!!吹き替えと字幕版で両方観ました!!!

後編の記事にも書きましたが、2はオープニングで1のあらすじをサラッとおしえてくれるので問題なく観れる仕様になっています!

そして今作は、2を観た後の人なら「お!この人は!シヴァガミ様!お、カッタッパ!!!デーヴァセーナさまぁああおいたわしやぁあああ」と知ってる人たち総出演でとっても楽しめる仕組みになっています!

驚異的な中毒性!

そう、実はこのバーフバリシリーズ、観た人を洗脳し王の民としてしまう力だけではなく、圧倒的な中毒性も持っています!!!(笑)

なぜかというと、1の終わりが2に直接繋がっている(シヴァガミによって助けられた子フバリが成長しカッタッパに自分は何者なのかを聞くシーンから2へ)というのは当然ながら、2の終わりも1に直接繋がっている(2の最後に父フバリの没落を見せた後、子フバリを逃がすというところから1へ)から!!!!

なので1の終わりを観た時にきっとまた「なぜカッタッパが!?(いや知ってるけど)」という気持ちになるのは間違いないですし、2を観て1を観た人も再び2を観たくなるという。(ちびぞうがまさにそれ)

そして2を観ればまたそれは1へと繋がり・・・む、無限ループ!バーフバリ地獄から抜け出せない!!

しかもバーフバリという作品を劇場で観る楽しさを知ってしまっている方なら、再びまた劇場に足を運んでしまうでしょう・・・。なんという上手な構成・・・。

これ、思ったんです。多分、この作品は本来ぶつ切りにする話ではなく、二本で一本の作品なのだと・・・。上映時間が長すぎるインド映画でよくある「インターバル」という休憩を挟むタイミングがちょうど1と2の間にあるんですよね。

(そういえば同監督のハエが主人公なインド映画『マッキー』でも「インターバル」の文字の出し方最高にカッコよかった・・・)

あまりにも長すぎるから前後編に分けただけという感じがして、そのまま流しても問題ないくらい繋がっています。

あぁ・・・もう一度2を劇場で観たい!!!

新世代の変態あらわる!

いやもう最高にわらかしてもらいました(笑)

子フバリであるシヴドゥが滝を上り、アヴァンティカという女性に恋に落ちたあと、彼女にするアプローチの仕方が本当に超ド級のストーカーなんです。

  • 彼女が水辺で眠っている隙に水中を潜水して登場、水の中に入れていた彼女の手に群がる魚たちに紛れて、その手にこっそりタトゥーを施すシヴドゥ
  • しかもアヴァンティカちゃん、族長にツッコミ入れられるまで自分の手にタトゥー入れられていたことに気付きません
  • アヴァンティカちゃん、お供を餌にタトゥーマン(シヴドゥ)をおびき寄せようと水辺の木の上で弓を持って待機、その背後の木に音もなく登場するシヴドゥ!!!
  • そしてアヴァンティカちゃんの肩から毒蛇を垂らし、彼女が毒蛇に気を取られている間に肩にタトゥー(また!!)を施す(しかもまた気付かれない)
  • アヴァンティカちゃんについに追い詰められたタトゥーマン、彼女と闘いながら華麗に服を脱がす、脱がす!!滝の水で彼女の顔と体を綺麗に洗ってやると次は果実をアクロバティック採集、その果汁を使って彼女の顔にメイクを施す、施す!!
  • 自分を美しく彩ってくれたタトゥーマンに「こ、これが私・・・?」と心奪われるアヴァンティカちゃん(とてつもなく急展開)”私にタトゥーを入れた人”という歌が歌われながら二人は結ばれロマンチックシークエンスはここで終了

いやーもう見ながら「なんという新時代の変態だ」と思ったのはきっと私だけではないはず。
「本当の君を教えてくれ」と言いながら戦う女を美しい女性へと仕立ててあげるのは非常にロマンチックだと思うんですけどね、やり方が・・・さすがバーフバリ、何事も強引です。ちびぞう的に、緑の巻きスカートを一旦伸ばして逆巻きにすると、裏地の赤が表に来て赤いスカートへ早変わりする演出が好きでした。手品師かよ!

