あたしオバンバ、あなたの脳味噌食べさせて~
↑当時のキャッチコピー。すでにすごいパンチ。
皆さんの知っている「オバタリアン」という言葉の語源となったゾンビ映画はこちら!!!!
子どものころ家にあった『バタリアン』のビデオを観て、「腕だけになっても動くゾンビ」「墓から大量に蘇るゾンビ」「屋根裏に逃げ込むシーン」の記憶だけがあったちびぞう。
今回たまたま家族が「観てみたい!」と言ったので改めて観ることに…
今作はかの有名なゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ映画とされていますが、特にそちらは観ていなくても問題なく楽します!
【映画情報】
【原題】The Return of the Living Dead
【制作国】アメリカ
【監督/脚本】ダン・オバノン
【原案】ルディ・リッチ、ジョン・A・ルッソ、ラッセル・ストライナー
【製作総指揮】ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
【製作】トム・フォックス
【制作補佐】グラハム・ヘンダーソン
【撮影】ジュールス・ブレンナー
【美術】ウィリアム・スタウト
【編集】ロバ―ト・ゴードン
【特殊メイク】ビル・マンズ
【音楽】マット・クリフォード
【出演([]内は役名)】
- クルー・ギャラガー[バート]
- ジェームズ・カレン[フランク]
- ドン・カルファ[アーニー]
- トム・マシューズ[フレディ]
- ベヴァリー・ランドルフ[ティナ]
- ジョン・フィルビン[チャック]
- ジョエル・シェパード[ケイシー]
- ミゲル・ヌニェス[スパイダー]
- ブライアン・ペック[スクーズ]
- ジョナサン・テリー[グローバー大佐]
- リネア・クイグリー[トラッシュ]
- マーク・ヴェンチュリニ[スーサイド]
- キャスリーン・コーデル[大佐の妻]
- アラン・トラウトマン、ロバート・ベネット[タールマン]
【公開日(日本)】1986年2月1日
【上映時間】91分
【配給】東宝東和
【次作】バタリアン2
【IMDB】7.3/10.0 (およそ44400人の評価)
【あらすじ】
ケンタッキー州ルイヴィル。フレディ(トム・マシューズ)はユニーダ医療会社で働くことになり、倉庫長のフランク(ジェームズ・カレン)に説明を受けた。フランクは、「Night of the Living Deadって映画を見たか?あれは実話なんだぜ」という。軍の細菌兵器が誤って死体を蘇生させ、しかもそのゾンビが秘密裡に処理される途中に移送ミスで、ここに運ばれたのだそうだ。地下室でフランクがゾンビの入ったケースを叩いてみせた時、突然ガスが吹き出した。一方、フレディの悪友たちは倉庫の隣りにある墓地で乱痴気パーティを始めた。【引用元:映画.com】
【感想(オチまでネタバレしてるよ!)】
☆2.8/5.0
パロディ、という事で分かるかもしれませんが、今作はグロいシーンのあるコメディ映画です(笑)
非常にツッコミどころが多く、もはや追いつけません。そんなレベルです。
まず最初に「今作は実話を基にしています。なので、登場人物や組織の名前などは全て実名です」とかいう嘘八百な案内にニヤッとさせられます(笑)
今作のゾンビ
- 走るゾンビの先駆けは『28日後…』とされているが、実は今作のゾンビこそが史上初の”走る系ゾンビ”
- 血は出ない
- 軍の細菌兵器(死体を蘇らせるガス)によって蘇った死体である
- ガスがかかれば人間も生きたままゾンビになる
- 人間の肉を食べるというより人間の脳を食べる
- 頭を潰しても死なない。体を切断してもそれぞれの部位が独自に動く
- 知能が高く、道具を使うこともできる
- 知能が高く、喋ることもできる
- 人間との対話も可能。脳を食べる理由は「死んでいる苦痛が全身を襲っている。その痛みを脳を食べることで消すことが出来る」ということらしい
おおまかな流れ
倉庫で補完されていた『ナイトオブザリビングデッド』(この映画が実話だったという設定)のガス入り死体。この入れ物を「丈夫さ!」と叩いたらバリンと割れてプシューとガスが吹き出してしまいます(笑)
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ガスが倉庫内の死体を蘇らせる
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映画のように頭を潰せば死ぬ!と思ってツルハシでカーン!とやってみても死なない。「映画は嘘だったの!?」と言いながら死体をバラバラにする
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それと同時に倉庫係のフレディの友達が(パンクロックな”ロッキーホラーショー”ばりの派手な若者たち)やってきて隣の墓地でパーリーナイを始める
(こいつらの周りだけ世紀末)
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死体を焼き払おうとするも、死体を焼却した煙が雨雲に混ざり、雨となって薬品が墓場に降り注ぐ
