カテゴリー
か行

我々は、みな病気なのだ。映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』ネタバレ&感想

彼女は夢の中で踊っているんだ。でも、夢の中にいることを気付いていない。

『クロニクル』『アメイジング・スパイダーマン2』『キル・ユア・ダーリン』などのデイン・デハーンの主演作!!

彼はちびぞうが追いかけている俳優さんの1人であります!!
彼はもうとにかく、薬中のようなゲッソリとした病的な役が多い!!ので、今回もどんな病み顔を見せてくれるのかー!と楽しみでした(笑)

なんだか微妙に地雷臭のするB級ホラー的なパッケージとタイトルのわりに、ゲオでものすごい勢いで面陳されていたので何事なのか!?と思ったら、ゲオの先行レンタル一本目!という作品のようですねー。

しかも監督はパイレーツシリーズなどのゴア・ヴァービンスキーさんではないですか。B級とか言ってすいません(だって長年培った野生の勘には抗えない)

ちなみに、劇場公開はされていません!

【映画情報】

【原題】 A Cure for Wellness
【制作国】ドイツ/アメリカ
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本/製作総指揮】ジャスティン・ヘイス
【原案】ゴア・ヴァービンスキー、ジャスティン・ヘイス
【製作】アーノン・ミルチャン、ゴア・ヴァービンスキー、デビッド・クロケット
【撮影】ボジャン・バゼリ
【美術】イブ・スチュワート
【衣装】ジェニー・ビーバン
【編集】ランス・ペレイラ、ピート・ボドロー
【音楽】ベンジャミン・ウォルフィッシュ
【出演([]内は役名)】

  • デイン・デハーン[ロックハート]
  • ジェイソン・アイザックス[ヴォルマー]
  • ミア・ゴス[ハンナ]

【レンタル開始日】2018年1月17日
【上映時間】147分
【IMDB】6.4/10.0  (およそ55,700人の評価)

【あらすじ】

NYでエリート金融マンとして働くロックハート。彼は自社のピンチに、スイスの療養地へ行って帰ってこなくなってしまった社長を連れ戻すという任につく。山奥にそびえる城のような療養所に向かう途中、タクシーの運転手から”来たはいいものの帰る者はいない”という話を耳にする。さらに、200年前の城の城主である男爵が、純血にこだわる男であったため妹と結婚しようとし、それを知られた村人に焼き殺されたという血塗られた歴史も知らされる事となる。療養所で社長を見つけたはいいが帰る気はない様子なので一旦村へ降りようとした時、タクシーの前に飛び出してきた鹿を引いて事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは療養所のベッド。足を骨折し三日眠っていたというロックハートは、しばらくそこでの入院を強いられるのだった。

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.5/5.0

で、でた~ジャンル分けしたらネタバレになってしまう系のやつ~!

ホラーサスペンスだったり、エロティックサスペンスだったりと書かれているサイトもありますが、ちびぞう的にこの作品は最終的には

ゴシックホラー

に落ち着きます。オカルトホラー寄りでもあります。

序盤が「NYのビジネスマン、何やら会社内での立場が危うい、逃げ切るためには社長を連れ戻せ!」といういかにも現代って感じの入りで、そこからの「田舎に行ったらサイコパスな人々に閉じ込められたよー」系のホラーだったというのはもはや王道の展開。

しかし実はこの映画、最初は何か巨大な悪がバックにいるのでは?とサスペンスタッチに描かれていて、そこから後半にかけてのネタバレでジャンルスイッチしようと試みているんですよねー。一種のどんでん返しを狙っているというか。

しかしまーーー無駄な伏線も(ミスリードのためとはいえ多すぎ)たくさんあるし脚本は雑だしで全くそれが上手く行ってない!残念!なので観ている人は「これってどういう系の映画なの??」という疑問符を浮かべつつ観ていたらぶっとんだラストに興ざめ。みたいな感じになってしまうことうけあい。

