僕はもう戻らないよ。兄さんもあの家を出た方が良い。
実話を元にしたという怪しげな家族の物語。彼らが隠していた物はなんだったのか?
本当は、近所のミニシアターで上映予定だったので観に行くつもりだったんですが、残念ながら逃してしまったんですよね~~・・・。
というわけでパンフもなく、おうちでDVDで観賞いたしました。
吹替え版がない!これはなかなか厳しい!
【映画情報】
【原題】El Clan
【制作国】アルゼンチン
【監督】パブロ・トラペロ
【脚本】パブロ・トラペロ、フリアン・ロヨラ
【編集】フリアン・アペステギア
【製作】ウーゴ・シグマン、マティアス・モステイリン、アグスティン・アルモドバル、ペドロ・アルモドバル、ウーゴ・シグマン、エステル・ガルシア、パブロ・トラペロ
【音楽】セバスティアン・エスコフェット
【出演([]内は役名)】
- ギレルモ・フランチェラ[アルキメデス・プッチオ]
- ピーター・ランサーニ[アレハンドロ・プッチオ]
- ジゼル・モッタ[シルビア・プッチオ]
- フランコ・マシニ[ギジェルモ・プッチオ]
- リリー・ポポビッチ[エピファニア・プッチオ]
- ガストン・コッチャラーレ[マギラ・プッチオ]
- アントニア・ベンゴエチェア[アドリアナ・プッチオ]
- ステファニア・コエッセル[モニカ]
【公開日(日本)】2016年9月17日
【上映時間】110分
【配給】シンカ、ブロードメディア・スタジオ
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.0/10.0 (およそ8,600人の評価)
【あらすじ】
1983年アルゼンチン。裕福なプッチオ家は父と母、5人の子どもたちと幸せに暮らしていた。ある日、二男が通う学校の友達が誘拐され、姿を消す。以降、金持ちだけを狙った身代金事件が多発し、近所の住民たちが不安な毎日を送っていた。そんな中、プッチオ家の主のアルキメデスは、妻の作った夕食をなぜか2階にある鍵のかけられた部屋に運ぶという不審な動きをしていた。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.3/5.0
実話ベースになったという本作。予告編にアルモドバルさんの名前があったので、??と思ったら、制作のうちの一人だったんですね~!
さてアルゼンチンが軍事政権から解放されてから七年後のお話。
大佐からの命令か金欲しさかは分かりませんが(おそらく私の理解力の問題)、家族みんなで金持ちを誘拐して身代金をゲットしては被害者を殺害していた・・・という感じ。この時期は、軍の力が衰退してしまった事で、お金持ちの人を誘拐して逮捕される事件が結構多かったみたいです。(劇中でも何人か逮捕されていた)
音楽が素敵
挿入されてるBGMがとにかくオシャレでカッコ良かったです(笑)
Shazamという流れてる音楽を聴かせることで誰のなんという曲か特定してくれるスマホのアプリがあるんですが、それで4,5曲リストアップしました(笑)
こういう事が出来るのがおうちでDVD観賞する良さでもありますよね!劇場でスマホ開くなんてとんでもない豚野郎ですしね!
話が逸れてしまいました(笑)
事件の中での家族の関わり
結局のところ、供述内容から作られたお話だと思うのでどこまでが真実かは分かりませんが、全部で七人家族で、
- 父親(主犯・全てを企画し指示し、実行する)
- 長男(やりたくない気持ちもありつつ報酬金も多くもらえるため共犯してしまう)
- 次男(NZに留学?移住?していて父に「あいつは家族を捨てた」と言われていたが中盤に戻って来てやはり半ば強制的にさせられる)
- 三男(途中でこの家はヤバいと海外へ逃亡。その後行方知れずのまま)
- 母親(知ってはいるが特に我関せずな様子)
- 長女(上に同じく、ただし母親よりは詳細を知らない雰囲気)
- 次女(全く何も知らない)
こんな感じですね。この家族の恐ろしいところは、夜にだんらんする場面なんかは本当に普通の家族のように過ごしているところ。行っている犯罪とのギャップが恐ろしいです。
長男は、ラグビーでも優秀な成績を収めていてメンバーからの信頼も厚く、家族が拘留されてからもずっと「彼は無罪だ」と言い続けていた仲間がいたようです。涙が出ますね・・・。
そして、誘拐したお金で開いたお店かは分かりませんが、サーフィンショップも自分で開店したりします。そしてそこで出会った彼女と良い感じになり、婚約までします(おそらく結婚はしていない・・・?)
この長男と父親との関係が少し切なく恐ろしく、そしてとにかく
親父がクズ
この一言に尽きます(笑)
父親が罪を認めれば家族だけは救えるぞ、と言われても最後の最後まで自分は無実だと言い張るし、獄中で長男と最後に対話する場面でも「看守に殴られて無理やり認めさせられたと主張する為にお前が俺を殴れ」とか言って滅茶苦茶に煽って来るし(そしてボコボコにされる(笑))、とにかく最低です!!!
最終的に長男は自殺未遂を図ったりとかなり精神的に病んでしまったようですが、父親の方はなんと服役後に弁護士になったようで・・・
私はその事実が正直一番恐ろしかったです。
まとめ
実話ベースなので、「ふーんそうかこういう事があったんだね」という域を出なかったのが残念なところ。
家族が捕まるところや、誘拐を遣り始める初期の頃などの時間軸を交互に見せたり、一番最後のシーンをオープニングに繋げるような編集の仕方をしていたりと工夫は見られたんですが・・・。あまりそれが活かされていたとは思えなかったなぁ。
余計に時間軸がややこしくなって話や登場人物の関係性が見えづらくなっていたように感じました。
こんな家族もいたんだなぁ・・・くらいで、DVDで観るのが良いですね^^b