ここの、シヴドゥが仮面に恋してアヴァンティカを落とすまでのくだりで、彼の「彫刻の才能」「お絵かきの才能」「念能力者ばりに気配を消す才能」「彫り師の才能」「メイクアップの才能」「ダンスの才能」「手品の才能」とまぁ、多才すぎる王の素質を垣間見ることができるので、本当に必見ですよ!

プラバースさんの嬉しそうな笑顔、本当に可愛いんだよなぁ・・・

今回の目力ナンバーワンは

デーヴァセーナ妃に扮するアヌシュカ・シェッティさん!!!

2は王の本領発揮ですからね、父フバリ(とシヴァガミ様)の目力が凄まじかったです。1は子フバリもなかなかでしたが、やはりこの人の目力には及びませんでした!!!!

彼女が小枝拾いをバカにされてぶち切れるシーンはカッタッパもたじろぐほどの覇気!BGMも合わせて本当に愉快ですからぜひともそこに注目して頂きたいですね。(笑)やはり父フバリが選んだお妃はすごい!

そしてさりげなくここの宣言が予言となって2で実を結ぶ部分にも注目です。きちんと伏線も張られています。

名助演・カッタッパ

武器工場長という立場でありながら自らを奴隷と言う「卑下(髭)ジイ」ことカッタッパですが、1と2両方観ると彼の事も大好きになること間違いなし。

カッタッパ!!という叫びやすい名前も忠臣として優秀。

彼無しではバーフバリ伝説は語れないほどの重要人物で、とにかくめちゃ強い。その実力は父フバリ、子フバリにも劣りません。

今作で子フバリに対しスライディング正座をしたあと、2で赤子だった頃の子フバリにしたように足裏を自分の頭に乗せるシーンがあるんですが、そこはもう涙が・・・。
王と忠臣の再会シーンですが、父と子の再会シーンでもあるんですよね。本当に感動的。

まとめ

アクションに関しては、2の方が気合が入っていますし「そんなバカな!度」も2の方が上回っています。

後半にかけて盛り上がっていくという意味では、1の方が控えめなのは当然なのかもしれません。それでも、馬車で燃える藁玉をドバァーンッッ!!と突き抜けたり(ここで本当にすごいのは馬)、油を沁み込ませたそんな巨大な布が飛ぶわけなくない?と思ってもガンガン飛んで行ったり、敵の長が人間をポイポイと枕投げのように投げて来たり、積もった人間たちの中から父フバリがドバァーンッッ!!と出て来たりするシーンはやっぱり物理法則など無視しまくりであっけにとられます!決してまばたきもせずご鑑賞頂きたいですね!

 

トータルして考えるとやはり凄いのは父フバリで、主人公は父フバリなんですよね。しかし、神に例えられるほどの王の器を持っていた彼でも、制度上一度も王にはなっていません。
ちびぞう的にはこの世界観がとてつもなく大好きなので、ぜひとも子フバリにしっかりと王位を担って頂き、カッタッパをお供にした彼のその後を描く歴史スペクタクルを三部作くらいでやって欲しいです。

全部劇場で観に行きます。

よろしくお願いしますよ、S・S・ラージャマウリ監督!

 

 


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超絶怒濤のお下品アニメ映画『ソーセージパーティ』ネタバレ&感想

「食われてタマるか!」 運命に逆う彼らの闘いがはじまる!

R15+!

なんとなくしょーもない!という前情報だけで鑑賞!アニメ映画だったとは!

とんでもなくお下品でおバカな内容に対してエドワード・ノートンやジェームズ・フランコ、サルマ・ハエックとキャスト陣がもんのすごい豪華!(笑)更にちびぞう一押しの三枚目実力派俳優、ジョナ・ヒルも出演しています!

