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インド映画好きならチェックしよう『ピザ! -PIZZA-』ネタバレ&感想

「これ・・・あんまり美味しくないね」

【画像引用元:TSUTAYA】

インド映画好きとしては、レンタル店でインド映画を見つけるとついつい借りてしまう・・・なんてこと、ありますよね?( ´ސު`)

まさに私がそうです!ちびぞうです!

おそらく劇場公開されていないですし、いつもお世話になっている映画.comさんやYahoo!映画さん、さらにはwikiにも載っていない映画だったので情報収集に苦労しました・・・(感想を載せて下さっている他ブログさんに感謝)


【映画情報】

【原題】Kaakkaa Muttai(英題:Crow’s Egg)
【制作国】インド(タミル語)
【監督/脚本】M・マニカンダン
【プロデューサー】ヴェトリマーラン、ダヌシュ

【音楽】G. V. Prakash Kumar

【出演([]内は役名)】

  • J Vignesh[カラスの卵(兄)]
  • V Ramesh[カラスの卵(弟)]
  • Iyshwarya Rajesh アイシュワリヤー・ラージェーシュ[母親]
  • Ramesh Thilak[祖母]
  • Nivas Adithan[父]
  • Silambarasan[シンブ(本人役)]

【レンタル開始日(日本)】2017年4月4日
【上映時間】91分
【配給】カルチュア・パブリッシャーズ
【映倫区分】U

【IMDB】8.5/10.0  (およそ3,000人の評価)

【あらすじ】

舞台は貧富の差の激しいインドのタミル地方。父親は刑務所におり、母と祖母と捨て犬と(四人と一匹)でスラム街に住む兄弟は、石炭を拾っては売る仕事をしながら時々空き地の木からカラスの卵を取っては食べている。その空き地が都市開発?で売られ新しくピザ店(ピザ・スポッット)が建設された。有名俳優がテープカットをする中で観衆に拍手で迎えられたオープニングセレモニーを金網越しに見ていた主人公兄弟二人が、「ピザという物をただただ食べてみたい」がために、お金を稼ごうと奮闘するお話。

予告編を貼っておきます。

【感想】

☆2.8/5.0

『きっとうまくいく』みたいな感じを期待すると拍子抜けしてしまう地味さがあるかもしれませんが、こちらの映画、普通に楽しいです!原題がカラスの卵、というのも面白い。

兄弟が微笑ましい!

生まれてから一度も食べた事のないピザを一度で良いから食べてみたくて、ピザ1枚分のお金300ルピー(いつも仕事で拾っている石炭は1キロで3ルピーで売れる)をなんとか稼ごうとする。実はこの兄弟には富裕層に友達(ロケッシュ)がいて、いつも金網越しにおしゃべりしている。その友達は25,000ルピーもする犬や、都会にあるショッピングモールで新しい服を買ったと自慢してきたりする。兄弟はいつもロケッシュと話していて、ぶっちゃけ彼に頼めばピザをタダでもらえそうだった(実際に”残りをあげるよ”と差し出されるシーンもある)。だけど、兄はそれを突っぱねて「もらえば良かったのに」と言う弟に「あんな残り物がいいのか?」と言う。この、あくまでも”自分たちで稼いだ”お金で買う、という事にこだわる兄が微笑ましく、欲しい物を他人からもらったのでは意味がないということが伝わってくるシーン、好きです。

彼らは、石炭が置かれている場所にこっそり侵入して盗んでは売るなどアウトなこともしますが、”旦那が帰ってこないのよ”と困っている女主人(いつも石炭を買ってくれる)の元へたまたま街で見つけた旦那さんを連れ帰らせお礼にお金をもらったところからヒントを得て

「家に帰れなくなっている酔っ払いに声をかけ、家に連れて行く代わりにお金をもらう」

という商売を始めたりします!おそらくまだ中学にも上がっていないであろうほどの彼らの頭の良さにも関心しますし、「ピザを食べたい」という欲求がもたらすパワーはものすごいなと。

人間、目的があるだけでたとえ貧しくても人生が輝きだしたりするんですよね。一生懸命な兄弟にほんとに癒されます。

【↑と以下の画像の引用元:IMDB】

おばあちゃんが素敵!

ピザが食べたいという孫たちのために、ピザ店のちらしを見ながら見よう見まねでピザを焼こうとしてくれる姿にほっこり。だけど、こんなのピザじゃないと突っぱねられたりして少し寂しい。

しかも、もう働くことのできないおばあちゃんが幼い兄弟に責められ

「役立たずでごめん。食べて寝るしかできない」

と涙するシーンなんかは本当に切なくて切なくて・・・ダメです、ご老人を悲しませるような事を言っては!!!

社会派ドラマでもある

全体的にコメディタッチですし、ヒューマンドラマでもあるのですが、インド映画らしく貧富の差や、幼児虐待、労働問題などの社会問題もしっかりと、そしてさりげなく描かれています。いや、貧困問題については全然さりげなくとかではなかったですね。中学生以下の子どもたちが裸足で石炭拾いをしてお金を稼ぐなんて、日本では考えられませんもんね。(最近感想を書いた『ライオン 25年目のただいま』でもその描写がありました)

インド映画って本当に、前置きなく大切な人が亡くなったりとショッキングな出来事が急に起こったりしますよね。それまでの流れがコメディだとか関係なく。しかしその感じはよくある観客受けを狙った”お涙ちょうだい”な演出ではなく、観終わった後に心に引っかかり、その問題について真剣に考えてみる・・・なんてことが出来る演出で、私はそこも気に入っています。

まとめ

これタミル語圏の映画だという事に今、気付いて衝撃を受けました・・・。『ムトゥ 踊るマハラジャ』に代表されるように、インド映画の中でもタミル映画は派手な踊りと歌が多く、こういった作風の映画はヒンディー映画の特徴だと思っていたからです・・・。うーん、ものすごくヒンディー映画っぽい。

ヒンディー映画というのは、心温まるストーリーやクスッと出来るコメディの顔をして実は”けっこうな重いテーマ”を唐突にぶっこんできたりするので、注意が必要だったりします。最後のオチも社会風刺が効いていて少々ブラックコメディ寄りでもあるのかな。そういう所もヒンディーっぽい。(『きっと、うまくいく』もヒンディー映画です!)

タミル映画ではありますが、派手に歌ったり踊るシーンはありません。家族愛や、「いつ何時大切な人を失うかもわからない」という事を考え、そういう相手に伝える言葉にも気遣いを持ちたいと思えるような優しいテーマも入っています。(段々タミルとヒンディーも境目がなくなっていきそう)

インド映画としては入りやすい作品ですので、ぜひ、レンタルショップへ。

兄弟のピザへの欲求がどのような形に収まるのか、見守って欲しいです。

(もっとインド映画が日本で流行って欲しい!!!!)

 

美味しいピザが食べたくなった人のためにピザ置いときますね。

 


今回、この記事を書くにあたって(主に【映画情報】の部分)参考にさせて頂きましたブログがありますので、リンクを貼っておきたいと思います。

(ありがとうございました。不都合ありましたら削除しますのでお気軽に申し付け下さい!)

 

 

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