「見逃さないで、その先の―――幸せのおまけを」
近年はウィル・スミスの出ている映画はなんとなーーーーく地雷感が漂うと言うかなんというか・・・。なかなか手が出しにくい雰囲気が漂ってますよね。うまく説明できないけど。
『アフター・アース』とかそういうのがあったからでしょうか(笑)観てないんですけどもね(最悪か)
同音のタイトルで『素晴らしき哉、人生!』という古めの作品がありそれのリメイクかなと思ったんですが、おそらくそれとは無関係ですね。
エドワード・ノートンやキーラ・ナイトレイ、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレンなど、脇を固める俳優陣の一人一人が主役級でとっても豪華!!!
監督は『プラダを着た悪魔』や『31年目の夫婦げんか』などのデビッド・フランケルさん。コミカルでハートウォーミングなお話が期待されますね!
【映画情報】
【原題】 Collateral Beauty
【制作国】アメリカ
【監督】デビッド・フランケル
【製作】バード・ドロス、マイケル・シュガー、アラン・ローブ、アンソニー・ブレグマン、ケビン・フレイクス
【製作総指揮】トビー・エメリッヒ、リチャード・ブレナー、マイケル・ディスコ、マイケル・ベダーマン、アンカー・ルングタ、ピーター・クロン、スティーブン・パール、ブルース・バーマン
【脚本】アラン・ローブ
【撮影】マリス・アルベルチ
【美術】ベス・マイクル
【衣装】リア・カッツネルソン
【編集】アンドリュー・マーカス
【音楽】セオドア・シャピロ
【音楽監修】ジュリア・ミシェルズ、デイナ・サノ
【出演([]内は役名)】
- ウィル・スミス[ハワード]
- エドワード・ノートン[ホイット]
- ケイト・ウィンスレット[クレア]
- マイケル・ペーニャ[サイモン]
- ヘレン・ミレン[ブリジット]
- ナオミ・ハリス[マデリン]
- キーラ・ナイトレイ[エイミー]
- ジェイコブ・ラティモア[ラフィ]
【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】94分
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【映倫区分】G
【IMDB】6.8/10.0 (およそ66,800人の評価)
【あらすじ】
ニューヨークの広告代理店で成功を収め、華やかな生活を送っていたハワードだったが、最愛の人を失ったことで大きな喪失感を抱く。完全に人生を見失ってしまったハワードを同僚たちも心配していたが、そんなある時、ハワードの前に年代も性別も異なる3人の奇妙な舞台俳優たちが現れる。彼らとの出会いにより、ハワードの人生に徐々に変化が起こっていく。【引用元:映画.com】
【感想】
☆2.3/5.0
うううううううううううん・・・!
正直、クサいです。台詞回しがとっても、舞台調・・・というか、ドラマチック。
でも、人生への名言はたくさんありました。そこは認めたい!
思ったよりコミカルなハートウォーミング感は少なかったかな・・・。
おおまかなストーリー
6歳の娘を亡くした社長(ハワード)が腑抜けのようになってしまった。
毎日出社してもドミノを積んでは倒すだけ。更に「時間」「愛」「死」という概念に対して手紙を書くほどに、正気を失っているように見える。
このままでは会社の運営も怪しい!同僚であり部下でもあり家族、友人でもある社員3人がなんとかハワードに元に戻って欲しいと奮闘する。
その方法は、ハワードが手紙を書いていた「時間」「死」「愛」という抽象的概念を擬人化し、劇団員に演じさせてハワードと交流させようという作戦。
彼らはエキストラも巧みに使い、劇団員は他の人間には見えていない、という状況を作り上げることでハワードに”本当に「時間」という概念が擬人化して話しかけてきた”と思わせることに成功する。
そして、劇団員との交流を通して、ハワードは「愛する人を亡くした人のためのセラピー」に通いだしたりと前向きな変化を見せる。
それぞれの社員3人は、
ホイット(エドワード・ノートン)は娘との愛の問題で悩み、
サイモン(マイケル・ペーニャ)は余命僅かで死にかけていて、
クレア(ケイト・ウィンスレット)は子どもを産めるタイムリミットと戦っている。
彼らも、それぞれの愛、時間、死の役者と交流する中で己の悩みを解決していく。
現実を見ようと決意したハワードが、3人に投げかける言葉も、彼らの悩みを解き放つ役割をしている。
ラスト、セラピー先で出会ったと思われていた女性が実はハワードの元奥さんであり、亡くなった娘の母親だったという事が発覚。ハワードもそれを認めることができ、最後にはずっと言えなかった娘の名前と、亡くなった理由を話せるようになる。
公園を歩くハワードを見守る3人の劇団員。しかし、振り返ると彼らはいなくなっている。
大人にとっての寓話
と題したのは、最初こそ劇団員として登場した3人に、「この作戦を手伝ってくれれば舞台に資金を出そう」と言ったり「守秘義務に関する契約書」に契約させるシーンもあって、”現実に起きていること”だと思いながら観れるものの、後半に進むにつれて登場する劇団員が「彼らは本当に”愛”であり”時間”であり”死”だったのではないか」と観客に思わせるような演出があるからなんですよね。
ハワードの奥さんが、娘が亡くなる前に会った老婆が「死」の役者だったりとか、ラストで3人が消えると言う演出もそうですし。
ラストに用意されているどんでん返しも上手く効いてる!
絵本の中で本来なら喋るはずもない動物が喋ったり、風や火や水なんかの生き物でもないものがキャラクターととして登場し、子ども達に大切なことを教える。それと同じことが、大人向けに起きる映画なのかな、と感じました。
名言がいっぱい!
愛について、時間について、死について悩むひとたちに向けてたくさんの名言がありました。
「見逃さないで、不幸のその先の幸せのおまけを」
「見方一つよ。完全に死ぬものなんて何もない」
「娘に父親であることを許可してもらう必要はない。娘は君の一番の宝だ。だが、明日があると思うな」
「子どもは自分が産まなくても良い。時間との戦いはまだ終わってない」
などなど・・・
基本的に、台詞回しが普通の映画っぽくなくて、少し難解というか。詩的というか、哲学的というか。
なんというか、私たちの日常にはあまりなじまない言葉遣いであったり、会話なんですよね。
だからこそ寓話というか。
まとめ
この、少し日常と離れたファンタジーさもある作品をすんなり受け入れられるかどうかが感動できるポイントだと思います。
ちびぞうは、場面によっては感動したり、ちょっと引いた目で見てしまったりと、ブレがあったかな。すっごくよかった、誰かに見せたい!とは思わないですね。良いこと言ってるのはわかるけど。良いこと言ってるでしょ?ふふん感が強いと言うか・・・(ひねくれ)
もしかしたら観る人の状況によっても大きく感想が左右されるかもしれません。例えば、6歳の娘がいる親御さんとかは、ものすごく感情移入してしまうのかも。
そういえば、ドミノはどういう意味を持っていたんだろう。一度倒し始めてしまったら止められない運命の残酷さとかを表現していたんだろうか。でも、ドミノって倒すことで完成するものだと思うんですよね。必ずしもそれがネガティブなイメージを持っているアイテムではないと思うし・・・難しいな。誰かこの映画における”ドミノ”の意味は一体なんだったのか。分かる方がいらっしゃれば教えて欲しいところです(;;)