繰り返す、夏のある一日。花火が上がるとき、恋の奇跡が起きる――
TOHOさんの6本で1本無料があったのでね、気軽な気持ちで観に行ってみました!映画館へ!
原作は岩井俊二監督の同名作品。邦画もありますし、ドラマにもなっているようです。そして更にその原作となった小説もある!
私はどれも未見で、観てきました。
パンフはこんな感じ
何気に42Pもあって分厚いです。税抜き667円!安い!気合入ってる!
【映画情報】
【制作国】日本
【総監督】新房昭之
【監督】武内宣之
【原作】岩井俊二
【脚本】大根仁
【製作】市川南、大田圭二、岩上敦宏、久保田光俊
【編集】松原理恵
【キャラクターデザイン】渡辺明夫
【音楽】神前暁
【主題歌】DAOKO × 米津玄師 - 打上花火
【アニメーション制作】シャフト
【声の出演([]内は役名)】
- 広瀬すず[及川なずな]
- 菅田将暉[島田典道]
- 宮野真守[安曇祐介]
- 松たか子[なずなの母]
- 浅沼晋太郎[純一]
- 豊永利行[和弘]
- 梶裕貴[稔]
- 三木眞一郎[なずな母の再婚相手]
- 花澤香菜[光浦先生]
- 櫻井孝宏[光石先生]
- 根谷美智子[典道の母]
- 飛田展男[典道の父]
- 宮本充[祐介の父]
- 立木文彦[花火師]
【公開日(日本)】2017年8月18日
【上映時間】90分
【配給】東宝
【IMDB】6.0/10.0 (およそ25人の評価)
【あらすじ】
とある海辺の町の夏休み。中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。【引用元:映画.com】
【感想(ネタバレ&酷評注意!)】
☆1.5/5.0
えーと、何から言えばいいのやら。
作画とCGとアニメ表現
予告編を初めてテレビで観た時に、間違いなくこれはアニメ『化物語』シリーズの新作だなと思ったので、聞き覚えのあるタイトルに驚愕してしまいました。あれ?邦画でこんなのなかったっけ?と。・・・原作も観たことないので比べようもないんですけども。そうかぁ、岩井俊二監督の映画(ドラマ)をアニメ化かぁ。というくらいの軽い気持ちで観てみたら・・・
うーんこれがなんとも言いづらい。
- まずやっぱり登場人物が化物語そのものだったということと、「キミたち中学1年生には見えないじゃん!!」ということ。
キャラデザが大人っぽすぎですよね。のわりには、下品な下ネタ具合が妙に子どもっぽく見せようとしているのかアンバランスで・・・違和感がすごい。
- 作画について・・・
まず背景の美しさの度合いですけども、最近観た『君の名は。』の背景が美しすぎて、別に悪くはないと思うんですけど、比べてしまうとちょっと物足りない。そして、重要であろう水の表現も・・・『Free!』の映画版と比べるとどうにもこうにも・・・やっぱりあっちの方が気合入ってるなと。。一番の見せ場でもあろう、電車のシーンはまんま『千と千尋の神隠し』ですよね。なんだろう、別にオマージュしてても良いんですけども、他の作品のここと比べてどうのこうのと観客に考えさせてしまうだけの隙間があるのは間違いないですし、独特の世界観・ハイセンスさで突出しているシャフトさんの映画だからこその味わいやセンスがもう少し出張っていてもいいのかなぁと。
大衆向けっぽい雰囲気に収まった結果、どこにでもありそうなものになってしまった感がありました。デザインに、私の大好きな劇団イヌカレーさんの名前があったにも関わらず、あまりその特色も見られなかったですし。(そういうものを求めてないと言われたら、そもそもシャフトでなくてもいいのでは?と思ってしまう)
- CG!
アニメ映画で露骨にCGを使うのはあんまり好きじゃないんです。一枚一枚描いてこそのアニメ映画・・・。時代とはいえ、映画なんだからもうちょっと、ここも手描きでいけたんじゃない?と思うシーンが多々ありました。ただでさえ90分しかないしね・・・
- 間が凄い!!
瞳のアップが多すぎませんか・・・。90分の長さなのにダラけてしまって、いらないところをカットしたら半分くらいの尺に収まってしまいそうな、そんな気配・・・。せっかく映画版にするなら、もう少し脚本の密度を高めて尺を伸ばす方が良いのでは、と思いましたね。
大体がなげっぱなし
突然起こるタイムリープ、ここは好きでした。お、非日常が始まるんだな!というワクワク感が出ていました。
それにしたって、
- 祐介くんは結局何がしたいのか?何を考えているのか?
なずなを好きなのか?好きじゃないのか?譲るのか譲らないのか?花火は平べったいのか丸いのか?あるいは全てどうでもいいのか?
- 周回ごとの台詞や展開の変化に脈絡がなさすぎるのではないか?
例えば、二周目と言うだけで祐介の花火に対する意見が変わったり。ただ単に「さっきとは違う世界なんだよ」というのを見せたいだけで、あまり意味がない気がする。
- なずなの母のエピソードや、先生たちの恋愛など
深堀しても良さそうなテーマも放置したまま終わるんですよね。せっかくいる登場人物たちは全て二人の周囲の脇役でしかなく、個人的にはもう少し彼らの人生も絡めて群像劇っぽくして欲しかった。これは単なる私の好みですが(笑)
- ラストシーンも投げやり
何がしたいかは分かります!想像の余地を残すラストですよね!彼らは本当にどこか別の場所に行ってしまったのか、あるいは夢のような異次元ループにハマって抜け出せなくなってしまったのか、単に、主人公が夏風邪で休んでいるだけなのか・・・(笑)
でも、そういうラストに味を残すなら、もう少し「ファンタジー寄り」なのか「リアリティに寄せる」のか観客に分かりやすくしないといけないんじゃないかと思いました。キャラクターのリアリティのなさが、後半の作画の雰囲気が、ファンタジーっぽくもあるけれど物語はあくまでリアリティ寄りにも見えるんですよね。結局どこにも行けない、子どもな僕たちの逃避行。ってことにしたいんでしょうし。
それなら何であのラストなのかなぁ。中学一年生の淡い恋心とか、子どもに突き付けられる現実をもっと繊細に、花火のように一瞬で終わってしまう夏の思い出っぽく描いても良かった気がします(なんとなく、新海監督の秒速を思わせますよね)。その方がピュアッピュアッぽくて好きだなぁ(作画の時点でピュアさがちょっと迷子)
まとめ
うーん久しぶりにパンフを買いたくないなぁ、と思ってしまいました(笑)
それはともかく!
米津玄師さんが作曲し、DAOKOさんと歌う主題歌、「打上花火」がすごくイイです!!!!
エンディングロールにこの曲が流れたら、ああいいもの観たかな?という気になって少し癒されました(笑)
今作とは全く関係ないですが、個人的にピュアッピュアなラブストーリーで素晴らしかったアニメ映画『たまこラブストーリー』をオススメしておきます。「たまこまーけっと」というアニメを観てからじゃないと楽しめないかもしれないところが心配ですが・・・。
隠れた名作です。