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スナイパーから生き残れるか。映画『ザ・ウォール』ネタバレ&感想

壁の向こうは、生存確率0%!

スナイパーものの映画と言えば実在したアメリカの軍人クリス・カイルの伝記的映画『アメリカン・スナイパー』がありましたね。

今作は何も前知識なしに観たんですが、イラクの”ジューバ”という狙撃手(2005年にアメリカ兵士を始めとするPKO軍の兵士を狙撃する動画をアップした人の名前らしく実在した個人なのか組織なのかは不明らしい)が元ネタになっているようです。

かと言ってアメスナっぽい映画かと聞かれたら別にそういう感じではなく・・・どちらかと言えば最近観たガエルさん主演の『ノー・エスケープ 自由への国境』と近い雰囲気かも・・・

メキシコ移民をヘッドショット!映画『ノー・エスケープ 自由への国境』ネタバレ&感想

【映画情報】

【原題】The Wall
【制作国】アメリカ
【監督】ダグ・リーマン
【脚本】ドウェイン・ウォーレル
【製作】デヴィッド・バーティス
【製作総指揮】レイ・アンジェリク
【撮影】ロマン・バシャノフ
【美術】ジェフ・マン
【衣装】シンディ・エヴァンス
【編集】ジュリア・ブロッシュ
【出演([]内は役名)】

  • アーロン・テイラー=ジョンソン[アレン・アイザック]
  • ジョン・シナ[シェイン・マシューズ]
  • ライト・ナクリ[ジューバ]

【公開日(日本)】2017年9月1日
【上映時間】90分
【配給】プレシディオ
【映倫区分】G
【IMDB】6.2/10.0  (およそ16,000人の評価)

【あらすじ】

2007年、イラクの荒廃した村。アメリカ兵のアイザックとマシューズは、瓦礫の中に残る大きな壁に潜む敵を狙っていたが、5時間まったく動きがないため、マシューズが様子を見るために壁に近づいたところ、想定外の場所から銃撃されてしまう。援護に向かったアイザックも銃弾に狙われ、なんとか壁の背後に退避したものの、まったく身動きが取れなくなってしまった。その時、仲間を名乗る謎の男から無線が入り、その声にかすかな訛りを聞き分けたアイザックは、男の正体を確認しようとするが……。【引用元:映画.com

【感想(結末までネタバレ!)】

☆2.1/5.0

登場するキャラクターは(モブ含めて)5、6人!

ワンシチュエーションモノです。

90分という短めで観やすい時間配分は好感持てますがそれにしても退屈・・・!

おおまかなストーリー

2007年末のイラク戦争が終結しつつある時期。戦後処理に駐屯している兵士たちが、イラク復興のためのパイプライン建設現場で偵察中に何者かに狙撃される・・・誰が何のために?ここから生きて帰れるのか?というスリラーテイストな物語。

二人しか兵士がおらず、一人は撃たれて倒れ、もう一人(主人公)は朽ちた学校の壁が一枚残るその裏に隠れる。

無線機も水のボトルも狙い撃ちされ、通信が通じたー!!と思ったらその相手は自分を狙っているイラク兵で・・・という流れで途中、イラク兵とアメリカ兵のお喋りが差し込まれます。なぜかお前のことが知りたいからお話しようって言ってきたり、エドガー・アラン・ポーの本の内容を朗読してきたり(ここが結構退屈だったりして・・・)します。

ものすごい腕のスナイパー(75人のアメリカ兵を狙撃した”死の天使”)らしく、周囲の人間は全てヘッドショットされているのにも関わらずなぜ主人公たちだけは頭を撃たれなかったのかとか、なぜ敵は主人公の仲間だったディーンという兵士について知っているのかとか、ちょっと不自然に思えるところも多々ありましたね。

スナイパーが言うには彼はバグダッドで教師をしていて、爆撃された過去があるらしく、おそらく教え子の復讐にためにやっているのかな?という感じですが、どこまでが本当のことなのか分からない・・・。

途中、着弾から発砲音までかかった時間や弾の入射角度からスナイパーのおおよその位置を計算したり、無線から聞こえてくる音と望遠鏡から覗いた景色の動きが合う場所を見つけたり、「おっ!反撃できるのか!?」と思えるシーンがあったり、死んだと思っていた仲間が実は生きてるじゃん!というシーンは若干ワクワクするものの。

後半、無線がようやく直ったー!本部に連絡できる!と思ったらそれは自分ではなく敵スナイパーと本部の無線の音が聞こえて来ているだけだった・・・スナイパーがアメリカ兵に扮して返した言葉に騙されて応援が来て、そのヘリもスナイパーによって撃ち落とされてしまう!!!結局一発も反撃出来ないまま、終わってしまう。

最後に主人公は、自分も同じような方法で敵に呼び寄せられたのだと知る。

というなんとも後味悪い感じでエンディング。

緊張感がーーーもう少し欲しかったですねーーーーーー!
自分を狙ってくるスナイパーと無線でお喋りするっていう状況にリアリティがあるかどうかは分かりませんけども、ここまで計画的にアメリカ兵を殺そうとしている愉快犯にも思える相手というのが”サイコパス”過ぎて。戦場とサイコパスってなんかちょっとミスマッチ。

それと絵面がほとんど変わらない映画なので、よほど内容に面白さがないと間が持たない・・・。

まとめ

戦争の爪痕、というのは残酷だなぁ、と思わせられる作品ではありました。

戦後の復興のためでも現地で働く兵士は危険だし、現地の人からしてみたら兵士のしていることの何が自分たちの助けになるかなんて分からないですもんね。戦争が終わった!と思えるのは離れている人たちだけで、その場に残された人たちには明確な区切りなんてないのかもしれません。

しかしその事実と、映画としての面白さが結び付くかというと、ちょっと難しい。そんな作品でした。

 

 


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