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蘇る大量の死体たち。倉庫内の人も墓場の人も大パニック
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ガスがかかった最初の二人が体調を崩し、救急車を呼ぶも、救急隊員がゾンビによって襲われる。賢いゾンビたちは救急車の無線に「もっと応援を頼む」と自分たちで連絡してどんどん餌をおびき寄せる
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警官隊もやってくるけど同じようにえじきになる。これはもうアカンと薬品の入っていた入物に書いてあった軍の緊急連絡先に連絡をする
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すると軍が核ミサイルを発射。4,000人ほどが犠牲になる
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しかし、爆破のきのこ雲がまた雨雲になり…という地獄を予想させるエンディング
もう、とにかく終始登場人物たちがギャーギャーと騒いでいてめっちゃうるさい(笑)
あとゾンビが強すぎる(笑)倒す方法がない絶望感があるはず、なのにツッコミどころが多すぎて全く怖く感じません(笑)
オチもまさかの核ミサイルに「えぇ!?」と思ってしまいましたね…ぶっとんでる…
濃すぎる愛すべきキャラたち
この映画のカリスマ性は主にキャラクターの濃さから来てると思います(笑)
舞台になる医療会社の倉庫では、解剖などで使う死体や、死体の標本なんかが置かれているんですよね。で、最初に登場するのが
「縦割れの犬」
この、”縦割れの犬”というパワーワード(笑)大好き(笑)
言葉通り、犬の死体が縦に真っ二つに割られている標本です。ガスを漏れさせてしまった二人が一番最初に目にするゾンビ。キャンキャン吠えていて(半分しかないのにどうやって声を出しているんだという)、すっごい可愛いです(笑)こいつが可愛いせいで、最初っから緊張感がなくなります(笑)
そして次に登場するのが
「黄色いスキンヘッドマン」
倉庫に保管されていた割と新しめの死体です。黄色くてすべすべ。ツルハシで頭をカーンとされても死なないのでバラバラにされます。こいつが焼却された煙によって、墓場の死体が蘇ってしまいます。
それからこちらは人間からゾンビになる
「トラッシュ(裸女)」
パンクロック野郎たちの仲間の一人で、墓場で急に盛りだし「あたし沢山の老人に囲まれて生きながら食われる死に方がしたいわ」と言いながら全裸になって踊り出すという、非常にパンチの効いたキャラです。
この墓場で全裸ダンスをするシーンは、どう考えても『死霊の盆踊り』を意識してますよね!!それと比べるのは失礼なくらい、今作の方がエロさがあります。
彼女は墓場から蘇った大量の死体に群がられ、夢を叶えて死亡。その後、”全裸女のゾンビ”として蘇るという、わき役なのに誰よりも目立っているキャラです。
そして、一番最初にガスが入っていた器に一緒に入っていた死体、おそらく世間の認知度ナンバーワンの
「タールマン」
黒いへどろのようなものでドロドロになっている死体です。しかし瞳は綺麗。見た目のインパクトとしては最強。ドロドロなくせに跡形もなく姿を消したりする器用な人。
中盤~後半に向けて登場するのが、ほぼ骨だけ、肋骨から下がない
「オバンバ」
作中で「オバンバ」と呼ばれていることに違和感しかないキャラ。彼女は人間と対話が出来、何故脳を食べたいのか?という謎に答えをくれます。「死んでいるという苦痛が全身を襲い…」と言っているけどこの人上半身しかないじゃんというツッコミが脳裏をよぎります。
頭と肋骨から伸びた背骨がブンブンと、とにかくよく動く。
そして忘れてはならない主人公(多分)
「フレディ」
ガスを浴びてしまい、生きたままゾンビになるという可哀そうな若者。死ぬ前もギャーギャーとうるさく、死んでからも「ティーーーナァアアア!!!(彼女の名前)」とうるさいです。目が赤く腫れて潰れている顔はなかなかのインパクト。
↑この画像の左側。
最後に、ちびぞうの個人的にお気に入りキャラの
「アーニー(死体処理係)」
ゾンビにズボンを破かれてしまったので、右足だけハサミで切って半ズボンにする、というお茶目な人。この人のズボンにばかり目が行ってしまいます。
このおっさんは死体を処理しているという仕事柄、頼もしいのかな?という予感をさせてくれる割には「大事なところで地味に骨折する」という役立たずっぷりを発揮してくれる愛しい人。
こんな感じで、ほとんどの登場人物が濃さ抜群、という楽しくて困った感じの映画です(笑)
まとめ
古い映画だからとバカに出来ないクオリティ、さすが続編が5本も出ている一大ムーブメントを引き起こした作品というだけあって、古くても見応えたっぷりです。
ぜひとも誰かと笑いながら観て、ツッコミ入れまくりながら、作中のキャラたちと一緒にギャーギャーうるさく騒いで観て欲しい。
そんな作品でした(*’ω’*)