I JUST WANT TO BE PERFECT.
私にとって忘れられない映画体験。間違いなく2011年1番の衝撃作でした。
パンフはこんな感じ。
余計な手入れのないシンプルで洗練されたデザイン^^
現役バレエダンサーや舞踏評論家のコラムも載っていて写真も豊富な30ページ!
これで税込600円とは…お得でした。
【原題】Black Swan
【制作国】アメリカ
【監督】ダーレン・アロノフスキー
【脚本】マーク・ヘイマン/アンドレ・ハインズ/ジョン・マクローリン
【音楽スーパーバイザー】ジム・ブラック/ゲイブ・ヘルファー
【出演】ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー
【公開日(日本)】2011年5月11日
【上映時間】108分
【配給】20世紀フォックス
【IMDB】8.0/10.0
【あらすじ】
ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。【引用元:映画.com】
【感想】
★4.8/5.0
※バレエやダンスの経験がない素人のあくまでも個人的な意見です\(^0^)/
予告を見た印象では、役を奪い合う女たちの愛憎劇かな・・・と思いきや、とんでもない!!「女って怖いわね~」なんて、そんな感想じゃ終われません!!!
サイコスリラーというジャンル名だけでは説明しきれない。
深い精神性が描かれたとても過激で、重い内容です。
家族や恋人と観るには少し厳しいものがあると思います(笑)特に母と娘の組み合わせは最悪ですね!(父親でも嫌かも)
◆一番の見所
やはり、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の両方で主演女優賞を受賞した主役ナタリー・ポートマンの恐るべき演技力でしょう!!特に、物語終盤でヒロインに訪れる内面的な変化は魅力的で惹き付けられます。本当に命がけで演じているのでは?と思うほどの鬼気迫る演技に息を飲むこと間違いなしです。
美しいですね~~~
◆”醜”と”美”の融合
- “ホワイト・スワン”の純真無垢と”ブラック・スワン”の官能的な邪悪さを1人の女性が一つの肉体で演じなければならない。
- 清らかな優等生でいることにより抑圧された”欲望”。
- 母から娘への羨望と憎しみの入り混じった歪んだ愛情。
- 輝かしいバレエ団の表舞台と、ダンサー達が垣間見せる醜悪な舞台裏。
- 名声を手にした大御所プリマの引退と新生プリマの誕生。
- あらゆる場面に登場する鏡や、電車の窓に映ったヒロインの顔。
このような光と影の対比が終始、ストーリーの中に組み込まれていました。
そしてその対比した美と醜が、身を滅ぼしながらも求めるモノ(完璧)を突き詰め己を解き放っていくヒロインの姿に痛々しいまでの芸術家のエゴやナルシズムを映し出し、衝撃のラストへ向かって見事に融合していく…
後半からエンドロールまでの間、体の震えが止まらず、涙が溢れ、感動と、手の届かない崇高な存在に感じる畏怖のような・・・そういう類の恐怖すら感じました。
ホラーとしての楽しみ方
散々、サイコスリラーだけでない良さを語りましたがホラー的な恐ろしさも十分有り、そういう方面でも楽しめると思います^^
私が気付いたのはジェフ・ゴールドブラムの『ザ・フライ』をパロったシーンがあるなぁ、という事。多分マニアックなホラーファンの方ならもっといろいろと気付けるホラー要素があったかもしれません!
まとめになってないまとめ
バレエ団が公演する”白鳥の湖”の物語に沿った展開も素晴らしかったです。
主人公ニナにまとわりつくような助演ヴァンサン・カッセルとミラ・クニスの妖艶でエロス溢れる演技も良かったんですが、個人的には引退するプリマがウィノナ・ライダーだった事も嬉しかったですね。
とても良い端役で映画に一味加えていたし、彼女自身の女優としての立ち位置も反映されたナイス★キャスティングだったのではないかと!
私にとって「これからこの映画を初めて観るという人が羨ましくて仕方ない!!」、そんな一本です♪