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ミニシアター巡り 東京都

ヒューマントラストシネマ渋谷:東京【素晴らしきミニシアターの世界】2館目

こんにちは、こんばんはちびぞうです!

前回からの記事からだいぶ時間が経ってしまいましたが、ようやくこのシリーズも二つ目を書くことが出来ます(笑)

金沢シネモンド:石川【素晴らしきミニシアターの世界】1館目

巡ってなさすぎた!!

ヒューマントラストシネマ渋谷

テアトルシネマグループという、関東や関西で9館ほど映画館を展開している会社の映画館の一つ。以下同グループの映画館。

  • 東京
    ヒューマントラストシネマ有楽町
    テアトル新宿
    シネ・リーブル池袋
    キネカ大森
  • 埼玉
    新所沢レッツシネパーク
  • 大阪
    テアトル梅田
    シネ・リーブル梅田
  • 兵庫
    シネ・リーブル神戸

ちびぞう的にこの映画館は会社的に言うとミニシアターではないのかもしれない?と悩みましたが、まぁシネコンとは違うしそれぞれの映画館がミニシアターぽいのでそれでいいかなと(笑)

◇映画館情報

  • 立地:JR渋谷駅から明治通りを原宿方面へ徒歩7分。東京メトロ渋谷駅からなら13番出口から出てすぐ目の前!
  • スクリーン数:3
  • 座席数:C1[200席]、C2[173席]、C3[60席]
  • 料金:一般[1,800円]、60歳以上[1,100円]、会員[1,300円]、学生[1,500円]、高校生以下[1,000円]、夫婦50割引(どちらか片方が50以上)[一人1,000円]、障がい者手帳持参[付き添い一人まで1,000円]、東京テアトル共通鑑賞券[1,500円]
  • 座席指定:全席指定 / 完全入替制、立ち見無し
  • 駐車券割引:無し
  • 会員制度:有り[年会費1,000円][いつでも映画が1,300円][火曜・金曜は1,000円!][入会時1,000円の割引優待券をもらえる!]
  • その他サービス:ブランケット、チャイルドシートの貸し出し、大きな荷物の預かり、エレベーター/車椅子用お手洗い/リフター有り
  • 所在:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 1-23-16 ココチビル 7・8F
  • 電話:03-5468-5551
  • メール:ht_shibuya★ttcg.jp(★→@)
  • WEBサイトhttps://ttcg.jp/human_shibuya/
  • チケットデザイン:★☆☆☆☆

内観はこんな感じ

七階は物販とシアター2/3があり、八階がシアター1とチケットカウンターと書かれていますのでエレベーターで向かいます。

三階のエレベーター横には本日の上映作品の一覧が。

八階に到着してすぐ左側にはポスターとチラシがずらり。

エレベーターを出て振り返ると左手にもポスターが。

こんな掲示板もありました!

今回のお目当てはこれ!!

『バンクシーを盗んだ男』!!

ポスターもかっこいい・・・。

店員さんのコメントを書いた掲示もありました。

入り口ドアにバンクシー風のデザインが施されてる!!めっちゃテンション上がります!!

今回は『二重螺旋の恋人』も観たんですが、そちらのコーナーもありました。

チケットカウンターはこんな感じ。

全席指定なので前売り券をチケットと交換します。どうやらバンクシーのスクリーンは七階だったようなのでエスカレーターで下へ(あれ?あのバンクシーの扉のスクリーンではないのね・・・謎・・・)

七階へ降りて右手を振り返ると六階へのエスカレーターとガラス越しに七階フロアが見えます。

左側に見えている廊下を通るとそこにもポスターがずらり。

ここには椅子もあって、会場までの時間をここで休んで待つことができます。

で、出たぁあああ!!

七階売店はこんな感じ。

全体的に清潔感があって、作品のコーナーもたくさんあってワクワクする感じの映画館でした♪何気に天井部分に配管が丸見えだったり、扉にもデザインされていたり、シアター2の文字が切れてたり、オシャレ度も高め!!

ビンゴキャンペーン!

チケットを購入した際にこういうものが配られまして。

[第4弾]マスタービンゴ

この映画館のみでやっているキャンペーンのようです!開くとこんな感じ。

3×3のマスに作品タイトルが書いてあり、チケットを買うとスタンプが押してもらえます。
それがビンゴのように縦横ナナメでそろうと
一列賞・・・洋菓子
二列賞・・・ドリンク無料回数券(10杯)
三列賞・・・マスターセレクション作品プレスセット
コンプリート賞・・・A賞(1スクリーン無料レンタル券/抽選三名)B賞(ザ・レギャン東京プレミアムディナーペアチケット/抽選三組)
と色々ともらえるキャンペーンカードとなっています!

裏面はこう。

こういうキャンペーン楽しいですねー!!沢山観る方なら尚更楽しいと思います!

うちの映画館でもスタンプカードはありますが、作品によってスタンプが集まるというのは新しい!うちもやればいいのになぁ~

オリジナルTシャツ抽選会!!

バンクシーの映画でこんなキャンペーンが行われていました!!

『バンクシーを盗んだ男』

8/4(土)・8/5(日)にご鑑賞の各回1名様に抽選でオリジナルデザインTシャツプレゼント!
※各回上映終了後に当選者を座席番号でお知らせします。チケットはお帰りの際まで捨てずにお持ちください。

売店では売られていない非売品のデザインTシャツを、その回に鑑賞しているお客さんの中で一人だけもらえるというキャンペーン!!すごい!!

しかも・・・私の友人が・・・

あ、あ、当てよったぁあああ!!!

ずるい!!むせび泣きました。ちびぞうが取った席の隣を遅れてきた彼が取ったんで、これはもうちびぞうが当てたと言っても過言ではないですよね・・・!?!?

く、悔しかったぁあああーーーーーーー!!!!!!!

ちなみにデザインはこんな感じでありました。

この文字の意味は・・・?

裏面はこう

いいなぁ・・・

まとめ

さすが大都会の中の映画館、清潔感と洗練されたオシャレさとが共存しており、さらにキャンペーンも沢山用意されていて遊び心も抜群!

映画を鑑賞するだけではない楽しみが沢山盛り込まれている映画館でした♪

またバンクシーと二重螺旋の恋人の感想もそのうちアップしたいと思います!!

 


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さ行

あの恐竜シリーズはここから始まった!映画『ジュラシック・パーク』ネタバレ&感想

6500万年を翔けた夢とアドベンチャー!

ジュラシック・ワールドの2が公開ということでね、ちびぞうは過去作を観てるのか観ていないのか曖昧な感じだったのでこの機会に全ておさらいしましたー!

ジュラシックの記念すべき一作目!

主演には最近、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』や『トレインミッション』などにも出演しているサム・ニール!助演には『ザ・フライ』でハエ男を演じたジェフ・ゴールドブラム

90年代の最先端のSFXがものすごい!それから、このシリーズでは毎回子どもが活躍するところも注目です!

【映画情報】

【原題】Jurassic Park
【制作国】アメリカ
【監督】スティーブン・スピルバーグ
【脚本】マイケル・クライトン、デビッド・コープ
【原案】マイケル・クライトン
【製作】キャスリーン・ケネディ、ジェラルド・R・モーレン
【撮影】ディーン・カンディ
【美術】リック・カーター
【編集】マイケル・カーン、スタン・ウィンストン、デニス・ミューレン、フィル・ティペット、マイケル・ランティエリ
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【字幕】戸田奈津子
【出演([]内は役名)】

  • サム・ニール[アラン・グラント]
  • ローラ・ダーン[エリー・サトラー]
  • ジェフ・ゴールドブラム[イアン・マルコム]
  • リチャード・アッテンボロー[ジョン・ハモンド]
  • アリアナ・リチャーズ[レックス]
  • ジョセフ・マッゼロ[ティム]

【公開日(日本)】1993年7月17日
【上映時間】127分
【配給】UIP
【映倫区分】
【次作】ロストワールド/ジュラシック・パーク
【IMDB】8.1/10.0  (およそ738,400人の評価)

【あらすじ】

大富豪ジョン・ハモンドの招待で、古生物学者グラントとサトラー、そして数学者マルコムが南米コスタリカの沖合いに浮かぶ島を訪れた。そこは太古の琥珀に閉じ込められたDNAから遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のアミューズメント・パークだったのだ。だがオープンを控えたその“ジュラシック・パーク”に次々とトラブルが襲いかかる。嵐の迫る中、ついに檻から解き放たれた恐竜たちは一斉に人間に牙を剥き始めた。【引用元:allcinema

【感想(ネタバレもするよ!)】

☆3.8/5.0

いやーー面白かった!!