しかし意外に楽しめる

ちびぞうが気に入ったのは全体に漂う暗澹とした雰囲気、ファンタジックなスイスの景色、デハーンさんの美しい青い目から放たれる鋭い眼光。

そして、ミア・ゴスが歌う美しい鼻歌。

中盤、療養所の中で一人だけ若い”特別な患者”ハンナとロックハートが交流して、今まで一度も城から出たことがないという彼女を村に連れ出す場面が特に好き。
初めて飲むビールのまずさにびっくりしたり、初めて使うジュークボックスから流れてくるメタルロック寄りの曲に合わせてゆったりと踊るシーンすごくいい。

もーーーーとにかくすごく雰囲気がいいし、147分もあるのを感じさせない程度にはハラハラドキドキで、この療養所にはどんな謎があるのか??というミステリアスなところに引き込まれてしまうんですよね。

裏を探りまくりなデハーンさんが所長に早めに処分(SATSUGAI)されないのは不自然かなと思ってたんですが、そこのモヤりは所長の狙いを知ったらなんとなく「あぁ、一応使えるからとっておいたのね」という感じ。

真相はどうだったのか?

「社会で成功したものはみな、病んでいる。しかし、その事を認めない。すると体が心を裏切り叫び出す私たちは”病気である”と」

という療養所へ旅立った社長からの手紙を読む冒頭の入りから、なんだか現代社会に根付く闇のようなものを掘り下げるのか?という風に思わされます。

表向きの展開としては

お金持ちばかりを受け入れている「水が良い」という水を使った治療を主にしている療養所で、そこは患者が退院していかないという、うさんくささ100%の場所なんだけども、もしかしたら主人公も病気なのでは?という幻覚や過去についての伏線が出たりするので、「本当におかしいのは療養所なのか主人公なのか分からない」というサスペンスタッチなお話。

しかし真相は

元々、その地の水は人間の体に悪影響を及ぼすものだった。
200年前に村人に焼き殺されたと思われていた男爵は実は生きていて、自分の妹に身籠らせた子どもを連れて城に戻っていた。そして地下深くで水を研究し「人間の体を通してろ過」する事で不老不死の薬を作る事に成功。その薬を自分と娘、スタッフに飲ませることで200年の時を生きてきた。彼は自分の娘と契りを結ぶため、ハンナが大人になる(初潮を迎える)のを長年待ちながら療養所に集まる人間をろ過装置として使ってきた。

水は人間の体を通す必要があるので、患者に飲ませていた。しかし元来人間には毒なため、飲んでいる患者はどんどん体調が悪化、幻覚を見て自分が病気だと思い込むようになり衰えてミイラのように(エキス出してるから)死んでしまう。

そこに登場したロックハートさんが怪しい療養所内を社長を求めて探索しているうちにその闇に気付き、脱出と謎の解明に奮闘。

エンディングは

すべての謎を解き明かし、劇中で初潮を迎えたハンナが男爵に襲われそうになっているところを助けて、二人で城から脱出!
NYから帰りが遅いと痺れを切らせた重役たちが迎えに来ているけども、「もう帰らない」とばかりに笑顔で去っていく。というエンディングでした。

まとめ

いやー。ぶっとんでいるというかなんというか。

まさか200年前の人が今も生きてましたよー!不老不死の薬作ってました!なんてオカルトでファンタジーなオチを迎えるとは、オープニングを観た誰が想像できようか。いやできまい。

けっこーーーな伏線を放置していたりするのも気になるし、お話はけっこうめちゃくちゃ。
(個人的にドイツ語で何言ったかわかんないって場面、あとで明らかにして欲しかった。多分死体を運んでいたあの男は、「患者ではなく死体」と言っていたんだと思うけど…)

まぁ色々粗も目立つけど、だけどキライになれない。そんな作品。

デハーン効果もあるかもしれませんね。ちなみに今作の彼の病み度は85%くらい。

今回は結構な拷問も受けているので、ファンはつらい、というシーンもあるかもしれません。頑張って観よう!

 

あ、スイスの景色は本当に素晴らしかったですよ。美しい絶景ばかりでした。

なんだか美味しいお水が飲みたくなる映画でした・・・(笑)
調べたら水のプロが選ぶ一番美味しい水ランキングの第一位は鹿児島県の「財宝」だそうで。

 

 

 


にほんブログ村 映画ブログへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です