火星の害虫VS地球の害虫!
原作の漫画は途中まで読んでいまして(多分第二部辺りまでかな)、まぁこの実写版は地雷臭がものすごかったので避けていたんですが、たまたま家族が借りて来たDVDがあったので「まぁ観てみるか・・・」とそんなノリで観賞しました。
いやぁ、監督も含め有名どころの無駄遣いしてますね!(笑)
【映画情報】
【制作国】日本
【監督】三池崇史
【脚本】中島かずき
【原作】貴家悠(作)/橘賢一(画)
【製作】福田太一/茨木政彦/榎本善紀/中村理一郎/寺島ヨシキ/奥野敏聡/小笠原明男/宮本直人/坂本健
【音楽】遠藤浩二
【出演([]内は役名)】伊藤英明[小町小吉]、武井咲[秋田奈々緒]、山下智久[武藤仁]、山田孝之[蛭間一郎]、小栗旬[本多晃]、ケイン・コスギ[ゴッド・リー]、菊地凛子[森木明日香]、加藤雅也[堂島啓介]、小池栄子[大張美奈]、篠田麻里子[大迫空衣]、滝藤賢一[手塚俊治]、太田莉菜[連城マリア]、福島リラ[榊原]
【公開日(日本)】2016年4月29日
【上映時間】109分
【配給】ワーナー・ブラザーズ映画
【映倫区分】G
【IMDB】4.8/10.0 (およそ900人の評価)
【あらすじ】
2599年、人口増加による貧富の差が激しくなる日本では、新たな居住地開拓のために「火星地球化(テラフォーミング)計画」が始まっていた。しかし、火星の気温を上げるためにコケとともに放たれたゴキブリが異常進化してしまう。そのゴキブリたちを駆除するため、15人の日本人が火星に送り込まれるが……。【引用元:映画.com】
【感想(わりと酷評してるよ!)】
☆1.8/5.0
色々とくさい><
- 台詞回しがくさい
- 話の展開がくさい
- 演技がくさい
- ギャグ?がくさい(さむい)
台詞回し・・・突然入ってくる謎の外国語、何も知らない観客にさも「知ってるでしょ?」と言わんばかりのどや顔の台詞たち・・・
別にくさい演出でも、そこに至るまでに鑑賞者が共感出来ているとか、夢中になるほどの世界観が作られているとか、そういうものがあれば腑に落ちること出来たかもしれません。しかしなかなかそのくささに没入出来るほど、キャラクターのそれぞれの設定が深堀りされていないんです。共感するほどその人の事を良く知らない。
「良く知らない人がなんかしんみりすること言ってる」
「ああきっとここは泣かせポイントなんだな」
なんて冷静な傍観者まるだしで観てしまう。
そもそもキャラクターがたくさんいて、誰がどんな立ち位置なのかどんな深い関係性が隠されているのかもよく分からないまま進んでそのまま終わっていくので、わりと置いてけぼり感がすごいです。
4つ目のギャグ?については、これは「もしかしたら笑わせるつもりはないのかもしれない」という曖昧な感じ。大真面目にやってるのが滑稽に見えて笑ってしまう、という感じの方が近いかもしれないです。これがまた、シリアスシーンに入り込めない要因になっているのかも。「これコメディなの?」という疑問符を頭に浮かべたまま観ていると、武井咲と伊藤英明の関係性や、山下智久の孤独なんかにも急には適応できないわけで・・・(まぁそもそもキャラに入り込めない脚本・演出なんですけども)
3つ目の演技の点なんかもすごく残念でしたね・・・多分上で言った演出のくささがここに悪い意味で効いてしまっている。それぞれ演技力のある俳優陣のはずなのに、全体を通して観るとまるで大学サークルが作った自主製作映画かもしくは演劇部主催の学祭劇”のように”見えてしまう。唯一良かったのは滝藤賢一さん!良い感じに気持ち悪い演技をしていました!
しかし言ってしまえば滝藤賢一さんのような怪演技を本来ならば小栗旬が(キャラの立ち位置的にも)すべきだったんですよね・・・。なんとも残念。
分かる事:分からない事=2:8
分かる事と言えば、地球の犯罪者が火星に送り込まれて異常進化を果たしたスーパーゴキブリ人を退治することを強いられるんだなぁ・・・でもほんとは卵が小栗旬の狙いだったんだなぁ・・・へぇ。ということと、それぞれの虫マンに持たされたふんわりとした戦闘特性くらい。
それ以外はほとんどがツッコミどころになっています!!
ゴキブリ退治をしろと言われた乗組員たちは「本当にただのゴキブリを駆除しに来た」と思ってるわけです。異常進化したゴキブリの事なんて何一つ知らされていない。しかも、対スーパーゴキブリ人用に戦える体になっているはずなのにそのことについても何も知らない。そいつらに対峙して仲間が死んでから初めて知らされるレベル。なので、もちろん戦闘訓練なんかも受けていない。チームワークなんてあるはずもない。私たち鑑賞者が彼らのキャラクターをよく知らないように、彼ら自身もお互いのことを良く知らない状態で地獄のような戦場にポーイと放り出されるわけです。
本当に計画者はこの人たちに任務を全うさせる気があるのか!?
と疑いたくなってしまうよ!!!!
そんなレベルなのに、「虫の能力を得られるぜ!」と言われた薬をブスッと注射するだけである程度サクサクと戦えてしまう・・・そして突然仲間の能力の事も把握しだす・・・なぜなの??
あなたがたの戦闘と現状に対する適応力を少しでも私たち鑑賞者に分けておくれよ。
- 小栗旬のマッドなキャラも全然マッドでないし、
- 武井咲の首がボキーンのあと普通に息してるの見て「いやいやあれで首がまともに繋がってるのおかしくないかね」とか思ってしまったり、
- そもそも薬を撃った描写もないのになんで最後に蛾化してるんですかねとか
- なんで光学迷彩の人が固い人と一緒に津波をかき分ける役をやってるの?とか
- 「駆除するの!?持ち帰るの!?どっち!なんで最初からそれ目的にやんないの!?」とか
- 山田孝之は「誰も水かけてくれなかったらどうなるんだよ」状態だし
- 主人公とヒロインの関係は結局なんなんだ問題もあるし
細かい事言い出したら
本当にキリがない!!!!!
まとめ
正直あんまり原作の事は覚えていないので、どこがどう改変・・・とかは詳しく言えないんですが。とりあえず「こんなんだったっけ?」と思ってしまうくらいには残念な感じになっていました。
唯一原作の面白さ、気配を感じられたのは「この人はどの虫かな?」というワクワクした部分のみ。そこももう少し、昆虫についての知識と戦闘が結びつく驚きとか、味わいたかったですね~。
原作ファンならきっと怒るだろうし、原作ファンでなければ何を楽しみに観れば良いのか分からない謎な作品ですが・・・とりあえず俳優さんは豪華なので、そこでしょうかね。好きな俳優さんが出ているのなら一度レンタルしてみてもいいかもしれません(笑)。決してはオススメはしませんが。
三池監督の作品はあまり観た事がないんですが、こないだ観た『無限の住人』も「うーん」だったので、あんまり良いイメージなくなってきちゃいましたね。『ぼっけえきょうてぇ』は好きだったんだけどなー。この人の良さが分かるような作品に、今後出会いたいものです。