もしかしたら過去に観た記憶があったのはテレビで流れていたのをチラ見してた程度で、しっかりと最初から最後まで観ていたわけではなかったのかもしれませんーー。

おおまかなストーリー

コスタリカの西に位置するヌブラル島が舞台。

ハモンドさんというお金持ちのおじーさんが作ったジュラシックパークで檻に入った恐竜にスタッフが食べられちゃう事故が起きて、その事故が原因でオープンできないかもという危機に陥り、主人公を含めた3人の学者を呼んで島を見てもらい「このパークは大丈夫!」というお墨付きをもらおうとしたのが物語の始まり。

ちなみに恐竜は、琥珀の中に閉じ込められていた蚊が吸っていた血からカエルなどのDNAを補って復活させたクローン。

島で雇われていた技術者のデブが悪者と手を組んでいて、恐竜のDNAを盗むために警備システムをオフにしてしまう。そして高圧電流の網なども破られるわ暴風雨が来るわで恐竜も逃げ出して島はパニックの阿鼻叫喚に!!

ちなみにパーク内の恐竜は全てメスで、博士たちが孵化させるもの以外は繁殖出来ない仕様になってたハズなんですが「生命は繁殖する道を探し出す」というマルコム博士の言葉通り、恐竜たちはメスのみだとオスに変化するというカエルの遺伝子を使って繁殖できるように進化していた!!

3人の学者に遊びに来ていたハモンド氏の孫2人が加わって、襲い来るラプトルからなんとか逃げる、逃げる、逃げる。

そしてハッカーの知識もあるレックスが最後にパークのセキュリティを復帰させる!

ラストバトルでは2匹のラプトルに襲われてピンチ!!な時にT-レックスさんが乱入してくれて事なきを得る!という感じでした。

無事、助けが来て帰るシーンで終了。

好きなところまとめ!

  • 開始直後、弁護士の人が話しながら歩いててズルッてコケるシーン。
  • 化石掘りのシーンが楽しそう!
  • 恐竜は鳥に進化したという説(そもそもラプトルという名前が猛禽、という意味)が、エンディングに効いてくる演出
  • どうやって恐竜を蘇らせたかをアニメーションで見せてくれるアトラクションで、そのアニメに登場する遺伝子を模したっぽいキャラクターが可愛い
  • パーク内を見るツアーがスタートしてもなかなか恐竜の姿が見えないところが良い
  • 基本的にCGもすごいし人形もすごくよく出来てる!!
  • マルコム博士のブイブイ言わせてる感じ好き。「将来の離婚相手を探してる」ってセリフが最高。
  • 恐竜が近付いてくる時、地響きが聞こえてくる前にコップの水や水たまりに波紋が広がる
  • さっきまでいた山羊が消えた!と思ったら上から肉塊が降ってくる
  • 車の外から中を覗くT-レックスの瞳孔だけが動くシーン細かい。そこからの本気咆哮がかっこいい。
  • 弁護士がトイレに逃げ込んだら建物の壁全部壊されて便器に座ってる弁護士だけ丸見えになってパクーされる
  • 姉弟の姉の方の名前がレックス(恐竜から取ったのかな?)
  • 悪いデブが可愛い恐竜だと舐めてかかったディロフォサウルス(エリマキトカゲみたいなやつ)に殺されるシーン
  • 蚤の市でサーカスを作ったハモンドじいさんの「本物を作りたかった」という切ない話からの、「恐竜を管理すること自体が間違い、人の命より重い夢なんてない!」と説教される場面
  • ラプトル二頭と姉弟が厨房で戦うシーンも鏡を使ったトリックで騙したり楽しい
  • 子どもたちがそれぞれの能力を使ってピンチを切り抜ける

まとめ

結構たくさん羅列してしまいましたが、まとめて言えば

演出が最高!!!

ってことなんですよね!

直接見せて怖がらせたり、突然出てきてビビらせるとかそういう感じではなく、あえて姿は見せない、残虐なシーンは隠す、そしてジワジワと確実に「何か恐ろしいものが近付いてくる」という感覚を増大させていく…。

この見せない演出だったり、すごく上手だなぁと思いました。アイディアがたくさん詰まっていて、恐竜に襲われるよ!という一言で言えばとてもシンプルに収まってしまう事の連続でも、どのシーンも飽きが来なくて新鮮に楽しめる。

グロイシーンもうまいこと隠されているのでお子様もそんなにショックを受けないだろうし、大人から子どもまで万人が楽しめる、本当に良い映画だと思います!!

ちびぞうは、ブイブイ言わせてそうだったのに足を怪我して役立たずになったマルコム博士が大好きなので、ぜひ続編にも出てきて欲しい!!と思っています!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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さ行

大人も子どもも楽しめる青春ドラマの傑作。映画『スタンド・バイ・ミー』ネタバレ&感想

あの12歳の時のような友達はできない
―――もう二度と

こんにちはーちびぞう(@cbz_ewe)です!

こないだの記事↓で書いた野外上映会にて今作を観たんですが、残念ながら字幕があまり読めなかったので・・・うちにあるDVDで再鑑賞。

静岡県の『夜空と交差する空の上映会(三島スカイウォーク)』行って来たよレポ

小さい頃に何回か観た事があったんですけど、あんまり内容を覚えていなかったんですよね。
当時、ちびぞうが小さかった頃に兄が悪ふざけでパイ大食い競争のシーンを面白いから見ろって見せてきたことがありまして(笑)そのシーンが気持ち悪かったことだけはよく覚えてます(笑)

原作はスティーブン・キング、監督は同原作の『ミザリー』も手掛けたロブ・ライナー。
主演には、今は亡き伝説的俳優のリヴァー・フェニックス、主人公の兄役にジョン・キューザック、街のギャングっぽい奴らのリーダーに『24』シリーズで一世を風靡したキーファー・サザーランド!地味に豪華ですねーーーー!

この映画でベン・E・キングの同名主題歌がリバイバルヒットしたのも有名ですね。

【映画情報】

【原題】Stand by Me
【制作国】アメリカ
【監督】ロブ・ライナー
【脚本】レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エバンス
【原作】スティーブン・キング「THE BODY(恐怖の四季)」
【製作】アンドリュー・シェインマン、レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エバンス
【撮影】トーマス・デル・ルース
【美術】デニス・ワシントン
【音楽】ジャック・ニッチェ
【出演([]内は役名)】

  • ウィル・ウィートン[ゴーディ・ラチャンス]
  • リバー・フェニックス[クリス・チェンバース]
  • コリー・フェルドマン[テディ・デュチャンプ]
  • ジェリー・オコンネル[ヴァーン・テシオ]
  • キーファー・サザーランド[エース・メリル]
  • ジョン・キューザック[デニー・ラチャンス]
  • リチャード・ドレイファス[作家]

【公開日(日本)】1987年4月18日
【上映時間】84分
【配給】コロンビア映画
【映倫区分】PG12
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが、町から30キロばかり離れたところに列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆4.1/5.0

これぞ名作・・・ッッッ!!!

エンディングの時には涙が出て来てしまいますね・・・。スティーブン・キング原作の映画は『ミザリー』など大好きなホラーも多いんですが、ホラーだけでなく青春ドラマもすっごくイイんですよ・・・!

最近、リメイクされた『IT』も青春ドラマとしての一面が強く描かれていて、良かったですよね。今作を観てITを思い出す、ITを観ていて今作を思い出す、なんとなくキングさんの作品は特徴があって”彼らしさ”を感じられるところも良さの一つだと思います。

まるで上質なお化け屋敷。映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ネタバレ&感想

子ども時代の回想シーンがメイン

オープニングで大人になった主人公がクリスという友人が刺殺されたという新聞記事を見て過去を思い出す。そしてその頃の冒険譚を執筆する。

その回想シーンが本編になっています。

とある田舎町で小学校の最後の夏休みを過ごしていた仲良し4人組が、町の不良たちが噂していた「ブルーベリーを摘みに行ったまま戻らなくなったブラワーという少年の死体を見た。列車に撥ねられたんだ」という話を聞いて

自分たちが死体を見つけてテレビに出て町のヒーローになろう!