いやぁ、これは1人で観て正解でした・・・。

子どもは観ちゃダメ!な公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Sausage Party
【制作国】アメリカ
【監督】コンラッド・バーノン、グレッグ・ティアナン
【脚本】カイル・ハンター、アリエル・シェイファー、セス・ローゲン、エバン・ゴールドバーグ
【原案】セス・ローゲン、エバン・ゴールドバーグ、ジョナ・ヒル
【製作】ミーガン・エリソン、セス・ローゲン、エバン・ゴールドバーグ、コンラッド・バーノン
【製作総指揮】ジョナ・ヒル、ジェームズ・ウィーバー、アリエル・シェイファー、カイル・ハンター、デビッド・ディステンフェルド
【編集】ケビン・パブロビッチ
【音楽】アラン・メンケン、クリストファー・レナーツ
【音楽監修】ゲイブ・ヒルファー
【声の出演([]内は役名)】

  • セス・ローゲン[フランク(ソーセージ)]
  • クリステン・ウィグ[ブレンダ(バン)]
  • ジョナ・ヒル[カール(ソーセージ)]
  • ビル・ヘイダー[火酒/テキーラ]
  • マイケル・セラ[バリー(ソーセージ)]
  • エドワード・ノートン[サミー(ベーグル)]
  • サルマ・ハエック[テレサ]
  • ニック・クロール[ビデ]
  • デビッド・クラムホルツ[ラバッシュ]
  • ポール・ラッド[ダレン(スーパーの店員)]
  • グレッグ・ティアナン[ポテト]
  • コンラッド・バーノン[トイレットペーパー]
  • ジェームズ・フランコ[麻薬中毒者]
  • ダニー・マクブライド[ハニー・マスタード]
  • クレイグ・ロビンソン[ミスター・グリッツ]
  • サルマ・ハエック[テレサ・デル・タコ]
  • アンダース・ホルム[トロイ(ソーセージ)]

【公開日(日本)】2016年11月4日
【上映時間】89分
【配給】ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント
【映倫区分】R15+
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

郊外のスーパーマーケットで、お客に選ばれ、買われることを夢見て毎日陳列されている食材たち。ソーセージのフランクは、恋人であるパンのブレンダと結ばれ、ホットドッグになる運命が待っていると信じていた。2人揃ってカートに入れられ、ついに夢が叶う時が来たと喜ぶ2人だったが、カートにアクシデントが発生し、スーパーマーケットに取り残されてしまう。絶望する2人だったが、食材としていずれ人間たちに食べられてしまう運命にあったことを知り、アクシデントのおかげで命拾いしていたことに気付いたフランクとブレンダ。やがて食材たちは、人間への反撃を始める。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしてるよ!)】

☆2.3/5.0

アニメとしての出来はさすが、アニメ映画のシュレックなんかを作っていた本家のプロだけにハイクオリティ!(逆に何でこんな映画を・・・)

しかし・・・完全に好みの問題だと思いますが・・・。ちびぞうはこういう「下ネタで笑う!」みたいな映画であんまり笑えないんですよねぇ・・・。結構古めな映画だと『メリーに首ったけ』とかありましたが、それもあんまり好みじゃなかったもんなぁ。

開始直後からやたらと「ファック!」と繰り返していてとにかく登場人物たちの口が悪いところは、可愛らしいアニメーションと似つかわしくなくて斬新でしたね。よっぽどエグい内容を想像していたのか、ラストのらんこうしーん(あえて平仮名)までは結構退屈でした。

あ、一か所だけ笑いました!天才キャラのガムがスティーブ・ホーキンス博士をまるまるオマージュしていたところ(笑)

ほんっとうに、いい大人たちが徹夜明けのテンションでバカをやっちゃったーって感じがして笑えました(笑)

社会の縮図がある

食材たちに様々な人種をあてはめて現実の問題を浮き彫りにする・・・というパロディなやり方は結構深い物を感じさせましたねー!

スーパーの外の世界を天国だと信じていたけども、実際は地獄だった、みたいなのを見せるやり方(キッチンでの虐殺シーンは本当におそろしい)も良かったし、売られていく食材たちが悲鳴を上げている状況をなんとかしたくて、「外は天国!」という歌を作った・・・という過去の裏話も面白かったですね。歴史は人間が意図して作っている感がある、というか。深い。

・・・さすがにこれでアカデミー賞を狙うのは厳しいですが、ただのおバカ映画で済まされない感じになっているのは、こういったパロディ要素も徹底しているからなんでしょうね(笑)

まとめ

89分というB級ホラーにありがちな短さなのにやたらと長く感じた!!!!

ちびぞう的に、事前にもっとヤバい感じを想像していたせいかもしれません(笑)

しかしラストの”みんなでくんずほぐれず”なシーンは目が覚めるほど突き抜けているので、退屈に思う人もそこまでは頑張って観て!!

 

 

 


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