”郷愁に惑わされるな、私たちの事は忘れろ
自分のすることを愛せ
子どもの時、映写室を愛したように”
世代によっても変わってくるとは思いますが、きっと映画が好きな人でこのタイトルを知らないという方はほとんどいないのではないでしょうか。
私も、誰から聞いたかは覚えていないのに、なぜか「名作だ」という事は知っていて、ずっと観ずに放っておいてしまったのがこの作品です。どうも昔から、名作だと勧められていた作品に限って長いこと観ないで置いてしまうんですよね。(特に家にDVDがあっていつでも観れるとなるとなおさら)
今回、やっと重い腰が上がり、DVDで観る事が出来ました。おそらく重要になってくるであろう事を先に書いておくと、ディレクターズカットや完全版ではなく、劇場公開版を観ました。
まずはいつもの映画情報から!
【映画情報】
【原題】 Nuovo Cinema Paradiso
【制作国】イタリア、フランス
【監督・脚本】ジュゼッペ・トルナトーレ
【製作】フランコ・クリスタルディ
【製作総指揮】ミーノ・バルベラ
【撮影】ブラスコ・ジュラート
【音楽】エンニオ・モリコーネ、アンドレア・モリコーネ
【編集】マリオ・モッラ
【美術】アンドレア・クリザンティ
【声の出演([]内は役名)】
- サルヴァトーレ・カシオ[サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(少年期・トト)]
- マルコ・レオナルディ[〃(青年期)]
- ジャック・ペラン[〃(中年期)]
- フィリップ・ノワレ[アルフレード]
- アニェーゼ・ナーノ[エレナ]
- レオポルド・トリエステ[神父]
【公開日(日本)】1989年12月16日
【上映時間】124分
【配給】日本ヘラルド
【IMDB】8.5/10.0 (およそ170,300人の評価)
【あらすじ】
映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、老いたアルフレードの死の知らせが届く。彼の脳裏に、“トト”と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情が甦ってくる。【引用元:映画.com】
【感想】
☆3.9/5.0
やっぱり名作だった
名作と知らされて観て、素直に名作だ!と思えるのは凄いことだと思います。
事前に持った期待値を超えてくる作品って事ですからね。本当に、納得してしまいました。音楽も素晴らしいし、主役の少年期の子役は可愛らしく演技も上手、映写技師アルフレードとの間に交わす台詞たちも名言が多いです。
故郷を離れた大人に観せたい
きっと子どもの頃や青年期に観るよりも、郷愁に浸るような大人になってから観た方が、心に響く作品だと思います。
誰しもが子どもの頃に憧れたもの、大好きだったもの。夢に見たもの。
それを叶えていても叶えていなくても、忘れられない大切な思い出は大人になるほどにキラキラ輝くものじゃないですか。それが、思い出す当人にとって幸せな輝きか辛い輝きかは人によって違うと思いますが。この映画はまさにそれを表現していると思います。
心の取っ掛かりから解放される
きっと、映画館の火事から、映画より大切に思える恋に破れて、友情も失い30年間一度も戻ろうと思えなかった故郷の思い出、きっと辛いことばかりだったのかなと思います。
映写技師のアルフレードがトトに望んだものが何だったのか、離れていた時間にもアルフレードは友情を大切にしていたのか、最後にトトは全部知るんですよね。涙と笑顔が全てを物語っている・・・大人になってからのトトは最後に本当の笑顔を初めて見せてくれるように思えます。
ラストシーンは涙なしには観られないです。構成も素晴らしい。
輝いた思い出になったまま「これが最善だ」と言わんばかりに映画の舞台から退場してしまうアルフレードも切ないです。
まとめ
教会で見せていた映画がキスシーンを全てカットされていたり、ロシアへ行った父親、ドイツへ引っ越す友達のシーンなど、歴史的背景を知っていればもっと深く楽しめるのかなと思う部分も残りましたが、個人的にはそういう知識がなく、まっさらな状態で観ても十分ヒューマンドラマとして楽しめる作品だと思いました。
特に、純粋に映画が好きな人ほど響くものがあるかもしれない。
映画愛に溢れた名作です。安心して誰かにオススメ出来ます。
この映画を私は知ってからかなりの長い年月観ないままに放置してしまいましたが、結果として大人になった今観た方がより楽しめたんじゃないかなと思います。
この作品を観ながら書いた『あらすじメモ』をアップしました!感想と一緒にお楽しみください!