と線路を辿るちょっとした冒険に出かける・・・というのがお話の軸。

エンディングでは回想が終わり、主人公は「あの時のような友人はもう2度と出来ない」と締めくくって本を完成させる。

4人の個性豊かな男の子たち

  • ゴーディ
    主人公。物書きの才能をクリスに見出されているが、両親に好かれ優秀だった兄の死に対する劣等感から内向的な思考に陥っている。
  • クリス
    ゴーディの親友。思いやりがあって賢いが、家庭環境があまり良くなく、給食費を盗んでしまうなどの悪さもしてしまう。盗んだあとで先生に返しに行ったが、その先生は返してもらった給食費でスカートを購入。その事実にショックを受ける。
  • テディ
    メガネをかけた個性的な性格の少年。父親はキレやすい性格で耳を焼かれかけたこともあるが、彼は父を深く愛しており、他人に父親を貶されると「親父はノルマンディーで戦ったんだぞ!」と必死に擁護する。
  • バーン
    太っちょでビビりな少年。彼が噂を聞きつけた事から物語が始まる。橋の上では四つん這いになって歩いたり、夜中の見張りの時は物音がするたびにそこへ銃口を向けるなどコメディ担当な感がある。

この4人のたわいもないお喋りとか、ちょっとした言い合いとかが最高なんですよね。

ちびぞう的には「ミッキーはねずみ、プルートは犬だろ?じゃあグーフィはなんなんだ?」っていう、どうでも良いけど聞かれたら確かに不思議!と思うようなやりとりが本当に少年らしくて好きでした(笑)

特に良いなーと思うのはやっぱりゴーディとクリスの二人の心の中が見えてくるようなやりとり。お互いの苦しみや悲しみを、こいつにだけは話せるんだぜと言う感じで打ち明け、共有し、そして二人で慰め合って乗り越えていく。

最後には追って来た不良グループに対峙して力を合わせて戦い、男としても成長する。

このひと夏の冒険で少年たちは確かに一回り成長したんだなぁと思えるんですよね。しかもそれは、一人では成し遂げられなかった。彼らだったからこそ、出来た。そこがイイ。

しかし彼らは一生の友達になるわけではなく、時間と共に疎遠になったりして、思い出の一部になっていく。そこを回想する主人公の立場になると、大人になってからの鑑賞がまた泣けるんです。

記憶に刻み込まれるシーンの数々

例えば、犬に追いかけられるシーンや列車に追いかけられるシーン、ゴーディが話すパイ大食い競争の話や沼地にハマってヒルに全身を噛まれたりなどなど・・・

あ、昔確かに観たなぁ、という記憶がそれぞれのシーンで蘇ってくるんです。長いこと観てなくてほとんど内容も忘れていたけど、大事なところは記憶が蘇る。これも名作の所以ですよねーーーー。

ちびぞうは兄のせいでパイ大食い競争のシーンは若干トラウマ気味でしたが、大人になってから観たら割と平気でした(笑)気持ち悪いには気持ち悪いんですけども!でも野外上映会では笑いも起きてたし、面白いと思う人には面白いシーンなのかな・・・。

ホラーの巨匠なだけあって、ヒルのシーンもそうですけどどことなくホラーな雰囲気も漂ってるんですよ!上手く説明できませんが・・・青春ドラマだけではない、という不思議な作品。

まとめ

脚本良し、子ども達の演技も良し、個性的なキャラクラ―も良し、印象に深く残る名シーンの数々も良し、冒険を終えてこれでみんなとはお別れかなと思わせる終盤の演出も泣けるし最高。

前述しましたが、子どもの頃はちょっぴり怖い冒険モノで笑えるシーンもある作品として楽しめるし、大人になってから観ると失った青春時代を想って涙する感動作へと変化する。観る世代によって感想や楽しみ方が変わるのも、今作の面白さの一つだと思います。

それから何より、BGMに使われている楽曲のすばらしいーーーーー。エンディング曲もやっぱり最高ーーー!!

褒めるところしかもう出てきません!!!

最近やっていた『IT”それ”が見えたら、終わり』での青春ドラマパートが好きだなーと思った方は、ちょっぴり古い今作もぜひ!手に取って観て頂きたい!きっと好きになれるはずです!!

 

 


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画像引用元:映画.com

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は行

12人の騎馬隊は5万の軍勢に勝てるか。映画『ホース・ソルジャー』ネタバレ&感想

誰一人失わない。帰国するには勝てばいい。

2001年に起きたアメリカ同時多発テロ(911)を受け、対テロ戦争へと繰り出したグリーンベレー(米陸軍特殊部隊)の極秘任務が映画化されました。
わずか12人の男たちがアフガニスタンへと乗り込み、3週間という短いリミットの中想定外の「馬」に乗って5万人の敵に挑むという実話が元になっています。

主演は、『マイティ・ソー』のソー役でもおなじみのクリス・ヘムズワース。『アルマゲドン』『パイレーツオブカリビアン』シリーズ、『ブラック・ホークダウン』などを手掛けたジェリー・ブラッカイマーが製作を手掛けています。

パンフはこんな感じ!

A4サイズで26P、税抜き667円。監督によるインタビューのほか、リアリティを追求するための撮影トリビアなどが載っていました!

【映画情報】

【原題】12 Strong
【制作国】アメリカ
【監督】ニコライ・フルシー
【脚本】テッド・タリー、ピーター・クレイグ
【原作】ダグ・スタントン『ホース・ソルジャー(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』
【製作】ジェリー・ブラッカイマー、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
【製作総指揮】アンドリュー・A・コソーブ、ブロデリック・ジョンソン、チャド・オマン、マイク・ステンソン、エレン・H・シュワルツ、ギャレット・グラント、イェール・バディック、バル・ヒル、ダグ・スタントン
【共同製作】ジョン・シュマッチャー
【撮影】ラスムス・ヴィデベック
【美術】クリストファー・グラス
【編集】リサ・ラセック
【衣装】ダン・レスター
【音楽】ローン・バルフ
【音楽スーパーバイザー】ジョナサン・ワトキンス
【キャスティング】ジョン・パプシデラ
【出演([]内は役名)】

  • クリス・ヘムズワース[ミッチ・ネルソン大尉]
  • マイケル・シャノン[ハル・スペンサー准尉]
  • マイケル・ペーニャ[サム・ディラー]
  • ナビド・ネガーバン[ドスタム将軍]
  • トレバンテ・ローズ[ベン・マイロ]
  • ジェフ・スタルツ[ショーン・コファーズ]
  • サッド・ラッキンビル[バーン・マイケルズ]
  • ロブ・リグル[バワーズ中佐]
  • ウィリアム・フィクトナー[マルホランド大佐]
  • エルザ・パタキー[ジーン・ネルソン]

【公開日(日本)】2018年5月4日
【上映時間】130分
【配給】ギャガ
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.6/10.0  (およそ33,300人の評価)

【あらすじ】

米同時多発テロ翌日の2001年9月12日、対テロ戦争の最前線部隊に志願したミッチ・ネルソン大尉は、わずか12人でアフガニスタンへ乗り込み、テロ集団の拠点マザーリシャリーフを制圧する任務に就く。反タリバンの地元勢力を率いるドスタム将軍の協力が得られるものの、12人の部隊に対して敵勢力は5万人。加えて戦場のほとんどが険しい山岳地帯のため、馬こそが最大の武器だとドスタム将軍は言う。隊員のほとんどが乗馬経験のない中、ネルソン大尉らは馬に乗って厳しい戦いを強いられる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.8/5.0

普通に面白い!の★2.5からちょっと上!って感じでした!!!

実話ベースだと映画的な面白さを作るのが難しいのかな?とは思うんですけど、盛り上がるシーンのある後半までがけっこう長く感じられ・・・。退屈と言えば退屈だったかな・・・。

一緒に戦ったドスタム将軍はショーン・コネリーに少し似た風貌のダンディな役者さんでしたね!彼と主人公のミッチ・ネルソン大尉が繋ぐ兄弟の絆、というのが良かったです。

ソー役に馴染んでいるクリス・ヘムズワースは別の役を演じてもソーにしか見えないのかな?と不安にも思ったんですが、そんな心配も必要なかったです。ちゃんと勇敢でリーダー性のある優秀な軍人さんを演じていましたねー。

どんな作戦だったの?

本来ならば大軍を使うような重大な作戦だったようですが、その地形の複雑さや天候によって侵攻不可能になってしまうという難しい条件が重なり、少数精鋭を送り地元の反タリバン軍に協力を求め行動を共にしてマザーシャリフというテロ組織の拠点を落としに行く・・・という方法しか出来なかったようです。
反タリバン軍を率いるドスタム将軍の指示で一度も乗ったことのない馬に乗せられ、空爆を誘導する・・・。

物語の流れが読めてしまう

残念だったなーと思える要素の一つがこれでした。

ミッチ・ネルソン大尉は実戦経験がなく、上から舐められた目で見られている・・・という伏線もあり、彼らの進行がモタつくと上官は別の隊をドスタム将軍の勢力とは対立する組織に送る(アフガニスタンには沢山の対立組織がある)。そこでドスタム将軍は「敵の味方をするならもうついていかんぞ!」と袂を分かってしまう、んですが!

