「人類の夢も未来も砕かれる」
誰かがオススメしていた・・・?か、観たいと言っていたのを聞いてなんとなくレンタル。
確か、劇場で予告編を見たとき少しだけ「面白そう!」と思った記憶があるんですよね。
主演のジェイク・ギレンホールさんは好きな俳優ではあるんですが、結構当たりはずれの振り幅も広い気が・・・。
公式サイトはこちら。
【映画情報】
【原題】 Life
【制作国】アメリカ
【監督】ダニエル・エスピノーサ
【脚本】レット・リース、ポール・ワ―ニック
【製作】デビッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ボニー・カーティス、ジュリー・リン
【製作総指揮】ドン・グレンジャー、ビッキー・ディー・ロック
【撮影】シーます・マッガーベイ
【美術】ナイジェル・フェルプス
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】フランシス・パーカー、メアリー・ジョー・マーキー
【音楽】ヨン・エクストランド
【出演([]内は役名)】
- ジェイク・ギレンホール[デビッド・ジョーダン]
- レベッカ・ファーガソン[ミランダ・ノース]
- ライアン・レイノルズ[ローリー・アダムス]
- 真田広之[ショウ・ムラカミ]
- アリヨン・バカーレ[ヒュー・デリー]
- オルガ・ディホビチナヤ[エカリテーナ・”キャット”・ゴロフキナ]
【公開日(日本)】2017年7月8日
【上映時間】104分
【配給】 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【映倫区分】PG12
【IMDB】6.6/10.0 (およそ143,500人の評価)
【あらすじ】
火星で未知の生命体の細胞が採取され、世界各国から集められた6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで極秘調査を開始した。しかし、生命体は次第に進化・成長して宇宙飛行士たちを襲いはじめる。高い知能を持つ生命体を前に宇宙飛行士たちの関係も狂い出し、ついには命を落とす者まで現われる。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.6/5.0
ちょい厳しめ判定かなぁ・・・。
いや、でも・・・はっきり言ってあんまし面白くなかったです。
面白いところもあった!
火星で見つけた単細胞の生物を刺激して生命活動をスタートさせることに成功!!!からの、すごい勢いで育っていって・・・という流れはその生命体の見た目が可愛くて(クリオネとヒトデを混ぜたような)結構ワクワクして観られる。
その生命体(カルビンと名付けられるので以下カルビン)が、ラボ内の気圧変化で動きを止めてしまったのをなんとか起こそうと電気ショック療法を施したのがきっかけで、活動を再開したカルビンが凶暴化?してしまう。そこから物を使って箱の外へ逃げたり(ものすごく賢い!)逃げ出した先でラットを襲って殺したりするシーンも結構面白い。
襲った、と書きましたがこれは多分正しくなくて、まず最初にラットの方から興味深そうに近寄ったカルビンに噛み付くんですよね。それで、ビックリして反撃した・・・というのが正しいかな。このシーンが最初に物語っているように、カルビンは必ずしも人間を襲いたくて襲っているわけではない・・・というのがポイントだと思います。
最初に電気ショックを受けて人間に反撃するのもそうだし、その後、火炎放射器で殺処分になりそうになったら逃げる、食料となる水分が必要で船内の色々なものを壊す、酸素がなければ生きられないので酸素がある方へ行くと必然的にそこに人間がいて、更に人間とは水分の塊(つまり食料になる)なので襲う・・・
つまりカルビンはカルビンとして自分の生命を維持、または成長するために動いているだけであって、「殺される!このまま地球に行かせてしまっては人類は滅亡だ!」と大騒ぎしているのは人間だけという構図が深くて面白いなと。黒人の博士が言っていた台詞が全てを物語っていますね。
「身を守るために、本能で襲って来てる・・・憎しみがあるわけではない。でも奴は・・・自分たちを殺す」
もっと序盤からカルビンを大切にしてやれば分かり合えた可能性もあったのではないか、と思うと、人間の欲の深さというか業の深さ故の自業自得ストーリーになっているんだな、というのがよくわかりますね。
そういえば人間の体内にカルビンが入り込んで中から殺すシーンも、無重力空間に漂う血の表現が新鮮で恐ろしくて目を見張りました。ライアン・レイノルズさんの熱演も見れたし、良いシーンだった。
しかし何が一番つまんなかったかって
オチどころか大体のストーリーが読めてしまうこと。これ。
真田広之さん扮するショウも死亡フラグがビンビンだし、次々に希望が絶たれていく展開も予想通りで驚きがあまりない。そして、最後に2つしかない救命ポッドで片方は地球へ戻り、片方はカルビンと一緒に宇宙の彼方に去る計画・・・そりゃギレンホールさんが宇宙の彼方へ行くんだろうね!!!なんてったって主人公だし!地球には戻りたくない的な伏線もあったしね!!
そんでもってこれ、今ポッド入れ替わったよね?多分、地球へ向かったのカルビンの方だよね?
やっぱりそうじゃーん。という、最後のオチまでもが予想通りで・・・。
おそらく最後の最後で希望が打ち砕かれて絶望する『ミスト』的な終わりにしたかったのかもしれませんが・・・驚きも何もないよ・・・。
そして地球を蝕む人類は、カルビンによって淘汰されていく・・・と。
最近流行りの「人間は地球にとって害悪だから殲滅しちゃおう」というテーマに行きつくわけですね・・・。
そういえば途中で船員が言ってましたね。
「美しい地球だからこそ守る価値がある。ただ80億のクソたれが住んでいる」
と。
言いたいことは分かるんですけど、『インフェルノ』でも『キングスマン』でもやってたから「またか」となるわけで・・・。
まぁ、一匹しかいないなら、地球に降りてきても倒せるかもしれませんけどね。そこが確実でない辺り、ちょっぴり絶望値も足りないわけで。
色んな方面で、中途半端と言うか、残念な作品でした。
画像引用元:映画.com