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『君の名は。』感想/新海誠監督のアニメ映画

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く」

 

『千と千尋の神隠し』を抜き、日本アニメ史上最高の興行収入を叩きだしたという・・・『秒速5センチメートル』等で有名な新海誠監督の爆ヒット作

私も去年劇場で観て来ました!話題性に惹かれたのもありましたが、私の地元である岐阜が舞台になっていると聞いて・・・それだけでも飛びついてしまいますね(笑)

◆前提として―――

私は新海監督の『秒速5センチメートル』と『言の葉の庭』の二作しか観た事がなく・・・そしてどちらもあまり好きではなかったです。

あまりにも繊細で、美しく、詩的。そしてどちらも輝くリア充の切ない恋物語…(笑)私のような大ざっぱで影キャだった者には感情移入が難しかったのかもしれませんね!ただ場面場面での情景の美しさやストーリーに切なくなるところはありました。

さて、そんな私が今回、新海さんの『君の名は。』を観てどうだったのか、ポイントは監督自身が語られているように「エンターテイメント性の強い作品」であるということです!

パンフはこんな感じ~

こちら、税抜き667円という非常にスタンダードな値段でありながらなんと!40ページもあります!(笑)こーれはお得ですね・・・

見て下さいこの分厚さを!

背表紙があります!もはや本!(笑)

ちなみに内容的にも、イメージボードや美術設定など観ていて楽しく

音楽を担当したRADWIMPSの主題歌4曲”スパークル”、”前前前世”、”夢灯篭”、”なんでもないや”の歌詞がまるまる載っていたりします!

豪華だなぁ・・・

ではではいつも通り映画情報を。

【原題】君の名は。
【制作国】日本
【監督・脚本・原作】新海誠
【製作】川村元気、武井克弘、伊藤耕一郎
【音楽】RADWIMPS
【出演】神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音
【公開日(日本)】2016年8月26日
【上映時間】107分
【配給】東宝
【IMDB】8.6/10.0

 

【あらすじ】

1000年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、山深い田舎町に暮らす女子高生の宮水三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。日頃から田舎の小さな町に窮屈し、都会に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で都会を満喫する。一方、東京で暮らす男子高校生の立花瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見ていた。心と身体が入れ替わる現象が続き、互いの存在を知った瀧と三葉だったが、やがて彼らは意外な真実を知ることになる。【引用元:映画.com】

 

【感想】

☆3.4/5.0

岐阜県民として歓喜した部分があったので+0.4くらいしてますかね~~。なんというか。”エンターテイメント”として非常に成功している作品なんだな・・・という印象。

ここまでヒットするのも監督自身、想定外だったようですが…。

とりあえず、残念だった点と面白かった部分を分けて書いていきたいと思います!

◆残念だった点!

  • 脚本にツッコミを入れたくなる部分が多い!リアルな作風にも関わらず、主人公達が入れ替わった後に取る行動(とりあえず自宅に戻らないと、とか)に謎が。それから主人公達があれほどに惹かれ合うまでの描写がぶっ飛ばされているだとか、何で自分のいる世界の西暦にすら気付かないのか?等などあまりリアリティはありませんよね。きっと描かれていないところで物語的にフォローされているのかもしれませんが・・・。村を救う所すらも!?といった印象。
  • くどい描写。入れ替わった後の二人の反応を何度も繰り返し見せたり、それから終盤の感動シーン。もう少し削れなかったのかなぁ。二人の関係がメインだというのは村を救うシーンすら見せて貰えないことからも分かりますが少し時間配分が・・・。
  • ストーリーは映画観賞が趣味な人ならサクサク予想出来てしまう驚きの少なさ。中盤発覚する事実というのも簡単に予想出来てしまって・・・。正直、この映画が実写映画であったらこの作品はここまで評価されたのか?という疑問が残りました。
  • 神木くんのオネェ言葉に笑ってしまう・・・!すいません、特に終盤へ向かい危機迫る程に笑いが・・・。私だけでしょうか。演技に問題があったワケではないとは思うのですが。

 

◆良かった点!

  • とにかく背景が素晴らしい!!美しい!!情景描写は最高です!!!特に現実に存在する場所の背景の描き込みの美しさったら…。一番感動したのは、主人公の瀧くんが三葉ちゃんに会いに行くシーン。愛知県のJR名古屋駅から、岐阜方面の電車が着くホームへ上る階段!!!(多分このブログ中一番どうでもいい強調)いやぁ、本当に映るのはほんの数秒なんですが、名古屋→岐阜への電車を利用していた経験のある人なら一目で「あの場所だ!!!」と分かるであろう描き込み具合。凄くないですか?時間もあまり割かない非常にマニアックなポイントまで細か過ぎる背景描写・・・。間違いなく他のシーン(東京や飛騨の方面も)も、リアリティ溢れる背景が楽しめるでしょう。
  • 音楽とのマッチングが良い!!!!ラッドさんに監督直々に依頼し、脚本の方も曲に寄せた部分があったそうで。合うはずですよ。ラッドさんの曲は一曲も聴いたことがなかったんですが、非常に気に入りましたし”MVなのか”と思うほどにラッドさんラッドさんしていましたね。美しかったです。
  • 「こんな体験、私もしているかもしれない」と思えるくらい、身近に感じられるファンタジー。夢を見て起きたあと、しばらくはその内容を覚えているのに、しばらくしたら忘れてしまう・・・。そんな経験は誰しもあると思うんですよね。もしかしたら、瀧くんと三葉ちゃんのように、夢を見ている間に入れ替わっているなんてこと、もしかしたらあるかもしれない、そんな風に思うと夢が広がりませんか?きっと自分の身にもなんて妄想出来る身近さが、幅広くウケた理由なのかもしれませんね。

 

◆まとめ!!!

なんだか褒めているはずの良かった点までディスっているように見えてしまうような気もするんですが・・・(笑)私はわりと素直に楽しめた方だとは思います。

何よりも今までの新海監督の作品よりはとてもとっつきやすく、見やすかったです。

きっと残念に感じてしまったポイントの方で一番強く感じる「リアリティとファンタジー(SF?)のバランスの悪さ」だとか、恋愛部分をメインにするなら惹かれる描写を濃くして欲しいのにそこは薄く、なのに後半の村救助のシーンはさらっと流して二人のやりとりがやたらとクドイ!など。全体を通してバランスが非常に・・・残念だったのかなと。

音楽や背景など非常に美しく、物語の着眼点も素晴らしく、今時ほとんど埋まらない映画館が若者でいっぱいになるほど若い人たちの気持ちを掴むことに成功しているのだし(実はここも結構感動しましたやったね監督!!)、もう少し脚本の方、うん。本当に惜しいです。

だけど、間違いなく日本の映画史に残る作品だし、肩の力を抜いて何も考えずに観て笑ったり涙ぐんだり出来る良作です。

ぜひ監督には今後もこうして、映画を観ない世代の人達まで巻き込んで映画って面白いかも?と思える橋掛かりになるような、そんな作品を作っていって欲しいなと。

なんだかよく分からない私の私情入りまくりな〆になってしまいましたが。

まぁ、「こんなヒットしてる恋愛ものなんて」なんて言わず、楽しめるかどうかの確認に、まだ上映している映画館もあるので一度観に行ってみてはいかがでしょうか。

 

 


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