まぁ後から絶対に助けに来てくれるよね~~~

って分かってしまいますよね。

だってこの映画、戦争や戦いがメインというよりも、他国の、全く違う人生を歩み全く違う価値観を持った戦士が心を通わすというお話がメインで描かれているから。もう途中でそういうお話なんだなと分かっているので、ラストでドスタム将軍が戻ってきてくれるに違いないって思ってしまうんですよねーーー。

(この部分が脚色とかでなく本当にこうだったとしたらドスタム将軍ツンデレだしキザすぎて惚れる)

それでも最後には、ホッとするし二人の友情に感動するんですけどね。

ジェリー・ブラッカイマーと言えば海賊映画でドタバタやってるコメディタッチなアクションのイメージがちびぞうは強くて(ブラック・ホークダウンも面白かったけどあんまり印象として強くない)、今作は絆や精神性の物語なのでそれと比べると地味な印象(そこが今作の魅力でもありますが)。

意外だったのは

お涙頂戴な死亡シーンがなく、ミッチ大尉が宣言した通り「誰も死なずに帰還」したこと!

これは良かったですね。良い意味で裏切られました。絶対に一人か二人は死ぬだろうと思ったもん。これが実話なのは本当に素晴らしい。

原題は「12Strong」で兵員12名という意味で、グリーンベレーの最小単位らしいんですがちびぞうは12人の強い男たち、というイメージも受けました。作中では主人公とドスタム将軍のヒーロー性が強く描かれていますが、他の11名も間違いなくヒーローだったのだなと思えるこの原題が好きです。

まとめ

ド派手なアクションのある戦争映画とは少し違う、戦場が舞台のヒューマンドラマ、という感じで観て頂けたらいいのかな。

テロリストと戦う兵士は敬礼すらもしない(上官だということが敵にバレたら真っ先に狙われてしまう)など、細かな兵士たちの約束事も見れて、かなりリアリティのある作品になっていると思います。

エンターテイメントな作品とは違うので、911のテロ背景なんかも調べてから観るとより面白さが増すかもしれませんね。

 

 


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さ行

あなたは人間を信じますか?映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』ネタバレ&感想

「この中ではすべての人が平等に権利を持ち、公平に扱われる」

劇中の美術館で行われる「ザ・スクエア」という展示。

これは”傍観者効果”という、誰かが助けを求めていた時にその場にいる人間が多ければ多いほど「自分じゃなくても誰かがやるだろう」と責任が分散してしまうという心理にスポットを当て、地面に引かれた四角い線の中でもし誰かが助けを求めていたら、その中にいる人はその人を「助けなければならない」という義務が生じるという実験的な展示だという。

こういった人間の根本的な善の心とそれに対して実際に動けるのかどうか?という部分にメスを入れ、皮肉をふんだんに入れ込んだ今作。さらりとあらすじを読んだだけでちびぞうは引き込まれてしまいまして。

最近、『万引き家族』が受賞したカンヌ国際映画祭のパルムドールを獲った作品のようです!!

パルムドール受賞作のここがイイ!映画『万引き家族』ネタバレ&感想

地元の映画館で母と共に鑑賞してきました!

パンフはこういう感じ!

スクエアです。ちゃんと真四角。26Pで税込み800円。
UltRA Graphicsの山田裕紀子さんがデザインされています。中は黄色を基調としていてとってもオシャレ・・・!美術館をテーマにした映画だけあってスタイリッシュですね。

【映画情報】

【原題】The Square
【制作国】スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク合作
【監督/脚本】リューベン・オストルンド
【製作総指揮】トマス・エスキルソン、アグネタ・ペルマン、ダン・フリードキン、ブラッドリー・トーマス
【製作】エリク・ヘンメンドルフ、フィリップ・ボベール
【撮影】フレドリック・ヴェンツェル
【美術】ジョセフィン・アスベルグ
【衣装】ソフィー・クルネガルド
【ヘアメイク】エリカ・スペツィク
【音響デザイン】アンデシュ・フランク
【ミックス】アンドレアス・フランク、ベント・ホルム
【編集】リューベン・オストルンド、ジェイコブ・シュルシンガー
【キャスティング】ポーリーヌ・ハンソン
【挿入曲】ボビー・マクファーリン、ジャスティス
【出演([]内は役名)】

  • クレス・バング[クリスティアン]
  • エリザベス・モス[アン]
  • ドミニク・ウェスト[ジュリアン]
  • テリー・ノタリー[オレグ]

【公開日(日本)】2018年4月28日
【上映時間】151分
【配給】トランスフォーマー
【映倫区分】G
【IMDB】7.3/10.0  (およそ34250人の評価)

【あらすじ】

現代アート美術館のキュレーターとして周囲から尊敬を集めるクリスティアンは、離婚歴があるものの2人の娘の良き父親で、電気自動車に乗り、慈善活動を支援している。彼が次に手がける展示「ザ・スクエア」は、通りかかる人々を利他主義へと導くインスタレーションで、他人を思いやる人間としての役割を訴えかけるものだ。そんなある日、携帯電話と財布を盗まれたクリスティアンは、その犯人に対して取った愚かな行動によって予想外の状況に陥ってしまう。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.5/5.0

社会やSNSに対する風刺、ブラックコメディ、矛盾への指摘と・・・満載で考えられさせられることばかり!!!すごく面白かった!

北欧の、スウェーデンという国は福祉に手厚い、というような印象を持ってる人は衝撃を受ける”真実”がこの映画にはありました。

主人公のキャラクターが良い!

主人公は映画の序盤で「男に追われて泣き叫んでいる女」を助けようとするんですが、実はそれは詐欺師の罠で、財布とスマホを盗まれてしまう。
スマホのGPSで大体の位置は掴めるものの、団地のどの家の人が盗んだのかまでは分からない。困った主人公が部下に相談すると「私はお前の住所も把握している。私から盗んだものを全て返さないと・・・」という脅迫めいた文章を打った紙を全世帯のポストに入れて回りましょう!というハチャメチャな提案をされ、それを仕方なく受け入れることに。

この方法もアホっぽくてなぜ警察に頼らないのかが不思議なんですが・・・ともかく主人公はその作戦を決行する。そして盗まれた財布とスマホは戻ってくる。一件落着・・・かと思いきや!後日、その手紙のせいで両親に泥棒扱いされてしまったという男の子が主人公の前に現れる。
しかし主人公は彼の両親に電話で説明してやろうともせず、帰れと追い払うばかり。揉み合って階段から落ちてしまった様子の男の子も助けない。

このように「ザ・スクエア」の展示を企画した主人公が、自分の社会に対する”善の意識”を私生活で別の人間にしっかりと行動で示せているかと思えばそうではないんです。

富裕層と貧困層の人々では、住んでいる場所が区分けされていて、富裕層に属する主人公は貧困層の住む団地の人間を見下しているし人間扱いをしていない。そこの矛盾がこの映画で何よりも大きく、一番の風刺ポイント。

パンフレットには、「善行は心に余裕のある者しか行えない」的な事が書いてありましたがこの主人公がまさにそれで、序盤に困っている人を助けようとした時の心理状態と、中盤、男の子を追い払おうとする場面での心理状態では大きな違いがあり、「自分に余裕がないと人は助けられない」というのを上手く表現していましたね・・・。

主人公はラストで、男の子の家に電話をかけたり、謝罪する動画を撮ったり、娘たちと一緒に団地へ出向いて彼の家を探したりするんですが・・・すでに男の子の家族は引っ越してしまっていました。
謝罪することの出来なかった主人公の後ろ姿を娘が見つめます。しかし主人公は振り返らないのでどんな表情をしているかは分からない・・・そして映画は終わります。

ちびぞうはこの理想とする生き方を実際には出来ていないという矛盾たっぷりの主人公が物語全体を面白くしていて非常にいいキャラクターだと思いました。
ラストでそんな自分に気付いて終わる、という形だと思うんですけど、表情が分からないので主人公が人間的な変化をしたのかどうかは観客に委ねられます。

ちびぞうは良い方に変化したと思うんですけどね・・・。

モンキーマンの演技がすごい!!

パフォーマー・オレグとして登場するテリー・ノタリーは『猿の惑星』や『キング・コング:髑髏島の巨神』などで活躍するモーション・キャプチャー俳優。

続編に期待高まる!映画『キングコング:髑髏島の巨神』ネタバレ&感想

こちらの猿の惑星の記事でテリー・ノタリーの写真が見られます。

今作では、展示のお披露目パーティが開催され、そこにゲストとして招かれた猿人間として登場しますが・・・この猿の演技が本当にすごい・・・。そしてこの猿の演技に会場の気まずい空気もものすごく辛い!!しかも結構な長回し・・・。
この場にいたら本当に恐ろしいなと思いました・・・。

この映画はこのシーンだけでも観る価値ありです!!!

って言っても過言ではないです。それくらいインパクトのあるシーンでした。

まとめ

スウェーデンの社会にメスを入れるための皮肉や風刺たっぷりのブラックコメディを軸にした、ヒューマンドラマという感じですね。

笑えるシーンと笑えないシーンのさじ加減が上手ですし、気まずいシーンは本当に気まずい。
観終わった後は色々と考えさせられます。

「ただのバッグでも美術館の1コーナーに飾れば芸術品となり得る」・・・という台詞を聞いて、『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』を思い出しました。

美術館やアート界に興味がある人にもオススメです!

 

 


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松崎まこと監督の短編映画『ヒロイン』感想

  1. 私たち、もう友達ではいられないの?

どうもこんにちは、ちびぞう(@cbz_ewe)でーす。

この間、映画仲間と行って来ました「夜空と交差する空の上映会」が二本立てになっていまして、『スタンド・バイ・ミー』の前に上映されたのがこちらの作品でした。

静岡県の『夜空と交差する空の上映会(三島スカイウォーク)』行って来たよレポ

↑イベントレポはこちら。

予告はこんな感じです。

 

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】松崎まこと
【共同脚本/編集】野本梢
【撮影】明田川大介

【録音】柳田耕佑
【音楽】hoto-D
【監督補】柴田啓佑
【出演】

      • 芋生 悠
      • 木村知貴
      • 篠崎 誠
      • 森レイ子
      • 生見司織
      • 林田沙希絵
      • 水井章人
      • 阿武勇輝

【公開日(日本)】2018年1月1日
【上映時間】18分

【あらすじ】

病室にて父の最期を看取る娘。

父の最期に遺した言葉”かおり”とは一体誰の事なのか。父が生前撮った映画のヒロインは全てかおりという名前だった。父の軌跡を知るべく、過去のヒロイン”かおり”達に会いに行く。

【感想】

☆–/5.0

すいません、点は付けられないですね。

会場の音響の関係でセリフが一部聞き取れなかった…というのもあるので真っ当な感想も書けないかもしれません。

どういうチョイスで選ばれた作品なのかは分かりませんが、スタンドバイミーと同時上映するにはちょっと酷な気も…。

一番最初に主人公が父親の病室にいて、「私たちもう、友達ではいられないの?」と声をかけるんですけど、その時点ではベッドに寝ている相手が父親だって事が分からないんですよね。すぐ後に容態が悪化して亡くなってしまう場面で「お父さん!」と呼ぶのでそこでようやく父と娘なんだなーと分かるという。

 

狙ってるかどうかは分かりませんが、あまり分かりやすいお話ではなかったと思います。起承転結もあまりハッキリしていないし、謎が謎のまま放置されていて「雰囲気映画」と言ってしまうとそれまでって感じがしました。

そそもそも、父が学生時代に撮った8ミリの作品、というのが劇中劇としてチラッと出てくるんですけど、それもあんまり面白くなさそうという…。

劇中の父親の監督としての地位というかレベルのようなものがどのくらいの設定にされているのか分かりませんが、トータル18分という短編の中で登場する劇中劇、しかも父が映画監督という部分はとても重要な設定だと思うんですが、残念ながらその設定が映えるような映画を撮っている父には見えなかったんですよね…(学生時代からすごい人はすごいじゃないですか!)

登場する3人の女性も、どういう意味合いを持ったキャラクターなのかよく分からず(最後に登場したキャスターをしている女性が父の本命だったという事なのかなぁ)、かおりという女性にこだわっていた理由もよく分からず終わってしまいます。

 

ちびぞうは意味がわからなくてと何となくフィーリングでこれ好き!となったりもするんですが…今作はそれもなく。特に思うこともなかったのでとりあえず記録として記事に残すことにしました。

 

いつか別のちゃんとした環境で鑑賞出来る日が来たらしっかり見直そうかなーと思うんですけど、マイナー過ぎてその機会はこなさそうな気がします…。

 

 


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イベント 静岡県

静岡県の『夜空と交差する空の上映会(三島スカイウォーク)』行って来たよレポ

どうも、こんにちは、ちびぞう(@cbz_ewe)です!

去年(2017年)の夏も野外上映会に行きましてそちらのレポ記事をアップしたんですが↓

長野県の『星空の映画祭』行ってきたよレポ!

今年の夏は静岡県の「三島スカイウォーク」という日本で一番長い、400Mの吊り橋を渡った先で行われた『夜空と交差する空の上映会』へ行って参りました!!ので、そちらのレポを書いていきたいと思います!!

イベントの公式サイト様はこちら

会場・作品・値段について

全長400Mの吊り橋というのがもっと巨大なもので、その上で上映会をするのかと思い込んでいたんですが、違いました・・・。渡った先の広場のようなところで上映会は行われました。

この吊り橋、横幅が大人3人が並んで歩くのが限界というくらいの狭さで(多分1.5Mくらいかなぁ)だいぶ揺れます。しかもかなり高いところにかかっているので、高所恐怖症の方は要注意です。(一緒に行った映画仲間のうちの一人も結構辛そうだった)

景色は相当綺麗でしたよ!

ここを渡るとコンクリで整備された広場があり、スクリーンが用意されていました。

こんな感じで鑑賞しました。

ちなみにちびぞうが行った7/14(土)に上映されていたのは

  • ヒロイン
    という日本の短編映画(18分)と、映画好きでこの名前を知らない人はいないと思われる不朽の名作
  • スタンド・バイ・ミー

の2本立てでした。(感想はまた別記事で!)

気になる鑑賞料金は前売りも同じ値段で

  • 大人1,800円+1,000円=2,800円
  • 高校生1,500円+500円=2,000円
  • 中学生以下無料+500円=500円
  • 小学生200円

となっています。この+以降の価格は、実はこの三島スカイウォーク内にかかる入場料(!!!)で、奥の広場には特に何もないので橋を渡るだけで大人は1,000円取られてしまうという・・・

長野県の上映会は前売りが1,000円、当日券が1,300円なのを考えると・・・かなりの割高ですよこれは。

まさかの上映トラブル

おそらくですが、ブルーレイをパソコンで流してそれをスクリーンに映すという方法で上映されていたんですよね。
開始後に、ブルーレイのメニュー画面が映ってお客さんもザワついていましたから・・・。

問題のトラブルはスタンドバイミーの上映開始から80分ほど経った、そう、まさにここからエンディングだぜ!!というタイミング。

突然の暗転。スクリーンが真っ暗になったんです。ザワめくお客さんたち。響くアナウンス。

「停電により上映が中断されてしまいましたので再開までしばらくお待ちください」

えーーー!!!!(笑)そんなばかな!

どうやら、三島スカイウォークだけでなく近くの一帯が停電してしまったということなので開催側には落ち度はないというか、スタッフさんも焦っただろうと思うので可哀想でしたが・・・。

その後しばらくして復旧、ブルーレイが改めて再生され、チャプター飛ばしと早送りで途切れたところまで向かう様子に観客もクスクス・・・。そしてしれっと始まった続きは途切れた部分からギリギリ直前だったので準備しきれていないお客さんが戸惑う。さらに流し始めてから「ご迷惑おかけしました」のアナウンス(笑)映画にアナウンス被せないでよ(笑)

前の方にいたお客さんが「もう少し巻き戻してくださーい!」と叫んだらしばらくして無言で巻き戻しが始まり、場内に拍手と爆笑が巻き起こりました(笑)

いやー笑いました。スタッフさんの焦り方も伝わってくるしわりと自由度も高くて、グダグダだけど楽しかったです(笑)

一緒に行った仲間は「あのトラブルで返金しないのおかしい」と言っていて確かに!!とも思ったんですが・・・(笑)これもまた仲間内で長く語り継がれる思い出になるのかなと思うと、ちびぞう的にはちょっと面白かったですね(笑)

他にも改善点が満載

上記のトラブルは笑えたので良しとして、それ以外にも色々と問題点があったなーと思うので記録しておきます。

  • 上映開始の合図が何もない
    鐘が鳴るとか、アナウンスが入るとかそういうことが一切なく映画がしれっと始まる。これはあまり親切ではないですね。中断された後もしれっと開始しましたしね。
  • 音響がよろしくない
    最初に上映された邦画の短編は、音響のせいで何を言っているのか分からない部分があり、いまいち鑑賞しきれたかと言えばそうではない。というか邦画はただでさえ台詞が聞き取りにくいので野外上映会には向いてないと思うんですよね・・・。
  • 字幕が見えない
    音響がアレなので、字幕で良かったー!と思いきや・・・。まさかの字幕が見えない問題!広場の床がフラットなのとスクリーンの位置が低くて、字幕が出る場所にお客さんの頭がかぶっている・・・という・・・

    ちびぞうは7割~2割くらい読めたり読めなかったりだったんですが、仲間の一人は「一切見えなかった」そうで・・・。自分の後ろにも人がいることを考えると正座したり背伸びしたりして高い位置から見よう、というのも難しいですしね(そもそも下がコンクリだからレジャーシート敷いてたけど足も尻も痛い)
  • レジャーシートと椅子のゾーンを分けて欲しい問題
    写真にも写っていますが、レジャーシートを置いて床に座るお客さんと、折りたたみ椅子を置いて腰掛けるお客さんとがいて、ただでさえ字幕が見えにくいのに椅子のお客さんが前に居たら一切見えない・・・という感じになってしまうんです。「椅子を使う方はここから後ろで」とか案内をしたり、もしくは最初からゾーンを分けてもらえたら良かったなぁと話していました。
  • 映画が見切れてた問題
    エンドロールで白い文字が上に流れていくとき、スクリーンの上のロープのような部分にも文字が流れていくのがチラチラと見えて「あ!上の方見切れてたんじゃん!」と気付きました・・・・・・
  • そもそも何もない三島ウォークで映画(しかもブルーレイ)を観るのに値段が高すぎ問題
    2,800円かけてこのクオリティで映画を観るのは辛すぎる・・・・・・

なので森の映画祭実行委員会さん、次回以降はスクリーンの位置をもう少し上げて椅子の人を分けてもらって、あと画角もスクリーンに合わせてもらって、それからついでに邦画は流さないようにするか音響をもう少し良くしてもらえるといいと思います。。。

よろしくお願いします・・・。

まとめ

実はこの次の日にちびぞうの大好きな『バーフバリ』の上映もしていたようなんですが、野外上映会でバーフバリは長すぎてお尻が痛くなっちゃうこと間違いなしなので向いてないかもしれません(笑)それか最低限、クッションは持っていくといいかも!!

文句ばっかり言ってしまったんですが、地元の子に聞いたら三島スカイウォークはこれからどんどん施設が増える予定??のようです(多分)

なので年々施設が充実していって、値段に見合ったものが観れるor映画の他にも何か楽しめるものが増えたりしていくかもしれませんねー。

今後に期待、という感じで今回は締めくくりたいと思います(笑)

ここまで読んで頂きありがとうございました!

 

 

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ハネケ監督の描く『ハッピーエンド』とは。映画ネタバレ&感想

うつな映画を撮ることで有名なハネケ監督の最新作・・・!
劇場で観たかったんですよぉおお・・・!

地元のミニシアターで遅れて上映してくれたおかげで、ちびぞうも鑑賞することが出来ました!!!良かったぁああありがとうありがとう!!

ちなみにちびぞうは『ファニーゲームU.S.A.』『ピアニスト』が大好きです!!!

パンフレットも無事ゲット!!!

縦長でA5くらいのコンパクトさ。縦に開く変形パンフですね!この表紙も劇中に登場するエヴのスマホを表していてスタイリッシュ!監督だけでなく主演のイザベル・ユペールのインタビューも載っています!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】 Happy End
【制作国】フランス、ドイツ、オーストラリア
【監督/脚本】ミヒャエル・ハネケ
【製作】マルガレート・メネゴス、シュテファン・アルント、ファイト・ハイドゥシュカ、ミヒャエル・カッツ
【撮影】クリスティアン・ベルガー
【美術】オリビエ・ラド
【衣装】カトリーヌ・ルテリエ
【編集】モニカ・ウィリ
【出演([]内は役名)】

  • イザベル・ユペール[アンヌ]
  • ジャン=ルイ・トランティニャン[ジョルジュ]
  • マチュー・カソビッツ[トマ]
  • ファンティーヌ・アルドゥアン[エヴ]
  • フランツ・ロゴフスキ[ピエール]
  • ローラ・ファーリンデン[アナイス]
  • トビー・ジョーンズ[ローレンス]
  • ハッサム・ガンシー[ラシッド]
  • ナビア・アッカリ[ジャミラ]

【公開日(日本)】2018年3月3日
【上映時間】107分
【配給】ロングライド
【映倫区分】G
【IMDB】6.8/10.0  (およそ7,350人の評価)

【あらすじ】

建設会社を経営し、豪華な邸宅に3世代で暮らすロラン一家。家長のジョルジュは高齢のためすでに引退し、娘のアンヌが家業を継いでいた。アンヌの弟で医者のトマには、別れた前妻との子で13歳になる娘エヴがおり、両親の離婚のために離れて暮らしていたエヴは、ある事件をきっかけにトマと一緒に暮らすためカレーの屋敷に呼び寄せられる。それぞれが秘密を抱え、互いに無関心な家族の中で、85歳のジョルジュは13歳のエヴにある秘密を打ち明けるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレあり)】

☆3.0/5.0

やっぱり難解で、そして決してハッピーエンドではなかった・・・

もうこのタイトルを見た瞬間から、ハネケファンは嫌な予感というか逆に言えば「ハネケ節来た」って気持ちになったと思うんですけど(笑)だって絶対にハッピーエンド(私たちの思うような幸せな最後)にはなり得ないでしょって思うから!!それがファン的には期待通りで嬉しいところもあったりして・・・。

家族の秘密、とは

まず、13歳のエヴちゃんは母親の飲んでいる薬を過剰摂取させて入院させる。そして母親はそのまま亡くなってしまう。

エヴの母親が入院中に彼女と暮らすことになった父親は、現在の妻と生まれたばかりの息子を影で裏切り、不倫相手とアブノーマルな関係を構築している。
そしてその事実を知ったエヴは狙いか本心かは謎だが薬を飲んで自殺未遂をする。

更に、同じ家で暮らす祖父は老々介護で妻を殺したという過去があり、希死念慮に囚われている。その秘密をエヴにのみ打ち明け、ラストでは彼女に自殺の手助けをさせる。

この他にも、父親の姉とその息子も歪んだ関係を修復できないまま進んでいくし、この家族の秘密には絶望と破滅しかない、そんな印象でした。

この映画で描いている問題

オープニングとエンディングが、エヴちゃんが撮っているスマホの録画画面で統一されていて、更にその動画をネット上の”誰か”に公開しているであろうという事もうかがえます。

インターネットの普及で問題になっているSNSによるプライバシーの公開であったり、過激なものを見せて鑑賞者から良い反応を貰おうという誤った自己顕示欲だったり、そういう問題が全面に押し出されていましたね。

劇中で、祖父が小鳥が別の鳥に捕食される様子を見た時の話をしていましたが、その時に「テレビで観る光景であればきっと気にしなかっただろう」と言っていたんですよね。これはテレビという言葉が”映画”と置き換えられ、映画の中でどれだけ過激なシーンがあっても鑑賞者は本物を見ているわけではない、という皮肉かなとも思ったのですが。後々考えていると、これはスマホの画面を通して物事を見ているエヴは、イコール現実を見てはいないんだ、という事が言いたかったのかもしれません。だからあれほどに、残酷になれるのだ、と。

 

この他にも、家族の絆の薄れだったり、移民に対するブルジョワジーの差別意識のようなものも描かれていました。

好きなところ

ちびぞうは、この映画を観たあとの衝撃がすごくて、「またハネケさんにしてやられた」という感じが強かったですね。

特にエンディングからのエンドロールの入りが最高だったんですよ。

波の音がうるさいくらい聞こえていて、そこにイザベル・ユペールの叫び声が乗って、そして暗転して突然の静寂、そのままエンドロール。普通はエンドロールって楽曲が流れたりするんですが、それが一切ないんですよ。

無音の衝撃というか、攻撃力がすごかったですね。

この愛のない世界の痛ましさが胸にドン、と殴られたように響いてきて苦しくなりました。

これだけ胸の中を掻きむしられるというか、ザワついたり、嫌な気持ちになるんだけどでもそれが癖になるみたいな感覚は本当にハネケ監督特有の魅力だと思います。

スマホ画面を使うナウさも、70後半のお爺様が作られたとは思えないくらいのハイセンスで、さすがの御大、といった感じです。

まとめ

最初に難解、と言いましたが、他にもこの監督の作品で難解なものは沢山あるんですよね。

そう考えるとわりと入りやすい作品だったのかも。

最近までずっと、『ハッピーエンド』とはどういう意味なのかを考えていました。あのエンディングはどう考えてもハッピーではないし、ネガティブなオチだけど誰かにとっては幸せだよ、みたいな意味でもない気がしたんですよね。

だったらなぜハッピーエンドなのか・・・と。

そうしたらネットで「”幸せ”の終わり」と解釈している方がいて、なるほど!!!!となりました。やっぱり絶望的な意味合いですねーーー結局絶望ですね!!(笑)
もうこの世界は幸せが終わるだけ、みたいな・・・でもこの映画が逆に刺激になって、自らの生き方を考えてみる・・・ということが幸せの始まりに繋がったりして・・・?

うーんでも正直、ハネケさんの映画を観て生き方を考えるような人はエヴちゃんみたいなことにはならないような気もしなくもない。

なんというジレンマ・・・。

ちびぞうはハネケ監督のファンだし、その分評価が上がってるのはあると思います(笑)

ただやっぱりこうして、観終わったあともあーでもないこーでもないと考えを巡らせられる映画は好きだな、と。

そんな感じで感想終わり。

 

 


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画像引用元:映画.com

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アン・ハサウェイが怪獣とリンクする映画『シンクロナイズド・モンスター』ネタバレ&感想

ダメウーマン⇔怪獣 シンクロ率100%

えーとえーとすいません、アン・ハサウェイがとてつもなく地雷臭のするB級(ぽい)映画に出ているのに衝撃を受けて「あんまり面白くないんだろうなぁ」と思いつつもレンタルしました、ちびぞうです。

多分彼女に釣られてレンタルしてみた方は沢山いるかと思います。

こんなに地雷がハッキリと見えているのもなかなか珍しいですけど、アン・ハサウェイはこの脚本にかなり食い付いて、製作にも携わっちゃったようです。観る人が観れば名作!?という賛否両論な作品になる予感?

あああ、今気付いたけどアルバトロスの配給ですね・・・。

監督は『ブラック・ハッカー』のナチョ・ビガロンド。確かあの映画も色々とツッコミどころがあってそこそこだったような・・・。

【映画情報】

【原題】Colossal
【制作国】カナダ
【監督/脚本】ナチョ・ビガロンド
【製作】ニコラス・シャルティエ、ゼブ・フォアマン、ドミニク・ラスタム、ナイカリ・イピニャ、ラッセル・レビン
【製作総指揮】アン・ハサウェイ、ショーン・ウィリアムソン、ジョナサン・デクター、ナチョ・ビガロンド、ギャレット・バッシュ、ジャスティン・バーシュ、イ・ジェウ、チェ・ピョンホ、クリス・リットン
【撮影】エリック・クレス
【美術】スーザン・チャン
【衣装】アントワネット・メッサン
【編集】ルーク・ドゥ―ラン、ベン・ボーデュアン
【音楽】ベアー・マクレアリー
【音楽監修】リンダ・コーエン
【出演([]内は役名)】

  • アン・ハサウェイ[グロリア]
  • ジェイソン・サダイキス[オスカー]
  • ダン・スティーブンス[ティム]
  • オースティン・ストウェル[ジョエル]
  • ティム・ブレイク・ネルソン[ガース]

【公開日(日本)】2017年11月3日
【上映時間】110分
【配給】アルバトロス・フィルム
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ44,600人の評価)

【あらすじ】

ニューヨークで職を失い、毎晩のように酒に酔って暴走した挙句、同棲中の彼氏に追い出されてしまったグロリア。すべてを失った彼女は生まれ育った故郷の田舎町に帰ってくる。その一方、韓国ソウルで謎の大怪獣が出現したというニュースが世間を騒がせていた。テレビに映し出された怪獣の映像を見たグロリアは、ある異変に気づく。それは自分の動作が巨大怪獣の動きと見事にシンクロしているという驚きの事実だった。舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界を混乱に陥れるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレあるし酷評だよ!)】

☆1.5/5.0

いやー、ちびぞうはダメでしたね。全くもってダメでした。

楽しいところがまるでない。

主人公のアルコール依存症の問題についても、もう少し描写があれば深刻度が増したかもしれなかったですが・・・全体的に設定がフワッとしていましたね。あらすじに一応の顛末は書かれていますが、そうだったのか!と思うくらい分かりにくいです。

途中に挟まれたラブ?要素も蛇足感がありましたし、意味が分からない場面が多い!

そもそも、怪獣と自分の動きがリンクしているという事実に気付けるという、一番重要なところに説得力がないんですよね・・・。普通は気付かないと思う・・・。

おおまかなストーリー

地元に戻ってきて幼馴染のオスカーのバーで働き始めたグロリア。

ある日韓国に現れた怪獣が、自分の動きとリンクしていると気付いたグロリア(アン・ハサウェイ)。

近所の公園が韓国とリンクしており、砂場に入ると怪獣が出現すると知り、それを幼馴染の男たちに教えるグロリア。

彼女は酔っぱらって公園で暴れ、そのせいで怪獣が人間を殺してしまっていた。
ある時、もう一体の怪獣が韓国に出現。なんと幼馴染の一人、オスカーも怪獣とリンクしており彼が砂場に入ったことが原因だった。

オスカーはグロリアに淡い恋心を抱いているが、グロリアはオスカーの友達のイケメンと寝てしまう。その辺りからオスカーの嫉妬が激しくなり、態度が厳しくなり、わざと砂場に入って怪獣を出現させるなど、徐々に行動がエスカレートしていく。

彼に愛想を尽かせたグロリアは、元カレからのちょっかいを振り払いつつ、オスカーのバーも辞め、暴走する彼を止めるべく単身韓国へ向かう。

そして、韓国でオスカーの怪獣を前にすると、場所がリンクしているため地元の公園のオスカー本人の目の前にグロリアの怪獣が現れ、彼をガシッと掴んでポーイ!怪獣も韓国から吹っ飛んでいき平和が戻る・・・

という感じで映画が終わる。

いまいち分からない

怪獣がなぜ現れたのか?→分からない。

一応、小さい頃にグロリアとオスカーが雷に打たれるシーンがありまして、おそらくそれが原因で怪獣が生まれた・・・という事なんだと思いますが。なぜ??と聞かれても答えられない。砂場と韓国だけがリンクしているのも謎です。(雷に打たれた時、グロリアは自分で作った韓国の都市の模型を持っていて、いじめっこオスカーにそれを踏みつぶされたりしていたから過去のトラウマと韓国が結び付いている感じはしますが)

こういう怪獣映画の場合、理由なんて別になくたって楽しめる場合はありますよね。例えば戦闘シーンが楽しいとか、破壊のシーンに恐怖と迫力があるとか、怪獣のデザインがそもそもカッコよくて見栄えするとか。
でもそういう、理由なんて意味なんて分からなくても楽しい!!!というポイントが一切ない・・・。ストーリーもテンポがあまり良くないし、グロリアとオスカーの良い感じの会話シーンのあとでグロリアが別の男と寝てしまうという「裏切られ感」もちょこちょこあり・・・。元々のオスカーの人格はそんなに悪い人っぽくないので、後半の暴走の様子を見ていてもそんなに感情移入できないんです。

誰かが言っていました、悪役に魅力がある映画は面白くなる、と。
その逆で、悪役に魅力のない映画は面白くならない・・・ということなんですよね・・・。

まとめ

どこにでもいそうな、問題を抱えまくった一個人と、都市を破壊してしまえるような巨大な怪獣がシンクロしているという発想は面白いですし、何気なくしている行為が地球を破壊しているとか、これがまさに人間だというものを表している!的な意見があるのも分からなくもないんですが・・・。
そのネタを活かしきれてない感じがして、もったいなかったですね。

ジャケットもかなりファンキーな感じがしたけど、そんなにコメディ要素はなく、地味なお話なんですよ。
怪獣映画なのか、ヒューマンドラマなのか、コメディなのか、はたまた恋愛映画なのか、アン・ハサウェイのMV映画なのか・・・どの目線で見れば良いのかそもそもそこが分からないし、どの目線で観てもそんなに面白くはない・・・と思います。

褒めるところがなさすぎて困る!!!でも、とっても評価している方もたくさんいるようなので、これも結局は好みの問題なんですかね。

アン・ハサウェイは相変わらずキュートで可愛かったです☆

 

 

 


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画像引用元:映画.com

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ダンケルクの実話映画を作れ!映画『人生はシネマティック!』ネタバレ&感想

「我々で、客を泣きながら帰らせてやろう」

ほんっとうにキノフィルムズさんは気になる映画ばかりを配給されている・・・!

この映画は確か、地元の映画館で『否定と肯定』を観た時に予告編でやっていた作品なんですよね。気にしつつもいつの間にか終わっていたので、レンタルにて鑑賞しました。

ホロコーストの有無を法廷で裁く!映画『否定と肯定』ネタバレ&感想

監督は『17歳の肖像』『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のロネ・シェルフィグ。女性の監督です。

ちびぞうの大好きなビル・ナイが助演として出ています!!楽しみ!!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】Their Finest
【制作国】イギリス
【監督】ロネ・シェルフィグ
【脚本】ギャビー・チャッペ
【原作】リッサ・エバンス
【製作】スティーブン・ウーリー、アマンダ・ポージー、フィノラ・ドワイヤー、エリザベス・カールセン
【製作総指揮】クリスティーン・ランガン、エド・ウェザレッド、ロバート・ノリス、アイバン・ダンリービー、トーステン・シューマッハー、ピーター・ワトソン、ジギー・カマサ
【撮影】セバスチャン・ブレンコー
【美術】アリス・ノーミントン
【衣装】シャーロット・ウォルター
【編集】ルシア・ズケッティ
【音楽】レイチェル・ポートマン
【音楽監修】ローラ・カッツ
【出演([]内は役名)】

  • ジェマ・アータートン[カトリン・コール]
  • サム・クラフリン[トム・バックリー]
  • ビル・ナイ[アンブローズ・ヒリアード]
  • ジャック・ヒューストン[エリス・コール]
  • ヘレン・マックロリー[ソフィー・スミス]
  • ポール・リッター[レイモンド・パーフィット]
  • レイチェル・スターリング[フィル・ムーア]
  • リチャード・E・グラント[ロジャー・スウェイン]
  • エディ・マーサン[サミー・スミス]
  • ジェレミー・アイアンズ[陸軍長官]
  • ジェイク・レイシー[カート・ランドベック]

【公開日(日本)】2017年11月11日
【上映時間】117分
【配給】キノフィルムズ
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.8/10.0  (およそ13,015人の評価)

【あらすじ】

1940年のロンドンでカトリンはコピーライターの秘書として働いていた。人手不足のため、彼女が代わりに書いたコピーが情報省映画局の特別顧問バックリーの目に留まり、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を救出した姉妹の感動秘話を映画化する脚本チームに加わることとなった。戦争で疲弊した国民を勇気づけるための映画だったが、製作が開始され、ベテラン俳優のわがまま、政府と軍による検閲や横やりなどトラブルが続出。そのたびにカトリンたちの脚本は二転三転してしまう。なんとか撮影は大詰めを迎えるが、最後に最大級のトラブルが待ち受けていた。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆3.7/5.0

面白かった!良かった!さすがのキノフィルムズさんの安定感!(笑)

映画好きな人なら、古い時代の映画作りの方法などが見れてとっても興味深いと思います!

物語も、タイトル通りシネマティック(映画のような信じられないような事が次々に起こる)。
その中にも笑える要素がたくさん散りばめられていて、かつ理不尽で残酷で、まるで人生そのものを映し出したような映画。

「ダンケルクでの戦いで兵士を救ったとされる双子の姉妹の映画を作る」という軸があるので、ノーラン監督の『ダンケルク』を観てから鑑賞するとより理解が深まるかもしれませんね!世界観に没頭しやすくなるというか。

絶体絶命を生き残れ。映画『ダンケルク』感想

主人公の女性は男性より給料が半分以下だったり、女性にしか書けないというスロップ(映画で女性同士がする会話をそう呼んでいた)を任されるんですけど、そこらへんサラッとくどくない程度に女性差別の実態みたいなものも描かれていましたね。

おおまかなストーリー

あらすじに補足するような感じで核心のネタバレをしていきます!(笑)

まず最初に主人公のカトリン(ジェマ・アータートン)が双子の姉妹に会いに行くと、彼女たちはエンジンのトラブルで船が出せず、ダンケルクの兵士を救ってはいなかった・・・(むしろ動けなくなっていたところを帰還する船に牽引してもらった)ということが真実であったと判明します。しかし双子はその事実が恥ずかしく、周りが騒ぐような美談だったと嘘をついていたらしい。

しかしカトリンはお金をもらうために仕事を続けねばならず、この事実を隠して映画製作をスタート。

空襲も来るなかで脚本を書くカトリン、老年の俳優は我儘放題だし、一緒に暮らしている恋人は浮気をするしで色々と大変ななか、同じ脚本チームのトム(サム・フラクリン)と良い感じになっていくカトリン。

映画製作の途中で、船はダンケルクに着かなかった、ということが上に発覚、製作中止の危機に立たされる。
しかしトムが、「たった1つの実話に基づいてなくていい、ダンケルクの兵士が民間の船に助けられ数十万人が帰還した、そこには100の実話がある。その中の一つでも映画に入っていれば良いんだ」的なけっこう強引な説得で情報省の人を納得させ、映画作りを続行。

他の映画でもよく見る「実話に基づくストーリー」という触れ込みの一体何割が真実なんだろうと若干疑いたくなる場面でした・・・(笑)

脚本は完成するものの、ラストシーンにパンチが足りないと書き直しを要求される。
(ここの、アメリカ人を馬鹿にするわけではないがと前振りをしつつ、「奴らは爆破、衝突、角を勢いよく曲がる救急車みたいなものが好きなんだ、彼らの好む展開にしろ」と言われるシーンは笑ってしまいました。国民性で求めるストーリーって違うんだなぁ)

ラストシーンの執筆に行き詰まるトム。代わりにカトリンが脚本を書き上げ、あとは撮影を終わらせるのみ・・・二人の恋愛も上手くいき、これからラブラブするぞ!というそんな時スタジオが空爆に襲われ、目の前でトムを亡くしてしまうカトリン。

スタッフに死傷者が出て映画の撮影も停滞、カトリンは映画業界から身を引こうとするも、老年俳優ヒリアード(ビル・ナイ)が説得しにやってくる。

ヒリアードの言葉に心を動かされたカトリンは撮影現場に復帰、公開すれば映画は大成功。
その後もカトリンは映画作りを続けていく。という感じで映画が終わる。

良かったところ!

映画が始まってすぐに”メインの軸になる物語が実際は全然違った!”というのが発覚するのが良い意味で期待を裏切られて好きでした。まずそこで「ここからどうするの!?」と興味を持ち物語に引き込まれますね!

当時の映画(脚本)の作り方?も面白い!例えば

  • ジョニー(最初)
  • 犬→ダンケルク→エンジンの故障→叔父の死
  • 無事に帰還(最後)

こんな感じでいくつかキーワードを出し、話の流れをおおまかに決め、その間を埋めて行くというやり方で作られていました。一人で一から百までやるのではなく、皆で意見を出し合いながら構築するっていうやり方もあるんですね~。

その中で、最初はエンジンの故障だったのに「それだとイギリスの造船技術がちゃんとしていないと思われる」と言われスクリューに何かが挟まって動かなくなる、という筋書きに変更されたり、上で書いたようにアメリカ人の好みに合わせてエンディングが変更されたり、女性は活躍させられないからスクリューは叔父が直すという流れにしようと言われたり、大人の事情ってやつで脚本が作られていくのがよーーーく分かります。映画製作って本当にたいへん・・・

脚本だけでなく、キャスティングにも大人の事情が大きく絡んでいました・・・。
陸軍省の命令でアメリカ人の軍人を起用しろと言われてとても見栄えのする軍人さんを連れて来たのはいいもの、絶望的に演技が下手・・・!!!

観てる側としては笑えるんですけど、作り手としては本当に大変ですよね(笑)

ビル・ナイ最高!

『ラブ・アクチュアリー』の頃から好きな俳優さんの一人、ビル・ナイ。

齢66歳にしてこのカッコよさ・・・なんなの・・・。

彼の演じるヒリアードという役がまた良いんですよ。
無駄にプライドが高くて扱いにくい低迷期に突入した高齢の役者。過去にヒットした1キャラクターの栄光にしがみついていてどこかもの悲しい。自分は主人公のジョニーを演じるものだと思い込んでいて蓋を開けてみれば酔いどれクズな叔父の役。こんなのやれるか!と不満たらたらの彼をカトリンはしっかりと尊厳を尊重しながら懐柔し、やる気にさせる。
するとその実力は本物で、この映画の公開後も演技の仕事がまた入るようになるという。

このヒリアードという役は劇中でしょうもない老いどれ役者、という立ち位置から徐々に変化し、最後はカトリンの父のような役割も担うようになるという重要で味わいの深い役。

彼がやる気になった時に言った「我々で、客を泣きながら帰らせてやろう」という台詞も良かったし、

トムを亡くして映画業界から離れようとするカトリンを説得しに行った時の

「我々のようなもの(老人や女性かな)に仕事が回ってくるのは若い男が戦争で死んでいるから。彼らが死んで得たチャンスを無駄にするのは、死に生を支配されている状態だと思わないか」

うろ覚えなんですけれど、この台詞もすごく良かった・・・。

それから、ビル・ナイの歌声も聴けます!すごく渋カッコいい!!66歳サービスしまくり!!

まとめ

空爆されながらのすごく過酷な環境下での映画製作なんですが、映画自体はとてもコミカルであまり重さがなく、笑えるポイントもたくさんあるし、考えさせられる場所もあるし、

何より強い女性が頑張る姿が観れます!!!

これはぜひ、女性に観てもらいたいですね。

最後に、トムが語っていた台詞でちびぞうがとても心に残ったものがあるのでそちらを紹介して終わりたいと思います。

どうして人は映画を観ると思う?ちゃんとストーリーがあるからだ。悪いことが起きるのも仕組まれているし、それにも意味がある。人生とは違う。

たまにでいいから価値のある映画が作りたい。
―――その人の人生の一時間半を費やせるような。

映画が好きだという事がひしひしと伝わってきます。良い映画でした。

 

 


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画像引用元:映画.com